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<title>体をすり抜けて行くよしなしごと</title>
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<description>つい逸脱してしまう20代OLの、ろくでもないような日記です。</description>
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<title>場所への依存は最も無意味なことであるということ</title>
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<![CDATA[ ここではないどこかへ行きたいと、ずっと考えていた。<div>実家にいた頃、とにかく実家が嫌で嫌で、閉塞感のあるムラ、そこから都心に通うこと、もう壊れてしまいそうな戸惑いを毎日抱え、どこかへ逃げてしまいたかった。</div><div>どこか、というので一番わかりやすいのは東京で、職場も東京なことだし、もう東京だ、東京しかない、と思って東京へ出て気付いた。</div><div><br></div><div>わたしは別に東京に来たかったんじゃない。</div><div>ただ、どこか別の場所で人生を始めたかったのだと。</div><div><br></div><div>実際に東京で暮らし始めて、あぁこれでやっと息苦しくない、新しい人生、新しいわたし、デビュー！と息巻いたのは一瞬で、</div><div>次の瞬間には、わたしはなぜかわからないけれど湧き上がってくる違和感を埋めるために、見知らぬ男たちと寝まくるしかない、そんな女になっていた。</div><div><br></div><div>当然だけど次第に疲弊し、いつしか人と会うことすら嫌になって部屋にこもるようになり、募っていった苦しさから、あるとき田舎の方へ数日、逃避した。</div><div><br></div><div>文字通りの現実逃避だ。</div><div>簡単なことだった。数日休みを取るなんてわけない。幸いにしてわたしは仕事、職場には全く不満はないし、給料が安いのは仕方ないにしても、福利厚生についてはそこそこのホワイト企業に勤めている。</div><div>特に面倒な申し入れもせずに、ポンっと休むのは簡単なことで、独り身のわたしがどこに行こうと誰にも知ったことではなかったのである。</div><div><br></div><div>昔も訪れたことのある、山あいの、観光客が少ない、だけど抜群に水が綺麗で空気の澄んだ街へと、わたしは繰り出した。</div><div>特に観光することもないので、宿についたらすぐに浴衣に着替え、持ってきた本を読み、夕食前に温泉につかり、夜は部屋で食事をして、また本を読んで過ごした。</div><div>TVも見ずにしばらくそうして暮らしていたら、だんだんと、日頃の苦しみはどうでも良くなっていった。</div><div><br></div><div>わたしは何に執着していたんだろう？</div><div>住む場所、生き方、仕事、恋愛、渦巻くそれらは全部必要なことで、別に間違ってなどいなくて、追い詰めるほど重大でも非道でもない、なんてことないこと、普通に生きていくためにある程度必要なこと、だけどわたしはそういうものに追い詰められてしまうほど、弱くて、執着心が強くて、足場の脆い人間だったのだと気付いた。</div><div>本当は全部、考えない日があっても良かった。</div><div>正しいことを毎日反芻して、正しいことのために生きているわたしが苦しいのは当たり前だった。</div><div>「なんのために」という整合性を求めないと生き方を肯定できないのは、ありのままの自分に自信がないからなのだ。</div><div><br></div><div>けれど、この山あいの田舎町ではそんなことすらどうでもいい。</div><div>わたしに自信があろうとなかろうと、この町の人はそもそもわたしのことを知らない。</div><div>空気は澄んでいる。水が綺麗だ。食事が美味しい。夜はしんとしている。星が綺麗だ。</div><div>それ以外になんにも重要なことなんてない。</div><div>生き方を正そうとして追い詰められているわたしの存在は、あってもなくてもどうでもいいものだった。</div><div>そのことに救われた。</div><div><br></div><div>東京に帰ってきてから、放心したように、残りの休みも人と会わずに過ごした。</div><div>ツメの色を塗り替える。読みたかった本を読む。観たかった映画を観る。布団を干す。掃除機をかける。眠る。TVもつけずに。ただそれだけの日々は、わたしの心を洗い流してくれた。</div><div><br></div><div>シンプルになった。</div><div>もっとシンプルでいいのだ。</div><div>2016年は、苦しかった。めまぐるしくて、正しいものがなんなのかわからなかった。あるべき自分に追い詰められた。周りの環境は素晴らしいものでも自分はダメだった。素晴らしいからこそ、かもしれない。</div><div>来年は、2017年はもっとシンプルに生きたい。肩の力を抜きたい。</div><div>やりたいことをする。やりたくないことをしない。会いたい人に会う。会いたくない人には会わない。</div><div>それでいいのだと思う。</div><div><br></div><div>皆様、良いお年を。</div>
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<pubDate>Sat, 31 Dec 2016 00:37:59 +0900</pubDate>
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<title>セックスをしないと家族になれないということ</title>
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<![CDATA[ セフレという存在に慣れていない頃は、セフレのことも簡単に好きになっていたのだけど、そういうのを全部乗り越えて強い絆が生まれたセフレがいる。<div><br></div><div>彼とはもともと仲のいい友達で、同じコミュニティに属してて、なんとなく、お互いに理解できる部分、似ている部分があるのは気付いていて、だから恋愛相談とかしてて、ふとしたきっかけでそれが男女関係になるのは当然の成り行きだったのかもしれないと今なら思う。</div><div>だけど当時のわたしは、ずぅっと友達として信頼していた相手と寝てしまったことに激しく動揺して、動揺して、好きだった気持ちに気付いてしまって、数ヶ月セックスして、ある日とうとう好きだと言ってしまった。</div><div>それも、好きだから付き合って、じゃなくて、好きで、これ以上続けたら友情すら壊れるからもうやめたい、友情を大事にしたい、と告げたのだった。</div><div><br></div><div>それに対しての彼の反応といえば、初めは戸惑っていたものの、じゃあこれからは今まで以上の親友になれるよね、というもので、なんだかわたしはひどく安心して、今でも友達でいる。