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<title>もょもと別館</title>
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<description>別館です。こちらでは主に創作小説を書いていきたいと思います。</description>
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<title>１</title>
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<![CDATA[ <p>雪の降る、真夏の事だった。</p><p>コンクリートで固められた道を、ひとりの少年はただひたすら歩いていた。</p><p>顔を真っ赤にさせ、身体を温めようと必死で両腕を身体の前で組んでいるが、始終ブルブルと全身を震わせていた。</p><p>それもそのはず、その少年は半そでのTシャツ一枚に、薄いジーンズしか身に着けてはいないのだ。</p><p>加えて靴もビーチサンダルだったものだから、体温を一気に奪われる羽目になった。</p><p>それこそ真夏の格好ではあったが、雪の降る世界には似つかわしくないものだった。</p><br><p>「まさか雪が降るなんて……」</p><br><p>ぽつりと呟いた口からは、真っ白な息が空へ上がって行った。</p><p>当時の地球は、異常気象と言うには生ぬるい程、その気候を変化させていた。</p><p>空は昼間でも赤く、日が沈むことは無い。</p><p>季節は姿を消し、今の季節が本来であれば何であるのかは、暦の上でしか知りえなかった。</p><p>一日の内に、何度天気が変わったのかもわからぬほど、目まぐるしく変化していく。</p><p>今日だって、35℃にまで上がった気温は、ほんの数時間で氷点下にまでなってしまった。</p><p>少年は積もり始めた雪に悲鳴を上げながら、なんとか目的地の家へたどり着くと、乱暴にその扉を叩いた。</p><p>程なくして、その家の住人が顔を出した。</p><p>彼は少年と同い年で、少年の幼なじみだ。</p><p>少年はその人物の顔を見た途端に、ぱっと笑顔になると、家の中へ入れてくれと願い出た。</p><p>その願いに彼は表情を崩さずに、身体をずらし、少年を家の中へ招き入れる。</p><p>外よりは幾分か暖かい室内にほっと息をつくと、少年は自らが雪によってずぶ濡れであることに初めて気が付いた。</p><br><p>「タオル持ってきてやるから、ちょっと待ってろ。それか風呂でも沸かしてやろうか？どうせ親もまだ仕事だし、夏夜も今日はバイトでいないし」</p><br><p>夏夜とは、彼の二つ上の姉である。</p><p>少年と彼とは、家族ぐるみでの付き合いであった為、生まれた時から共に知り合いだった。</p><p>特に少年の目の前にいる幼馴染みとは、生まれた月も、病院も同じだったため、お互いがまるで兄弟のようだった。</p><br><p>「ありがとう、でも着替えを貸してくれるだけで十分だよ」</p><p>「わかった」<br><br>彼は短い返事をひとつ、部屋の奥に引っ込んで行った。</p><p>少年はと言うと、やはり身体を震わせ、その場に縮こまるようにしゃがみ込んだ。</p><p>鼻の奥がツンとして、頭の中が少し重たくなった。</p><p>やがて、軽い足音を立て戻ってきた幼馴染みからタオルを受け取り、身体を拭き終わった頃には、身体は芯から冷えてしまっていた。</p><br><p>「こんな日に、そんな恰好で。お前頭はいいのに、こういう時は果てしなく馬鹿だよな」</p><br><p>彼の部屋へ入り、ヒーターの前に陣取った少年は、渡された衣服に着替えながら、その言葉を背中で受け止める。</p><p>少年は振り返ることもなく、ただ風が気持ちよかったからを理由にした。</p><p>ヒーターの熱い風に、少しつづ髪も乾いてきたようだ。</p><p>少年のクセのある髪が煽られ、普段は見えない額が顔を覗かせていた。</p><br><p>「なぁ、ハル。この雪が止んだら、川に行かないか？」</p><p>「川！？泳ぎにか」</p><p>「違うよ！そんなことしたら凍えて死んでしまう！オレさ、見たんだ。川の中にこーんな大きな魚が泳いでいたのをさ。まぁ、魚影でしかないけど」</p><br><p>少年は両手を広げて見せるが、ハルは増々顔を歪ませるばかりだった。</p><br><p>「……因みに聞くけど、リク。その川ってどこの川だ？」</p><p>「いつも行ってる、速水川」</p><br><p>速水川とは、彼らの家の間を走る一本の大きな川だった。</p><p>名前のとおり水の流れは速く、幅も４ｍから５ｍと広がっており、底も深い川だ。</p><p>人も車も、電車でさえも、大きな鉄製の橋を渡なければ、向こう岸へは行けない大川は、東側と西側に町を隔てる役割も担っていた。</p><p>東側には次第に栄えた街へと続く国道が走っており、西側には川の上流と共に山の中へ田畑を広げていた。</p><p>東側の町にはリクが、西側の町にはハルが住んでいる家がある。</p><br><p>「いいけど、この雪だろ？きっと増水していて、川の中なんてわかったもんじゃないよ」</p><br><p>ハルが窓の外を見ながら、しかしその声は意外にも行きたいという声色で呟いた。</p><p>長年ハルと共に過ごしていたリクは、すぐにその声色を読み取ると、</p><br><p>「だから雪が止んでからだって、そう言ったろ？」</p><br><p>と得意気に笑って、もうすっかり乾いた髪を乱暴にがしがしとかくのだった。</p><br>
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<link>https://ameblo.jp/mochimochiko02/entry-11463232711.html</link>
<pubDate>Wed, 06 Feb 2013 00:36:38 +0900</pubDate>
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<title>プロローグ</title>
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<![CDATA[ <p>私は大役を任されることになった。</p><p>私の体験した事柄を、この世の中に、文字として、あるいは言葉として残さなくてはならない。</p><p>とは言っても、もう何十年も前の事だ、とても書けるものではない。</p><p>そう私の友人に伝えると、友人は小さく笑って私にこう教えてくれた。</p><br><p>「お話しをしてよ！」<br>「……あぁ、そうか、お話しか」</p><br><p>お話なら、少しは私にも書けるかもしれない。</p><p>私は書斎の机に座り、一冊の本を取り出した。</p><p>当時、私が付けていた日記帳だ。</p><p>パラパラと日記をめくり、文章を読み進んでいく。</p><p>その横で、私の友人は私にそっと耳打ちした。</p><br><p>「一緒に書き上げよう。昔みたいに、二人で一緒に。いいだろう？」</p><p>「あぁ、それならきっと大丈夫だ」</p><br><p>私の答えに、友人は満面の笑顔で、私にある物を手渡してきた。</p><p>一冊の真っ白な本と、一本の羽ペンだった。</p><p>真っ白な本は中身まで白く、文字は一つも見当たらない。</p><p>羽ペンに使ってある羽根は赤く、光り輝いていた。</p><br><p>「さぁ、本を開いて、ペンにインクを浸して。頭の中に浮かんだ一文を書こう。それが始まりだ」</p><br><p>友人は私を導くように、まるで歌でもうたうかのように、間延びした口調で言った。</p><p>私は彼の言う通り、本の初めのページを開き、インクのボトルを空けると、そこに羽ペンの先を浸した。</p><p>そうだな、書き出しはこうだ。</p><p>雪の降る、真夏のことだった。</p><br>
