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<title>ミシガン・ロール</title>
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<description>まあ、何となく思ったことを書きなぐってみました。</description>
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<title>手をつなごう</title>
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<![CDATA[ <font style="font-size: 16px;">街を歩いていたら、二十歳ぐらいの女の子が二人で手をつないで歩いていた。<br>よくある風景と言えばよくあるが、振り返って見てしまった。<br>なぜ女性は同性の人と手をつなげるのだろう？<br>俺は同性の奴と手をつなぐぐらいなら蛇にほホオズリする方を選ぶし、それで街中を歩けと言われたら、土下座してその人の靴を舐めでも勘弁してもらう。<br>大体、街中で男同士が手をつないでいるのを見たら、間違いなくあっち系の人だと決め付けられてしまうではないか。<br>それなのになぜ女性は同性同士で手をつなげれるのだろう。<br>そりゃあ、俺は女性の手の方がいい。どう考えても男のゴツッとし手てより、女性の柔らかい手の方がいいに決まっている。<br>しかし、女性が男と手をつないでいる所を目撃する事も確かだ。<br>俺にとっては体中の毛穴から嫌な汗が出るぐらいの行動でも、女性にとっては楽しいのかも知れない。<br>そう思って試しに一応男というカテゴリーに分類される自分の手を握ってみた。<br>さすがに自分の手であるから嫌悪感はないが、嬉しくも楽しくもない。<br>こんな物を握って女性は何が楽しいのだろう？<br>やはり世の中には男と女の手しか無いから、我慢して男の手を握っているのだろうか。<br>もしそうなら、俺は全世界の男に成り代わって全ての女性に謝りたい。<br>この前家に帰ったら、二人の子供が座って何かを囲んでいる。<br>何かと思って覗いてみたら、腹が減ったので二人して砂糖つぼに指を突っ込んで砂糖を舐めていた。<br>今どきこんな事を目撃できるのは、どこかの国の難民キャンプぐらいと思っていたら、<br>灯台元暗しとはよく言ったものでこんな身近で見れるとは思わなかった。<br>これと同じで女性も他に無いので我慢してゴツイ男の手を握っているのに違いない。<br>すまん。そしてありがとう！君たちの自己犠牲の精神を俺は忘れない。<br>そしてその気高い行動に報いもしよう。<br>俺はこれから頑張ってデブになる。<br>デブになって手首の外側にシワが出来るぐらい手をプヨプヨにして、少しでもゴツイ感を無くそうではないか。<br>嫁にそう声高に宣言した所、<br>「あんた、ゴツイ手と汗で湿った手　どっちを握りたい？」<br>と問いかける<br>う～ん「人生は果てしない選択の繰り返しである」と今俺が勝手に作った名言があるが、<br>どっちも嫌な選択なので困ってしまう。<br>もう少しマシな選択肢はないのかと甘えるように嫁を見ていたら<br>「所で肝心の手を握ってくれる人はいるの？」<br>と追い討ちをかけてきた。<br>そう言えば、ここ十数年、女性に手を握られた覚えが無い事に気付き愕然とした。<br>ただ単に女の子が手をつないでいる所を目撃しただけなのに、俺の存在価値にまで考えが及ぶなんて思ってもいなかった俺は、<br>自分の両の手を握り締め、神に俺の存在意義を問いかけた。</font> <br>
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<link>https://ameblo.jp/nantonakuda/entry-10038448407.html</link>
<pubDate>Sun, 01 Jul 2007 22:38:10 +0900</pubDate>
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<title>ゆっくりと</title>
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<![CDATA[  <font size="4">雨の降る中、田舎の道を車で走っていた。<br>周囲には稲刈りを済ませた後の田んぼがかなり遠くにある山裾まで広がり、時おり民家が何軒か連なる以外は何もない田舎道。<br>そんな何もない田舎道の脇に立っている大きな木の下で中学生の男子が二人自転車を止めて話をしていた。<br>部活帰りなのだろか、二人とも野球のユニホームを着ている。<br>何を話しているのだろう？<br>今日の部活の出来事について話しているのか、それとも昨日見たテレビの話だろうか。<br>何にしても取り立てて特別な話をしているわけではないだろ。<br>いつものような、きっと明日になれば忘れてしまうような他愛の無い話。<br>そんな何でも無い話を、たまに通る車の音以外はシトシトと降る雨の音以外何も聞こえず、都会では感じられないぐらいの雨の匂いの中でしてる二人。