<?xml version="1.0" encoding="utf-8" ?>
<rss version="2.0" xmlns:atom="http://www.w3.org/2005/Atom">
<channel>
<title>nikimaoのブログ</title>
<link>https://ameblo.jp/nikimao/</link>
<atom:link href="https://rssblog.ameba.jp/nikimao/rss20.xml" rel="self" type="application/rss+xml" />
<atom:link rel="hub" href="http://pubsubhubbub.appspot.com" />
<description>ブログの説明を入力します。</description>
<language>ja</language>
<item>
<title>農村の文化について</title>
<description>
<![CDATA[ 農村の文化について<br><br>岸田國士<br><br>   農村を訪ねて、私たちが先づ第一にこの農村の現状を判断する基礎は、なんと云つても、村の人々の表情姿態、公共建築物の外観、家々のたゝずまひ、部落々々の雰囲気、自然と人為とのおのづからな対照なのである。<a href="http://www.new-balancejp.com/" target="_blank">ニューバランス スニーカー</a><a href="http://www.new-balancejp.com/ladies_sneaker-118-keywords.html" target="_blank">ニューバランス スニーカー レディース</a>そこには、村の知慧、村の人情、村の秩序、村の活力、村の歩みつゝある方向がおよそ読み取れるのである。数字的なことはなにひとつわからなくつても、村の「生き方」がどの程度の高さかといふことだけは間違なくわかる。一口に云へばその文化水準である。<br>　 公会堂、集会所があると云つても、なきに如かざるやうなものであり、託児所が設けられてゐても名ばかりであつたり、共同炊事場は単に失敗の記念として残されてゐたりするのは、概ね、見ないうちにそれと目星がつく。<a href="http://www.new-balancejp.com/n_b_996-120-keywords.html" target="_blank">ニューバランス996</a><br>　国民学校の生徒の一団に往会ふと、もう、可なり「村の性格」が呑みこめる。学校が村の機能とどう結びついてゐるか、特に、母親たちがなにをしてゐるか、といふことが非常にはつきりして来る。<a href="http://www.new-balancejp.com/n_b_1400-121-keywords.html" target="_blank">ニューバランス1400</a><br>　しかし、村のありのまゝの姿を、深く探らうとすれば、その青年たちとゆつくり話しをするに如くはない。物を言ふ彼等は殆ど例外なく、村の現状について不満を述べる。当つてゐることもあり、当つてゐないこともある。たゞ、性急で大ざつぱな批評をゆるすとして、彼等の輝く瞳のなかに、たゞひとつ、村をもつといゝ村にしたいといふ、空漠とした望みが、烈々たる焔となつて燃えてゐることだけは事実である。<a href="http://www.new-balancejp.com/n_b_574-127-keywords.html" target="_blank">ニューバランス 574</a><br>　あるものは、何を訊かれても答へない。答へない理由はいろいろあらう。そのなかで一番多いのは、何を云つたところで始まらぬと諦めてゐるか、自分にも何が不満なのかわからぬといふ組であらうと、私は思ふ。さういふ組がたまたま意見を述べると、「もつと暇がほしい」と云ひ、「たまに芝居や映画がみたい」と云ひ、「おやぢの家を出たい」と云ひ、「百姓がいやになつた」と云ふのである、どれもこれも、私に云はせると、自分の「欲すること」を正確に表現してはゐないのである。<a href="http://www.new-balancejp.com/n_b_1500-125-keywords.html" target="_blank">ニューバランス 1500</a>
]]>
</description>
<link>https://ameblo.jp/nikimao/entry-11576642811.html</link>
<pubDate>Sat, 20 Jul 2013 17:30:10 +0900</pubDate>
</item>
<item>
<title>窃む女</title>
<description>
