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<title>藍風染めゆく</title>
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<description>主に小説を載せていきたいと思ってます☆気まま更新になるとは思いますが、よかったら、お付き合いくださいませ♪</description>
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<title>第一作完結～！о(ж＞▽＜)ｙ ☆</title>
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<![CDATA[ <p><font color="#00cc00" size="3"><strong>こんにちは～ヾ(＠＾(∞)＾＠)ノ</strong></font></p><br><p><font color="#ff1493"><strong>久々のご挨拶～☆（笑）</strong></font></p><br><br><p>いや～、出来ました②！<br></p><br><p>書き始めは正直どうなることやらって感じでしたが(￣▽+￣*)</p><br><br><p>小説は<strong><font color="#0000ff">シッチャカメッチャカ</font></strong>なのも含めれば、なんやかんやで中学時代から書いていたのですが・・・(^▽^;)</p><br><p>けど、あれですね。</p><br><p>何年経っても、サイトなどでいくつ書いても、<font color="#ff6600"><strong>[完]って付けた時の気持ちのよさは変わりませんね≧(´▽｀)≦<img height="16" alt="キラキラ" src="https://stat.ameba.jp/blog/ucs/img/char/char2/123.gif" width="16"></strong></font></p><br><br><br><p>実のところ、<font color="#800080"><strong>本格的に書き出したのは相当久々</strong></font>だったんで、不安イッパイだったのですが・・・(_ _。)</p><br><p>というか、受け入れられるか勝負的なとこを含め、ちょっと長めに更新した時などは、毎回いつも「あ～<img height="16" alt="ダウン" src="https://stat.ameba.jp/blog/ucs/img/char/char2/175.gif" width="16">」ってなんか一人落ちてたんですけど(￣▽+￣*)ｱﾊ</p><br><br><p>でも、いつ更新されるかも分からないですのに（<img height="16" alt="ドンッ" src="https://stat.ameba.jp/blog/ucs/img/char/char2/280.gif" width="16">＜笑）、毎日ペタくださったり、ちょい②コメくださる方がいたりして・・・(ﾉω･､)</p><br><p>それはホンットに、<font color="#ff1493" size="2"><strong>励み＆支えになりました<img height="16" alt="キラキラ" src="https://stat.ameba.jp/blog/ucs/img/char/char2/123.gif" width="16"><img height="16" alt="しょぼん" src="https://stat.ameba.jp/blog/ucs/img/char/char2/144.gif" width="16"></strong></font></p><br><p>おかげさまで、<strong><font color="#9370db">そこまで</font><font color="#9370db">挫折への逃亡心が芽生えずにすみました☆（笑）</font></strong></p><br><br><br><p>ホント言うと、諸々の理由から、いつかまた小説書き始めるようになったら<font color="#00cc00"><strong>第一作はこの話</strong></font>って、漠然と決めてたところもあったんですけど・・・(・・；)</p><br><p>けど、なんか<font color="#800080"><strong>どうも今イチ自分の中で光景が浮かびきらなくて</strong></font>、書けずにいたんですが・・・(＞＜;)</p><br><br><p>ある日、私の中で、<strong><font color="#ff6600">「</font><font color="#ff6600">イメージピッタリ！」</font></strong>っていう曲と出逢いましてヽ(ﾟ◇ﾟ )ﾉ</p><br><p><font color="#00cc00"><strong>その一曲</strong></font>に触発されて、書き出した次第でございます☆(＾＾ゞ</p><br><p>まぁ～、<font color="#9370db"><strong>小説の内容</strong></font>は、<strong><font color="#800080">相当重いうえ超非現実的</font></strong>ですけどね(￣▽+￣*)ﾊﾊ</p><br><br><p>でもまぁ、何はともあれ、完結出来てよかったです☆(･∀･)/ﾊｲ</p><br><p><font color="#ff1493" size="3"><strong>読んでくださった皆さま、本当に②ありがとぅございました。