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<title>merci392023のブログ</title>
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<title>遠足のおやつ（３）</title>
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<![CDATA[ <p>　ところで、遠足のおやつは違反者が出たり、家庭の事情で持ってこないものもいたらしいので、次の遠足は学校で用意するということになってしまった。みんな同じおやつにするというのであった。</p><p>　おやつを買うという楽しみがなくなってしまったものの、次はバスに乗ってポロト湖まで行くという話だったので、喜んでいた。</p><p>　バスに乗って、先生がおやつの入った白い紙袋を配り始めた時は、ちょっとうれしかった。中身のわからない箱や袋を開けるのは、どんなときでも楽しい。しかも、それは遠足のおやつ。特別なお菓子。声を出してはしゃぐ子もいた。自分は後ろの座席にいたので、立ち上がって「はやく、はやく」と心が騒ぎだす。</p><p>「もう見てもいい？」と言いながら、開けようとしている子がいる。</p><p>「まだだめだ。みんなに配り終えてから。」</p><p>　注意しながらも、生徒が嬉しい顔をして手をのばして待っているので、先生の顔もほころんでいる。</p><p>　ぼくの席にもおやつが届いた。</p><p>「見てもいい」</p><p>「食べるのはまだだめ。見るだけ。」</p><p>　みんな、紙袋を開けて中身を確かめた。それは、ぼくらを例外なく失望させた。</p><p>　栄養を考えたカルミン、なぜかしらカンロ飴、おまけはついていないがベルマークはついている森永のキャラメル。塩せんべい、みかん、そしてアーモンドチョコ。何故だか、ぼくらの親の世代はアーモンドチョコが好きだ。</p><p>　このセンスの悪いおやつ選びに、バスの中で静かなブーイングがしだいに高まりはじめた。</p><p>「なんだ、このおやつ」</p><p>「もっとマシなものが入っていると思った」</p><p>「あーあ、つまんない」</p><p>「去年みたいな方がよかったよな」</p><p>あちこちで、不満のつぶやきが聞き取れる声として漏れていた。</p><p>　そのとき、先頭に座っていた体育の教師が立ち上がった。（コイツが犯人だ！）</p><p>「うるさいッ。なんだ、おまえたちは。ぜいたくを言うんじゃない。先生が子どものころなんか、食べ物だってろくに無かったんだ。こんなぜいたくなお菓子も食べられなかった。文句を言うなら食べなくていい。」</p><p>　真っ赤な顔で体育の先生が立ちあがり声をはりあげた時、バスが急に右へ回り先生は少しよろけた。バスの中はシーンとなったが、ぼくたちは、戦争によって食糧をうばわれた世代の子どもであり、同じことを何度も親から聞かされていたのである。どうして、いつも同じことばかり言うのだろう。</p><p>　戦争の禍根がここに残り、そして理不尽なカミナリとして、われわれの頭上にも光っていた。</p><p>&nbsp;</p>
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<link>https://ameblo.jp/merci392023/entry-12801282995.html</link>
<pubDate>Wed, 03 May 2023 07:23:37 +0900</pubDate>
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<title>遠足のおやつ（２）</title>
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<![CDATA[ <p>&nbsp;</p><p>　かくして、遠足の当日となった。</p><p>　番茶の入った水筒と、おにぎりと玉子焼きとソーセージの昼ごはん。もちろん遠足のおやつもリュックにいれて家を出る。</p><p>　生徒はグラウンドに集合して、そこから北大の演習林まで２時間ほど歩いてゆく。とちゅうにある公園で休憩して、そこではおやつを食べていい。</p><p>　北海道でも５月になれば、太陽が照らす日はあたたかい。</p><p>　公演の広い草地でリュックを下ろして、それぞれおやつを取り出し、みんな嬉しそうな顔。そこでは、ほかの子の持ってきたおやつを見ることができる。ぼくは、まずチョコボールだ。箱の角がくちばしの形になって、丸いチョコが出てくる。箱にかかれたキョロちゃんの顔もいい。くちばしを出して、てのひらに一個だけチョコボールを落とす。その様子を見ている子もいた。</p><p>　ぼくがねらっていて買えなかったパラソルチョコを持っているものがいる。買えなかったのは、母が前日の午後じゃないとお金を渡してくれないからだ。くやしかった。</p><p>「かつみのお菓子は二百円以内じゃないぞ！」</p><p>　同じクラスの子の声が上がった。</p><p>　先生もやってきた。違反しているものや、おやつがないものなどもいるかもしれないといろいろ気にかけて見回っているところであった。