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<title>妄想女子の頭の中さらけ出します！</title>
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<description>高校生の沙紀と雪村の純愛ストーリーです。ちょこちょこ出てくるサイドストーリーにも力入れてます！</description>
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<title>あとがき</title>
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<![CDATA[ <p>最後まで読んでくださってありがとうございます！</p><p>&nbsp;</p><p>たぶんこの作品が一番思い入れのあるもので、それぞれのキャラをそれぞれ愛してます　笑</p><p>最後はみんなハッピーエンドで終わりたかったので、なんとかまとまってよかったです～汗</p><p>&nbsp;</p><p>&nbsp;</p><p>次の作品は時代物？です。</p><p>ちょっと切ない系に挑戦！</p><p>&nbsp;</p><p>あ、エロ入りは変わらないのでご容赦ください！</p>
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<pubDate>Fri, 12 Feb 2021 17:11:30 +0900</pubDate>
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<title>「青い春」　～大成～　side 海斗</title>
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<![CDATA[ <p>誰かかわいい子いないかな～。</p><p>妹の結婚式の二次会で女を物色しているのは柚井海斗、沙紀の兄だ。</p><p>鼻歌を歌いながら、若そうな女の子の集団に目を配る海斗。</p><p>&nbsp;</p><p>「・・・・・・・・・。」</p><p>&nbsp;</p><p>妹には申し訳ないが、全体的に地味だと軽くため息をつく。</p><p>やっぱり研究が大好きな女の子にいまどき感を求めるのは酷なのだろうか。来ているドレスも華やかながら、どこか時代遅れ感を感じている。</p><p>いや、こんなこと考えたら世のために働いている女子たちに失礼だ。。</p><p>&nbsp;</p><p>頭を悩ます海斗は、あることに気が付いた。</p><p>そうか、新郎側から見つければいいんだ！</p><p>&nbsp;</p><p>なんといいことを思いついたんだと自分で自分を褒めたたえる海斗は、すぐに思い直した。</p><p>&nbsp;</p><p>・・・・いや、これは・・・地獄だ。。</p><p>&nbsp;</p><p>180㎝近くある自分よりも明らかに視線が高いその集団は、体格もがっしりしている。</p><p>あの中に入ったら自分すら見劣りするんじゃないかと、むしろ近づくのが憚られる。</p><p>&nbsp;</p><p>海斗は幸せそうに座っている妹をぼんやりと眺めていた。</p><p>隣に座る男とは何度か会ったが、表裏がない素直なヤツだった。</p><p>悪いやつではないが・・・・高校の時に沙紀と何度か一緒にいた男の方が面白みはあった。</p><p>&nbsp;</p><p>その男が来ていないかと会場を見渡すが、姿は見当たらない。</p><p>さすがに元カレは呼ばないか。</p><p>小さく笑ったとき、海斗のスマホが震えた。</p><p>画面を見ると昨日遊んだ女の子の名前。</p><p>海斗はため息をつくとそのままポケットにスマホを戻した。</p><p>&nbsp;</p><p>海斗はその容姿から女に困ったことがなく、適当に遊んでは飽きたらポイを繰り返していた。</p><p>そして現在進行形だ。</p><p>本気の恋なんて・・・多分したことがない。</p><p>だから、高校時代に時々家に来ていたあの男が沙紀を見る視線の熱さ、それがうらやましかった。</p><p>こいつは妹のことを本気で好きだと確信していた。</p><p>なぜ二人が別れたのかははっきり聞いたことがなかったが、おそらく距離なんだろう。</p><p>物理的な距離は、若いころの一途な恋にとって天敵と言われている。</p><p>だがそれすら、海斗にとってはわからないのだが。</p><p>&nbsp;</p><p>&nbsp;</p><p>「おにーさん！！いっぱいどうですかーーっ！！」</p><p>&nbsp;</p><p>大きな声に驚いて顔を上げると、真っ赤な顔いっぱいに笑顔を浮かべた義弟、槙幸太郎がビールを片手に立っていた。</p><p>新郎自ら酌にくるのか！？</p><p>テンションについていけないまま、手持ちのコップにビールを注がれた。</p><p>注ぎ返そうとするが、そのまま自分のコップになみなみと注ぐと一気に飲み干す幸太郎。</p><p>そしてそのまま海斗に抱き着いてきた。</p><p>&nbsp;</p><p>「ちょ！！」</p><p>&nbsp;</p><p>このスーツ高かったんだから、と何とか逃れようとするが、相手はプロのスポーツ選手。</p><p>逃げられるわけがない。</p><p>&nbsp;</p><p>「おにいざーーん、、おれ、、、幸せになりばーーーす！！！」</p><p>&nbsp;</p><p>突然泣き出す幸太郎をみて、周りから笑いと拍手がおこり、海斗はもうどうしていいのかわからない。</p><p>&nbsp;</p><p>ただ、幸太郎の魅力は少し伝わったように感じる海斗。</p><p>そっと幸太郎の背中をたたき、「よろしくな」とほほ笑む。</p><p>&nbsp;</p><p>こういう温かさも、いいかもな。</p><p>俺もそろそろ結婚しようかな・・・。</p>