<![CDATA[ 窃む女<br><br>黒島傳治<br><br>正月前に、団栗山を伐った。樹を切るのは樵夫を頼んだ。山から海岸まで出すのは、お里が軽子で背負った。山出しを頼むと一束に五銭ずつ取られるからである。<a href="http://www.new-balancejp.com/" target="_blank">ニューバランス スニーカー</a><br>　お里は常からよく働く女だった。一年あまり清吉が病んで仕事が出来なかったが、彼女は家の事から、野良仕事、山の仕事、村の人夫まで、一人でやってのけた。子供の面倒も見てやるし、清吉の世話もおろそかにしなかった。清吉は、妻にすまない気がして、彼自身のことについては、なるだけ自分でやった。が、お里の方では、そんなことで良人が心を使って病気が長びくと困ると思っていた。清吉の前では快活に骨身を惜まずに働いた。<a href="http://www.new-balancejp.com/ladies_sneaker-118-keywords.html" target="_blank">ニューバランス スニーカー レディース</a><br>　木は、三百束ばかりあった。それだけを女一人で海岸まで出すのは容易な業ではなかった。<br>　お里が別に苦しそうにこぼしもせず、石が凸凹している嶮しい山路を上り下りしているのを見ると、清吉はたまらなかった。<a href="http://www.new-balancejp.com/n_b_996-120-keywords.html" target="_blank">ニューバランス996</a><a href="http://www.new-balancejp.com/n_b_1400-121-keywords.html" target="_blank">ニューバランス1400</a><br>「ひまがあったら、木を出せえ。」彼は縫物屋が引けて帰ったお品に云いつけた。<br>「きみも出すか、一束出したら五銭やるぞ。」<br>　姉よりさきに帰っている妹にも云った。きみはまだ小さくて、一束もよく背負えなかったが、<br>「一束に五銭呉れるん。そんなら出さあ。」<a href="http://www.new-balancejp.com/n_b_574-127-keywords.html" target="_blank">ニューバランス 574</a><br>　きみは、口を尖らして、眼をかゞやかした。<br>「出すことなるか？」<br>「うん、出さあ。一束よう出さなんだら、半束ずつでも出さあ。」<a href="http://www.new-balancejp.com/n_b_1500-125-keywords.html" target="_blank">ニューバランス 1500</a><br>「そうかい。」彼は笑った。
]]>
</description>
<link>https://ameblo.jp/nikimao/entry-11576642127.html</link>
<pubDate>Sat, 20 Jul 2013 17:28:46 +0900</pubDate>
</item>
<item>
<title>最低の古典</title>
<description>
<![CDATA[ 最低の古典<br><br>――新かなづかひと漢字制限――<br><br>折口信夫<br><br><br><br><br>現代かなづかひがきまつたのはともかくめでたいことと思ふ。ただ、それについて大きな用意があるのかといふことだけをききたい。歴史かなづかひといふものは、われわれ国民、年寄りから低いところは国民学校の子供に至るまで、これを以てほこりとしてゐる最低の古典なのだから、これに代るべきものが用意せられてゐるか、或は何か与へなければならぬといふことを考へたかどうか問ひたい。<a href="http://www.new-balancejp.com/" target="_blank">ニューバランス スニーカー</a><br>新かなづかひが出来たから、それでおしまひといふのでは、国語のまつりごとはからつぽになる。国民はみな国語を愛してゐる。役人も、もちろん国語を愛してゐることにおいては、誰にも負けるものではない。それは信じてゐる。しかしその愛を一人占めするやうな気持があつては困る。かういふ際はできるだけへりくだつた気持でことをさばいてほしいものだ。要するに、国語表現の歴史がいつぺんに飛躍する時だから、新かなづかひ実行のためには、二人や三人が命を失ふ覚悟でかからなければ何も出来ない。<a href="http://www.new-balancejp.com/ladies_sneaker-118-keywords.html" target="_blank">ニューバランス スニーカー レディース</a><a href="http://www.new-balancejp.com/n_b_996-120-keywords.html" target="_blank">ニューバランス996</a><br>日本国土のうちに一人でも原住民が生きてゐる間は、この原住民のもつ生活法などをむやみに変へてはならないことは人類の道徳である。