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<title>市森あやめのブログ</title>
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<description>今まで書き溜めてきた物語を少しづつ公開します。</description>
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<title>感謝</title>
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<![CDATA[ <p>長い間ご愛読頂きありがとうございました。</p><br><p>なんとなく自分の書き溜めた物をブログに書いてみようと思い書き始めましたが、</p><br><p>読者登録していただいたり　コメント　メッセージなどを頂いたりしているうちに嬉しくなってしまい、</p><br><p>最初はもっと短い内容だった物が　どんどん長くなってしまいました。</p><br><p>また　書きたいと思いますが　次回はもう少し準備をしてからの方がいいかなと　ちょっと反省しています。　</p><br><br>
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<link>https://ameblo.jp/novelist-a/entry-10444758114.html</link>
<pubDate>Fri, 05 Feb 2010 00:05:39 +0900</pubDate>
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<title>暖かい日差しの中へ２５</title>
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<![CDATA[ <p>その後も　ごくたまに進ちゃんのマンションに行くだけだった。</p><br><p>広すぎて　落ち着かない・・　やっぱり私の部屋で会う方が多かった。</p><br><p>持ち物が大きすぎることが分かっても　進ちゃんの愛情は全く変わらないし、私も変わらなかった。</p><br><p>少し変わったのは　進ちゃんが大学を出て　２～３年ヨーロッパを旅して　絵を描いて歩いていたので</p><br><p>その時の話をしてくれるようになった事・・　　私はその旅の話を聞くのが好きで　ねだっては話してもらうように</p><br><p>なっていた。</p><br><br><p>そして　８月私は帰省せず　進ちゃんとイギリスへ来た。</p><br><p>目的は、私の部屋にある進ちゃんの描いた絵の中のお城を訪れる為に・・・</p><br><p>「前回　実家から戻る時　あんなに悲しかったのに　進ちゃんとの旅行を選んだ自分はなんて薄情なんだろう」</p><br><p>そう言った私に・・・</p><br><p>「きっと聡美ちゃんは居場所を探していたんだね　自分が一番落ち着ける場所を探していたんだと思うよ。</p><br><p>それは住む場所だったり　建物だったり　一緒に住む相手だったり・・　人だったら誰でも探し求める物</p><br><p>なんだろうね。</p><br><p>聡美ちゃんが僕の部屋では落ち着けないなら　もう１つマンションを作ろうかな。」</p><br><p>進ちゃんは　良いことを言ってくれた後で　あっけらかんと　大きな買い物の事を言う。</p><br><p>ロンドンから電車で２時間くらい　見渡す限りの野原を過ぎると目的のリーズ城に着いた。</p><br><p>進ちゃんの描いた絵より　明るくて眩しい・・・</p><br><p>「イギリスは夏が短いけど　太陽が出ている時間が長いからね　僕が描いたのは冬前だから少し暗い印象</p><br><p>かもね。」</p><br><p>城内を進ちゃんと歩いて　感動で時間を忘れて楽しんだ。</p><br><p>進ちゃんが言う通り　帰りの電車の中で夜の７時になっても　８時になっても　まだ明るい。</p><br><p>「進ちゃん　夜なのに明るくて　暖かいね。」</p><br><p>「冬は午後３時くらいに　もう夜だからね　だからイギリス人は短い夏を思い切り楽しむんだよ。」</p><br><p>「そうなんだね　私も楽しもう　進ちゃんと・・　この暖かい日差しの中で。」</p><br><br><br><p>　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　－完ー<br></p>
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<link>https://ameblo.jp/novelist-a/entry-10444740422.html</link>