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<link>https://ameblo.jp/marumarupoopoo/entry-12646900071.html</link>
<pubDate>Fri, 12 Feb 2021 17:08:34 +0900</pubDate>
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<title>「青い春」　～大成～　side 雪村</title>
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<![CDATA[ <p>こたつに入ってミカンを食べながらプロリーグの試合をのんびり見ていた。</p><p>バレーボールを見るのは久しぶりだ。</p><p>高校卒業以来、ボールにも触っていない。</p><p>&nbsp;</p><p>地元の強豪校にいた槙がプロになったことは風のうわさで聞いていた。</p><p>卒業以来連絡を取り合っていなかったから、数年前に一度電話が来た時には驚いた。</p><p>しかも「柚井沙紀の連絡先を教えろ」なんて。</p><p>&nbsp;</p><p>教えるわけがない。</p><p>まず個人情報を簡単に開示するほど危機管理ができてない人間ではない。</p><p>それに・・・・彼女と槙がつながることが、嫌だった。</p><p>当時はなぜ教えなかったのか、自分でもわからなかった。</p><p>&nbsp;</p><p>だがテレビの画面に映る槙が客席の柵を越えて沙紀に抱き着いているのを見た時、わかったんだ。</p><p>&nbsp;</p><p>彼女に槙を知ってほしくなかったんだと。</p><p>&nbsp;</p><p>&nbsp;</p><p>槙は昔から超が付くほどポジティブで陽気な人間だった。</p><p>試合中でも常に前しか見ていない。</p><p>もちろん失敗したときに悔しがることはあった。だがそれを絶対に引きずらない上に、マイナスをプラスに変えていく強さを持っていた。</p><p>そんな槙が、僕は嫌いだった。</p><p>&nbsp;</p><p>羨望と嫉妬が混じりあう沼。</p><p>自分にはできない発想、自分にはできない行動、そして自分には永遠にかなわない存在・・・。</p><p>&nbsp;</p><p>沙紀と別れてからは、彼女のことを思い出さないようにしてきた。</p><p>柔らかく気遣いができる性格な上に、彼女には強い意志があった。</p><p>好きなもののためには自分をゆがめたりしないという意思。</p><p>僕のためにはゆがめてくれないという事実。</p><p>それを受け入れられない自分は過ちを犯し、彼女を傷つけた挙句別れを告げた。</p><p>&nbsp;</p><p>ずっと後悔していた。</p><p>もしかしたら、ふいに彼女がこちらに戻ってくるんじゃないかと少しだけ期待していた部分もあった。</p><p>自分の夢よりも、僕を選んだと優しく笑う彼女を待っていたんだ。</p><p>&nbsp;</p><p>そんな折に槙から連絡が来た時、僕は明確に思った。</p><p>「この二人を引き合わせたくない」と。</p><p>&nbsp;</p><p>&nbsp;</p><p>「あれ？今のって・・・」</p><p>隣で子供のおむつを替えていた桃が手を止めてこちらを向いた。</p><p>そして僕が無意識に手に持ったミカンをつぶしていることに気づき、無言でタオルを渡す。</p><p>「まだ・・・好きなの？」</p><p>&nbsp;</p><p>&nbsp;</p><p>桃は高校時代に沙紀の友達だった子だ。</p><p>当時から恋多き女だったようで、気に入った相手とはすぐに関係を持つと誰かがいっていた。</p><p>&nbsp;</p><p>近所の弁当屋で働いていた桃に会ったのは、高校卒業後1年ぐらいしてからだろうか。</p><p>当時は「沙紀の彼氏」という肩書だったので、会うと世間話や沙紀との近況報告をするぐらいだった。</p><p>&nbsp;</p><p>いつまでたっても戻ってくる気配がない上に、貴重な逢瀬の時間すら東京生活や研究の話を楽しそうにする沙紀に苛立ち、それを修復しようと頑張る沙紀に苛立ち、偏狭な自分にも苛立って小さな居酒屋で飲んだくれていた時だ。</p><p>合コンの帰りだとかで、僕の隣にドスンと座った桃もずいぶんと酔っぱらっていた。</p><p>そしておもむろに「沙紀とはどう？」という桃の言葉に、とどめを刺されたんだと思う。</p><p>そのまま無言で桃の手を引き、店を出た僕は近くの自宅へと向かった。</p><p>千鳥足で笑いながらついてきた桃は、僕のベッドの上に倒されたときに初めて真顔になった。</p><p>僕はたぶん泣いていたんだと思う。</p><p>何も言わずに桃の下着をはぎ取り、いきなり彼女の中に押し入った。</p><p>現実逃避のように目を閉じ本能のままに動き続ける僕に、彼女は何の抵抗もしなかった。</p><p>果てたあと、謝ろうと口を開きかけた僕の頭を桃はそっとさすった。</p><p>&nbsp;</p><p>「つらかったんだね。」</p><p>&nbsp;</p><p>&nbsp;</p><p>僕は決心した。</p><p>もう、やめると。</p><p>&nbsp;</p><p>次の日、僕は沙紀に連絡をした。</p><p>桃と関係を持ったと。</p><p>別れようと。</p><p>&nbsp;</p><p>沙紀は泣いていたが、僕の欲しい言葉は言ってくれなかった。</p><p>&nbsp;</p><p>実際僕は幻想を見ていたんだと思う。</p><p>彼女を縛ることなんてできない。</p><p>それはとっくにわかっていたはずなのに。