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<title>fish-onさんのﾌﾞﾛｸﾞ</title>
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<description>ﾌﾞﾛｸﾞの説明を入力します。</description>
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<title>もしも願いが叶うなら</title>
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<![CDATA[ 想い続けたなら願いは叶う、なんて台詞を聞いたことがある。<br>その台詞自体は素敵だと思うし、そうであって欲しいとも思う。けれど、私の願いはきっと叶わない。いや、絶対に叶わない。それは仕方のない事なんだけれど。<br>私には好きな人がいる。けれどこの恋が成就する事はないのは痛いほど理解している。<br>だって私は人形で、あの人は人間だから。<br><br>あの人が私の様な人形を大切に扱ってくれるのには理由がある。<br>私の最初の持ち主は、あの人の幼なじみだった。<br>彼女は何をするときも私を離さなかった。食事の時も、入浴の時も、ベッドの中でも。<br>とても大切にしてくれていた。それはとても幸せな時間だったと言える。<br>私も彼女が大好きだったけれど、幸せな時間は長くは続かなかった。<br>彼女は流行り病にかかってこの世から旅立ってしまった。<br>日に日に衰弱していく彼女は、私を片時も離さなかった。私は彼女が元気になることを祈っていたけれど、その願いも虚しく叶わなかった。<br><br>彼女が亡くなった後、私を貰っていったのがあの人だった。<br>あの人は、彼女の幼なじみで形見として私を引き取っていった。<br>あの人も彼女同様、私を大切にしてくれた。彼女がそうしてくれていたのを知っていたからかもしれないけれど、大切にしてくれた。<br><br>あの人は男の子だから、私のような人形を持っている事を他の男の子から馬鹿にされたりもした。<br>けれど、それに対して反発したり落ち込んだりする事もなかった。きっとあの人にとって、それは些細な事で本気で相手にするまでもないと思っていたのかもしれない。<br><br>時々、あの人は私に話かけてくる。<br>それは彼女との思い出だったり、彼女がまだこの世にいたならば、これから起こりえたであろう未来の話であった。<br>どちらの話をする時もその表情はとても寂しげで、私はその表情を見るたびに胸が苦しくなった。<br><br>人形の私がこんな気持ちになるのは間違っているのかしら？最初はそう思いもした。けれど、実際にこんな気持ちになっているのは、どうしようもない事実でしょう？<br><br>たぶん、これが恋なのかもしれない。<br><br>私は、あの人の寂しげな表情を見た時にそう感じさせられた。<br>あの人の寂しげな顔は見たくない。<br>あの人の悲しい声は聞きたくない。<br>あの人には笑っていて欲しい。<br><br>そして、もう一つ気付いた事もある。<br>あの人は、彼女の事が好きだったんだろう。<br>そして、今でも彼女の事が好きで忘れられないんだろう。<br>私の事を引き取って大切にしてくれるのも、彼女への想いからきているに違いない。<br><br>私はただ、悲しくなった。<br>それはあの人が彼女を想っている事が、ではなくて、私には何もできない事が。私ではあの人の心を満たす事ができない。どんなにあの人の事を想っても、私は人形なのだから。<br><br><br>それからの私は毎日願い続けた。私が彼女の代わりになる事はできない。あの人の、もういない彼女への想いも、あの人自身が乗り越えなくてはならない。<br>ならばせめて、あの人に気持ちを伝えるだけでも。<br>私のこの恋が成就しなくてもいい。人形である私が人間のあの人に気持ちを伝える。それは到底不可能な願いだけれど、同じ場所に立てたなら。同じ場所に立てれさえすれば。強く強く、毎日願った。<br><br><br>私の願いに神様は応えてくれた。神様は私に気持ちを伝える手助けをしてくれると約束してくれた。<br>明日の朝が来たら、神様は願いを叶えてくれるとおっしゃられた。私は、とても嬉しくて神様に感謝した。ありがとう神様！私の願いを叶えてくれるなんて！<br><br>私があの人に伝える事はただ一つ。私が側にいるから、強く生きて欲しいという事。<br>彼女がいなくても、きっと素敵な人生があるという事。<br><br>私の恋が叶わないのだから、あの人が強く生きてくれたらそれでいい。<br><br>そう心に決めて、朝を迎えた。<br>私が喋りだしたらあの人は驚くかしら。いいえ、きっとあの人はいつも通りな気がする。<br>私は去来する様々な気持ちを抑え、あの人の姿を探す。<br><br><br>私は、あの人の姿を見て。<br>そして神様を怨んだ。<br><br><br>神様どうして？<br><br>どうしてあの人を人形にしたの？
