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<title>marikaのシベリア民話</title>
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<description>これまでシベリア民話を翻訳してきました。今までためてきたものを読んでもらいたいと思い、ここに紹介します。</description>
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<title>閑話休題３　雪山の怪</title>
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<![CDATA[ <p>　先日近くの山に登った。その朝降った雪が5cmくらい登山道をおおっていた。駐車場に車がなかったので、先行者はいないと思っていたけれど、登山道には大小二人分の足跡がついていた。きっと夫婦で登っているのだろう、と勝手に想像しながら後をついていった。</p><p>　足跡というのはおもしろいものだ。その人の歩き方が分かり、その情景まで想像できる。一歩一歩順調に進んでいた足跡があるところで両足揃って、立ち止まり後ろ向きになる。ああ、疲れて立ち止まり、自分の歩いてきた道を振り返っているんだな、とか、たたらを踏んでよろけた足跡からはバランスを崩してあわてている顔が思い浮かぶ。一人の山歩きも先行者の足跡を見ていると、一緒に歩いているような気がしてくる。</p><p>　しばらくして上から声をかけられる。下りてくる人が私を待ち受けていたのだ。道を譲ってくれたお礼を言ってすれ違い、なおも進む。険しいところでふと気が付くと、先行者の足跡はあるのに、今下ってきた人の足跡がないのだ。そんなはずはない。今確かにすれ違ったのだから、必ず足跡はあるはずだ。登山道を外れた所にもない。あの人はどこをどうやって歩いてきたのだろう。</p><p>　超常現象は信じないいたって現実的な人間なのに、不思議でしょうがない。</p><p>考えられることは　①出会ったのは気のせいで、本当は誰にも出会わなかった。</p><p>　　　　　　　　　②彼女は現代の山姥で、人を惑わせて喜んでいる。</p><p>　　　　　　　　　③私と出会う直前、わき道から出てきた。</p><p>　　　　　　　　　④私と出会ったところで引き返した。先には行っていない。</p><p>　④しかないだろうな、でも②だったらおもしろいな、などと考え、その日の山歩きを楽しんだ。</p><p>　さて、人の足跡のことを書いたけれど、自分はいったいどんな足跡を残しているのだろうか？</p>
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<link>https://ameblo.jp/marika-ro/entry-12790225997.html</link>
<pubDate>Mon, 20 Feb 2023 17:32:10 +0900</pubDate>
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<title>第23話　動物たちの知恵　ПОЧЕМУ ЗВЕРИ ДРУГ ОТ ДРУГА ОТРИЧАЮТ</title>
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<![CDATA[ <p>&nbsp; ずっと昔のことだった。猟師たちはいつも簡単に動物たちを根絶やしにすることができた。それで動物たちは集まって、猟師たちにやられないで生きていくには、これからどうしたらいいのかを話し合った。長い討論の結果、次のように決定された。</p><p>「ヘラジカ、猟師がお前を殺さないためにはお前に長くて速い足をあげよう。」</p><p>「がってんだ」ヘラジカが言った。</p><p>「アカシカ、猟師たちがいきなりお前を見つけないように、鋭い耳と鼻を与えよう」</p><p>「わかった」アカシカが言った。</p><p>「ノロ、猟師がお前を殺さないように軽い体とほっそりした足をあげよう。」</p><p>「いいよ」ノロが言った。</p><p>「キツネ、お前は体が小さくて足も短いから、猟師に捕まらないためには、いちばん　　　</p><p>　ずるがしこくなくてはならない」</p><p>「わかった」キツネが答えた。</p><p>「カワウソ、お前は雪の上を歩くのが苦手だから、猟師に捕まらないためには陸だけ　　　　</p><p>　に住むのではなくて、水の中でも生活しなさい。」</p><p>「はい」カワウソが言った。</p><p>「ウサギ、猟師がお前を見つけないように、夏は毛を灰色にして、冬は白くしなさい</p><p>「いいとも」ウサギが答えた。</p><p>「クロテン、お前の毛皮は高価なものだからいつも猟師たちはお前をねらっている。</p><p>　だからお前は賢くなって、穴や水の中にも隠れなくてはならない」</p><p>「いいですよ」クロテンは答えた。</p><p>「アナグマ、お前の足は短くて深い雪の上を歩くことができない。猟師に捕まらない</p><p>　ためには穴の中に住みなさい。」</p><p>「わかった」アナグマは答えた。</p><p>「アライグマ、お前もアナグマと同じようにしなさい」</p><p>　けれどもアライグマは何を言われたのか聞いていなかったので、猟師はかんたんにアライグマを見つけることができるのだって。　　　終わり</p><p>&nbsp;</p><p>　立春も過ぎ、寒気も少し緩んできました。白鳥が北に帰る（北帰行）季節が近づいてきました。今年は鳥インフルエンザが大規模ではやり、白鳥がウイルスを運んできたと非難されることもありました。もしかしたらそうかもしれません。白鳥にとっても災難だったと思います。養鶏業者の方々の大変なことは言うまでもありません。</p><p>&nbsp;</p><p>　今日の話、アライグマのかわいい一面を見ました。あまり利口でないのかな？</p><p>&nbsp;</p><p>&nbsp;</p>
