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<title>n-basaraのブログ</title>
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<description>飼い猫が病気になって、ネットでいろいろ調べたけど、知りたいことがわからないことが多かったので、そういう内容を記録として残せたらなと思います。</description>
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<title>早朝の脱走計画と、代償に散った一本の歯</title>
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<![CDATA[ <div><br></div><div><br></div><div>■ 明け方の、ちょっとした冒険</div><div><br></div><div>7月19日、まだ早い時間のことよ。</div><div><br></div><div>このひとがトイレに立った、その一瞬の隙。</div><div>部屋のドアがわずかに開いていたのを、わたしは見逃さなかったの。</div><div><br></div><div>そっと隙間から抜け出して、隣の部屋へ。</div><div>別に遠くまで行くつもりはなかったのよ。ただ、少し外の空気（違う部屋の空気だけど）を感じたかっただけ。</div><div><br></div><div>でも、隣の部屋で「ニャー」って鳴いたら、このひとが飛んできたわ。</div><div>「バサラ！？ どうやって出たの！？」って、すごい顔をして。</div><div>あっという間に抱き上げられて、元の部屋に強制送還よ。</div><div><br></div><div>■ 部屋に戻された後の、静かな抵抗</div><div><br></div><div>しばらく大人しくしていたんだけど、そのうちこのひとが「あれ？」って様子を見に来たの。</div><div><br></div><div>「クチャ……ペチャ……」</div><div><br></div><div>その音を聞いて、このひとは最初、こう思ったみたい。</div><div>「また服の隙間から、腫瘍のあたりを舐めてるのかな」って。</div><div><br></div><div>たしかに、病院で毛を剃ってもらった鼠蹊部のあたり、なんだかムズムズして気になっていたのよね。すっかり毛がなくなって、皮膚がむき出しになっているところもあるくらい。だから舐めたくなる気持ちも分かってほしいわ。</div><div><br></div><div>でも、このひとが覗き込んで気づいたのは、それだけじゃなかったの。</div><div><br></div><div>わたし、実は服そのものをどうにかして脱ぎたくて、布をガブガブ噛んで、思いきり引っ張っていたのよ。「変な音」の正体は、舐める音じゃなくて、わたしが服と本気の力比べをしている音だったの。</div><div><br></div><div>「ダメダメ、噛まないで！」って止められたけれど、わたしだって必死だったの。この服、ずっと着けられていると、なんだか落ち着かないのよね。</div><div><br></div><div>■ 夕方に見つかった、小さな代償</div><div><br></div><div>そして今日の夕方。</div><div>このひとがベッドの下を何気なく覗いたら、そこに小さなものが落ちていたの。</div><div><br></div><div>……わたしの歯だったわ。</div><div><br></div><div>朝から服をガブガブやっていたせいなのか、もともと年齢的にぐらついていたのか、それは分からない。けれど、間違いなく私の歯が1本、抜けてしまっていたの。</div><div><br></div><div>歯を手のひらに乗せて、このひとは呆然としていた。</div><div>「バサラ……これから、どうしていこう……」って、小さくつぶやいていたわ。</div><div><br></div><div>わたしとしては、そんなに気にしなくてもいいと思うのよ。今はもう美味しいパウチのごはんを食べているんだから、歯が1本くらいなくても平気。硬いカリカリを頑張って噛む必要はもうないんだもの。</div><div><br></div><div>でも、この服との戦いだけは、そろそろ何か別の方法を考えてほしいわね。</div><div><br></div><div>このひと、次はどんな作戦を考えてくれるのかしら。楽しみにしているわ。</div><div><br></div><div>―― バサラ</div><div><br></div>