</div><div><br></div><div>ちなみに、わたしに別の好きな人ができた瞬間、セックスは再開してしまった。彼の彼女が入れ替わっても同様である。</div><div>私たちは、互いのことをもう分かり合いすぎていて、好きな人や恋人の愚痴もいえる。お互いに同じ感覚を持っていて、価値観が同じで、家族のようで、だから罪悪感なくセックスができる。</div><div>誰にも甘えたり泣き言を言えないわたしは、彼にだけそういうことがいえて、心から甘えられるし、もしかしたら彼もそうなんじゃないかと思っている。</div><div><br></div><div>最近はセックスをしない代わりに抱きしめあって眠って、たまにキスをするだけなんだけど、わたしはふと、今後恋人ができた時に、この関係を断ち切れるか不安になる。</div><div>わたしは、好きな人の相談や、不安もこの彼には打ち明けてしまう。</div><div>そのたびに、でも、そういう弱味をみせたりぶつかったりしたら終わる関係なら、それまでってことでしょ、と言われる。</div><div>それはまさしく私たちの関係をなぞらえている発言で、ぐぅの音もでない。</div><div><br></div><div>じゃあ彼が本当は理想の相手なのかというとしっとそうではなくて、わたしはセックスして好きになって、それを伝えて、乗り越えて、またセックスして、いまやセックスは不要だけど一緒に眠っておやすみとおはようのキスをして、起きた瞬間抱きしめて頭を撫でてもらって、朝ごはんを用意して玄関で送り出して、だけど恋心はなくて家族みたいな気持ちで、</div><div>くらいにならなきゃ素直になれないくらい不器用で身勝手で独りよがりな人間なんだという認識が生まれてしまって、凹むことしきりなのだ。</div><div><br></div><div>彼との関係性は特殊で、恋人だなんて1ミリも思わなくて、家族で、これはきっと恋人だったら得られなかった安心感なんだろうと思う。</div><div><br></div><div>どうしようもないし、年々そうした気配は強まる。</div><div>わたしはきっと犬だったら、そうとう腹を見せないタイプに違いない。</div>
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<pubDate>Wed, 28 Dec 2016 12:45:34 +0900</pubDate>
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<title>「キスNG」の風俗嬢のような男たち②</title>
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<![CDATA[ 前回のS君は、挿入葛藤男子として登場してもらったけど、純粋に「キスNG」な男の子たちもそれなりにいて、その理由がおそらく「彼女への操」というのがRさんだった。<div><br></div><div>Rさんは同じ大学の先輩で、正直わたしは一年生の時から結構いいな〜と思いつつ、かといって距離がそこまで近しいわけでもなく、そのうち別の人と付き合ったり、Rさんにも彼女ができたりで、最終的には友達みたいな感じの相手になっていた。</div><div>とはいえ、たぶん互いに異性を好ましく思う気持ちが強い方だったので、飲み会の時にみんなに隠れて手を繋ぐ、とかそういうことはしていて、すごく最低な言い方をすると、Rさんはわたしの中の「マンツーで飲んだらヤれそうな男」リストの真ん中くらいにはいた。</div><div><br></div><div>そんなRさんが、仕事の都合でしばらく遠方に行くことになった。</div><div>その時わたしは、ステディな相手もいなかったし、半分くらいステディになってきているセフレと二週間に一回セックスするのにも飽きてきて、ごくカジュアルに、「男女の友情を壊して新規ちんこ一件作ってもいい頃だな」なんて思っていた。</div><div>遠方行く前に会いませんか？というわたしの誘いに、若干探るような雰囲気を放ったRさんだけど、結局しれっと二人で会った。Rさんは長年付き合った彼女と結婚する気持ちがすでに固まっていて、しかも生真面目なタイプだったから、最後にハメを外すなら今じゃない？というわたしの思惑に乗っかってくれた形だった。</div><div><br></div><div>わたしの仕事終わりの平日、Rさんはたまたま次の日休み、という日に二人で飲みに行き、結構しこたま飲んでいい値段を叩き出して、荷造りのために実家に帰っていたRさんは終電を失った。</div><div>わたしは当然次の日仕事だけれど、もう5年以上前から知っている相手をそのへんに放り出すのも忍びない、という理由で、家に誘った。</div><div><br></div><div>けれど実は、わたしはこの時結構葛藤していたのだ。</div><div>Rさんは手を繋ぐくらいはする。けれど内実はクソ真面目な硬派野郎だ。彼女のことがめちゃくちゃ好きで大事なのも知っている。つーか彼女のことも知ってる。めちゃくちゃ可愛くてめちゃくちゃ良い人だ。</div><div>わたしの今の性欲、しかも男女の友情を壊してのセックスはエモいからやりたいくらいのこれまでの関係を踏みにじるような性欲に引き込んでよいのか。この人一生後悔しそうだ。その責任は取りたくない。</div><div><br></div><div>というわけで、Rさんを持ち帰ったわたしは、でもこの時点で結構エモいよね、大学一年の自分に教えてーわ、と自分を納得させてソファーベッドに枕と毛布をセットしてあげ、自分は自分のベッドに潜り込んで電気を消した。</div><div>このソファーベッド、わたしのベッドとコの字のように置かれているので、わたしたちは頭を付け合わせながら、修学旅行のようにクスクス笑って話をしていたのだけれど、やっぱり夜と酒の力は恐ろしいもので、少しずつ男女の欲が空間に広がって行くのを感じた。</div><div><br></div><div>これでは意味がない、と腹をくくったわたしは寝入ることにした。実際、軽く夢を見るくらいまでの眠りには落ちた。けれど、次の瞬間、顔の横あたりに投げ出されていたわたしの手に、ひんやりとした何かが重ねられた。</div><div>その感触で目が覚めたわたしは、初めはナンジャコリャ？？と思っていたけれど、すぐにRさんの手だと気付いて童貞のようにドギマギしてしまい、しばらくは狸寝入りを続けたけれど、キュッと手を握られたことに耐えられなくなって目をあけた。</div><div><br></div><div>もうおわかりですよね。ここまで来たらわたしはそこまで悪くないんですよ。</div><div>Rさんはわたしのベッドに潜り込んで来た。</div><div>もう、普段の硬派な姿からは想像もつかないくらい、わたしを抱きしめては「かわいい、かわいい」「一緒に眠れるだけで幸せ(暗にセックス回避を指している)」などと呟いていた。</div><div>ここで少し具合が悪かったのが、わたしがノーブラであったことだった。固い決意で別々のベッドに潜り込んだし、厚手のパジャマはわたしの貧乳なんていとも簡単に隠す。さりげなく胸の前を腕でガードしても、不意に体勢が変わった瞬間、あっさりノーブラなことがバレた。</div><div><br></div><div>緊張が走る。