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<title>取り立てマンの迷走生活</title>
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<description>某金融会社で債権回収業務に携わる現役取り立てマンですテレビであるようなシュチエーションや、知られていない隠れた事を特定されないように、なるべく面白く書いていきたいと思っていますまた、滅法苦手な恋愛の悩みも合間に入れていきたいと思います</description>
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<title>人間不信</title>
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<![CDATA[ 「全てを疑い、全てを嘘だと思え」<br><br>大山課長が配属当初から何度も繰り返していた言葉です。<br>これが回収業務を行うにあたっての基本的な心構えなんだとか。<br><br><br>実際、どうなのかというと、この言葉は間違ってません。<br><br>突発的に小学生のような嘘をつく人、嘘をつくのが日常化してしまい絶えず嘘をつく人。<br><br>私は社会人になってから、ほぼ毎日嘘つきと顔を突き合わせ、時に嘘を徹底的に追及し、時にその嘘に付き合っています。<br><br>おかげで私は人の嘘や、隠し事を見抜く事が得意になりました。<br><br>会話の矛盾、仕草、目の動き。<br><br>嘘をつく人は色々な所にそのサインが出ます。<br><br><br>こんなクセが身に付いてしまうと、当然プライベートでも無意識に相手を目で追ってしまっています。<br><br>家族、友達、彼女。<br><br>みんな人間ですから、大小問わず嘘はつきます。<br><br>その嘘に気付いた時、辻褄が合うまで追及していました。<br>しかし、結局それは嘘なので辻褄など合いません。<br>「ごめん、嘘だった」<br>大体はこれが終わりの合図になります。<br><br>でも、そんな事をやってると、自分は疲れるし、人も離れていくので、いちいち細かいことを言うのはやめました。<br><br><br>嘘に気付いても、場の雰囲気に合わせて、嘘に付き合いました。<br><br>すると、<br><br>信用出来なくなりました。<br><br><br><br>今は自分の親ですら、信用出来ていません。<br><br>結局、全ての人の全ての会話を辻褄が合うか合わないか、端的に言えば常に疑いながら会話をしているので、非常にストレスがたまります。<br><br>それで先日、頭痛が激しい日が続いたので病院に行くと、精神的な事が原因だと言われ、心療内科を紹介されました。<br><br><br>この人間不信は、私の性格ではなく、立派な病気でした。<br><br><br>精神病なんて、<br>単なるワガママや、我慢が足りないだけだと思っていた私は、まさか自分がそんな診断をされるなど思ってもおらず、動揺しました。<br><br><br><br>
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<link>https://ameblo.jp/nankoro16/entry-11328837006.html</link>
<pubDate>Wed, 15 Aug 2012 07:28:00 +0900</pubDate>
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<title>バレる</title>
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<![CDATA[ ブログ再開宣言をしてからというものの何ら更新出来ませんでした。<br><br>実はこのブログ、バレそうになっていたのです笑<br>しかも、会社の人に。<br><br><br>再開宣言をした翌日だったでしょうか、<br>喫煙所でタバコを吸ってる時に他部署ですが、たまに一緒にお酒を飲んだりする後輩がいたので声をかけたのです。<br><br>後輩は携帯をいじっていて、何をしてるのか聞くとブログを書いてるとの事でした。<br><br><br>「ブログやってんのか？」<br><br>「はい。身内ネタで日記みたいなもんですけどね」<br><br>「ふーん」<br><br>ちらっとアメーバが見えたので、同じところ使ってるんだー程度にしか思っていませんでした。<br><br><br>「結構おもしろいんですよ、ブログ。たまさんもどうですか？」<br><br>「いや、俺はいいや」<br><br>「たまさんと似た境遇の人のブログ見つけたんですけど、たまさんのが絶対ネタ多いから面白いと思うんですけどね」<br><br>「俺と似た…？」<br><br>「はい、何か回収の仕事やってて、それで面白かった事例を物語風にして書いてるみたいなんですよ」<br><br>「ちょ、ちょっとどんなの？」<br><br>「えーっと………………こんな感じです。URL教えましょうか？」<br><br><br><br>って、流れで見事に見つかってしまったのです笑<br><br>幸い、他部署には交渉の細部は公開していないので当社の事だとはバレなかったらしいですが、<br>それでも私と似ていると、思われてしまうということは、業務の内容を知ってる人物が見れば一発でバレるということですね笑<br><br>まぁ一応これまでも細部はちょこちょこ脚色を加えていたのですが、もう少し考えなければならなくなりました。<br><br><br>なので、当分の間はブログ本編はお休みさせて頂きますm(__)m
