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<title>榁貴の小説部屋</title>
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<description>オリジナル小説を書いています。</description>
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<title>総合目次</title>
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<![CDATA[ ■<a href="http://ameblo.jp/muroki0630/entry-12133235353.html" target="_self">Time Distortion【連載中】</a>
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<link>https://ameblo.jp/muroki0630/entry-12133235679.html</link>
<pubDate>Mon, 29 Feb 2016 11:01:14 +0900</pubDate>
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<title>【TD】Time Distortion目次</title>
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<![CDATA[ ■<a href="http://ameblo.jp/muroki0630/entry-12133247517.html" target="_self">登場人物</a><br>■<a href="http://ameblo.jp/muroki0630/entry-12133053541.html" target="_self">プロローグ</a><br>■<a href="http://ameblo.jp/muroki0630/entry-12133207562.html" target="_self">第１話「動き出した組織」</a><br>■<a href="http://ameblo.jp/muroki0630/entry-12133637257.html" target="_self">第２話「狙われた宝石店」</a>
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<link>https://ameblo.jp/muroki0630/entry-12133235353.html</link>
<pubDate>Mon, 29 Feb 2016 11:00:51 +0900</pubDate>
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<title>【TD】第２話「狙われた宝石店」</title>
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<![CDATA[ 警察はマリアージュ宝石店で働く西園寺・佐々木・木村の３人について徹底的に調べ上げた。「牧村、何か解ったか？」「色々解りました」「報告してくれ」「マリアージュ宝石店の店主 西園寺涼子は多額の借金を抱えている事が解りました」「借金？」<br><br>「はい。店を開店するために約１億円を闇金融から借りています」「銀行から借りていないのか？」「はい。各銀行に問い合わせたところ、融資の相談にも行っていない事が解りました」「普通、銀行に融資の相談をしに行くよな？」「はい。西園寺涼子は何故か銀行ではなく、闇金融に融資の相談に行っているんです」「なぜだ…」「これから西園寺涼子に事情を聞きに行きます」「解った。他に解った事は？」「残りは私からお話します」そこにはベテラン刑事 山村源蔵（５９）が立っていた。<br><br>「報告お願いします」「私は従業員の佐々木由紀子と木村奈都子、二人について調べてみました。まず初めに解ったのが二人の出生についてです。二人は幼い頃に両親が蒸発し、孤児院に預けられました。その後、二人は別々の家の養子に貰われました」<br><br>「もしかして…」「察しの通り、佐々木由紀子と木村奈都子は姉妹です」「本人たちは姉妹だという事は知っているんですか？」「おそらく知らないものと思われます。佐々木由紀子は札幌中央区の家に貰われ、木村奈都子は札幌清田区の家に貰われています。