<?xml version="1.0" encoding="utf-8" ?>
<rss version="2.0" xmlns:atom="http://www.w3.org/2005/Atom">
<channel>
<title>殺時のフィクション</title>
<link>https://ameblo.jp/moon-stone-mhb/</link>
<atom:link href="https://rssblog.ameba.jp/moon-stone-mhb/rss20.xml" rel="self" type="application/rss+xml" />
<atom:link rel="hub" href="http://pubsubhubbub.appspot.com" />
<description>簡単に読めて、楽しいフィクションを募集しています。もし、自信のある作品ができた場合には、dadaaan2009@hotmail.co.jpにメールでお送りください。面白かったものはペンネームとともに掲載します。ご応募お待ちしております。</description>
<language>ja</language>
<item>
<title>自転車</title>
<description>
<![CDATA[ <p>彰浩は、軽快にペダルをこいでいた。</p><p>自転車は、歩く作業とは根本的に動きが違う。鍛え抜かれた自転車乗りは、歩行時の動きがぎこちなくなるほどだ。</p><br><p>自転車に乗っているときの景色の流れ方が、彰浩は好きだった。歩いているときは、見えている空間にほとんど動きがないように感じる。車に乗っているときは、風景の流れが少し速すぎるように思う。自転車に乗っているとき、目に映っているものが何なのか、脳でしっかり認識しながら、次々に新たなものが目に入ってくる。建物、人、橋、川、山、海、空。ひとつひとつを理性でスピーディーに処理しながら、足は絶えることなく一定のリズムで円をまわし続ける。そんなところまで心地よく感じる自分は、本当に自転車が好きなのだと思う。</p><br><p>その日は、遠出して海の見える峠に長距離のサイクリングに出かけていた。通る車もまばらになり、緩やかな山肌をときどき立ちこぎをしながらじっくりと進んでゆく。ときどき反射する海の青い光が、テンションを上げるとともに、ドーパミンを流出させる。</p><br><p>買って3年になるロードレーサーは、試行錯誤をしながら完全に自分の体に合ったものに仕上げた。メンテナンスをするときは、自分の体の部位に語りかけながらマッサージをしている気分になる。これで回転がスムーズになるかな、ちょっと傷がついちゃったな、チェーンをもう少しきつくしようか。そうして前日話をした愛車のタイヤは、そこを走っていることを喜ぶように道路に吸い付き、ほとんど無音で高速回転を続けている。</p><br><p>峠を上りきり、小さいくだり坂を下る。ブレーキをできるだけ使わず、次のカーブを予測しながら体を傾けていく。風の音が耳のすぐそばで聞こえ、空気を切り裂く感触を十分に味わう。対向車線から来たトラックが車線をはみ出して目の前に現れたのはそのときだった。</p><br><p>気づくと体は投げ出され、崖への転落を防ぐためのガードレールに背中を激しく打ちつけた。かなり運はよかった。それだけの事故にも関わらず、両手両足は動いたし、海へ落ちることもなかった。しかし、視界には、フレームのひしゃげた自転車がうつりこんでいた。</p><br><p>慌てて車から降りてくるドライバーと、やわらかく降り注ぐ太陽光がその光景を映画のスクリーンのように装飾し縁取った。自分の体の一部のように扱っていた愛車が、もう原型をとどめない金属片と成り果てていた。</p><br><p>「君、大丈夫か！？　おう、大丈夫みたいだな。本当によかった。すまなかった。しかしよかった。ぶつかった瞬間、俺はとんでもないことをしたと思ったよ。絶対に殺してしまったと思った。本当によかった」</p><br><p>確かに、彰浩も自分の体が無事なことに驚いていた。ドライバーは、彰浩と自転車を、荷物の入っていない荷台に載せた。</p><br><p>彰浩は、荷台の中で自転車を見ながら、こいつが俺を守ってくれたのだという思いにとらわれた。自分の無傷さと比較して、自転車は完全に大破していた。</p><br><p>自宅まで彰浩を運んだドライバーは、親に謝罪し、事情を説明、連絡先を渡して帰っていった。</p><br><p>残された自転車に、そこで彰浩は深々を頭を下げた。</p>
