読書ジャンキーの本棚 https://ameblo.jp/norita/ その本の切れ味 試させてもらいます。 ja-jp 梅田望夫  『ウェブ進化論』 https://ameblo.jp/norita/entry-10020253575.html 梅田 望夫ウェブ進化論 本当の大変化はこれから始まるグーグル礼賛に満ちた論調は、読んでいる方が気恥ずかしくなるほどだ。感心するのは、まるで、これからは万人に無限の可能性が拓かれているといわんばかりの希望的な観測を展開しつつ、一方で、時代の変化に適応できない人には、苛酷な将来が待っていると脅すかの如き論調だ。サラリーマンの心理をたくみにくすぐり、脅かし、そして、いつのまにか著者の持論に引き込んで、離れられなくしてしまう。つまり、固定読者として獲得してしまうわけだ。これぞ、コンサルタントである著者の 2006-11-20T20:03:16+09:00 井上靖  『孔子』 https://ameblo.jp/norita/entry-10019827609.html 井上 靖 井上靖全集〈第22巻〉 本書は、架空の弟子を設定し、その弟子の目を通してみた孔子像を浮き彫りにしようと試みている。が、なんともまだるっこい。同じような話を延々と繰り返しているだけで、ストーリーに起伏がまるでなく、いい加減うんざりしてしまった。一応、最期まで読みきりはしたが、何のために、かくも長くなったのか、理解に苦しむ。まあ、淡々としているのを、褒め言葉に置き換えれば、枯淡の境地で描いた著者晩年の大作とでもいうことになるのだろうが。同じく、弟子の目を通して孔子を描いた中島敦の短編小説 2006-11-12T22:01:32+09:00 小島一志・塚本佳子  『大山倍達正伝』 https://ameblo.jp/norita/entry-10019268607.html 小島 一志, 塚本 佳子 大山倍達正伝 「牛殺し」「ゴッドハンド」「ケンカ空手」と、様々な形容詞を冠された極真空手の創始者・大山倍達。プロレスラーとの死闘や猛牛との闘い、山籠りでの修行、硬貨曲げ等々、いまや伝説として化している数々のエピソードは本当だったのか。本書には、世間に定着した大山倍達の虚像とは異なる等身大の姿が描かれている。二部構成になっており、第一部では、韓国人でありながら、後にその出自を隠蔽し、日本人として生きようとした大山倍達の生涯を、戦前・戦中・戦後の錯綜する社会情勢と照らし合 2006-11-02T19:33:22+09:00 海音寺潮五郎  『中国英傑伝』 https://ameblo.jp/norita/entry-10017017626.html 海音寺 潮五郎 中国英傑伝 (上) 古代中国の春秋戦国時代から漢帝国の創業初期までの事件や人物を扱った史伝もの。これを読むと、古代中国には、とんでもないスケールの英雄や悪党たちがあふれかえっていたんだなあと、感嘆してしまう。劉邦と天下を争った楚の項羽は、すぐにキレて数十万という数の人を殺戮するし、漢帝国の創業者、劉邦は、戦に負けて逃げる途中、敵に追いつかれそうになると、乗っていた馬車を軽くしてスピードを上げるために、同乗していた息子を放り出してしまうとんでもない親父だ。その劉邦の夫人は、夫が寵 2006-09-14T10:31:39+09:00 甲野 善紀, 内田 樹 {『身体を通して時代を読む』 https://ameblo.jp/norita/entry-10016199984.html 甲野 善紀, 内田 樹 身体を通して時代を読む 文化人的志向の強い古武術家・甲野善紀と、フランス現代思想や身体論を専門とする文化人にして、合気道六段の内田樹の二人による対談集である。内田によれば、この本は、「さまざまなトピックを武術的な視点から」論じたものであるそうな。というのも、二人が対談をするに際して、その前提条件として、武術家は、定義上どのような問題についても適切に対処できなければならない、としているためであるという。何故といえば、内田の言葉を引用すれば、次のようになる。つまり、「どうす 2006-08-28T14:55:58+09:00 映画  『戦国自衛隊』 https://ameblo.jp/norita/entry-10016054830.html 角川エンタテインメント 戦国自衛隊 角川映画全盛の頃に作られた懐かしい作品。タイトル通り、自衛隊が戦国時代にタイムスリップして、川中島で、武田信玄率いる武田軍を相手に、近代兵器を用いて大暴れするというメチャクチャなストーリーです。しかし、アタシは、こんなバカ映画が大好きです。小難しいことは考えずに、この映画を観てバカになりましょう。切れ味: 可 2006-08-20T21:17:42+09:00 映画  『ドラゴン怒りの鉄拳』 https://ameblo.jp/norita/entry-10015809483.html ジェネオン エンタテインメント ドラゴン怒りの鉄拳 尊敬する中国拳法の師匠の突然死に不審を抱いた愛弟子が、その死因が毒殺であることを知り、謀殺犯である日本人の武道家と、その取り巻きたちを徹底的に叩きのめしてしまうというストーリー。戦前、実際にあった話に大幅な脚色を加えた作品だが、上海の租界地で横暴を極める日本人を悪の権化とし、それに鉄槌を下すブルース・リー演じる中国人を正義の象徴とする典型的な勧善懲悪ドラマである。でも、この単純な図式が心地よいのだ。そして、ブルース・リーの発する意味不明の怪鳥 2006-08-17T08:20:08+09:00 映画 『亡国のイージス』 https://ameblo.jp/norita/entry-10015543689.html ジェネオン エンタテインメント亡国のイージスレンタルを借りてきて観る。すでに原作を読んでいる者としては、粗筋がわかっているし、原作の膨大な長さを、適当にはしょりながら映像化されているので、すっきりした分、だれることもなく観ることができた。しかし、原作を読まず、いきなり映画から入った人には、話の筋がよく分からず、厳しいものがあるのではないかと思う。それと、原作では、悪役キャラとして、いい味を醸し出していたホ・ヨンファとその妹のキャラクターとしての存在感が弱かったのは残念だった。それにしても、真田広 2006-08-07T08:48:32+09:00 佐々木 俊尚 『グーグル―Google 既存のビジネスを破壊する 』 https://ameblo.jp/norita/entry-10015419341.html 佐々木 俊尚 グーグル―Google 既存のビジネスを破壊する 文春新書 (501) グーグルはどうやって収益をあげているのか、また、そのビジネスモデルが社会や経済に及ぼすインパクトの大きさなどについて解説した入門書。新書なので、すぐに読めます。いちおうジャーナリストらしく、グーグルの影響力が拡大していく上で起こり得る(実際に起こっている)危険性についても言及している点は評価できる。たしかに、地球上に存在する価値ある情報を貪欲に取り込もうと試みるグーグルの存在が、現在よりも格段に強まっていけば 2006-08-03T21:44:52+09:00 金田秀治  『超トヨタ式チェンジリーダー』 https://ameblo.jp/norita/entry-10015142124.html 金田 秀治 超トヨタ式チェンジリーダー 陳腐なタイトルであるが、中身は、なかなか読み応えがある。トヨタ方式は、現場部門における改善活動の徹底化によって、自動車業界のみならず、他の産業にも大きな影響を与え続けているが、本書で、著者が提案しているのは、それを内包しつつ、さらに加えて、「部門戦略」の発想であり、その「仕組み」の導入だ。欧米型のトップダウンによる経営戦略方式でもなく、トヨタを代表とする日本企業に見られる、現場からのボトムアップ型でもない、第三の戦略ゾーンが、開発・生産・販売などの各部門 2006-07-27T11:23:53+09:00