年齢も違う事からマリアージュ宝石店で働くまで、接点はなかったと考えられます」「わかりました。他に解った事は？」<br><br>「事件現場付近の聞き込みで気になる情報を得られました」事件現場周辺の聞き込みを担当した安田雄平（２５）が報告を始めた。「Time Distortionが初めてマリアージュ宝石店を襲う２週間前に長身の男２人が目撃されています」「なぜ今になって判明したんだ？」「長身の男２人を見かけた目撃者は事件の起こる前日から一昨日まで、仕事の出張で３ヶ月間アメリカに行っていたそうです」<br><br>「その目撃者は信頼できるのか？」「目撃者が働いている会社にも確認しましたが、証言通り海外出張に行っている事が確認できました」「航空会社への確認は？」「そちらも確認が取れました」「そうか。犯人は事前に下見をしていたという事か…」「それともう一つ解った事があります」「なんだ？」「２回目の強盗が発生した時、マリアージュ宝石店のすぐ横の脇道に１台のワゴン車が止まっていたという証言を得られました」<br><br>「事件との関連性は？」「今のところは解っていません」「そうか。引き続き事件現場周辺の聞き込みと関係者への聞き込みをお願いします」捜査員たちは一斉に捜査へと向かった。「俺の推理通りなら数日中に事件が起きる。それは何としてでも食い止めないと…」川上は一人、捜査本部で事件の時系列を見直していた。<br><br>「茜、調子はどうだ？」「だいぶん良いよ。お兄ちゃん、仕事は？」「休職中」「私のせい？」「違うよ。ずっと捜査ばかりして疲れたから無理やり休職してやった」「私のせいだよね…。ごめんね」「何で茜が謝るの。茜のせいじゃないから気にするな。解ったか？」「わかった」<br><br>「お兄ちゃん」「何？」「心臓移植に掛かったお金払えるの？」「お金の心配はするな。こう見えてもお金は持ってるんだぞ」「嘘つき！お金がない事ぐらい知ってる！」「茜、落ち着け。まだ体は本調子じゃないんだから」「うん」笹森は茜の手術代を払う手段を模索していた。<br><br>「茜ちゃん、調子はどう？」「裕子さん」「元気そうね」「松井、何してるの？」「はぁ？お見舞いに来たらダメなの？」「誰もそんな事言ってないだろうが！」「何よ！私に喧嘩売ってんの！」「何だと！喧嘩売ってんのはお前の方だろう！」「二人とも喧嘩しないでよ」笹森と松井は茜から視線を逸らした。<br><br>「笹森、ちょっと良い？」「あぁ」笹森と松井は病室を出た。「何？」「茜ちゃんの入院費と手術費、どうするの？」「なんとか工面するよ」「いくら足りないの？」「俺の貯金が６００万。あと４００万足りない」「足りない分、私が出してあげる」「気持ちだけで良いよ」「ダメ。足りない分は私が出す」松井は足りない分の治療費を出すと言い続けた。<br><br>「解った。お願いするよ」「それで良い。茜ちゃんは私にとっても妹当然だから、力になりたいの」「ありがとう」「その変わり、茜ちゃんが退院したら笹森の家で暮らすから」「はぁ？」「文句は言わせないわよ！私だって貯金全額使う事になるんだからね！」「だったら出さなくて良いよ」「うるさい。これは決定事項です」松井はそう言い残して病室に戻っていった。<br><br>「川上さん、面白い事が解りました」「何が解った？」「西園寺涼子が利用した闇金融なんですが、マイザルスカンパニーという会社が運営する金融会社でした」「マイザルスカンパニー？」「この会社は国際テロ組織 マザーデビルの組員が経営する会社です」「捜査令状取れるか？」「令状を取れるだけの証拠がありません」「牧村たちはマイザルスカンパニーについて調べてくれ」「解りました」こうして少しずつ捜査は進展していった。<br><br>牧村たちは、西園寺涼子を警察に呼び出し、取り調べを始めた。「西園寺さん、何故警察に呼ばれたのかわかりますよね？」「何故ですか？」「とぼけないで下さい。２回目の事件が起きた時、西園寺さんは店に居なかった。防犯カメラの映像にも映っていません。それに、店を開店するためのお金を銀行ではなく、闇金融から１億円借りてる。どう見ても変なところばかりです」「・・・」<br><br>「西園寺さん、事件当日居なかった理由と闇金融でお金を借りた理由を教えて下さい」「お話する事はありません」「このままだと帰れませんよ」「この取り調べは任意ですよね？任意なら拘束できませんよね？」「それは…」「とにかく私から話す事はありません。帰らせてもらいます」西園寺は取調室を出ようとした。<br><br>「西園寺さん、ちょっと待ってください」取調室の前に瀧村誠之介（３０）が立っていた。「瀧村先輩、何故ここに？」「ある組織を調べていたら、西園寺涼子さんの存在が浮かび上がってきた」「どういう事ですか？」「話すと長くなるので、お座り下さい」瀧村は取調室の椅子に座るように促した。