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<title>言の葉倉庫</title>
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<description>自作小説をｇｄｇｄ書いていきます。いろんなジャンルに挑戦しようと思いますので、よろしくお願いします。</description>
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<title>其の二『彼は言った、全ては必然だと』</title>
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<![CDATA[ 「はぁっ……はぁっ……」<br><br>　眩暈がする。<br>　呼吸をするのもやっとで、どうにか木に支えられて立っていられているが、もう倒れそうだ。<br><br>　しかし、歩みをやめてはいけない。<br><br>　つい何時間前までは、父と母と、お兄ちゃんと。<br>　みんなで笑い合っていたのに。<br><br>　―――――笑い合っていたのに……！<br><br>「っぅうっ……なん、で……っ」<br>　景色が歪む。<br>　生暖かいものが自らの頬を伝い、地面に落ちては消えていく。<br>　<br>　あのフードを被った男は誰だ？<br>　何故家族は殺された？<br>　何故私は追われている？<br><br>　次から次へと、いくつもの疑問があふれ出る。<br><br>　あの惨状を思い出すたびに、嘔吐していたが、もう吐き出すものもついえたらしい。<br>　吐きそうにはなるが、もう何も出なかった。<br><br>「もう、嫌だよ、……」<br><br>　ここまでくれば、もうあいつらは追ってこないだろう。<br>　そう、思いたい。<br><br>「お母さん、お父さん、お兄ちゃんっ……みんな……みんな……」<br><br>　私を残して――――――いかないで…………。<br><br><br>　ふっ、と力が抜ける感覚がした。<br>　<br><br>　そのまま、彼女の意識は闇に落ちて行った。<br><br><br>＊<br><br><br><br>「ん？」<br>　学園に戻る途中、こんな人気のない森の中、何か落ちている。<br>「……拾った方がいいのか？」<br><br>　誰に言うのでもなく、呟いて、とりあえず近づいてみることにした。<br>　近くまで行くと、どうやら人間だと気付き、慌てて体を揺さぶる。<br><br>「おい！大丈夫か！！」<br>　焦って大声を出してしまった。<br>　何度か揺さぶっていると「んん……」と非常に五月蠅そうに眉根を寄せられてしまった。<br>　どうやら寝ているらしい。<br><br>「……こんなところで呑気に昼寝か……？」<br>　いや、流石にそれはないだろう。<br>　ふと、彼女の着ているローブが赤黒い何かで濡れていることに気付く。<br><br>「…………」<br><br>　しょうがない、連れて帰るか。<br><br>　少年は決意し彼女を背負うと、学園長に怒られっかなー、と呟いてその場をあとにした。
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<pubDate>Mon, 05 Nov 2012 22:04:22 +0900</pubDate>
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<title>其の一『昔々のお伽噺』</title>
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<![CDATA[ 　昔々あるところ。<br>　一人の少女がおりました。<br><br>　彼女は生まれてこの方世界と言うものを知りません。<br>　何故なら彼女は暗い暗い牢獄に、生まれた時から閉じ込められていたからです。<br><br>　ある時彼女は望みます。<br>　いつか自分以外のなにかと、会ってみたい、と。<br><br>　そんなある日のことでした。<br>　彼女の所に一匹の小さなハツカネズミが現れます。<br><br>『こんにちは、お嬢さん』<br>　ハツカネズミは言います。<br>「こんにちは、小さな動物さん」<br>　彼女は言います。<br>　もちろん、生まれてからずっと牢獄に閉じ込められていた少女は、ハツカネズミ、なんて知りません。<br><br>　彼女はネズミにいろいろな事を聞きます。<br>　この牢獄の外の素晴らしい世界のこと。<br>　美しい森や湖のこと。<br><br>　少女は憧れます。<br>　外の世界に。<br><br>　そんなある日のことです。<br><br>　いつも通りネズミと話していた彼女の元に、食事を運びに来た人間が牢獄にやってきました。<br><br>『大変だ！』<br>　ネズミは言います。<br>「なにが大変なの？」<br>少女は聞き返します。