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<link>https://ameblo.jp/nankoro16/entry-11323001293.html</link>
<pubDate>Wed, 08 Aug 2012 07:20:00 +0900</pubDate>
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<title>ご無沙汰してしまいました</title>
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<![CDATA[ 大変長らくブログを放置してしまいました。<br><br>約２ヶ月弱、例年であれば特に動きもない時期なのですが今年は過去に例がない程、忙しい日々が続いてます。<br><br>我々が忙しいというのは、すなわち不良債務者が多発するという事態なので会社としても良い事ではありません。我々の部署は暇でやることがないくらいのがちょうどいいのです笑<br><br><br>そんなこんなで仕事ばかりしてたのかというと、そうでもなく笑<br><br>ブログの本筋とは話が逸れますが、苦節約一年、ようやく彼女が出来ました笑<br><br>プライベートも充実してきたところでブログもしっかり更新していきたいと思います！
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<link>https://ameblo.jp/nankoro16/entry-11299180879.html</link>
<pubDate>Tue, 10 Jul 2012 19:01:00 +0900</pubDate>
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<title>苦手なタイプ</title>
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<![CDATA[ このブログでもあまり取り上げていませんが、当然借金を繰り返したり、起業をしたりする時に莫大な借金を背負うのは男性だけではありません。<br><br>当社の顧客でも割合はやはり男性の方が多いですが、女性の顧客も少なくないのです。<br><br><br>そして、私が苦手な顧客のタイプはずばり女性客。<br>特に若い女性と、おばさんです。<br><br>今回、問題に上がってきた新しい問題客は正にこの二つのタイプでした。<br><br><br>まず、若い女性の方は、藤崎さんという女性で水商売の女性です。<br><br>会った事はありませんが、写真を見るととんでもない美人。<br><br>藤崎さんは自分の店を持つ為の開業資金で当社から融資を受けました。<br><br>年齢も30歳ちょうどで若いのですが、亡くなった父親から不動産を相続していたので、その不動産を担保に融資をしました。<br><br>通常は水商売という不安定な事業には融資しにくいのですが、藤崎さんの愛人が中堅起業の経営者で、連帯保証人になるということだったので、融資したのです。<br><br>ところが、今回問題に上がってきた内容は、この連帯保証人である愛人が事業にコケ、破産したというのです。<br><br>今まで当社の支払はその愛人がやっていたとの事だったのですが、当然破産した人には請求出来ないので、<br>今後どのように返済していくのかを話し合わなければいけません。<br><br><br>もう一人は福田さんという55歳の中年女性。<br><br>こちらは亡くなったご主人が営んでいた解体業の会社を受け継ぎ、経営している女性です。<br><br>単純に事業が傾き始めた為、支払が厳しくなってきたという内容でした。<br><br><br>どっちも一朝一夕で片付くような問題ではなく、長期化する見込みなのでまた新しい問題が増え、落ち着かない日々が当面終わりそうにないと覚悟しました。<br><br><br>幸い、次の日は土曜日で休み。<br>彼女とデートの約束もしていたので、この問題は一旦棚上げ。<br><br>土日に目一杯リフレッシュしてから取り掛かるとしよう。<br><br>そう思って、その二人のファイルは机の奥にしまいました笑<br><br>
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<pubDate>Thu, 07 Jun 2012 18:39:00 +0900</pubDate>
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<title>6月25日(金)</title>