<br><br>西園寺は渋々、取調室の椅子に腰を下ろした。「西園寺さん、バルバリークという名前を聞いた事はありますか？」「し…知りません」西園寺は明らかに動揺していた。「俺が見る限り、動揺しているように見えるんですが」「私は本当に知りません！」「解りました。それじゃ、佐々木義政という男はご存知ですか？」「・・・」西園寺は下を向いたまま黙り込んでしまった。<br><br>「西園寺さん、黙っていたら帰れませんよ」「・・・」「あなたはバルバリークというナイトクラブで佐々木義政と知り合った。当時あなたはギャンブルにのめり込み多額の借金をしていた。確か１０００万でしたよね？」「・・・」「あなたは店にいた女性に羽振り良く振舞う佐々木義政を見つけた。あなたは時間をかけて佐々木義政に近づき、男女の関係になった。<br><br>それと同時にあなたは、佐々木義政が経営していた宝石店、マリアージュ宝石店で働けるように佐々木義政を脅した」「先輩、どういう事ですか？」「西園寺さん、あなたは妻子のいた佐々木義政に近づき、無理やり体の関係を迫り、それを弱みとして佐々木義政を自分の駒に変えた」「・・・」「佐々木義政はあなたとの関係を家族にバラされないように、毎月２００万のお金を給料という名目で渡していた」「・・・」<br><br>「大金が毎月手元に入る事をいい事に、あなたは再びギャンブルにのめり込み、１億１０００万の借金を抱えてしまった。借金で完璧に首が回らなくなったあなたは、佐々木義政に借金の肩代わりをするように迫った。でも断られた」「・・・」<br><br>「そこであなたは、店の宝石をマザーデビルに横流しをして、借金の返済にあてた。でもすぐに佐々木義政は店の宝石が不自然になくなっている事に気づいた」「・・・」「佐々木義政はすぐにあなたが犯人だと気付き、問い詰めた。問い詰められたあなたは、マザーデビルの人間に相談をした。そして事故死に見せかけ、佐々木義政を殺害し、店の店主の座に着いた」「・・・」<br><br>「マザーデビルはまだ利用価値があると判断し、店の売上金の７割を上納する約束で、店の運営資金んとして１億円をあなたに渡した」「・・・」「しかし、経営者があなたに代わってから売り上げは驚くほど落ち、上納金の金額も少ししか払えなくなってしまった」「・・・」<br><br>「そこで、マザーデビルはマリアージュ宝石店に強盗が入ったように見せかけ、保険金を手に入れた。あなたは同じ事をすればもう一度お金が手に入ると思い、川上さんたちが帰った直後にTime Distortionの犯行手口を真似て自分の店に押し入り、宝石とお金を奪い、何食わぬ顔で店に戻った」「先輩、持ってください。それなら何故、佐々木さんは刺されたんですか？」<br><br>「犯人の正体に気づいたからだよ。佐々木さんは声で西園寺さんが犯人だと気づいた」「・・・」「それに、佐々木由紀子さんは西園寺さんに近づくためにマリアージュ宝石店で働いていた」「まさか…」「佐々木由紀子さんは、殺された佐々木義政の姪っ子だ」「・・・」<br><br>「西園寺さん、いつまで黙っているつもりですか？」「証拠は？」「え？」「私が犯人だという証拠はあるんですか！」「ありますよ」「え…」瀧村は一枚の写真を見せた。「これは、佐々木由紀子さんが仕掛けた隠しカメラの映像の一部を写真にしたものです」そこには事務所の床下に盗まれたはずの宝石を隠す西園寺の姿が写っていた。<br><br>「もし、信用できないのなら映像でお見せしましょうか？」「・・・もういいです」「犯行を認めるんですね？」「弁護士を呼んでください」「あんたな！」「先輩、落ち着いて下さい」牧村は瀧村を押さえつけた。瀧村は無言で取調室を出て行った。<br><br>「瀧村さん、落ちついて下さい」「なんだあの女！証拠を見せた途端、弁護士を呼べだ！牧村、すぐに殺人未遂と窃盗の容疑で逮捕状を取ってくれ」「解りました」牧村は急いで逮捕状の手配をした。その日の夜、西園寺涼子は殺人未遂と窃盗の容疑で逮捕された。<br><br>■<a href="http://ameblo.jp/muroki0630/entry-12133235353.html" target="_self">Time Distortion目次</a><br>■<a href="http://ameblo.jp/muroki0630/entry-12133235679.html" target="_self">総合目次</a>
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<link>https://ameblo.jp/muroki0630/entry-12133637257.html</link>
