<?xml version="1.0" encoding="utf-8" ?>
<rss version="2.0" xmlns:atom="http://www.w3.org/2005/Atom">
<channel>
<title>小説日和</title>
<link>https://ameblo.jp/novel-yk/</link>
<atom:link href="https://rssblog.ameba.jp/novel-yk/rss20.xml" rel="self" type="application/rss+xml" />
<atom:link rel="hub" href="http://pubsubhubbub.appspot.com" />
<description>～酒と煙草と小説と～</description>
<language>ja</language>
<item>
<title>『死育』　最終話</title>
<description>
<![CDATA[ <br>三十年前のあの日。<br>夕子ちゃんの中にある死を育んだのは私なのだ。<br><br>私という子供に出会ってしまったが故に、彼女は暗い土の中に埋もれてしまった。<br><br><br><br>夜が明ける時間だというのに、空はべっとりとした紺色だった。<br>あんなに綺麗に見えていた月も、雲に隠れてしまっている。<br>今日は雨になるのだろう。<br><br>遠い昔に失われてしまった夕子ちゃんが、泣いているに違いない。<br><div align="right">-fine-</div>
]]>
</description>
<link>https://ameblo.jp/novel-yk/entry-10003746468.html</link>
<pubDate>Fri, 26 Aug 2005 00:07:18 +0900</pubDate>
</item>
<item>
<title>『死育』　第九話</title>
<description>
<![CDATA[ <br>私は思う。<br>人はこの世に生を受けたとき、同時に死の種も持って生まれてくるのではないだろうか。<br><br>歳をとったり、大きな病や怪我を糧にそれは育っていく。<br>しかし人間の目に見えない危険をも吸収してしまうとしたらどうだろう。<br><br>例えば高速道路。<br><br>猛スピードで走る車の群れに入った瞬間。<br>眠気、油断、第三者からの衝突。<br>あらゆる要因が死の種を急速に育む。<br><br>本人がどんなに健康体であろうが、種が開花してしまえば事故という形で死が訪れるのだ。<br><br><div align="right">-To Be Continued-</div>
]]>
</description>
<link>https://ameblo.jp/novel-yk/entry-10003746212.html</link>
<pubDate>Thu, 25 Aug 2005 00:15:06 +0900</pubDate>
</item>
<item>
<title>『死育』　第八話</title>
<description>
<![CDATA[ <br>―――　一緒にいてね　―――<br><br><br><br>地上を叩きつけるかのような雨音に紛れて、夕子ちゃんがか細く呟いた。<br><br><br>その瞬間―<br><br><br>閃光と共に、空気を引き裂くかのような轟音が鳴り響いた。<br>それまでおとなしくしていたマルが穴の外へと走り出す。<br><br><br><br>「マル！」<br><br><br><br>私と夕子ちゃんの声は天災の前にかき消された。<br><br><br><br>「待ってて、マルを連れ戻してくるから」<br><br><br><br>夕子ちゃんの返事も待たずに、私は嵐の森へと走った。<br>夕子ちゃんが後ろから何か叫んでいた………ような気がする。<br>………マルを連れ戻す、と私は言った。<br><br><br><br><br>そうだったのだろうか。<br><br>本当は恐怖に耐えかねて、夕子ちゃんを置いてでも逃げ帰りたかったのではないだろうか？<br><br><br><br><br>どんなに今さら悔やんでも、もう取り返しはつかない。<br><br>ほんの一瞬の出来事だったのだ。<br>私が防空壕から出て、５０メートルもしないうちに、雷とは違う不気味な大音がした。<br><br><br><br>恐る恐る振り返って見たものは、土砂に埋もれた防空壕だった………。<br><br><div align="right">-To Be Continued-</div>
]]>
</description>
<link>https://ameblo.jp/novel-yk/entry-10003723160.html</link>
<pubDate>Wed, 24 Aug 2005 00:53:06 +0900</pubDate>
</item>
<item>
<title>『死育』　第七話</title>
<description>