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<link>https://ameblo.jp/marika-ro/entry-12788621058.html</link>
<pubDate>Fri, 10 Feb 2023 16:11:12 +0900</pubDate>
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<title>第21話　ニャーニャ　フブーン　НЯНЯ  - ХУБУН</title>
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<![CDATA[ <p>　むかし、ニャーニャ＝フブーンという貧しいみなしごがいた。父もなく、母もなく、親戚もだれもいなかった。子どもの頃から金持ちにやとわれて牛の放牧をし、休むということはけっしてなかった。</p><p>　雇い主はいつも言っていた。</p><p>「いいか、わしの牛を1頭たりとも見失うではないぞ！もし1頭でもいなくなったらき　　さまがどうなるか分からないぞ！」</p><p>　天気のいい日には牛たちはのどかに牧草を食べていたけれど、天気の悪い日にはあちこちに走り出した。いなくなった牛を探しに一晩中走り回らなければならなかった。</p><p>　ある時天気が悪くなり始め、牛たちは勝手な方向に散り、20頭もの牛がいなくなってしまった。</p><p>　ニャーニャ＝フブーンは探さなければならない。3日も4日も食べず、眠らずにいなくなった牛を探して走り回った。昼も夜も泣いて考えた。</p><p>「これからどうなるのだろう？旦那はどう思うだろう？」</p><p>　夜明け前に彼はある老人に会った。</p><p>「どうして泣いているんだい？」　老人が尋ねた。</p><p>「私は幼い時から金持ちのご主人様のところで暮らし、もう10年も旦那様の牛の世話をしています。今まで一度だってこんなことはなかったのに、初めて20頭の牛を逃がしてしまい、見つけることができません。もう4日も寝ていません。食べていません。ずっと走り回って探しています。」　</p><p>ニャーニャ＝フブーンは答えた。老人は言った。</p><p>「大丈夫、その牛たちはあっちの方に行けば見つかるよ。もう二度と牛たちがお前から逃げないようにいい言葉を教えてやろう。それは逃げようとしたときに『ニャーニャ』と言えばいいんだ。そうすると牛は地面に張り付いたように、動けなくなってしまう。牛を地面から立たせようと思ったら、「ソブル-ソブル」と言うがいい。そうすれば牛たちは走って草のところに行って草を食べるだろう。</p><p>　こう言うと、老人は去って行った。</p><p>　言われたところに走っていくと1頭残らず、20頭の牛たちがそこにいた。その日は一日おとなしくみんな草をはみ、どこにも行かなかった。その次の日、また逃げ出した。牛飼いは老人に教えられた通り、「ニャーニャ」と叫んだ。すると牛たちはまるで1頭のように地面にぴったりとはりついた。横たわり、少しも動かなかった。</p><p>　ニャーニャ＝フブーンはこれを見て喜んだ。そして一息ついて眠った。彼が寝ている間、牛たちは地面に横たわっていた。彼は目覚めると、「ソブル-ソブル」と言った。すると牛たちはすぐさま起き上がり、草をはみ始めた。夕方までには1頭残らず牛舎に連れ帰った。</p><p>&nbsp;</p><p>　これまで牛飼いは主人から一度たりとも温かい言葉をかけられたことはなかった。今回も同じだ。主人夫婦は出てくるなり、牛を見ていつものようにニャーニャ＝フブーンを叱り始めた。</p><p>「お前は役に立たない牛飼いだ。役に立たないやつめ。牛たちをちゃんと見てないではないか。」</p><p>ニャーニャ＝フブーンはあえて言い訳しなかった。そして自分のねぐらに戻って、考えた。</p><p>「もう我慢しないぞ。仕返ししてやる！」</p><p>&nbsp;</p><p>　ある日、女主人が病気になった。医者が呼ばれ、治療に当たった。医者が治療しているとき、ニャーニャ=フブーンが小さい声で「ニャーニャ」と言った。その時医者は机のそばに立っていたが、机にくっついてしまった。主人はおろおろし、驚き、どうしていいかわからなかった。今度はシャーマンを呼んだ。シャーマンが行を始めると、牛飼いはまた「ニャーニャ」と言った。シャーマンはすぐに壁にくっついた。</p><p>「どうしたらいいんだ、どうしたらいいんだ？どうやったら助けられるんだ？ラマ僧を呼べ！」主人は叫んだ。</p><p>　ラマ僧を呼びに行った。ラマ僧が来て祈祷を始めた。牛飼いはまた言った。</p><p>「ニャーニャ」</p><p>&nbsp;</p><p>ラマ僧はくっついた。</p><p>「助けてくれ！すぐに助けてくれ！」ラマ僧が頼んだ。</p><p>　医者は叫び助けを求めた。シャーマンは叫ぶ。今度は占い師が呼ばれた。占い師がやって来て占いを始めた。牛飼いはまた「ニャーニャ」と言った。占い師は椅子にくっついた。みんなくっついた。騒ぎ、叫び、どうすることもできなかった。ニャーニャ＝フブーンは一人で笑っていた。</p><p>　長いこと彼らはそのままだった。1週間が経ち、1ヶ月が経ち、彼らはくっついたままで、はがすことはできなかった。主人は彼らを無理に引きはがそうとして人々を呼び集めた。大勢やって来てひっぱり始めた。引っぱって引っぱって、それでも引きはがすことはできなかった。誰かがさわると、その人もまたくっついた。百人もの人たちがお互いくっつきあった。そしてもっとも偉大な占い師が呼ばれた。</p><p>　彼女は尋ねた。</p><p>「なぜ、私が呼ばれたのだ？」</p><p>訳を言うと、占い師は来なかった。そして言った。</p><p>「牛飼いの若者に頼むがいい。彼だってみんなを離したがっている。永久に椅子にくっついたままでいることを望んではいるわけではないのだ。」</p><p>こうしてシャーマンも、ラマ僧も、占い師も、金持ちも、女主人も、ほかの人たちもニャーニャ＝フブーンにたのみ始めた。</p><p>「私たちを離してくれ！ほしいものはなんでもやろう！早く剥がしてくれ！わしの財　　産の半分をやろう。」</p><p>するとニャーニャ＝フブーンは「ソブルーソブル」と言った。たちまちみんなは剥がれ、ばらばらになった。</p><p>　このことがあってから、ニャーニャ＝フブーンはずるい主人のもとを去り、自分のユルト（遊牧民の天幕）を建て、自分の牛を育て始めた。封建領主も、シャーマンも、ラマ僧も金持ちもこの若い牛飼いを恐れるようになったそうだ。</p><p>「彼にはかなわない。共に暮らすことはできない。」　</p><p>もうだれもニャーニャ＝フブーンに理不尽な命令をするものはいなくなった。　　　　　　　　　　　　　　　　　　　</p><p>&nbsp;</p><p>&nbsp;</p><p>　弱いものが力のある者をやっつける話はどれも痛快です。ここでは”強いもの”は金持ちだけでなくシャーマン、ラマ僧、占い師だというのがおもしろいです。自分たちの力の及ばないことは神や自然に祈るしかなかったのですね。そして、こういうものは得てして人を騙すことによって自腹を肥やしている。ニャーニャ＝フブーンに拍手を送りたいです。（遠く離れた日本から、時代もずっと後の21世紀から）　　　　　</p>