「ヤバい」と呟くRさん。葛藤するわたし。責任は取れない。真面目な女を抱く時の男はこういう気持ちなんだろうか。</div><div>でもまあ、こうなったら止まらない。結局てんやわんやで手マンまではスムーズにいった。</div><div><br></div><div>けれどこの間、どんなに「今のは流れ的にするっしょ」みたいな瞬間が訪れても、Rさんは絶対キスしなかった。キスしたら終わりだと思っていたのだと思う。キスしたらセックスしてしまう。キスしてない今は彼女を裏切ってない、大丈夫、みたいな、そんな踏ん張りがしっかり伝わってきた。</div><div><br></div><div>わたしからしたら、彼氏がよその女に手マンしてる時点で、キスしようがしまいが一緒だと思う。キスより手マンの方がハードルの高い行為だと思うし、手マンまでしたらほぼセックスしてる。「キスはしてない」はなんの言い訳にもならないけれど、やはりこれも彼なりの操だったのだろう。</div><div><br></div><div>なんだか消化不良だけれど、結局わたしたちはそのまま、朝まで抱きしめ合いながら眠った。わたしを抱きしめるRさんは本当にわたしのことが愛おしそうで、やっぱりこの人は遊びのセックスには向いてないな、と思ったし、こんなことではすぐに足元をすくわれるぞ、とも思ったけれど、とりあえずわたしは良い思いをしたので黙っておいた。</div><div><br></div><div>ちなみにわたしは、キスなんてハイタッチくらいのもんだと思っている。ジュリアロバーツの気持ちはわからない。</div><div><br></div>
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<link>https://ameblo.jp/mfuzisaki/entry-12220402985.html</link>
<pubDate>Thu, 17 Nov 2016 19:28:45 +0900</pubDate>
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<title>「キスNG」の風俗嬢のような男たち①</title>
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<![CDATA[ 風俗嬢の中には、「キスNG」って子たちがいるらしい。<div>なんとなくわかる。映画「プリティウーマン」でも、ジュリアロバーツ演じるコールガールは、仕事上でのキスを拒む。わたしは子供の頃この映画を観て、「ふぅーん、キスってそんな特別なんだァ」などと思うおませガールだった。</div><div><br></div><div>でも男の子のなかにもこういうメンタリティの人、たまにいるよね。</div><div><br></div><div>たとえば、以前出会ったS君という男の子。S君は、一人で生きていく詩人、みたいな、ミュージックとコーヒーとブンガクと煙草を愛してるようなカルチャー系男子だったのだけど、硬派を気取りながらわたしとの出会いのきっかけはTinderだったし、家にあるコーヒーパックはガンガン砂糖入りだったし、好きになる女の子はわかりやすくメンヘラでアイドル顔でナチュラルに語尾ににゃんとかつけるような子たちで、ブンガクやミュージックで多少メシを食いつつ案外地に足ついたサラリーマンでもあって、話してて面白いから結構遊んだ。</div><div>初めのうちは会っても夜通しDVD(それもあまちゃん)とか観てたからセックスどころか手も繋がなかったのに、なんかある日、別々の布団で寝ていたところ、互い高まってきてしまい、同衾したのだった。</div><div><br></div><div>この時S君はとにかく、「挿れるか挿れないか」でめっちゃ葛藤してた。</div><div>いやもうキスして乳揉んで手マンまでしたら一緒じゃん、って思ったけど、やはりちんこを挿れるというのはそれなりに壁を越える行為らしく、挿入によって失われる友情とか今後の付き合いとか築けたかもしれない絆とか、そういうのが全て「セフレ」という一言に成り下がることを恐れてしばらく苦悩しているのを、わたしはとりあえず何も言わずに眺めていた。こっちからしたら、指をぶち込まれた時点で一緒なのである。</div><div><br></div><div>散々葛藤したS君は、「挿れなきゃいいんだよな…」とつぶやきながら、スマタを始めて、ものの10秒後くらいには結局挿入していた。わたしもわたしで、焦らされた分だけ感慨深く、えらい気持ちよかったのを覚えてる。</div><div>結局S君とは、その後も会うたびにセックスしたし、かなり身体の相性が良くてしばらくは楽しかったけれど、次第に疎遠にはなった。会う＝セックスになると、会っているその時間の会話なんかに含まれる有用性は次第に失われるし、かといってたまに、セックス抜きのお食事だけで会ったりすると、「セックスしないなら会う意味ないな」なんて最低なことを思うようになって、やはり簡単にセックスするとそのあとの関係も簡素化するということを学んだ。</div><div>とは言え、もう手マンした時点で別に一緒だったと思うし、そもそも出会いはTinderだし、お互いこいつとはヤれるなと思ってライクしてるのに今更挿入をためらっても…みたいに思うところはある。</div><div><br></div><div>こういう、今更ここまできたら一緒だよね、と思うところで葛藤する男の子は案外いて、けれど後から思い直すと、たとえその葛藤を優先させて自分の価値観を守っても、男女関係になった瞬間に見えてくる結末は一緒なのだ、と思う。</div><div><br></div><div><br></div><div><br></div>
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<pubDate>Thu, 17 Nov 2016 19:09:05 +0900</pubDate>
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<title>真夜中の散歩</title>
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<![CDATA[ <span style="color: rgb(69, 69, 69); font-family: UICTFontTextStyleBody; font-size: 17px; text-decoration: -webkit-letterpress;">はっとしたことがあって、今年は、蜩の鳴く声を聞かなかった。きっとすすきの揺れる音も聞こえないだろう。冬の、冷えた排気ガスのにおいもかがない。春に鳴くウグイスもいつかきっと忘れる。そうして来年の夏には、浜松町の蟬時雨だけが季節の訪れを告げる。それが欲しかったのか、と言われたらわからない。