<br><br>ネズミが答えを言う前に、重い扉が開きました。<br><br><br>　男はすぐに、ネズミの存在に気付きました。<br>　にや、と笑いなにかを呟きます。<br><br>　その瞬間、小さなハツカネズミは消え<br>、白髪の少年が現れました。<br><br>　男は言います。<br>「鴉、こんなところにいたのか」と。<br><br>　少女は目の前の光景をただ唖然として眺めるしかありません。<br><br>「もう少し彼女と話していたい」<br>　少年は言います。<br>「何故彼女を閉じ込めなければならない？彼女は何もしていないだろう？僕のような罪を、犯していないだろう？」<br>　少年の言葉を男は鼻で笑います。<br><br>「罪？そいつは存在自体罪なのだ！」<br><br>　男は続けます。<br><br>「この子供は闇の一族の最後の生き残りなのだよ」<br>　そう言って、少女の長い黒髪をひっぱります。<br><br>「いたっ」<br>　彼女はそのまま髪を掴まれた状態で宙づりにされます。<br>　しかし、体重がよほど軽かったのか、髪が切れることはありません。<br><br>「やめろ！！」<br>　少年が叫び、男から彼女を引き剥がします。<br><br>「この子はこんなにも世界を知らない！こんなにも自分を知らない！！やはりお前たち人間は狂っている！！」<br>　彼女を腕に抱えたまま、少年は言い放ち、男が入ってきた牢獄の出入り口へ向かいます。<br><br>「お前のような屑に狂っているなどと言われたくはない」<br>　いつの間にか剣を取り出した男が出入り口に向かう少年に言います。<br>「その子供をここから逃がすことは、死刑よりもつらい刑に処する」<br>　<br>　しかし少年は笑います。<br><br>「死刑よりつらい刑？どうせ死ぬまで一生拷問するんだろう？しかし残念だな」<br>　くすくすと、可笑しそうに彼は笑います。<br><br>「僕はもう、死ぬことはできないんだから」<br><br><br>　そう一言つぶやき、少年は牢獄から出ると、唯一の窓から、飛び降りました。<br><br>　<br>　彼女は雲より高い牢獄の最上階に閉じ込められていたのです。<br><br><br>　風を切りながら少年の腕の中で少女は言います。<br><br>「ネズミさん、ありがとう」<br><br><br><br>　それから少女はさまざまなことを学びます。<br><br>　世界には魔術、といものがあること。<br>　魔石と呼ばれる石があれば誰でも魔術は使えるということ。<br>　魔術は世界の理は覆せないということ。<br><br>　しかし闇の一族、と呼ばれる一族の血筋を引く人間は理を覆す『魔法』を使うことができるということ。<br><br><br><br>　そして少年は、不老不死だということ。<br><br><br><br><br><br>　長い長い月日が経ちました。<br>　少女はもう、ここにはいません。<br><br>　しかし少年は待ち続けます。<br>　いつか、彼女が帰ってくるまで。
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<link>https://ameblo.jp/nemu007/entry-11391973111.html</link>
<pubDate>Mon, 29 Oct 2012 22:21:03 +0900</pubDate>
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<title>第2話『異変』</title>
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<![CDATA[ 　妹は今頃学校で授業だろうか。<br>　まぁ俺には関係ないが。<br><br>　いろいろと考えながらも手はパソ子のキーを連打している。<br>　今はまっているのは、次々と出てくる敵を銃やら手榴弾やらで倒していく『ファンタジーク』というオンラインゲームだ。<br>　最近は、それなりに簡単な操作ということで初心者にも人気をよんでいるらしい。<br><br>「よっしゃ」<br>　ボスを倒し終え、ボーナスステージにはいる。<br>　しかし、俺の戦いはここで中断せざる得なくなった。<br><br>　ぴんぽーん、という軽快かつ今の俺にとっては聞きたくなかった音とおもに「郵便でーす」という少々間延びした声が、玄関の方から聞こえた。<br><br>「…………」<br>　さらば俺のボーナスステージ。<br><br>　操作は簡単でも、一瞬でも目を離せば終わるこのゲーム……。<br>　セーブも一時停止も不可能だ……。そこがやっかい……。<br><br>「……はーい」<br>　泣く泣く返事をし、玄関へと向かう。<br><br>　ひんやりした廊下を抜け、玄関の扉を開く。<br>「えーっと……清宮　綾太（すがみや　りょうた）さんですね？サインお願いします」<br>　そう言って配達員が俺にボールペンを渡す。