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<link>https://ameblo.jp/marika-ro/entry-12787787675.html</link>
<pubDate>Sun, 05 Feb 2023 13:32:16 +0900</pubDate>
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<title>第21話　カモになったむすめ</title>
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<![CDATA[ <p>　以前「白鳥になったむすめ」を紹介しましたが、今回は「カモになったむすめ」です。お読みください。</p><p>&nbsp;</p><p>　むかし、あるところに二人の兄弟がいた。彼らは結婚することにした。そして二人の美しい姉妹を妻にしようとした。兄のアグディマは姉むすめを妻にした。妹はこの男たちを見て、カモに姿を変えて飛んで行った。家から遠くない湖に降りたち、水の上を泳いだり、岸を歩いたりした。</p><p>　弟は兄の妻と一緒に湖に行って、隠れていた。湖の上をカモが飛んでいるけれど、降りようとはしない。姉はカモを見て、あれは自分の妹だと分かった。でも、どうしてカモを降りさせることができるだろう。家に帰ってくるように、どう説得したらいいのだろう。姉は歌を歌った。</p><p>&nbsp;</p><p>―あなたは疲れているの　<a name="_Hlk123656403">カンギロカンディ　ナイナ</a></p><p>　ほかの鳥たちがみんな降りているところに　カンギロカンディ　ナイナ</p><p>降りてきて　　カンギロカンディ　ナイナ</p><p>&nbsp;</p><p>妹のカモは歌で応えた。</p><p>―水の上に降りていくわ　イベルー　イベル</p><p>　不意に会えるように　イベルー　イベルー</p><p>&nbsp;</p><p>カモは湖の上を飛んだけれど、降りては来なかった。今度は若者が歌った。</p><p>&nbsp;</p><p>―降りなさいよ　水の上に　エゲレ-エゲレ</p><p>　ここに降りなさいよ　鳥たちがみんな降りているところに　<a name="_Hlk123658058">エゲレ-エゲレ</a></p><p>　だれもおまえを邪魔しないよ　エゲレ-エゲレ</p><p>　不意におそったりしないよ</p><p>&nbsp;</p><p>　カモのむすめはこれを聞いて、湖の葦に降りたった。カモの毛皮を脱ぎ捨てて、またむすめの姿に戻った。若者はその毛皮を拾い上げ、隠した。決して自分の花嫁が彼のもとから飛んでいかないように、遠くに、深いところに隠した。</p><p>　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　終わり</p><p>&nbsp;</p><p>　登場人物3人がそれぞれに歌を歌います。どんな歌なのか、とても興味があります。</p><p>シベリア民話では、よくこうした歌が出てきます。そのたびに聞いてみたいと思いますが、未だその機会はありません。</p><p>&nbsp;</p>
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<link>https://ameblo.jp/marika-ro/entry-12786773275.html</link>
<pubDate>Mon, 30 Jan 2023 11:07:30 +0900</pubDate>
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<title>第20話　空に戻った太陽と月　</title>
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<![CDATA[ <p>空に戻った太陽と月</p><p>&nbsp;</p><p>&nbsp; むかしむかし、一人の美しいむすめが住んでいた。ある時彼女は自分用の箱を作り、その中に暮らしに必要なものをみんな積み込んだ。そして川を下って行った。流れて流れて、ある岸にたどり着いた。そこにカラスが飛んできて、トゥフトゥフトゥフと彼女の耳飾りをつつき始めた。むすめは手で追い払いながらカラスに尋ねた。</p><p>「どうして私の耳飾りをつつくの？」</p><p>カラスの息子はそれに答えず、岸の高い方に向きを変えて叫んだ。</p><p>&nbsp;</p><p>　<a name="_Hlk123561672">―ママ、ガクガク！</a></p><p>　　川に降りてきて、ガクガク！</p><p>　　息子のエルケデが</p><p>　　お嫁さんをみつけたよ。</p><p>&nbsp;</p><p>　カラスのおばあさんは息子が何と言っているのか、聞き取れなかった。</p><p>「たぶんおなかがすいたのだわ。家には食べるものなんかないのに。魚の皮でできた上着を焼いてあげようか。」</p><p><a name="_Hlk123562594">カチール　ル　カチール　ルと焼いた。ケプール　ケプール　ケプ－ル、みんな食べてしまった。息子には</a>上着のすそを残しておいた。