<br>どんな言葉を尽くしても、加納姉妹のテカテカ光る胸の材質が何か俺には理解できないように、きっと今の君達には理解できないだろうが、<br>君達は今、宝物のような時間と空間の中にいるんだよ。<br>誰にだって大切な時間と空間がある。<br>人によってはその時間と空間を得るために途方も無い労力とお金をつぎ込んでいる場合だってある。<br>でもそれはある意味ただのシュミレーションかもしれない。<br>本当に大切なものは、今は当たり前の中に隠れているものだから。<br>最近隣のうちの赤ん坊が夜泣きをする。<br>まあ壁一つ隔てていると言う訳でもないので気にするほどでもないのだが、隣のお母さんは大変だなと思っていると嫁が、<br>「なんだか羨ましい」と言う。<br>じゃあお前は夜泣きされるのが好きだったのか？と聞くと。<br>「そんな筈ないでしょ、嫌だったに決まってるわよ。でも今考えるとそれがすごく幸せだったと思うのよ」<br>と言う。<br>男の俺には分からない。というか俺は子供の夜泣きで眠れなかった事も、夜中に起きた事もないから幸せだったかどうかも分からないのだが、大切な事は後になって気が付くらしい。<br>雨の中、大きな木の下で中学生はいつまでも話をしている。<br>大笑いする訳でもなし、込み入った話をする訳でもなしに。<br>見渡せば、まだ色を濃くしていない若い葉が風にゆられて風の形を示し、<br>見上げれば山の向こうを流れる雨雲が形を変え、ゆっくりと時間が過ぎていく。<br>なんだか俺の時間までゆっくりと流れていくような気がした。<br>どうせ君達には分からないだろうから、君達の代わりに俺が大切な時間を味わっても文句は無いだろう。</font>
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<link>https://ameblo.jp/nantonakuda/entry-10038049273.html</link>
<pubDate>Thu, 28 Jun 2007 00:32:44 +0900</pubDate>
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<title>続　缶詰談義</title>
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<![CDATA[  <font style="font-size: 17px;">で、このゥ。缶詰の件ですがね。<br>ええ、この前ね、ちょいと話をした缶詰の件です。<br>あれから誰かがうちのカカァに意見してくれたみてぇで、<br>「おまえさん缶詰が好きなんだってね。何か買ってこようか？」<br>なんてシオラシイ事いいやがりましてね、そいつはありがてぇってんで<br>「すまねえなぁ、そいじゃいいところ見繕って買ってきてくんねえぇ」<br>と頼んだんですよ。<br>しかしうちのカカァの事だから帰ってくるまで何を買ってくるかわからねえのが心配でね。<br>この前もね、なんだか小腹が空いちまったからカカァに<br>「おう、ちょっくら、つまむ物買ってきてくれねえか」<br>って頼んだらカカァが<br>「あいよ、おまえさん。ちょいとひとっ走り行って来るからね」<br>って飛び出して、帰ってきたら洗濯バサミ買ってきましてね。<br>あたしゃあ洗濯物じゃあねぇってんだ。<br>いえ、本当ですって。全くしょうのない奴です。<br>なんせ缶詰って言いやしても種類が多いですからね。<br>あたしのお気に入りはなんてったって「みかん」ですがね、あたしだって自分のヒイキ以外は認めねえなんて了見の狭い男ではないつもりですよ。<br>「パイナップル」。こいつもナカナカ爽やかないい奴です。<br>ちょいとスジが歯に引っかかって鏡の前で百面相しなけりゃ取れない事があるのが玉にキズですが、腹いっぱい飯を食った後に「パイナップル」の缶詰を食ったら、なんかこう腹の中がすっきりするような気がしていいですな。<br>きっと「パイナップル」は几帳面な片付け上手にちげえねえ。<br>こんど横丁の金物屋のセガレに世話してやろうとカカアと話しをしている所です。<br>ただね、一つだけ言わせて貰いますとね、「みかん」の缶詰はガラスの器ですが、「パイナップル」は缶のままがいいって事です。<br>あの缶のまま冷蔵庫に入れておいて、夜な夜なシルを直に飲むんですな。<br>あのヒヤッとした感じが「パイナップル」爽やかさを引き立てます。<br>ええ、本当ですよ。ぜひ一度試してください。<br>後は「桃」もいいですな。<br>「パイナップル」の爽やかさも、「みかん」の甘酸っぱさも有りませんが、ツルリと口の中に滑り込む感じがたまりません。<br>それもこれも、あのヌメりのお陰でしょうが、何でもかんでもヌメっているのが良いって訳ではありません。いいのは「桃」だけです。<br>ヌメっているからと言ってカエルやナメクジを缶詰にされて冷やされてもあたしゃあ責任もてませんよ。<br>え？そんな事をする奴はいない？<br>いえいえ、なんでもかんでも缶詰にすりゃあいいって奴がいるんですよ。<br>「りんご」や「梨」なんて物を缶詰にしてましたが、あれはいけませんよ。<br>「りんご」に甘いシル？