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<link>https://ameblo.jp/mochimochiko02/entry-11462387487.html</link>
<pubDate>Sat, 02 Feb 2013 22:40:20 +0900</pubDate>
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<title>第二話　俺、勝利！</title>
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<![CDATA[ <p>※勝利視点</p><br><br><br><p>俺は大変なものを発見した。</p><p>その日はとてもよく晴れていた日で、俺はいつものように仲間たちと町をあっちへふらふらこっちへふらふら。</p><p>当てどもなく店を周ったり、冷やかしたりしていた。</p><p>その内の一人が、急に家の手伝いか何かで呼び出され、その日は解散になったのだ。</p><p>まだ日も高く、俺は少々遊び足りなかったので、いつもは行かない、森の方へ足を進めたのである。</p><p>生い茂った木々たちを押し分けて進むと、一か所だけ開けた場所に出た。</p><p>薄暗い森とは違い、そこは太陽の光が降り注ぎ、たくさんの色とりどりの花が咲いていてとても綺麗だった。</p><p>俺はここを、俺だけの場所にしようと決めた。</p><p>のだが……。</p><p>ある一匹のキツネがそれを許してはくれなかった。</p><p>そいつは俺とほぼ同じくらいの歳のキツネで、性別も同じだった。</p><p>だが、そいつは俺とは違い、真っ白なキツネだったのだ。</p><p>母と父から聞いたことがある。</p><p>白いキツネは忌み子と言われ、この里に不幸を招くと信じられ、恐れられているんだって。</p><p>なんでも、白いキツネは妖力とかいう力を持っていて、それがよくないんだそうだ。</p><p>それなのに、九尾(クビ)の一族の家で、白いキツネが生まれたらしい。</p><p>周りは生まれてすぐにその子を殺せだとか、島流しにしろだとか言っていたそうだけど、母親が頑なにそれを拒んだとか。</p><p>だから、まわりのキツネたちはそいつをよくは思ってないんだって。</p><p>俺も、白いキツネを見たら、絶対に話したりしてはダメだと両親から言われた。</p><p>話しかけられても、無視しなさいってさ。</p><p>でも、俺の前にいるこの白いキツネには、そんな妖力なんてあるとも思わなかった。</p><p>だって、俺よりも全然細くて痩せていて、全然強そうには見えなかったんだ。</p><br><p>「俺、勝利！勝利っつうの。お前は？」</p><br><p>だから声をかけた。</p><p>全身真っ白で、顔の半分を変な仮面で隠しているコイツに、とても興味がわいた。</p><p>その日は名前を聞いただけで逃げられてしまったけど、次の日もその場所に居たら、追い出されることはなく、一緒に遊んだ。</p><p>それからというもの、俺たちは毎日のようにその場所で、日が暮れるまで遊んだ。</p><p>名前は雪一というんだって。</p><p>ピッタリな名前だ。</p><p>雪一の白い毛は、とても綺麗だと思う。</p><p>太陽の光をきらりと反射し、夕陽の色をそのまま映す。</p><p>一度そのまま、思ったことを雪一に言ったら</p><br><p>「この毛は嫌いだ」</p><br><p>と言われてしまった。</p><br><p>「私はみなと同じような黄金がよかった。そうすれば、避けられることもなく、普通に生活できていたのに……。私はお前が羨ましい」</p><br><p>その言葉に、俺はなんと声をかけてやったらいいのかわからなかった。</p><p>ただ、小さくごめんと一言いうのが精一杯だった。</p><p>……でも……。</p><br><p>「俺は雪一が白いキツネでも、雪一のこと、大好きだぜ？一緒にいて、すんごく楽しいし、ずっと一緒にいたいと思うし。……そうだ！！なぁ、雪一！大人になったらさ、俺たち二人で旅をしようぜ！いろんなところを一緒に見て回ろう！」</p><p>「た、旅？」</p><p>「うん！オオカミの里や、イヌの里、ぐるっと回って、一周したら、また一周するんだ。ずっとさ！な？いいだろ？」</p><p>「……」</p><br><p>雪一はゆっくりとうつむき、何かを考えているようだった。</p><p>とは言っても、顔の半分を仮面で隠しているから、表情はよくわからなかったのだが。</p><p>しばらくして、雪一は小さく</p><br><p>「うん、わかった」</p><br><p>と言ってくれた。</p><p>俺は舞い上がって、尻尾を大きく振り、雪一に抱き着いた。</p><br><p>「約束したからな！」</p><p>「うん」</p><p>「絶対だぞ！」</p><p>「うん」</p><br><p>雪一は俺の言葉に何度も頷いてくれた。</p><p>それがまた嬉しくて嬉しくて、早く大人になりたいと、心からそう願った。</p><p>そんなある日、雪一が俺に言ってきたことがある。</p><p>確か、もう雪一と出会って、かれこれ５年ほど経っていたような気がする。</p><p>だが、俺はまだ彼の素顔を一度も見たことは無い。</p><br><p>「勝利、私に妹が出来た。名は椿という。これからは母の手伝いもあり、妹の面倒も見なくてはならぬため、しばらくここへはこれない」</p><p>「え？あぁ、ご出産おめでとう。つか、そうか、ほとんど来れねぇのか」</p><p>「そうだ。だから、母上に許可をもらった」</p><p>「なんの」</p><p>「お前が私の家に来てもよいという許可だ。お前の都合の良いときに、いつでも尋ねるがいい。場所を教えよう」</p><p>「は！？いいのか！？あんたは九尾の一族で、かたやただの大工の跡取り息子だぜ！？」</p><p>「構わぬ。それとも、嫌か？」</p><br><p>俺は首を思い切り横へ振り、全身全霊で否定した。</p><br><p>「とんでもない！！ありがとう、是非行かせてもらうよ」</p><br><p>意気揚々と雪一に連れられ、彼の家へお邪魔した。</p><p>彼の家はとても立派で、客室もあれば、茶室もある。</p><p>庭は綺麗に手入れされ、池には鯉が泳いでいた。</p><p>そこにいるキツネたちは皆とても綺麗な着物をきて、どれも豪華できらびやかだった。</p><p>身分の違いというものか……俺は自らがとてもみすぼらしく思えてしまった。</p><p>せっかく場所を教えてもらったのに、来てもいいと言われたのに、俺はあれから一度も彼の家を訪ねてはいなかった。</p><p>もうすでに3年の時が過ぎている。</p><p><br></p><br><p><a href="http://ameblo.jp/mochimochiko02/entry-11031591839.html">←前頁</a> ★　次頁→(準備中)</p><br><br><br><p><a href="http://ameblo.jp/mochimochiko02/entry-11013124277.html" target="_blank">目次(別窓)<br></a><br><br><br></p><p><a href="http://peta.ameba.jp/p/addPeta.do?targetAmebaId=shi0t0"><img alt="ペタしてね" src="https://stat100.ameba.jp/blog/ucs/img/decoPeta/pc/decoPeta_16.gif" width="100" height="55"></a> <a href="http://blog.ameba.jp/reader.do?bnm=mochimochiko02"><img alt="読者登録してね" src="https://stat100.ameba.jp/blog/ucs/img/decoPeta/pc/decoPeta_22.gif" width="150" height="50"></a> </p><br>