<![CDATA[ <br>肝試しの夜以来、毎晩夕子ちゃんと防空壕で遊んだ。<br><br>時にはあんなに怖がっていた森を、マルと一緒に走り回った。<br>持ち寄ったお菓子を食べながら、たくさんの話をした。<br>あれほど楽しかった夏は、もう二度とないだろう。<br><br><br>夏休みも残りわずかとなったある夜のことだ。<br>私はいつものように防空壕で夕子ちゃんと遊んでいた。<br>時間もだいぶ遅くなり、さあ帰ろうとした矢先、突然の大雨が襲った。<br><br>後にも先にも私の田舎で、これほど記録的な豪雨に見舞われたことはない。<br>私一人なら強引に濡れて帰ることもできたが、病気である夕子ちゃんを連れて<br>雨の中走るのはためらわれた。<br><br><br>雨はどんどんと勢いを増し、やがて防空壕の中にまで雨水が入ってきた。<br>怯える夕子ちゃんを勇気付ける余裕もなく、私はただ彼女の手を握っているだけだった。<br><br><div align="right">-To Be Continued-</div>
]]>
</description>
<link>https://ameblo.jp/novel-yk/entry-10003699141.html</link>
<pubDate>Tue, 23 Aug 2005 01:20:00 +0900</pubDate>
</item>
<item>
<title>『死育』　第六話</title>
<description>
<![CDATA[ <br>幼かった私は友人に置いていかれた寂しさと知り合いに会えた安堵から、<br>今にも泣き出しそうだった。<br><br>真っ白になってしまった頭に、一つの疑問が激しく点滅する。<br><br><br><br>（どうして夕子ちゃんがここにいるのだろう？）<br><br><br><br>夜の森、さらにその奥にある防空壕の跡。<br>大人だって耐えられない気味の悪さだ。<br>だいたい悪ガキだった私ならともかく、お嬢様を絵に描いたような彼女にとっては、<br>この場所はほとほと似つかわしくない場所だった。<br><br><br><br>「どうしてこんな所にいるんだろう、って思ったでしょ？」<br><br><br><br>考えを読んだかのように夕子ちゃんが言う。<br><br><br><br>「うん………それに、その犬………」<br><br>「マルって言うの。私が飼ってる犬。夜は誰も遊んでくれないでしょ？<br>　だからマルと一緒にいるの」<br><br><br><br>地面に置いてある懐中電灯の明りを避けるように、大きな犬が座っていた。<br>私達を怯えさせた声の正体はマルのものだったらしい。<br>雑種………だったと思う。暗がりで、しかも犬の種類なんてろくに知らなかった私だ。<br>彼女の言葉がなかったら、犬と判別することすらできなかったかもしれない。<br><br><br><br>「私ね、夏休みの一ヶ月くらい前から学校休んでたでしょ。<br>　今は元気だから信じられないかもしれないけど、すごい大変な病気にかかっちゃったの。<br>　後天性……難しい名前だから忘れちゃったけど、お日様にあたると具合が悪くなっちゃうの」<br><br><br><br>これも大人になって知ったことだが、何万人に一人の奇病だった。<br>医学が発達した今ですら治療法はない。<br>可哀想だった。そんな病気にかかったのは彼女のせいじゃない。<br><br><br><br>「少しづつ………少しづつ慣らしていけば、いつかまた太陽の下でも遊べるよ」<br><br><br><br>必死だった。<br>私が夕子ちゃんを好きだったからだけではない。<br>たった十歳の子供の身体を蝕む理不尽な運命を、子供ながらに憎んだのだろう。<br><br><br><br>「最初は夕方とか、明け方とか。陽が弱いうちならきっと大丈夫だよ」<br><br><br><br>困ったように、それでも嬉しそうに微笑んだ夕子ちゃんの顔が忘れられない。<br><br><br><br>「うん……でも、やっぱり具合悪くなるの怖いから。夜でも私と遊んでくれる？」<br><br><br><br>私は力強く頷いた。<br>時間はある。ゆっくり治していけばいいのだ。<br>そんなふうに考えていた。<br><br>秋が来る前に、彼女と別れることになるとも知らずに。<br><br><div align="right">-To Be Continued-</div>
]]>
</description>
<link>https://ameblo.jp/novel-yk/entry-10003684299.html</link>
<pubDate>Mon, 22 Aug 2005 16:03:31 +0900</pubDate>
</item>
<item>
<title>『死育』　第五話</title>
<description>