ふぇ～、食べられた物じゃありません。<br>「りんご」を漬けていいのは塩水だけです。ええ。<br>それにね、このまえ百貨店に行きましたらね、トマトの缶詰が置いてありましたよ。<br>何考えてんでしょうね。トマトをシルにつけて冷やして食ったってうまい訳がありませんよ。トマトはそのまま冷やして塩をふって食うのが一番です。<br>え？あれは冷やして食べる物じゃない？<br>トマトぴゅーれ？料理に使う？<br>ははあ、じゃああれは「みかん」の缶詰とかの仲間じゃなくてサバ缶の仲間ですかい？<br>なぁんだ、そうですか。あたしゃ、あんな物をガラスの器に入れて食うようになったんじゃこの国の行方がどうなるのかと心配しましたよ。<br>おっと、そう言って入間にカカアの奴帰って来ましたよ。<br>おう、ご苦労さん。で何買ってきたんでえ。<br>ん？なんだいこれは？<br>缶詰はわかってますよ。なんの缶詰だと言ってるんです。<br>サクランボの缶詰？<br>あたしが問題にしているテーマはなんでした？<br>シルじゃねえのかい？缶詰の醍醐味は冷やしたシルにあるって口が酸っぱくなるぐらい言ってたんじゃねえんですか？<br>シルは入っている？<br>バカいっちゃあいけねえ。糖尿病じゃああるめえし何が悲しくて甘くもないシルをススらなきゃあなんねんでい。<br>あたしは宣言しますよ。<br>今後一切シルが飲めない缶詰の購買を禁止します。<br>本当かって？本当ですよ。<br>あたしの決意はどんな時でもまっつぐに貫いているんです。<br>たとえ何があってもあたしの決意が曲がる事はありません。<br>え？あんたの好きなカニ缶も食べないのかって？<br>バカ言っちゃあいけません。カニは食べますよ。<br>なぜかって？<br>カニはまっつぐ進めない。</font><!-- -->
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<link>https://ameblo.jp/nantonakuda/entry-10037411188.html</link>
<pubDate>Thu, 21 Jun 2007 21:01:53 +0900</pubDate>
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<title>梅雨の晴れ間の朝に</title>
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<![CDATA[  <font style="font-size: 18px;">今年中学に上がった娘が部活を始めた。<br>部活と言えば朝練であるが、今まで布団を剥ごうが耳元で怒鳴ろうが鉱物のように反応しなかった娘が朝練に行く為に起きるようになった事には驚きを禁じえない。<br>まあ、起きると言っても魂は布団の中に置き忘れているようで、髪の毛を爆発させたまま空ろな目でカラクリ人形のようにリビングに現れる。<br>娘の身体に魂が追いつくのは午前６時５７分だ。<br>テレビの占いが始まった途端、目をランランと輝かせ自分の星座のランキングに一喜一憂する。<br>しかしあの占いには毎日の事ながら呆れさせられる。<br>「今日のラッキーアイテムはピンク色のポーチ。今日のＢＡＤな星座は「おひつじ座」のあなた。濃い目のアイシャドウをつけると気分が変わっていい事があるかも」<br>じゃあ何か？おひつじ座の中年男性には助け舟も無いのか？会社に濃い目のシャドーなんかつけていった日にはＢＡＤなのは今日だけでは済まなくなるぞ。<br>そんな事を考えているうちに時間は７時１０分になっている。<br>娘は友達と朝待ち合わせて学校まで言っているが、その待ち合わせの時間が確か７時１５分。<br>７時１３分。ようやく「いって来ま～す」の大きな声と共に玄関の閉まる音がした。<br>少しして俺も出かける時間になったので玄関を出ると、娘が自転車を持ったまま玄関の前でジッとしている。<br>「どうした？遅れるんじゃないのか？」<br>「うん、急いでるんだけど今は動けない」<br>不思議に思いながら娘の視線をたどると、自転車の前をアリが行列を作っていた。<br>「そうか、じゃあしょうがないな」<br>俺も一緒になって行列を作っているアリを眺める。<br>梅雨の合間の晴れた日の朝は他の朝より特別な気がして時間の過ぎるのを忘れてしまう。<br>「みんな怒ってるかな？でも事情が事情だけに許してくれるよね」<br>「ばか者。この事情が無くても余裕で遅れてただろ」<br>「ウッ」<br>「それにな、いい事をした代償ってのはお前がちょっと嬉しくなった事でチャラになってるんだ。お前が遅れて怒られる事とは話が別だ」<br>「う～ん。難しいねえ」<br>「お前のような小娘には、これから覚えなくちゃならない事が一杯あるって事だ」<br>「大変だね」<br>人事のように言う娘に<br>「ちょっと貸してみろ」<br>と娘の自転車を持ち上げアリの行列を避けて再び娘に自転車を返した。<br>「おお！その手があったか」<br>俺はわざと大げさに肩を竦ませ<br>「な、人生には学ばなくちゃならない事が山積みだろ？」<br>ハハハと笑いながら娘は自転車に乗って出かけていった。<br>俺が中学生の頃は自転車の荷台に鞄をくくりつけて行ったものだが、最近は二人乗りをさせない為か自転車に荷台が付いて無く、前のカゴに鞄を入れている。<br>その為、ちょっとフラフラしながら家の前の坂道を危なっかしく下っていく娘を見送った。<br>イカン。もうこんな時間だ。俺まで仕事に遅れてしまう。<br>俺は急ごうとして思い留まり、足元を見る。<br>フム、アリの行列は無いようだ。<br>それを確認すると、再び急ぎ足で車に向った。</font><!-- --><br clear="all">