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<link>https://ameblo.jp/n-basara/entry-12973140438.html</link>
<pubDate>Sun, 19 Jul 2026 10:10:18 +0900</pubDate>
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<title>病院という名の試練、再び。そして謎のお薬デビュー</title>
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<![CDATA[ <p><br><br>■ 7月9日、またしてもキャリーケースの出番<br><br>ねえ、聞いて。<br>今日（7月9日）、またあの嫌な箱……キャリーケースが出現したのよ。<br><br>このひとが「バサラ、ちょっとお出かけしようね〜」なんて、やけに明るい声を出している時は、だいたいロクな場所に行かないの。そう、病院よ。<br>わたしはすっかり床のタオルがお気に入りなのに、無理やり詰め込まれて連れて行かれたわ。仕方ないから付き合ってあげたけど。<br><br>■ 体重測定と、ジョリジョリの儀式<br><br>病院に着いて、まずは体重測定。<br>「2.8キロですね」って先生が言ったわ。<br>15歳のレディの体重を大きな声で言うなんてデリカシーがないわね、ってちょっと思ったけど、このひとはウンウンって真剣に頷いていた。<br><br>それから、診察台の上でわたしのお腹の「厄介な同居人（腫瘍）」のお手入れが始まったの。<br>先生がバリカンみたいなのを取り出して、腫瘍の周りの毛をジョリジョリ剃り始めたのよ。ちょっとくすぐったいし、変な音がするから嫌だったんだけど、このひとがずっと「バサラ、偉いね、頑張ってるね」って撫でてくれていたから、大人しくしてあげたわ。<br><br>毛をスッキリさせた後は、丁寧に消毒。それから「ゲンタシン」っていうお薬を塗ってもらったの。<br>このひとが先生に聞いたら、これは「化膿止め」のお薬なんですって。じゅくじゅくしている部分からばい菌が入って悪化しないように守ってくれる、大事なお薬みたい。少しヒンヤリしたけど、これで安心ね。<br><br>■ 免疫を高める「謎のお薬」<br><br>そして今日、このひとが先生から新しく渡されたものがあるの。<br>「免疫を高めるお薬」の、お試し用なんですって。<br><br>このひとは、それを受け取りながら先生と相談していたわ。<br>「とりあえず試してみて、食べてくれそうなら続けてみようかなと思います」って。<br><br>ちょっと待って。それって、わたしのごはんに混ぜるつもりよね？<br>この前、カリカリを卒業して「美味しいパウチ」の味を覚えたばかりの、このわたしのグルメな舌をごまかせると思っているのかしら？<br><br>■ 帰宅後のひそかな決意<br><br>家に帰ってきて、やっとキャリーケースから解放されたわ。<br>あー、疲れた。やっぱり自分の家の、床に敷いてあるタオルが一番落ち着くわね。<br><br>このひとは、さっそく病院でもらってきた「謎のお薬」をじーっと見つめてる。<br>どうやってあの美味しいパウチに混ぜ込もうか、作戦を練っているのね。<br><br>まあ、お手並み拝見といきましょうか。<br>上手に隠せたら食べてあげないこともないけれど……少しでも変な味がしたら、プイッてしてやるんだから。<br><br>とりあえず、今日は病院を頑張ったんだから、ご褒美に美味しいパウチをたっぷりもらう権利があるわよね？<br>ねえ、「このひと」、早くパウチをピリッと開けてちょうだいな。<br><br>―― バサラ<br></p>
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<link>https://ameblo.jp/n-basara/entry-12973140114.html</link>
<pubDate>Thu, 09 Jul 2026 18:00:40 +0900</pubDate>
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<title>新しいお洋服の落とし穴と、わたしのグルメ宣言</title>