・ﾟﾟ･(≧д≦)･ﾟﾟ･｡</strong></font></p><br><br><p>もし感想などございましたら、よろしければお聞かせくださいましね☆(^-^)/</p><br><p>更に、おヒマありましたら、次作もまたよろしくです♪<img height="16" alt="得意げ" src="https://stat.ameba.jp/blog/ucs/img/char/char2/189.gif" width="16"><strong><font color="#008000">（「また書くってか<img height="16" alt="汗" src="https://stat.ameba.jp/blog/ucs/img/char/char2/028.gif" width="16">」って？＜笑</font></strong>）</p><br><p><font color="#00cc00"><strong><br></strong></font></p><p><font color="#00cc00"><strong>では、またの機会まで～ヾ(＠^▽^＠)ﾉﾊﾞｲﾊﾞｰｲ</strong></font></p>
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<link>https://ameblo.jp/nameless-greenness/entry-10408741361.html</link>
<pubDate>Fri, 11 Dec 2009 17:34:34 +0900</pubDate>
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<title>その牙を立てて・・・３１</title>
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<![CDATA[ <p>はるか昔から</p><br><p>人が足をも踏み入れぬ深い山</p><br><p>永い永い時そこを守り続けているのは</p><br><p>強く哀しい深碧の瞳をした</p><br><p>大きな金の虎だという・・・</p><br><br><p>　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　[完]</p>
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<pubDate>Fri, 11 Dec 2009 17:27:08 +0900</pubDate>
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<title>その牙を立てて・・・３０</title>
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<![CDATA[ <p>一つの憎しみが終わっても</p><br><p>そこから新たな憎しみが生まれゆく</p><br><br><p>血色の連鎖は終わらない</p><br><p>この世から悲しみが消えるまで</p><br><p>人から愛が消えるまで</p><br><p>人が心を失くすまで</p><br><br><br><p>記憶の最後は</p><br><p>親友の悲痛と恐怖に歪んだ顔</p><br><br><br><p>それでも</p><br><p>互いを引き合わせたのは　</p><br><p>ただ憎しみだけではなかったと・・・</p><br><p>どうかその牙を　もう一度・・・</p>
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<pubDate>Fri, 11 Dec 2009 17:09:49 +0900</pubDate>
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<title>その牙を立てて・・・２９</title>
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<![CDATA[ <p>視界には鮮血が散り、俺の体をも、点々と染めた。</p><br><p>目の前の純白の虎の首から血柱が吹いた。</p><br><p>虎は重心を預ける支えを失くしたかのように、一瞬僅かにその身を落としたが、すぐに体勢を整え、そして次の瞬間、俺には真珠のような光沢を持つ牙が迫った。<br></p><br><br><p>・・・が、俺の身一つ噛み潰すのにいくらの力も要らないであろうそれは、俺が抱いた覚悟とは裏腹に、小さくほんの微かに、触れるように首筋に立てられただけだった。</p><br><p>え？</p><br><p>俺は思わず心でそう声を漏らしながら、顔を上げた虎の瞳を見つめた。</p><br><p>だが、そんな俺に虎がその瞳を返したのはほんの一瞬で、ふと視線を逸らすと、まるで何かからの解放を求めるように、道なき道へ向かうように崖へと走り、そのまま俺の視界から消え去って行った。</p><br><br><p>状況が把握しきれず呆然としながらも、俺はゆっくりと、視線を崖から爆音が響いた方へ向けた。</p><br><p>そこには蒼白な顔で銃を握る、祐樹の姿があった。</p><br>