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<link>https://ameblo.jp/makeikusa/entry-10415891014.html</link>
<pubDate>Mon, 21 Dec 2009 00:46:58 +0900</pubDate>
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<title>真実と現実と</title>
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<![CDATA[ 「あなたに私の何がわかるっていうのよ」<br><br>それが母の口癖だった。<br>私がまだ母のお腹の中にいた頃、父は死んだ。<br>父は世間で言うところのろくでなしで、定職に就かず博打にのめり込み、お酒に溺れる。そんな人だったらしい。<br>父が死んだ理由は詳しく知らないけれど、どうやらお酒が絡んでいる、ろくでもない理由らしい。<br>母が何故そんな父と結婚したのかはわからないけれど、父が死んだ事で大した変化があったわけではなかったみたいだった。<br><br>母は女手一つで私を育てると決めた。<br>昼夜問わずに働けるだけ働いて、それでも私と遊ぶ時間だけは必ず作ってくれて、まだ子供だった私から見ても毎日忙しそうだった。「お母さん、疲れてない？」心配になって訊いてみても母は決まって「大丈夫だから。心配かけてごめんね」と言うだけだった。<br><br>私はそんな優しくて気丈な母が大好きだった。<br><br><br>そう、大好きだった。<br><br><br><br>母が変わってしまったのは私が十四歳になった頃。<br><br>その頃の母は勤めていた会社が倒産して、生活のために水商売の道に進み始めていた。<br>父が死んだ理由にお酒が遠からずあるせいなのか、それまで母は一滴足りともお酒は飲まなかった。<br>けれど、水商売を生業とし始めてからはお酒なしでは生きて行けない様になった。<br>「ストレスを解消するには今はお酒しかないのよ」<br>そう言って、毎晩お酒に逃げる。<br>私は母の体が心配で何度もお酒を控える様に注意した。その頃からだと思う。「あなたに私の何がわかるっていうのよ」この言葉が口癖になったのは。<br><br>それからの母は私が口を開く度にその言葉を私に浴びせた。それはお酒のせいだったのかもしれないけれど、母の体からお酒が抜けている状態がなかったから、それは母の言葉だったに違いない。<br><br>次第に母は自宅に戻る事も少なくなり、私が十八歳になった頃には蒸発してしまった。<br>その頃の私はすでに勤めに出ていて、自分一人で生活をするだけならなんとかなる位の収入があったから、それほど苦労があったわけではない。<br>心は、少し寂しかったかもしれないけれど。<br><br><br>私一人での生活にも慣れ始めた頃、叔父と名乗る人物から連絡が入った。その時点で、嫌な予感が私の頭に浮かび、それは現実だった。<br><br><br>母が死んだ。<br><br><br>母は自分の故郷に帰り、そこで入水自殺を図った。<br>母の体からは大量のアルコールが検出されたらしい。<br>私は両親をお酒で失ってしまった。<br><br><br><br>母の葬儀はひっそりとしたものだった。私に連絡をくれた叔父の意向で、極々近しい人のみでの葬儀だった。<br>母の死をあまり世間に知られたくない。<br>叔父はそう考えている様だった。きっと身内の恥だとでも思っているのだろう。私は少し吐き気がした。<br><br><br>葬儀の後、叔父が私に一通の手紙をくれた。どうやら母が最期に残した手紙らしい。<br>私は自宅に帰ってからそれを読んだ。<br><br><br><br><br>『私の事、怒ってる？当たり前だよね、親らしい事何一つできてなかったんだから。<br>ごめんなさい。<br>私にはあなたを一人前に育てる事ができなかったみたい。<br>私なりに愛情は注いだつもりだったんだけどね。<br>一つだけ、あなたに伝えておきたい事があります。<br><br>あなたは私の子供じゃありません。<br>お父さんの子供ではあるけれど、私ではない、他の女性との間に産まれた子供です。<br>その女性はあなたを産んだ直後に亡くなりました。その直後に私はあなたのお父さんと結婚したの。あなたのお父さんは昔はとても優しくて格好いい人だったのよ。子供を一人で育てるのは大変だからって、無理矢理押しかけて結婚したの。