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<![CDATA[ <div>■ ごはんの好みが変わったお年頃<br></div><div><br></div><div>そういえば、最近わたしのごはんの好みも変わったのよ。</div><div><br></div><div>今まで普通に食べていた「カリカリ」って、このひとが呼んでいるドライフード。だんだんあんまり食べたくなくなっちゃったの。15歳っていう年齢のせいなのか、お腹の「厄介な同居人」のせいなのかは分からないけれど、硬いものより柔らかいものが恋しくなったのよね。</div><div><br></div><div>お皿の前でプイッと顔を背けるわたしを見て、このひとはすごく心配そうな顔をしてた。</div><div><br></div><div>「バサラ、これなら食べるかな…？」</div><div><br></div><div>そう言ってこのひとが開けたウェットフードのパウチ。お皿から漂ってくる、なんとも言えない良い匂い……！</div><div><br></div><div>一口食べてみたら「なにこれ、すごく美味しいじゃない！」って、あっという間にペロリと平らげちゃったわ。このひとも「よかったー！食べてくれた！」って、すごくホッとした顔をして喜んでいたの。</div><div><br></div><div>でもね、このひと、一つ大きな計算違いをしていたみたい。一度こんなに美味しいウェットフードの味を知ってしまったら、もうあの味気ないカリカリには戻れないのよ？</div><div><br></div><div>次の日、お皿にはいつものカリカリが盛られていたけれど、わたしは完全スルー。「ねえ、昨日のおいしいやつは？」って、このひとの顔をじっと見つめてあげたわ。</div><div><br></div><div>結局、このひとが根負けしてウェットフードを出してくれた。それ以来、カリカリは「ただの飾り」として扱うことに決めたの。</div><div><br></div><div>最近、このひとがため息をついているのよ。</div><div><br></div><div>「バサラ……ウェットフードしか食べないとなると、私がお仕事に行ってる間、お昼ごはん抜きになっちゃうよ……？」</div><div><br></div><div>そうか、ウェットフードって出しっぱなしにできないのよね。このひとがお仕事に行っている間、わたしのごはんを出してくれる人がいなくなっちゃう。</div><div><br></div><div>「どうしよう、自動給餌器の保冷剤入りとか探そうかな…」って、またスマホでブツブツ言いながら検索を始めたわ。</div><div><br></div><div>わたしとしては「お昼は寝てるから、朝と夜に美味しいのをたっぷりくれればいいわよ」とも思うんだけど、このひとはわたしがお腹をすかせないか心配でたまらないみたい。</div><div><br></div><div>■ 日向ぼっこの場所が変わった日（6月29日）</div><div><br></div><div>食べ物の好みだけじゃなくて、最近は少しだけ自分の体にも変化を感じているの。</div><div><br></div><div>今まで、わたしのお気に入りの場所といえば、3段ケージの上。あそこから見下ろしながら日向ぼっこするのが日課だったんだけど、最近はどうもそこまで登るのが億劫になってきたのよね。</div><div><br></div><div>だから、床で休むことが多くなったの。それに気づいたこのひとは、すぐに床にバスタオルを敷いてくれたわ。うん、悪くないわね。ここなら安定して眠れるわ。</div><div><br></div><div>でも、このひとはそれだけじゃ満足しなかったみたい。「お腹の腫瘍に負担がかからないように」って、バスタオルの下に座布団を持ってきたの。</div><div><br></div><div>最初はわたしも「あら、なかなか気が利くじゃない」って座布団の上で落ち着いていたんだけど……寝返りを打とうと動いた瞬間、コロリンッて転がり落ちちゃったのよ！</div><div><br></div><div>びっくりしたわ。このひとも慌ててたけど、やっぱりフカフカすぎるのは安定しないのよね。結局、座布団は取り外されてわたしの横に置かれたけど、わたしはもう乗るそぶりも見せなかった。「気持ちは嬉しいけど、それはもういらないわよ」っていう、わたしなりのメッセージね。</div><div><br></div><div>■ 待望のマジックテープ服が届いたけれど（6月30日夕方）</div><div><br></div><div>ピンポーンって音がして、このひとが待ちに待っていた新しい術後服が届いたの。背中のスナップボタンが擦れて傷になっちゃったから、新しくポチッた「マジックテープタイプ」のお洋服よ。</div><div><br></div><div>いつものように腫瘍部分を消毒して、新しい服をお着替え。相変わらず右足の付け根あたりからは滲出液と血が漏れちゃうんだけど、このひとも「もう、こまめにパッドを替えるしかないね」って、そこは諦めたみたい。賢明な判断よ。</div><div><br></div><div>でもね、この新しい服、着た瞬間からなんだか違和感があったの。右足の付け根あたりが、やたらと緩いのよ。</div><div><br></div><div>このひとも首を傾げていたわ。