</p><p>&nbsp;</p><p>&nbsp;</p><p>隣で心配そうな顔をしている桃の手を、僕はぎゅっと握る。</p><p>&nbsp;</p><p>「びっくりしただけ。」</p><p>&nbsp;</p><p>&nbsp;</p><p>桃とはその後、時々関係を持つようになり、何となく同棲が始まった。</p><p>その間も僕は桃を正確には見ていなかったんだと思う。</p><p>時々泥酔しては見知らぬ女と一夜を共にしたりしたが、桃は何も言わずに家で待っていてくれた。</p><p>&nbsp;</p><p>「だいじょうぶだよ。私はずっとそばにいるよ。」</p><p>&nbsp;</p><p>桃が僕のことを好きだったのかどうかも定かではない。</p><p>でも、その時二人の間には何かしらの絆があったんじゃないかと思う。</p><p>「さみしさ」が原動力であったとしても、今となってはどうでもいい。</p><p>&nbsp;</p><p>&nbsp;</p><p>僕はこたつから出ると、おむつを替えてもらいご機嫌のその子を抱き上げた。</p><p>僕の顔を見て無邪気に笑う、僕にそっくりな顔の子供。</p><p>「僕は、桃とこの子を、一生大事にするよ。」</p><p>桃はほっとしたように僕に笑いかける。</p><p>&nbsp;</p><p>テレビに視線を移すと、槙がコートの上でインタビューを受けていた。</p><p>僕はこんなキラキラした人間にはなれないし、それにふさわしい信念も持っていない。</p><p>だが、「幸せ」だ。</p><p>僕は、夢を追うことではなく、寄り添う愛を選んだんだ。</p><p>&nbsp;</p><p>リモコンでテレビを消した画面に映っている僕自身が、お前は幸せなんだと語りかけてきている。</p>
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<link>https://ameblo.jp/marumarupoopoo/entry-12646701872.html</link>
<pubDate>Thu, 11 Feb 2021 16:16:49 +0900</pubDate>
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<title>「青い春」～大成～＜５＞</title>
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<![CDATA[ <p>試合後のインタビューはコートの隅だが、今日はいつもと違う雰囲気で槙はソワソワしながら好奇心を隠せない様子だ。</p><p>近くのものを触ろうとしたり隣の部屋をのぞこうとする槙を必死で止めるのは沙紀。</p><p>&nbsp;</p><p>ここは出版社の一室。</p><p>インタビュアーとカメラマンをはじめとする数人のスタッフに見守られる中、二人の取材が始まった。</p><p>&nbsp;</p><p>「まずは槙選手、最後の試合お疲れさまでした。見事有終の美を飾りましたね！」</p><p>「ありがとうございます。俺はいつも元気印なんで！！」</p><p>いつも通りの槙の勢いに、スタッフたちがどっと笑う。</p><p>&nbsp;</p><p>「４０歳という、アスリートとしては限界に近いといわれている年齢まで現役で来れた秘訣はあるのでしょうか？」</p><p>ニカっと笑う顔には、年齢とともに刻まれた皺が見られるが、表情は昔のままの少年そのものだと沙紀は思う。</p><p>「それはもちろん！隣にいる妻のおかげだと思ってます！！！」</p><p>&nbsp;</p><p>&nbsp;</p><p>子供が生まれてから、二人の生活は激変した。</p><p>まずは初めての妊娠が双子だったこと。</p><p>出産自体がシーズン始まったばかりだったこともあり、二人ではどうにもならずお互いの親がかわるがわる援助に来てくれた。</p><p>それでも、槙は本当に頑張ってくれたと沙紀は思う。</p><p>夜中は寝られないから別々に、という沙紀に「俺もミルクあげたい！！」と突っぱねた。</p><p>ミルクを飲みほした赤ん坊とともに床に転がっている槙を見たことが何度あるだろうか。</p><p>眠かっただろうが、全く弱音を吐くことなくシーズンを終え、きっちり成績を残した。</p><p>&nbsp;</p><p>優勝した試合では、会場に来ていた子供たちを両脇に抱えてコート内を走り回り、観客を沸かせた。</p><p>&nbsp;</p><p>子供たちが3歳になると、槙は家でバレーボールを教えた。</p><p>彼らも槙に似て快活で、家の中にバレーボールがあると追いかけたり投げたりと大騒ぎだった。</p><p>当時3人目を妊娠していた沙紀は後をついていくのに必死だったが、それ以上に幸せだった。</p><p>&nbsp;</p><p>&nbsp;</p><p>「・・・きさん・・・・は・・・・・」</p><p>&nbsp;</p><p>昔を回想していた沙紀は、インタビュアーに話しかけられていることにはっと気が付いた。</p><p>&nbsp;</p><p>「奥様の沙紀さんは現在も研究所にお勤めだそうですね。ここ数年でも何度か論文が認められているとのことですが、家庭と仕事の両立はどのようにされていたのでしょうか？」</p><p>&nbsp;</p><p>少し考えて、沙紀はゆっくりと話し始める。</p><p>&nbsp;</p><p>「まず仕事が続けられたのは、単純に好きだったからですね。そして家庭もそうです。好きなものに囲まれて暮らしていると、忙しさも楽しくなっちゃうんですよね。まぁすごく大変な時期もありましたが、そこは主人が支えてくれましたので。」</p><p>&nbsp;</p><p>それを聞いたインタビュアーは驚いた様子で続けた。