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<title>妻と息子と</title>
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<description>2006年・秋のある日、妻に腫瘍が見つかった。入院、手術、退院後の日々のつれづれ日記</description>
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<title>突然の知らせだった</title>
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<![CDATA[ <p>突然の知らせだった。</p><p>「右卵巣に腫瘍と疑われるモノがあり、すぐに大きな病院で精密検査をするように・・・と言われた」と女房は言った。</p><p>顔はこわばっていた。手には、隣市にある市立病院への紹介状を持っていた。</p><br><p>市の癌検診時・・・(判読不能)・・・あり、昨年もあったのてですが増大しています。</p><p>高次(?)機関での精査を指示しました。御高配よろしくお願い致します。</p><br><p>僕は、女房が手にする紹介状の入った封を開け、読んだ。</p><p>「昨年もあっただと? それでこの病院はほっといたのかい!!」　と、声を荒げた。</p><p>「腫れと言っても、個人差の範囲なんだって・・・」と女房－。</p><p>「腫瘍に個人差もくそもあるか!」</p><p>女房は黙ってしまった。僕は、ひとりカッカしている自分に気付き、訊ねた。</p><p>「で、いつI病院に行く?」</p><p>「明日さっそく・・・」</p><br><p>仕事場に入った僕は、しばらく呆然としていた。</p><p>順番が違う・・・。腫瘍の疑いがあるなんて台詞は、女房より僕の方が先に受けるものだと思っていた。編集作業で使うワークステーションではなく、メールのやり取りに使うPCの電源を入れ、急ぎ、卵巣腫瘍とキーを叩き、検索した。</p><p>「沈黙の臓器・・・」</p><p>「何らかの症状が出ているときには、既に病気は進んでいます・・・。不正出血、腹水による膨満感等・・・」</p><p>僕は、明らかに動転していた。仕事場は自宅と同じ敷地内にある。ぼくは母屋に取って返した。</p><p>｢自覚症状はないの?痛いとか、腹が張るとか・・・」</p><p>「全然なし・・・、メシもうまいし・・・」と女房はすこぶる元気だった。</p><p>「なに、あわててるの?」</p><p>「そりゃ、あわてる。あわてるよ、普通・・・」</p><p>女房は、三歳の息子とうまそうにおやつを食べていた。</p><br><p>この日、僕は一冊の大学ノートの最後のページに、こう書いた。</p><p>「不安から自由になる手立てはただ一つ、徹底的に認識する(知る)ことデアル－」</p><p>腫瘍・・・この日はまだ癌という字を書く気にはなれなかった・・・について、女房の様子、医者とのやりとりなどについて、知りうることのすべてをノートに書き残しておこうと決めた。医者にかかるのも、病気を治すのも、主体的に考え選択していかなくてはならない時代なのだ。</p><br><p>長い未知なる道を女房と三歳の息子と僕は歩き始めた</p>
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<link>https://ameblo.jp/midorinohibi/entry-10020900514.html</link>
<pubDate>Sat, 02 Dec 2006 13:03:53 +0900</pubDate>
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