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<pubDate>Fri, 06 Jan 2012 20:18:25 +0900</pubDate>
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<title>No.10　お頼み申す</title>
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<![CDATA[ <p>自他共に認める、リクがいないと何もできない男。</p><p>つまりは俺なのだが、そんな俺でさえ、リクにすら負けない特技を持っている。</p><p>そして俺は、ノーあるトンビはハゲを隠すがごとく、その特技を隠しているのだ。</p><p>という訳で俺は今、リクの隣に腰かけ、まるで借りてきた猫のようにおとなしく、彼らの様子を見守っていた。</p><br><p>「鍵の確認をしても？」</p><p>「いいだろう」</p><br><p>リクは書き留めた紙を見ながら、鍵のひとつひとつを皐月に確認していった。</p><br><p>「青の鍵は法界へ行く鍵。使えるのは水のある場所。緑の鍵は天界、使えるのは太陽の出ている時間のみ。白は霊界、こちらからコンタクトを取れることは無い。黒が魔界、どこでも使える。赤がここ、楼界の鍵。使い方は天界へいる場合のみ。以上で合ってますか？」</p><p>「うむ、それでよい。そして注意点だが、鍵は使う者の魔力によって扉を作る。つまり、魔力が少ない場合、その世界への扉を作ることは出来ぬということだ。一つずつ試してもいいがね、まぁ、せいぜい法界で手一杯だろう。なに、徐々に力をつけていけばよい」</p><p>「はい。ハル、わかったか？」</p><br><p>突然リクが俺に話を振ってきたもんだから、俺は一瞬頭が真っ白になった。</p><p>こんな時、自分の頭の悪さというか、反応の鈍さに嫌気がさす。</p><br><p>「ごめん、何が？」</p><br><p>内容はわかっているつもりだが、何に対してわかったか？と聞いているのだろう。</p><p>いつもそうだ。</p><p>テストの問題から、先生の問いにしてもそうだ。</p><p>俺になにを聞いているのか、どんな答えを求めているのかが、俺にはわからないでいた。</p><p>俺の問いに対し、リクは呆れたように</p><br><p>「だーかーらー、鍵。鍵の種類とか、使える条件とか。何となくでいいからわかったか？」</p><br><p>と言った。</p><p>あぁ、そのことかと、俺は小さくうなづき</p><br><p>「……少しは」</p><br><p>とだけ答える。</p><p>それに対してのリクからのお咎めはなかった。</p><p>俺たちの様子を見て、皐月はあることを俺たちに言った。</p><br><p>「お前たちはこれから、右も左もわからぬ世界で旅をするのだ。その中でお互いが信頼し合える仲間というのは、そう会えるものではない。お互いを大事にし、協力し、見事成してみせよ。わずかではあるが、私もお前たちに期待しよう。さて、では肝心の仕事についてだが」</p><br><p>皐月は一呼吸おいて、俺たち二人をじっと見つめた。</p><p>黒い瞳はどこか幻想的で、それでいて高圧的な光を放っていた。</p><br><p>「天界でお前たちにした話を覚えているかい？」</p><p>「んと、なんだっけ、確か羽根の話と、あと……」</p><p>「オレたちの世界の王様が殺されたという話も聞きました」</p><p>「そう、その話だ。実はまだあの話には続きがあってねぇ。簡単にだが、それを話してやろう。お前たちの世界の王が殺されてから、その後継ぎが未だ決まっておらぬのだ。本当なら、今の王が次の王に羽根を渡したことにより、他の世界の王達からその存在を認められる。だが、前にも話した通り、その羽根がどこにあるのかわからぬ。よって、新たなる王も決まっておらぬのよ。そこで、お前たちに次の王の候補を探してきてもらいたいのだ」</p><p>「羽根じゃなくて？」</p><p>「お前たちの住んでいた惑星の名は地球だったか？そこでは何か異常なことは起こらなかったかい？」</p><br><p>皐月の質問に、リクは難しい顔をして答えた。</p><br><p>「毎日のように起こっています。法界の王が決まれば、オレたちの世界は少しでもマシになるのでしょうか」</p><p>「勿論だ。羽根がない以上は完全には元には戻せぬが、それでも今よりはよくなるだろう。王の力によって、他の世界との交渉を和らげることが出来るからね」</p><p>「だったら、やります！その候補を見つけて見せます！なぁ！ハル！！」</p><p>「お！？おぉ」</p><br><p>リクのあまりの気迫に、俺は半ば反射的に頷いた。</p><p>良くわからないけど、きっと人を探せばいいんだろう。</p><br><p>「で？どんな奴を見つけてくればいいんだ？」</p><p>「そういえば、そうだよな。あの、特徴とかは……？」</p><p>「ハハハッ、そんなものがあれば貴様ら等に頼ったりせぬわ」</p><br><p>たまにこの人素が出るというか、嘘がつけないよなと感じてしまう。</p><p>結局は俺たち信用されてないんじゃないか。</p><br><br><br><br><br><p><a href="http://ameblo.jp/mochimochiko02/entry-11042985952.html">←前頁へ</a> ★ 次頁へ→(準備中)</p><p><br></p><p><br><a href="http://ameblo.jp/mochimochiko02/entry-10887883358.html" target="_blank">目次へ</a> (別窓)<br><br><br></p><br><p><br><br><a href="http://www.blogmura.com/" target="_blank"><img border="0" alt="ブログランキング・にほんブログ村へ" src="https://img-proxy.blog-video.jp/images?url=http%3A%2F%2Fwww.blogmura.com%2Fimg%2Fwww88_31.gif" width="88" height="31"></a> <br><a href="http://www.blogmura.com/" target="_blank">にほんブログ村</a> </p><br><p><a href="http://peta.ameba.jp/p/addPeta.do?targetAmebaId=shi0t0"><img alt="ペタしてね" src="https://stat100.ameba.jp/blog/ucs/img/decoPeta/pc/decoPeta_16.gif" width="100" height="55"></a> <a href="http://blog.ameba.jp/reader.do?bnm=mochimochiko02"><img alt="読者登録してね" src="https://stat100.ameba.jp/blog/ucs/img/decoPeta/pc/decoPeta_22.gif" width="150" height="50"></a> </p><br>