<br>　俺はそれを受け取って、清宮、と指定された場所にサインする。<br><br>「……はい、ありがとうございます」<br>　配達員は名前を確認し、持っていた段ボール箱を俺に渡す。<br><br>「あ、あとこれもどうぞ」<br>　彼はそういって俺に手紙を渡した。<br><br>「ありがとうございます」<br>　俺はお礼を言って受け取り、配達員は踵を返し帰って行った。また次の家まで行くんだろう。　大変だなー……。<br><br>　それにしても、段ボール箱の中身は大体予想がつくが、この手紙はなんだろう？<br>　差出人不明だし、捨てたほうがいいのか？<br><br>　しかし結局迷った末、俺は手紙を開けることにした。<br><br>「…………？」<br><br>　手紙の内容はこうだ。<br><br><br>拝啓　清宮　綾太　様<br><br>　お久しぶりです。あの日からもう2年がたちました。<br>　きっと君は、あの日から止まったままなんだろうね。<br>　それを言ったら、私もそうなんだけど、お互い様ってことでいいよね？<br>　さてここで問題。<br>　私は誰でしょう？<br>　ヒントは香奈が丘中学校2年C組。<br>　では、また。<br><br><br>　読み終わり、何か違和感を感じた。<br>　非常に簡潔かつ、どこにも怪しい雰囲気はないのに。<br>　<br>　もしかして文章がなんかちょっと厨弐病っぽいからだろうか。<br>　<br>　しかし……2年前の俺の知り合いからの手紙ということか？<br>　そもそもなぜここの住所が分かった？<br>　『あれ』があってから俺は引っ越した。<br>　級友には誰にも、何も言わずに。<br>　まさかあの時の教師が誰かに聞かれてばらしたのだろうか？<br>　でもそれは、プライバシーの損害という行為に入るはずだ。<br>　一公務員ができるはずない。<br><br>「……はぁ……」<br><br>　ダメだ。<br><br>　いろいろ考えたって、埒が明かない。<br>　しかし……香奈が丘中か…………。<br><br>　『あれ』が関係してる気がしてならない。<br><br>　確かめにあの中学校まで行かなければならないのだろうが、、あいにく今の俺は外に出られない。<br><br>　…………いや、出られないじゃない。<br>　本当は出られるはずだ。<br>　しかし、外に出ると底知れない恐怖を感じる。<br><br>　いきなり通り魔が現れて、殺されるんじゃないか、とか、人体売買関係の人間に誘拐されて、臓器を盗られるんじゃないか、とか、歩いていたらいきなりビルの屋上から人が落ちてくるんではないか、とか――――――。<br><br>　ありえない、と失笑してしまえばそれまで。<br>　しかし、ありえないことなんてありえない。<br><br>　身一つで高いビルから落ちれば、人なんて簡単に死ぬ。<br><br>　造作もない、一瞬だ。<br>　一瞬で、死ぬ。<br><br>　俺はそれを、知ってる。<br><br>「……っ」<br><br>　やばい、吐き気がしてきた。<br><br>　とりあえず今考えるのは一旦中止しよう。<br><br><br>　しかし……この時の俺の考えはあまりにも短絡的で、簡潔的で、安直的すぎた。<br><br>　もうすでに……全ては、はじまっていた――――――。
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<pubDate>Thu, 25 Oct 2012 20:30:06 +0900</pubDate>
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<title>第一談『そもそも自己紹介ってなに』</title>
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<![CDATA[ 「はい、いきなりどうでもいい話題ｷﾀ━━━━━━(ﾟ∀ﾟ)━━━━━━ !!!!!」<br>「顔文字要らんがな」<br>「必要ないねっ」<br>「はい、すみません！！」<br>「あれ、その前に自己紹介とかするんじゃないの？」<br>「あぁ、……めんどいからパス」<br>「じゃあ、私からいいかなっ？！」<br>「勝手にすればー（笑）」<br>「かっこ笑いらない！！すごい、いらない！」<br>「気にすることないって（笑）」<br>「…………じゃ、じゃあ……。これを見てくれている人はじめましてっ！私、佐々木　那留といいます！15歳で中3の受験生の元ネトゲ廃人です！ちなみに甘党です！！よろしく！！」<br>「……“の”が多い……。というか甘党とか必要なのか」<br>「あ、ごめん、多分それは私に国語力がないからだと思うなっ」<br>「国語のテスト、この間の点数教えろ」<br>「…………24……」<br>「馬鹿野郎」<br>「すみませぇぇぇぇん」<br>「よし、じゃあ次、お前が自己紹介しろな」<br>「りょーかい！