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<title>motokiのブログ</title>
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<description>恋愛小説を書いています。高校生の１７歳から２０歳になるまでの主人公「ダイチ」の恋の話です。携帯もない時代の普通のどこにでもある、ちょっと古臭い恋愛話。</description>
<language>ja</language>
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<title>「スナック」という名の物語。　ファイナル　完結</title>
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<![CDATA[ <p>　スナック「恋さん」店内。男２人プラス野獣。</p><p>　この野獣、俺がここから早く退去したいという思いを嗅ぎつけたのか、やけに扱いが雑だ。</p><p>　その一方で、食えると見込んだ友には、猫なで声で接する。</p><p>　わが友よ。相手が相手だ。お前もしらけるよなあ・・・</p><p>　「へえ～ジュゴンちゃんて、かわいい源氏名だね」</p><p>　「やあヴぁあ！照れちゃうヴゥ」</p><p>　そう来たのか友よ・・・。酔っているとはいえ、野獣を飼い慣らそうとするのか・・・。</p><p>　いかんぞ！飼い慣らすどころか、餌食になるのは時間の問題だ、友よ。俺がなんとかこの場を・・・</p><p>　「なあ、もうそろそろ帰ろうぜ」</p><p>　ありったけの勇気を振り絞り、俺は言った。野獣がにらみを利かせるが、ここでひるんでは、友の命が危ない。</p><p>　「アンタだけ帰れば」</p><p>　はっ、お客に向かって吐いた暴言。ジュゴンよ・・・そこまでして・・・。そんなことを言ったら我が友が黙っていないぞ！</p><p>　「ダイチ～やきもちやくなよ～。さっき小声でジュゴンちゃんてカワイイって言ってたじゃん」</p><p>　「ヴええええ、そっそうなのおおおお。やヴぁああああああ」</p><p>　「いや・・・」</p><p>　嫌だ。こんなの嫌だ。</p><p>　「帰れなんていってごめんなさい・・・。平等に接しているつもりなんだけど」</p><p>　唇をとがらせて言うなジュゴン・・・。吐き気とめまいがする。</p><p>　「ダイチはおっぱいの大きい人が好きだからなあ」</p><p>　たしかに・・・だがお前もわかるだろ・・・常識が！</p><p>　「もおおおおお　こ・の・す・け・べ。乳首ビームをお見舞いしちゃうぞ」</p><p>　なぜ・・・</p><p>　なぜ、こいつらは必要以上にとどめを刺そうとする。片方の胸の大きさが、俺の顔よりだかいのに・・・び・・・ビームって。</p><p>　「ダイチ！遠慮せず、挟んでもらえよ」</p><p>　「やあだあああああああああ」</p><p>　顔を赤らめるジュゴン。その首・・・絞殺したい。でも・・・首がない。</p><p>　しかし、あれだ・・・さっきから黙って聞いていれば、味方のはずの友が、なぜか店より？</p><p>　酔っているとはいえ、少しぐらい俺の気持ちもさっしてほしい・・・。</p><p>　が</p><p>　さらに拷問はつづく</p><p>　「カラオケ歌えよ！」</p><p>　「いいよ」</p><p>　俺がこういったところで歌わないの知ってて言うか友よ。</p><p>　「そんなこと言ったら場がしらけちゃうぞお」</p><p>　野獣よ森に帰れ！誰がお前らの言うことなんか聞くか！</p><p>　「しょうがないなあ・・・ダイチが歌わないなら俺が歌っちゃうぞ！」</p><p>　「さすがああ！！乗りのいい人ってカッコイイ！」</p><p>　シズカもそうだったし、ジュゴンもいちいちリアクションがオーバーで、聞いててへどが出る。商売だから客にヨイショは当然とわかっていても・・・それにのっかるほうものっかるほうだ・・・</p><p>　「尾崎の「１５の夜」をお願い」</p><p>　俺の気持ちをよそに、歌のリクエストをする友。</p><p>　あれか・・・やっぱり歌うんだ。しかし古い歌をチョイスしたもんだ。とにかく、この歌を歌い終えたら帰るぞ、友よ。俺の限界もそこまでしかもたん。</p><p>　さあ、思う存分この一曲を歌え！友よ・・・</p><p>　「♪盗んだバイクで走りだす～行く先もわからぬまま～♪」</p><p>　マイク片手に意気揚々の友。その友をあおりたてるように</p><p>　「きゃあああああ素敵いいいいいいいいいいいいいいいいいい！！！！！」</p><p>　と、「Ｘ」のファンを彷彿とさせる応援の声。</p><p>　誰が聞いても、下手な歌だと思う。重低音で、声は鼻声・・・音程もずれている。ジュゴンよ・・・せめて黙って聞いてられないのか？</p><p>　そして・・・</p><p>　歌い終えた。俺もこれでようやく・・・</p><p>　以下　私の解説とともに　金魚と野獣の会話をお楽しみください。（あまりに恥ずかしい内容なので、会話形式で）</p><p>　金魚　「俺、尾崎好きなんだ」</p><p>　野獣　「わたしも大好きなの～」</p><p>　金魚　「ええ趣味合うじゃん」</p><p>　野獣　「ねえ・・・昔悪さしてなかった？」</p><p>　金魚　「ん？まあねえ・・・」</p><p>　</p><p>　解説　もうここらへんでやめたいのですが・・・もう少し頑張ります。</p><br><p>　野獣　「やだあ！じゃあバイクとかって乗ってたの？」</p><p>　金魚　「まあ、盗んだやつだけどね」</p><br><p>　解説　友人はミッションが運転できません。なぜなら、私があげた５０単車を何度練習してもエンストばかりしていました。それにしても歌詞になぞって、平気で嘘をつきやがった・・・。</p><br><p>　野獣　「喧嘩とかもけっこうしたんだ・・・」</p><p>　金魚　「まあね・・・。俺に喧嘩売る奴はあまりいなかったけど・・・」</p><br><p>　解説　私と喧嘩をしたこともありますが、話になりません。渇揚げされた話は、またの機会に。</p><br><p>　野獣　「じゃあモテモテだったでしょ？」</p><p>　金魚　「いやあ、そんなことないよ」</p><p>　野獣　「もおお謙遜してえええ」</p><p>　金魚　「特定の彼女はいなかったけどね」</p><br><p>　解説　彼の学生の時のあだ名「マスターベーコン」略して「ベーコン」。オ○二―ばかりしている寂しいチェリーボウイが由来。　</p><p>　もうそろそろやめよう・・・これ以上は・・・</p><p>　なぜこいつが友達か疑問をもつ前に</p><br><p>　ＦＩＮ</p>
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<link>https://ameblo.jp/motoki5963/entry-11095362404.html</link>
<pubDate>Fri, 02 Dec 2011 11:20:05 +0900</pubDate>
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<title>「スナック」という名の物語。　ファイナル手前</title>