<a name="_Hlk123562665">息子が川からまた叫んでいるのが聞こえた。</a></p><p>&nbsp;</p><p><a name="_Hlk123562692">　―ママ、ガクガク！</a></p><p>　　川に降りてきて、ガクガク！</p><p>　　息子のエルケデが</p><p>　　お嫁さんをみつけたよ。</p><p>&nbsp;</p><p>カラスのおばあさんは息子が何と言っているのか、聞き分けられなかった。</p><p>「たぶん息子はひどくおなかがすいているのだろう。もっとたくさん料理を作れって言っているんだわ。魚の皮で作った膝掛けを焼いてあげようか？」</p><p><a name="_Hlk123573075">カチール　ル　カチール　ルと焼いた。</a><a name="_Hlk123582028"></a>ケプール　ケプール　ケプ－ル、みんな食べてしまった。息子には一切れだけ残しておいた。息子が川からまた叫んでいるのが聞こえた。</p><p>&nbsp;</p><p>　―ママ、ガクガク！</p><p>　　川に降りてきて、ガクガク！</p><p>　　息子のエルケデが</p><p>　　お嫁さんをみつけたよ。</p><p>&nbsp;</p><p>　カラスのおばあさんは息子が何を叫んでいるのか聞こうともしないので、分からなかった。そしてたぶんこうだろうと思った。</p><p>「たぶんお客さんがうちに来るのだろう。もっとたくさん食べ物が必要だわ。魚の皮でできた私のズボンを焼いてあげようか。」</p><p>カチール　ル　カチール　ルと焼いた。ケプール　ケプール　ケプ－ルと半分食べた。そして半分はお客さんに残しておいた。カラスのおばあさんはおなかがすいたままだった。また息子が川の所で叫んでいるのが聞こえた。何を言っているのか分からなかった。おなかがすいていたけれど、川に降りていった。カラスのおばあさんはびっこをひいて、よろよろと歩いて、ため息をついた。ふらふらして木につかまった。足を滑らせて小屋につかまった。つまずいて石につかまった。どうにかこうにかため息をつきながら川に降りていった。</p><p>　美しいむすめは箱から飛び出し、ひどくおなかをすかせたカラスのおばあさんを見た。自分の箱の中から上着とズボンを出して、おばあさんに与えた。カラスはそれを着たけれど、彼女にはダブダブだった。</p><p>　美しいむすめはおばあさんたちと一緒に暮らしてめんどうを見ることにした。カラスのおばあさんは息子のカラスがお嫁さんを見つけたことを喜んだ。家を掃除したり、食べ物を作ったりした。</p><p>　高い岸に登った。美しいむすめは登りながら、静かに野バラの枝を折った。少し食べた。寝るときはむすめは自分のそばに二人を寝かせた。カラスの息子は彼女を抱こうとすると刺されて後ろにとびのいた。体中刺され、むすめにさわることすらできなかった。</p><p>　翌朝、カラスの息子は母親にささやいた。</p><p>&nbsp;</p><p>―ママ、ガクガク。</p><p>夕方猟師の所にお客が来るよ。</p><p>一緒に行こう、ガクガク。</p><p>ぼくの奥さんには何も言わないで、</p><p>ママと二人で行こうよ、ガクガク。</p><p>&nbsp;</p><p>&nbsp;</p><p>美しいむすめは一日中、家の中で掃除したり、料理をしたり、川に水汲みに行ったりしていた。夕方カラスの息子は彼女に行った。</p><p>「ぼくとママはちょっと散歩に行ってくるよ。お前は家にいるんだ。すぐ帰ってくるよ。」</p><p>そして出て行った。</p><p>「まだ何かすることがあるだろうか。」</p><p>そう言うとむすめは彼らの跡をそっと付けて行った。</p><p>　窓に近づき、中を覗いてみた。家の中にはたくさんの人たちがいた。みんながかわりばんこにメウリ（シャーマンのダンス）を踊っていた。カラスの息子エルケデは食べ物の残りをついばみ、母親は鍋をなめまわしていた。</p><p>「召使いのダダポ、踊れ！」シャーマンが言った。</p><p>ダダポは踊り始めた。</p><p>　　　ダランディ　スルンディ</p><p>　　　ダランディ　スルンディ</p><p>「うまいぞ　うまいぞ。さあ、下女、今度はおまえの番だ。」　</p><p>下女は踊り始めた。</p><p>　　　コカタス　コカタス</p><p>　　　コカタス　コカタス</p><p>「今度はお前だ、ウイケ父さん。」</p><p>ウイケ父さんは踊り始めた。上を見たり、下を見たり、右を向いたり、左を向いたり。</p><p>　　　キアング　キアング　タオング　タオング</p><p>　　　キアング　キアング　タオング　タオング</p><p>「うまいぞ　うまいぞ。　　　　　　　」</p><p>その次にシャーマンが自分の踊りを披露し始めた。踊りながら窓の外にいる美しいむすめを見つけた。</p><p>パタッフ！太鼓を落とした。パタッフ！腰帯を落とした。シャーマンは外に飛び出し、逃げようとしていたむすめをつかまえ、腕に抱えて家に連れ込んだ。カラスの息子は叫んだ。</p><p>&nbsp;</p><p>　　―ママ、ガク、ガク　</p><p>　　　あなたの息子のお嫁さんが盗まれた</p><p>　　　ぼくのお嫁さんが盗まれた、　ガク　ガク！</p><p>&nbsp;</p><p>　カラスのおばあさんが走って翼を鳴らした。カラスの息子は騒ぎまわって泣き叫んだ。シャーマンは怒ってカラスをつかまえ、なわできつくきつく縛ってごみの山に放り出した。</p><p>　二人はごみの山に横たわって、やっとやっとのことで縄から抜け出した。二人は人々に復讐することにした。カラスの息子は母親と一緒に空に昇り、太陽と月を飲み込んだ。</p><p>　大地は暗くなった。人々と動物たちに永遠の夜が訪れた。大地は寒くなり、人々は飢えた。人々はカラスに太陽と月を返すよう説得した。様々な食べ物や美しい着物が差し出されたが、カラスは欲しがらなかった。その時、シャーマンが言った。</p><p>「お前たちに7頭の犬の頭をやろう。太陽を返してくれ！月を返してくれ！」</p><p>「いいだろう。ガク　ガク。犬の頭をくれ！」カラスの息子と母親は翼を広げて、太陽と月を取り出した。岸に降りると犬の頭をついばみ始めた。</p><p>　空に太陽と月が戻って輝き始めた。 &nbsp;　　　　　　　終わり</p><p>&nbsp;</p><p>　カラスが人間の娘と結婚しようとする話です。ここでは擬音語や擬態語がおもしろいですね。いつのまにか、主人公が娘からカラスに移っているのもおもしろいです。結局娘はシャーマンに連れていかれてしまうのかな。うまく逃げ出し、また川の流れに乗ってどこかに行ってほしいものです。</p><p>　</p><p>&nbsp;</p>