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<link>https://ameblo.jp/nantonakuda/entry-10037097143.html</link>
<pubDate>Mon, 18 Jun 2007 20:50:12 +0900</pubDate>
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<title>青いのはお好き？</title>
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<![CDATA[  <font style="font-size: 16px;">人生とは色々なわだかまりを克服していくものである。<br>「ここが嫌い」とか「なんでこんな物を」という事を乗り越えた時に新たなる発見や感動を見出し、これからを生きていく糧にして行く。<br>しかし、俺にはどうしても克服できない物がある。<br>それは何かというとピーマンである。<br>ニンジンは未だに好きというほどではない。あの妙な甘さに幾ばくかの違和感を感じるからだ。<br>でも、柔らかく煮て何かの付け合せにした時には何か光る物を感じて認めざるをえない。<br>玉ねぎは大した奴だ。<br>子供の頃、夕飯にハンバーグを作る事になって、母親に玉ねぎを買ってきてと言われたが俺は玉ねぎが嫌いだったので玉ねぎ無しのハンバーグにしてくれと頼んだ。<br>ハンバーグは大好きである。それに嫌いな玉ねぎが抜けるととんでもなく美味いものになると思ったが、実際に作ってもらったら「なんだこりゃ？」てな物になった。<br>甘みもジューシーさもないパサパサした物体でしかなかった。<br>それ以来玉ねぎには頭があがらない。今では親友とさえ言ってもいいぐらいだ。<br>白菜はいい奴である。<br>昔はナベの空間を埋める為だけに存在している物であった。<br>ただ、クセの無い奴だったので邪魔にならず存在を許してはいたが、あのナベの中でナヨっとした感じには好感が持てなかった。<br>しかし一見自己主張のない日和見主義に見える姿は仮の姿であり、全ての物と協調し合い1＋1を3にでも4にでも出来るオールラウンドプレイヤーである。<br>最近の活躍で言うと、とんこつラーメンのスープに白菜と餃子を一緒に煮込むと、それは甘美な味わいとなり新しい発見であった。<br>自己主張しない頼れる奴。それが白菜だ。<br>俺は長年、色々な物とぶつかり合い、そのぶつかり合いの中でお互いを切磋琢磨してきたが、未だにピーマンとだけは分かり合える事が出来ない。<br>俺も悩んださ、なるべくピーマンのいい所を探そうとしたし、ピーマンの出しているサインを見逃してはいまいかとおのれ自信に問い掛けた事もあるが、何も見出せずにいた。<br>でも、テレビを見ていて俺がおかしいのでは無い事に気がついた。<br>ピーマンって何色？と聞かれると、１０人が１０人緑色と言うが、それは間違っている。<br>本来熟したピーマンの色は赤色であり、通常食卓に並んでいるピーマンとは熟す前に摘み取られている物なのだ。<br>なぜそんな熟す前の不完全な物を摘み取るかと言うと「だって～　そっちの方が～　苦くて～　おいしいっぽいから～」である。<br>冗談じゃない。お前らは柿を青いまま食えるのか？<br>バナナでもいい。トマトでもいい。本来熟すと色が変わる食物を青いまま食えるもんならなら食ってみるといい。<br>他の食物は人生をまっとうできるのに、なぜピーマンだけが実りもしないのに散っていかなくてはならないのか。<br>俺は今ピーマンが不憫でならない。<br>まだ芸を磨いてないのに勢いだけで売れてしまった若手芸人がその後どんな道をたどるのか分かっているのだろうか？<br>ピーマンだって<br>「待ってくれ！これは本当のおれじゃない。俺の実力はこんなもんじゃないんだ～」<br>と叫んでいるはずだ。<br>道理でスーパーの生鮮食品売り場の前に行くと他より温度が下がっているわけだ。<br>ピーマンの恨めしい気持ちが温度をさげているのだ。<br>ピーマンよ俺は待っている。<br>お前がいつの日かまぶたを焦がすほどの赤色となり、再び食卓にその雄姿を現すのを。<br>それまで俺はお前の不本意な姿を見て見ぬふりする。<br>例え食卓に上ろうとも決してお前が成長するまで食す事はないだろう。<br>だから子ども達よ。<br>そういう理由があるから父がピーマンを食さないからと言って<br>「好き嫌い言っちゃあダメじゃない」<br>なんて言わないでね。</font><br><!-- -->