</p><p>&nbsp;</p><p>「槙選手が支えるというのは・・・少し想像が難しいですね！なんというか、自由奔放な印象の選手です。」</p><p>&nbsp;</p><p>「そうですね。主人は楽しいことを自由にするのが好きですし、私にもそれを許してくれます。それをお互いにサポートしあうという形なんです。」</p><p>&nbsp;</p><p>隣で黙っていた槙だったが、とうとう我慢しきれずに前に出始める。</p><p>&nbsp;</p><p>「俺のインタビューなんだから俺にも聞いてよ！」</p><p>&nbsp;</p><p>いや、さっきまでいっぱい質問しましたよね？</p><p>そんな表情で固まるスタッフであったが、そこはプロらしく違う質問に切り替えた。</p><p>&nbsp;</p><p>「では槙選手、今回引退か別のチームへの移籍かという選択を迫られました。引退を決意されたお気持ちをお聞かせください。」</p><p>&nbsp;</p><p>珍しく黙り込む槙。</p><p>目を閉じて苦悶の表情で考え込んだあと、あっけらかんと言い放つ。</p><p>「限界を感じた。」</p><p>そして目をキラキラさせて話を続ける。</p><p>「どうせ自分ができないんだったら、俺より上をいく次の世代を育ててみたいなって思ったんだよね！だからこれからバレーボール教室をやることにした！いずれは全国展開して、俺のチーム同士で優勝争いをさせてみたい！！」</p><p>&nbsp;</p><p>槙は1か月ほど前、引退を悩んでいた時期があった。</p><p>庭でぼんやりと子供たちのパスを見ていた槙に、沙紀がコーヒーを手渡し隣に座った。</p><p>「どうしたの？」</p><p>「やーー、この前の話どうしよっかなって。」</p><p>沙紀はテーブルにコーヒーを置き、槙の顔をこちらにグイっと向けた。</p><p>「幸ちゃんはどっちがやりたいの？どっちでも私はサポートするよ！」</p><p>槙は数秒沙紀を見つめた後、ニカっと笑って子供たちの方に目を向ける。</p><p>「決めた！」</p><p>&nbsp;</p><p>&nbsp;</p><p>「俺も迷ってたんですよ。でも、ほんとにやりたいことなら応援するって、こいつがいってくれたんで。次の夢に向かって頑張ります！！」</p><p>&nbsp;</p><p>沙紀と槙はお互いに顔を見合わせて笑いあう。</p><p>2人の笑顔は出会ったことのそれと、何も変わっていなかった。</p>
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<link>https://ameblo.jp/marumarupoopoo/entry-12646119104.html</link>
<pubDate>Wed, 10 Feb 2021 15:51:51 +0900</pubDate>
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<title>「青い春」～大成～＜４＞</title>
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<![CDATA[ <p>いかにもインテリ集団という雰囲気の新婦側が新郎側に座る大男たちに恐れをなす中、二人の結婚式は無事に執り行われた。</p><p>&nbsp;</p><p>槙はチームメイトの作った動画に泣いたり笑ったり怒ったりと騒がしくしていたが、沙紀は感謝しかなかった。</p><p>だいぶ膨らんだお腹をそっと触りながら考える。</p><p>この子がいなかったら、きっと今はない。</p><p>こうやって、一つ一つの出会いが私を作っていくんだと。</p><p>&nbsp;</p><p>いつかそんな言葉をくれた長谷川教授と、披露宴の後に言葉を交わす。</p><p>&nbsp;</p><p>「今日はお忙しいところ来ていただいてありがとうございました。」</p><p>「いい式だったね。旦那さん、ほんとに楽しくて魅力的な人なんだね、君がアメリカから帰ってきちゃうのもわかるな。」</p><p>クスリと笑う長谷川教授に沙紀は頭を下げる。</p><p>「せっかく行かせてもらったのに、ほっぽり出してしまってすいません。それから、これから産休でご迷惑も・・・・」</p><p>「ちゃんと、帰ってきなさいよ。」</p><p>頭を上げると、長谷川教授は仕事の顔をしていた。</p><p>「席はちゃんと、空けておくから。」</p><p>沙紀は差し出された教授の手をしっかりと握り、お礼を言って見送った。</p><p>&nbsp;</p><p>&nbsp;</p><p>「私って、すごい運がいいのかも。」</p><p>&nbsp;</p><p>家のベッドに寝ころんで、盛り上がったお腹をさすりながらつぶやく沙紀の隣に。お風呂から戻ってきた槙がダイブする。</p><p>「運って？？」</p><p>「かっこよくて素敵な幸ちゃんが隣にいて、お腹には赤ちゃんがいて、大好きな仕事もある。幸せすぎて、怖い。」</p><p>「お前さぁ」</p><p>槙がごろりと沙紀の方を向き、お腹に耳を当てながら言う。</p><p>「それは運じゃなくて、お前が勝ち取ったものだろ？</p><p>&nbsp;</p><p>またそういうこと言う・・・・。</p><p>沙紀は照れ隠しに槙の濡れた髪の毛をぐちゃぐちゃとかき回す。</p><p>槙はこんにゃろと言いながらあっという間に沙紀の自由を奪い、上から見下ろした。</p><p>「ま、俺が隣にいるのは、『俺が』勝ち取ったからなんだけどな！」</p><p>得意げに笑うと、触れるだけのキスをする。</p><p>「あの時お前を追いかけてよかったわ、俺。」</p><p>「すごい怖かったけどね。」</p><p>2人は見つめあい吹き出すと、もう一度優しいキスをした。</p>