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<link>https://ameblo.jp/marika-ro/entry-12786491096.html</link>
<pubDate>Sat, 28 Jan 2023 15:22:27 +0900</pubDate>
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<title>第19話　ゴキラン　 ГОКИЛАН</title>
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<![CDATA[ <p>　昔の話だ。　ゴキランが自分の家に一人で住んでいた。　夏も冬も通りに出ては戻り、出ては戻り、ただそれだけ、ほかには何にもしなかった。でもけっこう豊かに暮らしていた。</p><p>　ある夏の日、ゴキランは外に出た。天気は良く、暖かくて明るくて気持ちのいい日だった。辺りはだだ広く、見るものもなかった。ゴキランはふと思った。</p><p>「いつもうちにすわってばかりいて、おれはなんにもものをしらないなあ。つまらないなあ。川岸に行ってみよう。」</p><p>川岸を見ると、オイオイオイ、二人の男がけんかしているではないか。なんでけんかしているんだろう。</p><p>ゴキランは考えた。</p><p>「あいつらを止めなければならないだろう。そんなことをしてはいかん。行って止めよう。」</p><p>　走った、走った、ゴキランゴキランゴキラン。水際まで走って、ゴキランは見た。これは人間ではなくて、漁網を干す物干しだった。木だった。猟師たちがずっと前、この物干しを使っていたのだ。自分の父親と母親もここに網を干していたではないか。いまでは柱だけがそこに立っている。</p><p>　川岸から家に帰ろうとして見ると、オイオイオイ、家が燃えているではないか。どうして燃えているのだ。自分はたばこなんか吸わないではないか。オイオイオイ、なんてこった。家なしでこれからどうしたらいいのだ。」</p><p>　走った、走った、ゴキランゴキラン。家まで走った。そして見たものは・・・火事なんてどこにもない。家は燃えてなんかいない。前と同じようにそこに建っている。日没の太陽が赤く家を照らしているのだ。ゴキランは庭にすわり込み、考えた。</p><p>「おれの目はどうしたんだ。」目をこすりこすり、手に唾を付けてまたこすり、考えた。</p><p>「おれの目はおかしくなってしまった。あああ」　　　　　</p><p>&nbsp; &nbsp; &nbsp; &nbsp; &nbsp; &nbsp; &nbsp; &nbsp; &nbsp; &nbsp; &nbsp; &nbsp; &nbsp; &nbsp; &nbsp; &nbsp; &nbsp; &nbsp; &nbsp; &nbsp; &nbsp; &nbsp; &nbsp; &nbsp; &nbsp; &nbsp; &nbsp; &nbsp; &nbsp; &nbsp; &nbsp; &nbsp; &nbsp; &nbsp; &nbsp; &nbsp; 終わり</p><p>&nbsp;</p><p>　今まで紹介した話の中では出てこなかったタイプの主人公です。走っている擬態語がゴキランゴキランというのがおもしろいですね。夕焼けを火事と間違えるなんて、自分の目がおかしくなったと思うなんてあきれますが、こういう人がいてこその昔話ですね。</p><p>&nbsp;</p><p>&nbsp;</p>
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<link>https://ameblo.jp/marika-ro/entry-12785389646.html</link>
<pubDate>Sat, 21 Jan 2023 17:29:12 +0900</pubDate>
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<title>第18話　ふたりの娘　２　</title>
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<![CDATA[ <p>前回のあらすじ</p><p>&nbsp; ふたりの若者が嫁探しの旅に出て、兄はリャグーシュカを、弟はプジーンを見つけ、家に連れて帰る。両親と兄夫婦、弟夫婦の生活が始まる。</p><p>&nbsp;</p><p>ここから第2回</p><p>&nbsp; こうして父の命令を果たした兄弟はそれぞれの花嫁を連れて、家にもどっていった。結婚を祝い、一つの家でいっしょに暮らし始めた。父と母は兄弟が若い花嫁といっしょに帰ったことに満足した。</p><p>　プジーンはすべてをうまくやった。料理をし、なべをきれいに洗い、きれいな水を運び、肉を煮ておいしい料理で年寄りたちをもてなした。小山に行って、乾いた木を集め、暖炉には暖かい火をたき、年寄りたちは気持ちよく老体を暖めることができた。</p><p>　同じようにリャグーシュカも仕事を始めた。すべてがうまくいかなかった。沼から汚い水をくみ、どろだらけのなべに入れ、皮がきれいにはがれていない肉をにた。このような料理をだしたが、だれも食べず、みんながつばを吐きかけた。暖炉に火を入れた。しめったヤナギの枝を運んできたが、火はおきなかった。ただ火花があちこちに飛ぶだけだった。老人は怒り、老いた体は暖まることができなかった。</p><p>&nbsp;</p><p>　時が流れ、プジーンに女の子が生まれた。むすめはかしこく美しいむすめに育った。父と母はおおいに喜んだ。一方、リャグーシュカのところには子どもはできなかった。うらやましくなり、彼女はプジーンのむすめを殺そうと決心した。