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<link>https://ameblo.jp/nantonakuda/entry-10036989820.html</link>
<pubDate>Sun, 17 Jun 2007 20:39:30 +0900</pubDate>
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<title>妄想狂時代</title>
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<![CDATA[  <font style="font-size: 17px;">小さい時に住んでいた家の近くに牛乳工場があり、その工場の屋上に大きな牛乳瓶のオブジェがあった。<br>子供である俺は当然その牛乳瓶には本当に牛乳が入っていると思っていたので、夏になるとその牛乳瓶の中で泳げたらいいなあなどと思っていた。<br>子どもの空想ぐらい空恐ろしいものはない。<br>もし、本当にそんな大きな牛乳瓶があり、その中に牛乳が入っていて、真夏にそんな中で泳ごうものなら身体中バリバリになってまさしく牛乳をふいた雑巾のようになってしまう。<br>さらに喉が渇いたからといってその中の牛乳なんか飲んでしまったら脱水症状が起こるぐらいの下痢になりかねない。<br>子ども頃の妄想なんて今考えるととんでも無い事の方が多い。<br>子どもの頃いつも思っていたのは、ドラ○えもんのスモールライトで小さくなってスイカみたいな果物に飛び込んで思いっきり食べて見たいとかだが、実際にそんな事をしたなら糖分11％の汁で身体中ベトベトになりながらいたる所に種をへばりついてしまい罰ゲーム以外の何物でもないだろう。<br>しかし子供の頃の願望で一番多かったのが食い物関係のことで、美味しいけどちょっとしか食べれない贅沢品を腹いっぱい食べてみたい事だったが、中学生の時にその願望を果たした事があった。<br>家の近くの商店街に太鼓饅頭という関東で言えば今川焼きのような饅頭を焼いている店があり、当時１個７０円した太鼓饅頭をお年玉で２０個買ってきた。<br>もちろん一人で食べるためだ。<br>家に誰もいないのは確認していて、俺は逸る気持ちを抑え袋を開けると中からはまだ湯気が立ち上っている太鼓饅頭がコンガリとしたキツネ色で俺に幸せを振りまく。<br>昔からの念願を果たせる喜びに打ち震えながらまずは一口。<br>美味い！これで俺も大人の仲間入りか？<br>そんな甘ったるい物を腹いっぱい食いたいと思うのが大人かどうかは分からないが、俺はと太鼓饅頭を消化させていく。<br>美味かった。幸せだった。<br>ただしそれは、三個目を食い終わるまでで、四個目を口に入れる頃から俺の気持ちに変化が生じる。<br>先程まであれほど幸せだった気持ちが色を失い、次第にやるせなさに変わっていき、六個目を消化した時点で「何やってんだ俺？」に変わっていった。<br>結局7個目でダウンしていまい、後に残ったのは後悔と胸焼けと13個の太鼓饅頭だった。<br>俺の空想では２０個なんかぺロリと平らげて充実感だけが残るはずだったのに実際に食えたのは７個、それも無理しての７個だ。<br>なんだか空しさの後に強烈な自分えの怒りが湧いてきて、残った太鼓饅頭をベットの下に放り込み数日後アリで真っ黒になった太鼓饅頭を母親に発見されて怒られた。<br>やはり子供の妄想はろくな事がない。<br>この間、朝まどを空けると息子が屋根の上で寝ていた。<br>早速叩き起こし「何やってんだ？」と聞いたら<br>「いや、涼しそうだし、星見ながら寝るのも気持ちいいんじゃないかと思って」<br>で、どうだった？<br>「蚊にさされるわ背中が痛いわ、ろくな事がない」<br>落ちるとは思わなかったのか？<br>「そこは俺の想像力でカバーした」<br>全く親に似て、想像力と妄想の区別が未だについていないとは嘆かわしい。<br>子供の妄想はロクな事がない。<br>でも、妄想が現実と折り合いを付け想像力に変わっていくのなら、まんざら悪い事でもないとも思う。</font>
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<pubDate>Fri, 15 Jun 2007 21:05:38 +0900</pubDate>
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<title>缶詰談義</title>
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<![CDATA[  <font style="font-size: 17px;">冷蔵庫を開けるとみかんの缶詰が入っていた。<br>我が家でみかんの缶詰を見るのは久しぶりだったので嫁に聞いたら、近所の人に貰ったから夕食の後で食べるつもりだと言う。<br>俺は基本的に食後のデザートなる物を食べるぐらいなら、そのデザートなる物が入る胃のスペースに米を詰め込みたいタイプなのだが、みかんの缶詰となると話が違ってくる。<br>みかんの缶詰と言えば、俺の中でイチゴに牛乳を掛けた物に並ぶデザートだ。<br>夕食を食うのももどかしく俺はみかんの缶詰の登場を待ちわびる。<br>そしていよいよテーブルの上に真打が登場した。