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<title>あなたのこころに　星屑のつぶやき☆@彡</title>
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<description>水瓶座流星群です。詩とメッセージと小説を書いています。あなたの心に、少しでも言葉が届くと嬉しいです。あなたに出会えて　幸せです。ここに居られることに　感謝です。</description>
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<title>寄生夢　第十三章　鍵　4</title>
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<![CDATA[ <p>&nbsp; 市の図書館は、自宅のアパートから近かった。アパートの最寄りのバス停より、一つ前で降りる。図書館には、五十人ほど入れる学習室があった。使用できるパソコンは五台ほどしかなく、夏休みの間は利用する生徒や学生で混雑していた。今は夏休み前で、それほどではなかった。</p><p>&nbsp;</p><p>　図鑑を返したあと、美奈子は学習室に向かった。パソコンで印のことを調べたかったのだ。だが、残念ながら空いているパソコンはなかった。仕方なく、学習室の一番奥の席に着いた。</p><p>&nbsp;</p><p>　美奈子は螺旋文を書き写した紙を、一枚ずつ取り出した。窓際の席は外がよく見えた。日差しがギラギラと照り返し、梅雨時のあの鈍い曇り空とはまるで違っていた。部屋の中は、蒸し暑い外とは対照的にゆるくエアコンが効いていた。美奈子は汗が引いていくのを感じていた。</p><p>&nbsp;</p><p>　龍の祠には、幼い頃、一度だけ父親に連れられて入ったことがあった。</p><p>「雨の日には、絶対に入ってはならない」</p><p>　そのとき父が言った言葉を、美奈子はよく覚えていた。理由を聞くと、ずっと昔からの言い伝えだと話していた。</p><p>&nbsp;</p><p>　中の様子までは覚えていない。でも、暗かったことだけは思い出せた。たしか父は、祠の棚の下に隠されていた奥の扉を開けた。くぐり抜けると、そこは岩穴だった。入ったのは夏で、その岩穴はひんやりと涼しかった。</p><p>　雨の日に入ってはならないのは、龍が現れるからではないか……。　　　美奈子はそう思った。</p><p>&nbsp;</p><p>　つまり、雨の日でないと、龍は現れないのだ。</p><p>&nbsp;</p><p>　美奈子は、螺旋文を書き写した紙を順番に並べ、整理した。</p><p>&nbsp;</p><p>「鈴音みなぎる時は、棚地に退け。淵の現れた日に龍を呼べ。印を中央の座に置き、二つに割れた鈴音を聞け。決して動かず、波に魂を委ねよ。己が選ばれし者ならば、龍は応え、深き力をその身に満たさん」</p><p>&nbsp;</p><p>「長となるものは、龍を使いこなすべし。長は龍の祠にこもり、対話せよ。龍を使いこなししものは、権力も富も、すべてを手に入れ、王となる。心みなぎるもの、龍に開く」</p><p>&nbsp;</p><p>　美奈子は、 十三枚の紙に書いていた別々の文を一枚にまとめた。</p><p>&nbsp;</p><p>その紙は小さく折りたたみ、筆箱に入れた。</p><p>&nbsp;</p><p>　それから席を立ち、入口にあるゴミ箱に、十三枚の紙を細かくちぎって捨てた。</p><p>　明日、岩穴を確かめに行こう。今日は祖母が帰る前に、壺の中から鍵を取り出すんだ。</p>
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<link>https://ameblo.jp/mizugameza5/entry-12963271946.html</link>
<pubDate>Sun, 19 Apr 2026 23:41:21 +0900</pubDate>
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<title>寄生夢　第十三章　鍵　3</title>