<br>お父さんが亡くなった後、私が育てなきゃ、って思って頑張ってみたんだけど、あなたにはたくさん苦労をかけたと思うの。本当にごめんなさい。<br>それから、嘘をついていてごめんなさい。<br><br>私みたいな無責任な大人にならないようにね。<br>それが唯一の心配です。残念ですけれど、私とは血の繋がりはないのだからそこは大丈夫だろうと安心しています。<br>これが私からの最期のお願いです。<br><br>あなたは幸せになってね。空の上からいつまでも見守っています』<br><br><br><br><br>なんて勝手な母なんだろう。勝手に育てて勝手に愛して勝手に思い悩んで勝手に死んで。<br>私の気持ち知らないくせに。<br>私がどれだけ感謝してるか知らないくせに！<br><br>こぼれ落ちた涙で滲んでもう読めない手紙に私は怒りをぶつけるしかなかった。<br><br>「…あなたに私の何がわかるっていうのよ」<br><br>
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<link>https://ameblo.jp/makeikusa/entry-10343515254.html</link>
<pubDate>Wed, 16 Sep 2009 01:30:29 +0900</pubDate>
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<title>夏の終わりに</title>
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<![CDATA[ 私の夏は、花火でも海水浴でもなく、夜空に星をみつける事がなによりも楽しみだった。<br>私が決まって探す星。<br>こと座のα星ベガ､わし座のα星アルタイル､はくちょう座のα星デネブ。この三つの星を結んで作られる夏の大三角形。この大三角形を見ている時間が一番好き。<br>それが、私の夏の風物詩。<br><br>夏休みも残りわずかとなって、慌ただしく宿題をすませるのが毎年の恒例行事で、それは高校生になった今も変わらない。<br>私の通う学校は熱心な進学校ではないけれど、それなりの進学率を誇っているから、やっぱりそれなりの宿題もある。<br>学生の本分は学業なのだから仕方のない事だと思うんだけど。<br><br>でも、夏休みくらい息抜きしたっていいじゃない、と思うのは当然の事だ。だって、その為の夏休みなのでしょう。<br><br>だから私も人並みには遊んだりした。<br>友達とショッピングに出かけたりカラオケで声が枯れるまで歌ったり。<br>それは楽しい時間だったから、今年の夏はそれなりに満喫できている、と自分では満足してるつもりだ。<br><br>そんな理由で、今年もやっぱり恒例行事から逃げる事はできそうもない。<br>『勉強は午前中、涼しい間にすませましょう』なんて、よく言われる台詞だけど私にはとても無理。<br>私は夜、机の向こうにある窓から夏の大三角形を見ながら宿題に取り掛かる。そうすると、不思議と集中して進めることができる。<br><br><br>曇りの日は最低。<br>理由はもちろん星が見えないから。<br>雨なら諦めもつくんだけれど、曇りっていうその中途半端さが私をイライラさせる。<br>窓から外を眺めても、星一つ見えない暗い夜空ばかりで、そんな日は何かをする気になんてなれっこない。<br><br><br>そんな曇りの日が数日続いて、私もいい加減諦めがついたのか、残念だけど大三角形に見守られる事なく宿題をすませる事にした。<br>もちろん気分はのらないから遅々として進まない。机にかじりついて公式や文法を頭に詰め込んでも、さっぱり記憶できない。<br>数時間が経過して、少し気分転換にと近所を散歩してみる事にした。<br>普段は滅多にそんな事をしないんだけど、今日は何故かそんな気分だった。<br><br>部屋着のままで近所を歩くのは少し抵抗があったから、それなりに人に見られてもいい服に着替えて、よし、少し離れた駅前の公園まで歩こう、と決める。<br>私は女の子にしては歩くのが速い方で、十数分も歩けば駅前の公園に到着する。<br>少し涼しい夜だったせいか、思っていたより汗をかく事もなく目的地の公園にたどり着いた。<br><br>小さな噴水と花壇が敷地の縁沿いに設けられた普通の公園。<br>私は噴水の近くにあるベンチに座り少し休憩をする。<br>なんとなく空を見上げてみたけれど、やっぱり星は雲に隠れて見えない。<br><br>視線を噴水の方に向けると、そこには一組のカップルが手を繋いでさっきまで自分がしていた様に空を見ていた。雲がなければ、ちょうど夏の大三角形があるあたりを見ている。<br><br>しばらくして、男の方が大きな旅行カバンを抱えて駅の方へと歩いていった。<br>少し名残惜しそうに何度も振り返り、女性にむけて手を振る。