<pubDate>Thu, 04 Feb 2010 23:51:58 +0900</pubDate>
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<title>明るい日差しの中へ２４</title>
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<![CDATA[ <p>「その・・　　このマンションは僕の物で・・」</p><br><p>「賃貸じゃなくて　買ったってこと？　それ位はもう驚かないよ。」</p><br><p>「そうじゃなくて・・・　この建物ごと僕の物で・・・」</p><br><p>「え？　大家さんてこと？」</p><br><p>「そういうことになるかな？」</p><br><p>（うそー）</p><br><p>「それで・・・終わり？」</p><br><p>「え・・・と　あとは　聡美ちゃんの住んでいるマンションも僕の持ち物かな・・・」</p><br><p>（えーーー　だから　お風呂の入れ方とか　説明しなくても分かったんだ・・・）</p><br><p>「もう　ない・・・・？」</p><br><p>「あとは・・・　聡美ちゃんの部屋に前住んでいたのは・・・　僕のなんだ・・・」</p><br><p>「うそ・・・　」</p><br><p>もう　私は立ち上がれなくなっていた。</p><br><p>「なんで・・　少しづつでいいから　言ってくれなかったの？　そんな・・　こんなこと一度に言われても</p><br><p>何がなんだか理解できないよ。」</p><br><p>進ちゃんは私の前に座ると・・・</p><br><p>「聡美ちゃん・・・　僕はただの小金持ちなんだよ　祖父や父が作った物をただ受け継いだだけで　何も驚く</p><br><p>ことはないんだ　聡美ちゃんになかなか言い出せなかったのは　さっき姉さんが言ったように　僕はお金が</p><br><p>元で何度か女性に騙されている。</p><br><p>今　思えば　僕は彼女たちの気持ちが離れているのが分かっているのに　信じようとしていた・・・</p><br><p>彼女たちも最初は僕のことを好きだったのかもしれないけど　去る時はみんなお金と共に去って行ったよ。</p><br><p>だからもし　次に誰か好きになったら僕の持ち物じゃなくて　本質を好きになって欲しいと思って</p><br><p>絶対に最初から持ち物のことは言わないように決めてたんだ。」</p><br><p>しばらく黙っていた私もやっと息を吸って話せるようになった。</p><br><p>「そうか・・　進ちゃん今まで黙ってるの　辛かったよね。」</p><br><p>「そうだね・・　黙ってれば　黙っているほど・・　聡美ちゃんには疑われるし・・・」</p><br><p>また　しばらく沈黙が続いた後・・・</p><br><p>「少しづつ　教えてくれれば良かったのに・・・　お陰で腰が抜けちゃったよ」</p><br><p>「ごめんね　言わないのはいいけど　今度は言い出すタイミングを逃しちゃって・・・聡美ちゃん　外の空気吸う？」</p><br><p>進ちゃんは　私を立たせてくれると　ベランダへ連れて行ってくれた。</p><br><p>外に出るとベランダにはジャグジーバスがある。</p><br><p>「もう　驚かないけど　本物だよね？」</p><br><p>「本物だよ　良かったら入る？」</p><br><p>笑えて物が言えないとは　こんな時にも使えるんだろうか　私は力無く笑うだけだった・・・</p><br><p>空のジャグジーバスの淵に座って話をした。</p><br><p>「進ちゃん　私も先に進ちゃんの持ちのもの事を聞いていたら　どうしていたかな・・・　びっくりして逃げたかも</p><br><p>お金を持って行く勇気はなかったと思うけど・・・　　でも今は進ちゃんのことが大好きだし・・・</p><br><p>どうしたらいいんだろう・・・」</p><br><p>やっとボソボソと話した私に　　進ちゃんはピンと背すじを伸ばして</p><br><p>「僕が持っているのは　ただ祖父や父から受け継いだ物・・　　ただそれだけだよ。</p><br><p>それを元に大きい事をやらかそうとも思っていないし　自分達の生活に支障が無いくらいで世の中に貢献</p><br><p>していけたらいいとも思っている　だから聡美ちゃんも何も変わらなくていいんだよ。</p><br><p>いつものまま　笑顔でいてくれたら　それでいいよ。」</p><br><p>私はそのまま　うつむいて考えた・・　考えたと言うよりは　進ちゃんの言った事を頭の中で繰り返した・・</p><br><p>それから・・・</p><br><p>「分かったよ　進ちゃんの気持ち・・　私このままでいいんだね　その代わり進ちゃんのために</p><br><p>いつも　笑っていられるようがんばるよ。」