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<link>https://ameblo.jp/marumarupoopoo/entry-12646670274.html</link>
<pubDate>Tue, 09 Feb 2021 12:25:16 +0900</pubDate>
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<title>「青い春」～大成～＜３＞</title>
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<![CDATA[ <p>決めてしまえばあっという間だった。</p><p>研究所の人たちには「こっちで産めばいい」とか「シングルでも大丈夫」とか無茶苦茶なことを言われたりしたが、最終的には沙紀を温かく送り出してくれた。</p><p>心残りがないと言ったらうそになる。</p><p>ただ、妊娠したことで沙紀の中の優先順位がはっきりしたのだろう。</p><p>&nbsp;</p><p>日本に帰るとやることがいっぱいだった。</p><p>「今すぐ！今日入籍する！」という槙を落ち着かせ、まずは両家に挨拶に行った。</p><p>&nbsp;</p><p>槙の母親は、さすが男の子３人を育て上げただけのことはあると思わせるような、肝っ玉母さん風のステキな女性だった。</p><p>兄2人も槙に似て自由奔放な人たちだったが、なぜか父親だけは寡黙な九州男児のような人で、沙紀は滞在中ほとんど言葉を交わすことはなかった。</p><p>突然の話にも全く驚かず、槙家の皆は温かく受け入れてくれた。</p><p>「幸ちゃんはこの中で育ったんだね。」</p><p>沙紀はこれから二人で作る家庭が、こんな風ならいいなと思った。</p><p>&nbsp;</p><p>一方、沙紀の実家ではひと悶着あった。</p><p>父親が猛反対をしたのだ。</p><p>「こんな安定しない職業の男なんて許さん！！妊娠までさせおって！！！」と一度目は家にも入れてくれなかった。</p><p>だが、槙は何度も家に通ってくれた。</p><p>そのうち槙の魅力に懐柔された母親が「お父さんいないうちに」と家に入れてくれ、鍋をみんなでつついていた時に帰ってきた父親と対峙した槙。</p><p>体育会系ならではの大声と根性論、最後はお決まりの土下座で、父親はとうとう根負けした。</p><p>後で聞いたところによると、どうやら沙紀の母が槙の活躍する試合を毎日それとなく見せてくれていたようで、父親の槙に対する態度が徐々に柔和していくのを沙紀は感じていた。</p><p>&nbsp;</p><p>&nbsp;</p><p>「これ、どっちにする？」</p><p>結婚式に使うウェルカムボードを作ってくれているのは、赤と白の造花を比べて首をひねっている石田晶だ。</p><p>先シーズンに故障した夫の涼は、槙と庭でビールを飲みながらすでに真っ赤な顔をしている。</p><p>「私たちは式挙げてないからな～。こういうのいいね。」</p><p>幸い涼の故障はそれほど重症でなく、現在はリハビリ中だ。</p><p>憂いを全く感じさせない晶だったが、かなり気苦労はあるのだろう。</p><p>沙紀が困ったときはこうしていつも助けてくれる晶を、今回近くで支えられなかったことに申し訳なさを感じる沙紀。</p><p>なんとなく感じ取ったか、晶は沙紀のお腹に手を当ててそっと言った。</p><p>「お母さんになったら、守るものいっぱいできるよー！今は自分のことだけ考えてればいいからね。」</p><p>槙を通じて、たくさんのやさしさに触れ合えていることを肌で感じる沙紀。庭でビールをおいしそうに飲む槙を見て、思わず微笑みかける。</p><p>「沙紀・・・・まるで受胎マリアだ。」</p><p>「のろけてんじゃねーよ！」</p><p>後ろから涼に頭をはたかれた槙は、あぶねーとこぼしかけたビールを飲みほした。</p><p>&nbsp;</p>
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<link>https://ameblo.jp/marumarupoopoo/entry-12646133692.html</link>
<pubDate>Mon, 08 Feb 2021 17:04:36 +0900</pubDate>
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<title>「青い春」～大成～＜２＞</title>
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<![CDATA[ <p>約束の１年があと１か月に迫ったその日、槙は珍しくいら立っているように見えた。</p><p>今日の試合でチームメイトの石田涼が怪我をしてしまったのだ。</p><p>あと少しで優勝決定戦のため、どのチームも負けられない試合が続く。</p><p>そんな中での故障はさすがにダメージなのだろう。</p><p>それがいつもじゃれながらも切磋琢磨し合っている涼だというのだから当然だ。</p><p>沙紀も日本にいるころは家族ぐるみで仲良くしてもらっていたので、自分のことのように不安になる。</p><p>&nbsp;</p><p>涼さん大丈夫かな、と心配する沙紀に、槙がぶっきらぼうに言う。</p><p>「考えてもしょうがねーけど。。そういえばあれ、帰国の日って決まったの？？」</p><p>&nbsp;</p><p>このタイミングできかれた・・・。</p><p>沙紀の研究はスムーズに進み、すでに論文も完成している。</p><p>後は帰国を待つだけという段階のはずだったが、もうすこし研究所の仕事を手伝ってくれないかと先日言われてたのだ。</p><p>&nbsp;</p><p>沙紀は悩んでいた。</p><p>こんな世界でもトップクラスの研究所に留学できるチャンスも滅多にない。