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<![CDATA[ <p>　もうすぐ夏休みだった。数日前から、雨は降らなくなり、ねっとりした風が吹くようになった。テレビの気象予報で、梅雨は明日にでも明けると言っていた。</p><p>&nbsp;</p><p>　蝉がうるさく鳴き始めていた。山を造成した住宅地に建った高校では、その声はもはや騒音としか思えなかった。授業が終わり、市の図書館に急いでいた。</p><p>&nbsp;</p><p>　教室から出たときだった。</p><p>「鈴木さん」</p><p>　先生が、美奈子を呼び止めた。</p><p>「進路を考えてくれた？」</p><p>&nbsp;</p><p>　担任の中川百合先生だ。高校二年の美奈子に、一学期中に進路を考えるように言っていた。だが、美奈子は返事ができなかった。</p><p>&nbsp;</p><p>　やりたいことはない。それに、祖母は絶対に地元から出してくれない。地元の大学に行けと、前から言っていた。でも、私はここにはもう居たくない。私を誰も知らない場所で、一人で生きていたい。</p><p>&nbsp;</p><p>　美奈子はその言葉をぐっと胸に納めた。</p><p>&nbsp;</p><p>「鈴木さんは、地元の大学希望だったわね？　鈴木さんなら、国立でも公立でも大丈夫だから。推薦で進める方向で、考えましょうか？」</p><p>　祖母は、すでに中川先生に連絡を入れていたのだ。</p><p>&nbsp;</p><p>「はい、よろしくお願いします」</p><p>&nbsp;</p><p>　美奈子の返事は心と裏腹だった。胸の奥ではどす黒いものが渦を巻いて、吐き気をもよおすほどだった。</p><p>&nbsp;</p><p>「安心したわ。進路アンケートの提出がなかったから……」</p><p>&nbsp;</p><p>　結局、先生も自分の指導能力の評価を気にしているだけ。みんな自分のことばかりなんだ。美奈子の中で、嫌悪感が雪のように音もなく降り積もっていた。</p><p>&nbsp;</p><p>　美奈子は会釈すると、廊下を早足で抜けていった。背後から嫌味な声が聞こえた。</p><p>「鈴木さん、推薦だって。いいわよね、出来る人は」</p><p>&nbsp;</p><p>「昔は大きなお屋敷のお嬢様だったんでしょう。今でも、優遇されているんじゃない？」</p><p>「もう、灰しかないでしょ。灰かぶり姫」</p><p>&nbsp;</p><p>　いつものこと。孤独なんて慣れているもの……。美奈子はそっと上靴から靴に履き替えると、そのまま小走りにバス停に向かった。</p>
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<link>https://ameblo.jp/mizugameza5/entry-12963271739.html</link>
<pubDate>Sun, 19 Apr 2026 00:14:56 +0900</pubDate>
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<title>寄生夢の裕也</title>
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<![CDATA[ <p>こんばんは。</p><p>いつも読んで頂き、ありがとうございます。</p><p>感謝しています。</p><p><br></p><p>時間が取れず、小説を載せるだけで訪問できず、申し訳なく思ってます。</p><p>また、時間が出来ましたら、ゆっくりと寄らせていただきます。</p><p>それまで、本当にごめんなさい。</p><p><br></p><p>さて、今日、気分転換にAIに、寄生夢の裕也を描いてもらいました。</p><p>夢の中の白い鳥バージョンです。</p><p>気に入ってしまって、ここに乗せたくなりました。</p><p>自分で描けばいいのだけど、難しいので、諦めました。</p><p><br></p><p>ふふふ、裕也くんは実は、女神の役を小学校の発表会でしたことがあるのです。</p><p>すごい美少年なのですよ。</p><p>この話は、本編には出ません。</p><p>番外編なのです。</p><p><br></p><p>そこまで長く続けば、ここにも載せますね。</p><p><br></p><div><a href="https://stat.ameba.jp/user_images/20260418/23/mizugameza5/00/da/j/o1024153615772843416.jpg"><img src="https://stat.ameba.jp/user_images/20260418/23/mizugameza5/00/da/j/o1024153615772843416.jpg" border="0" width="400" height="600" alt=""></a></div><p><br></p><p>AIでは、こんな感じです。近いです。</p><p>ではでは。</p><p><br></p><p>ありがとうございます。</p><p>あなたが居てくれる……それだけで、しあわせです。</p><p>☆☆☆</p><p>しあわせの連鎖🍀</p><p><br></p><p>いつも　しあわせ</p><p>共に　しあわせ　　</p><p>ずっと　しあわせ🍀</p><p><br></p>