</p><p>　かつみは先生が質問する前に言った。</p><p>「ぼくは二百円しか使ってないよ」</p><p>　かつみは言い張った。しかし、ひろげたおやつの中身は豪華だった。同じ種類のチョコやキャラメルがいくつもある。しかも、定価のわからないようなお菓子がごろごろ入っている。クジの賞品でしか見かけないものもある。どこにそんなものが売っているのか、と思ったら、やっぱり、クジを引いていたのだ。かつみは二〇〇円で一回一〇円のお菓子の賞品クジを二〇回引いた、というのだ。一等や三等が当たったからたくさんお菓子が入っているけれど、でも二〇〇円しか使っていないと胸を張った。</p><p>　ぼくは、そういう手があったか、と思ったが、何となく先生におこられそうな気がして、思いついてもやる勇気はない。案の定、先生はそれはルール違反だと注意されていた。とりあげられはしなかったが、怒られたことで、その場はおさまった。</p><p>　かつみは学校の成績は悪いが、みんなのできないことを平気でするようなところがあった。遠足のおやつでは、かつみに一番おどろかされた。いい、悪いじゃなく、自分にはかなわないところがある。勉強以外では、たぶん勝てない。</p>
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<link>https://ameblo.jp/merci392023/entry-12801144850.html</link>
<pubDate>Tue, 02 May 2023 08:13:14 +0900</pubDate>
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<title>遠足のおやつ１「」</title>
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<![CDATA[ <p>　遠足が楽しいのは、当日よりもその前日である。</p><p>　学校が終わると、みんな飛び跳ねるように家に帰る。昭和四十年ころの小学生の遠足のおやつは二百円以内と決まっていた。まだノートが十円か二十円で買えたときのことであり、毎月の小使いだってもらえていなかったので、いちどに二百円分のおやつを自分の好きに買う機会などめったに無かった。</p><p>　家にもどって、さっそく母親からお金をもらう。</p><p>「変なもの買うんじゃないの？」</p><p>「好きなもの買うんだ！」</p><p>　家を飛び出た。飛び出た足は、まっすぐ三上商店に向かう。しかし、おそかった。クラスの仲間が二三人お菓子の棚を物色していた。すでに、おやつ戦争はスタートしているのだ。ぼくの家の近くでは三上商店しか、めぼしいおやつを見つけることができない。</p><p>　遠足のおやつとしてぜひ買いたいと思うものが二つあった。一つはパラソルのチョコレート。もう一つはサイコロのキャラメル、しかも赤いやつ。赤いサイコロは数が少ないので、すぐになくなる。それを一番心配していた。早足で、サイコロキャラメルの箱をのぞくとまだ赤いものがいくつか見える。自分は安心して他の気になるチョコボールを確かめに行った。</p><p>　しかし、その油断がいけなかった。棚をあれこれ眺めて一周するうちに、白いサイコロだけになっていた。ああ、みんな考えることはいっしょなんだ。</p><p>　遠足のおやつには、それぞれの個性があった。親に買ってもらった子のおやつはだいたい平凡なものだった。われわれの世代の大人で魅力的な子どものおやつを用意できる才能を持っているというのは、希有なことである。親が用意したおやつというのは、すぐにわかる。時代のトレンドを知らないからだ。みんながうらやましがる要素がない。子どもがうらやましいと感じる、この機微はその時の子どもにしかわからないものだ。なんでそんなものがいいんだ、という顔を大人はする。要するに、わからないってことだ。うちの母親なら「変なもの買って」としか思わないようなもの、煙草のチョコなんかもおもしろいのでほしかった。</p><p>　男の子はきわめて好戦的な、おやつの争奪をするわけだが、女の子達の中には仲良しどうしでいっしょのおやつを用意していた。当時の子どもの人気はバナナだったから、できればバナナをおやつに加えたいとぼくも考えたが、バラ売りはしてくれないので、はなからあきらめていた。しかし、彼女たちは５～６人でかたまって買い物をするので、そんな知恵が働くのだろう。一房六本のバナナを買って、それぞれ一本ずつおやつの中に持ち込むことに成功していた。これはかなりうらやましかった。男の子はめいめいが勝手に好きなものを買おうとするので、そういう発想を持てなかった。</p><p>&nbsp;</p><p>&nbsp;</p>
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<link>https://ameblo.jp/merci392023/entry-12800979585.html</link>
<pubDate>Mon, 01 May 2023 06:37:08 +0900</pubDate>
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