<![CDATA[ <br>戦塵穴に着いた頃には、息があがっていた。<br>疲れではなく、緊張のせいだ。<br>大きく口を開ける穴を目の前にして、みな躊躇して立ち止まった。<br><br>懐中電灯で中を照らすも、光が奥まで届かないほど深い。<br>散々話し合った結果、私が先頭になって入ることとなった。<br>自慢げに持っていた木の枝は、もやしのように心細く見えた。<br><br>戦塵穴は湿った空気に包まれていて、黴臭い匂いに満ちていた。<br>足元はぬかるんでいて、足がそのまま埋まってしまうのではないかと不安だった。<br>クラスメイトがしきりに「なんかあった？」「なんか見える？」と聞いてくる。<br>真先に発見してしまう私の気にもなってほしかった。<br><br><br><br>「つまんないなぁ。せっかく―――」<br><br><br><br>何かを喋ろうとしたヨウスケの言葉は途中で遮られた。<br>獣の低くうなるような声が穴に響いたからだ。<br><br>恐怖で身体が冷たくなっていく感覚を、今でもはっきりと覚えている。<br>勇敢にゾンビに立ち向かう映画の主人公のようには永遠になれないと、幼いながらに悟った。<br><br>最初に大声をあげて逃げ出したのはヨウスケだった。<br>残った友人達も競うように外へ走っていく。<br><br>走れるだけまだ精神的に彼らは強かったのだろう。<br>一方の私は腰が抜けて尻餅をついた。<br>湿り気を帯びた土がじわじわと半ズボンを濡らした。<br>あるいは失禁していたのかもしれない。<br><br><br>足音が近づいてくる。<br><br><br>動物ではなく、人のそれだ。<br>何かを叫ぼうとしても、ヒュウヒュウと空気が漏れるだけだった。<br><br><br>このまま殺されてしまうのかもしれない………。<br><br><br>そんな絶望に飲み込まれようとした瞬間―――<br><br><br><br>「秋山くん？」<br><br><br><br>聞き覚えのある女の子の声だった。<br>突然眩い光が私を包んだ。<br><br><br><br>「やっぱり秋山くんだ」<br><br><br><br>カチッとスイッチの切れる音と同時に、辺りは再び闇に戻った。<br>突然強烈な刺激を受けた目には、緑色の奇妙な残像が残った。<br>その向こうにある不確かな影が、クスクスと笑う。<br><br>甘い暖かな吐息がかかったのと同時に、白い顔が眼前に浮かんだ。<br>恐怖とは違う、切ない緊張が体を強張らせた。<br><br>影の正体は、クラスメイトの夕子ちゃんだった。<br><br><div align="right">-To Be Continued-</div>
]]>
</description>
<link>https://ameblo.jp/novel-yk/entry-10003603063.html</link>
<pubDate>Fri, 19 Aug 2005 00:13:10 +0900</pubDate>
</item>
<item>
<title>『死育』　第四話</title>
<description>
<![CDATA[ <br>なんとか学校に辿り着いた頃には、ヨウスケと数人のクラスメイトにの姿があった。<br>ヨウスケ以外の友人は、残念ながら顔も名前も思い出せない。<br>人数は四、五人だったと思う。<br><br>懐中電灯やらラジオやらお菓子やら、それぞれ思い思いの物を手にして集まっていた。<br>無論、役にたったのは懐中電灯のみだったのは言うまでもない。<br>唯一の明りを囲んだ友人達は、みな決死隊のように顔が強張っていた。<br><br><br><br>「幽霊がいたらやっつけてやるんだ。な、レイジ」<br><br><br><br>急に話を振られて、曖昧に頷いた。<br>木の枝でも持っていた私はまだマシだが、ヨウスケは手ぶらだった。<br><br>みな強気な発言を口にしながら、校舎の裏手にある森へ向かう。<br>辺りは完全な闇だった。己を鼓舞しないと、そのまま塗りつぶされてしまいそうな黒である。<br>月明かりもうっそうとした木々に阻まれていた。虫の声だけが騒がしく響く。<br><br>今にして思えば、それは引き返せという警告だったのかもしれない。<br><br><div align="right">-To Be Continued-</div>
]]>
</description>
<link>https://ameblo.jp/novel-yk/entry-10003580608.html</link>
<pubDate>Thu, 18 Aug 2005 00:57:36 +0900</pubDate>
</item>
<item>
<title>『死育』　第三話</title>
<description>
<![CDATA[ <br>終業式から一週間後の夜、私は戦塵穴に向かった。<br><br>親には友達の家で夏休みの宿題をやると、見え見えの嘘をついた。<br>しかし母は笑って「あまり遅くならないのよ」と玄関まで送ってくれた。<br>それが『苦笑い』というものだと知ったのは、随分と後のことだ。<br><br><br>それにしても今に比べれば、昔の町の夜は本当に暗かった。<br>特に田舎だった私の町は、二十四時間のコンビニもなければ、自販機や電話ボックスも皆無だったのだ。<br><br>時間にすればまだ八時頃であったはずだが、<br>小さな商店街はみなシャッターが閉められ、数件の飲み屋だけが眠たそうに明りを灯していた。<br>三分ほど開いた軒先から聞こえた流行歌は、なんだか悲しいメロディーであったと記憶している。<br><br>私は昼のうちに用意しておいた太い木の枝を持って歩いていた。<br>戦塵穴で何かに出くわしたら、本気でそれで戦おうと考えていたのだ。<br><br>それは剣を手にした勇者の姿ではなく、一揆を企てるひ弱な農民のようであった。<br><br><div align="right">-To Be Continued-</div>