</span><div style="color: rgb(69, 69, 69); font-family: UICTFontTextStyleBody; font-size: 17px; text-decoration: -webkit-letterpress;"><br></div><div style="color: rgb(69, 69, 69); font-family: UICTFontTextStyleBody; font-size: 17px; text-decoration: -webkit-letterpress;"><br></div><div style="color: rgb(69, 69, 69); font-family: UICTFontTextStyleBody; font-size: 17px; text-decoration: -webkit-letterpress;">夜中、何もすることがなくて、もうすっかり酒も飲み、ご飯も食べ、コーヒーを飲み、観たかった映画も見終わり、そんな時、どうしたらいいのか、というと、これまでは誰かを呼んでセックスをしていた気がする。</div><div style="color: rgb(69, 69, 69); font-family: UICTFontTextStyleBody; font-size: 17px; text-decoration: -webkit-letterpress;">けれどこんな風にシルバーウィークともなると、休前日が多すぎて、その度に代わる代わる呼べるほど相手が多いわけでもなく、もうこの一週間ではなけなしの駒を使い果たしていて、だから私はせめて、何かを期待して、綺麗な服を着て、綺麗に化粧をして、真夜中、散歩に出かけた。</div><div style="color: rgb(69, 69, 69); font-family: UICTFontTextStyleBody; font-size: 17px; text-decoration: -webkit-letterpress;"><br></div><div style="color: rgb(69, 69, 69); font-family: UICTFontTextStyleBody; font-size: 17px; text-decoration: -webkit-letterpress;">家の近くのブックオフに初めて入る。最終兵器彼女を3巻まで立ち読みして、もう泣いてしまいそうで、そんな自分のイタさが身にしみて、店を出た。</div><div style="color: rgb(69, 69, 69); font-family: UICTFontTextStyleBody; font-size: 17px; text-decoration: -webkit-letterpress;">お腹が空いていないとやることがない。入る店がない。と言って、帰るのも滑稽で、そういえば私の家は川沿いなので、大きな川に合流するまで歩こう、と思って、歩いてからものの10分で隅田川まで出た。</div><div style="color: rgb(69, 69, 69); font-family: UICTFontTextStyleBody; font-size: 17px; text-decoration: -webkit-letterpress;">真夜中の隅田川は、それはそれは綺麗だった。</div><div style="color: rgb(69, 69, 69); font-family: UICTFontTextStyleBody; font-size: 17px; text-decoration: -webkit-letterpress;"><br></div><div style="color: rgb(69, 69, 69); font-family: UICTFontTextStyleBody; font-size: 17px; text-decoration: -webkit-letterpress;">等間隔に寝転ぶホームレスと、ランニングをする人。真上を走る首都高の騒音が、私を包んでいた。</div><div style="color: rgb(69, 69, 69); font-family: UICTFontTextStyleBody; font-size: 17px; text-decoration: -webkit-letterpress;">真夜中の首都高は、前にも書いたけれどどうにも、好きだ。千切れそうなほどに、たくさんの人生が走り抜けてゆく。誰も私に気付かないけれど、時速100キロでこんな時間を駆け抜ける人たちが、まさか幸せなわけあるものか、と思うと安心する。</div><div style="color: rgb(69, 69, 69); font-family: UICTFontTextStyleBody; font-size: 17px; text-decoration: -webkit-letterpress;"><br></div><div style="color: rgb(69, 69, 69); font-family: UICTFontTextStyleBody; font-size: 17px; text-decoration: -webkit-letterpress;">隅田川のあちら側は、いやに静かで、だけれど、ここが東京のど真ん中じゃなくて良かった、と思った。</div><div style="color: rgb(69, 69, 69); font-family: UICTFontTextStyleBody; font-size: 17px; text-decoration: -webkit-letterpress;">ど真ん中で、たくさんの光と人が溢れていたら、私はとっくに身を投げたに違いないのだ。</div><div style="color: rgb(69, 69, 69); font-family: UICTFontTextStyleBody; font-size: 17px; text-decoration: -webkit-letterpress;"><br></div><div style="color: rgb(69, 69, 69); font-family: UICTFontTextStyleBody; font-size: 17px; text-decoration: -webkit-letterpress;">心を殺そうと思って、東京の象徴の一つだと思った首都高の真下、隅田川沿いまで来たって、ここは静かで、私を赦した。通り過ぎてゆくトラックの唸り声は、子守唄に違いなく、私はここで寝ているホームレスが少し羨ましい。</div><div style="color: rgb(69, 69, 69); font-family: UICTFontTextStyleBody; font-size: 17px; text-decoration: -webkit-letterpress;"><br></div><div style="color: rgb(69, 69, 69); font-family: UICTFontTextStyleBody; font-size: 17px; text-decoration: -webkit-letterpress;">薄汚れた川面を魚が跳ねる。生きている音がする。川の流れは思っていたよりも早く、飛び込もうかと出来心で覗いたらぞっとした。きっと今日の私はとても綺麗だから、泥水に沈んで、泥水を飲んで苦しんで死ぬのはごめんだった。