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<link>https://ameblo.jp/mizugameza5/entry-12963439569.html</link>
<pubDate>Sat, 18 Apr 2026 23:28:53 +0900</pubDate>
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<title>寄生夢　第十三章　鍵　2</title>
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<![CDATA[ <p>　次の朝、美奈子は普段より早く目が覚めた。祖母はまだ眠っていた。</p><p>&nbsp;</p><p>　龍を呼び出す準備のため、美奈子は一度、祠に行って確かめてみようと思った。隣町に引っ越してから、鈴音ヶ森は遠くなった。けれど、高校からなら近い。学校帰りに行こう。そのためには、鍵をこっそり持ち出さなくてはならない。</p><p>&nbsp;</p><p>　美奈子は音を立てないように寝床を出ると、台所のぬか床の壺を開けた。</p><p>&nbsp;</p><p>　カラン……。</p><p>&nbsp;</p><p>　置いたとたん、蓋が音を立てた。祖母は隣の部屋だ。美奈子は息を呑み、体をこわばらせたまま耳を澄ませた。</p><p>&nbsp;</p><p>　規則正しい寝息が聞こえた。ほっと息をついた途端、祖母の目覚ましのアラームが鳴った。</p><p>&nbsp;</p><p>　美奈子は慌てて蓋を戻した。</p><p>&nbsp;</p><p>「美奈子さん、おはようございます。もう起きていたのね」</p><p>　ふすまを開けて、祖母がゆっくりと姿を見せた。</p><p>&nbsp;</p><p>「おはようございます。今日は学校へ早く行きます。自習したいことがあって」</p><p>　美奈子はなるべく平静を装ったが、心臓が強く脈打っていた。</p><p>&nbsp;</p><p>「そう。勉強は大切よ。頑張りなさい。さあ、朝ご飯にします」</p><p>　祖母は壺を開けたことに気づかなかった。別の日にしよう。美奈子は胸を撫で下ろし、顔を洗いに洗面へ向かった。</p><p>&nbsp;</p><p>　美奈子は顔を洗いながら、ふと祖母を見た。祖母が壺を手にしていた。しまった、何か気がつかれたのか……。美奈子は、そのまま顔を洗うふりをしながら祖母をうかがった。</p><p>&nbsp;</p><p>　祖母は、両手で壺をしっかりと抱え、そのまま揺すった。</p><p>&nbsp;</p><p>　カラカラ。</p><p>　壺の中で、バスタオルの下の鍵が鳴った。</p><p>&nbsp;</p><p>　そうか。祖母は、たまに壺を触っていることがあった。それは、音で鍵が有るかどうかを確かめていたのだ。いつもなら、まだ私は寝ている時間だった。早く起きていて良かった。これで、どうすればいいのか分かった。</p><p>&nbsp;</p><p>　美奈子は祖母に知られず、鍵を持ち出す方法を思いついた。</p>
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<link>https://ameblo.jp/mizugameza5/entry-12963271505.html</link>
<pubDate>Sat, 18 Apr 2026 07:22:04 +0900</pubDate>
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<title>寄生夢　第十三章　鍵　1</title>