<pubDate>Mon, 29 Feb 2016 10:56:21 +0900</pubDate>
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<title>【TD】第１話「動き出した組織」</title>
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<![CDATA[ 最初の窃盗事件が起きてから３ヶ月が経とうとしていた。「まだ手がかりは出ないのか！」捜査本部の本部長 川上哲二（３８）は大きな声で部下を問い詰めた。「どの現場にも手がかりが見つからないんです」現在の調査状況を恐る恐る報告する捜査員 牧村修二（２７）警察は何一つ犯人につながる手がかりを見つけれずに捜査は完璧に行き詰まっていた。<br><br>事件発生から全く進展しない警察の捜査方法を非難するように、各メディアは連日報道を続けていた。捜査本部が設置されている札幌警察署の前には各報道関係者が待ち構えていた。「川上！警察署前のあいつらをどこかに行かせろ！」北海道警察本部長 中村政則（５０）が捜査本部に怒鳴りながら入ってきた。<br><br>「メディアを敵に回すと…」「目障りだ！早く追い返せ！」川上の言い分をかき消すように中村は川上を怒鳴りつけた。「牧村、行くぞ」川上は牧村を引き連れ報道陣の前に姿を現した。川上たちに向けて一斉にカメラのレンズとフラッシュが向けられた。<br><br>「警察の捜査はどこまで進んでいるんですか？」報道陣からは罵声のように質問がぶつけられた。「ただいま捜査中のため、お話できることはありません。業務の妨げになるのでお引き取り願います」川上と牧村は深々と頭を下げ、その場を後にした。<br><br>各メディアは警察の態度に問題があるとして報道を加熱させていた。「川上さん、このまま手がかりが見つからないと…」「わかってるよ…。牧村、もう一度最初の事件現場に行くぞ」川上は牧村と共に最初の被害に遭った宝石店に向かった。<br><br>「なぜ手がかりが一つも出ないんだ…」川上は静かに言葉を漏らした。「川上さん、現場が見えてきました」川上を乗せた車が宝石店の前に着いた。「俺たちでもう一度現場検証するぞ」「はい」川上と牧村は車を降り、店の中に入った。<br><br>「いらっしゃいませ…。川上さん、何か手がかりは見つかりましたか？」「すいません。まだ何も見つかっていません」「そうですか…」宝石店店主 西園寺涼子（４５）は川上の言葉を聞いてがっくりと肩を落とした。<br><br>そこに店員の木村奈都子（２２）がお茶を持って現れた。「捜査、ご苦労様です。お茶どうぞ」「ありがとうございます」川上と牧村は木村の差し出したお茶を手にした。「西園寺さん、事件当日の防犯カメラの映像をもう一度見せてもらえますか？」「わかりました」西園寺は川上たちに防犯カメラの映像を見せた。<br><br>「川上さん、警察にも同じ映像がありますよね？」「はい。ただ…」「捜査本部に居ると道警本部長にガミガミ言われるんですよ…」「大変ですね…」一瞬、変な空気が流れた。「あれ？佐々木さんは？」牧村は被害に遭った日、店にいた佐々木由紀子（２７）がいないことに気づいた。<br><br>「佐々木は事件の日から体調を崩して休んでいます」「そうですか…」川上と牧村は佐々木の事が気になり始めていた。川上と牧村は防犯カメラの映像をチェックしたあと、店内に手がかりが残っていないか目を凝らした。<br><br>「やっぱり何もありませんね」「そうだな…」川上と牧村が店を出ようとした時、休んでいた佐々木が店に現れた。「佐々木さん！体調は良くなったの？」西園寺と木村が駆け寄った。「ご心配おかけしました。明日から仕事に復帰します」「解ったわ。とにかく店に入って」佐々木は川上と牧村に軽く頭を下げて事務所の中に入って行った。<br><br>「なんか元気無かったですね」「それはそうだろう。刃物を突きつけられて、脅されたんだから」川上と牧村は車に乗り、捜査本部に向かった。「川上さん、窃盗犯の手口って全部同じなんですよね？」「あぁ…黒いロングコートにマスク姿。手にはボストンバック。レジカウンターの上にカバンを置いたあとコートの内側から刃物を出して脅す」「なんで手がかりが見つからないんだ…」<br><br>川上と牧村が捜査本部に戻ると、捜査員たちが慌てた様子で駆け出して行った。「おい、何か遭ったのか？」「またTime Distortionが宝石店を襲いました」「何だって！場所は？」「それが…」「どうした？」「最初に被害に遭ったマリアージュ宝石店なんです」「え…」川上と牧村は急いでマリアージュ宝石店に向かった。<br><br>「なんで同じ店を襲うんだよ！」「牧村、急げ！」「はい！」