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<pubDate>Mon, 26 Dec 2011 00:26:35 +0900</pubDate>
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<title>007　サイコー</title>
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<![CDATA[ <p>※群馬視点</p><br><br><br><p>柄にもなく、泣いた。</p><p>声を上げて、泣きじゃくった。</p><p>絶対、絶対全国行くって先輩たちと約束したのに。</p><p>三年の先輩なんか、この大会が最後だったのに。</p><br><p>「うん、うん、わかってるよ」</p><br><p>今迄、すっごく練習した。</p><p>上を上を目指してた。</p><br><p>「わかってるよ、群馬。相手が悪かったんだ」</p><br><p>なのに、軽々と相手は日本新記録なんて大それた記録を打ち立てて。</p><p>俺は飛べなかった。</p><p>背面でもダメだったのに、あいつは正面で軽々とだ。</p><br><p>「いるんだよな、そーゆー天才。泣くなよ群馬、お前が悪いんじゃないんだ」</p><p>「そうよー、だれも群馬くんのこと責めてないって。元気出して、次の試合に向けて頑張って」</p><p>「おい、今度からお前二年になるんだぜ？先輩がそんなんだったら一年不安がるだろ」</p><p>「そそ、俺たち安心して引退できねっての」</p><p>「今度はお前らの誰かが絶対アイツぬかせよ！試合観に行くからな」</p><p>「ごめんなさい、ありがとう先輩」</p><br><p>秋の大会が終わった。</p><p>俺たちの学校は全国に行くことなく、終わってしまった。</p><p>大会の後片付けをして、現地解散となった。</p><p>先輩や同級たちと別れて、俺はひとり、だれもいない会場へ行った。</p><p>どれくらいそうしていたのかわからなかったが、後ろから声をかけられ、俺は現実に引き戻された。</p><br><p>「群馬、やっといた。探したんだぞ！」</p><p>「香川……」</p><p>「二年から聞いたよ、お前号泣したんだって？」</p><p>「うるさーい」</p><p>「ははは、その……」</p><p>「んー？」</p><p>「帰ろうか」</p><p>「……うん」</p><br><p>香川は何も言わず、ずっと俺の横にいてくれた。</p><p>家にも帰らず、俺は香川の家にお邪魔させてもらう。</p><p>香川の部屋でつけたテレビで、今日のヒーローが映し出される。</p><p>香川は慌ててチャンネルを変えようとしたが、俺は別にいいよとだけ言った。</p><p>そのヒーローはインタビューに笑顔で答えている。</p><p>お前のせいで、とは言いたくない。</p><br><p>「でも、こっちはサイテーの気分だバカヤロー」</p><br><p>呟いて、また悔しくなって、香川の部屋で泣きじゃくった。</p><p><br><br></p><br><p><a href="http://ameblo.jp/mochimochiko02/entry-10949928815.html">←前頁へ</a> ★ 次頁へ→(準備中)</p><br><br><p><a href="http://ameblo.jp/mochimochiko02/entry-10887917838.html" target="_blank">目次へ</a>(別窓)<br>　<br></p><br><p><br></p><p><br></p><p><a href="http://peta.ameba.jp/p/addPeta.do?targetAmebaId=shi0t0"><img alt="ペタしてね" src="https://stat100.ameba.jp/blog/ucs/img/decoPeta/pc/decoPeta_16.gif" width="100" height="55"></a> <a href="http://blog.ameba.jp/reader.do?bnm=mochimochiko02"><img alt="読者登録してね" src="https://stat100.ameba.jp/blog/ucs/img/decoPeta/pc/decoPeta_22.gif" width="150" height="50"></a> </p><a href="http://novel.blogmura.com/novel_bl/" target="_blank"><img border="0" alt="にほんブログ村 小説ブログ BL小説へ" src="https://img-proxy.blog-video.jp/images?url=http%3A%2F%2Fnovel.blogmura.com%2Fnovel_bl%2Fimg%2Fnovel_bl88_31.gif" width="88" height="31"></a> <br><a href="http://novel.blogmura.com/novel_bl/" target="_blank">にほんブログ村</a>
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<pubDate>Wed, 19 Oct 2011 00:47:45 +0900</pubDate>
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<title>No.9　それぞれの長所</title>
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<![CDATA[ <p>俺たちが杏子ばあさんの家に来てから、早一か月が過ぎようとしていた。</p><p>その間、俺たちは寝る間も惜しんで練習に励んだ。</p><p>俺は武術を、リクは魔法を、それぞれ学んで行った。</p><p>リクはとても早くに魔術を魔術として発動させることが出来たが、俺は未だに出来ないでいる。</p><p>出来ることと言えば、薪に火をつけるか、提灯に火をつけるかのみだ。</p><p>どうやら俺はそっちの類は苦手らしい。</p><p>あまりにも出来ない俺を見て、杏子ばあさんは、それなら得意な分野を伸ばしなさいと言った。</p><p>ならば、運動イコール武術となったわけである。</p><p>講師をしてくれた人物は細見の男性で、名前を如月と言った。</p><p>長く伸ばした黒髪を、後ろで一本にまとめている。</p><p>稽古をつけてもらっているとき、まるでそれが尻尾のようにくるくると舞うものだから、多分あれは生きている。</p><br><p>「おら、ハル！稽古中に違うことを考えるな！」</p><p><br>声が聞こえると同時に、顎にものすごい衝撃を受ける。</p><p>俺は情けない声を発しながら、受け身も取らず地面に仰向けになった。</p><p>そんな俺を呆れたような表情で覗き込む如月。</p><br><p>「少しは手加減してくれよ……」</p><p>「馬鹿を言うな。もし俺が敵だったら死んでるぞ、お前」</p><p>「う～ん……本番は違うこと考えないって！」</p><p>「だから馬鹿だと言うんだ。練習で出来ないで本番できるわけないだろ？まぁ、いいさ。少し休憩しよう」</p><p>「おぉ！やったぁ！！」</p><br><p>如月の言葉に両腕で反動をつけて起き上がる。</p><p>立ち上がり服のホコリを掃い、縁側に腰掛ける。</p><p>それを見越していたのか、杏子ばあさんが暖かいお茶を持ってきてくれた。</p><br><p>「ありがとう！」