</p><p>&nbsp;</p><p>　ある日、リャグーシュカはプジーンのむすめを、森にキノコや木の実を摘みに行こうと誘った。彼女はむすめをこの森にある湖に連れて行った。そして高い岸に立たせ、水に突き落とした。</p><p>　むすめが水に落ちるとき、岸にウント（毛皮の長靴）を残した。それはすぐに二つの白いキノコにすがたを変えた。</p><p>　リャグーシュカは家にもどり、言った。</p><p>「あの子がキイチゴの実を取りに高い岸に登ったとき、木の枝に引っかかって川に落ちて、おぼれてしまったよ。」</p><p>　プジーンは泣いてむすめが落ちた岸まで走っていった。そこに二つの白いキノコが並んで生えているのを見た。プジーンはこれはむすめが残したものではないかと考え、キノコをつんで家に持って帰り、いつもむすめが寝ていた場所に置いた。後になって見るとそこにむすめが寝ていた。</p><p>　みんなはリャグーシュカをひどく怒り、家から追い出した。</p><p>&nbsp;</p><p>　あてもなくさまよっているうちに、リャグーシュカは二つのおけとてんびん棒を見つけた。自分ではなぜか分からないけれど、おけに水をくみ、道を歩いて行った。自分で自分がかわいそうになった。</p><p>「わたしは今どこに行こうとしているの？だれもわたしを必要としていない。なんてかわいそうなわたし。」</p><p>大きな丸い月が空に現れるのを見た。そのときリャグーシュカは叫び始めた。</p><p>「月よ、月よ。下に下りてきておくれ。そしてわたしを空に連れて行っておくれ。ここではわたしはひとりぼっち。だれもわたしを愛してくれない。」</p><p>　月はリャグーシュカの言うことを聞き、地面におり、彼女を自分の方に引き寄せ、空へと連れ去った。</p><p>　</p><p>　今、満月の時に、月の表面にてんびん棒とおけをかついだリャグーシュカを見ることができる。リャグーシュカがうらみを思い出し、人々に腹を立てるとき、彼女はそのおけから地上に水をまくのだそうだ。そのとき激しい雨が降るそうだ。でも、それはすぐ終わるだろう。なぜなら、シラカバのおけにはそれほどたくさんの水が入っていないからだよ。　　　　　終わり</p><p>&nbsp;</p><p><a href="https://stat.ameba.jp/user_images/20221230/20/marika-ro/e9/3a/j/o1554114615223192354.jpg" style="background-color: rgb(255, 255, 255);"><img alt="" height="310" src="https://stat.ameba.jp/user_images/20221230/20/marika-ro/e9/3a/j/o1554114615223192354.jpg" style="outline: rgb(51, 51, 51) solid 1px; opacity: 0.8;" width="420"></a></p><p>&nbsp;</p><p>　前にも書きましたが、ロシアでは満月には天秤棒に水桶を付けて担いでいる娘の姿が見えると言われています。これもその話の一つです。このリャグーシュカ、初めはいやな女だと思いましたが、何度か読むうちにだんだん好きになってきました。あんなに完ぺきな妹がそばにいて、みんなから好かれていたら、うまくできない自分がいやになり、相手を逆恨みする気持ち、わかります。今では満月を見るとうさぎよりリャグーシュカの姿を探しています。</p><p>&nbsp;</p><p>&nbsp; 2022年も明日で終わり。2023年が良い年になりますように！</p><p>&nbsp;</p><p>&nbsp;&nbsp;&nbsp;&nbsp;&nbsp;&nbsp;&nbsp;&nbsp;&nbsp;</p><p>&nbsp;</p><p>&nbsp;</p><p>&nbsp;</p><p>&nbsp;</p>
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<link>https://ameblo.jp/marika-ro/entry-12781820336.html</link>
<pubDate>Fri, 30 Dec 2022 20:32:11 +0900</pubDate>
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<title>第18話　二人の娘（プジーンとリャグーシカ）　</title>
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<![CDATA[ <p><a href="https://stat.ameba.jp/user_images/20221229/17/marika-ro/f6/ac/j/o3511265115222656103.jpg"><img alt="" height="317" src="https://stat.ameba.jp/user_images/20221229/17/marika-ro/f6/ac/j/o3511265115222656103.jpg" width="420"></a>　短い話が続いたので今日は長い話を2回に分けて紹介します。前にも書きましたが、この地方ではごく普通の人でも姿を変える話が出てきます。ここでは若い娘が自分の首を叩いて棒に姿を変えたり、女の子がきのこになったりする場面があります。不思議に思われるかもしれませんが、そんなこともあるのかと思って読んでください。</p><p>&nbsp;</p><p>ふたりの娘（プジーンとリャグーシュカ）</p><p>　むかし、アムール川流域のある村に男とその妻が住んでいた。二人には息子が二人いた。二人の息子は成長し、結婚する年頃になった。しかし、近くのどこにも彼らと結婚するようなむすめはいなかった。それで、父親は言った。</p><p>「妻を探しに、二人一緒に旅に出なさい。旅の途中で初めて出会ったむすめを妻にするがよい。そして、妻たちをこの家に連れてきなさい。」</p><p>父親の言う通り、妻を探しに彼らは出発した。そりを犬に引かせて旅立った。</p><p>&nbsp;</p><p>犬ぞりを走らせ、どんどん行って、森の中の一軒家にたどり着いた。