</div><div style="color: rgb(69, 69, 69); font-family: UICTFontTextStyleBody; font-size: 17px; text-decoration: -webkit-letterpress;"><br></div><div style="color: rgb(69, 69, 69); font-family: UICTFontTextStyleBody; font-size: 17px; text-decoration: -webkit-letterpress;">要するに、私もここで生きている。心臓は止まらない。生まれ落ちた日から、止まることがない。自分で止められない苦しみを、きっとこの先も背負っていくのだ。</div><div style="color: rgb(69, 69, 69); font-family: UICTFontTextStyleBody; font-size: 17px; text-decoration: -webkit-letterpress;"><br></div><div style="color: rgb(69, 69, 69); font-family: UICTFontTextStyleBody; font-size: 17px; text-decoration: -webkit-letterpress;">本当は、今すぐタクシーに飛び乗って、知らない街に行くこともできる。</div><div style="color: rgb(69, 69, 69); font-family: UICTFontTextStyleBody; font-size: 17px; text-decoration: -webkit-letterpress;">けれど、行ったって仕方ない。どこに行っても何も変わらない。そんなことが、ようやくわかるようになった。</div><div style="color: rgb(69, 69, 69); font-family: UICTFontTextStyleBody; font-size: 17px; text-decoration: -webkit-letterpress;">来た道を戻り、家に帰るまで、きっと15分。</div><div style="color: rgb(69, 69, 69); font-family: UICTFontTextStyleBody; font-size: 17px; text-decoration: -webkit-letterpress;"><br></div><div style="color: rgb(69, 69, 69); font-family: UICTFontTextStyleBody; font-size: 17px; text-decoration: -webkit-letterpress;">だけど私はこの夜を忘れない。たったの15分で、私は、一人を包まれて、切なく、少しだけ安心した。たくさんの一人がここにあって、いつか嫌になったら綺麗な死に化粧をして隅田川に飛び込んでしまえばいい。そうして川面を飛び跳ねる魚に喰われよう。</div><div style="color: rgb(69, 69, 69); font-family: UICTFontTextStyleBody; font-size: 17px; text-decoration: -webkit-letterpress;">そう思ったら、また、生きていける、と思った。</div>
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<pubDate>Sun, 25 Sep 2016 01:52:13 +0900</pubDate>
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<title>わたしが綺麗だったころ</title>
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<![CDATA[ <div><br></div><div><br></div>まだわたしが綺麗だったころ、13歳のとき。<div><br></div><div>そのころすでに家の中はひどい状況になっていて、毎晩のようにやまない怒声の全てはわたしに向かっていた。</div><div>私は、父親が常軌を逸しているのだ、ということを理解したばかりで、まだ戦い方もわからずに、毎晩毎晩、ベッドの中で震えていた。</div><div>終わりますように、いつものように、お酒とクスリで気を失ってしまいますように。早く朝になって、学校にいく時間になりますように。</div><div>ボロボロの精神で、足音に怯えながら眠れなかった次の日は、学校で寝た。当然、成績はちっとも良くなくて、それがまた父親の怒りに触れた。</div><div>何もかもがうまく回らず、だけど誰も助けてくれない、そんなある日のことだった。</div><div><br></div><div>わたしがまだ綺麗だった、13歳のとき。</div><div><br></div><div>泥酔した父親が寝室からわたしを呼んだ。</div><div>キスを要求されて、そんなのは嫌だったけれど、断って暴れさせるのが怖かったので、唇を重ねた。</div><div>次の瞬間、父親の体はわたしを押さえつけ、唇の間に、その舌は乱暴に差し込まれそうになった。</div><div><br></div><div>なんとなく、薄々、そうなるのではないかという予感が、あのときにはあった。</div><div>13歳の時に、わたしは、男が、女を欲している時の声の出し方を、覚えた。それを発したのは、父。</div><div>とにかくかたく、唇を結んだ。絶対に侵入されないように、ギュッとかたまって、早く、早く諦めて、と願った。</div><div>しばらく攻防は続いたけど、やがて諦めた父はそのまま眠り、わたしはそろそろと寝室を抜け出すと、ポロポロと泣きながらなんども口を洗った。</div><div><br></div><div>汚かった。汚かった。汚かった。汚い。汚い。汚い。</div><div>どんなに洗ったって、その汚れは取れなかった。</div><div>世の中にはレイプをされる人だっているのに、こんな、こんなことで、なんで私は耐えられないの。こんなことでポロポロ泣いて、もう汚いだなんて大袈裟で嫌になる。だけど、だけど、こんなことってないよ。</div><div><br></div><div>ポロポロ泣きながら、もう私は汚いのだと思った。汚いのだから、守っても仕方ない。</div><div>そもそも、私の身体なんて、たいしたものじゃないんだ。たいしたものじゃない。この程度のこと。</div><div><br></div><div><br></div><div>それから私は、次々と、体を汚した。</div><div><br></div><div><br></div><div>体を大事にしなさい。</div><div>親がくれた体だから。</div><div><br></div><div>でも神様、私の体を一番さいしょに汚したのは、父でした。</div><div>あのとき、あの一回、あんなことがなければ、もしなければ、ただ怒鳴られて、皿が割れて、毎晩眠らせてもらえず、部屋にビールとタバコの煙を撒き散らされて、家族が守ってくれなくなって、だけどもしそれだけだったら、私は今頃、もっと自分を大事にできたのかしら。</div><div><br></div><div><br></div><div>今となっては、もう、心の痛みを消すためにたくさん汚したこの体はやっぱり汚く、だけれど戻り方もわからず、私は本当に、生まれてこなければ良かったのだ、と思う。</div><div>以降私が生きていくためにできるのは、ただこの痛みと汚れに意味を与えるために、何かを生んでゆくことだけ。</div><div><br></div><div>私がまだ綺麗だった、それは13歳のとき。私はたった3分で、人生がとてつもなく、どうしようもないものに思えた。</div><div><br></div><div>3日前、誕生日を迎えたわたしに、父親から祝いのメッセージが届いた。</div><div>なにくわぬ顔で、ありがとう、と返した。</div><div>あたしを、この世界になんて、届けないで欲しかったことは、言わなかった。</div>