</p><p>おそらくこれが最初で最後だろう。</p><p>これで終わりにしたくない。</p><p>だからと言って、槙と一緒に暮らすことが待ち遠しくないわけはない。</p><p>&nbsp;</p><p>沙紀は素直に自分の気持ちを伝えてみる。</p><p>「ちゃんと伝えて」そう槙に言われたから。</p><p>&nbsp;</p><p>「・・・・・・・・・・・・・・・・・」</p><p>&nbsp;</p><p>むっつりと腕を組んで黙り込む上に、槙の表情がどんどんこわばっていくのが分かる。</p><p>まだ決めたわけじゃないと、そう槙に伝えようとした。</p><p>&nbsp;</p><p>「あー分かった。いいんじゃない？好きにしたら？」</p><p>&nbsp;</p><p>一瞬の出来事だった。</p><p>画面の向こうで槙が早口でまくし立てるように言い放ち、通話は一方的に中断された。</p><p>&nbsp;</p><p>沙紀は呆然とした。</p><p>今までこんなことは一度もなかった。</p><p>半ばパニックになりながらもう一度通話ボタンを押すが、待機音が鳴るばかりでいつまでたっても槙の姿を見ることはなかった。</p><p>&nbsp;</p><p>&nbsp;</p><p>なかなか寝付けなかったせいか、翌朝の気分は最悪だった。</p><p>槙から連絡もない。</p><p>朝食も取れず、昼過ぎになっても青い顔をしていると、同僚が心配をし医務室に連れて行ってくれた。</p><p>&nbsp;</p><p>問診表を書く中、ある質問で手が止まる沙紀。</p><p>&nbsp;</p><p>「最終月経はいつですか？」</p><p>&nbsp;</p><p>あ・・・・。</p><p>&nbsp;</p><p>日本から戻ってから、一度も来ていない。</p><p>&nbsp;</p><p>その後の検査をうけ、正式に妊娠が判明。</p><p>帰宅した沙紀はソファの上でぼんやりとしていた。</p><p>吐き気もなかなか収まらないうえに、妊娠、仕事、帰国。</p><p>考えなければいけないことばかりなのに、なかなか頭が働かない。</p><p>&nbsp;</p><p>お風呂でも入ろうか、そう思いながらまどろんでいると、PCから着信音が聞こえてきた。</p><p>&nbsp;</p><p>沙紀はゆっくりとPCを開いた。</p><p>そこには、冬休み中にこっそり撮った槙の寝顔のアイコンが表示されていた。</p><p>&nbsp;</p><p>その瞬間、沙紀の目からはぼたぼたと涙がこぼれてきた。</p><p>&nbsp;</p><p>失いたくない・・・・。</p><p>&nbsp;</p><p>涙をぬぐい通話ボダンを押すと、間もなく槙のいつもの顔がうつる。</p><p>「よーー！今日は絶好調だっ・・・・・・おい！！どうした？？？なんかあった？？？」</p><p>満面の笑みが一転心配そうな顔になる槙に、沙紀は嗚咽しか出せない。</p><p>&nbsp;</p><p>画面の向こうで慌てふためく槙だったが、数分後涙の止まった沙紀が小さな声でつぶやく。</p><p>&nbsp;</p><p>「昨日は、ごめんね。」</p><p>「や、俺が悪い。すまんかった。」</p><p>&nbsp;</p><p>まじめな顔で言い切る槙は、やっぱりかっこいい。</p><p>&nbsp;</p><p>「赤ちゃん・・・・」</p><p>「え？」</p><p>「赤ちゃんができたの。」</p><p>！！！！！！！！！！</p><p>言葉にならない言葉を発した後、画面から姿を消した槙の遠吠えのような叫び声が遠くから聞こえてくる。</p><p>その後すぐ画面に戻ってくると、槙は興奮を抑えきれない様子で矢継ぎ早に質問をする。</p><p>「え？いつ？どっち？女？男？」</p><p>沙紀が答える暇もなく、今度は突然青くなる。</p><p>「いやまて、もしかして・・・俺の子じゃないのか？？それで帰ってこないってこと？？？」</p><p>机に突っ伏して画面から消えてしまった槙に、沙紀は涙をぬぐいながらくすくすと笑う。</p><p>「本気なら怒るよー。槙さんの子だよ。もうすぐ３か月だから性別はまだわかんない。」</p><p>「・・・ぅをおおおおおおぉぉぉぉぉぉおぉぉぉぉーーーー！！」</p><p>今度は後ろにのけぞりまた画面から消えてしまった。</p><p>&nbsp;</p><p>沙紀はこの時、もう決めていた。</p><p>日本に帰ろう。</p><p>そして槙の子供を産もうと。</p>
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<link>https://ameblo.jp/marumarupoopoo/entry-12646130841.html</link>
<pubDate>Sun, 07 Feb 2021 16:26:33 +0900</pubDate>
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<title>「青い春」～大成～＜１＞</title>