</p><p>「ほほ、頑張ってるようじゃの」</p><p>「そうでもありませんよ、つい先程も何やら違うことを考えていやがりましてね、俺の蹴りをまともにくらったところです」</p><p>「だってさ、如月全然手加減してくれないんだぜ！？考えてたって言っても一瞬だっての」</p><p>「こら！お前杏子様に敬語を使えとあれほど！」</p><p>「ほほ、よいよい。そうか、それは大変だの。でもの、ハル。本当の戦いにおいて、何か別のことを考えるというのは同時に死を意味するのじゃよ。戦いとは、一瞬一瞬が勝敗を分けるのじゃ。よく覚えておきなさい」</p><p>「うん、わかった！」</p><br><p>俺の返事に、杏子ばあさんはニコニコと頷いてくれた。</p><p>それを横で見ていた如月のキツイ視線が俺を直撃しているが無視することにする。</p><br><p>「さて、陸や。お前さんもこちらで休みなさい。あまり根を詰めると、後が続かないよ」</p><p>「え、あぁ、はい、今行きます……」</p><br><p>部屋の中でリクの生返事が聞こえる。</p><p>この頃のリクは本と始終睨めっこをしていた。</p><p>左手に分厚い本、右手には筆で何かを書き込みながら何やらうんうん唸っているのだ。</p><p>やがてリクが俺たちのいる縁側に姿を現したが、やはりその手には本が握られていた。</p><p>その姿をみた如月は一言</p><br><p>「お前も見習え」</p><br><p>と言ったが、それも無視を決め込む。</p><p>だってリクの場合、好きでやっているのだから、本人としては趣味の領域に達している。</p><p>それなのに、見習うって何を？になってしまうのだからして……あれ？俺は何を言いたいんだっけ？</p><br><p>「リク、お疲れ」</p><p>「あぁ、お疲れ……ってハル！？お前ひどい顔だぞ！」</p><p>「あぁ～あおたんだらけ？仕方ないよ、如月が手加減しないんだもんよ」</p><p>「どうせ稽古中に違うことでも考えてたんだろ？自業自得だよ」</p><br><p>なんでバレるかな。</p><p>如月が小さく笑ったので、彼をキッと睨んでみる。</p><p>と、その時だった。</p><p>玄関から小さく</p><br><p>「御免下さい」</p><br><p>と聞こえたのだ。</p><p>その訪問に、杏子ばあさんが応える。</p><p>如月は不思議そうに杏子ばあさんを見送ったが、やがて彼女と同じように玄関に向かっていった。</p><p>残された俺たちは適当に休憩時間を満喫することにする。</p><br><p>「なぁ、リク。お前どれくらい上達した？魔術」</p><p>「ん？まぁ一応ほとんど発動は出来るようになったよ。でも、実戦で使えるのはあんまりないなー」</p><p>「でも、できるんだ。流石だな」</p><p>「それはこっちの台詞。お前あの如月さんの攻撃受け流したりできるんだろ？オレ、お前らがどんな動きしてるのかサッパリだっての」</p><p>「あれでも正直、かなり手加減してもらってるよ。マジで見えない動きするときあるかんねあの人。ところでよ、お前いっつも何してんの？」</p><p>「え、何が？」</p><p>「それだよ、その本」</p><p>「あぁ、これ？文字だよ。文字の勉強」</p><p>「文字の勉強？」</p><p>「だって、文字が読めないといろいろと不便だろ？だから勉強してるんだ。つっても、ここの文字も漢字、ひらがな、カタカナみたいに何種類もの文字を複雑に使ってるもんだから、難しくっていけないや。あと、単語が違う」</p><p>「単語？」</p><p>「うん、例えばお茶。みんなはこれをお茶って言うけど、本のなかの単語は違う。で、思うんだけど、ここの人たちが話している言葉も実はオレたちの知っている言葉ではないんじゃないかな？」</p><p>「ならなんで通じるんだ？お前はともかく、俺は英語すらサッパリだぜ」</p><p>「うーん……そこなんだよなー」</p><p>「おい、お前らこっちへこい」</p><br><p>俺たちが話していると、如月が声をかけてきた。</p><p>何かと聞くと、どうやら俺たちを訪ねて来たらしい。</p><p>茶室へ行くと、案の上そこには知り合いが座っていた。</p><br><p>「久しぶりだね、おや、中々いい顔つきになったじゃないか」</p><p>「お久しぶりです、皐月さん」</p><p>「まぁ、座りな。杏子殿にはもう話したが、お前たちに仕事を持ってきたよ。予定よりは早いが、問題ないだろう。案内役兼護衛を付けてやるからね」</p><br><p>そう言って俺たちを座らせた皐月は、俺たちの目の前に５つの古びた鍵を広げた。</p><p>それらはすべて違った形をしており、今にも朽ちてしまいそうだった。</p><br><p>「これはすべての世界へ通じる鍵だよ。ほかの王から許可を得て借りたものだ。いいかい、一度しか言わないからね、しっかり覚えておいでよ」</p><br><p>それから皐月は俺たちにひとつひとつ鍵の説明をしていった。</p><p>忘れてはいけないので、俺たちは杏子ばあさんから紙と筆を借り、事細かに書いていった。</p><p>もちろん、その仕事はリクがやってくれた。</p><br><p>「ハルは陸がいなければ何も出来ないのではないのか？」</p><br><p>如月が笑いながら言ってきたので、俺はべーと舌を出してやった。</p><p>そんなのわかってるよーだ！</p><p><br><br></p><br><br><br><p><a href="http://ameblo.jp/mochimochiko02/entry-11012772305.html">←前頁へ</a> ★ <a href="http://ameblo.jp/mochimochiko02/entry-11053279897.html">次頁へ→</a></p><br><p><br><a href="http://ameblo.jp/mochimochiko02/entry-10887883358.html" target="_blank">目次へ</a> (別窓)</p><br><br><br><p><br><br><br></p><p><a href="http://peta.ameba.jp/p/addPeta.do?targetAmebaId=shi0t0"><img alt="ペタしてね" src="https://stat100.ameba.jp/blog/ucs/img/decoPeta/pc/decoPeta_16.gif" width="100" height="55"></a> <a href="http://blog.ameba.jp/reader.do?bnm=mochimochiko02"><img alt="読者登録してね" src="https://stat100.ameba.jp/blog/ucs/img/decoPeta/pc/decoPeta_22.gif" width="150" height="50"></a> </p><a href="http://novel.blogmura.com/novel_long/" target="_blank"><img border="0" alt="にほんブログ村 小説ブログ 長編小説へ" src="https://img-proxy.blog-video.jp/images?url=http%3A%2F%2Fnovel.blogmura.com%2Fnovel_long%2Fimg%2Fnovel_long88_31.gif" width="88" height="31"></a> <br><a href="http://novel.blogmura.com/novel_long/" target="_blank">にほんブログ村</a>
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<pubDate>Thu, 13 Oct 2011 17:56:49 +0900</pubDate>