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<![CDATA[ <p>　はじめに　本文中に出てくるアーティスト尾崎豊さんという方。もうすでに亡くなられていますが、知らない方のために。</p><p>　代表曲は「Ｉ　ＬＡＶＥ　ＹＯＵ」になるんですかね。私の世代のひとつ前になるのですが、今もなお、カリスマ的存在として、老若男女、世代を問わず人気があるように思います。</p><p>　私の一番好きな曲は　「オ―マイリトルガール」です。暇な時、ぜひ聴いてみてくださいね。</p><p>　では　</p><p>　ファイナルの世界へ</p><br><br><p>　「カランコロ―ン」</p><p>　入口ドアに付けられた鈴が鳴る。</p><p>　「はあーい」</p><p>　シズカちゃんが席を立ち、ドアへと歩いて行く。</p><p>　もしや？友が待ちに待った例の女の子か・・・。そう思い友を見ると、期待に胸ふくらませ、今にもどこかへはじけて飛んでいきそうな様子。目は大きく見開き、口は半開き。こかんあたりをモジモジといじりだし、なみなみと注がれたコップの酒を一気飲み。</p><p>　「ダ・・・ダイチよ」</p><p>　「なんだよ」</p><p>　「俺なんか・・・照れちゃうな」</p><p>　なんとも分かりやすい男というか。先ほどまでのカラ元気が嘘のように、今じゃ</p><p>　「恋する男の子」になり果てた。まるでメロンパンナちゃんのメロメロパンチを食らったかのようだ。</p><p>　うぶな奴よの～</p><p>　と、思わず言いたくなる。</p><p>　今にして思えば、ほほえましくも、心なごんだこの一瞬を境に、スナックの魔物が牙をむいて俺に襲いかかってきた。</p><p>　そう、今にして・・・あのベルの音がはじまりの合図だったのだ。　アーメン。</p><br><p>　規格外の女。想像をはるかに超えた雌。もし「雌豚」と表現したら、豚がかわいそうと思うほどの珍獣。</p><p>　外見で人を差別してはならない。</p><p>　重々承知しております、わたくしは。</p><p>　でも・・・</p><p>　でもこれだけはいわせてもらいたい。</p><p>　いや</p><p>　言わなきゃいけないんだ。</p><p>　「グロテスク（リアル）なちんちんをつけたドラえもんだああ！！」</p><p>　もうそれはすでに人ではない。人に例えるなんておこがましい。ふくよかな女性が持つ、優しさオ―ラなど微塵も感じられない。眉毛がない。首がない。くびれがない。愛想がない。</p><p>　ないないないないないない・・・。</p><p>　息荒く、鼻をほじりながら、シズカちゃんと話をしている彼女？を見た、俺の第一印象。</p><p>　まさか・・・まさかアレがマキちゃん？</p><p>　「おい！！ま・・・まさかあ！あれがマキちゃんかあ？」</p><p>　興奮を抑えようともせず俺は友に訪ねた。</p><p>　「違うにきまってんだろおがあああ！！！！！」</p><p>　俺以上に興奮した友が答えた。</p><p>　なぜか少しホッとして</p><p>　「ああよかった」</p><p>　と、かえすと</p><p>　「よくねえ・・・なにもよくねえええええ！！！」</p><p>　と、今にも暴れ出しそうな友。目が据わっている。さっきの一気飲みで完全に酔っぱらっているのだ。</p><p>　俺はこういうとき、いったいどうすればいいんだ。だれか・・・</p><p>　だれか助けてください！（「世界の中心で愛を叫ぶ」より参照）</p><p>　「ごめんなさ～い！夜勤の子と交代するんでシズカ帰りま～す。代わりに、私よりキュートな人を紹介しますね」</p><p>　こちらの空気を一切読み取ろうとせず、今までとうって変わった明るい声で、シズカちゃんが言った。</p><p>　「ばたし、ジュゴンって言います。よろピくね<img style="BORDER-BOTTOM: 0px; BORDER-LEFT: 0px; BORDER-TOP: 0px; BORDER-RIGHT: 0px" class="emoticon heart" alt="heart" src="https://img-proxy.blog-video.jp/images?url=http%3A%2F%2Fblog.ameba.jp%2F.shared-pleasy%2Fv1.39.r15%2Fimages%2Femoticon%2Fheart.gif">」</p><p>　馬刺し？ピく？　そう言われて、笑うしかない。</p><p>　「はっはっは・・・どうも」</p><p>　と、答えるのが精いっぱい。友と言えば</p><p>　「・・・」</p><p>　返事すら出来ずに、自分で酒を注ぐ始末。</p><p>　だがまてよ。さすがに友もここでお開きにするはず。目当ての子が来ない以上、この店に居続ける理由がない。俺もこいつに絡まれるのはごめんだし・・・。見方を変えれば、ジュゴンちゃんは、俺を助ける天使ととれなくもない。</p><p>　さああ！帰ろう友よ・・・。お前にはまだ明日がある。立ち上がるんだ。友よ・・・。</p><p>　友よおおおおおおお！！！！</p><p>　「あっ、そう言えばマキちゃんからさっき電話があって、もうすぐ店に着くって」</p><p>　おいシズカ。お前・・・俺たちが帰ろうとするのを見越して、図りやがったな・・・。だが、そんな手には乗らんぞ！</p><p>　なあ友よ！</p><p>　「マジマジマジ！！！！僕まっちゃう！まっちゃうもん」</p><p>　これぞラブ注入・・・。死にかけて浮いてきた金魚がまた泳ぎ出す。また網ですくわれるとも知らずに・・・。</p><p>　さしずめ、金魚とジュゴンの子守唄と言ったところ。</p><p>　俺の長い夜は今、はじまったばかりだ。</p><br><p>　つづく　（やっぱり長くなると思っていた　ぺこり）　次回こそファイナル？</p>
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<link>https://ameblo.jp/motoki5963/entry-11095361826.html</link>
<pubDate>Fri, 02 Dec 2011 11:18:57 +0900</pubDate>
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<item>
<title>「スナック」という名の物語。　後編</title>
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<![CDATA[ <p>　「ちょっと下痢ぎみで・・・」</p><p>　トイレから生還したシズカちゃんの第一声。</p><p>　「・・・」</p><p>　乙女の恥じらいは・・・。何十年も連れ添った夫婦の会話か！と、突っ込みたくもなる。</p><p>　シズカちゃん・・・君にロマンスは求めていない。でも・・・</p><p>　でも・・・</p><p>　君はいったい、何で拭いたんだい？まさか・・・本当に手で・・・</p><p>　「おいダイチ！かわいい子が横に座っているからって無口になるなよ」</p><p>　友よ・・・お前はもう酔ったのか？</p><p>　「いや・・・気になって」</p><p>　「そうかあ、やっぱりな。ダイチはメンクイだから」</p><p>　「ははは」</p><p>　ここは笑うしかない。</p><p>　しかし、笑えば笑うほど、顔が引きつる。ここはもう、お酒の力でなんとかしないと…。</p><p>　「あの、お酒は・・・」</p><p>　「あらごめんなさい。何がいいですか？」</p><p>　またまた、友達がキープしているボトルがあるくせに・・・。メニューから選んだら、えらい高くつくのはお見通しだ。</p><p>　「ダイチ遠慮しないで好きなの飲めよ！」</p><p>　「きゃああああ　す・て・き。あなたってキップがいいのね」</p><p>　あのな・・・友よ。ここで男をあげて何の意味がある？！ここでドンぺリ頼んでもかまわんのか・・・。青ざめたお前の顔を見てみたい気もするが、ここはひとつ我慢我慢。</p><p>　「いいよ。お前のいれてるボトルで」</p><p>　と、友を気遣ったつもりが</p><p>　「まっ、お前がそう言うなら・・・。じゃあシズカちゃん、俺のマイボトルをお願い」</p><p>　「はあ～い。あと、シズカのラブ・ボトルもあるけど・・・」</p><p>　「楽しみは後に取っておくよ」</p><p>　「やあだああああ」</p><p>　マイボトルにラブボトル・・・なんだかすごくイライラしてきた。こいつら２人、迷える子羊どころか、さ迷うハイエナだ。隙あらば、他人の獲物に食らいつく。</p><p>　まあ、俺は獲物をはなから持っているわけではないが・・・。「スナック」には獲物ならぬ「魔物」が住んでいるのは間違いなさそうだ。</p><br><p>　つづく（引っ張るつもりはないのだが・・・ぺこり）</p><p>　次回のさわりを</p><p>　新たな敵がダイチを襲う。消耗の激しい心理戦の中、ダイチは耐えられるのか？</p><p>　男と女のラブ？ゲーム。　</p><p>　「おい・・・そりゃねえだろ・・・なあ・・・友よ・・・」「乳首ビーム！」</p><p>　その言葉に隠された意味とは？　怒涛のファイナル！</p><p>　お楽しみに！　</p>
