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<title>フォレス・ト・ランクィロ</title>
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<description>ミオルの文章練習帳</description>
<language>ja</language>
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<title>何色でしょう。</title>
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<![CDATA[ <p><br>虹の色を、一色だという人が、いるかもしれない。</p><br><p>私はちゃんと見たことがない。</p><br><p>でも、きっと、三色くらいには見えるのではないかと、</p><br><p>そういう想像しています。</p><br><br><br><p>気持ちが落ち込むと、目の前の世界を、</p><br><p>ひとつの色で見てしまうような、</p><br><p>そういうことがあるのです。</p><br><br><br><p>苦しいことがあると、私はそれを、</p><br><p>「死にたい」と表現してしまうのです。</p><br><p>本当は、もっとたくさんの「色」があってもよいと思うのに。</p><br><br><br><p>それが見分けられるようになると、</p><br><p>きっとそれは、「死にたい」の色ではなくて。</p><br><p>だって、そういう私が、それでも生きているわけですから。</p><br><br><br><p>そう、三色くらいはあっても、良いのかもしれません。</p><br><p>だれも教えてくれないのですから、</p><br><p>自分で、ちゃんと見なくてはいけないのですね。</p><p><br></p><br><br>
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<link>https://ameblo.jp/noozek/entry-10128970061.html</link>
<pubDate>Tue, 19 Aug 2008 01:39:58 +0900</pubDate>
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<title>秋の木陰で</title>
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<![CDATA[ <p><br>　大学に入ってすぐに、教授に声をかけられて、研究について話すようになって。それは</p><p>簡単に言えば、数学の足し算や掛け算を『落ち葉が地上にふりつもる』ように考えるっていう</p><p>ことなのだけど、その比喩は好みじゃなかった。先生は少し、ペシミスティックだったのかも。</p><p>みんなは『層様フラクタル操作』って言う。まあ、名前はどうでもよくって。</p><br><p>　当時この学問は、構造生物学や巨大分子を研究する化学者、言語哲学者と、</p><p>もちろん数学者にも、とても注目された話だった。だから僕は、すぐに層様フラクタル操作の</p><p>適用条件の分類を証明して、その他にも層間射影の一般化とか、境界の二重化による</p><p>特異点列の回避とか、そういう細々したことを証明して、劇的な成果を上げたんだ。</p><p>もう論文にまとめる時間が無いくらい、幾重にも証明が頭に浮かんできて。</p><br><p>　しばらくして気付いたら、この分野から研究者が激減し始めてた。<br>　たしかに、哲学や生物学や化学の分野に人たちが扱えるような、「簡単な」成果が出るには、</p><p>この分野は既に深くなっていた。それは仕方が無くって。でも、仲間の数学者から、</p><p>「層様フラクタルには近づかないほうが良い」という噂があるって、聞いたんだ。</p><p><br>　僕がこの分野の全てを食い尽くしてしまうと思われてるって。<br>　でもこの表現も、それほど刺さってこなかった。誉め言葉に聞こえるし。</p><br><p>　辛かったのは、「君はこの分野を殺してしまうね」って、言われたことで。<br>　<br>　新しい学生たちも、層様フラクタルを学ぼうとしなくなった。僕もそのうち、別の分野に移った。</p><p>ちょっとね、寂しくなったっていうのかな。研究者の激減は、この分野が枯れてしまったからでは</p><p>絶対にない。それは、誰よりも僕が保証する。</p><p>　研究する余地も、興味深い問題も、まだまだたくさん在る。</p><br><p>　だから、誰かが遊びに来てくれたら、僕に声をかけて欲しいなぁ。どうやってここに来たのか。</p><p>どこが好きなのか。何が疑問で、どこへ行こうとしてるのか。そうやって、たくさん質問したく</p><p>なるかもしれない。まだ、分からないけどね。<br>　一人で歩きたかったら言ってほしい。そう言ってくれることだって、僕には嬉しいんだ。</p><p>　それだけできっと、どこかで『落ち葉』を眺めている人がいるって、信じていられるもの。</p><p><br>　<br></p>
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<link>https://ameblo.jp/noozek/entry-10127827841.html</link>
<pubDate>Sat, 16 Aug 2008 02:01:56 +0900</pubDate>
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<title>積み上がって</title>
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<![CDATA[ <br><p>悲しくなってしまうような状況が、<br>考えてみると、何年も前、５年くらい前の、<br>小さなほころびが大きくなったものだと気付いて、<br>もっと悲しくなる。</p><br><p>もうそれを過去に戻って直すことはできないし、<br>いまから清算するようなことも出来ないと、<br>思ってしまっている。</p><br><p><br>そういう時に生まれる、くやしい気持ちや、<br>誰かに向かって、口汚くののしってやりたいような気持ちで、<br>私はいつも、沈黙してしまう。</p><br><p>そう思っている私だけれど、</p><p>顔や仕草が沈黙してくれているか、</p><p>本当は見たことがなくて。</p><br><p><br>いつものようにしていながら、<br>なぜかお化粧の雰囲気が変わった人、<br>不自然に言葉をかけてくるようになった人、<br>心配なくらい、目の力が無くなってしまった人。</p><p><br></p><p>上手く沈黙するのは、本当は難しい。</p><br><br><p>今の私が嫌いではないし、特別直したいとも思わない。<br></p><p>そういう自分は、自分がいない頃から積み上がっていた何かの上に<br>生まれたのだから、もう仕方がない。</p><br><p>それくらいには、人生を肯定できるように、<br>私は積みあがっているのさ。</p><br><br>
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<link>https://ameblo.jp/noozek/entry-10118005379.html</link>
<pubDate>Sat, 19 Jul 2008 23:05:57 +0900</pubDate>
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<title>コーヒーに出来ること</title>