<br>おお、さすが我妻。ちゃんとガラスの器に入っている・・・が、何かが違う。<br>俺の想像していた物と比べ、何かが貧相になっている。<br>原因はすぐにわかった。シルが入っていないのである。<br>「ちょっと申し訳ない。俺はシルも一緒に飲みたいから入れてくれないか」<br>嫁は不思議な顔をして聞き返す。<br>「汁？シロップの事？そんな物捨てたわよ」<br>なにィ～！！！<br>食事の事では声を荒立てない俺が立ち上がりテーブルを震わせた。<br>捨てたって？シルを？なぜ？<br>シルが無けりゃあ、これはみかんの缶詰ではなくて、ただの皮をむいだみかんでしか無くなってしまうではないか！<br>「缶詰のシロップなんて甘ったるいだけでしょ、捨てるに決まってるじゃない」<br>するってえと何ですか？ええ？みかんの缶詰のシルは昭和の名人、五代目古今亭志ん生の言うところの<br>「シャツの三つ目のボタン。あっても無くてもいい物」<br>ってえんですか？<br>冗談いっちゃあいけませんよ。<br>みかんの缶詰のシルってえのはね、あたしらが子供の自分にはみんなが取り合うほどの人気者でしたよ。<br>冷蔵庫でキンキンに冷やしたみかんの缶詰をガラスの器に盛ってちゃぶ台に出てきただけで家族全員が固唾を飲み込んだほどですよ。<br>ええ、もう、それだけで正月気分になれやした。<br>まず、なみなみに入れられた汁を口でもって迎えにいきやして、冷たさと甘さを十分に楽しんだ後にいよいよみかんを食べるんですなあ。<br>そいでもって頃合が良くなった頃を見計らって、シルの中でみかんをほぐしてジュルジュルと音を楽しみながら呑むって寸法でさあ。<br>自慢じゃあありませんが、世界ではじめてツブツブオレンジって奴を発明したのはあたしじゃないかと自負していますよ。<br>そのシルを捨てる？<br>バカな事を言っちゃあいけません。<br>じゃあなんですか？お前さんは梅酒の梅だけを食べてシルは捨てちまうんですか？<br>梅をエキスが余すところ無く染み出た酒を呑むんじゃねえんですか？<br>みかんの缶詰だって一緒でさあ。<br>みかんの甘みが溶け込んだシルを捨てるってえバカな話はございませんよ。<br>え？なに？梅酒の梅をどれだけ口の中に入れていられるかが子供の時分の関心事だった？<br>最長記録は丸二日で最後はつい飲み込んでしまい家族中大騒ぎになった？<br>なにバカな事を言ってるんだろうね。<br>ともかく、今後「みかんの缶詰のシルは一滴残さずに飲む」それが我が家の家訓にします。<br>わかりましたか。<br>まったく大声を出したらノドが乾いちまった。<br>おう、ちょいとすまねえが、茶をいっぱいくんねえか。<br>おーっととと。なんで茶をガラスの器に入れるんでえ。<br>あたしがガラスの器に入れるだけで正月気分になれると言ったから？<br>いいんだよ。茶は湯呑みで飲むものなんだよ。<br>実を言うとさっき割っちゃった？<br>仕方ない奴だなあ。そこの戸棚にこの前引き出物で貰った湯のみがあっただろ？<br>そうそう、その箱。ちゃんと「湯のみ」って書いてあるだろ。<br>おう、すまねえな。<br>って、茶葉がそのまま入ってるじゃあねえか。<br>なに？一緒に入ってるほうがいいんでしょって？<br>なに言ってやがる。茶は一緒にいれちゃあならねえんでえ。<br>なぜかって？<br>ほら、その箱にもちゃんと、入れるのは「湯のみ」って注意書きがしてある。<br>・・・お後がよろしいようで。</font><!-- -->
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<link>https://ameblo.jp/nantonakuda/entry-10036692049.html</link>
<pubDate>Thu, 14 Jun 2007 21:01:34 +0900</pubDate>
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<title>謎の鼻歌</title>
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<![CDATA[ <font style="font-size: 18px;">「ウッホ・ウホウホ・ウッホッホ」<br>仕事中に車を走らせていて、急にこのメロディが口をついて出た。<br>車の中が密室である事をいい事に、俺は気分が良いとしばしば鼻歌などを歌っている。<br>数あるレパートリーの中でも最近は、ルパン三世のファーストシリーズ（ミドリジャケットのルパン）の初期オープニング曲で、Lupin The Thirdという歌詞のＴｈのアクセントを帰国子女並の発音で歌うのがお気に入りだ。<br>しかし、今俺が口にしている歌は初めてで、歌っている俺でさえ何の曲だか分かっていない。<br>俺は注意深く自分の鼻歌に耳をひそめる。<br>「大きな山をひとまたぎ、キングコングがやって来た」<br>おお、キングコングか。しかしまた何で今キングコングなんだ？<br>たまに自分を疑いたくなる時はこんな時だ。<br>「怖くなんかないんだよ。キングコングは友達さ」<br>キングコングが友達？