女性も小さく手を振っている。<br>きっと遠距離恋愛のカップルなんだろう、と私はぼんやりと考える。<br><br><br>きっとあのカップルは二人で夏の大三角形を見たかったんだろう。ベガとアルタイル。織姫と夏彦。一年に一度しか逢えない七夕伝説に自分達を重ねていたのかもしれない。それがロマンチックなのかは私にはわからないけれど、きっとロマンチックなんだと思う。そう思いたい。<br><br><br>私はベンチから腰をあげ、よし、家に帰るぞ、と決める。<br>行きよりも少しゆっくりと歩いて、雲が流れて星が見えないかな、と期待して歩く。<br><br>程なくして家に着き、玄関を開ける前になんとなく空を見上げてみた。<br><br><br>夏の大三角形は、まだ見えない。<br>
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<link>https://ameblo.jp/makeikusa/entry-10335802285.html</link>
<pubDate>Sat, 05 Sep 2009 01:34:01 +0900</pubDate>
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<title>距離</title>
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<![CDATA[ 「ちょっと話があるんだけど」<br><br>私にはどうしても気になる事があった。<br>彼と付き合いだしてからもうすぐ一年が経とうとしている。その間、私達はケンカをした事がない。それはとても幸運な事なんだけど、彼があまりにも怒ったりしないから少し不安になってしまう。<br>「あなたって、怒ったりする事あるの？」<br>私は少し体を前のめりにさせ、彼の顔をじっとみつめてその表情を読み取ろうとする。<br>「急にどうしたの」そう言いながら彼はテーブルの上にあるおしぼりを小さく畳んでいく。落ち着かない時に現れる、彼の癖だ。<br><br>「私達、付き合いだしてもうすぐ一年だよね」<br>「うん」<br>「けど、ケンカとかしたことないじゃん」<br>「それは悪い事じゃないんじゃないかな」<br>「そうなんだけどさ」<br>私は少しだけ彼に悪いかな、と思いながら次の言葉を続ける。<br>「待ち合わせで遅れて来ても、何にも言わないよね。待たされて文句の一つも言いたくならないの？」<br>「だって文句を言う前に君が先にごめん、って言うじゃん」<br>「そ、そうだっけ」<br>「うん」<br>「じゃあ、私って自分で言うのもなんだけど、我儘じゃない？無理言うなよ、とか思わないの？」「我儘な自覚はあるんだね」<br>「どういう意味よ」<br>「あ、冗談だよ」<br>「で、思わないわけ？」「そりゃ少しは思うけど。けど誰にでも我儘言う子じゃないって知ってるから、僕に我儘言う分にはいいんじゃないかな」<br>少し照れた表情を浮かべて彼は私から視線を逸した。ちょっと我儘言うのはやめよう、と反省しておく。<br><br>「じゃあ、もしね」<br>少し意地の悪い質問をしてみる。<br>「もし私が浮気したら、どうする？」<br>「な、何言い出すの」<br>おしぼりを畳む手を止めて、彼は私の顔を見る。彼の表情は明らかに困惑している。<br>「そ、そりゃ嫌だよ。けど、浮気されるのは僕に足りない部分があるからだと思うから、まずは自分を磨くかな」<br>そう言って少し考えこんだ後、<br>「…浮気してるの？」<br>彼が恐る恐る口を開く。母猫とはぐれた子猫の様に不安そうな彼の様子に、少し胸が痛む。<br>「もしも、の話よ。仮定の話。してないから安心してよ」<br>意地悪な質問してごめんなさい、と心の中で謝りながら彼に言う。<br>「…よかった。うん」<br>心の底から安堵している彼を見て、また少し心が痛んだ。ごめんね。<br><br>「どうして、さっきからそんな事ばかり訊くの？」<br>彼は私に尋ねる。<br>私は正直に答える。<br>「やっぱり、付き合ってたら言いたい事言い合えないとストレスとかになるんじゃないのかな。私はあなたに不満はないの。けど、もし私があなたを怒らせる様な事を知らずにしてて、それを溜め込んでたりしたら嫌じゃない？別に怒られたい訳じゃないのよ。ただ、もう少し怒ってもいいんだよ？」<br><br>私はどんな表情でそう言ったかわからない。<br>くだらない質問をしたバツの悪さで彼の顔を見れないでいると、彼の声が聞こえてきた。<br><br>「これから先も、僕は君と一緒にいたいと思うよ。だから仮定の話までして怒らせたりするのは、あんまり関心しないかな。仮定の話するよりも、次のデートの計画を立てた方が楽しいじゃない？僕も怒る時はちゃんと怒るから、もうこの話はやめようよ」<br><br>彼の声はいつもと変わらない調子だったから、安心したのと同時に自分のバカさ加減にがっかりしてしまう。<br>彼の方をチラリと見ると、手持ちぶさたなのか、またおしぼりを小さく畳み始めていた。<br><br>そんな彼の姿を眺めていたら、ふとある事に気付いた。<br><br><br>「ひょっとしてさ」<br>「なに？」<br>「私、今怒られてるのかな」<br>私の言葉に、彼は少し笑っただけだった。<br><br>