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<pubDate>Fri, 11 Dec 2009 16:58:33 +0900</pubDate>
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<title>その牙を立てて・・・２８</title>
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<![CDATA[ <p>その争いは、少し引いた所から見るのと、間近にするのとでは、まるで違って俺の目に映った。</p><br><p>もはや哀しげな深碧の色など微塵も窺わせず、鮮やかな緑に瞳を光らせ、身体を紅に染めながらもなお牙を剥く、その虎の姿には、ある種、身の凍るような感覚さえ覚えた。</p><br><p>無意識とはいえ、恐らく何かしら声をかけるつもりで、ここまで来たのであろうはずなのに、いざその光景を前にすると、呼びかけるどころか、俺には、指先一つ動かすことすら叶わなかった。</p><br><br><br><br><p>そのまま、まさに直立不動で立ち尽くしていた、その時だった。</p><br><p>それまで、猟師達によって円形を取るように囲まれた中心で、脇目も振らず荒れていた虎が、ふと、こちらにその瞳を向けた。</p><br><p>俺の肩はそれに対して一瞬小さく跳ねたが、心の中では、</p><br><p>え・・・</p><br><p>と、戸惑いに似た、言いようのない感情からの言葉が一つ静かに落ちた。</p><br><p>そして俺は、目を合わせた虎との間でだけ時が止まり、まるで、周りの景色もない隔離された空間にいるような錯覚に包まれた。</p><br><br><br><p>それが瞬きほどの間だったのか、しばし続いたのかは、俺には分からなかったが、そんな滞った時は、ふと、その場から飛び上がるようにしてこちらに向かって跳ねた虎の動きによって裂かれた。</p><br><p>虎は周りに風を巻き起しながら俺の目の前に降り立つと、少しの間そのまま瞳を向けていたが、不意に、俺に顔を寄せるように首を下げた。</p><p><br>間近に映ったその瞳は、哀しくどこか寂しげな、深碧。</p><p><br>「サ・・・」</p><p><br>「サエ」と、無意識のうちに俺の口がその名前を呼びかけた、その時だった。</p><br><p>至近距離から放たれたらしい爆音が、俺の耳を痛いほどに貫いた。</p>
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<pubDate>Fri, 11 Dec 2009 15:10:17 +0900</pubDate>
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<title>その牙を立てて・・・２７</title>
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<![CDATA[ <p>その音は、社の集団がいるであろう先から響いたらしく、俺はそれを認識するなり無言のまま祐樹の傍を駆け出すと、その場へ向かった。</p><br><p>だが、山道を抜け開けた頂上付近に出た瞬間映った光景に、俺の足は凍りついた。</p><br><p>そこでは猟師達が次々と自慢の猟銃を取り出しては、何に向けるわけでもなくその先を上げ、ファインダーを覗き狙いを定めていた。</p><br><p>「よ・・・」</p><br><p>思わず俺の口を、「よせ」と声が突きかけたが、それは、視界の片隅にちらり映った影を追うように逸らされた、視線が捕らえたものに、はっと息と共に飲み込まれた。</p><br><br><br><p>急な斜面をものともせず、風のように駆け上がる白い虎。</p><br><p>そしてその虎は、俺が立っている場所とほぼ同じライン、山道を囲むように生えていた木々が途切れた辺りまで辿り着くと、猟師達に向かうべく、ふわり大きく跳ね上がった。</p><br><p>・・・が、次の瞬間、構えられていた銃口が一斉に火を吹き、宙に紅が散った。</p><br><p>だが白い虎は、身体から数筋の赤い糸を引きながらも、微塵たりとも怯む様子を見せず、銃を構える猟師達にそのまま飛び掛かった。</p><br><p>茜色に染まり始めた空を、白い体が裂く。</p><br><p>強靭な爪が人に伸びる。</p><br><p>緑の瞳が燃える。</p><br><p>乳白の太い牙が吠える。</p><br><br><p>銃口に囲まれながらも、一向に引く気も勢いの衰えも見せず荒れ狂うその姿。</p><br><p>数百年の間積み重なった憎しみの姿。</p><br><p>誰に抑えられるわけもない。</p><br><br><p>誰に抑えられるわけもない。</p><br><p>だがそんな思いとは裏腹に、気付けば俺の体はその元に向かい走り出していた。</p><br><p>「章人！？」</p><br><p>背後からそんな祐樹の声が微かに届いたが、それは過ぎ行く風によって瞬時掠れ消えて行った。</p>