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<![CDATA[ <p>　美奈子は、陶板を収めた後、龍の祠の鍵を探していた。</p><p>&nbsp;</p><p>　祖母が鍵を持っていることは知っていた。火事になる前住んでいた屋敷で、鍵が置かれた場所も覚えていた。祖母が着物をしまっている箪笥の引き出しに、その鍵を入れているのを何度か見たことがあった。だが、火事で全焼してからは、アパートのどこにあるか見当もつかなかった。</p><p>&nbsp;</p><p>　火事のあと、祖母はアパートを借り、最低限の家具と生活用品だけを揃えて暮らし始めた。だから、鍵を隠す場所も限られているはずだった。</p><p>&nbsp;</p><p>　美奈子は、天井裏の木箱も覗いてみた。中には陶板以外は入ってなかった。</p><p>&nbsp;</p><p>　あの六年前の火事の時に、陶板と一緒に鍵まで持ち出したとは思えない。火事のあと何度も出掛けていたのは、焼け跡から鍵を探すためだったに違いない。</p><p>&nbsp;</p><p>　美奈子はそう考えながら、火事のあと祖母が執念のように探し出したものを思い出していた。</p><p>&nbsp;</p><p>　抱えてきた古いアルバムは焦げ、ほとんど原型を留めていなかった。数枚の写真だけが、辛うじて少しの焦げで済んでいた。祖母は封筒に入れ、引き出しにしまっていた。</p><p>&nbsp;</p><p>　その隣には、溶けた金属が入っていた。これは、亡き祖父が贈ってくれた帯留めだと、祖母は言っていた。ここまで溶けては、どんな形だったか想像もできない。</p><p>&nbsp;</p><p>　そのとき、美奈子はぬか床の壺のことを思い出した。祖母は、「焦げてぬか床も駄目になってしまったけど」と言って、大事そうに持って帰っていた。</p><p>&nbsp;</p><p>「もしかしたら……」</p><p>&nbsp;</p><p>　美奈子は、急いでぬか床の壺の蓋を開けた。壺はきれいに洗ってあり、バスタオルが詰めて込まれていた。バスタオルを取り出した途端、壺の底から丸い取っ手のついた鍵が現れた。全体が黒くすすけており、鍵穴に入れる部分は棒状で、不規則な山が三つ付いていた。</p><p>&nbsp;</p><p>　間違いない。祠の鍵だ。これで、祠に入れる。</p><p>&nbsp;</p><p>　美奈子は、その鍵をしばらく手の中で眺めていた。祠へ早く来るようにと、龍が自分を呼ぶ声が聞こえた気がした。</p><p>&nbsp;</p><p>　その声に武者震いをしながら、美奈子は心の中で笑った。もう誰も、私を見下せなくなる。龍は私のものになる。力も富も、すべてを手に入れてみせる。私を蔑んだ者たちを、見返してやるのだ。</p><p>&nbsp;</p><p>　美奈子は壺を元通りに戻すと、何事もなかったように机の上へ教科書とノートを並べた。</p>
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<link>https://ameblo.jp/mizugameza5/entry-12963271317.html</link>
<pubDate>Fri, 17 Apr 2026 11:25:00 +0900</pubDate>
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<title>寄生夢　第十二章　鈴音ヶ森の龍　5</title>
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<![CDATA[ <p>　書き写した文に、漢字を当てはめていった。</p><p>&nbsp;</p><p>「長となるものは、り○○を使いこなすべし」</p><p>　この「り○○」は、りゅう――龍だ。</p><p>　長となるものは、龍を使いこなすべし。これは間違いない。</p><p>「長たる○○○○○うため、龍の祠にこもり」</p><p>　この「○○○○○うため」は、ものを祝うため、あるいは、ものと謳うため……。</p><p>　そこは分からない。だが、とにかく龍の祠にこもれということだ。</p><p>「○○からと対話せよ」</p><p>　誰と対話するのだろうか。</p><p>&nbsp;</p><p>「龍を使いこなししもの」</p><p>「○○○○○○○すべてを手に入れ、王となる」</p><p>　欠けた部分は多いが、そこに入るのは権力や富、そういうものだろう――と美奈子は思った。</p><p>&nbsp;</p><p>「心みなぎるもの、龍に○○○」</p><p>　ひらく、ではないだろうか。</p><p>　開く。</p><p>&nbsp;</p><p>　長となるものは、龍を使いこなすべし。長は龍の祠にこもり、対話せよ。龍を使いこなししものは、権力も富も、すべてを手に入れ、王となる。心みなぎるもの、龍に開く。</p><p>&nbsp;</p><p>　美奈子は、満足そうに微笑んだ。誰も解けなかった陶板――あれほど父が追い求めていたものを、自分はついに手に入れたのだ。</p><p>&nbsp;</p><p>&nbsp;</p>