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<link>https://ameblo.jp/makeikusa/entry-10330796356.html</link>
<pubDate>Sat, 29 Aug 2009 02:09:21 +0900</pubDate>
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<title>言葉</title>
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<![CDATA[ 彼の言葉が私を殺した。<br><br>それは躊躇いも慈悲もない、容赦のない言葉。<br>私はその言葉の前に歩く術を失ってしまった。<br>けれど、彼を責める事なんてできない。彼には悪意なんてないのだから。<br><br><br>私は強い人間ではないけれど、涙を流しながら人生を渡っていくほど弱くはない。弱くはないつもりだった。<br><br>私にはルールがある。ルールに沿って私は走る。それは掟。そう、掟。それは従わなくてはならない鎖。それは誰にも犯される事のない、私だけの領域。<br><br>けれど、それすらも容易く撃ち抜かれて、粉々に砕かれてしまった。ガラス細工の調度品の様に、脆く崩れさってしまう。後に残るのは、砕かれた心の残骸。輝きを失った、ただの石。そこに価値は、ない。<br><br>私がそれを自覚した瞬間から、私という存在がひどく薄っぺらなモノに思える。存在を否定された訳でもないのに、心には到底埋めようのない穴が穿たれたように思えてしまう。その穴は徐々に広がって、私の心を石へと変えようとしている。<br>キラキラした宝石ではなく、鈍く黒ずんだ石。決して輝く事のない石。<br><br><br>私の意思はどこにあるというのだろう？<br><br><br>たった一言。<br><br><br>その言葉に殺されてしまった私は、生きていく意思を失ってしまった。どうやって走ればいいのかわからない。<br>わかる事といえば、これからの私を待っているのは灰色の世界。滲んだ現実。<br><br><br><br><br><br><br><br>それからの私の生活は、緩やかに、でも確実に崩壊してしまった。日常の出来事に心がいとも容易く砕かれる。誰かの言葉に撃ち抜かれてしまう。誰かの視線に心が犯されてしまう。<br>こんなにも脆いものなの？<br>その事実が私に追い討ちをかける。それらを修繕する間もなく、私の心は砕かれていく。<br><br><br><br>もうやめて…。私はもう走れない…。<br><br><br><br><br><br>それでも私の身体は、私の心に従ってしまう。無価値な私の意思に委ねられてしまう。そこには何もないのに。私の矜持はもうないのに。私の心は動きを止めようとしているのに…。<br><br><br>そんな限界寸前の私の心を救ってくれたのは、何故か彼の言葉だった。<br><br>彼の一言はありふれた言葉だったし、私を救おうとして放った言葉でもない。彼がそんなに気の利いた人ならば、最初から私を殺す言葉なんて言うはずがない。<br><br>それでも私の心の穴を塞いでくれたのは彼の言葉。<br>私の心をキラキラした意思あるモノへと変えてくれたのは彼の言葉。<br><br>どうしてその言葉が私を救ってくれたのかは正直わからない。<br>彼に特別な感情を抱いていたんじゃないか、と邪推する人もいるかもしれないけれど、お世辞にも彼は私の特別にはなり得ない。<br>ただ、言える事は、彼の言葉に私の心が殺されて、そして今は救われている、という事実がそこにあるだけ。<br><br><br>そう、今は救われている。<br><br><br>今はそれで充分なのだと、私は自分に言い聞かせる。。<br><br><br><br><br><br><br><br>そして私の掟は、新しく生まれた。<br><br>私の掟は、まだ私を走らせてくれるだろう。<br><br>たった一つ、新しい掟を加えて。<br>
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<link>https://ameblo.jp/makeikusa/entry-10327243191.html</link>
<pubDate>Mon, 24 Aug 2009 01:24:25 +0900</pubDate>