クヮ、ヂ、ヅなどを発音する地方が相当に広く、またさういふ古い発音になれた人々が同国人のうち沢山ある以上は、これをかんたんに片づけてしまふ気になつてはならないのである。<a href="http://www.new-balancejp.com/n_b_1400-121-keywords.html" target="_blank">ニューバランス1400</a><br>こんどの運動は、そこに気を配つてゐるだけでも、今までの運動よりはよい。なぜ思ひきつて、こんどのやうな際に漢字全廃をやらなかつたのか。そこに私は、役人の肚のすわりを要求する。<br>かなづかひもどのみち純科学的には行けるものではなく、この点はみんなにぜひわかつてもらはねばならぬ。当分、この改正から利益を得る者は国民学校の子供に限られてゐる。大人は苦しい数十年を暮さねばなるまい。必ず読書文化は下つてくる。だがわれ／＼はこの時だから辛抱する。一時でも早く、自由に国語自身の表現のできる時の来ることをまちこがれてゐるのであるから、どんな苦痛でも辛抱しようといふのである。<br>こんどの制限運動も、いつもと大同小異だが、これが漢字制限運動を後ずさりさせる元になるのであつて、片一方字典がある以上、ちよつと気のきいた文字を使つてみようといふ人間が、必ず同訓異字を選択して書き、またできるだけ字面のはなやかな、こむづかしいものを書かうとするてらひ手も少くないので、堤の一穴からこの蟻がつき崩してしまふ。<a href="http://www.new-balancejp.com/n_b_574-127-keywords.html" target="_blank">ニューバランス 574</a><br>私は決して捨てばちでいふのではない。漢字はこの際全廃する勇気がないくらゐなら人心を動かさぬだけでも、ふところ手をしてゐる方がましだらう。新かなづかひ、制限漢字運動を、かうしたあらゆる不足をこらへて、しりおししようといふのは、こんどのことがうまく行つてくれれば、国民の独立した造語能力が非常にのびてくるだらうと望みをかけることが出来るからである。<a href="http://www.new-balancejp.com/n_b_1500-125-keywords.html" target="_blank">ニューバランス 1500</a>われわれが自分の胸の中にあること、いひ現はしたいことが、自由に、的確にいひ現はせる日の一日も早く来ることは万人の望むところであり、そのためには、どんな不便もしのばなければならないのである。（談）<br><br>
]]>
</description>
<link>https://ameblo.jp/nikimao/entry-11576641333.html</link>
<pubDate>Sat, 20 Jul 2013 17:27:12 +0900</pubDate>
</item>
<item>
<title>咲いてゆく花</title>
<description>
<![CDATA[ 咲いてゆく花<br><br>素木しづ<br><br>  少女は、横になって隅の方に――、殆ど後から見た時にはランプの影になって、闇がどうしてもその本の表を見せまいと思われる所で、一心になって小説をよみふけっていた。<br>　明日からつゞく夏休の安らかさと、大きな自由との為めに、少女は［＃「少女は」は底本では「小女は」］いま心一っぱいに、小説のなかの［＃「なかの」は底本では「なかのかの」］かなしいなつかしい少年とその家庭とについていつまでもいつまでも涙ぐむことが出来るのだった。そして自分の現在のすべてを幻のようにとかし込んで、夢のような息をはいていた。<br>  少女はいつか博物館の森の方に歩いて来てしまっていた。そして彼女は静かに讃美歌を口ずさみながら、緑の木蔭の方に吸われて行った。<a href="http://www.new-balancejp.com/" target="_blank">ニューバランス スニーカー</a><br>『命は葉末の露にもにたり、父さり姉ゆき友またねむる。――』<br>　そして、彼女は遠くに白く光って見える池の方を見つめていたが、少女の心は疲れたように沈み切ってしまっていた。彼女は大きな楡の木蔭に日をよけていつまでも／＼立っていた。彼女の静かな心のなかに重い緑のかげが、次第々々にひろがって来た。<br>『お縫ちゃん。』<a href="http://www.new-balancejp.com/ladies_sneaker-118-keywords.html" target="_blank">ニューバランス スニーカー レディース</a><br>　彼女は茫然と物倦く二つの眼を開きながら遠くの方を見ようとした時、つい横の木のかげから、彼女の兄がボールを持って出て来た。