「どうせマジックテープで調整できるんだから、足周りの部分をもっと長くして、キュッと絞められるように作ってくれればいいのに……」</div><div><br></div><div>全く同感ね。せっかくのマジックテープなんだから、もう少し融通が利いてもいいと思うわ。</div><div><br></div><div>■ ペロペロ事件と、ハンカチのクッション</div><div><br></div><div>それからしばらくして、わたしはくつろぎながら毛づくろいを始めたの。「ペロペロ、ペロペロ……」</div><div><br></div><div>その音を聞いて、このひとが「あ、また足を舐めてるのかな？」って様子を見に来たの。でも、このひとが目にしたのは、足を舐めるわたしじゃなかった。</div><div><br></div><div>緩くなった服の隙間から、わたしが直接「お腹の腫瘍」を舐めている姿だったのよ！</div><div><br></div><div>「ああっ！ バサラ、ダメダメダメ！！」</div><div><br></div><div>このひとは大慌て。そりゃそうよね、舐めたらばい菌が入っちゃうもの。結局、届いたばかりの新しいマジックテープ服は即座に脱がされて、またあの「背中が擦れるスナップボタンの服」に逆戻りよ。</div><div><br></div><div>でも、このひともただじゃ転ばないわね。スナップボタンが当たって痛かった背中の部分に、小さめのハンカチを折りたたんで挟み込んだの。ハンカチがクッション代わりになって、これなら擦れても痛くないわ。</div><div><br></div><div>「ごめんね、しばらくこれで我慢してね」って、このひとは申し訳なさそうに撫でてくれた。</div><div><br></div><div>■ わたしたちの試行錯誤は続く</div><div><br></div><div>ケージから床へ。カリカリからウェットフードへ。新しい服から古い服へ。座布団は却下で、ハンカチは採用。</div><div><br></div><div>なんだかバタバタしているけれど、このひとが一生懸命わたしのことを考えて、あれこれ工夫してくれているのは伝わってるわ。</div><div><br></div><div>カリカリを卒業したわたしと、お昼ごはん問題に頭を抱えるこのひと。お洋服の問題もまだ解決してないのに、次から次へと悩みが尽きないわね。</div><div><br></div><div>でも、わたしのために一生懸命スマホで調べてくれるその時間は、嫌いじゃないわ。美味しいウェットフード、明日もよろしくね。</div><div><br></div><div>―― バサラ</div><div><br></div>
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<link>https://ameblo.jp/n-basara/entry-12971300837.html</link>
<pubDate>Tue, 30 Jun 2026 20:55:56 +0900</pubDate>
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<title>わたしのお腹に住み着いた厄介な同居人</title>
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<![CDATA[ <div><div><br></div><div>わたし、バサラ。白と黒の毛色で、だいたい15歳くらいの雑種猫。性格は…そうね、「かまってちゃん」ってよく言われるわ。あと、実は男の人が結構好きなのよね。</div><div><br></div><div>昔は、今とは別の人間と暮らしていたの。その人との時間も、ちゃんとわたしの中に残ってる。でも、いろいろあってその人はいなくなって、気がついたら、今はこのひとの家で暮らしているの。</div><div><br></div><div>最初は、知らない家、知らない匂い、知らない生活。でも、このひとは意外と悪くなかったのよね。ごはんはちゃんと出てくるし、寝る場所もあったかいし、なにより、わたしのことを「バサラ」って、前と同じ名前で呼んでくれたの。</div><div><br></div><div>このひとはわたしのことをよく分かってくれていて、パソコンをしている時はキーボードの上を歩かせてくれるし、ベッドにいる時はお腹の上を占領させてくれるの。なかなか気の利く人間よ。</div><div><br></div><div>■ 6月22日月曜日、このひとの爪切り下手がきっかけで</div><div><br></div><div>その日、このひとは言ったの。</div><div><br></div><div>「バサラ、そろそろ爪切らないとねぇ…」</div><div><br></div><div>わたしの本音を言えば、爪切りなんて大嫌い。