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<link>https://ameblo.jp/mfuzisaki/entry-12194404035.html</link>
<pubDate>Sun, 28 Aug 2016 08:56:19 +0900</pubDate>
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<title>明日のために必要なのは身体ではないのだということ</title>
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<![CDATA[ たぶん女の子なら誰しもが言われたことのある、<div><br></div><div>「身体を大事にしなくちゃだめだよ」</div><div><br></div><div>反吐がでるほど、嫌いな言葉だ。</div><div><br></div><div>大事にすることの意味が、いまだにわからない。何のために大事にするのだろう。</div><div>またこれには、暗に、「性的逸脱をやめよ」という意味が込められているわけで、</div><div>同様に性的逸脱を行っている男性に対して、「身体を大事に」とは言わない。</div><div>ときに「不潔」だとの誹りは受けているし、それはわかるのだけど、おおむね、「やんちゃだなァ」とか、「やるゥ〜！」とか、そういう感じで受け流されることが多いでしょう。</div><div>けれど私たち女は、少しでも、例えば月に２人の男と寝たとして、そういうことがすぐに、厳しい目を向けられる。</div><div><br></div><div>これに合わせてよく言われるのが、「親が泣くよ」である。</div><div><br></div><div>こうした諸々に関して、陳腐な説教を続ける人々には一度立ち止まってもらいたいのだけど、</div><div>性的逸脱を行う理由はそれぞれあるにしても、当然、彼女らだって、それが健康的な精神性であったり、清らかだったりするなどとは思っていない。</div><div>そこそこに破廉恥で、そこそこに欲望に忠実で、そこそこに心が弱っている、ということなんて自覚している。</div><div>そういう自覚があるところに、やれカラダを大事にしろだの、親が泣くだの言われたところで、ほんとうに心の底からウンザリするだけなのである。</div><div>「ほんとうだわ、身体をいたわらないと…」「お父さんお母さん、ごめんなさい…」などと急に心変わりして改めるくらいなら、初めからフリーセックスになど及ばない。及ぶからには外野のそんな言葉は知ったこっちゃないのだ。</div><div><br></div><div>わたし自身、こういうことはよく言われるのだけれど、こう言う男に限ってヤリチンだったりするのだから始末に負えない。</div><div>お前の垂れ流した無駄な精子が、今親を泣かせていないように、わたしの垂れ流した無駄な愛液だって、親を泣かせたりしないのだし、性病のリスクだって同程度なのだ。</div><div><br></div><div>唯一やはり、妊娠、ということになると女性に負担が大きいのだけれど、</div><div>そんなのやはり、産むもおろすも、選ぶしかないのだし、妊娠してしまったものは仕方ないのだし、出産・堕胎で危険な目に合うと言ったって、人間死ぬときは死ぬ。</div><div>交通事故に遭うかもしれないし、ある日心臓が止まるかもしれないし、通り魔に刺されるかもしれない。</div><div>もっといえば、HIVキャリアに急にレイプされ妊娠した挙句母子ともに感染死、なんて事態もありうる。</div><div><br></div><div>可能性というのは挙げればキリがなく、あらゆる可能性の確率なんて、全人口にならしてしまえば正直大差ないと思うし、</div><div>だから、子供ができたらどうするのって、そんなの、できたもんは仕方ないだろう、としか思えない。</div><div><br></div><div><br></div><div>明日刺されたって仕方ない。</div><div>清らかに己の身体を守ったって死ぬときは死ぬ。</div><div><br></div><div><br></div><div>だから後悔しないために、一生懸命生きてゆくんじゃないのでしょうか。</div><div>今日世界が終わってもいいように、</div><div><br></div><div>「今日この男と寝なかったら、一生会うことはないかもしれない。寝たら世界は変わるかもしれない。新しい気持ちが生まれるかもしれない。ベッドサイドに落ちていた栞が、明日を作るかもしれない。わたしを照らす薄暗い照明が、忘れていた記憶を呼び覚ますかもしれない」</div><div><br></div><div>そう思いながら生きて行きたい。</div><div>こうならないために、よりも、こうなるために、辛い気持ちになるかもしれない、よりも、楽しい気持ちになるかもしれない、のために、</div><div>死ぬかもしれない、よりも、もっと面白く生きられるかもしれない、のために、</div><div>身体を大切にするのは、わたしにとってきっと、邪魔なことなのだと思う。</div>
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<link>https://ameblo.jp/mfuzisaki/entry-12191145702.html</link>
<pubDate>Wed, 17 Aug 2016 13:18:32 +0900</pubDate>
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<title>下り電車に揺られて</title>