<a href="http://www.new-balancejp.com/n_b_996-120-keywords.html" target="_blank">ニューバランス996</a><br>『なにをしてるの、家に帰らないのかい。』<br>　彼女は静かに笑って兄を見た。兄は急に五間位先の方に飛んで行ったと思うと、ボールを高く上げて、『いゝかーい。』と大きな声で叫んだ。そしてその言葉が終ると、すぐ白いボールが少女の前に飛んで来た。彼女は仕方なく目の前に来たボールを取ろうとして思わず両手に力を入れた時、彼女の心のなかにひそんでいた気軽なよろこびの心がふいと飛出してしまった。彼女は一人で大きく笑ってしまった。そしてボールを力一っぱい宙に向って投げかえした。<a href="http://www.new-balancejp.com/n_b_1400-121-keywords.html" target="_blank">ニューバランス1400</a><br>　少女が家に帰った時、母親の姿が見えなくって、客間からよほど前の記憶にある伯母の声がきこえていた。彼女はお茶を持って行かねばならなかったけれども、少女は、それがたまらなく嫌で仕方がなかったので、じっとして本をよみ初めた。<br>『お縫ちゃん、お縫ちゃん』<br>　母親は、客間から出ようとして彼女をよんだ。しかし彼女がふと母親の方を見た時、母親はきつい目をして彼女を見た。彼女は重たいかなしい心になって、母親を恨みながらお茶を持って出た。<a href="http://www.new-balancejp.com/n_b_574-127-keywords.html" target="_blank">ニューバランス 574</a><br>　少女は客間の襖に手をかけた時に、仕方なく自分の心がとけてゆくのを感じた。そしていつかやわらかな微笑が、少女の心と顔とをつゝんでしまった。彼女は顔を赤くそめながら伯母の前にお茶をすゝめて、すぐ引かえした。伯母は、歯を黒くそめた色の白い人であった。<br>『まあ、お縫ちゃんがすっかりいゝ娘さんになってしまって、見ちがえるように綺麗にやさしく、おとなになりましたねえ。』<a href="http://www.new-balancejp.com/n_b_1500-125-keywords.html" target="_blank">ニューバランス 1500</a><br>　伯母のその言葉が、少女の引かえして来る耳のうしろに聞えた。少女はふと立止って自分の身のまわりをそっと見た。そしてなにかしら自分の知らないことがあるような気がしてならなかった。<br>
]]>
</description>
<link>https://ameblo.jp/nikimao/entry-11576640494.html</link>
<pubDate>Sat, 20 Jul 2013 17:25:37 +0900</pubDate>
</item>
<item>
<title>最小人間の怪</title>
<description>
<![CDATA[ 最小人間の怪<br><br>――人類のあとを継ぐもの――<br><br>海野十三<br><br><br><br><br>　この秘話をしてくれたＮ博士も、先々月この世を去った。今は、博士の許可を得ることなしに、ちょっぴり書き綴るわけだが、Ｎ博士の霊魂なるものがあらば、にがい顔をするかもしれない。<a href="http://www.new-balancejp.com/" target="_blank">ニューバランス スニーカー</a><br>　以下は、Ｎ博士の物語るところだ。<br>　私は大正十五年十二月二十六日の昼間、霧島の山中において、前代未聞の妖怪に出会った。<br>　当時私は、冬山における動物の生態研究をつづけていたのだ。<br>　私はキャンプを張り、幾週間も山中で起き伏していた。あたりはかなり深い山懐で、木樵も見かけず、猟師にさえ会わなかった。私ひとりでこの深山を占有しているような気持がし、私の心は暢々としていた。<a href="http://www.new-balancejp.com/ladies_sneaker-118-keywords.html" target="_blank">ニューバランス スニーカー レディース</a><br>　或る朝、起きてキャンプを出てみると、外は真白になっていた。降雪が夜のうちにあったのだ。そしてその日、妖怪に出会ったのである。<a href="http://www.new-balancejp.com/n_b_996-120-keywords.html" target="_blank">ニューバランス996</a><br>　その妖怪は雪どけの水が落ちて、水溜を作っているそのそばにいた。はじめは蛙の子がうごめいているように思ったが、蛙の子にしてはすこし変なので、よく見ると、それはふしぎにも人間の形をしたものであった。