でも、このひと、爪切りがあんまり上手じゃないのよね。いつも四苦八苦してるの。</div><div><br></div><div>まず右手からチャレンジ。なんとか右手の爪を切り終えたところで、このひとは完全に困った顔になった。</div><div><br></div><div>「左手、どうやって切ろう…」</div><div><br></div><div>そうなのよ。このひと、いつもここで悩むの。わたしの体勢をあれこれ変えながら、左手をどうにか切ろうと試行錯誤し始めたわ。</div><div><br></div><div>抱え方を変えて、わたしの向きを変えて、お腹側に手を回した、その瞬間よ。</div><div><br></div><div>このひとの指先が、お腹の「そこ」に触れたの。 &nbsp;</div><div>ピタッ、と動きが止まって、空気の匂いが変わったのが分かったわ。</div><div><br></div><div>「あれ…？ なにこれ…」</div><div><br></div><div>このひとの声が、いつもより少しだけ低くなった。 &nbsp;</div><div>わたしのお腹には、自分でも分かるくらいの大きな「できもの」ができていたの。</div><div><br></div><div>右手の爪はなんとか切れたのに、左手のことはどこかへ飛んでいったみたい。 &nbsp;</div><div>このひとはわたしの体をそっと下ろして、お腹をもう一度、確かめるように触っていた。</div><div><br></div><div>わたしはというと―― &nbsp;</div><div>「爪切り中止なら、それはそれでアリね」 &nbsp;</div><div>なんて、少しだけのんきに思ってたの。</div><div><br></div><div>■ 木曜日、病院という名の試練</div><div><br></div><div>それから数日後の木曜日。嫌な予感通り、キャリーケースが登場した。あの箱が出てくる時は、だいたいロクなことがないのよね。</div><div><br></div><div>病院は好きじゃない。変な匂いがして、知らない声がして、冷たい台の上で色々触られる。 &nbsp;</div><div>でも、このひとがそばにいるから、ギリギリ我慢してあげているの。</div><div><br></div><div>白い服の先生が、わたしのお腹を慎重に触って、このひとに静かに説明していた。「ガン」という言葉が、空気を重くするのが分かったわ。</div><div><br></div><div>「年齢と腫瘍の大きさを考えると、手術ではなく、できるだけ楽に過ごせるようにケアしていきましょう」</div><div><br></div><div>このひとは静かにうなずいて、わたしの頭をなでてくれた。目がちょっと赤かったけれど、その選択は悪くないと思うの。だって、痛い思いをたくさんするより、いつもの毎日を続けられる方がいいもの。</div><div><br></div><div>前に一緒にいた人も、今のこのひとも、人間ってよく泣く生き物ねって、わたしは時々思う。でも、泣きながらでも、ちゃんとごはんを用意して、トイレを掃除して、病院に連れてきてくれる。そういうところは、嫌いじゃないわ。</div><div><br></div><div>■ 試行錯誤のケアと母乳パッド</div><div><br></div><div>問題はここからよ。お腹の腫瘍が「自壊」っていうのをして、そこから滲出液が出るようになったの。このひとは1日2回、丁寧に消毒してくれる。ちょっとしみるけれど、このひとの手は優しいから我慢してあげているわ。</div><div><br></div><div>滲出液をどうにかしようと、このひとはネットで必死に調べていたのよ。</div><div><br></div><div>「生理用品か母乳パッドがいい」って書いてあったから、最初は生理用品を試してみたんですって。でも、どうもうまくいかなくて、形や厚みが合わなかったみたい。</div><div><br></div><div>「生理用品がダメなら、母乳パッドなら腫瘍にうまく当てられるかも？」</div><div><br></div><div>そう思って、今度は「母乳パッド」を買ってきたの。授乳中の人間のお母さんが胸に当てて使うものらしいわ。</div><div><br></div><div>でも、わたしの腫瘍は右足の付け根あたりにあるから、なかなかうまくフィットしないのよね。1日2回交換してくれるんだけど、動くたびにズレて、毎回汁が漏れちゃう。このひとも「また漏れてる…ごめんね」ってため息をついているけれど、わたしは別に怒ってないのよ。</div><div><br></div><div>「いろいろ考えてくれてるのは、ちゃんと分かってるから」 &nbsp;</div><div>って、本当は言ってあげたいくらい。