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<![CDATA[ <br><p>大学から帰ってくると最寄りの駅に着くのは、<br>だいたい夜の９時ごろになります。</p><br><p>私は急いで駅ビルの地下の食料品売り場に行き、夕飯の材料を買って、<br>ターミナルから出ようとするバスへと走りこむのです。</p><br><p><br>その日、買い物袋を抱えた私の目の前に、<br>新しく出来たコーヒーショップがありました。</p><br><p>小さなお店を、その時は女性が一人、カウンターの奥に。</p><br><p>お店を見せていただこうと、眺めていたら、<br>そそっと私の横に近づいたその女性が、<br>試飲用のコーヒーをくれたのです。</p><br><p><br>そのコーヒーは、私の知っているコーヒーではありませんでした。</p><br><p>その味は、もう「味覚」といってはいけないような、<br>体に沁みいるものなのです。本当のコーヒーって、こういうものなんだと、<br>その時はじめて知ったのでした。</p><p><br></p><p>バスの時間が近づいている私は、<br>軽く会釈をして、お店を出ていきました。</p><br><p>どうしたら、あんなコーヒーができるのでしょう。</p><br><p>今度コーヒーを買う時に、訊いてみようと思います。</p><br><br><br>
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<link>https://ameblo.jp/noozek/entry-10117692575.html</link>
<pubDate>Sat, 19 Jul 2008 00:01:08 +0900</pubDate>
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<title>忘れたこと</title>
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<![CDATA[ <br><p>　友達のユリエの弟さんは、子供のくせにどこか素敵な人でした。<br>　まるで何か、小説を読んでいるかのよう。</p><br><p>「姉ちゃん、きれいじゃん」<br>　ユリエ（と私）の卒業式で、彼はそう言いました。<br>「少し歩こうよ。ちょっと、二人で歩いてきて良いですか」<br>　彼は私にそう言うと、ユリエと行ってしまいました。<br>　まるで恋人みたいに。　</p><br><p>　別の時に、<br>「また背が伸びたね、もう少しで私より高くなっちゃうね」<br>　と言ったら、<br>「ホント、姉さんの背が低くて良かった。間に合った」<br>　と言いました。</p><p>　私は二人でいる時の彼らの表情が大好きで、その素敵さは</p><p>　他のモノや場所では、ちょっと見たことがありません。</p><br><p><br>　二年前に彼女が結婚して、続くように弟さんも一年前に結婚して、</p><p>　二人とも家族ぐるみでつきあうようになりました。</p><br><br><p>　私は時々、ユリエと当時のことを話したりします。<br>　子供ができて、毎日の生活をして、昔の気持ちを忘れていることに、</p><p>　ふと気付くことがあると、彼女は言います。</p><p><br>「それでも『忘れてしまった』ことは、まだ忘れてないんだよね。それは嬉しいけど、切なくもある」</p><br><p>　もうあの素敵さと同じものには出会えないかもしれません。それに出会うには、私も年をとってしまった。<br>　息子さんを抱える彼女の顔を見ながら、あらためてそう感じたのです。<br></p>
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<link>https://ameblo.jp/noozek/entry-10115240869.html</link>
<pubDate>Fri, 11 Jul 2008 21:37:38 +0900</pubDate>
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<title>忘却</title>
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<![CDATA[ <br><p><font size="2">私のそばにいる誰かさんは、食事をするのと同じように、</font></p><p><font size="2">人と心の通じあうことを欲します。</font></p><p><font size="2"><br></font></p><p><font size="2">ときどき、そんなに通じあいたいんだなぁって、呆れるくらいに。</font></p><p><br><font size="2">お仕事にかかりっきりで気遣いを忘れていると、にわかに空間が歪んでくるのがわかります。磁場、オーラ、重力場……なんて、目に見えないものが体で感じられるくらいに、四方の時空がユラユラとしてきます。</font></p><br><p><font size="2">私の気配が触ったりするたびに「ねえ、ねえ、なにか忘れてない？」というニュアンスをくれて、私に余裕がないと気づくと、はぁ～、と吐息をはいています。</font></p><p><font size="2"><br></font></p><p><font size="2">犬を飼っていれば、時間稼ぎになったかもしれないのですが…。</font></p><p><font size="2"><br></font></p><p><font size="2">誰かさんは、いつも誰かと心を通じあいたいと思っているのです。</font></p><p><font size="2"><br></font></p><p><font size="2"><br></font></p><p><font size="2">それだけ焦がれていた時間がついに来て、私が「遊ぼうか」と言うと、誰かさんはケータイで友人に連絡をとりまくって、遊びきれないほどの人数を集めます。そして皆に会うころには、ちょっと鎮静。しばらく楽しく話をして、食事をして、何や彼や終わるとみんなを帰らせて、自分の部屋に戻ります。</font></p><br><p><font size="2">ノブをつかむと、もうウンザリ、というふうでドアを開けます。その先にあるベッドの上で全てを忘れようとしているかのように。</font></p><p><font size="2"><br></font></p><p><font size="2">私だって、ソファに横になっているだけで、何もかも忘れることができるかのような気がしてきます。</font></p><p><font size="2"><br></font></p><p><font size="2">あんなに通じあいたがって、待ちに待って、みんなを呼び出して、話をして。それなのに独りでなくなると、つかれて、よわって、孤独になりたくてしかたない。</font></p><p><font size="2"><br></font></p><br><p><font size="2">私もそうなのかなって、いつも思うんです。<br></font></p>
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<link>https://ameblo.jp/noozek/entry-10112815466.html</link>
<pubDate>Fri, 04 Jul 2008 18:47:35 +0900</pubDate>
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