事件発生から１０分後、川上と牧村は現場に到着した。「西園寺さん、大丈夫ですか？」「はい…でも佐々木さんが」「佐々木さんがどうかしたんですか？」「犯人に刺されて…」「え…」ついにTime Distortionによる犯行で怪我人が出てしまった。<br><br>「すぐに半径５０㎞圏内に検問を引け！」川上は憤りを抑えきれなくなっていた。「Time Distortion…絶対に潰しやる」「川上さん、落ち着いて下さい」この事件は瞬く間に全国に報道され、警察はバッシングの的になってしまった。<br><br>「川上！お前がもたもたしているから怪我人が出たじゃないか！この責任はお前に取らせるからな！」中村は川上に罵声を浴びせて捜査本部を出て行った。「あんな言い方しなくても」「牧村、頼みたい事がある」「なんですか？」「休職中の笹森に伝言を伝えてくれ」「笹森先輩にですか？でも…」「あいつに頼るしか方法はない…」「わかりました」牧村は笹森の元に急いだ。<br><br>牧村は笹森の住むアパートの玄関の前に立っていた。「あれ？居ないのかな？」そこに笹森龍之介（３５）が買い物袋を片手に戻ってきた。「あれ？牧村、何してるの？」「先輩！お久しぶりです！」牧村は深々と頭を下げた。<br><br>「寒いだろう。入れよ」笹森は牧村を部屋に入れた。「コーヒーで良いか？」「ありがとうございます」「ところでどうしたの？」「実は川上さんから伝言を預かって来ています」「川上さんから伝言？」牧村は川上の伝言と調査状況を笹森に伝えた。<br><br>「そうか…。未だに手がかりが見つかってないのか」「はい…。笹森先輩、復帰してもらえませんか？」「無理言わないでくれよ、俺の求職の理由知ってるだろ？」「はい…。病気の妹さんの看病の為に求職してるんですよね？」「あぁ…」「妹さんの体調は？」「日に日に悪くなってる…。このまま心臓移植ができなかったら…あと半年の命って医者に今日言われたよ…」「…」「牧村、暗い顔するな」「すいません」「力になれなくてすまない」「いえ…」牧村は笹森の家を後にした。<br><br>「戻りました」「牧村、笹森の返事は？」牧村は首を横に振った。「そうか…。あいつにとって妹だけが血の繋がった家族だからな…」そこに中村が怒鳴りにながら入ってきた。「川上！笹森を呼び戻せ！あいつならお前らよりマシだ！」「なんてこと言うんですか！俺たちだって必死に捜査してるんですよ！」「牧村！本部長に楯突くのか！」「すいません…」「川上！ひとつで良いから犯人の手がかりを見つけてくれ！警視庁から催促されてるんだ！解ったな！」中村は捜査本部を出て行った。<br><br>「何だよ！あの言い方！むかつく！」「牧村、落ち着け。手がかりを見つけられない俺たちが悪いんだ…」「川上さん…」「何この空気。どんよりし過ぎ」入り口に笹森が立っていた。「笹森！」「みんな久しぶり！」笹森は明るく挨拶をした。<br><br>「何でここにいるんだ？」「川上さん、何で驚いてるの？」「先輩、復帰できないって…」「復帰はしないよ。ただ助言はできる」「助言？」「そう。牧村が来た後、マリアージュ宝石店に行って話聞いてきた」「何か解ったんですか？」「ひとつだけ解ったよ」「本当か？」「３ヶ月前と今日の防犯カメラの映像出してくれる」「解りました」牧村は防犯カメラの映像をスクリーンに映し出した。<br><br>「この映像には不自然なところがある。わかる人いる？」誰一人として手を挙げなかった。「やっぱり気づかないか…」「前回と同じ手口ですよね？」「まぁ、７割同じって感じかな」「どう言うことですか？」「犯人の動きに注目してみて」川上たちは映像を食い入るように見つめた。<br><br>「あれ？」「さすが川上さん、気づきました？」「もう一回、今のところ見せてくれ」牧村は映像を巻き戻した。「止めてくれ！」「ご名答。これが前回と一番違うところ」「まさか…」そこには犯人の手がかりになる映像が映っていた。<br><br>「まずレジカウンターの前に居る犯人の目線の先には被害者の佐々木さんが居る。佐々木さんは怖がると言うより驚いた表情をしている。次にフロアに居る犯人は木村さんに何やら耳打ちをしている」「何を言ってるんですかね？」「木村さん本人に聞いたけど、何も言われてないと言い張ってたよ」「え？明らかに耳打ちされてますよね」「店主の西園寺さんは？」「西園寺さんはなぜか店に居なかった。川上さんたちが事情聴取した時、店に居たって話してますよね？」「あぁ…」「それと犯人は前回の犯人と別人」捜査本部にどよめきが起きた。<br><br>「前回の犯人は映像から推測すると１８０㎝以上ある人物。今回は１７０㎝ぐらいかな」「映像だけで解るんですか？」「解るよ。入り口についてる防犯用の印でね」そこには強盗などが入った時に犯人の背丈を瞬時に見極めるための印が付いていた。