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<link>https://ameblo.jp/motoki5963/entry-11095361317.html</link>
<pubDate>Fri, 02 Dec 2011 11:17:38 +0900</pubDate>
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<title>「スナック」という名の物語。　中編</title>
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<![CDATA[ <p>　駅から歩いて５分。そのスナックは、地下1階に店を構えていた。</p><p>　木でできた手作り風の看板に「恋さん」と書かれた看板。その看板をよく見ると</p><p>　ぼったくり　糞ババア</p><p>　と、黒いマジックで書かれた跡がある。その落書きを消すためシンナーを使ったのか、看板の「恋さん」は「恋ちん」とも読める。</p><p>　「どうでもいいけ、俺は座って飲むだけだぞ」</p><p>　スナックへの入口。その扉を開ける前に友人に確認する。</p><p>　「わかっているけど・・・大丈夫だって」</p><p>　「何が大丈夫？」</p><p>　「俺のマキちゃんのほかに、もう一人女の子を用意してもらっているから」</p><p>　「ええ・・・俺はいいよ。別に1人で勝手にのんでるから」</p><p>　「俺のおごりなんだから気にするなって」</p><p>　「別にそれは気にしてないんだが」</p><p>　よわった・・・相手は商売っ気たっぷりといった先入観がある以上、何を話しても面白くない。キャバクラもそうだが、黙っていれば執拗にカラオケを勧められ、会話したらしたで、続かない。それでも、そっとしておいてくれるならまだいいが・・・。</p><p>　「かわいい子だってよ！」</p><p>　「・・・」</p><p>　「工藤静香に似てるんだってよ」</p><p>　「・・・」</p><p>　工藤静香か・・・本人がいればキレイなんだろうけど・・・本人でない○○似は危険だ。</p><p>　まあ、きれいな人なら、俺も男だ。たとえ会話がなくとも、まんざら悪い気はしない。</p><p>　「とにかく、ここでしゃべってないで店に入ろうぜ」</p><p>　「ああそうだな」</p><p>　そう言って店の扉を開けた。</p><p>　薄暗い店内。</p><p>　カウンターで何か作業をしていた女性がこちらに気づき</p><p>　「いらっしゃいませ」</p><p>　と、声をかけ近づいてきた。</p><p>　俺は友達の後ろで下を向き、案内されるのを待った。</p><p>　友達　「あれ？今日マキちゃんは」</p><p>　女性　「ええっと・・・もうすぐくるみたいだけど・・・」</p><p>　友達　「あそう・・・今日行くってメールしといたんだけど・・・」</p><p>　女性　「あの・・・もうすぐきますから、飲んでまっててくださいよ」</p><p>　友達　「じゃあダイチ。俺たちだけで飲んでようぜ」</p><p>ダイチ　「ああ・・・そうだな・・・」</p><p>　まず、9割方来ないだろう、マキちゃんは・・・。うろたえた女の声でわからんか友よ…。</p><p>　帰ろうと、いってもまず無理だろうけど・・・。</p><p>　とりあえず席に座り、店内を見回す。4人がけくらいの狭いカウンター。テーブルも４人がけが２組。それとカラオケ・・・。狭くて、窮屈な感じもするが、他に客さえ来なければ、落ち着いた感じもする。</p><p>　「おいダイチ！」</p><p>　「なに？」</p><p>　「顔見たろ？」</p><p>　「誰の？」</p><p>　「とぼけて。さっき案内してくれた子だよ」</p><p>　「ああ。でも見てないけど」</p><p>　「たぶんあの子が、今日のダイチの・・・」</p><p>　「たしか工藤静香に似てるって子？」</p><p>　「そうだ！俺の事は気にしなくていいから。楽しく飲めよ」</p><p>　「・・・そうだな」</p><p>　ここであれこれ言っても仕方ない。せっかく来たわけだし、成り行きに身を任せよう。</p><p>　そうしよう。</p><p>　「あの～隣の席いいですかあ」</p><p>　きたきたきたきた。</p><p>　「どうぞ」</p><p>　さあて、どんな女性か拝見。</p><p>　「はじめまして。シズカって言います」</p><p>　「あっ、は・・・」</p><p>　と言いかけて・・・思わず唾をのむ。</p><p>　今にも死にそうな工藤静香が横にいた。</p><p>　目の下は黒く、ほほはコケ、唇に潤いもなく、それはまるで干からびたミイラ。</p><p>　言いすぎだとか、誇張しているといわれても前言撤回などしません。</p><p>　だって・・・だってだって</p><p>　「ちょっちゅお手洗い」</p><p>　そう言って彼女は、席について１分もしないうちに、そそくさとトイレへ。</p><p>　「なあ・・・彼女具合悪そうだけど」</p><p>　と、俺が心配するのをよそに</p><p>　「マキちゃん・・・なんで君はいないんだい」</p><p>　と、意気消沈の友達。</p><p>　２人の悩める子羊立ちに、俺はどんなふうに接すればいいか・・・。</p><p>　ああ神よ～　</p><p>　そんなすがる思いの中</p><p>　「神がなあ～い」</p><p>　と、トイレのある方角から声がした。</p><p>　手で拭け！そう言い返したい気分の夜だった。</p>
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<link>https://ameblo.jp/motoki5963/entry-11095360621.html</link>
<pubDate>Fri, 02 Dec 2011 11:16:42 +0900</pubDate>
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<title>「スナック」という名の物語。　前編</title>