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<![CDATA[ この日は二次試験の日です。<br><br>前回同様、私は伊藤と会社を出て試験会場へ。<br><br>前回はしっかりと勉強をして準備をした伊藤でしたが、今回はそんな時間もなかった為、終始不安そうでした。<br><br><br><br>試験は論文試験。<br><br>出題内容は回収業務における法律知識に関わる問題が数問。<br>まぁこれは普通に業務に携わっていて、ある程度文章能力があれば全く問題ないです。<br><br>問題は一番ウエートの高そうな記述問題でした。<br><br>出題内容が、<br>【企業経営における債権回収の重要性を説け】という問題。<br><br>こんなの主観でしかないんだから正解なんてないだろ、と。<br><br>つまり、法律知識や一般論でなく、各々がどういう意識を持って回収業務に取り組んでいるか、または取り組むつもりなのかというもの。<br><br>これは勉強してどうこうなるような問題ではないので、実務経験者が圧倒的に有利になるような問題でした。<br><br>無難に試験を終えましたが、伊藤はあまり手応えがなかったらしく、少し落ち込んでいました。<br><br><br><br>会社に戻り、一通り報告を終え、自分のデスクに戻ると、案の定、未処理の案件が山程。<br><br>そのほとんどがいつも見る顧客の名前で、内容もいつもと同じ様な内容。<br><br>その辺の督促は伊藤に任せるとして、あまり聞く事のない名前の顧客の内容に目を通します。<br><br><br>毎回、案件として上がってくる、いわゆる常連案件は不良債権予備候補として、もちろん危うい債権です。<br><br>しかし、度々名前が上がってくる事により、こちらも債権内容を徹底的に洗って、顧客を厳しく管理していくので、<br>不良債権化を防ぐ事も出来るし、また最悪の場合も想定はしているので、経営に大きな影響は与えません。<br><br><br>本当に怖いのは今まで全く問題のなかった顧客がいきなり案件として上がってくるケースです。<br><br>今まで問題として上がってこなかったので、こちらも債権内容を細かく把握していません。<br><br>この場合、顧客がかなり無理をして返済を続けてるケースもあり、<br>（例えば、色んな所から借金をしまくっていたり、極端に当社の支払を優先して他社を後回しにしてる等）<br>気付いたときには既に手遅れ、なんて事も珍しくありません。<br><br><br>また、問題が発生した段階で対応窓口が貸付担当から回収担当、つまり我々に変わる為、顧客もかなり構えます。<br><br>当然、貸付担当者より回収担当者の方が厳しく、怖いイメージがあるでしょうから。<br><br>よって、我々が連絡をする最初の会話が大切で、問題ばかり起こす顧客より、一見の顧客のが怖いケースが多々あるのです。<br><br><br><br>そして、今回は名前が上がってきたのは、私が今でも最も苦手とするタイプの顧客でした。<br><br><br>
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<pubDate>Wed, 06 Jun 2012 19:25:00 +0900</pubDate>
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<title>追い詰めるだけが回収じゃない</title>
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<![CDATA[ 結局、私が顧客だったら、<br>"追加融資は難しいかもしれない、ただ返済に関しては何とかうまい事やってくれそうだ"<br>という印象を抱くような話でした。<br><br>帰っていく時に水野さんが、<br>「どうもありがとうございました！ご迷惑かけます！」と言っていたとこをみると、<br>恐らく水野さんも同じ様な感覚だったのではないかと思います。<br><br>このままだと、言った言わないの水掛け論になってトラブルが起こりそうだったので、私は中谷を呼び出しました。<br><br><br>「厳しい言い方になるかもしれんが、正直言って何を言ってるのかさっぱりわからなかったな」<br><br>「そうですか？水野さんは納得されて帰ったように思いましたが」<br><br>「だから言ってるんだよ。返済待ってくれ、追加融資してくれってアポすらしないで来る程に切迫してた人が一時間そこら説得されてすんなりと納得して笑顔で帰るか？」<br><br>「それはまぁ…」<br><br>「少なくとも俺が見てきた顧客は何度も何度も食い下がってきたよ。それだけ切迫してるって人はな。大体、今日の話でお前は水野さんにどうさせるんだ？」<br><br>「いや、追加融資はしないし、返済は今まで通り何とか続けるようにしてほしいと伝えたはずですが」<br><br>「お前はそうかもしれんが、客観的に聞いてた俺にはそんな意図は伺えなかったよ。水野さんの最後の表情もお前の意図をしっかり把握してるとは思えなかったけどな」<br><br>「そんな事ないと思います。てか、思うんですけど、顧客を追い詰めるだけが回収じゃないですよね？」<br><br>「は？」<br><br>「いや、たまさんや大山課長のやり方はもちろん否定しませんけど、担当者によって顧客の話を極力聞いて、それになるべく応えていくっていう担当者がいてもいいと思うんです」<br><br><br>まだ配属されなばかりなのに、こいつは知ったような事を…。<br>と、思い、かなりカチンと来ましたがそこは何とか堪えました。