エンパイヤーステートビルによじ登り、複葉機を破壊した奴がどうして友達なんだ？<br>謎はいっこうに深まるばかり。<br>その謎を解明すべく、更に自分の鼻歌に耳を傾ける。<br>「嵐も　×××も　恐竜もキングコングにゃ叶わない」<br>なんてこった！歌詞の一部が思い出せない。困ったぞ。<br>まて、焦るな俺。こんな時は歌詞の前後からその部分を推察すればいいじゃないか。<br>えーっと、つまりこの欠如した部分はキングコングに叶わない物で、恐竜や嵐と同様に強い物であるという事だ・・・<br>ちょっと待て、恐竜は分る。しかし嵐とはどういう事だ？<br>嵐にも吹き飛ばされないという事か？でもそれなら郵便ポストだって飛ばされずに頑張っているぞ。<br>そういえば歌詞に「大きな山をひとまたぎ」とある。<br>大きな山という限りは、そこら辺にある山では無く、標高が2000メートル級の山なのだろう。<br>その山をひとまたぎとなると身長は5000メートルはある事になる。<br>すごいぞキングコング！<br>これなら嵐が来たって顔は雲の上にあるだろうから嵐なんかへっちゃらだ。<br>しかしよく考えたら、こんな生き物が大きな山をひとまたぎしたら大地震が起こるではないか。<br>頼むキングコング。君が僕等の友達であり続けたいなら、ぜひとも外出は控えてほしいものである。<br>推察を続けよう。<br>歌詞の欠如した部分の手がかりは、大きな物で三文字。<br>何がある?<br>地球・・・ダメだ。こんな物と戦うなら、もう僕らの友達ではなくなってしまう。<br>宇宙・・・もっとダメじゃん。<br>砂丘・・・砂遊びしてどうする。<br>だめだ。こんな事では俺の人としての器の大きさまで疑われてしまうので友達に電話してネットで歌詞を調べてもらった。<br>待つ事数分。すぐに答えが返ってきた。<br>答えは地震だった。<br>なるほど、地震か。そこには考えが行かなかった・・・<br>ちょっと待てキングコング！　地震を起しているのはお前じゃないか！！！</font><!-- --> 
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<link>https://ameblo.jp/nantonakuda/entry-10036584467.html</link>
<pubDate>Wed, 13 Jun 2007 19:26:20 +0900</pubDate>
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<title>未来を見据えて</title>
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<![CDATA[  <font style="font-size: 16px;">我が家のトイレは文明から取り残されている。<br>とは言え、一応水洗ではあるし、洋式であったりもする。<br>しかし、２１世紀を迎えて、もう小学校に入学した子どもが中学に入るほどの時間がたちながら、トイレのドアを開くと電子機器どころかパイロットランプの１つすら見受けられないのは寂しい限りである。<br>先日、仕事中きゅうに便意をもよおし、仕事先のトイレを借りたのだが、さすが２１世紀。<br>ドアを開けると、清潔な便器の横にこれぞ近未来というべき電子機器が付いており、俺はさながらガンダムのコクピットに乗り込む気分で便座に座った。<br>まあ、俗に言うシャワー式トイレと言う奴だが、これがまた憎い事に暖かいと来ている。<br>冷め切った現代社会において、こいつだけが俺の凍えそうなケツを暖めてくれるのだなと思ったら、少し涙が出た（すみません、ウソです）<br>大いなる満足感の中で用をたした俺は、ついいつもの癖でトイレットパーパーに手を伸ばそうとして、すんでの所で思い留まった。<br>バカだなあ。今はもう２１世紀なんだぞ。<br>「神は死んだ」とニーチェは言ったが、TOTOに言わせれば「紙はすんだ」と言いたい所だろう。<br>きっと何がしかのボタンを押せば春風のような温風が吹き出して、俺のケツを天日で干した布団のようにフカフカに仕上げてくれるにちがいない。<br>そう思って、そのボタンを探してみたが、どうした事かどこにも無い。<br>野郎！ケチりやがったな。<br>ガッガリである。こんなに残念な事は、結構無理してラーメン屋以外の中華料理屋に入り、、うまいうまいと飲んだスープの味が「出前一丁」のスープの味だと気づいた時以来である。<br>あまりの憤慨さに、友達に電話して一緒に憤ってもらおうとしたら<br>「なに言ってんだ？今はそんな機能付いてないのが普通だぞ」<br>と未だに、ギザ十（ふちがギザギザになっている十円玉）を見ると欲しがるガキを見るような感じで言われた。<br>そう言われて思い出したが、確かにあの温風と言うのは頼りなくて<br>「おいおい、そんなもんじゃあウブな生娘のファーストキスの後の涙は乾かせても、俺のケツは乾かせはしないぜ」<br>と言う感じで、生乾きのケツに履いたパンツの感覚は妙に俺をみじめにした。<br>なるほど。これが進化論で言うところの退化なのだろう。<br>初めは必要かなと思って付いていた物が、やっぱりこれいらねえんじゃねえ？と切り捨てて行く。