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<![CDATA[ <p>　お酒を飲まない人。のめない人。女性。女性に興味のない人。社交場の嫌いな人。行きたくても行けない人。</p><p>　とにかく　「僕のスナック体験記」を読んで、行った気分を味わおう！</p><p>　キャバクラじゃないよ「スナック」だよ。もちろんお菓子でもないよ。</p><p>　はじまりはじまり　　（拍手を）</p><br><p>　僕の友達は「スナック」に通っていたよ。すごくグラマラスでキュートな雌豚にはまっていたよ。</p><p>　あっごめん、雌豚なんて言ったら失礼だね　はは</p><p>　その雌豚が、僕の友達からお金をとめどなく吸い上げているんだ。</p><p>　ちなみに友達の毎月の給料は、手取りで１８万円。まじめにコツコツと汗を流して働いたそのお金を</p><p>　そのお金を・・・。</p><p>　僕は決めたんだ。友達がいれあげるその雌豚に直接会って</p><p>　「君（雌豚）は、本当に彼の事が好きなのか～い？」って聞いてやろうと、決めたんだ。</p><p>　えっ？お節介だって</p><p>　違うよ違うよ。僕は本当に友達が心配なんだ。本当だよ・・・　ふふ</p><br><p>　「なあダイチ、頼むよ」</p><p>　「めんどくせえ」</p><p>　「一回でいいからさあ」</p><p>　「スナックってあれだろ、おばちゃんがいて、カラオケとか歌って、わけのわからない割増料金取られて・・・」</p><p>　「そこは良心的な店なんだってば」</p><p>　「キャバクラとかでいいだろ！？完全料金制だし、同年代の子とかいるんじゃない」</p><p>　「たあのおむうよお～。俺がおごるからさあ」</p><p>　ごかいちないでほちいのは、「おごる」の言葉につられたわけじゃないんだよ。</p><p>　あのとき、よくよく話を聞くと</p><p>　「わかったけど、なんで俺におごってまでスナックに行きたいんだ？」</p><p>　「俺のマイハートをキュンとさせたマイラバーソウルフルなステデイが、ウエルカムしている店に行きたいのさ」</p><p>　「死ね」</p><p>　普通、話はここで終わりだね。でも・・・でも僕は見捨てない。</p><p>　なんで？</p><p>　なんでって・・・それは・・・それは・・・友達だからさ　ふふふ</p><p>　「じゃあ決まりだ！」</p><p>　「気に入った子がいるなら、俺がいても邪魔なだけだと思うんだが・・・」</p><p>　「俺もそう思うけど・・・けどマキちゃんが「一度くらいお友達連れてきてよ～」ってせがまれちゃって」</p><p>　お前、それは営業トークじゃねえか、と言えない僕。なんだかワクワクするのは気のせい？</p><p>　「で、もしかして「なんかほしい～」とか言われたことない？」</p><p>　「ないけどなんで？でも・・・記念日とかはやっぱなんかあげたいじゃん」</p><p>　「誕生日を筆頭に記念日いっぱいあったりして・・・」</p><p>　「そうなんだよ。こないだは俺のはつ来店記念日だったな」</p><p>　「なんかもらったの？」</p><p>　「いや、ケーキ買っていったけど」</p><p>　客によって変わる誕生日。何かにつけて記念日を設ける集客術。やつのここまでの話だけでも、いかに「カモ」にされているかが、うかがわれる。</p><p>　して・・・</p><p>　よほどの美人なのか？フェロモンむき出しのカワイイ系か？</p><p>　いけないいけない。言葉が少し野蛮だね、僕。　反省。</p><p>　たとえ相手がどんな奴だって、僕が友達を守って見せる。僕は・・・僕は、正義の味方</p><p>　「ぼったくり壊滅戦隊　タ忍ノフコウハミツノアジー」</p><p>　「なんか言ったかダイチ？」</p><p>　「いやなにも」</p><p>　「じゃあ、さっそく今日の夜な」</p><p>　「ああ」</p><br><p>　かくして２人は夜のネオン輝くスナック　「恋さん」へ。</p><p>　次回予告</p><p>　死にかけの工藤静香。盗んだバイクは俺のだったｂｙ尾崎豊。イスを２つ並べて使う女。見たぞ！３割水足し。き・・・君鼻毛出てるよ。</p><p>　涙がほほ伝う　感動の後編　お楽しみにね！</p>
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<link>https://ameblo.jp/motoki5963/entry-11095360082.html</link>
<pubDate>Fri, 02 Dec 2011 11:15:19 +0900</pubDate>
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<title>夏恋２部　勝負　大好き　６</title>
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<![CDATA[ あれ・・・ダイチの姿がねえな・・・せっかく学食をおごってやろうと思っていたのに・・・ <p>　３時間目の授業も終わり、野田は教室でダイチを待っていた。２時間目の授業の終わりごろに脇野に呼び出され、トイレで話し込んだ後、教室に戻った時には、すでにダイチの姿は見当たらなかった。</p><p>　どうせ３時間目は授業をさぼって、お昼にはまた教室に戻ってくる・・・</p><p>　そう思っていた。しかし、教室には戻っては来なかった。いつもなら学食に来ないダイチでも、お互いに声を掛け合ってから別々に昼を過ごしていた。</p><p>　おそらく、いつも通り校舎外の売店で食事を済ませてはいると思うけど・・・やっぱり川島アイちゃんのことで・・・。</p><p>　「お～い野田！」</p><p>　教室に勢いよく走り込んで脇野が野田に声をかけた。野田は一瞬ダイチかと思い</p><p>　「よおー」</p><p>　と、返事をして振り返った。</p><p>　しかし、それが脇野と分かり残念な顔をした。</p><p>　なんだ・・・脇野か・・・</p><p>　「おい！今残念って顔をしただろ！」</p><p>　と、脇野が言うと</p><p>　「その通りだ…」</p><p>　と、素っ気なく返事を返した。</p><p>　「学食を一緒に俺と行きたいと思ってわざわざ来たのに・・・」</p><p>　「どうもありがとうございます。それはそれはご足労をおかけいたしました」</p><p>　「やだなあ～野田君！そんな言い方されると・・・」</p><p>　「お前はどうでもいいんだけど・・・ダイチを見なかったか？」</p><p>　「・・・ダイチね。ダイチは見てないけど・・・やっぱり落ち込んでいるのかな？」</p><p>　「だと思う。アイちゃんが別の人に告白すると思っているからな・・・。まあ、これも全部脇野のせいだけどな」</p><p>　「おい！おいおい！俺のせいって・・・たしかにアイちゃんの話を勘違いしたのは事実だけど、全部俺のせいとは・・・」</p><p>　「なに本気で受け取ってんだよ。そんなことより、やっぱりダイチに本当の事を教えちゃまずいのか？」</p><p>　「アイちゃんに口止めされたんだよ「絶対にこのことは内緒にして、絶対約束」って・・・」</p><p>　「絶対か・・・」</p><p>　「だけどさ！アイちゃん本人がダイチに告白すればそれで万事解決じゃねえか！お互いに両想いだってわかればさ！」</p><p>　「そうだな・・・俺たちが言わなくても、ちゃんとうまく事が運べばな・・・」</p><p>　野田は脇野にそういいながら、頭では悪い予感がはしった。</p><p>　脇野のいうように「万事解決」になればいいと思った半面、どこかで「一大事」にならなければとも思った。</p><p>　ダイチは頭の中で色々と考えすぎて、自分の思っていることと、口に出る言葉が反対にでる場合がある。恥ずかしい気持ちからであればいいが、意固地になっての言葉はいい結果を招かないこともある。自分の気持ちを押し殺してまで、相手の気持ちを優先するダイチが、果たして素直に「アイちゃんの気持ち」を受け取るだろうか？</p><p>　「心配な顔しているけど野田！俺とお前がついてるんだぜダイチには！とにかく今は成り行きを・・・な！」</p><p>　考え込む野田に脇野が背中をたたいて言った。</p><p>　「お前もたまにはいいこと言うな！」</p><p>　と、野田が返した。</p><p>　「だから学食をおごってね！」</p><p>　と、脇野は真剣な顔から一転、甘えた声でいうと</p><p>　「お前だけにはおごらない」</p><p>　と、冷たく脇野をあしらった。</p>