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<![CDATA[ <p>アメリカに留学した沙紀は新しい経験・職場・言語に翻弄されつつ、充実した日々を楽しんでいた。</p><p>&nbsp;</p><p>もちろん槙のことを忘れていたわけではない。</p><p>出国前に約束していた毎日のビデオ通話は欠かさず続けていた。</p><p>&nbsp;</p><p>雪村の時はさほど感じていなかったが、コミュニケーションがいかに大事なのかということを槙との関係から教わった。</p><p>毎日見る槙は、毎日違う表情をしている。</p><p>１日３０分足らずの会話だったが、今日の出来事や今の気持ちを伝えることを怠らないことで、一緒にいたころにも増して強い信頼関係を築いていた。</p><p>&nbsp;</p><p>&nbsp;</p><p>「お前が帰ってから調子出ないんだけど・・・。」</p><p>春が近くなり、シーズン中の槙は珍しく弱音を吐く。</p><p>&nbsp;</p><p>長い冬休みをもらって年末に帰国した沙紀は、槙の住む家に３週間ほど滞在した。</p><p>夏は数日しか会えなかったので、この冬を楽しみにしていた二人。</p><p>空港に迎えに来た槙の車の中で、そのまま何度も抱きあった。</p><p>始まりこそ寒い寒いとお互い素肌を触らないように細心の注意を払っていたが、最後には車の窓が真っ白に曇るぐらいの熱気で汗が止まらなくなり、大笑いした。</p><p>槙はシーズン中ではあったものの、プロ契約をしたおかげでいつもよりもゆっくり過ごすことができた。</p><p>朝起きて、ごはんを食べ、槙が練習に行くまでの間は映画を見たり買い物をしたり、一緒に洗濯もした。</p><p>ごく普通の日常がなぜこんなに楽しいのだろう。</p><p>沙紀は隣で笑っている槙がいることが幸せで、アメリカに戻ることを躊躇してしまうほどだった。</p><p>&nbsp;</p><p>冬休みが終わり、アメリカでの研究も大詰めになっていた沙紀はさみしくてたまらなかった。</p><p>胸にぽっかりと穴が開いたような、そんな気持ちだった。</p><p>そんな折、珍しく疲れた様子の槙がビデオ通話でそういったのだ。</p><p>&nbsp;</p><p>文明の発達のおかげで、毎日顔を見て話ができるのはとてもうれしい。</p><p>ただ一つの問題は、直接触れられないこと。</p><p>槙がスキンシップを好むことは周知の事実だ。</p><p>ではこの遠く離れている今、彼は物理的な欲求をどこで満たすんだろう。</p><p>&nbsp;</p><p>でも、そんな不安も全部、ため込まないと約束したから。</p><p>&nbsp;</p><p>「誰かと・・・・エッチした？」</p><p>画面の向こうの槙が突然背を正して答える。</p><p>「してません！」</p><p>まっすぐこちらを見つめる目に、沙紀は申し訳ない気持ちになる。</p><p>「ごめんね。」</p><p>「またお前は！！」</p><p>画面に顔を近づけて、槙はにらみをきかす。</p><p>「俺も納得したうえでお前はそっちに行ったんだろ？謝るな！だめ！！」</p><p>「でも・・・私のせいで調子よくないって・・・。」</p><p>槙の気持ちがどんどんしぼんでいくのが分かる。</p><p>「そりゃさみしいもん、当然だろ？・・・でも、わるい。せめて・・・・・せめてお前のダッチワイフでもあれば・・・・」</p><p>冗談かと思いきや本気っぽい顔がちょっと気持ち悪いな、と思いながらも槙の声色をまねて叫んだ。</p><p>「私も頑張るから！幸ちゃんも頑張るんだ！！」</p><p>「んん！！がぁぁーーーんばーーーーる！！！」</p><p>さっきまでしょぼくれてた姿が嘘のようにいつもの槙に戻ったことを確認し、沙紀はまた明日ねと通話をオフにした。</p><p>&nbsp;</p>
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<link>https://ameblo.jp/marumarupoopoo/entry-12646119006.html</link>
<pubDate>Sat, 06 Feb 2021 15:26:57 +0900</pubDate>
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<title>「青い春」　～目的地～＜５＞</title>
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<![CDATA[ <p>数日後にアメリカに出発する沙紀の送別会だといって、槙がバーベキューがしたいと言い出した。</p><p>おそらく槙がただやりたかっただけだというのは皆何となく分かってはいたが、今まで沙紀とも仲良くしてくれていたチームメイトたちも集まり盛大に送別会は執り行われた。</p><p>&nbsp;</p><p>バーベキューコンロの上にはジュージューと焼ける肉が並んでおり、その周りには肉の色が変わるのを心待ちにした大男たちが並んでいる。</p><p>&nbsp;</p><p>「ちょっと！もう少し離れなさいよ！」</p><p>庭を提供している石田晶がトングを振り回しており、その後ろでは晶の娘である美優が母の真似をして木の棒を振り回している。</p><p>それを見ていた夫の涼が苦笑いをしながらうちわで炭を扇ぐ。</p><p>「わるいねぇ、騒がしい家族で。」</p><p>言いながらも、涼が妻と娘を眺める目はとても優しい。</p><p>&nbsp;</p><p>「ところで」</p><p>涼が小声で沙紀に耳打ちをする。</p><p>「この前の騒ぎ、大変だったね。怪我しなかった？」</p><p>刃物が出てきたこともありチーム内でも問題になったようで、企業の偉い人が菓子折りをもって沙紀の家に来たのにはびっくりした。</p><p>「全然大丈夫です、逆にご迷惑をおかけしてしまって申し訳ありません。槙さんちゃんと皆さんに謝りました？？」</p><p>おどける沙紀をみて、涼は感心したように言う。</p><p>「しかし、沙紀ちゃんはほんとに強いよね。いや、槙の素行が悪いのは俺たちもわかってた。でも、あんな近場に手出してたなんてなぁ。。」</p><p>煙に目をやられたのか、軍手で顔をごしごしとこすった後、まじめな顔で続ける。</p><p>「あんなことあっても安心してアメリカ行っちゃうとか。ほんとにあいつのこと信じてるんだね。」</p><p>&nbsp;</p><p>沙紀は空を見上げた。</p><p>綺麗な青空に、真っ白な雲がポツリポツリと浮かんでいる。