<br>初め高機能でうたっていた携帯も今では「使いやすくてシンプル」が売りになったのと一緒だ。<br>確かに温風機能は必要なし！君には出て行ってもらう。<br>しかし後に残った者もいつまでも今の地位が安泰だと思っていたら足元をすくわれるよ。<br>例えば温かくなる便座。<br>な～んか妙になれなれしくて鼻につく感じがする。<br>俺はいつまでも緊張感を持って付き合っていきたいんだよ。<br>それにシャワー式もいい気になるなよ。<br>したたってくる水がケツッペタを流れる時の不機嫌さは、犯罪増加率の上昇に一役買っているような気もするから、いずれ法律で禁止されるかもしれない。<br>洋式トイレは運動不足の現代人に足腰の弱さをうながしているかもしれないし、<br>母親として排泄物の色形を見て家族の健康状態を知る必要があるので水洗にも問題がある。<br>つまり、最も未来的なトイレは和式の汲み取り方式だと言う事だ。</font>
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<link>https://ameblo.jp/nantonakuda/entry-10036475605.html</link>
<pubDate>Tue, 12 Jun 2007 19:28:32 +0900</pubDate>
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<title>魔法の靴</title>
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<![CDATA[  <font style="font-size: 17px;">バケツをひっくり返したような雨が降ったかと思うと、もう雲の切れ間から青い空が広がっていた。<br>おてんとう様の気まぐれに人はなす術も無くただ右往左往するしか無いのだが、その気まぐれも悪い事ばかりではない。<br>先程の雨でアスファルトのいたる所に水溜りが出来ていて、走っている車からその水溜りを見下ろすと白い雲と青い空が写っていて、自分が下に写っている雲よりも高い場所にいるような気になってくる。<br>水深２cmにも満たない水溜りなのに、もしそこに突っ込めば遥か下の雲まで落ちてしまいそうな気がしてドキドキしてしまう。<br>雨上がりの水たまり。それも青空の広がる雨上がりに太陽の光を反射させている水溜りは冒険がいっぱいだ。<br>子供は水溜りが好きである。<br>かくゆう俺も子供の頃、長靴をはくと好んで水溜りばかり歩いていた。<br>基本はすり足。ズズズズと少しずつ水溜りに足を入れていく。<br>つま先から甲へ、水が侵入しないのを確認しながら今度は足首の方まで浸かっていく。<br>気分はもう潜水艦の艦長。<br>長靴が足首まで浸かってしまうと後は水しぶきを上げながらドンドン歩いていく。<br>なんせ長靴だ。水が侵入してこないように設計された水溜り用の靴である。<br>どんな水溜りだってへっちゃらだ。<br>と思っていたら、いつの間にか長靴の中に水が入っていて靴下がびしょ濡れになっている。<br>いつの間にか穴が開いてしまったか？<br>長靴を脱ぎ、調べてみても穴なんか空いてはいない。<br>不思議で仕方が無かったが、もう古くなっていて目に見えない穴がどこかに開いているのだろうと思った。<br>ある日、今まで履いていた長靴が小さくなったので新しい長靴を買ってもらった。<br>今まで履いていた長靴より大きくて分厚くてピカピカに光っている長靴だ。<br>もう靴下が濡れる心配はない。<br>子供の俺は長靴をはいて急いで外に飛び出していったが、すぐに思い描いていた結末とは正反対の事実に直面する。<br>やはりいつの間にか長靴の中が濡れているのだ。<br>もしかしたら母親が騙されて穴の空いた長靴を買わされたのかもしれないし、長靴が雨に対して無敵では無かったのかもしれないとも思ったが、そんな事を買ってくれた母親にいえる訳も無くそれ以来長靴を履かなくなった。<br>それから少し大きくなって、長靴に水が入るのは長靴のせいではなく、跳ねた水が長靴に入り込むと分ったが、その頃には長靴なんか無くても平気で水溜りと戯れる事が出来る悪ガキになっていたので相変わらず長靴をはく事は無かった。<br>先日、洗車用に長靴を買った。<br>洗車場に行き、長靴を履いて車を洗っていると排水口に何か詰まっているのか洗車場の隅に水溜りが出来ていた。<br>俺は長靴の中に水が跳ねないように入らないようにゆっくりと水溜りに入っていったが、やはり長靴の中に水が入る事は無い。<br>ごめんね。疑っていた事があったけど、君は無敵だよ。<br>足元を見るとそこには水溜りに青い空と白い雲が写っていて、まるで魔法の靴で空に浮かんでいる気がした。</font>
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<link>https://ameblo.jp/nantonakuda/entry-10036409174.html</link>
<pubDate>Mon, 11 Jun 2007 23:20:27 +0900</pubDate>
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