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<link>https://ameblo.jp/motoki5963/entry-11095358429.html</link>
<pubDate>Fri, 02 Dec 2011 11:12:28 +0900</pubDate>
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<title>夏恋２部　勝負　大好き　５</title>
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<![CDATA[ <p>　右手親指の回りに巻いていた包帯をダイチは解いていた。痛みがジンジンと親指から脳へと伝わっていた。ほんの少し親指が何かにあたっただけでも激痛がダイチを襲っていた。</p><p>　２時間目の授業も終わり、ダイチのいるクラスは３時間目の体育の授業へとうつっていた。怪我をしていたダイチは授業をさぼり体育館横の部室脇に設置された水場にいた。水道の蛇口をひねり、腫れあがった親指を冷やしていた。</p><p>　くそお・・・なんでいつも俺はこうなるんだろうか・・・</p><p>　怪我の痛みもそうだが、それにもまして心が痛んでいた。</p><p>　誰だって、男だって女だっていずれは彼氏彼女ができる。カッコいい奴、カワイイ奴・・・その上優しい奴なら当たり前だと・・・。</p><p>　もしかしたら・・・アイツは誰も好きにならずに・・・もしかしたら・・・また俺と・・・</p><p>　痛みが引くまでと、親指を水で冷やしながら、ダイチは川島アイを想った。痛みを、全ての痛みを、忘れようとすればするほどにジンジンと心が痛んだ。</p><p>　親指の色が青白く冷め、右手の感覚が鈍るほど冷やすと、蛇口をひねり水を止めた。そうして家から持参した新しいシップを親指に貼り、１００円ライターを添え木がわりに充て、その上から包帯を巻いた。医者に行かなくても、この繰り返しさえしていれば怪我は治るとダイチは思っていた。</p><p>　怪我と同じなんだ。いずれは治る。そうだ・・・きっとまた元通りになって痛みなんかなくなるさ・・・きっと。</p><p>　体育の授業時間はまだ３０分ほど残っていた。何もすることのなかったダイチは、野球部の部室へ行こうと思った。その部室には時間をつぶすのに「エロ本」と「タバコ」が隠して置いてあるのを知っているためだった。</p><p>　そういえば部室で野田と脇野と一緒に「デート反省会」したっけ・・・</p><p>　そんなことが頭をよぎり、顔から少し笑みがこぼれた。デートでの失敗を脇野にからかわれて喧嘩をしそうになったことや、２人に質問攻めにあい、しぶしぶ一部始終を話したことを思い出した。</p><p>　もう１年近くたったのか・・・</p><p>　ダイチの心にまた、鈍い痛みが走った。</p><p>　エロ本でも読んですかっとするかあ・・・</p><p>　そう思い、野球部の部室のドアを開けようとして</p><p>　「おいお前！こんなところで何をしているんだ！」</p><p>　と、ダイチの背後で怒鳴り声がした。いきなりの怒鳴り声に振り向くと、そこにはダイチの嫌いな奴が立っていた。</p><p>　俺の嫌いな・・・大嫌いな・・・</p><p>　「斎藤・・・」</p><p>　「何だお前！先生を呼び捨てにしやがって！いい度胸だな」</p><p>　「なんか用・・・・・・ですか？」</p><p>　頭の中で「めんんどくせえ」がダイチによぎった。</p><p>　「何か用だと・・・授業中に何をしているんだと訊いているんだ！」</p><p>　体育教師の斎藤が鬼の形相で睨みながらダイチに詰め寄ってきた。</p><p>　「見てわかるだろうが！怪我してんだよ怪我！」</p><p>　反抗的な態度でダイチが言うと</p><p>　「怪我ってお前、誰かと喧嘩したんだろ！どうなんだ！？」</p><p>　と、高圧的な態度で斎藤が言った。そんな斎藤の態度に段々と怒りがダイチの心の中に込み上げてきた。</p><p>　「おい！おめーに関係あんのか？この怪我の原因が！」</p><p>　「・・・お前しってるぞ。遠山だろ！職員室によく顔出すから名前を訊いてるぞ！お前たしか今度喧嘩をしたら停学か・・・たしか退学だよな」</p><p>　「人の話を聞いてるか？なあ先生。俺は「喧嘩」をしたなんて一回も言ってないんだけど」</p><p>　「・・・まあいい、とにかく３時間目が終わったら職員室にこい！その時にうまいいいわけがなければお前は退学だ。ちゃんと考えておけよ「いいわけ」を」</p><p>　「はいはい、わかったから後用がないならどっかに行ってくれ！」</p><p>　「もし職員室に来なかったら覚悟はしろよな！」</p><p>　と、そう言って最後に捨て台詞を残し、斎藤はその場から立ち去った。その場に残ったダイチは部室のドアを開け、中に入ると、しばらく立ったまま何もしようとはしなかった。</p>
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<link>https://ameblo.jp/motoki5963/entry-11095357322.html</link>
<pubDate>Fri, 02 Dec 2011 11:00:11 +0900</pubDate>
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<title>夏恋２部　勝負　大好き　４</title>
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<![CDATA[ <p>　野田真一もまたダイチの事がどうしても気にかかっていた。自分の席の後ろで苦悩する友達を思い</p><p>　このままでいいのかダイチ・・・</p><p>　そう思っていた。ダイチが相手を思いやる気持ちを脇野は知っていた。それが不器用で中々その相手に伝わらないだけで、野田には「ダイチの恋」が痛々しく目にうつった。</p><p>　コイツは思えば１年生の時から「孤独」だった。人を寄せ付けないというか・・・いつも無表情で、周りからは何を考えているかわからない奴だった。だから周りは・・・特に突っ張る奴らにはダイチが怖く映ったのかもしれない。人は怖いものを遠ざけるか…もしくは敵対して排除しようとする。アイツが自ら喧嘩を望んでいなくても、怖がるその連中は排除しようと喧嘩をうってくる。「めんどくせえ！」そういいながらいつもコイツは喧嘩をしていたっけ・・・。</p><p>　お前知っているか・・・気づいているか・・・お前は孤独に身を置くより、仲間と過ごす時間が楽しいことを・・・うれしいことを・・・</p><p>　なあダイチ、もう認めろよ。自分が好きな奴といれば自分が幸せなんだって・・・相手を大切に思うことも大事だと俺も思う。</p><p>　でもな・・・でも自分を大事にできない奴は相手のことも大事できないことだってあるんだぜ！</p><p>　「今日の数学の授業はもうここで終わりにします。残り１５分ほどありますが、各自自習をするように」</p><p>　と、数学教師の中本が言った。</p><p>　それを聞いた野田は、先生のいなくなる今、後ろを振り返りダイチに話しかけようかどうか迷った。</p><p>　俺の話を素直に聞くだろうか・・・</p><p>　そう思うと中々振り返ることができなかった。そっとしておくのが一番だとは分かっていても、このまま黙っているのも嫌な気がした。</p><p>　ダイチの言っていた通り、もしアイちゃんが「嫌な奴」を好きになったのならもう打つ手もない気はするが・・・</p><p>　「おい野田あ・・・」</p><p>　誰かが自分を呼んだ気がした。