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<pubDate>Tue, 08 Dec 2009 15:36:22 +0900</pubDate>
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<title>その牙を立てて・・・２６</title>
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<![CDATA[ <p>そんな俺の様子に、祐樹は一瞬呆気に取られたような顔をしたが、少しの間の後、いつもと変わらない落ち着いたトーンで、語り出した。</p><br><p>「社全体で下見に行った日、バカでかい白い虎が出ただろ？あれ以来、公に話題に上がることはなかったけど、俺、密かに上からあの虎について調べるように言われてたんだ。」</p><br><p>「え？」</p><br><p>予想外のその言葉に、ふっと、祐樹の肩を掴んだ俺の手から、僅かに力が抜けた。</p><br><br><br><p>だが祐樹は、それに特に構う様子もなく、言葉を続けた。</p><br><p>「調べてみたら、ここ、手付かずの山ってことになってるけど、度々開拓の話は出てて、実際何度か作業も開始されてるんだ。ただ、どの場合も、社員や関係者が大勢死んで、全部取り止めになってるけどな。」</p><br><p>「関係者が・・・？」</p><br><p>祐樹はその口調を変えることなく、淡々と続けたが、紡がれるその言葉に、俺の体からは徐々に血の気が引き、尋ねたその声も僅かながら震えを帯びた。</p><br><br><br><p>「生き残った人間の証言全てに共通するのは、『大きな白い虎』。それを上に報告したら、この退治話が出たってわけ。」</p><br><p>「退治って・・・」</p><br><p>「藪を突付いて蛇を出すじゃないけど、やられる前にってことなんだろ。」</p><br><p>最後に祐樹が放ったその言葉は、話を聞けば聞くほど混乱の極みに陥っていた俺の頭を、まさに撃ち抜いたように思えた。</p><br><p>そんな状態で、何を返せるわけもなく、目線は無意識に地へと落ち、頭同様ぐらつく足元に俺の重心は一瞬後ろへさらわれた。</p><br><p>だが次の瞬間、不意に再び山に鳴り響いた銃声は、傾きかけた俺の体をぐっと踏みとどまらせた。</p>
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<link>https://ameblo.jp/nameless-greenness/entry-10406332444.html</link>
<pubDate>Tue, 08 Dec 2009 14:51:32 +0900</pubDate>
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<title>その牙を立てて・・・２５</title>
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<![CDATA[ <p>呆然と立ち尽くす俺を、白き虎はしばし、ただじっと見下ろしていたが、不意にその瞳を細めたかと思うと、おもむろに首を下げ、構えるような姿勢を取った。</p><br><p>だが俺は、もはやそんな虎の様子にも恐怖すら感じられず、脳はぼんやりとどこか諦めに似た覚悟に浸っているようだった。</p><br><p>その時だった。</p><br><p>何の前触れもなく、空気を裂くような銃声が、山と、俺の頭に響いた。</p><br><br><br><p>その音にはさすがに我に返り、俺は思わず一瞬辺りを見渡したが、すぐにはっと、目の前の虎に目線を戻した。</p><br><p>虎は、状況を把握するためか鼻先を上にあげ、その瞳は、凝らすように遠くへ見据えられていた。</p><br><p>が、次の瞬間、そこには怒りと憎しみのこもったような色が浮き上がり、その感情は、虎の身体の周りを激しく取り巻いているかのようだった。</p><br><p>その様子に、俺は嫌な予感を覚えながら、虎の視線をゆっくりと辿った。</p><br><p>そこには、黒い鉄の筒を持った猟師数名を含め、あの日下見の場にいたメンバーの姿がちらついていた。</p><br><p>それを認めた瞬間、俺の体は、無意識のうちに虎よりも先に動き出し、どれほど振りかと思うほどの全速力で駆けていた。</p><br><br><br><p>草のツルが度々足を取るのも構わず、しばし走ったところで、俺の目は、その集団の中に祐樹の姿を捕らえた。</p><br><p>「祐樹！」</p><br><p>「な・・・章人！？」</p><br><p>茂みの中から、自分の名前を叫ぶようにしながら飛び出してきた俺に、祐樹は驚きをそのままに、声を上げた。</p><br><p>「お前、何して・・・」</p><br><p>「おい、これどういうことだよっ？」</p><br><p>かけられた言葉を最後まで聞くこともなく、俺は思わずその肩に掴みかかるようにしながら、祐樹に食いついた。</p><br>
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<link>https://ameblo.jp/nameless-greenness/entry-10406296112.html</link>