<br><br><br>「まぁお前がそれできちんと回収出来るって言うならそれでもいいよ。ただ、俺も大山課長もそういうやり方をしてないってことはそれじゃ回収出来なかったからそういうやり方をしてないんだ」<br><br>「全ての顧客がそうだとは思いません。今までがどうだったかは分からないけど、俺の感覚じゃ水野さんは約束はきちんと守る人です」<br><br>「そう。ならいいよ。まぁ次の約定日にちゃんと振込されればね」<br><br><br>確かにそういう不満を持ってもおかしくはないですが、仮にそうだとしてもよくそこまで自信満々に反論出来るものです。<br><br>当時の私も、何でもかんでも顧客を責めるのは間違ってるという感情は抱きましたが、実はそれが全て計算し尽くされているということが分かったのは業務に大分慣れてきた頃でした。<br><br>だから、中谷もそうやって理解するんだろう、と思いましたが、<br>それにしても大して年は変わらないとはいえ、部下にここまで言われるとは、指導力のなさに少し落ち込みました笑<br>
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<pubDate>Tue, 05 Jun 2012 18:46:00 +0900</pubDate>
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<title>水野さんの近況</title>
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<![CDATA[ 「担当させて頂く中谷です」<br><br>さすがに営業上がりなだけあって、必要以上に低姿勢で水野さんに挨拶します。<br><br><br>「それで、水野さん。相談というのは何ですか？」<br><br>とりあえず今日は話の流れは私が作ろうと思い、私から水野さんに話を切り出します。<br><br><br>「ええ。まぁ単刀直入に言うと、来月から支払が出来そうにないんです」<br><br>「それはまたかなり厳しい話ですね。何故ですか？」<br><br>「店の売上が毎月のように落ちてまして。先月も売上が落ちていて、やむなく年金と合わせて支払いましたが、今月の売上はもっと悪くて、来月の支払に回せるお金がないんです」<br><br>「なるほど。それで来月は待ってほしいと」<br><br>「ええ。あと、追加融資のお願いもありまして…」<br><br>「追加融資？」<br><br>これはまた思ってもみない展開でした。<br><br><br>「店を少しリニューアルしたいんです。客足が落ちているのも店の古さが影響してるのもあると思うので」<br><br>そうだった。<br>水野さんは自分の味覚が変わってしまった事を未だに受け入れられないでいるんだった。<br><br>自分の腕一本でやってきた職人というのは、本当に頑固なのです。<br><br>その後も延々と、自分の過去の栄光を語り、店を改良しさえすればまた人気店に戻ると言い、リニューアルに当たる企画書も手書きで作ってきて、身ぶり手振りで説明していました。<br><br>中谷は時折、相槌を打って親身に聞いていましたが、私からしたら正に時間のムダ。<br><br>原因は水野さんの作る商品にあることは奥さんも分かっているはずで、<br>無言で真剣に話す水野さんを、奥さんは黙って見守っていました。<br><br>当然、追加融資どころか、支払の延期も出来ません。<br><br><br>「ちょっといいですか、水野さん」<br><br>急に話を遮った私に皆が固まりました。<br><br>「せっかく色々と説明してもらってるのに申し訳ないのですが、状況を聞く限り、追加融資は出来ません。絶対に」<br><br><br>最初からダメ元で来ていたのでしょう。<br>やっぱり、という感じで水野さんは肩を落としました。<br><br><br>「ちょっと、たまさん」<br><br>ここで反論してきたのは、まさかの中谷でした。<br><br>「私から伝えますから」<br><br>そう言うと、中谷は一から丁寧に、当社の融資のシステムから説明を始めました。<br><br>そんな説明は私からすれば時間のムダだし、何より遠回し過ぎて何が言いたいのか見えない。<br><br>しっかりと相槌を打って、水野夫妻は聞いていますが、果たして話の内容が本当に分かっているかどうか。<br><br>ここでしっかりと追加融資に関しては断っておかないと顧客もそれを当てにしてしまい、金策に動かない可能性もあります。<br><br>それで不良債権化してしまったらそれはもう顧客ではなく、担当者の責任というレベル。<br><br>なので、返済計画というのは顧客の希望は聞きつつも、こちらはこちらで現実的な返済方法を顧客に投げていかなければなりません。<br><br>しかし、担当に指名したのは私。<br>仮に中谷のやり方が間違っているとはいえ、顧客の目の前でそれを否定しては彼の立場がありません。<br><br><br>ここは黙って聞いておくしかないとして、私は黙って中谷の話を聞いていました。<br><br><br><br>
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<pubDate>Mon, 04 Jun 2012 19:04:00 +0900</pubDate>
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<title>初担当</title>