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<link>https://ameblo.jp/mizugameza5/entry-12962630610.html</link>
<pubDate>Tue, 14 Apr 2026 07:11:03 +0900</pubDate>
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<title>寄生夢　第十二章　鈴音ヶ森の龍　4</title>
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<![CDATA[ <p>　絵が描かれた陶板と、螺旋文だけの陶板を机の上に並べてみた。人の絵があるおかげで、こちら陶板の向きはすぐに分かった。頭のある側が上なのは間違いない。そう思った美奈子は、螺旋文を二枚で比べてみた。</p><p>&nbsp;</p><p>　絵がある方は、螺旋文の最初の文字が上から始まっていた。そこから時計回りに、外側に向かって並んでいる。それは、この陶板の六つの螺旋文すべてに共通していた。</p><p>&nbsp;</p><p>　昨日、書き写した陶板の文字を見てみる。最初の文字は下からだった。</p><p>　――上下が逆だったんだ。</p><p>&nbsp;</p><p>　美奈子は気がつくと、陶板の向きを変えた。それに合わせて、写した紙も並べ替える。</p><p>&nbsp;</p><p>　螺旋文の始まりは上。では、読み始めの文も上の螺旋文から始まり、右回りに読んでいくのではないか。そうつぶやいて、紙を上から読み始めた。</p><p>&nbsp;</p><p>　上――「淵の現れたる日に龍を呼べ」</p><p>　右上――「印を中央の座に置き二つに割れたる鈴音を聞け」</p><p>　右下――「決し○、動かず波に魂を委ねよ」</p><p>　下――「己が選○れし者ならば」</p><p>　左下――「龍は応え」</p><p>　左上――「深き力をその身に満たさん」</p><p>　中心――「鈴音みなるる時はたなちに退け」</p><p>&nbsp;</p><p>「みなるる」は「みなぎる」ではないか。「たなち」も、何かの場所を指しているのだろう。完全には分からない。けれど、大筋は見えてきた気がした。</p><p>&nbsp;</p><p>　鈴音みなぎる時は、棚地に退け。淵の現れた日に龍を呼べ。印を中央の座に置き、二つに割れた鈴音を聞け。決して、動かず波に魂を委ねよ。己が選ばれし者ならば、龍は応え、深き力をその身に満たさん。</p><p>&nbsp;</p><p>　分からない部分は推測した。それでも美奈子は、これは宝のありかを示したものではないと感じた。龍を呼び、従える儀式なのだ。そう確信に近いものがあった。</p><p>&nbsp;</p><p>　もう一枚の陶板も、慎重に照らし合わせながら書き写していった。かなり、破損がひどい。</p><p>「おさとなるものはり○○をつかいこなすべし」</p><p>「おさたる○○○○○うためりゅうのほこらにこもり」</p><p>「○○からとたいわせよ」</p><p>「りゅうをつかいこなししもの」</p><p>「○○○○○○○すべてをてにいれおうとなる」</p><p>「こころみなるるものりゅうに○○○」</p><p>&nbsp;</p><p>　宝のありかではない。これは、龍の力を手に入れるための文だ。</p><p>父は肝心なことに気づかないまま、宝探しなどしていたのだ。美奈子の胸に、冷たい確信が広がっていった。</p><p>&nbsp;</p>
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<link>https://ameblo.jp/mizugameza5/entry-12962630393.html</link>
<pubDate>Mon, 13 Apr 2026 07:08:23 +0900</pubDate>
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<title>寄生夢　第十二章　鈴音ヶ森の龍　3</title>