あまりにか細い声で、聞き取れたことが奇跡なのだが。確かに野田は、自分を呼ぶ声を耳にした。ダイチではないことは確かだった。後ろから声をかけられればさすがに野田でも聞き間違えはしなかった。</p><p>　教室を見渡しても、野田に目線を送るものは誰ひとり見当たらなかった。</p><p>　確かに聞こえたんだが・・・気のせいか？</p><p>　すると、またかすれた声で</p><p>　「わ・・・き・・・の・・・だ・・・よおぉぉ」</p><p>　と、教室の最後尾のドアの出入り口付近から小声で野田に向かい、手招きをしていた。</p><p>　脇野の馬鹿がなんで今俺たちの教室に？こそこそしやがって・・・</p><p>　どうもダイチに気付かれたくないように野田は感じた。幸いダイチは窓の外を眺めている様子だった。「しょうがない」と、そう思い</p><p>　「ダイチ俺さあ、トイレに行ってくるは」</p><p>　と言って席を立ち、気付かれないように、ションベンが漏れそうな演技をした。さっと小走りに教室の前側の出入り口から廊下へとでた。</p><p>　「なぁ・・・の・・・だ・・・・」</p><p>　「おい！もう小声で話すな！ダイチに聞こえるわけねえだろ、お前馬鹿か！」</p><p>　３年Ａ組の教室から男子便所へと移動した野田は、脇野に突っ込みを入れた。</p><p>　「そうだった・・・」</p><p>　そう言って脇野が舌を出すと</p><p>　「女じゃあるまいし舌をだすんじゃない！黙って俺だけ呼び出したんだからダイチの件だろ？さっさと用件を言えよ」</p><p>　「わかった！今回はちゃんと真面目に話すから」</p><p>　そういって脇野は真剣な目つきで、野田にアイちゃんとのグラウンドでの会話のやりとりを話した。野田も脇野の真剣な目を信じ、黙って話が終わるまで聞いていた。</p><p>　「そうか・・・」</p><p>　話を聞き終えた野田は、しばらくの間、黙り込んで考え込む様子だった。そんな野田の様子を見て脇野はいてもたってもいられずに</p><p>　「なあなあ、なんとかならないかな！」</p><p>　と、野田に話しかけた。</p><p>　「いいからもう少し考えさせろ！気が散るだろ」</p><p>　と言って、脇野はまた黙ったまま考え込んでいた。そうして５分ぐらいがたったころだろうか、野田が急に言葉を口にした。</p><p>　「脇野の言っている会話の内容が一言一句とは言わないまでもほぼ正確だと仮定して・・・」</p><p>　その言葉に脇野は反応して</p><p>　「うん！俺誓う！間違ってない！」</p><p>　と言ったが、野田は無視するように</p><p>　「渡辺ってやつは告白の返事を「返す」と言っていたんだから・・・」</p><p>　「そうそう！奴は「ＯＫの返事をアイちゃんにする」って言ってた」</p><p>　「２年生の時に脇野に憧れてて・・・それを言いにきて・・・」</p><p>　「そうそう！俺のことがむふふふふ・・・」</p><p>　「するとアレがアレで・・・」</p><p>　「なになに？さっきから独り言言わないで俺にも教えてよ！何考えてるのか」</p><p>　と、ついに脇野もしびれを切らし、野田に質問した。したはいいが</p><p>　「・・・・・・・・」</p><p>　野田はまた黙ってしまった。</p><p>　野田は頭の中を整理していた。脇野とアイちゃんとの会話のやりとりの中に疑問を持ち、あれこれと考えていた。</p><p>　そして何かを思い立ったのか脇野に今度は質問を返した。</p><p>　「ごめんお前の話は聞いていなかったんだけどいくつか質問させてくれ？」</p><p>　「ああ、なんなりと！」</p><p>　「お前の事を「憧れていた」って事実をアイちゃんは言ったんだよな！」</p><p>　「そうそう！」</p><p>　「でも、お前のことはどうでもよくなって「ダイチ」が好きになったって彼女は言ったんだよな！」</p><p>　「・・・まあ、そうだけど・・・」</p><p>　「そうか・・・。なあ脇野？」</p><p>　「なんだよ！」</p><p>　「お前が川島アイちゃんと友達になったきっかけはなんだ？」</p><p>　「なんだよ…なんか関係あるの、今回の事と？」</p><p>　「いいから思い出せ！」</p><p>　「えっと・・・そうだなあ・・・あっ！思い出した！」</p><p>　「なるべく早く手短に正確に頼む！」</p><p>　「難しいこと言いやがって。・・・それは「クラスが別々になったんだ、脇野君」ってたしかアイちゃんが俺に話しかけてきて・・・」</p><p>　「じゃあお前からじゃないんだな！？」</p><p>　「そうそう！で・・・「彼女でもできた？」って訊かれて・・・」</p><p>　「そこはどうでもいいが、その話すようになってからダイチの事をアイちゃんは何か訊いてこなかったか？遠回しな言い方でもさ・・・」</p><p>　「そういえば「友達は彼女とか作ってるの？」って訊かれたことはあるなあ・・・」</p><p>　「そうか・・・。それで他には？」</p><p>　「そうだな・・・会話はいつも２年生の時のことばかりで・・・」</p><p>　「なあお前は何か感じなかったのか？アイちゃんがダイチの事をまだ好きだっていう何かを？」</p><p>　「ん・・・ん！２年生の時の「夏休み」はみんなどう過ごしていた？って訊かれたことがある」</p><p>　「・・・・・・・」</p><p>　脇野の「夏休み」の言葉で野田は少し黙って考えた。</p><p>　たしかダイチがアイちゃんにふられたのが９月の夏休み明け・・・。最初で最後のデートが夏休み前の７月の２０日前後・・・。</p><p>　「脇野が夏休みに何をしていたのか訊いたのか、アイちゃんは？」</p><p>　野田が再び脇野に聞くと</p><p>　「いや・・・友達とどう過ごしたかを訊いてきただけだけど」</p><p>　と、脇野が答えた。</p><p>　「なあ本当に何も感じなかったのか脇野よ・・・」</p><p>　野田は、そう改めて訊き返して</p><p>　「もうわかった！お前が訊いていることの意図が！アイちゃんがダイチに未練があると仮定して思い返せば野田の言っている通り答えはもう出てる」</p><p>　とっ言って脇野は全てを理解した、スッキリとした表情だった。</p><p>　「アイちゃんは渡辺に告白するんじゃなくて」</p><p>　「ダイチに告白をするんだ！」</p><p>　初めてここで、野田と脇野の思いが通じ合った。</p><p>　「渡辺はきっと嘘をついている！」</p><p>　と、野田が言うと</p><p>　「よくちゃんとアイちゃんの話を聞いていればな・・・」</p><p>　と、脇野が申し訳なさそうに言った。</p><p>　「とにかくこの事実をダイチに言わないとな！」</p><p>　と、何とも言えない晴れた表情で野田がいった。</p><p>　しかし脇野は、先ほどまでとうって変わって暗い表情になっていた。野田はそんな脇野の表情に気づいて</p><p>　「どうした急に」</p><p>　と、問いかけた。</p><p>　「ダイチには言えない・・・」</p><p>　と、そう答えたまま黙ってしまった。</p>
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<link>https://ameblo.jp/motoki5963/entry-11095351782.html</link>
<pubDate>Fri, 02 Dec 2011 10:59:10 +0900</pubDate>
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<title>夏恋２部　勝負　大好き　３</title>