そこにはリャグーシュカ（かえるのようなむすめ）とプジーン（美しいむすめ）の二人が住んでいた。二人にはそれぞれ自分の居場所があり、自分の板寝床と自分のなべがあった。</p><p>　プジーンは働き者で手芸の名人で、いつもなにか仕事をしていた。狩りをし、食料を手に入れ、美しい衣服を縫い、ししゅうをしていた。</p><p>　リャグーシュカはおろかで、おしゃべりで、自分のことを美しいと思っていた。川岸にヨシが生えているのを見て、ヨシにたずねた。</p><p>「言っておくれ、わたしが美しいと。」</p><p>「いいえ、」</p><p>ヨシが答えた。</p><p>「おまえの目は飛び出しているし、おまえの足は曲がっている。」</p><p>怒ったリャグーシュカは言った。</p><p>「覚えているがいい。わたしがお嫁に行ってむすめができたら、おまえを切ってかごにしてやる。」</p><p>木を見てたずねた。</p><p>「言っておくれ、木よ。わたしがどれほど美しいかを。」</p><p>「いいえ、」</p><p>木は答えた。</p><p>「おまえは木のこぶとそっくりで、足は曲がり、目は飛び出ている。」</p><p>「今に見ていろ。」</p><p>リャグーシュカは言った。</p><p>「わたしが嫁に行ってむすこができたら、おまえを切って、弓と矢にしてやる。」</p><p>　リャグーシュカは何もしないと言っても、まったく何もしないわけではない。ただ、水をくめば、まだ空いた器があるのにやめてしまうし、器が水でいっぱいなるまでくみはしなかった。縫い物を始める。すると針で指を刺し、糸をもつれさせる。こんなありさまだった。</p><p>&nbsp;</p><p>　ある日のこと、リャグーシュカは窓から外を見て言った。</p><p>「二人の若者が犬ぞりに乗ってこっちへやって来るわ。きっとわたしたちをお嫁にもらいに来たのだわ。会ってやりましょう。」</p><p>リャグーシュカは客を出迎えに行った。プジーンは自分の手のひらで後ろ頭をたたいてヤナギでできた棒に姿を変え窓辺に立った。</p><p>兄弟は家に入っていった。そして兄はリャグーシュカの寝床に、弟はプジーンの寝床にすわった。弟はリャグーシュカにたずねた。</p><p>「ここにはだれが住んでいるのか？この清潔な、せいとんされた、美しい寝床にはだれが寝るのか？」</p><p>「だれもすんでいないわ。わたし一人で住んでいるの。」</p><p>リャグーシュカは答えた。</p><p>「縫ったり、ししゅうをしたり、きれいな仕事をするときにはこちらの寝床にすわるの。そしてつぎをあてたり、きたない仕事をするときにはこちらの寝床にすわるの。」</p><p>　兄はリャグーシュカのこの答えが気に入り、嫁にすることにした。弟は自分が嫁を見つけられなかったことで、腹が立ち、さびしくなった。窓際にヤナギの棒を見つけた。何もすることがないので、模様を刻もうとナイフを取り出した。けれどもとがったナイフでほんの少し切り取っただけで棒から血のようなしずくが流れ、床に倒れた。弟は驚いて、切り取ったものを棒にあてがい、棒を起こして元の場所に立てかけた。</p><p>&nbsp;</p><p>　兄弟は家に戻る用意をした。兄は花嫁のリャグーシュカを犬ぞりに乗せ、出発した。弟も出発したが、棒から血のしずくがたれたのを忘れてしまうことができなかった。そして、もう一度あの棒を見たくなって、犬ぞりの向きを変え、あの家に向けて走らせた。</p><p>　家に着くと、彼はそこで美しいむすめが寝床にすわって、指に包帯を巻いているのを見た。</p><p>「やはりあの棒はお前だったのか。なぜわたしから姿を隠したのだ。」</p><p>とむすめにたずねた。</p><p>「あなたを先に見て、良い人かどうか知りたかったのです。でも、あなたがいい人だ　と分かったわ。いっしょにあなたの家に行きましょう。」プジーンはそう言った。</p><p>　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　続く</p><p>&nbsp;</p><p>　挿絵を1枚添付します。私の若い友達が描いてくれたものです。若者が両親に手を振って犬ぞりを出すところです。</p><p><img alt="サイドバーでクエリ検索" contenteditable="inherit" data-bm="3" height="317" src="https://stat.ameba.jp/user_images/20221229/17/marika-ro/f6/ac/j/o3511265115222656103.jpg" style="background-color: rgb(255, 255, 255); outline: rgb(51, 51, 51) solid 1px; opacity: 0.8;" width="420">　</p><p>　</p><p>&nbsp;</p>
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<link>https://ameblo.jp/marika-ro/entry-12781657536.html</link>
<pubDate>Thu, 29 Dec 2022 19:58:36 +0900</pubDate>
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<title>第17話　星から来た女 ЖЕНЩИНА СО ЗВЕЗДЫ　</title>