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<![CDATA[ <p>「ただいま」</p><p>　玄関のドアの開く音と、祖母の声がした。続いて、美奈子のいる部屋の扉が開く。</p><p>「お帰りなさい」</p><p>　美奈子が言うと、祖母は机の上を舐めるように見た。</p><p>&nbsp;</p><p>「今日のテストは？」</p><p>そう言いながら通学用のリュックを開けると、数学のテスト用紙を一枚、見つけて目を通した。</p><p>「九十五点。もう少しだったね」</p><p>&nbsp;</p><p>　美奈子がクラスの最高点を取っても、祖母は褒めなかった。どんなに頑張っても、それ以上のことを求めた。</p><p>　祖母は、私のことは見てくれていない……。美奈子は、じっと心の痛みを抑え込んだ。<br>&nbsp;</p><p>　学校での美奈子は、なるべく目立たないようにしていた。誰とも関わりたくないと思っていた。先生は勉強のできる生徒として目をかけてくれていたが、そのことでかえって他の生徒たちの反感を買ってしまった。</p><p>&nbsp;</p><p>「鈴木さんは先生のお気に入りだもんね」</p><p>　面と向かって嫌みを言われ、無視もされた。美奈子を庇ってくれる友達は、一人もいなかった。</p><p>&nbsp;</p><p>　別に独りぼっちは慣れているからいい。でも、私は何のためにここにいるんだろう……。勉強をしていても、もう何も満たされなかった。</p><p>&nbsp;</p><p>　自分が存在する意味が見いだせず、心はいつも空っぽだった。</p><p>&nbsp;</p><p>　陶板の謎解き――今は、これをしてみよう。何かが変わるかもしれないし、何も変わらないかもしれない。ただ、虚しさを忘れられるものが欲しかった。</p><p>&nbsp;</p><p>　翌日、美奈子は学校から帰宅すると、祖母がまだ帰っていないのを確かめ、木箱から二枚の陶板を取り出した。</p>
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<link>https://ameblo.jp/mizugameza5/entry-12962630162.html</link>
<pubDate>Sun, 12 Apr 2026 07:04:23 +0900</pubDate>
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<title>寄生夢　第十二章　鈴音ヶ森の龍　2</title>
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<![CDATA[ <p>　両方に共通する、螺旋の配列が独特だった。一文ずつで螺旋になっているように感じた。美奈子は、それに見覚えがある気がした。どこで見たのか、すぐには思い出せない。けれど、確かに知っている。</p><p>&nbsp;</p><p>　以前、古代の言語について調べたことがあった。日本には、文字以前の「音の体系」があったという説。</p><p>&nbsp;</p><p>　それを、何と呼んでいたか――</p><p>　文字ではなく、音の並びのように見える。鈴音ヶ森――音。その言葉が、頭の奥で重なった。</p><p>「……カタカムナ？」</p><p>&nbsp;</p><p>　一度、元通りに天井裏の箱に戻しておこう。父のことがあって、祖母は陶板に触れることをひどく嫌っている。このことを絶対に祖母には知られてはいけない――と、美奈子は思った。</p><p>&nbsp;</p><p>　次の日、美奈子は図書館で、カタカムナ文字の図鑑を借りて帰った。　</p><p>&nbsp;</p><p>「螺旋の中央から外に向かって読む」と書かれていた。美奈子は、文字だけの陶板から始めて、一文字ずつ照らし合わせながら書き写していこうと思っていた。しかし、どの螺旋文から読めばいいのか分からない。</p><p>&nbsp;</p><p>　螺旋は全部で七つあった。中央に一文、その周囲を六つの文が取り囲むように並び、円を描いている。しかも、陶板そのものの上下すら分からない。美奈子は頭を抱えて、しばらく考え込んだ。</p><p>&nbsp;</p><p>　螺旋に書かれた文字は中央から読んでいた。ならば、最初の文も中央からではないか。中央なら上下も関係ない。美奈子は、中央の文字を慎重に照らし合わせながら、内側から外側へ書き写した。