]]>
</description>
<link>https://ameblo.jp/moon-stone-mhb/entry-10413722757.html</link>
<pubDate>Fri, 18 Dec 2009 02:53:58 +0900</pubDate>
</item>
<item>
<title>配達ピザ</title>
<description>
<![CDATA[ <p>ピンポン。</p><br><p>「あたし出るよ」</p><p>「おう」</p><br><p>電話でピザを注文してから40分。腹をすかせていた2人は、待ってましたとばかりに腰を上げた。</p><p>恵子が一応のぞき穴から相手を確認すると、前には大きな平べったい箱を持った、カラフルな制服を着た男がゆがんで見える。</p><br><p>「今開けます」</p><p>「お待たせしました。ご注文のスペシャルサラミピザになります。2890円です」</p><p>「はい。…あ、卓也、あたし財布にぜんぜんお金入ってなかった。1000円貸して」</p><p>「しょうがねえなあ」</p><br><p>卓也が財布に手を伸ばしたとき、突然ドアが締まる音とともに、</p><br><p>「動くな！！」</p><br><p>という叫び声が聞こえた。卓也が振り向くと、ピザの配達員は左手を恵子の首に回し、右手に持った銃を首筋に向けている。持っていたピザは無残に足元に散らばっていた。</p><br><p>「こっちが寒い中働いてるときに、お前らはピザ食ってセックスか。解せねえなあ。解せねえよ」</p><p>「おい。何をしてるんですか。やめてください」</p><br><p>突然訪れた不測の事態に、恵子も卓也も動転していた。何が起こったのか、どうすべきなのか、冷静な思考回路そのものが存在しなかったかのように、ただ目の前の光景を見つめてしまっている。</p><br><p>「おい、そこの男。アホ面してんじゃねえぞ。彼女がこんな目に遭ってんだぞ。なんか他に言うことはねえのかよ。なあ、ここでこの女犯させてくれたら殺さずに引き上げるぜ。そのあとは警察に通報でも何でもすればいいさ。でなきゃ今すぐにでも殺してやる。おい、どうする？」</p><br><p>恵子はすでに恐怖で顔を引きつらせ、小刻みに震えながら目からは涙を流している。</p><br><p>「どうしよう、卓也……」</p><br><p>卓也はしびれた頭を必死に働かせて考えていた。自分に残された選択肢には何があるのか。奴に飛びかかる。殺されるよりはましだと彼女が犯されるのを刃をくいしばって見る。バレないように何か他の人間に知らせる。</p><br><p>こんなとき、統計をとったらどんな結果が出るのだろうか。卓也が第一候補に挙げたのは、犯されるのを見ている、というものだった。俺が無理に助けようとすれば、恵子は殺されるかもしれない。それだけは嫌だ。犯されるのも屈辱に違いないが、しかし。</p><br><p>卓也は、そこに自分の命も惜しいという保身の気持ちがあることを、気づかないふりをしていた。自分が抵抗して刺されるかもしれないというリスクが無意識のうちに考えていた。</p><br><p>配達員の左手は、首から胸元へ下がり、手のひらはセーターの首の部分から胸にすべりこんでいく。ブラジャーを邪魔なものと上に払いのけながら、乳房を揉みしだき始める。</p><br><p>…</p><br><br><p>10年が経った。恵子と卓也の二人は結婚している。</p><p>「だんだんあったかくなってきたね。桜の花がもう少しで咲きそうだよ。わかる？」</p><p>「なんとなくにおいがするような気がするよ」</p><br><p>恵子は卓也の手をとり、介助をしながら道を歩んでいく。</p><p>あのとき、卓也は近くにあったアイスピックで自分の耳と目を刺した。二人は将来を誓いあっていた。お互いのうち、どちらが欠けてももう一方は、生きていても想像を絶する悲しみを負うことになる。あの状況で、恵子を助けられない以上は、恵子の屈辱を和らげることしか俺にはできない。そう考え、目をつぶし、音を遮断した。恵子は配達員に犯されたが、そのとき卓也は涙と血を流しながら蹲っていた。</p><br><p>耳は鼓膜をやぶいただけでなんとか聴力は戻ったが、目は失明を免れられなかった。</p><br><p>恵子は卓也の選択が、「二人」で歩む将来を尊重し、それを失うことのリスクを回避するためのものだとわかってはいた。だが、同時に卓也の中のエゴイズムの気配もまた、十分に感じ取っていたのだった。</p><br><p>あと数十年の月日を経なければ、選択の正否はわからないと、恵子は思っている。</p><br><br><br>