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<![CDATA[ <p>　あるところに男がいた。どこにでもいるごく普通の男だった。自分であちこち行って食べるものを手に入れていた。狩りに出かけ、狩りから戻ると自分で料理して食べた。男はいつも一人で、いつも自分で料理して・・・こんな暮らしに飽きてしまった。</p><p>　「ああ、誰かここにきて、何か料理して食べさせてくれないかなあ。」</p><p>　ある時、狩りから戻ると食べ物が用意されていた。それを食べて寝た。次の朝起きるとまた食べ物が用意されていた。不思議だけれど、こんな風に暮らし始めた。</p><p>ある朝男は朝早く目覚めて外を眺めると、女が家のまわりを歩いているのがちらりと見えた。ああ、なんときれいな女だろう。</p><p>何かして、すぐに消えてしまった。料理をしてすぐにいなくなってしまった。</p><p>「どこへ行ってしまったのだろう。」</p><p>外に出てみたけれどどこにもいない。それからも女は現れては消えた。彼女を探し出したいと待ち伏せていたけれど、探し出すことはできなかった。</p><p>　ある日、とうとう彼女を捕まえた。嫁にして、一緒に暮らすことにした。しばらくして赤ん坊が生まれた。女の子だ。女の子は大きくなり、料理することも覚えた。</p><p>　けれど、ある時女は言った。</p><p>　「もうたくさん！あんたと暮らすのはもうたくさん。もう一緒に暮らせない。出ていくわ。自分の家に戻るわ。ここに住むことはもうできない。」女がそう言った。</p><p>「なぜだ。どうしてそんなことができる。むすめもできたじゃないか。むすめと一緒にここで暮らすんだ。」男が言った。</p><p>「もしこのままここにいたら、わたしは死んでしまう。ここにはいられない！」</p><p>　女は彼を抱いて口づけし、むすめにも口づけした。</p><p>　夕方、三つの星に向かって女は飛び立った。そして星に住んだ。</p><p>　男は考えた。</p><p>「どうしたらむすめとあの星に行けるだろう。」</p><p>試したって飛べるはずもない。飛ぶなんてできるはずがない。どうしたら人間が飛ぶことができるだろう。星から来た女が星へ帰って行っただけのこと。　　　　終わり</p><p>&nbsp;</p><p>「星から来た女」・・・どんなロマンチックな話かと思ったらこんな話でした。女は星から下界を見ていて、この男を哀れに思ったのでしょうか？　</p><p>&nbsp;</p><p>　このところナナイ（アムール地方に住む少数民族）の短い話を続けて紹介してきました。次は久しぶりに長い話を持ってきたいと思います。　</p><p>&nbsp;</p><p>&nbsp;</p><p>&nbsp;</p><p>&nbsp;</p><p>&nbsp;</p>
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<link>https://ameblo.jp/marika-ro/entry-12777374034.html</link>
<pubDate>Fri, 02 Dec 2022 10:40:25 +0900</pubDate>
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<title>第16話　おろかな金持ち　ГЛУПЫЙ БАГАТЫЙ</title>
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<![CDATA[ <p><u style="text-decoration:underline;">　</u></p><p>　昔むかし、貧乏な家族がいた。家族の財産と言えばたった1頭の雄牛だけ。ある時、森で7匹のオオカ ミが雄牛に襲いかかった。雄牛は身を守りながら、遠くないところにある物置まで後ずさりした。後ろ足で扉を開け、そこが物置であることが分かった。ずるいオオカミたちは物置に向かって行った。その中の1匹が物置の扉を押したので扉はバタンと閉まった。雄牛と7匹のオオカミは閉じ込められてしまった。</p><p>　別の日、貧乏な男は雄牛を探しに出かけた。男は雄牛の足跡と7匹のオオカミの足跡が交じっているのを見て、ひどく心配になった。どうしたんだろう？せめて雄牛の骨だけでも見つけたいと貧乏男は思った。足跡は物置に続いていた。</p><p>　雄牛は飼い主の声を聞き、鳴き声を立て始めた。貧乏男は自分のたった1匹の雄牛が生きていることを知って喜んだ。扉を開けると、赤い目をした雄牛が角を前に出して、隅に立っているのを見た。その周りには地面に5匹のオオカミが転がっており、2匹は別の隅にすわって傷をなめていた。貧乏男はオオカミたちにとどめをさし、その皮をはいだ。</p><p>　帰り道、貧乏男は同じ村に住む金持ち男に会った。オオカミの皮を持った貧乏男を見るとすぐさま尋ねた。</p><p>「お前は雄牛と一緒にどこ行ってきたんだい？どこでそんなにたくさんのオオカミの皮を見つけたんだい？ダハ（表も裏も毛皮のある外套）を作るから売ってくれ！」</p><p>貧乏男はオオカミの皮が重いので、やっとやっと足を運びながら答えた。</p><p>「おいらの雄牛が森で7匹のオオカミを突いて殺したのさ。お前さんも自分の牛を森に放すがいいさ。そうすりゃダハを作る毛皮がただで手に入るさ。」</p><p>　金持ち男は急いで家に帰ると使用人たちに、雄牛たちの角に鋼鉄のキャップを付けて森に追い立てろ、と命じた。金持ちは「おれの雄牛たちは山ほどオオカミの毛皮を持ってくるぞ。おれはますます金持ちになるぞ」と思った。</p><p>　金持ちの雄牛たちは森で百匹のオオカミを見つけた。けれども雄牛がオオカミに突進するとオオカミは飛びのき、鋭い鋼鉄のキャップを付けた角を木に突き刺してしまった。オオカミたちは次から次へと雄牛たちに飛びかかった。</p><p>　3日後、金持ちは雄牛の足跡をたどって森へ行った。金持ちはオオカミの皮をはぐために数人の使用人を連れて行った。けれども森に着くと雄牛の頭が松の木に刺さって地面に転がっているだけだった。　　終わり</p><p>&nbsp;</p><p>　日本の昔話によくある「となりのじいさん」型の話ですね。人まねをしてもうけようと思ってもうまくいきっこありません。欲張るんじゃないよ、という昔の人の教えでしょう。　　　　</p><p>&nbsp;</p><p>&nbsp;</p>
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<link>https://ameblo.jp/marika-ro/entry-12777196695.html</link>
<pubDate>Thu, 01 Dec 2022 09:42:40 +0900</pubDate>
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