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<title>今を生きる</title>
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<![CDATA[ 僕には自慢できるような特技もなければとりわけ優れている才能もない。大きな野心もないし、犯罪に手を染めるような度胸もない。<br><br>あるとすれば真っ直ぐに、ただ普通に生きてきた事だけだ。<br><br><br>だから幸せについて考える時に思い浮かぶ事といえば結婚して家庭を持ち、子供が成人するまで育てる事だ。子供が真っ直ぐ育ち一人前になってそれぞれの家庭を持ち、孫の顔を見る事ができればそれでいい。後は、奥さんと一緒に余勢を過ごせれば、それでいい。<br><br><br>大きな夢ではないけれど、それが幸せなんだと思う。僕が愛する人を守る事。真っ直ぐに生きる事。それでいい。<br><br><br><br>ずっとそう思って生きてきた。<br><br><br><br>そう、彼女に出会うまでは。<br><br><br><br>僕が彼女を説明する事は難しい。何故なら、僕は彼女ではないのだから。たぶん、どんな言葉でも彼女を言い表す事はできないだろう。<br>それでも強いて言うのであれば。<br><br>エキセントリック。<br><br>それが相応しいのかもしれない。<br><br><br>彼女はよく笑う。<br>けれどそれは優しいものでははない。誰かが悲しい時、彼女はそれが楽しいみたいだ。<br>子供が飼い犬の死に泣いていたら、彼女はそれを見て笑う。声を上げては笑わないけれど、満足そうな笑みを浮かべるんだ。<br><br><br>彼女はよく怒る。<br>けれどそれは一時的なものだ。自身の怒りは不愉快らしい。<br>誰かが彼女を罵った。彼女を傷付ける鋭利な言葉。<br>彼女が怒るのは一瞬だけ。それは誰にも知られたくないのかもしれない。彼女の性格ならそれもあり得る事だ。<br><br><br><br><br>彼女には善悪の頓着がないんだ。<br><br>だから彼女は人を傷付ける事に抵抗がない。自身の楽しみのためなら人だって殺せるのかもしれない。<br>それとは逆に悪人に手を差し延べて救いを与えるかもしれない。それが自身の楽しみのためなら。<br><br>そんな彼女だから、自由奔放に生きる。誰かを傷つける事を厭わない。<br>自身のためなら、罪を犯す事も厭わない。<br><br><br>そんな彼女を誰も理解しようとはしない。理解してはいけない、と考えるのかもしれない。<br><br><br>誰かが言っていた。<br><br>彼女はタブーだと。<br><br>彼女は魔女なんだと。<br><br>だから誰も彼女に近寄らない。関わりを持とうとしない。触れるなんてとんでもない。現代の魔女。魔女はいつの時代だって狩られてしまう運命だ。<br><br><br><br>…ただ、僕は知っている。<br><br>彼女には涙がある事を。<br><br><br>何故泣いていたのかはわからない。理由を訊いたところで答えてくれるとは思わない。答えてくれたとしても僕に理解できるとも思えない。<br><br>それでも、あの時僕が見た涙は紛れもなく悲しみの涙だった。<br><br><br>その瞬間、僕の心は魔法にかけられたかのように取り込まれてしまった。理由なんてわからない。もし彼女が本当に魔女であるならば、僕に魔法をかけたのかもしれない。なんにしろ、僕は彼女に魅せられてしまったんだ。<br><br><br>それからの僕は、彼女のそばにいる事が当然と考えるようになった。彼女もそれを拒んだりはしなかったから、きっと一緒にいたいのだろう、と勝手に考える事にした。<br><br><br>彼女の行動は相変わらずエキセントリックで、僕自身にも理解はできない。けれど、時折僕に見せる微笑みはとても純粋で、そこには魔女と呼ばれる理由なんて見つける事はできなかった。<br><br><br><br>それでも魔女はいつの時代だって狩られてしまう運命なんだ。<br><br><br>善悪の頓着がない彼女が社会的に不適格であるのは誰の目にも明らかだったし、彼女は危険だと僕だって思う。彼女はやはりタブーだ。それは認めなくてはいけない。<br><br><br>ただ、僕にだって言いたい事があるんだ。<br><br><br><br>彼女は魔女なんかじゃない。<br>人間なんだ。<br><br><br>彼女と同じ時間を過ごしていて、なんとなくわかった事がある。彼女は孤独なんだ。寂しかったんだ。けれど、それを伝える方法がわからない。誰かが不幸になれば彼女は自分の寂しさや辛さを皆が理解してくれると思ったんだろう。自分の悲しみは寂しさだ。そう伝えたかったに違いない。だから誰かを傷つける。罪を犯す事で存在を確かめる。