</p><p>そこには、地元で見た薄暗い雲や雪の気配はない。</p><p>&nbsp;</p><p>「槙さんは、すごい人です。いるだけで周りを元気にする、そんな人が自分の方を向いてくれてることが不思議なぐらい。」</p><p>沙紀は空に向かって大きく伸びをした。</p><p>「いつか、槙さんに『もういらない』って言われる日がくるかもしれません。その時に、ちゃんと一人で立っていられるようになりたい。そんな女でいたいんです。だから私は、アメリカに行きます。」</p><p>&nbsp;</p><p>涼は隣で大きく笑った。</p><p>「やぁ、かっこいいわ！沙紀ちゃん。槙にはもったいないぐらい。」</p><p>涼の隣で肉をにらんでいた期待の新人の立石が、突然こちらを振り向いた。</p><p>「沙紀さん、かっこいいっす！！！」</p><p>そして片隅で味見だと肉をほおばっていた槙に大声で叫んだ。</p><p>「槙さーーーん！！彼女さんと別れたら、僕もらっていいですかーーー！！」</p><p>「ぬぁんだと？？？」</p><p>槙は急いで皿の上の肉をすべて口に詰め込むと、ズンズンとこちらに向かってくる。</p><p>「俺たちは別れねーよ！！ばーーか！！」</p><p>すごい形相で肉汁を飛ばしてくる槙に恐れをなしたのか、はたまたきれいなシャツを汚したくなかったのか、立石は後ずさる。そして立石がそこで大事に焼いていた肉をかすめ取ると、槙は空っぽになった自分の口に入れた。</p><p>「あーーーーーー！！槙さんひどいっす！！」</p><p>&nbsp;</p><p>庭中が笑顔に包まれる。</p><p>１週間後にはアメリカにいるなんて、とてもじゃないけど想像できない。</p><p>でもこのぬくもりから飛び立たないと、理想の自分にはたどり着けない。</p><p>&nbsp;</p><p>肉を口いっぱいにして満足した槙の腕をそっと触り、沙紀はささやく。</p><p>「槙さん、大好き」</p><p>「『幸ちゃん』だろ？また間違えたなー！罰として今日はエロいこといっぱいやらすから。」</p><p>ニヤリと笑う槙の背中を、顔を赤くした沙紀がバシッとたたいた。</p><p>&nbsp;</p>
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<link>https://ameblo.jp/marumarupoopoo/entry-12645924403.html</link>
<pubDate>Fri, 05 Feb 2021 16:08:09 +0900</pubDate>
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<title>「青い春」　～目的地～＜４＞</title>
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<![CDATA[ <p>バスタオルで頭を拭きながらパンツ一枚で出てきた槙は、いつもよりずいぶん緊張しているように見えた。</p><p>&nbsp;</p><p>ペットボトルの水を手渡すと、隣に座るよう促す沙紀。</p><p>&nbsp;</p><p>水を一気飲みした後、槙は沙紀を強い目でじっと見つめた。</p><p>「あのね」</p><p>沙紀が切り出す。</p><p>「実は今、留学の話をもらってるの。」</p><p>下を向く沙紀は、槙の表情が読めない。</p><p>正確には、読みたくなかったから、下を向いた。</p><p>&nbsp;</p><p>遠距離恋愛</p><p>雪村</p><p>別れる</p><p>&nbsp;</p><p>連想ゲームのように出てくる３つのワード。</p><p>&nbsp;</p><p>「私が論文で出したテーマをちょうどアメリカで研究してる人がいて、その手伝いをしてみないかって。」</p><p>&nbsp;</p><p>「どのぐらいの期間なの？」</p><p>珍しくひやっとした槙の声。自然に雪村の声と重なり、おびえる。</p><p>「・・・１年ぐらいの予定。」</p><p>&nbsp;</p><p>「なんで？」</p><p>&nbsp;</p><p>沙紀はぎゅっと目を瞑る。</p><p>怖い。</p><p>体中が石になったように感じる。</p><p>&nbsp;</p><p>「なぁ、こっちむけよ。」</p><p>&nbsp;</p><p>槙が沙紀のあごに手を添えて、グイっと持ち上げる。</p><p>&nbsp;</p><p>「目ぇあけて。」</p><p>&nbsp;</p><p>そっと目を開けると・・・・そこにはいつも通り、優しい笑顔の槙がいた。</p><p>いつも自分にだけ向けられる、あの笑顔。</p><p>&nbsp;</p><p>「なんでそんな顔すんの？行けばいいじゃん！」</p><p>そういってニカっと笑う槙。</p><p>「お前さぁ、俺言ったよね？夢に向かって突き進むのは大事だって。お前がやりたいことなら、ちゃんとやれ！俺はちゃんと待ってる！」</p><p>&nbsp;</p><p>沙紀は体の力がふっと抜けたのを感じ、そのまま槙の体にもたれかかる。</p><p>&nbsp;</p><p>「大好き・・・・槙さん。」</p><p>&nbsp;</p><p>「もうそろそろ、その槙さんっていうのやめない？」</p><p>耳元でそういうと、槙はそのまま首筋にキスをした。</p>
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<link>https://ameblo.jp/marumarupoopoo/entry-12645917096.html</link>
<pubDate>Thu, 04 Feb 2021 15:42:06 +0900</pubDate>
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