</div><div><br></div><div>■ 術後服との壮絶な戦い</div><div><br></div><div>そして、母乳パッドを固定するために買ってきた「術後服」との戦いが始まったの。</div><div><br></div><div>【1日目】 &nbsp;</div><div>着せられた瞬間、わたしは石になった。本当に1ミリも動かなかった。このひとが「バサラ…生きてる？」って心配そうに何度も声をかけていたけれど、心の中では「生きてるけど、これは無理よ」って思っていたわ。2時間でこのひとが根負けして脱がせてくれた。わたしの勝ちね。</div><div><br></div><div>【2日目】 &nbsp;</div><div>このひとはあきらめない。また着せられたから、少し動いてみようと思ってキャットタワーに前足をかけたの。でも服がつっぱって、バランスがおかしくなって、そのまま後ろ向きにひっくり返りそうになったのよ！このひとが慌てて支えてくれたから無事だったけれど、ちょっとヒヤッとしたわ。</div><div><br></div><div>【3日目】 &nbsp;</div><div>さすがのわたしも少しは慣れてきたの。固まることはなくなったし、ゆっくりなら歩けるようになったわ。このひとも「昨日よりは動けてる…！」って、ちょっと安心していた。</div><div><br></div><div>■ 5日目のスナップボタン事件</div><div><br></div><div>そして事件が起きたのは5日目。いつものように母乳パッドを交換しようとしたこのひとが、わたしの背中を見て固まったの。</div><div><br></div><div>「え…なにこれ…」</div><div><br></div><div>わたしの背中に赤い線がスーッと入っていたのよ。どうやら術後服のスナップボタンが当たって、擦れて傷になっていたみたい。</div><div><br></div><div>このひとは「バサラ、ごめん…ほんとごめん…」って半泣き顔。わたしとしては「まあ、ちょっと痛いけど、そんなに気にしてないわよ」くらいなんだけど、このひとはすごく気にするのよね。</div><div><p><br></p><div><a href="https://stat.ameba.jp/user_images/20260629/18/n-basara/b1/c5/j/o1080130215797759079.jpg"><img src="https://stat.ameba.jp/user_images/20260629/18/n-basara/b1/c5/j/o1080130215797759079.jpg" border="0" width="400" height="482" alt=""></a></div><p><br></p></div><div>その夜、このひとはまたスマホを片手に新しい術後服を探していた。今度はマジックテープタイプの服。</div><div><br></div><div>「これなら背中に当たらないかな…」</div><div><br></div><div>ってつぶやきながら、またポチッとしてた。</div><div><br></div><div>■ わたしたちの新しい日常</div><div><br></div><div>わたしのお腹には消えない「厄介な同居人」がいる。でも、それと同時に、このひととの時間はまだちゃんとここにあるの。</div><div><br></div><div>前に一緒にいた人との時間も、今このひとと過ごしている時間も、どちらもわたしの人生（猫生）よ。</div><div><br></div><div>1日2回の消毒、うまくフィットしない母乳パッド、ちょっと窮屈な術後服…どれもこれも、わたしとこのひとが一緒に生きている証拠みたいなもの。</div><div><br></div><div>ガンになったからって、すぐに「終わり」になるわけじゃない。わたしはまだここにいて、このひとのことを見ているし、このひともわたしを見ている。</div><div><br></div><div>そんな、少しだけ特別になった日常を、これからここに書いていこうと思うの。新しいマジックテープの服が届いたら、また報告するわね。</div><div><br></div><div>―― バサラ</div></div><div><br></div>
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<link>https://ameblo.jp/n-basara/entry-12971097642.html</link>
<pubDate>Sun, 28 Jun 2026 21:28:25 +0900</pubDate>
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