]]>
</description>
<link>https://ameblo.jp/moon-stone-mhb/entry-10408377160.html</link>
<pubDate>Fri, 11 Dec 2009 02:06:46 +0900</pubDate>
</item>
<item>
<title>嫌いなもの</title>
<description>
<![CDATA[ <p>嫌いなもの</p><br><p>・雨</p><br><p>・自慢</p><br><p>・しゃしゃり出てくるやつ</p><br><p>・偽善</p><br><p>・ブスなのに調子に乗っているやつ</p><br><p>・mixiで自分の悩みや考えを赤裸々に告白するやつ</p><br><p>・罰ゲームをしないやつ</p><br><p>・三振してヘラヘラしているやつ</p><br><p>・いつも言い訳を言うやつ</p><br><p>・傲慢なやつ</p><br><p>・言い方が見下した感じのやつ</p><br><p>・名乗らずにクレームを言ってくるやつ</p><br><p>・うんこが漏れそうでトビラをノックしているのになかなか出てこないやつ</p><br><br><br><p>こういうものを一切忌み嫌わず、怒りをあらわすことなく、戦わず、赦すことのできる者は、真の宗教者であり、もっと言えば神に近い人間なのである。</p><br><p>そして、そういうありがたいお人は、うんこをもらすか、便器のないところでうんこをすることになるのです。</p><br>
]]>
</description>
<link>https://ameblo.jp/moon-stone-mhb/entry-10399597863.html</link>
<pubDate>Sun, 29 Nov 2009 17:28:35 +0900</pubDate>
</item>
<item>
<title>秘密結社</title>
<description>
<![CDATA[ <p><font face="Arial" size="2">僕は子供の頃、大人は何でも知っているのだ、と思っていた時期があった。</font></p><p><font face="Arial" size="2">あるとき父に、</font></p><p><font face="Arial" size="2">「太陽はどうして夕方になると赤くなって、空も赤くなるの？」</font></p><p><font face="Arial" size="2">と聞いた。父は、</font></p><p><font face="Arial" size="2">「お父さんはずっとそういうものだと思って生きてきた。だから、理由を聞かれても実はわからない。誰か知っている人を探してその人に聞きなさい」</font></p><p><font face="Arial" size="2">と言われた。がっかりして、学校の先生にも聞いたが、その先生が質問に答えてくれたのは翌日の朝だった。</font></p><p><font face="Arial" size="2"><br></font></p><p><font face="Arial" size="2">もう少し大きくなって、僕は、世の中には普通の人にはわからない賢い人がいるのだと思うようになった。あるとき、近所の東大生に</font></p><p><font face="Arial" size="2">「カントのことを教えてほしいんだけど」</font></p><p><font face="Arial" size="2">と頼んだ。すると彼は、</font></p><p><font face="Arial" size="2">「僕は理系だからわからない。友達は文系だけど、哲学の話はどうかなあ」</font></p><p><font face="Arial" size="2">と言った。僕は、日本で最高に頭がいいと分類されている人でも知らないこがあると知った。