<br><br>「前回は１８０㎝の赤いラインを軽々超えてる。でも今回は１７０㎝のラインを超えるか超えないぐらい。あと体型も全然違う」「見た目は一緒に見えるのに…」「髪型はウィックを使えば似せることが出来るし、顔はマスクをすれば映像では同じように見える。ただ変えれないのが体型」「でもコートの中に着込んだら見た目は変えられるんじゃ？」「そうだけど。足の太さは変えられない」「どうしてですか？」「犯人は走って逃走している。その時、体型を似せるのにズボンを何重にもしたら動きづらい。それに、犯人は店を出てすぐに着替えているはず。その時、ズボンを脱ぐ動作はタイムロスになる」「なるほど」<br><br>「この事から推測されるのは、Time Distortionの仲間。もしくは模倣犯」「模倣犯…」「じゃあ、全国で起きているTime Distortionの事件の中に模倣犯もいるって事ですか？」「いや、すべての事件の資料を見せてもらったけど同一人物だろうね。体の動線の動きが同じだから」「笹森、これからどうしたら良い？」「そうですね…。ひとまず休む事ですかね」「え？」「みんな疲れた顔し過ぎ。事件を必死に追いかけるのも必要だけど、交代で家に帰ってしっかり休んだ方が捜査の効率も上がりますよ」そこに中村が入ってきた。<br><br>「笹森！復帰してくれたのか！」「違いますよ」「え？」「本部長…相変わらず声だけはデカイですね」「じょ…上司を侮辱するのか！」「…アホくさ」「何だと！」「本部長、しっかりしてくださいよ。一番気が滅入ってるのは現場で捜査をしている捜査員なんですよ。それに休みを取らさせずに捜査させるのは効率が悪すぎます」「でもな…」「本部長…器小さいですね」「何だと！」「あ、本当の事行ってすいません」「笹森！貴様！」「俺に逆らうと今の地位も名誉もなくなるぞ」笹森は鋭い視線を中村に向けた。<br><br>「…お前らよく聞け！早く手がかりを見つけろ！」中村は逃げるように捜査本部を出て行った。「先輩、あんな事行って大丈夫ですか？」「平気。あのジジイの弱み握ってるから」「弱みってなんですか！教えてください！」「牧村、お前が知るには１００万年早い」「そんな事言わずに教えてくださいよ」「うるさい！離れろ！」笹森と牧村は押し問答を続けていた。<br><br>そこに交通課の松井裕子（３５）が入ってきた。「あ～！笹森！」「やべ！」笹森は牧村の後ろに身を潜めた。「笹森、出てこい！」「はい…」「あんたね！どんだけ私が心配したか解ってるの！なんで連絡してるのに返事よこさないのよ！」「…」「黙ってないで何か言いなさいよ！」「あ！田中警視総監だ！」「え！どこ！」笹森は松井が視線を逸らした隙に部屋を飛び出して行った。<br><br>「あれ？笹森は？」牧村は静かにドアの方を指差した。「あの野郎～！次会ったらボコボコにしてやる！」松井は怒りながら捜査本部を出て行った。「川上さん、あの二人の関係って？」「あぁ、警察学校の同期らしいぞ」「同期っていうだけであんな関係になりますか？」「まぁ、色々複雑な事情があるんだろう」川上は笹森のアドバイス通り、捜査員の半分を家に帰した。<br><br>次の日の朝方、笹森の携帯の着信が鳴り響いた。「まだ朝の４時だろうが…。もしもし…」「こちら前田総合病院の宇津井と申します。笹森龍之介さんの携帯で間違いありませんか？」「はい。茜に何かありましたか？」「実は、先ほどドナーが見つかりました」「え！す…すぐに向かいます」「お待ちしていおります」「茜が…助かる」笹森は急いで病院に向かった。<br><br>「すいません！笹森茜の兄です。妹は？」「今、手術室に入ったところです。待合室でお待ち下さい」「解りました」笹森は看護師に言われた通り待合室の椅子に座り手術の成功を祈っていた。８時間後、看護師が笹森の元を訪れた。<br><br>「笹森さん、手術は成功しました」「良かった…。妹に会えますか？」「会えますよ。ご案内します」茜はICUのベットの上で眠っていた。「茜…良かったな」笹森は周りの目を気にする事なく涙を流した。「笹森さん、妹さん頑張りましたよ」「先生…ありがとうございます」笹森は深々と頭を下げた。<br><br>手術から１週間が経った。「お兄ちゃん、私助かったの？」「そうだよ。先生がもう大丈夫だって言ってくれた」「良かった」笹森茜（２５）は安堵の表情を浮かべた。「茜、少し寝たほうが良いよ」「うん。そうする」茜が寝たのを確認し、笹森は病室を出た。<br><br>「笹森、茜ちゃんの手術成功したって本当？」「あれ？松井、何で居るの？」「川上さんから聞いて、みんなを代表して茜ちゃんの様子見に来たの」「そうか。茜は今眠ってる」「そう。笹森、大丈夫？」「なんで？」「疲れた顔してるよ」「何か安心したら疲れがどっと出てきた」「そうだよね。