</p><p>「けぞりしにちなたはきとるるなみねずす」</p><p>&nbsp;</p><p>　文として成り立たない。何かが違う。そんな違和感があった。とりあえず、それぞれを別々の紙に書き取って、並べながら考えよう。美奈子は、一つずつ書き写していった。</p><p>&nbsp;</p><p>　一文の長さはバラバラで、中には欠けていて全く読めない文字も三つあった。</p><p>「けっし○うごかずなみにたましいをゆだねよ」</p><p>「おのれがえら○れしものならば」</p><p>「○ゅうはこたえ」</p><p>「ふかきちからをそのみにみたさん」</p><p>「ふちのあらわれたるひにりゅうをよべ」</p><p>「しるしをちゅうおうのざにおきふたつにわれたるすずねをきけ」</p><p><br>　並べた順番が正しいのかどうかも分からない。不安を覚えなからも、書き写した紙を陶板と同じ位置に並べてた。</p><p>　推測できるところだけでも、漢字に直してみよう。美奈子は書き取った文の下に、ひとつずつ書き始めた。</p><p>&nbsp;</p><p>　左上――「決し○、動かず波に魂を委ねよ」</p><p>　上――「己が選○れし者ならば」</p><p>　右上――「○ゅうは応え」</p><p>　別の文に「りゅう」がある。</p><p>　ならば、ここも「龍」だろう。</p><p>　右上――「龍は応え」</p><p>　右下――「深き力をその身に満たさん」</p><p>　下――「淵の現れたる日に龍を呼べ」</p><p>　左下――「印を中央の座に置き二つに割れたる鈴音を聞け」</p><p>　最後に残ったのは中央の文だった。</p><p>&nbsp;</p><p>「毛ぞりしに地なた掃き取るる波ねずす」</p><p>　美奈子は大きなため息をついた。それから、右手でカタカムナ文字の図鑑をぱらぱらとめくった。</p><p>&nbsp;</p><p>「あ……」</p><p>　思わず声が漏れた。</p><p>&nbsp;</p><p>　逆に、外側から読むものもあるのだ。本には、ほとんどが内側から読むが、一部には外から読んでいくものもあると書かれていた。</p><p>&nbsp;</p><p>　美奈子は、もう一度中央の文を見た。今度は外側から、慎重に追っていく。</p><p>「すずねみなるるときはたなちにしりぞけ」</p><p>　これは「鈴音……みなるる時は、たなちに退け？」　</p><p>　美奈子は眉をひそめた。意味が通らない。だが、「しりぞけ」は間違いなく“退け”だと思えた。</p><p>&nbsp;</p><p>　その時、美奈子は時計を見た。十七時になろうとしている。そろそろ祖母が買い物から帰ってくる。美奈子は陶板を二枚とも、急いで天井裏の箱に収めた。</p><p>&nbsp;</p><p>　祖母は帰ると、必ず美奈子の部屋を覗きに来る。勉強をちゃんとしているか確かめに来るのだ。美奈子は借りてきた本と書き写した紙を布団の間に隠した。そして、いつ祖母が覗いても良いように、机の上には教科書とノートを並べた。</p>
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<link>https://ameblo.jp/mizugameza5/entry-12962629953.html</link>
<pubDate>Sat, 11 Apr 2026 07:03:02 +0900</pubDate>
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<title>寄生夢　第十二章　鈴音ヶ森の龍　1</title>
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<![CDATA[ <p>　鈴木美奈子は、祖母が大切にしまっている箱の在りかを知っていた。その箱は、アパートの押し入れの上の天上板を持ち上げると、すぐ目の前に有った。</p><p>&nbsp;</p><p>　子供の頃から、祖母に何度も聞かされてきた。</p><p>&nbsp;</p><p>　大昔、ここの地を切り開いた豪族が、滅びる時に残した宝を記した陶板。謎を解くことが出来たら宝が手に入るのだと、祖先から口伝えに伝えられてきたのだ。</p><p>&nbsp;</p><p>&nbsp;</p><p>　素焼きの板は、思ったより重かった。しかも二枚あった。木箱ごと下ろすのは無理だと判断し、美奈子は蓋をずらして両腕を差し入れ、一枚ずつ慎重に取り出した。