</font></p><p><font face="Arial" size="2"><br></font></p><p><font face="Arial" size="2">もっと成長して、僕は東大に入り、無知な人間を馬鹿にしながら、それでも自分の知識の範囲がごく限られた範囲に限定されていることも重々承知していた。しかし、社会に出れば、その専門の分野でトップにいる人間、もしくは評価を得ている企業のトップはそれなりに凄いやつなんだろうと思っていた。知識は限られたものであっても、どこかしら尊敬できる部分があるのだろうと。あるとき、日本の総理大臣が漢字が読めないことを世間に露呈した。そんなレベルの人間が日本のトップにいることもさることながら、そんなくだらないことを騒ぎたてるマスコミの知能のレベルにも辟易した。きっと、資本主義の世の中で勝ち残っているとはいえ、企業の人間もたいしたことはないのだろう。</font></p><p><font face="Arial" size="2"><br></font></p><p><font face="Arial" size="2">そんなときにであったのが、秘密結社フリーメウソンだった。その組織の人間は、ありとあらゆる僕の質問に明晰に答え、直近の未来を非常に正確に予想した。僕はその組織に魅了された。その組織にいた10名ほどの人間のことは皆尊敬できたし、組織も僕が努力すればその組織の一員に加えてくれると約束した。</font></p><p><font face="Arial" size="2"><br></font></p><p><font face="Arial" size="2">僕は、手術を受けて脳にチップを埋め込まれ、それによって大幅に知識の吸収力と応用力、判断力、想像力までもが増大した。もはや人智を超えた能力であった。</font></p><p><font face="Arial" size="2"><br></font></p><p><font face="Arial" size="2">しかしその後、一様にルックスに恵まれなかった組織のメンバーたちは、あるフィリピンパブに夢中になり、3名がフィリピン人と結婚し、3名がだまされた。残りの4名は、フィリピンパブでもモテず、というよりもうまく会話を弾ませられず、毎日つまらなそうな顔をして生きていた。</font></p><p><font face="Arial" size="2"><br></font></p><p><font face="Arial" size="2">僕は思った。期待しすぎちゃダメなんだ、と。</font></p>
]]>
</description>
<link>https://ameblo.jp/moon-stone-mhb/entry-10399590755.html</link>
<pubDate>Sun, 29 Nov 2009 17:04:09 +0900</pubDate>
</item>
<item>
<title>なにも起こらない一日</title>
<description>
<![CDATA[ <p>日が傾き始め、街では大勢の人間が食事をとって日暮れまでの冬の短い時間を有意義に過ごそうと歩き回っていた。</p><br><p>聡はその時間、自宅のベッドでようやく目を覚ました。</p><br><p>昨日は、友人と軽く酒を飲み、夜の2時に帰宅してシャワーも浴びずにベッドにもぐりこんだ。起き上がり時計を確認し、ぼんやりとした頭で自分が12時間も寝てしまったことを確認する。</p><br><p>仕事をしている平日でも、なんら変わることなく毎日が過ぎ去っていく。自分はどうなりたいのか。何をしたいのか。目標を立てたり、イメージ（妄想）をしたりすることは日常的に行っているが、長いスパンで振り返ると、それを達成したことはもちろん、覚えていたことすらほとんどない。</p><br><p>病気にはいつなるかわからないし、事故に遭う可能性だってある。「明日死ぬかもしれない」と思えばもっと1日を大事に生きようとも思うのだが、「明日は明日の風が吹く」「太陽は必ず昇ってくる」などと、いつか偶然性によって自分が何者かになるチャンスが巡ってくるのではないかと、いつも楽な方向に逃げてしまう。</p><br><p>そうしているうちに、60年が経ち、聡は85歳で死んだ。そのときの日本人の平均年齢ぴったりの年だった。長生きするわけでもなく、早い死を惜しまれるわけでもなく、日々死んでいく人間たちの年齢の総和を人数で割った数、その計算式の答えと同じ年で死んだ。</p><br><p>別に後悔はしなかった。たいした幸福もなかったが、絶望するほどの不幸もなかった。こんなもんだろう、と思った。</p>