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<![CDATA[ <p>　「今日の体育は楽だよな～」</p><p>　「グラウンドで「各自自由に運動をしてくれ」って先生が言ってたもんな！」</p><p>　青く晴れた天候の中、学校のグラウンドでは、３年Ｆ組の生徒が体育授業という名の自由時間をそれぞれに満喫していた。授業開始早々に１人の女子生徒が怪我をして、念のため先生を付き添いにして病院に行ってしまった。残された他の生徒は、仲の良い生徒がグループで固まり、おしゃべりをする女子や、ボールを使って遊ぶ男子達がいた。そんな中</p><p>　「けっ、俺は群れるのが嫌いなのさ・・・」</p><p>　と、半ばやけ気味の脇野雄太が鉄棒にぶら下がり、１人ブツブツとひとりごとを言っていた。バスケ部で活躍していた「過去」には、脇野の周りに女の子が群がっていた。ハンド部で人気の野田と友達だということも重なって、２年生までは脇野にとって「天国」みたいな環境だった。いい寄る女の子に誰かれ構わず愛想をふり、片っ端から手をつけるまでは・・・。</p><p>　なんだよなあ・・・素直な気持ちのまま行動しただけなのに・・・</p><p>　脇野の「評判」は徐々に女子生徒の中で「誰にでも声をかける」や「すぐにＨをしたがる」と、悪いうわさが広がり、３年生となった今では彼女どころか女友達もいなくなってしまった。</p><p>　今のところ・・・川島あいちゃんは俺の友達だよな・・・でもこの子はダイチの「モトカノ」だから手は出せないし・・・アイちゃんの友達の美香ちゃんは・・・たしか彼氏がいるんだよなあ・・・</p><p>　鉄棒に全体重を預け、両手でブラブラと揺られながら脇野は、悩ましい表情を浮かべていた。</p><p>　「脇野君！１人でつまらなそうね！」</p><p>　と、川島アイが脇野に突然話しかけてきた。それに驚いた脇野は、鉄棒を掴んでいた両手を思わず放してしまい地面に尻もちをついてしまった。</p><p>　「ああアイちゃん・・・」</p><p>　「やだあ大丈夫ですか？」</p><p>　「だ・・・大丈夫！」</p><p>　ちょっと痛かったのだが、クールを装い脇野は答えた。さっと脇野は立ち上がると、ズボンについた砂を払うと</p><p>　「さ・・・さっきは教室で・・・覗こうなんて思ってなかったけど・・・ごめん」</p><p>　授業が始まる前の女子の着替えを「偶然」見てしまったことをアイに謝ると</p><p>　「別に私は見られても平気よ！」</p><p>　と、何とも優しい答えが返ってきた。ダイチが好きになる理由がわかるなと脇野は思った。</p><p>　「俺あのとき急いでいてさ・・・だからつい着替え中だったのを忘れてね！」</p><p>　「そうなんだあ・・・へえ！それでそんなに忘れちゃうほどの急ぎってなんだろうね」</p><p>　と、ちゃかすようなカワイイらしい笑顔でアイに言われ脇野は</p><p>　「ほんとほんと！急ぎが・・・」</p><p>　しまりのない顔をで答えた。</p><p>　なんか俺・・・アイちゃんに惚れそうだな・・・</p><p>　そんな思いを頭に浮かべていると</p><p>　「ちょっと話が・・・脇野君にあって・・・」</p><p>　と、アイに言われ、脇野は我に帰り</p><p>　「そうだそうだ！お、俺もアイちゃんに訊きたいことがあったんだ！だからさっき教室で…」</p><p>　と、言った。</p><p>　「それならちょうどよかったね！じゃあ脇野君からどうぞ」</p><p>　「いや・・・アイちゃんから先に・・・」</p><p>　「うん・・・じゃあ私から言うね。実は・・・実は２年生の時に脇野君の事を好きに」</p><p>　「えっ！今なんて？」</p><p>　「あの・・・好きっていうか・・・憧れてた時があって・・・」</p><p>　「うんうん！」</p><p>　「遠山君と付き合う前だったんだけど・・・」</p><p>　「それでそれで？」</p><p>　「遠山君とデートをして・・・遠山君のことが好きになって・・・」</p><p>　「・・・・・・・うん」</p><p>　「だから・・・だからあの時は遠山君だけが好きだったの」</p><p>　「ん？・・・そうだったんだ・・・それを俺に・・・」</p><p>　「それが言いたかったの！ただそれだけなんだけど。なんか脇野君に話せたら気持ちがすごく軽くなった！」</p><p>　「ああ・・・よかった！それなら・・・よかった！」</p><p>　なんだ・・・俺のことは何も関係ないのね・・・なんかすごく残念だけど・・・</p><p>　そんな暗く気持ちが沈みかけた脇野に</p><p>　「それじゃあ脇野君の番だよ！私に訊きたいことって何？」</p><p>　と、アイに質問された。</p><p>　そうだ！俺の事なんかどうでもよかったんだ！ダイチのためにも・・・</p><p>　「あの・・・告白って・・・アイちゃん・・・」</p><p>　「やだあ！なっなんで知っているの！み…美香がしゃべったの？！」</p><p>　「え？いや違うんだけど・・・そのアレだ・・・やっぱり本当なんだ？」</p><p>　「誰にも言わないって約束して・・・」</p><p>　「ああ、それはもちろん」</p><p>　「絶対だよ！友達にも・・・だよ！告白するときは自分で言いたいから・・・」</p><p>　「うん！絶対に言わないよ！」</p><p>　「私これから「大好き」って言おうと思うの・・・素直に付き合いたいって・・・」</p><p>　渡辺のことをそんなに・・・</p><p>　「あいつさ・・・そんなにいいやつじゃない気が・・・」</p><p>　「やだあ！友達でしょ！？彼はすごくすごく優しいよ！」</p><p>　アイちゃん・・・渡辺を誤解してるよ・・・渡辺なんかより・・・アイツなんかより・・・</p><p>　「俺は友達って言うわけでもないんだけど・・・あいつは女癖が・・・」</p><p>　脇野はなんとか「渡辺」の本質というか「本性」をアイちゃんに知ってほしかった。そして遠山ダイチがどんなにいいやつで、不器用ながら必死に君を想っているかを知ってほしかった。</p><p>　「・・・私決めたの！過去がどんなだって今の彼がどんなだってかまわない！私が好きになった人だから」</p><p>　と、アイちゃんがここまで幸せそうな顔を見て脇野は何も言えなくなりそうになった。</p><p>　でも・・・ここで俺が黙れば、ダイチとアイちゃんは永遠に・・・</p><p>　そう思い脇野は勇気をもって「ダイチの想い」をアイに話す事にした。ダイチがこのことを知れば何をされるかわからなかった。でも、それでも脇野は言わなければと強く思った。</p><p>　「ダイチは・・・ダイチはね・・・」</p><p>　と、そう言って話の途中で</p><p>　「もうそれ以上言わないで！私の気持ちは絶対に変わらないから・・・。ごめんね生意気な言い方して・・・。遠山君には・・・本当に言わないで・・・約束」</p><p>　と、すがるようなアイの瞳に脇野は、とうとう黙り込んでしまった。</p><p>　ごめんなダイチ・・・お前は本当にいいやつなのに・・・俺は・・・役にたてなかったよ・・・野田ならなんとかできたのかな・・・アイちゃん、君はなんで渡辺みたいなやつを好きになったんだ・・・</p><p>　</p><p>　アイは黙り込む脇野に頭を下げると、体育館脇で他の友達とおしゃべりをしている美香のもとへと走って行った。美香にあらためて自分の決意を伝えるためその場所へ急いだ。息が切れるのも、汗がでるのも気にせずに走った。そして走りながらに</p><p>　渡辺君にはちゃんと「ごめんなさい」って言うから・・・そしたら・・・</p><p>　そしたら私・・・遠山大地君に「大好きだよ」ってきっと言えるよ・・・美香・・・</p><p>　アイの青く澄んだ瞳が、その日の空の色と一緒でどこまでも広く、輝きに充ち溢れていた。</p>
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<link>https://ameblo.jp/motoki5963/entry-11095351156.html</link>