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<![CDATA[ 家族、というもののイメージ、皆様にとってはどんなものですか？<div><br></div><div>わたしにとって「家族」とは、テレビドラマの中のもので、食卓があるでしょ、夜ご飯を食べているでしょ、くだらない話をして笑っているでしょ、あれが「家族」で、要するにわたしは自分が一緒に暮らしている人々を「家族」だとは思っていなかった。</div><div>それは子供の頃からで、わたしの家はとても歪んでいたし、歪ませたのはその地域だったり血縁だったり、とにかく、あらゆる環境がその歪みを作っていて、わたしは常に、家の人々もわたしも皆被害者だと思っていたけれど、その中のさらに掃き溜め、汚い水が流れる一番低いところ、はけ口、それがわたしだったので、わたしの子供時代、青春時代というのは概ね、重苦しさに満ちていて、どう考えてもわたしが一番可哀想でしかなかった。</div><div><br></div><div>けれど、そういう、「自分は被害者である」「可哀想である」ということに気付けたのは、大人になって、他人に指摘をされてからだった。</div><div>子供の頃、まず思ったのは、自分は悪い子であるということ。次に思ったのは、悪い子ではないかもしれないけれど、悪い理由をたくさんでっち上げて謝り続ければ問題が解決される、ということ。その次に、だけど結局わたしは悪くないのだから、戦わなければならない、ということ。そして、戦った分だけ、周囲が傷付く、ということ。世の中には、親になってはならない類の人間がいて、どうやら自分の親はそれだったということ。</div><div>そして最後に、結局、愛、なんてものは存在していなかった、わたしの人生には、という気付き。</div><div><br></div><div>それに気付いた時、初めて、心の底から悲しかった。悔しかった。まだ愛を信じていたのか、まだ愛があればいいと思っていたのか、けれどなかったね。</div><div>瞬間的に、生まれてこなければよかった、と、心が千切れるほど思った。</div><div><br></div><div>そうです、わたしは虐待を受けました。</div><div>虐待されていることにも、気づいていなかったけれど、たくさん切った手首の傷とか、自分を汚すようにして寝た男の数とか、誰かにすがりつきたくて泣き叫んだ夜とか、死に物狂いで手に入れた経歴とか、そういうものの根底に、虐げられた事実は確固としてあるのです。</div><div><br></div><div>今は「家族」から離れて静かに暮らしているけれど、わたしのような平凡な人間が、平凡に生きることができないのは、心が千切れている方が常態で、安寧を手に入れた瞬間に不安になってしまうからだと思う。</div><div><br></div><div>さてそんな実家に、今から帰ります。</div><div>「家族」の仮面をかぶる。</div><div><br></div><div>いつになったら、この苦しみから解放されるのか、夜毎、考える。</div><div>解放されたいはずなのに、考えずにもいられない。</div><div>いつかあたしのこの絶叫が、何かを、生み出せたら、そしてそれが、大切な何かになれれば。誰かを救うことができれば。優しい何かになれれば。</div><div><br></div><div>そう考えて揺られる、下り電車。</div>
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<link>https://ameblo.jp/mfuzisaki/entry-12189934661.html</link>
<pubDate>Sat, 13 Aug 2016 13:00:18 +0900</pubDate>
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<title>田舎の公園というもの</title>
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<![CDATA[ そうだった。前回、初体験のことを書いたけれど、それ以前の性体験として、これは欠かせない、というものがあったのだった。<div><br></div><div>中学生の頃だったかと思う。</div><div>約１年くらいに渡り、わたしと道ですれ違う男の子が、密かにわたしに想いを寄せている、という少女漫画的な出来事があったのだ。</div><div>何度か声をかけられ、何度目かで連絡先を交換した。</div><div>当時は、ｉモードのメール全盛期！ｉモードという言葉自体が、もはやエモーションを掻き立てる。mixiなんかもそれに準ずる。</div><div><br></div><div>交換した瞬間、彼の攻勢は物凄かった。</div><div>「ずっと好きでした」「可愛くて毎日見てました」「放課後、会ってほしいです」</div><div>熱烈である(すべてメール)。</div><div>当時、人生においてもかなり破れかぶれな時期で、あらゆることをどうでもよく思っていたので(今と変わらない。けれど、今と同じ精神性の中学生がいたなんて恐ろしすぎる)、わりとさっくりと待ち合わせに応じた。</div><div>放課後、地元の公園で。</div><div><br></div><div>さて、相手のスペックはというと、地元の高校に通う野球少年で、わたしより２つくらい年上だったのではないかと思う。</div><div>わたしは当時、私立の中学に通っていたので、そういう「ザ・地元の人」みたいな人種との交流が薄く、なんだか物珍しいような気持ちもあった。</div><div><br></div><div>待ち合わせて公園に行き、距離を詰められる。</div><div>「付き合ってください」</div><div>「あなたのこと、よく知らないし…」</div><div>「それでもいいから！俺ほんとうに、君のこと好きなんだよ…」</div><div>「(アンタがよくてもわたしがよくないんだが)んー、そう言われても…」</div><div>「お願い、付き合いたい」</div><div>「じゃ、試しにでもいい？」</div><div>「試しってどれくらい？」</div><div>「二週間くらい。それで好きになれなかったら別れさせて(なんつって、このあとすぐ着拒しよ、ペロペロ)」</div><div><br></div><div>思い起こすとほんとうに精神性が変わっていないのだけど、好奇心に負けて男に会っては速攻面倒になって速やかに着拒、現代ならブロック、というのはよくあることで、わたしの人生なんておおよそこの繰り返しなんじゃないかとすら思う。</div><div><br></div><div>「付き合ってくれるの！？ヤバい、本当に嬉しい！！！！」</div><div>目に見えてテンションの上がった彼から、わたしは熱烈なキスを受け、無理やりツーショットを撮らされ、</div><div>「ねぇ、なんで楽しそうな顔してくれないの？俺は楽しいのに…」</div><div>という、君はアスペですか？というような面倒くさい質問に合ったりするのを、(いまだけ、いまだけ…)と思いながら、堪えていた。</div><div>そのうちに彼はわたしの体をまさぐりはじめ、我々は、閑静な住宅街に囲まれた小さな公園のベンチで、手○ンしたりク○ニしたりフ○ラしたりといった行為に及んだのだった。</div><div><br></div><div>ちなみにこれは自慢ですが、この時わたしは初めてフ○ラしたのだけど、はじめから上手いと絶賛されたし、あと精液は飲むものなんだと言われたから飲んだ。以来、フ○ラに関しては無駄な自信を持っていたりして、つくづく救いようがないなと思う。