<br><br><br>けれど、それが許される世界ではないんだって僕も理解している。<br><br><br>きっと彼女は排斥されるだろう。人間だけど、魔女と呼ばれ咎められるんだろう。それは仕方がない事なんだと思う。世界は彼女のためにあるのではないのだから。彼女は特別ではないのだから。<br><br><br><br>それでも、誰に何と言われようと、僕は彼女と一緒にいようと思う。<br><br><br>彼女が孤独だとか可哀相だとか、僕だけでもそばにいてあげようだとか、そんな同情や憐憫なんかじゃなくて僕自身の意思で決めたんだ。<br>彼女は魔女なんかじゃないから、もちろん魔法にかかっているわけでもない。<br><br><br>彼女を守る事。<br><br>僕の幸せはそれでいい。<br><br><br><br><br>うん、それでいい。<br><br><br>
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<link>https://ameblo.jp/makeikusa/entry-10318470095.html</link>
<pubDate>Tue, 11 Aug 2009 10:34:14 +0900</pubDate>
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<title>空のお姫様</title>
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<![CDATA[ 私は世界の姿を知らない。<br><br>私が世界と距離を置いたのは産まれてから間もない頃。唯一記憶にあるのは青く晴れた、雲一つ無い空。<br><br>あの空の美しさは鮮明に覚えてるわ。抜けるような青がどこまでも続いていたの。誰にも汚される事の無い青。私はそれを閉じ込めようと決めて視界を閉ざした。だから今も私の瞳にはあの青空が広がっているの。<br><br>あの日から十三年。<br><br>私の視界は黒に覆われている。<br><br>私の楽しみはあの高くて澄んだ空を思い出す事だけ。目を開けば、あの日見た空は失われてしまう。私の宝物が奪われてしまう。それは考えるだけで寒気がしちゃうわ。<br><br><br>私、黒い世界は嫌い。<br><br>でもそれは仕方のない事だと私は思うの。それはもちろんあの青空の為だからね。<br><br>だから私は一人では何もできないの。どうやって暮らしていけばいいのかわからないの。パパとママがいないと生きていけないの。<br><br><br>パパは私にご飯を食べさせてくれる。スプーンで一口づつ、ゆっくりと。けれど時々熱いままのスープを食べさせようとするの。私が熱いよって怒るとパパはごめんね、って言って私の頭を軽く撫でてくれる。その瞬間はね、うん、嫌いじゃないわ。<br><br><br>ママは私をお風呂に入れたりお洋服を洗ったりさてくれるわ。私、水のように冷たいお風呂が好きなの。だって熱いのって我慢できないんだもの。冬は冷たくも熱くもないお風呂じゃなきゃ嫌なの。ママはその辺りちゃんとわかっててくれるから大好き。あ、けれどお洋服の趣味はどうなのかな？私はそれを知らないから少し心配。けれど、きっとママなら大丈夫だと思うわ。<br><br><br>パパとママは大好き。私の瞳にある空の次に好きかな。恥ずかしいから言わないけどね。<br><br>でも最近、なんだかパパとママの様子が変なの。<br>私は一人じゃ何もできないのは二人とも知ってるの。なのに、私を一人ぼっちにするの。黒い世界に私だけ残される。これがどれだけ寂しいかわかるかしら？きっと誰にもわからないわ。私の気持ちはそんなに簡単にわかるほど軽くないんだから。<br><br>それでね、パパとママが私を一人ぼっちにした後は絶対、ごめんね、って言ってくれるんだけど、パパだけとかママだけとか、二人一緒じゃないの。ケンカでもしたのかな？なんて思ったけれど、どうにも違うみたいなの。なんていうのかしら、優しい声なの。少し震えてるんだけど、甘い声。そう、オレンジ色のイメージだわ。その声を聞いたら、私何も言えなくなっちゃうの。<br><br><br>そんな日がしばらく続いて、私もそれに慣れちゃったから、そんなに怒ってないの。もちろん寂しいわよ。でも、私ももう子供じゃないんだから、我儘なんか言わないって。偉いでしょ？<br><br><br><br>けどね、今日は違うの。<br>バパもママもいないの。<br>もう二日も私一人ぼっち。<br><br>お腹も空いてるし、身体もベタベタしてる。冷たいお風呂に入りたいし新しいお洋服に着替えたい。私だけじゃできないのに。<br><br>どこへ行ったの？パパ…。ママ…。私を一人にしないで…。<br><br><br><br><br><br><br><br>…その時ね、なんだか目を開かなきゃって思ったの。