はじめましてー、堀口　瑞菜です☆ぴちぴちの14歳な中3です☆」<br>「星要らんがな、わざわざ言わすな」<br>「はいじゃあ、次の方ー！」<br>「ここは高校の面接会場か」<br>「違いますスミマセン」<br>「はぁ……はじめまして、水無月　万里といいます。多分突っ込み担当。よろしく」<br>「じゃあ本題入りますかー」<br>「そうっすねー」<br>「お前誰だ」<br><br><br>堀口　瑞菜（以下ほ）<br>「そもそも自己紹介ってさ、学年が進級した時とかにわざわざやるけど、結構知ってる人いるじゃん？ぶっちゃけ必要じゃない気がするんだよねぇ……」<br>水無月　万里（以下み）<br>「これは私個人の意見だが、教師とかが生徒を知るきっかけみたいな場でもあるんじゃない？」<br>佐々木　那留（以下さ）<br>「まぁウチのガッコ狭い…というか小っちゃいからねっ！3年間で三回被った人も結構いるしっ<br>」<br>み「確かに一クラス30人で4クラスっていうのは少ないよな……」<br>ほ「どっかの中学は一クラス35人で9クラスあるんだって？何それって思った」<br>み「どこじょうほう？」<br>ほ「女バスの他校の子から、試合んとき」<br>さ「へぇーっ……。ウチのガッコ、そんな人数少ないんだ……」<br>み「何故そこでショックをうける」<br>さ「いや、何か……そっかぁ……」<br>み「那留は置いといて。でさ瑞菜、ぶっちゃけ自己紹介ってさ、あれじゃね？言う言葉なんか迷う。別に血液型とか誕生日とか言っても“てめぇの誕生日とか血液型とか別に興味ねぇよ！”とか思われそうで嫌だし」<br>ほ「あー、分かる。かといってギャグとか言って笑わせようとか思ったりもするけど滑ったらどうしよう、とか思うとなんかなー」<br>み「で、結果的に“はじめまして、○○です。一年間よろしくお願いします”という典型的な文になるよな。別に名前なんて名札見れば一発でわかんのに」<br>ほ「名前で思い出したけど、いつだったかバスケのサークルで、なんかすごい読みにくい苗字の子いた」<br>み「へぇ、なんて読むの？」<br>ほ「四十の田んぼって書いて、あいだ」<br>み「……いや、普通よめねぇ……」<br>さ「あ、それなら私もあるよっ！ネタが」<br>み「やっと復活したか？」<br>さ「うん！えっとねー私は3人知ってるかな」<br>み「言ってみろ」<br>さ「可愛いっていう字に川で、えのかわって子と、額に田で、ぬかだって子と、四月に朔日って書いてつぼみって子！」<br>み「最後意味わからんな」<br>さ「でしょ？！漢字四文字なのに、読みは三文字！！ありえない！」<br>み「それ全国の漢字四文字で読み三文字の人敵に回してるぞ」<br>さ「すみません！！！！」<br>ほ「というかそろそろ終わりません？話題それまくってるし」<br>み「それもそうだなー」<br>さ「それじゃ」<br>み、ほ、さ「「「ありがとうございましたー。次回もお楽しみにー」」」
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<pubDate>Tue, 23 Oct 2012 18:16:29 +0900</pubDate>
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<title>第1話『日常』</title>
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<![CDATA[ 　目が覚めると、いつもの見慣れた天井が、そこにはあった。<br>　外では鳥が忙しなく鳴いている。<br>「はぁ……」<br>　アラームは、かけない。<br>　自分の生活リズムはそれなりにできている方だと思っているからだ。<br><br>　この間まで残暑が続いていると感じていたが、もう肌寒い季節に入った。　<br>　もう少し布団に入っていたい……。<br><br>　しかし、階段を上る音と共に、俺の眠りは妨げられる。<br><br>「お兄ちゃんっ！！！朝だよ、あ、さ！！！起きなかったらお兄ちゃんの大切なものを全部燃やしちゃうよ？！」<br><br>　朝から煩いなぁ……。<br><br>「あれ？こんな所にパソ子ちゃんが……。これ、燃やしちゃうけど、いいよね？いいんだよね？お兄ちゃ……」<br>「スミマセン、俺が悪かったですっ！！それは俺の命より大切な大事すぎるパソ子だ。そいつが死ぬなら、俺も死ぬ」<br><br>　く……、我が妹ながらパソ子四号（俺命名）を燃やすだと……。<br>　パソ子が消えたら俺は死ぬ。確実に、死ぬ。<br><br>「そ、そう。じゃあ、早く起きるんだよ、お兄ちゃん」<br><br>　妹が少々顔をひきつらせていたが、俺にはどうでもいいことだった。<br>　誰になんと思われようと、パソ子だけは守って見せる！<br><br>　あれ、なんかこの台詞地味にかっこよくね？<br>　はい、かっこよくないですね、分かります。<br><br>　ついでだが、パソ子はパソ子だけに女だ。多分。<br>　まぁ結局のところ俺の妄想でしかないのだが。