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<title>第一話　なぜ私はみんなと違うのですか？</title>
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<![CDATA[ <p>※　白キツネ視点</p><br><br><p>私は生まれたときからみんなとは少し違っていた。</p><p>毛の色も、目の色も違っていた。</p><p>みんなは綺麗な黄金色であるのに、私はなぜか白く、目もどこか赤みを帯びていた。</p><p>大人たちは私を指さしてなにかを言っている。</p><p>聞き取れないけれど、あまりいいことではないのは確かだ。</p><p>その証拠に、誰かと遊んでいるところを大人にみられると、先ほどまで友達だった者が、そうではなくなるのだから。</p><br><p>「母上、なぜ私はみんなと違うのですか？」</p><br><p>私は一度、そう母に尋ねたことがあった。</p><p>母は、とても悲しそうな顔をして、私に謝ってきた。</p><p>そして鼻から上を隠すように出来た仮面を、私にくれた。</p><p>私の宝物だ。</p><p>母が、外へ出るときには常にこれをしていなさいと言ったので、私はそれに従っていた。</p><p>世界が狭くなった。</p><p>これで、嫌なものを見なくて済むようになった。</p><p>ある時、とてもいい場所を見つけた。</p><p>森の奥深くにある、小さなお花畑。</p><p>母にも話していない、私の秘密の場所だ。</p><p>誰にも荒らされておらず、足跡も見当たらなかった。</p><p>世界に、私だけしかいないような錯覚を覚える。</p><p>そんな場所だった。</p><p>なのに、そいつは突然やってきた。</p><br><p>「ぅおおおお！！すげぇ！こんなところがあるなんてびっくりだぜー！！」</p><br><p>やけに興奮した声が、その場の静寂を見事に消し去る。</p><p>見れば、歳は私と同じくらいの子ぎつねが、目をキラキラと輝かせ、ピョンピョン跳ねている。</p><p>太陽の光を反射する金の毛が美しかった。</p><p>その子ぎつねは私の存在に気が付くと、尻尾を膨らませ、それと同じくらいの勢いで顔を赤くした。</p><br><p>「ななな、なんだよ、先客がいるなら最初から言えよなぁ」</p><br><p>大きな耳を倒し、注意深く私を探る。</p><p>私も遠慮せずに見させてもらった。</p><p>位は私より下の者であることは明らかだ。</p><p>怖がる必要はない。</p><p>しばらくして、子ぎつねが口を開いた。</p><br><p>「なぁ、あんた九尾(クビ)の一族だよな？こんなところで何してるんだ？」</p><br><p>九尾とは昔、我らキツネ達をまとめ上げ、一族として独立させた９人の男たちのことを言う。</p><p>私はその一人の子孫にあたるのだ。</p><br><p>「なぁなぁ、ここってあんたの場所なのか？なんであんたそんな変な仮面してるんだ？なんとか言えよ。それに毛も真っ白だ。そうだ、俺勝利(ｶﾂﾄｼ)！勝利っつうの。お前は？」</p><br><p>答えてもいないのに、そいつは私の横に勝手に腰かけると、一人でべらべらと捲し立てた。</p><p>それがあまりにもうるさかったので、私は一言</p><br><p>「雪一(ﾕｷﾋﾄ)」</p><br><p>とだけ答えて、逃げ帰った。</p><p>その日からだ。</p><p>そいつが私のお気に入りの場所に出入りするようになったのは。</p><p>次の日にその場所へ行くと、私よりも先にそいつが座っているではないか。</p><p>私の場所なのに……。</p><br><p>「あ、来た！雪一！待ってたんだー！遊ぼうぜ！」</p><p>「………待っていた？私をか？」</p><p>「そうだよ！遊ぼうぜ！」</p><br><p>そいつだけだった。</p><p>他の者とは違い、私を煙たがることなく遊んでくれたのは。</p><p>それから、私と勝利は毎日のように遊んだ。</p><p>鬼ごっこをしたり、かくれんぼをしたり、毎日一緒だった。</p><p>私が10になったころ、母の様子が変わった。</p><p>腹がパンパンに膨れ上がり、日を重ね、月を迎えるたびに大きくなっていった。</p><p>母はその風船のような腹を優しくさすっては笑顔になった。</p><br><p>「雪一さん、あなたも声をかけてあげてください」</p><br><p>母は私に不可思議なことを言った。</p><br><p>「誰にですか？」</p><p>「お腹の中にいる、貴方の妹か弟にですよ」</p><br><p>母は身籠っていたのだと、この時初めて知ったのだ。</p><p>私は歓喜した。</p><p>その３か月後、私には椿という名の妹が出来た。</p><br><br><br><p>★　<a href="http://ameblo.jp/mochimochiko02/entry-11042054611.html">次頁へ<br></a></p><br><p><br></p><p><a href="http://ameblo.jp/mochimochiko02/entry-11013124277.html" target="_blank">目次へ<br></a></p><p><br><br></p><br><p><a href="http://peta.ameba.jp/p/addPeta.do?targetAmebaId=shi0t0"><img alt="ペタしてね" src="https://stat100.ameba.jp/blog/ucs/img/decoPeta/pc/decoPeta_16.gif" width="100" height="55"></a> <a href="http://blog.ameba.jp/reader.do?bnm=mochimochiko02"><img alt="読者登録してね" src="https://stat100.ameba.jp/blog/ucs/img/decoPeta/pc/decoPeta_22.gif" width="150" height="50"></a> </p><a href="http://novel.blogmura.com/" target="_blank"><img border="0" alt="にほんブログ村 小説ブログへ" src="https://img-proxy.blog-video.jp/images?url=http%3A%2F%2Fnovel.blogmura.com%2Fimg%2Fnovel88_31.gif" width="88" height="31"></a> <br><a href="http://novel.blogmura.com/" target="_blank">にほんブログ村</a>
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<pubDate>Sun, 09 Oct 2011 00:20:07 +0900</pubDate>
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<title>耳から尻尾まで　目次一覧</title>