理由なんかないわ。直感かもしれないし、神様が耳元で囁いてくれたのかもしれない。<br>いいえ、違うわ。きっとあの青空が教えてくれたんだと思う。根拠なんかない。理由なんかない。でもそうなの！<br><br>あの青空が目を開けてごらん、って言ったの。私はそれに従う事に躊躇いはなかったわ。だって理由なんかは言わなくてもわかるでしょ？<br>もう私の宝物じゃなくなっちゃうけど、仕方ないよね？<br>きっと今、目を開けないいと私絶対に後悔するから。それぐらいわかるわ、子供じゃないんだから！<br><br><br>だからね、私ゆっくりと目を開いたの。<br><br>太陽の光が眩しい。刺すよう視界を金色が覆う。目を開けてなんかいられないじゃない！いたい。痛い！イタイ！もう目を閉じちゃいたい。でも、仕方ないじゃない！目を開けないとパパとママを探せないじゃない！<br><br><br>…パパ、どこ？<br>…ママ、どこなの？<br><br><br><br><br><br><br>…ごめんね、パパ。ママ。<br>私、二人の顔わからないわ。<br><br>
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<link>https://ameblo.jp/makeikusa/entry-10314981326.html</link>
<pubDate>Thu, 06 Aug 2009 01:33:47 +0900</pubDate>
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<title>たとえ、すれ違いでも</title>
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<![CDATA[ 少年の手はとても小さくて、何も持つ事ができない。本やペン、スプーンさえも握る事ができなかった。<br><br>少年はそんな自分の手をどうしても好きにはなれなかった。仕方のない事なんだと理解はしていたとしても、とうてい納得できるものではなかった。<br><br>そんな劣等感から次第に少年は人と関わりあう事を避ける様になった。使い道のない自分の手に幻滅し、それでもいつか自分の手が何かを掴む事ができると期待し、結局は何もできない自分の手にどうせなら最初から手なんかいらないと思うようになった。<br><br><br>少年には友達がいなかった。ただ一人の少女を除いて。<br><br>少女は少年を特別視はしない。甘やかすこともなければ突き放すこともない。少年の手について何かを言うことはしない。いや、それは正しくない表現かもしれない。少女は何も思わない。思うことができないのかもしれない。少年が思うには、少女には感情が欠落している。<br><br><br>少年は、自分の小さな手に苛んだ。<br>少女は、苛む感情を持ったりしない。<br><br><br>そんなある日、少年は自分の未来を想像した。そこには到底幸せである自分の姿を想起することができなかった。自分の手は何も掴めない。本やペンやスプーンも掴めない。そして、夢も掴めない。そこにあるのは、何も変わらない自分。<br><br><br>少女は自分の未来を想像したりしない。今を生きるだけ。そのなかで、少女は今を生きる為に必要な言葉を知る。その言葉は魔法だ、と誰かが言っていた。<br><br>ある日、少年は少女を訪ねる。未来のない自分を彼女はどう言うだろう。それが知りたかった。彼女の言葉はいつだって真実だと思っていたから。<br><br>少年は少女に自分の話をした。でき得る限り細かく、感情的にはならないように。ゆっくりと時間をかけて気の済むまで話をした。<br><br><br>話を聞き終わった少女は、少しの間無言だった。その間、少女の脳裏に浮かんでいたのはあの魔法の言葉だった。<br>そして少女は、少年の手をそっと握ると優しい声でこう言った。<br><br>「私は貴方と手を繋ぐ事が好きだから」<br><br>少年は、うん、と応え、それでいいのだろうと思った。救われたとは言わないけれど、ただ、それでいいのだろう、と。<br><br><br>少女は結局その魔法の言葉の意味について理解はできなかった。だから自分には必要のない言葉だと思った。捨てていい魔法の言葉、自分には必要のない言葉、それは。<br><br>嘘。
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<link>https://ameblo.jp/makeikusa/entry-10312783855.html</link>
<pubDate>Sun, 02 Aug 2009 22:22:53 +0900</pubDate>
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