<br><br>「はぁ……」<br>　俺は一つため息をつき伸びをすると、重力に逆らいながら布団から飛び起きた。<br><br>　本日も快晴。妹も煩いほど元気。<br><br>　俺は24時間体制の自宅警備をこなすため、まず朝食を摂りに階段を下りる。<br>　とんとん、と言う軽快な足音を立てながら階段を下りると、その音を聞きつけた愛猫のラートリー（♀）が俺の傍へ寄ってくる。<br>「おはよう、ラートリー、今日も綺麗な毛並みだな」<br>　俺はそう言ってラートリーのつややかな黒毛を撫でてやる。<br>　俺の大事な日課の一つだ。<br><br>　（リアルの）人間は嫌いだが、動物は好きだ！！<br>　……あれ？そういえば人間も動物だったか？確か……霊長類ヒト科ヒトだっけ。<br><br>　合っているか誰かに聞きたかったが、あいにくこの家にいるのは今俺と俺の馬鹿な妹だけだ。<br>　両親は仕事で海外に出張中。<br><br>　あれだ、出張なうだ。<br>　この間、両親が始めたというツイッタ―の初めての呟きが『出張now。』だった。<br>　いろいろ突っ込みたかったところはあったが、とりあえずそっとしておいた。<br><br>「あ、お兄ちゃん、やっと来たの」<br>　無意識にいろいろ考えてはいたもののキッチンには行っていたらしく、目の前にはおいしそうな朝食が並んでいた。<br>「それじゃ、いただきます」<br>　意外と律儀な奴だ。<br>　<br>　妹は、いつもこうして俺が降りてきてから朝食を食べ始める。<br>　俺も少し急いで彼女と向い合せの席に座りぼそっと「いただきます」という。<br>　<br>「あ、そういえばお兄ちゃん」<br><br>　またか。<br>　毎度毎度この台詞で始まるので、もう身構えるのも面倒になった。<br>　この先の言葉はよく知っている。<br><br>「今日も学校行かないの？」<br>「うん」<br><br>　即答。<br>　こうすることで一時的に、朝のさわやか（？）な食卓に沈黙が流れるが、妹はこれ以上追及しなくなる。<br><br>　引きこもり生活ももう2年目に入る。<br>　まぁ引きこもりと言ってもしっかりキッチンまで行って朝食を摂ったり風呂も洗ったりするので、そう言えないのかもしれないが、とりあえずこれだけは言おう。<br><br>　外に出られません。<br><br>　この一言に尽きる。
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<link>https://ameblo.jp/nemu007/entry-11385100076.html</link>
<pubDate>Mon, 22 Oct 2012 20:17:28 +0900</pubDate>
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<title>第０話『過去』</title>
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<![CDATA[ 「君には、私の気持ちなんて分からないよ」<br><br>　彼女はそう言うと、そう言って微笑むと――――飛び降りた。<br>　何の躊躇もなく、何の戸惑いもなく、何の迷いもなく。<br>　窓のふちに手をかけ、そのままその華奢な体を宙に踊らせた。<br><br>　そんなものに遭遇しても、俺は何もしない。何もできない。<br>　<br>　ただ呆然と、彼女がすることを、見ているだけ。<br>　テレビを無感情に、無表情に、そして無情に観るように。<br>　ただただその場面を視るだけ。<br><br>　彼女の言葉に……耳を、傾けるだけ。<br><br>「ありがとう、世界で一番大嫌いで――――世界で一番……大好きだったよ」<br><br><br>　それが彼女の、この世に生きていたころの、最期の遺言（ことば）だった。<br><br>　最期の遺言（ことば）であり、最初の告白だった。<br><br>　飛び降りて、落下する途中、呟いた言葉だった。<br><br>　そう、俺は君を忘れない。<br>　例え世界が滅んでも、最期まで俺は、君への気持ちは忘れない。<br>　君と過ごした日々を、君の仕草ひとつひとつを、君の笑顔を、君の涙を。<br><br>　俺は忘れない。<br><br>　ずっとずっと、忘れない。<br>　それが君との約束で、誓いだから。<br>　忘れない。<br><br>　忘れないよ―――――、史。<br><br>　さようなら、史。<br>
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<link>https://ameblo.jp/nemu007/entry-11385089604.html</link>
<pubDate>Sun, 21 Oct 2012 16:45:44 +0900</pubDate>
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