]]>
</description>
<link>https://ameblo.jp/moon-stone-mhb/entry-10399574408.html</link>
<pubDate>Sun, 29 Nov 2009 16:49:24 +0900</pubDate>
</item>
<item>
<title>オリンピック新競技</title>
<description>
<![CDATA[ <p>2024年、オランダはアムステルダムで行われたオリンピックでは、新競技に注目が集まっていた。</p><br><p>会場では、満員に埋まったスタジアムの各国の応援団が選手たちを固唾を飲んで見守っていた。</p><br><p>新競技『脱糞』。</p><br><p>それぞれ母国での熾烈な代表選考を勝ち上がってきた猛者たちだ。屈強な肉体をさらしたロシアの巨漢。その体のどこにそんなうんこが、と思わせるタイ代表選手。</p><br><p>試合前日の食事はもちろん自由。各々が、思い思いの食事を口にする。日本代表の如月は、ゲンをかついで焼肉を食べた。肉と米はもちろん日本から持ってきたものだ。この競技には、「剛に入れば郷に従え」などということわざは全くあてはまらない。</p><br><p>しかし、如月は万全を期したにも関わらず、やはり初出場の緊張のためか、初めて見る各国の大観衆を目の前にした気恥ずかしさからか、思うように便が出ず、タイムアウトで失格。</p><br><p>大本命のアメリカ代表ミッチェルは、ドーピング疑惑で本戦に出場できない。最激戦区と呼ばれるアメリカ予選を突破するためとはいえ、下剤を飲むのはいただけない。</p><br><p>優勝したのは、8名で争われる決勝で、長さ39センチ、重さ1.9キログラムの世界新記録を出したスイス代表選手であった。</p><br><p>「お母さん、こんなに長い大腸を持った体に産んでくれてありがとう」</p><br><p>インド代表は試合後、こうコメントしている。</p><br><p>「原っぱでの和式スタイルで競技が行われていれば、結果は全く違ったものになっただろうよ」</p><br><br><p>一方で、もう一つの新競技も白熱の攻防が繰り返されていた。</p><br><p>『SEX』</p><br><p>放映権をめぐって莫大なマネーを生んだこの競技。国によっては18禁の指定について国会で議論がなされるなど、スポーツの枠を大きく超えた話題を呼んでいた。</p><br><p>アムステルダムの赤線地帯につくられた巨大なコロセウムのモニタでは、必至に技を繰り出すブラジル代表の肉体と、後攻に備えてその様子を見守るスペイン代表の表情が交互に映し出されていた。</p><br><p>金メダルを獲得したのは、ダークホースの最年長67歳のウズベキスタン選手だった。</p><br><p>決勝の審判を務めたマリリンは語る。</p><br><p>「初めてのオリンピック競技の決勝の審判の大役がまわってくるなんて、本当にラッキーだったわ。一番幸せなのは私ね。素晴らしかったわ。すごく素敵だった。何度も何度も…、あら恥ずかしいわ。お父さん、見てる？　ごめんなさい！　でもね、最後はお父さんの言う通り、“やさしさ”で決めたわ！！」</p><br><br>
]]>
</description>
<link>https://ameblo.jp/moon-stone-mhb/entry-10396943032.html</link>
<pubDate>Thu, 26 Nov 2009 01:53:52 +0900</pubDate>
</item>
<item>
<title>告白</title>
<description>