茜ちゃんの心臓病が悪化して入院してから、ほとんど寝ずに茜ちゃんの側に居たもんね」「ちょっと疲れたから仮眠室で寝てくるわ」「わかった。みんなには私から報告しておくね」「ありがとう」笹森はふらつきにながら仮眠室に向かった。<br><br>「みんなのアイドル松井裕子様が戻ったぞ～」松井のジョークは聞き流されてしまった。「ちょっと！誰か反応してよ！」「あれ？松井いつから居たの？」「川上さん、ひどい！」「怒るなって、ところで茜ちゃんの容態は？」「無事に回復してます。ただ、笹森が…」「先輩がどうしたんですか？」「緊張の糸が切れちゃったみたいで、かなりフラフラしてた」「そうだろうな。あいつは本当に強い奴だよ」<br><br>そこに中村が怒鳴りながら入ってきた。「川上！手がかりは見つかったか！」「本部長、うるさい！」「あれ？松井さん何でここに居るの？」「いちいち理由言わないといけないんですか！」「そう言う訳じゃないけど、交通課の人間がここに居るのはおかしいでしょ？」「はぁ？喧嘩売ってんのか！」「す…すいません。それより川上！捜査は進展したのか！」「少しだけ進展しました」「何が解ったんだ？」「防犯カメラで判明した不審な点を調べていたら、マリアージュ宝石店の西園寺涼子が不審な動きをしていることが解りました」「Time Distortionの仲間なのか？」「それは解りません。ただ２度目の事件に関わって居るのは間違いないと思います」「そうか！引き続き頼むぞ！」中村は機嫌よく捜査本部を出て行った。<br><br>「牧村、徹底的にマリアージュ宝石店の全員の身辺調査をしてくれ」「わかりました」この時、川上は最悪の事態を予測していた。「川上さん、どうかしましたか？」「あれ？松井まだいたんだ」「何ですか！私帰る！」松井は怒って捜査本部を出て行った。「笹森…早く戻ってきてくれ」<br><br>そして、川上が恐れていた最悪の事態へのシナリオは確実に動き出していた。<br><br>■<a href="http://ameblo.jp/muroki0630/entry-12133637257.html" target="_self">第２話「狙われた宝石店」</a><br>■<a href="http://ameblo.jp/muroki0630/entry-12133235353.html" target="_self">Time Distortion目次</a><br>■<a href="http://ameblo.jp/muroki0630/entry-12133235679.html" target="_self">総合目次</a>
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<pubDate>Sat, 27 Feb 2016 01:27:01 +0900</pubDate>
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<title>【TD】プロローグ</title>
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<![CDATA[ 冷たい北風が吹く中、一人の男が宝石店の中へ入って行った。男は黒いロングコートにマスクという出で立ち。店員は少し警戒しながら接客をはじめた。「いらっしゃいませ」男は店員の声に反応することなく、レジに向かって静かに歩き続けた。<br><br>「この鞄に金を入れろ」男は黒いボストンバックをレジカウンターに置いた。レジカウンターにいた女性店員は言われるがまま、レジの中に入っていた現金を鞄に詰めた。「そこの女！ショーケースの中の宝石も鞄に入れろ！」男はフロアにいた女性店員に怒鳴るように言葉を発した。<br><br>フロアに居た女性店員は震える手で必死にショーケースの鍵を開け、宝石を鞄に詰め込んだ。そこに一人の男が入ってきた。「金と宝石は手に入ったか？」「もう少しで終わる」男たちは鞄の中に入っている金と宝石を確認し、店を出て行った。<br><br>レジカウンターに居た女性店員はすぐに警察に電話をした。電話で状況を伝える声は恐怖の影響で震え、体も動かせない状態だった。通報から１０分後警察が到着。警察は店員に怪我がないことを確認したあと、現場検証を開始した。<br><br>鑑識の一人がレジの上に置かれていたカードに気づいた。「警部、こんなものが」鑑識の男は警部にカードを渡した。そのカードには「Time Distortion」という文字だけ書かれていた。この宝石店の強盗事件を皮切りに、日本全国で「Time Distortion」と名乗る窃盗グループの犯行が相次いだ。<br><br><br>■<a href="http://ameblo.jp/muroki0630/entry-12133207562.html" target="_self">第１話「動き出した組織」</a><br>■<a href="http://ameblo.jp/muroki0630/entry-12133235353.html" target="_self">Time Distortion目次</a><br>■<a href="http://ameblo.jp/muroki0630/entry-12133235679.html" target="_self">総合目次</a><br>