</p><p>&nbsp;</p><p>　一枚の陶板には、中央に円が書かれていた。それを囲む人間が四人いて、それぞれが違う姿勢を取っている。さらにその周囲には、奇妙な文字が巻き貝のように螺旋を描いて刻まれていた。</p><p>&nbsp;</p><p>「同じ文字が何度も出てくる……それに、これは一度しか出てこない文字」</p><p>&nbsp;</p><p>　美奈子は陶板を見つめたまま、呟いた。</p><p>&nbsp;</p><p>「手がかりは、鈴音ヶ森の龍……どうすれば解けるの」</p><p>&nbsp;</p><p>美奈子が祖母から聞かされていたのは、こういう話だった。</p><p>&nbsp;</p><p>　鈴音ヶ森には龍がいる。そして、その龍の魂こそが、宝なのだと。</p><p>　祖母はそう言うたび、決まってそれ以上は語らなかった。</p><p>　もう一枚の陶板は、奇妙な文字のみが螺旋を描くように刻まれていた。この二枚の陶板は、大きさも素材も同じに見える。まるで対になっているようだった。</p><p>&nbsp;</p><p>　確か、父が買ってきたのは、絵が描かれた方だった。この陶板さえ無ければ……。</p><p>　美奈子は、陶板を手にしたまま唇を強く噛んだ。</p><p>&nbsp;</p><p>　物心つく頃から、美奈子の父はあまり家にいなかった。特に事業に失敗してからは、宝探しにのめり込むようになった。たまに家に帰ってきたときは、お金の無心にきたのだろう、同居していた祖母との言い争う声が聞こえた。母は口数が少なく、いつも暗い顔をしていた。祖母は厳しかった。美奈子は幼い頃から、父の二の舞にならないよう、勉強をしろと言われて育った。</p><p>&nbsp;</p><p>　美奈子が小学校に入った時だった。父が、ある男からもう一枚の陶板を買ってきた。その男は、父がよく似た陶板を持ってると知ると、先祖が書き記した宝のありかだと言って近づいてきた。そして、この対の陶板を揃えるのが子孫の責務なのだと、父をそそのかした。</p><p>&nbsp;</p><p>　代々受け継いできた山と土地を売り払い、父はそれを手に入れた。先祖が記した宝のありかが、そこにあると信じていたからだ。陶板を父に売った男は、それをどこかから高額で手に入れたのだと言っていた。けれど、それすら本当かどうか分からない。父は騙されたのではないかと、美奈子は思った。</p><p>&nbsp;</p><p>　父はますます宝探しにのめり込んでいった。父なりの解釈で、宝が埋まっているとされる場所を何カ所も掘り返した。そのために莫大な借金を重ね、家には借金取りが頻繁に来るようになった。そして、ある日、父は行方をくらました。</p><p>&nbsp;</p><p>　あの時から、家の中の何かが壊れてしまったのだと、美奈子は思っている。母が泣いていた顔を、美奈子は今でも忘れられなかった。笑うことが減り、怯えたように戸口の音へ耳を澄ませるようになった母は、やがて借金を苦にして、自ら命を絶った。</p><p>&nbsp;</p><p>　母の葬儀にも、父は現れなかった。祖母と二人暮らしが始まってからは、借金取りに怯えながら、ただひたすら勉強をした。成績が学年で一番になっても、祖母に褒められることは決してなかった。学校でも、友達は作らなかった。どうせ家のことを知れば、離れていくか、馬鹿にするかのどちらかだ。近づいて来る人間も、興味本位で近づくだけだった。知ったことを面白がって、噂として広めていく。だから、人は信じない。</p><p>　父も信じない。</p><p>&nbsp;</p><p>　ある日、父は何の前触れもなく戻ってきた。そして、その翌日、家が火事になった。真相は分からないままだが、父が火災保険をかけていた家に放火したのだと、美奈子は思っている。</p><p>&nbsp;</p><p>　祖母が命からがら二枚の陶板だけを持ち出した。あんな陶板など、いらないのに。</p><p>「これは莫大な宝のありかを示している。この二枚の陶板が揃ったことで、解き明かされる」父は、そう何度も言っていた。けれども、宝など出てこなかった。</p><p>&nbsp;</p><p>　宝なんてない。そのことを、私は解き明かして証明するんだ。美奈子は、陶板を左右に並べ、文字を比べていった。</p>
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<pubDate>Fri, 10 Apr 2026 00:03:21 +0900</pubDate>
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