<![CDATA[ <p>俺は今、告白しようとしている。</p><br><p>相手は、同じ課の１年後輩のひとみ。</p><br><p>仕事の帰りに1度食事に行き、今回は休日に2度目の食事に来た。場所は恵比寿。時間は夜10時半。</p><br><p>しかし、26歳の俺は、実は人生で、「恋の勝負」をした経験がほとんどない。</p><br><p>思えば、告白なんぞをしたのは幼稚園のころが最初で最後だっただろうか。彼女はいたが、向こうからアプローチされたか、なんとなく付き合ったという経験しかない。</p><br><p>はて、大人はどういう風な言葉をもって交際をスタートすればいいのか。ひとみはかわいいし、ただSEXをするだけではなく、付き合いたいという気になっている。しかし、今こうして歩いていて、どこでどう言えばいいものか。駅まであと2分ぐらいで着く。屋根がある駅の敷地に入ってはおそらくダメだろう。何か言い訳をつけて引き返すか？いや、もう飯食ったし完全に帰る雰囲気だろ。とりあえず今話してるくだらないゲイの友達の話をやめるか。不毛でしかないもんな。いやでも、盛り上がってはいるんだよな。こんなこと考えながらでもどんどんゲイの話は口から出てくるよ。すげーなおい。いやいやちゃんと言おうぜ。もういい歳だろう。また次があるとか考えちゃダメだろう。決めるときは決めようよ俺。さて、なんて言えばいいんだろう。恥ずかしいけど、家でしっかり考えてくればよかったな。ノートとかにいっぱい書いてみればよかったか。「好きだ」「付き合ってくれ」「付き合ってください」「俺の彼女になれ」。いやー、俺東京に染まっちゃったな。方言出したほうが自然か。「好きなんよ」「好きだわ」「付き合わん？」こっちのほうがいいやすいけど寒いよな。うーん。まずはタイミングだな。会話やめるか。ゲイの話を収束させて。よしよし、会話をやめて、沈黙をつくって、口説きモードにして、「ちょっと、今話してたことと全然関係ないんだけどいいかな？」</p><br><p>「ダメダメ！　あたしゲイの話もっとしたい！」</p><br><p>「いや、それはもうさっきある程度終わったでしょ」</p><br><p>「佐藤さんまだまだ話のストックありそうじゃないですか！　あ、もう駅だ。帰ります？」</p><br><p>「いや、まだ帰したくないな」</p><br><p>「あ、さっきの友達から借りてるっていうゲイのDVDのことですか？」</p><br><p>「違う違う。いや、だからその、君をだよ」</p><br><p>「…………………………」</p><br><p>「意味、わかるよね？」</p><br><p>「わかりません」</p><br><p>「付き合ってほしいんだけど」</p><br><p>「せっかく言っていただいたので正直に言いますけど、私初体験の人が唯一経験した男性なんですけど、彼マサイ族で、真っ黒なものさしみたいなやつしか見たことないんです」</p><br><br><p>「大丈夫。俺のは真っ青な物干しみたいだから」</p>
]]>
</description>
<link>https://ameblo.jp/moon-stone-mhb/entry-10396181577.html</link>
<pubDate>Wed, 25 Nov 2009 01:34:19 +0900</pubDate>
</item>
<item>
<title>酔い</title>
<description>
<![CDATA[ <p>博は、その夜、家までの道のりでずっと考え続けていた。</p><br><p>「ひどい酔い方をする前に、うまくいい酔いの状態をキープする方法はないのか」</p><br><p>博は、酒癖の悪さで有名だった。喉ごしを愉しみながら、気持ちよくビールを飲む。違う味が欲しくなり、焼酎を飲み始める。好きなウイスキーを飲み始める。大体、このへんで記憶はなくなり、翌日、痛む頭で一緒に飲んだ友人からの苦言を聞くことになる。</p><br><p>眠るときと、似ているのかもしれない。博はそう思った。寝るときも、その瞬間を知ることはできない。脳波上では境目があるのかもしれないが、本人からすれば起きたときまで「寝ていた」という事実に気づくことはできない。</p><p>酔うという行為に関しても、アルコールに脳が支配されるまでの穏やかなグラデーションを制御しようというのは、無理な試みなのか。</p><br><p>「そこの紳士、悩みごとがありそうだな」</p><br><p>声の方を見れば、手相占いをする一人の老婆が座っていた。</p><br><p>「わかりますか」</p><p>「わかるとも。手相じゃなく、顔相にはっきりと出ている。話してみなさい」</p><p>「はい。実は、私酒癖が悪いんですが、それでもお酒は大好きなんです。ですから、荒れないギリギリの状態を維持しながら飲めないかと思うのですが」</p><p>「なるほどな」</p><br><p>老婆は、少し考えてこう言い放った。</p><br><p>「一本の長い針を用意しなさい」</p><p>「針ですか」</p><p>「そうだ。一杯の酒を飲み終わり、次の酒を頼むごとに、その針をももに軽く刺しなさい。最初は痛いだろうが、だんだん痛みを感じなくなってくる。このぐらい痛みがなくなってきたらまずいな、というのを知ることができれば、もう過ちはおかさないだろうよ」</p><p>「それはいい」</p><br><p>博は次の酒席に老婆の言われたとおりに針を持っていった。一杯飲むごとに針をももに刺していったが、テキーラを飲む際、ショットを3杯一気に飲んでしまった。次のウイスキーを飲むとき、針を飲んでしまい、死んだ。</p>