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<![CDATA[ <p>【耳から尻尾まで】</p><p>最終更新→1/6</p><br><p><font color="#ff0000">※BL＆NL入り混じっています。ご注意ください。<br></font><br><br></p><p>★設定集(準備中)★</p><br><br><br><br><p><a href="http://ameblo.jp/mochimochiko02/entry-11035578067.html">報告書</a> </p><br><br><br><p>★白キツネ★<font color="#ff0000">※</font><font color="#ff0000">BL中心</font></p><p><font color="#ff0000"><br></font></p><p>第一話　<a href="http://ameblo.jp/mochimochiko02/entry-11031591839.html">なぜ私はみんなと違うのですか？</a> </p><br><p>第二話　<a href="http://ameblo.jp/mochimochiko02/entry-11042054611.html">俺、勝利！</a>　<font color="#ff0000">NEW</font></p><p><font color="#ff0000"><br></font></p><p><br></p><br><br><br><br><br><br><br><p>　</p><p><a href="http://peta.ameba.jp/p/addPeta.do?targetAmebaId=shi0t0"><img alt="ペタしてね" src="https://stat100.ameba.jp/blog/ucs/img/decoPeta/pc/decoPeta_16.gif" width="100" height="55"></a> <a href="http://blog.ameba.jp/reader.do?bnm=mochimochiko02"><img alt="読者登録してね" src="https://stat100.ameba.jp/blog/ucs/img/decoPeta/pc/decoPeta_31.gif" width="150" height="50"></a> <br></p><a href="http://novel.blogmura.com/" target="_blank"><img border="0" alt="にほんブログ村 小説ブログへ" src="https://img-proxy.blog-video.jp/images?url=http%3A%2F%2Fnovel.blogmura.com%2Fimg%2Fnovel88_31.gif" width="88" height="31"></a> <br><a href="http://novel.blogmura.com/" target="_blank">にほんブログ村</a>
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<pubDate>Thu, 06 Oct 2011 21:34:55 +0900</pubDate>
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<title>報告書</title>
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<![CDATA[ <br><br><p>生まれた個体は人間ではなかった。</p><p>いや、姿かたちは人間であるのだが、決して人間とは呼べないであろう。</p><p>先ず、目に見えて違うのは、その大きな耳と、足、そして大きな尻尾だ。</p><p>それらはすべて、獣のようないでたちで、個体により異なっていた。</p><p>耳の丸い者、とがった者、尻尾の大きさ、色や模様。</p><p>それらを組み分けし、名前を付けることにする。</p><br><br><p>・オオカミ</p><p>尾が太く、犬歯が発達している個体。後の調査により、イヌよりも体力、腕力、知力ともに高い数値であった。</p><p>以下、オオカミからの派生。</p><p>イヌ</p><p>足は太く、尾は小さく丸まっており、耳はとがっていて、鋭い犬歯がある個体。</p><p>キツネ</p><p>他のどの個体よりも大きな尾と知能を持った個体。足はイヌより細く、ネコより太い。犬歯はイヌ同等。</p><p>タヌキ</p><p>丸い尾と丸い耳をもった個体。オオカミ派生ではこの個体のみ、尾に縞模様を確認。犬歯はイヌ同等。</p><br><br><p>・クマ</p><p>耳は丸く、手足はどの個体よりも大きい。この個体のみ、尾は丸くとても短い。体力、腕力共に、他のどの個体よりも勝っている。</p><br><br><p>・ネコ</p><p>足は細く、尾は長く細い個体。イヌほどの鋭い犬歯は無いものの、爪が異様に硬く、柔軟性に優れている。以下、ネコからの派生。</p><p>トラ</p><p>ネコの犬歯を異常に大きくした個体。ネコ派生では、この個体のみ、体毛が黄色と黒に別れる。</p><br><br><p>・イタチ</p><p>足は他のどの個体よりも短いが、指の間に水かきがある個体。オオカミよりも鋭い犬歯を持っているが、細く長い。尾もネコほどでは無いが細く長い。泳ぎの得意な個体。以下イタチからの派生。</p><p>カワウソ</p><p>水中にもっとも優れた個体。水中では耳を閉じ、水が入るのを防ぐ役割をし、体毛は水をはじく役割を持つ。この個体も知能はとても高い。</p><br><br><br><p>遺伝子情報の違いから、子が成せるのはその個体または派生種とのみであった。</p><p>ただし、それは試験官の中では成り立たたず、無理に作ることは可能である。</p><p>この研究を元に、猿との遺伝子を組み換え、新たな人間を作ることは可能だと考える。</p><p>私たちの本当の目的まで、そう遠くはないだろう。</p><br><p>以上</p><p><br><br><br><br><a href="http://ameblo.jp/mochimochiko02/entry-11013124277.html">目次へ</a></p><br><br><p><br><br></p><p><a href="http://peta.ameba.jp/p/addPeta.do?targetAmebaId=shi0t0"><img alt="ペタしてね" src="https://stat100.ameba.jp/blog/ucs/img/decoPeta/pc/decoPeta_16.gif" width="100" height="55"></a> <a href="http://blog.ameba.jp/reader.do?bnm=mochimochiko02"><img alt="読者登録してね" src="https://stat100.ameba.jp/blog/ucs/img/decoPeta/pc/decoPeta_22.gif" width="150" height="50"></a> </p><a href="http://novel.blogmura.com/" target="_blank"><img border="0" alt="にほんブログ村 小説ブログへ" src="https://img-proxy.blog-video.jp/images?url=http%3A%2F%2Fnovel.blogmura.com%2Fimg%2Fnovel88_31.gif" width="88" height="31"></a> <br><a href="http://novel.blogmura.com/" target="_blank">にほんブログ村</a>
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<pubDate>Thu, 06 Oct 2011 21:30:33 +0900</pubDate>