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<![CDATA[ 「急にどうしたんですか？」<br><br>まぁあくまで建前上、一応はこう聞いておかなければなりません。<br><br><br>「実は、支払いの件で相談がありまして」<br><br>でしょうね。<br>顔見れば分かりますよ。<br>そして、ここで妙案を思い付きました。<br><br><br>「そうですか。もちろん私もお話は伺うつもりですが、実は今、私も大きな案件抱えててなかなか時間が取れないんですよ。それで提案なんですけど、新しい担当を水野さんの専属で付けるってのはどうでしょうか？」<br><br>何の問題もなく、支払を続けてる顧客からすれば担当の変更など何ら関係ありませんが、<br>何度も当社を利用してくれてる常連客や、延滞が多くて危機感のある顧客は担当が変わるのを結構嫌がります。<br><br><br>「え、たまさん、担当変わっちゃうんですか？」<br><br>隣で奥さんが不安そうに聞きます。<br><br><br>「いや、変わると言っても私の部下ですから。当然、随時報告は受けますし、時間が取れれば私も一緒に伺ったりしますよ」<br><br>渋々納得してくれました。<br><br><br>私は水野さんの担当を中谷にしようと考えたのです。<br><br>何故かというと、水野さんはご夫婦とも非常にいい人で、延滞を繰り返す事に非常に罪悪感を感じています。<br><br>かといって、当社が本気で回収に乗り出さなきゃいけない程に支払状況が悪い訳でもなく、言ってみれば我々からすると非常にやり易い顧客です。<br><br>三浦さんの一件で、仕事に違和感を感じている中谷には最適の顧客であり、元々意欲的で、責任を追わせれば努力するタイプならば、ここで担当に付かせるのが一番だと考えました。<br><br><br><br>「俺がですか！？」<br><br>一度、退室して中谷を呼びに行くと、やはり中谷は驚きました。<br><br><br>「内容は大体把握してるだろ？」<br><br>「ええ…言われた通り、延滞が目立つ債務者の債権内容は一通り目を通しましたから」<br><br>「サポートはするし、難しい案件じゃないからやってみなよ」<br><br>「はい！ありがとうございます」<br><br><br><br>そして、私は中谷と一緒に水野さんの待つ応接室へ戻りました。<br><br>後に、私は中谷の性格を読み違えていた事に気付き、これが顧客管理部に危機を陥れる最大のミスとなるのです。<br>
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<pubDate>Sun, 03 Jun 2012 21:32:00 +0900</pubDate>
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<title>6月23日(水)</title>
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<![CDATA[ この日、出勤するなり私は専務に呼ばれました。<br><br><br>「ようやく大山の意識が戻ったらしい」<br><br>数日前に大山課長は10日以上意識のなかった状態からようやく目を覚ましたのです。<br>私は心底ほっとしました。<br><br><br>「まぁでも、当然まだ会話もしっかり出来る訳じゃないし、後遺症がどれ程残るかも分かっていない。復帰までには大分時間がかかる見込みらしい」<br><br>「ええ、それは覚悟してました。あれほどの怪我でそんなにすぐ戻ってくるとは思ってません」<br><br>「それならいいんだ。当分は大山のいない中、業務と試験の両立も大変だと思うけど頑張ってくれ。私も精一杯支援するつもりだから」<br><br>そんなもの当てにしてない。<br>などと言える訳もなく、私はお礼を言って部屋を後にしました。<br><br><br>お見舞はもう少し落ち着くまでは役員以外は会社から禁止されている為、行くことは出来ませんが、とりあえずはほっとしました。<br><br>午後には社内にも情報が行き渡り、皆それぞれ安心しているようでした。<br><br><br><br>そんな日に、後に顧客管理部を更なる危機に陥れる顧客がやってきたのです。<br><br>顧客の名前は水野さん。<br><br>担保は住居兼店舗で、一階は水野さんが奥さんと一緒に経営する蕎麦屋、二階は二人の住まいとなっています。<br><br>この蕎麦屋は先代から30年以上続いている昔は地元では有名な蕎麦屋だったそうですが、近隣に飲食店が激増し、年々売上は下がっていました。<br><br>それでも二人で生活していく上では何ら問題はなかってのですが、<br>水野さんが数年前、脳の病気をしてしまったのです。<br><br>幸い、発見が早く、治療を経て無事に再度蕎麦屋を営業することが出来たのですが、病気の後遺症で、水野さんの舌が狂ってしまったのです。<br><br><br>代々継がれてきた伝統の味は既になく、事情を知る常連客は離れなかったものの、評判はがた落ち。<br><br>その頃に当社に借入を起こしたのです。<br><br>しかし、融資時に既に貸付担当者は近い将来、必ず水野さんの支払は滞る事を確信していたようです。<br><br><br>多少、遅れつつも何とか支払ってきた水野さんがここにきて何故かアポなしで来たのです。<br><br>当然、嫌な予感しかしません。<br><br><br>