<pubDate>Fri, 02 Dec 2011 10:58:07 +0900</pubDate>
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<title>夏恋２部　勝負　大好き　２</title>
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<![CDATA[ 泣きたいときは上を向き空を見上げる・・・ <p>　そんなこと俺・・・関係ねえなあ・・・</p><p>　学校の3階にあたる3年Ａ組の教室。窓際の一番後ろに座っていたダイチは２時間めの「数学」の授業を受けていた。窓際から見える空の景色を眺めながらダイチは感慨にふけっていた。普段もまともに授業を受けないダイチは今日も</p><p>　なんか人生ってつまんねなあ・・・</p><p>　と、いつもと変わらず先生の話しを聞いていないのは同じだが・・・今日に限っては、普段にもまして心が上の空だった。</p><p>　飛行機雲・・・真っ直ぐに空へ伸びて、やがては消えてなくなる。真っ直ぐに伸びて伸びて・・・どこまでもつづいて、俺の気持ちと一緒にアイツに届け・・・</p><p>　消えゆく運命の雲を見ながら、好きな相手を想った。</p><p>　そして・・・</p><p>　少し前の休憩時間での野田と脇野のやりとりが頭をかすめた。</p><p>　「川島アイちゃんに彼氏って・・・脇野、冗談だろ！もし冗談なら俺には通じてもダイチには通じないぞ！・・・今謝ればダイチも・・・」</p><p>　「止めろって！俺だってダイチがキレる冗談言うかよ・・・。ダイチと喧嘩はごめんだよ！」</p><p>　「じゃあマジなのか？その・・・アイちゃんに彼氏って・・・」</p><p>　「俺のクラスに１人嫌な奴がいるんだよ！でもそいつ顔も女受けが良くて、性格も女の子にはとにかく優しいんだ・・・」</p><p>　「それで？」</p><p>　「まあ・・・俺そいつと友達になろうと思って・・・」</p><p>　「嫌なやつなんだろ？そいつは」</p><p>　「・・・ほらっ！俺もさ、お前らと別々のクラスになっちゃったから、女の子の友達でも作りたいなあって。渡辺　俊介ってそいつなんだけど、俺からしたら嫌みでよ・・・」</p><p>　「わかったから要点を頼むよ！その嫌みな渡辺が今回のこととどう繋がるか早く話せよ！」</p><p>　「そいつが嫌味ったらしく「俺さあ、女の子に告白されたんだよねえ」みたいなことを俺に言ったんだけど・・・」</p><p>　「けど？」</p><p>　「むかつく言いかたされたから俺、どうせブスなんだろ？って言う言い方をしたら・・・」</p><p>　「早く言え！」</p><p>　「同じクラスの川島アイだって奴が答えたんだ！聞いた瞬間「嘘だろ！？」って聞き返したんだが「なんで嘘つく理由があるんだ」って言われて・・・。でもよ・・・でも俺も信じられなくてアイちゃん本人に確かめようと思って訊きに行ったんだけど・・・」</p><p>　「それで・・・なるべく短めにね」</p><p>　「ブラジャーがいっぱいでさあ・・・なんかピンク色の子もいてさあ・・・」</p><p>　「ダイチの代わりに俺が殴ろうか？」</p><p>　「わりい！その…教室で女子が着替え中だからまだ本人に聴いていなくて・・・」</p><p>　ここまで俺は野田と脇野の会話を黙って聞いていた。そんな俺を脇野は「他人事のように聞いている」と感じたのか</p><p>　「さっきからダイチは黙って聞いてるけど・・・お前は何とも思わないのか？脇野の話しに無表情でいるけど」</p><p>　ちょっと怒った口調で言われ</p><p>　「おいまてよ！前に一度付き合った女と俺が何の関係があるんだよ！」</p><p>　と、意地を張った言い方をした。</p><p>　むきになるこの時点で、俺は無関心ではないと自分ではわかっていた。心の動揺を隠すため余計むきになる俺を脇野も見逃さなかった。</p><p>　「なあダイチ・・・「彼氏」ってさっき言ったけど、まだあの２人は付き合っていないんだ！仮に渡辺の言っていることが本当でも奴は「これから告白の返事をしてＯＫをだす」って言っていたから、まだ間に合うんだ・・・」</p><p>　脇野の今までにない真面目な口調で言われ、多分本来なら恥ずかしさの裏返しで、脇野に食ってかかったのかもしれない。でも、野田も脇野も真剣な目つきで俺に話しかけてきて、正直戸惑ってしまった。それでも、その時は何かを口にしなければと</p><p>　「俺の気持ちは別として・・・川島さんからその渡辺ってやつに告白したんだろ？」</p><p>　と、いたたまれない気持ちを抑え込み脇野に聞き返した。</p><p>　「・・・どうもそうらしいんだが」</p><p>　脇野は面目なさそうに答えた。</p><p>　「お前らが俺に「どうするんだ！」みたいな言い方するけど、とうの川島さんが相手を好きになったんなら俺にはどうすることもできないだろうが」</p><p>　「・・・・・・」</p><p>　脇野も、そして野田も、２人とも黙ってしまった。</p><br><p>　「おい遠山！空ばかり眺めてどうしたんだ？」</p><p>　数学の教師がいつの間にかダイチの横に立っていた。あまり口うるさくないその中本先生に俺は好感をもっていた。</p><p>　「いえちょっと考え事を・・・」</p><p>　と、そう言って普段開くことのない教科書を広げた。いつもの俺と少し感じが違うことに何かを感じ取ったのか</p><p>　「なあダイチ、いつも笑顔をあまりみせんが今日は特に暗い感じだぞ・・・。失恋でもしたのか？」</p><p>　と、冗談交じりに中本先生が問いかけてきた。</p><p>　よりによってこんな時に・・・</p><p>　そう思って俺が苦笑いした瞬間、クラスから笑い声が起こった。中本先生はそんなクラスの和んだ雰囲気に満更でもない笑みがこぼれていた。</p><p>　そんな場の空気に俺は怒りと虚しさが胸に込み上げてきた。誰も俺を馬鹿にして笑っていないことはわかっていても、苛立ちが心の中にくすぶり始めていた。女子のクスクス笑いがクラスにまだ漂う中、ダイチは席を立とうとした。</p><p>　これ以上はもう我慢できない・・・</p><p>　そう思い両拳で机の上を思いっきり叩こうとした瞬間</p><p>　「先生！いいから授業を続けてください！」</p><p>　と、野田が俺のいたたまれない雰囲気を察したのか、助け船を出した。</p><p>　「悪かった。じゃあ授業を進めよう！遠山もたまには授業に参加しろよ」</p><p>　と、脇野のおかげで、クラスはまた先ほどと変わらない静けさを取り戻した。</p><p>　あのまま笑い声が耳元で続いていたら・・・</p><p>　そう思うと、野田に感謝の気持ちが湧いた。俺の前に座る野田は俺に背を向けたまま黙って前を見ていた。それもまた俺を気遣ってのことだと感じていた。</p><p>　ありがとうな野田・・・俺・・・俺はどうすればいいんだろうな・・・野田・・・教えてくれよ・・・</p><p>　ダイチは野田の背中に向かい弱音を吐いた。心が今にも折れそうで、野田の背中に何度も手が触れそうになって思いとどまった。</p><p>　そして、そんな衝動を抑えようとまた空を眺めた。</p><p>　すると先ほどまで空に真っ直ぐ伸びた飛行機雲は、青い景色の中で消えていた。そんな空を見てダイチは</p><p>　バイバイ・・・</p><p>　そう心でつぶやいた。</p>
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<pubDate>Fri, 02 Dec 2011 10:56:57 +0900</pubDate>
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