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<title>No.8.5　王達の会議</title>
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<![CDATA[ <p>「では、これより集会を行いたいと思う。集まってくれた皆の者、感謝するぞ」</p><br><p>そう言って、サルトルは集まった者たちの顔を一人一人見渡し、礼を言った。</p><p>集まった者たちの数は４。</p><p>それぞれに癖のある物たちばかりだ。</p><p>その中の一人が口を開く。</p><br><p>「もう挨拶はそれくらいにして、そろそろ教えてくださいよ、今回私たちをここへ集めたわけを」</p><br><p>それを受けて、もう一人も口を開いた。</p><br><p>「それもそうだ、我ら全員自らの世界を留守にしてきているわけだからな」</p><p>「まーまー、皐月？折角こうして皆顔を合わせた訳だし、ゆっくり談笑でもしようよ？この前来た魂の話をしようか？」</p><p>「お言葉だが、私は談笑をしに来たわけではない。談笑するなら、それなりの茶でも出してもらわねば割に合わぬというものよ」</p><p>「そうですよね、お茶はやっぱり暖かい緑茶にかぎります」</p><p>「えー？緑茶は苦いでしょ？ホンヌは苦いのは苦手かな？」</p><p>「苦い茶に甘味の組み合わせが良いのだ」</p><p>「おぉ、それではモチの木の実を今度お持ちしますよ。魔界の蛇が好んで食べるのです。美味ですよ」</p><p>「おー、いいね？ホンヌの世界には食べ物なんてないから、うらやましいよ？」</p><br><p>この状態に音をつけるなら、ワイワイキャッキャ。</p><p>これを談笑と言わず、なんと言おうか。</p><p>一人黙っていたサルトルは肩の力をガックリと抜き、少し大きめの声で彼らを注意した。</p><br><p>「えぇい！しっかり談笑しおってからに、おぬしらときたら全く！」</p><p>「あはははー？本当だね？」</p><p>「皐月殿がお茶の話をするからですよ」</p><p>「何気に私のせいにするなバラム。話題を膨らませたのはお前さ」</p><p>「どちらでもよい、今回おぬしらを呼んだのはの。法界の王の事についてじゃ」</p><br><p>サルトルの言葉にやっと静かになった3人は、彼に注目する。</p><br><p>「法界の王が殺されて、早15年経つの。じゃが、おぬしらも知っての通りじゃ。いまだに王が持っておった羽根が見つかってはおらぬ。じゃが、それをこのまま放って置くわけにはいかん。わかるの？」</p><br><p>三人は各々頷き、相槌さえ打つことは無かったが、サルトルの一言一言を聞き漏らさぬまいと耳を傾けていた。</p><p>それほど、サルトルの言葉は彼らにとっても重要なことだったのだ。</p><br><p>「今現在、わしらがその有り場所をわかっている羽根は４枚。あとわからぬのは、法界の王が持っていたであろう一枚と、トリが何者かに残した一枚の、計二枚となる訳じゃ。法界の羽根が本当に何者かに奪われたのであれば、後々面倒なことになりかねん。もう一枚を手に入れられたら、その者はかなりの力を得ることになってしまい、法界は涸れてしまうじゃろう。そこでじゃ、新たな法界の王を迎え、法界を見張ってもらいたいと思うのじゃが、どうかの？」</p><p>「私はよいと思いますよ。ただ、その候補はいるのですか？」</p><p>「いや、まだ決めておらん」</p><p>「決めるとすれば、やはり法界の者を選ぶのだろう？」</p><p>「そういえば、皐月、以前に法界の人間のことを話していたもんね？その子たち？」</p><p>「まぁ、そうだが、そうではない。あいつら二人の精神など、たかが知れている。だが、拾ったラジエルがその二人にある使いを頼んでな。それは羽根を探すというものだ。だが、法界の人の子二人にそのような偉業は私は不可能だと考える。」<br></p><br><p>皐月は一度呼吸を整え、机に頬杖をつくと、意味深な笑みをその唇に浮かべた。</p><br><p>「そこでだ、その二人に法界を旅させ、法界の王の候補を見つけてもらうというのはどうだろうか」</p><p>「それはむしろ、その二人のどちらかにした方がいいのではないきゃ？法界すべてを周るとなると、相当な時間を要するのじゃ。人の子にはそのような時間はあるかどうか……」</p><p>「それはわかっている。だからこそよ。あの二人は確かに潜在能力こそはあるものの、法界を束ねるほどの力は持ち合わせてはおらぬ。まぁ、一人は中々頭のきれる坊ではあったがな」</p><p>「なるほど、でも、それをどうやって見極めるの？出会っても、気づかなくちゃ意味がないよ？」</p><p>「法界を束ねていたガブリエルは法界のヒトたちの中では異色なほどの力を持っていました。それに、我らに認められて初めて長寿の力を与えられるのです。そこは心配しなくてもよいのではないでしょうか？人間には本能が発達しております。問題ないでしょう」</p><p>「ならば決まりだな。明日、奴らにこのことを伝えよう。そこで、各々方、お願いがあるのだが、よろしいかな？」</p><br><p>皐月はそういうと席を立ち、彼らを見回した。</p><p>そして、左の手で右袖を抑え、とてもゆっくりとした仕草で右手を彼らの前に差し出す。</p><br><p>「貴方方の世界へ自由に行ける許可を得たい。鍵を私に、いや、彼らに預けてもよいだろうか」</p><br><p>その言葉に、首を振った者はいなかった。</p><br><br><br><br><p><br><a href="http://ameblo.jp/mochimochiko02/entry-10887883358.html" target="_blank">バックナンバー</a> </p><br><br><br><br><p><a href="http://peta.ameba.jp/p/addPeta.do?targetAmebaId=shi0t0"><img alt="ペタしてね" src="https://stat100.ameba.jp/blog/ucs/img/decoPeta/pc/decoPeta_16.gif" width="100" height="55"></a> <a href="http://blog.ameba.jp/reader.do?bnm=mochimochiko02"><img alt="読者登録してね" src="https://stat100.ameba.jp/blog/ucs/img/decoPeta/pc/decoPeta_22.gif" width="150" height="50"></a> </p><br><p><br></p><a href="http://novel.blogmura.com/novel_long/" target="_blank"><img border="0" alt="にほんブログ村 小説ブログ 長編小説へ" src="https://img-proxy.blog-video.jp/images?url=http%3A%2F%2Fnovel.blogmura.com%2Fnovel_long%2Fimg%2Fnovel_long88_31.gif" width="88" height="31"></a> <br><a href="http://novel.blogmura.com/novel_long/" target="_blank">にほんブログ村</a>
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<pubDate>Tue, 27 Sep 2011 01:41:35 +0900</pubDate>
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