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<link>https://ameblo.jp/muroki0630/entry-12133053541.html</link>
<pubDate>Fri, 26 Feb 2016 17:06:29 +0900</pubDate>
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<title>【TD】Time Distortion登場人物</title>
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<![CDATA[ （主）主人公<br>（準）準主人公　<br>（ヒ）ヒロイン<br>（登）主な登場人物<br><strong>---------------------------------------------------------------</strong><br>【北海道警察】<br> （主）笹森 龍之介　　（３５）北海道警察 捜査一課 警部補 <br> （ヒ）松井 裕子　　　（３５）北海道警察 交通捜査課 巡査部長 <br> （準）川上 哲二　　　（３８）北海道警察 警視正 捜査本部本部長<br> （準）牧村 修二　　　（２７）北海道警察 捜査一課課長補佐 <br> （登）中村 政則　　　（５０）北海道警察 本部長 <br> （登）山村源蔵　　　 （５９）北海道警察 捜査一課 巡査部長<br> （登）安田雄平　　　 （２５）北海道警察 捜査一課 巡査部長<br> （登）瀧村誠之介　　 （３０）北海道警察 捜査一課 巡査部長<br><strong>---------------------------------------------------------------</strong><br>【マリアージュ宝石店】<br> （登）西園寺 涼子　　（４５）マリアージュ宝石店店主 <br> （登）佐々木 由紀子　（２７）マリアージュ宝石店店員 <br> （登）木村 奈都子　　（２２）マリアージュ宝石店店員<br><strong>---------------------------------------------------------------</strong><br>【主な登場人物】<br> （登）笹森 茜　　　　（２５）笹森龍之介の妹　<br><strong>---------------------------------------------------------------</strong><br>【登場する組織＆会社＆店と施設】<br>　マザーデビル　国際テロ組織<br>　マイザルスカンパニー　マザーデビルの組員が経営する闇金融 <br>　バルバリーク　札幌にすすきのにあるナイトクラブ<br><strong>---------------------------------------------------------------</strong><br>■<a href="http://ameblo.jp/muroki0630/entry-12133053541.html" target="_self">プロローグ</a><br>■<a href="http://ameblo.jp/muroki0630/entry-12133235353.html" target="_self">Time Distortion目次</a><br>■<a href="http://ameblo.jp/muroki0630/entry-12133235679.html" target="_self">総合目次</a>
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<pubDate>Fri, 26 Feb 2016 17:00:00 +0900</pubDate>
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