]]>
</description>
<link>https://ameblo.jp/novel-yk/entry-10003551273.html</link>
<pubDate>Wed, 17 Aug 2005 00:55:36 +0900</pubDate>
</item>
<item>
<title>『死育』　第二話</title>
<description>
<![CDATA[ <br>当時小学校四年生だった私は、待ちに待った夏休みを迎えた。<br>勉強が苦手で、走り回ってばかりいた私にとっては夢のような時期だ。<br><br>終業式を終えた学校からの帰り道。<br>生徒達もみなこれからやって来る輝かしい一ヶ月に、期待を膨らませていた。<br>その日、私は親友であり、悪友でもあったヨウスケと一緒に帰っていた。<br>彼もまた勉強は得意ではなく、もらったばかりの成績表の中身は、私と似たり寄ったりだった。<br><br><br><br>「あーあ。また母ちゃんに文句言われるよ」<br><br><br><br>毎年恒例の成績表見せあいっこが終わると、各家で母親からの説教が始まる。<br>これもまた、校長先生の『夏休みにおける心得』よろしく、休み前の儀式のようなものだ。<br>建前上の小言を言うだけで、本気で怒る親はいなかった。<br>当時は少し勉強なんかできるより、毎日泥だらけで遊びまわる元気の方が大事だったようだ。（少なくとも私の周りでは）<br><br>ヨウスケも本気で困っている様子ではなかった。<br>夏休みに何をして遊ぶかを検討しながら歩く。<br>帰り道の半分も行かないうちに、予定の半分以上は早くも埋まった。<br>子供は遊びに関しては無限の想像力が働くのだ。 <br><br><p>昔を思い出すたびに、今もこれだけの発想力があれば仕事も、と苦笑してしまう。<br>やがて私達が溜まり場にしていた駄菓子屋の前まで来ると、突然ヨウスケが叫んだ。<br><br><br><br>「戦塵穴に肝試しに行こうぜ」<br><br><br><br>私の通っていた小学校は、戦前から続く歴史ある学校だったそうだ。<br>学校をぐるりと囲む森や低い丘には、戦中の無念の残骸がまだ残っていた。<br>戦塵穴もその一つで、名前は大層だが要するに防空壕のことだ。<br><br>そこには実にいろいろな噂があった。<br>夜な夜な女性にすすり泣く声がする。男の怒声が響く。兵隊の霊が現れる（兵隊が防空壕にいるのもおかしいが）。<br>果ては戦争の終結を信じない軍人がまだ潜んでいる、など日を追うごとに新たな噂が追加されていった。<br><br>大人から見ればそんな場所で遊ぶのは不謹慎極まりないが、<br>子供の溢れる好奇心をくすぐるには十二分の場所であることに間違いはなかった。<br>私もまた不安と期待の入り混じった複雑な興奮に浮かされて、ヨウスケの提案にブンブンと頷いた。<br><br></p><div align="right">-To Be Continued-</div>
]]>
</description>
<link>https://ameblo.jp/novel-yk/entry-10003533525.html</link>
<pubDate>Tue, 16 Aug 2005 00:46:41 +0900</pubDate>
</item>
<item>
<title>『死育』　第一話</title>
<description>
<![CDATA[ <p><br>私は心霊現象というものが嫌いだった。<br>と言っても、お化けやら幽霊やらが怖いのではない。<br>そういったものが登場する場所が、私にある出来事を思い出させるからだ。<br><br>ついでに言えば、犬も得意ではない。<br>今年中学に入った長女が犬を飼いたいとねだったが、私は最後まで首を縦には振れなかった。<br>ペットを飼うと、死んだ時に別れがつらくなるから。<br>娘の軽蔑にも似た視線を浴びながら、私は苦しい言い訳でごまかした。<br><br><br>やはり十歳の時に体験した、あの出来事が起因している。<br><br><br>それにしても暑い。<br>すっかりぬるくなった麦茶を飲み干すと、部屋の窓から外を眺めた。<br>近くに大きな国道が走っているため、虫の声は聞こえない。<br>深夜の道路を一台の車がサァーッと音を残して消えていった。<br><br>しばしの静寂。<br><br>国道を心細く照らすオレンジライト。遠くに霞む町の灯。<br>落ちてきそうなほど煌々と光る満月。<br><br><br><br>（一緒にいてね………）<br><br><br><br>か細い少女の声が甦る。<br><br><br><br>三十年前の夏、私は一人の少女を殺したのだ。<br><br></p><div align="right">-To Be Continued-</div>
]]>
</description>
<link>https://ameblo.jp/novel-yk/entry-10003511682.html</link>
<pubDate>Mon, 15 Aug 2005 00:43:32 +0900</pubDate>
</item>
</channel>
</rss>