]]>
</description>
<link>https://ameblo.jp/moon-stone-mhb/entry-10395441242.html</link>
<pubDate>Tue, 24 Nov 2009 01:53:07 +0900</pubDate>
</item>
<item>
<title>やきそば</title>
<description>
<![CDATA[ <p>「電車の中で食事をする大人が増加。マナー低下に鉄道各社困惑」</p><br><p>こんな見出しのニュースを見た。最近、電車の中でパンやおにぎり、カロリーメイトなどを食べる人が多いという。</p><br><p>中高生なら「最近の若いもんは」で済むのだろうが、大人だというからこんな記事も出るのだろう。鉄道各社は駅弁のことなど、一概に電車の中での飲食を禁止できない理由があり、個人のモラルにまかせるしかないらしい。</p><br><p>そんなときだった。電車に乗った僕の前には、立ちながらぺヤングソースやきそばを食べる男がいた。</p><br><p>彼は、大体20代後半といったところか。背は高く、イケメンではないが決してブサイクではない。サラリーマンではないかもしれないが、しっかりと仕事はしていそうな感じ。髭も剃ってあり、清潔な身なりをしていた。</p><br><p>「あいつさ、上野でホームにお湯捨ててたぜ」</p><p>「マジかよ！」</p><br><p>隣の大学生2人が話している。彼は上野から乗ったらしい。</p><br><p>「ソースはいつ入れたのかな？」</p><p>「俺が見たときは駅員に怒られて、ちょっと場所移動してたからな。今うまそうに食ってるとこ見ると、どっかでちゃんと入れたんだろう」</p><p>「見てみ！　シャツにソースついてるぜ！」</p><p>「声でけえよ」</p><br><p>なるほど。シャツといっても、襟のところについている。恐ろしい瞬発力の持ち主で、本来かかるべき胸のあたりへのソースの飛び散りは回避したらしい。</p><br><p>「そもそもお湯はどうしたんだろうな」</p><p>「コンビニじゃないの」</p><p>「まあ普通に考えればそうだよな」</p><br><p>そんな会話をしているときに、男はやきそばを食べ終わったらしく、持っていたゴミ袋にゴミを入れた。電車内にインスタントのソース臭をまき散らしている悪人とはいえ、少しでもいいところを見ると感心してしまう。おかしなことだ。</p><br><p>ふと、彼はカバンの中から水筒を取りだした。お茶でも飲むのかと思っていると、ポケットから黄色い粉を水筒の上部についている部分を利用したカップに流し込んだ。</p><br><p>電車には、ポタージュの臭いが広がった。</p><br><p>「お湯入れたの、コンビニじゃなかったな」</p>
]]>
</description>
<link>https://ameblo.jp/moon-stone-mhb/entry-10394457778.html</link>
<pubDate>Sun, 22 Nov 2009 22:06:53 +0900</pubDate>
</item>
<item>
<title>この記事は表示できません</title>
<description>
この記事には一部、Amebaの健全なサイト運営にふさわしくない言葉・表現が含まれている可能性がある為アクセスすることができません。
</description>
<link>https://ameblo.jp/moon-stone-mhb/entry-10393868511.html</link>
<pubDate>Sun, 22 Nov 2009 01:12:40 +0900</pubDate>
</item>
</channel>
</rss>