が、人間ではない。背丈が二三センチに過ぎなかった。<a href="http://www.new-balancejp.com/n_b_1400-121-keywords.html" target="_blank">ニューバランス1400</a><br>　私は胸がどきどきして来た。めずらしい発見を喜ぶと共に、うす気味がわるい。が、私はこの微小人間をぜひとも採集して行こうと思い、ピンセットを出して、彼の胴中<br>を挟もうとした。<br>　するとその微小人間は、身体に似合わぬ大声を出して、そんな乱暴をするなと私を押し停め、自分は逃げるつもりはないから、安心し、吾れと語れといった。<br>　私たちは、それからふしぎな会話をつづけた。その微小人間は、自分はヤナツという者だがと名を名乗り、自分たちは、やがて君たち現代の人類が滅亡したあとにおいて、人類に替って地球上の最高智能生物となり、地球を支配するのだと大真面目でいった。<br>　私は滑稽を感じて、もうすこしで噴き出すところだったが、辛うじて耐えた。こんな蛙の子みたいな妖怪に、わが人類のあとを継がれてたまるものかと思った。<a href="http://www.new-balancejp.com/n_b_574-127-keywords.html" target="_blank">ニューバランス 574</a><br>　そういう私の気持が、すぐヤナツに通じたと見え、彼は私に、進化論を提げて議論を吹きかけて来た。その議論は一種奇妙なものであったが、私はだんだん言い負かされて、旗色が悪くなった。そしてヤナツが主張するように類人猿から猿人、猿人から人類、その次に人類から高等人類すなわちヤナツなどの微小人間の擡頭することを認めないわけにはいかなくなった。ヤナツは、灰色の丸い顔を輝かして、満足そうに笑った。<br>「われわれの同族が、この先に集っているから、君をそこへ案内したい。来ませんか」<br>　と、ヤナツは誘った。<br>　私はそれに従った。恐ろしくもあるが、そういう次の時代を待機している連中の様子をぜひ見たい気もあった。<a href="http://www.new-balancejp.com/n_b_1500-125-keywords.html" target="_blank">ニューバランス 1500</a><br>　ヤナツについていってみると、なるほど微小人間が四五百人も集っている洞穴があった。彼等は私を見懸<br>けて別にさわぐでもなかった。むしろ憐憫の目を向けているような感じがして、私は一層萎縮<br>した。<br>　ヤナツの妻君にも紹介された。やはり灰色の丸い顔をしていて、髪を背中へ長く垂らし、なかなか耳目もととのっていた。そして私に御馳走をするのだといって、名香のようなものを焚いてくれた。それは私が生れて始めて嗅いだ媚香だった。私はうっとりとなって、そこに横になった。<br>　ふと睡んでから目をあけてみると、私の前に若い夫婦がひそひそと語っていた。顔を見るとヤナツ夫妻だったが、その身体は蛙の子のように小さくはない、普通の人間と変りない大きさだった。二人は私の目のさめたのには気がつかず、又香を焚いた。<br>　二度目に目覚めてみると、たいへん息苦しかった。気がつくと、傍に大女が寝ている。浅草の仁王さまの三倍もあるような大女であった。顔をみると、これがヤナツの妻君であるから、私は思わずおどろきの声をあげた。<br>　すると大女の身体がすうーッと縮みはじめた。どんどん縮んで、最後には顔が野球のボール位にまでなった。それ以上は小さくならなかった。女は、ほっほっとおかしそうに笑いころげた。私は恐ろしくなって、その場をどんどん逃げだした。そして後も見ずに、キャンプにも寄らず、麓まで逃げのびた。<br>　後年私はもう一度ヤナツの妻君の顔を見た。場所は上野科学博物館の陳列函<br>ちんれつばこの中であった。妻君は、私が最後に見たときと同じ灰色の丸い顔に、うす笑いをうかべ、そして黒髪をうしろへ長く垂らしていた。<br>　函の陳列品説明には、熱帯の或る種族の人間が、死ぬと顔の皮を髪と共にはぎ、それを乾燥したものだと記してあった。そのとき同じような奇怪な首がたしかに三つ並んでいるのを見たのであるが、その後行ったときにはその首は二つしかなかった。<br>　そして博物館の人に、私はいくども質問をくりかえしたのではあるが、館員は、その首ははじめから二つしかなく、三つはなかったことに間違いはないと言い張るのだった。ヤナツの妻君の首は、どうしたのであろうか。<br>
]]>
</description>
<link>https://ameblo.jp/nikimao/entry-11576639706.html</link>
<pubDate>Sat, 20 Jul 2013 17:23:39 +0900</pubDate>
</item>
</channel>
</rss>