</div><div><br></div><div>一通りの行為を終えて、賢者モードが訪れた彼は、静かにこう言った。</div><div>「俺、君と結婚したいと思ってる。二週間なんて嫌だ。心から愛してる。結婚してくれないんなら、付き合うのもきつい。ねぇ、結婚するって言ってくれない？」</div><div>ギョッとした。ギョッである。ギョッ以外ありえない。えっと、バカ？えっと……</div><div>「えっと……ごめんなさい、さすがに結婚できません。付き合うのやめましょう(ごっくんし損だなァ)」</div><div><br></div><div>次の瞬間、何故か、本当に何故か怒りに震えた彼は立ち上がってこう言った。</div><div><br></div><div><br></div><div><br></div><div><br></div><div><br></div><div>「あっっっそう！！！！じゃあもういいよ！！なんかさ、もう可愛いとか思わなくなったし！ブス！！！死ね！！！！」</div><div><br></div><div><br></div><div><br></div><div><br></div><div><br></div><div>マジか。</div><div>呆然とするわたしをよそに、彼は自転車に乗って走り去って行った。</div><div>一部始終を、散歩がてら連れてきた我が家のイヌだけが見ていた。</div><div>イヌと目があった瞬間、当時14歳かそこらだったわたしは笑い転げ、公園の水道で口をゆすいでから、何事もなかったかのように帰宅したのだった。</div><div><br></div><div>公園がホテルに、高校生が社会人に、フ○ラがセ○クスに替わっただけで、以来、10年ほど経つけれど、こんなことばかり続けては、ふと我に返って笑い転げたり死にたくなったりする。</div><div><br></div><div>ちなみにその後彼からは、3日くらいして、</div><div>「今日なにしてる〜？会いたいな<img src="https://stat100.ameba.jp/blog/ucs/img/char/char3/081.png" alt="ハート" width="24" height="24"><img src="https://stat100.ameba.jp/blog/ucs/img/char/char3/004.png" alt="ウインク" width="24" height="24">」</div><div>みたいな、まるで先日のあれは痴話喧嘩だったよね？というようなメールが来たので、うんざりして着拒して終わった。</div><div>名前も多分、一週間も覚えてなかった。</div><div><br></div><div>田舎の公園というものは、往々にしてそういうことが行われている。</div>
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<link>https://ameblo.jp/mfuzisaki/entry-12189341069.html</link>
<pubDate>Thu, 11 Aug 2016 13:19:50 +0900</pubDate>
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<title>初体験</title>
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<![CDATA[ 初めて寝た男のこと。<div><br></div><div>今となっては感慨深いほど、その人のことが好きだった。うっかり何年も付き合った。純愛に思えたけど、あるときからモラハラの連続で、疲弊を、たぶん愛とか快楽で隠した。</div><div>その間にわたしは大学受験を乗り越えたりして、世間ではもてはやされるくらいの偏差値を手に入れたりした。</div><div>いま思うと、あの時期あんなにズブズブとモラ男にしがみつかなければ、あたしは今頃東大かしらん、なんて思いもするけど、それはまぁ違うだろう。</div><div>いまと同じ、私立最高峰、が関の山で、鬱陶しい言い方をすれば、わたしは頭が悪いから慶應くらいにしか入れなかったと本気で思っているし、慶應に入れたら万々歳じゃん、世間の上位層じゃん、とも本気で思っている。</div><div>要するに、当時付き合っていた男の如何にかかわらず、わたしは自力でこの程度の現実を手に入れたし、それをなんとも思わなかったのだ。</div><div><br></div><div>さてそんな彼と、度重なる別れの危機を乗り越え、ついに結ばれる日がやってきた。</div><div>手○ンはするのに挿入はしないどころか手○キもさせてくれてないことを、精神がビッチだったわたしは処女のくせにヤキモキしていたけど(処女の定義がわからない、そういえば。定義によっては処女じゃなかったのかも…)、とうとうやれるとなると感慨もひとしおだったのだ。</div><div><br></div><div>そうして迎えた初夜。カマクラに旅行に行った。ホテルを取った。全部わたしがセッティングした。</div><div>いざカマクラ。挿入までは慣れたもの、ただ１つを除いて。</div><div>そう、彼はホウ○イだった。それも、真性の。</div><div>避妊具をつけるのに、時間が必要だった。ひきおろした皮を、片手で止めたまま片手でつける。</div><div>長引くとすぐ萎える。萎えないように、定期的にわたしの股間をまさぐる手。とりあえず、あーんなんて声を出してみる。この時間の、無為性。</div><div><br></div><div>どうにか挿入し、その瞬間だけは感動を覚えたものの、飽きるのは早かった。たぶん、あの時分から、わたしはやったら飽きるということを本能的にわかっていたのだ。</div><div><br></div><div>速やかに別れてから、止めどなく、滑稽さがわたしの腹をよじらした。</div><div>ホウ○イであることより、真性に近いそれを持ちながらモラハラすることによってプライドを保った彼を思うと、爆発的に面白かった。</div><div>あたしの若い時分を犯したのは、この馬鹿げたプライドからくるオモシロ、だと思ったら、転げ回らずにいられなかった。</div><div>君は君しか好きじゃないじゃん、と思った。激しく切なく、腹立たしく、滑稽で、またあたしは愛しいなと思った。</div><div><br></div><div><br></div><div>これが、わたしの初体験なんだとおもうとやはりあまりにお粗末なのであった。</div><div><br></div><div>※当初、伏字など使わずに表記したら、Amebaの検閲に引っかかってしまった。日本は清いらしい。</div>
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<link>https://ameblo.jp/mfuzisaki/entry-12188856792.html</link>
<pubDate>Tue, 09 Aug 2016 21:24:40 +0900</pubDate>
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