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<link>https://ameblo.jp/nankoro16/entry-11265480447.html</link>
<pubDate>Fri, 01 Jun 2012 19:10:00 +0900</pubDate>
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<title>中谷から見た私</title>
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<![CDATA[ まぁ話はご飯でも食べながらな、と言い、我々は喫茶店へ。<br><br>ホットドッグとコーヒーを目の前に、中谷が話し始めます。<br><br><br>「あそこまでやる必要があるんですか？」<br><br>やっぱり。<br>やり方に不満があったんだ。<br><br><br>「まぁ最初はそう思うだろうな。俺もそうだったよ」<br><br>「あんな言い方したら、債務者は怒らないんですか？」<br><br>「あんな言い方をしなきゃ払わないんだよ、ああいう客は」<br><br>「でも、客だって人間です。いくら立場的に不利であり、怒ってはいけないと自覚していても怒る時はあるでしょう？現に金を投げつけたじゃないですか」<br><br>「まぁ怒るのは無理ないな、と思う時はあるよ。でも、だから何？怒ったなら怒ったでいいじゃん。無担保債権じゃそうはいかないけど、担保あるなら怒らせたってダメージないだろ？まぁ一概には言えないけどよ」<br><br>「いや、だって…」<br><br>中谷が何か言いにくそうだったので、すぐに私は察しました。<br><br><br>「あぁ、大山課長の事を言いたいのか」<br><br>「はい…正直言って、俺は客を怒らせてまで回収する覚悟はありません」<br><br>「自分が貸した金だとしても同じ事言える？」<br><br>「………分かりません。でも、結局、自分の金を融資する訳じゃないですから」<br><br>「まぁ、そう言ったら終わりだよ。1億コケようが、10億コケようが、結局会社の金だから関係ありません。会社がそれで潰れたら、若い俺達は転職すればいいんです…てか？」<br><br>「いや、そこまでは…」<br><br>「ううん、分かるよ。俺もどっかでそう思ってるもん。大山課長には悪いけど、あそこまでして仕事や会社に尽くす理由がない」<br><br>「そうなんですか？」<br><br>「そりゃそうだろ。まぁお前はそうやって言うけど、俺の中ではさっきの交渉は全然怒らすつもりはなかったんだけどな。交渉の手段として、あえて怒らす時はもっときつく言ってる」<br><br>「俺からしたら、きつすぎですよ」<br><br>「俺のやり方がきついと感じるなら大山課長の回収現場なんか見たら、腰抜かすぞ。あれはもうマシーンだからな、取立マシーン」<br><br><br>中谷が抱いた違和感や疑問は、私が配属された当初に抱いたものと全く同じでした。<br><br>中谷と同じ様に、私も退職した香川主任に詰めよりました。<br><br>やはり、私が感じたように中谷は私と少し似ていました。<br>それに気付いて、私は中谷に親近感を覚えました。<br><br><br><br>「でもね、たまさん」<br><br>「ん？」<br><br>「配属の時、今回は例外の異動だったから常務と専務から直々に事情説明があったんですよ」<br><br>そんな事をしてたのか、と少し感心しました。<br><br><br>「その時にやっぱり疑問があったんです。役職者が誰もいない部署に回収の素人の僕が配属になったって何も役に立たないって」<br><br>「正直、俺もそう思ったよ笑」<br><br>「そしたら二人とも言ってましたよ。"たまは法務関係の知識はまだ十分ではないけど、回収の交渉に関しては大山と大差はない。若いから客もナメてかかってくるが、そういう客には、むしろ大山よりもキツい。"って」<br><br>「え…」<br><br>「まぁだからたまさんに任せても大丈夫だろうって事なんでしょうけど、回収業務で褒められるって、何か人間としてどうなのか？ってのも思ってたんですよ。しかも、客にきつくする事が良かれみたいな言い方でしたから。だから、たまさんに今の話聞いて安心しました！最近、飲みにも連れてってくれないし、冷たくなったなぁとか思ってましたから笑」<br><br>「あ、ああ。そっか」<br><br><br>中谷や、常務、専務からは、<br>私が大山課長に抱いていた【取立マシーン】のように見られていた、ということが、<br>笑い事に出来ないくらい、この時の私はショックでした。
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<link>https://ameblo.jp/nankoro16/entry-11263859512.html</link>
<pubDate>Thu, 31 May 2012 18:26:00 +0900</pubDate>
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