<pubDate>Tue, 08 Dec 2009 13:39:52 +0900</pubDate>
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<title>その牙を立てて・・・２４</title>
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<![CDATA[ <p>その時だった。</p><br><p>ふと頭の中に、聞き覚えのない低い声が響いた。</p><br><p>「幼い頃、ほとんど親に捨て置かれていたサエにとって、リンは唯一の心の寄せ処だったのだ。」</p><br><p>俺は、その声の主に確信が持ちきれず、一瞬辺りを小さく見渡したが、そこには誰の存在どころか、他には物音一つすらなく、信じ難いことながらも、自分の前に立つ虎から発せられたものであることは、明らかだった。</p><br><br><p>瞬間自分の体に走った、混乱とも恐怖ともつかない感情に思わず強張った動きに乗せるようにしながら、ゆっくりと虎の深碧の瞳に目線を戻すと、再び頭にその声が届いた。</p><br><p>「お前が道から足を滑らせた時、サエは初めて、私が表に出ていながら、自分の意志で動いたのだ。よほど強く引き合うものを感じたのだろうと思っていたが、まさかお前があれの憎しみの元凶だったとは、皮肉なものだな。」</p><br><p>その言葉の最後は、どこか嘲笑うような調子をも含んでいた。</p><br><br><br><p>不意に、初めてサエに出会った日、その少女の姿を見る前に微かに覚えた、自分の体を受け止める柔らかな感触が記憶の中にむざむざと蘇った。</p><br><p>小さな体の中に住む戎羅の存在を知った時は、人知れずどれほどの間苦しんできたのだろうと思った。</p><br><p>けれど、その運命を背負わせることになったそもそもの引き金は、俺だったのだ。</p><br><br><br><p>あの小熊を助けられたら、リンを殺した報いに少しは応えられるかもしれない・・・</p><br><p>樹上で鳴く小熊の姿を見た時、無意識に抱いたそんな思いは、所詮、少しでも罪の意識を軽減しようとする俺の逃げの心から生まれた、自分勝手な解釈以外の何物でもない。</p><br><p>そんなことで、消えた命も、残された憎しみも、変わるはずないというのに・・・</p><br><p>ずっと色褪せることなく残っているなどと言いながら、結局俺は、自分の苦しみしか見えていなかったのだ。</p><br><br><p>そんな思いに俺はまさに打ちのめされ、言葉どころか、自分が立っている感覚さえも、全身から抜け行くかのようだった。</p>
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<pubDate>Sat, 05 Dec 2009 17:41:25 +0900</pubDate>
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<title>その牙を立てて・・・２３</title>
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<![CDATA[ <p>次の瞬間、風が強く吹き、俺とサエを取り囲むように、周りの落ち葉が舞い上がった。</p><br><p>その状況に、俺は思わず庇うように顔を背けたが、その横で不意に、</p><br><p>「いや・・・！」</p><br><p>そんなサエの声が、微かに響いたように思えた。</p><br><p>そして、俺が視線を再びサエがいた場所に戻した時には、そこには、深碧の瞳で静かに俺を見下ろす、堂々たる白い虎の姿があった。</p><br><br><br><p>虎は、並々ならぬ威圧感を醸し出しながらも、ただじっとその瞳を向けるばかりで、一向に動く気配を見せなかった。</p><br><p>・・・が、その様子に、俺がふと、「サエ？」と、窺がうように一歩足を踏み出した瞬間だった。</p><br><p>虎は不意に瞳を鋭く光らせると、低い吠え声を一つあげ、その大きな身体からはとても想像つかない俊敏な動きで、俺に向かい飛び掛ってきた。</p><br><p>「・・・っ！」</p><br><p>声にならない声を発しながら、地に転がるようにして間一髪その身を免れた俺の後ろで、代わりに虎の爪を受けた大木が、鈍い音を立てながら倒れた。</p><br><p>違う・・・</p><br><p>その光景から再び虎に目を戻し、俺は心の中で漠然とそう呟いた。</p><br><p>戎羅・・・</p><br><p>見つめた虎の瞳は、溢れんばかりの激しい感情にたぎり、まるで、その奥で緑色の炎が燃え盛っているかのようだった。</p>
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<link>https://ameblo.jp/nameless-greenness/entry-10404141469.html</link>
<pubDate>Sat, 05 Dec 2009 16:21:43 +0900</pubDate>
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