</p><br><p>「ありがとう」</p><br><p>それから　進ちゃんはポケットから小さい箱を取り出して　私の手に置いてくれた。</p><br><p>開けてみると　あの時一緒に見たピンクダイヤモンドのリングと同じデザインの　ずっと小さくなった物だった。</p><br><p>ありがとうと言う前に　・・つい</p><br><p>「高いんじゃないの？」　と聞いてしまった。</p><br><p>「あの時見たリングの１０分の１位だよ。」</p><br><p>「それでも高いよ　私にはもったいないよ。」</p><br><p>「分かったよ　相談なしで買うのは今日までだよ　これはがまんしてつけてくれる？」</p><br><p>進ちゃんに言われ指を通してみた・・</p><br><p>「わあ　なんてきれいなんだろう・・　ありがとう進ちゃん。」</p><br><br><br>
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<link>https://ameblo.jp/novelist-a/entry-10444722236.html</link>
<pubDate>Wed, 03 Feb 2010 23:00:03 +0900</pubDate>
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<title>暖かい日差しの中へ２３</title>
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<![CDATA[ <p>大きい扉が開いて　小柄だけど華やかな女の人が飛び出して来た。</p><br><p>「進次郎ー　遅かったじゃないのー　今か今かと待ってたのよー　わあ聡美さんね　なんてかわいらしいのー</p><br><p>初めまして進次郎の姉です　　さあ入って　入って　おいしいケーキもあるのよ。」</p><br><p>突然飛び出して来た進ちゃんのお姉さんのあまりの勢いのよさに圧倒されて　私は建物の中に引きずりこまれ</p><br><p>たような感じだった。</p><br><p>靴も脱がないでリビングらしき部屋まで案内されたので　お姉さんがケーキとお茶を運んでくるまで</p><br><p>（ここはきっと高級喫茶店なんだ）と思い込み　辺りを見回していた。</p><br><p>でも　お姉さんの他に誰も出て来ないので　ようやくここが進ちゃんの実家だと気づいた。</p><br><p>「聡美さん　リラックスしてね　　進次郎　あんたにしては　最高にかわいい子を連れてきたじゃないの。」</p><br><p>「そんな・・・」</p><br><p>「姉さん・・・」　進ちゃんと私　同時に声を出したけど　お姉さんの話は続いた。</p><br><p>「聡美さん　進次郎ったらね　毎回女の子に騙されて　女性不信になっちゃったのよー　もう一生　結婚できない</p><br><p>かと思ってたら　こんなかわいい子連れてきて　あんた意外とやるわねー。」</p><br><p>「姉さん　もうそれくらいでいいよ。」　どうやら進ちゃんは　お姉さんに頭が上がらないらしい・・</p><br><p>「それもそうよね　それより聡美さんの話よね。」</p><br><p>お姉さんは　私には穏やかに話してくれる　私も安心して　実家の話やら今の勤め先の話をした。</p><br><p>実家の話しは　「うちは家族が少ないから」とおもしろがってくれて　興味深そうに聞いてくれた。</p><br><p>最後に　</p><br><p>「本当に来てくれてありがとう　正式に帰国したら　いつでも遊びにきて」　と言ってくれた。</p><br><p>「ごめんね　びっくりしたでしょう　姉はガキ大将タイプで　僕とは正反対なんだ。」</p><br><p>「お姉さんは　とっても思いやりのある人だけど・・・・　この家は何？」</p><br><p>「ああ　この家は僕の祖父が建てたんだよ　もう古いからどうしようかと思っていたら　姉が使うって・・・」</p><br><p>「進ちゃん　そうじゃなくて・・・　　この　大きさは・・　何？」</p><br><p>「大きさは　その元々この辺に土地を持っていただけなんだよ・・」</p><br><p>私にとっては　「そうですか」では終らない大きさなのに　進ちゃんは平然と</p><br><p>「車とってくるよ。」と私を玄関前で待たせて　ガレージのある方へ走って行ってしまった。</p><br><p>（この建物の軽トラックか・・・）と思っていると　進ちゃんはピカピカの外車に乗って現れた。</p><br><p>進ちゃんは、車から降りて　ドアを開けてくれたけど　私はすぐに乗れず・・・</p><br><p>「これ・・　進ちゃんの車なの？」と聞いた</p><br><p>「そうだよ　最近乗ってないからホコリっぽいかもしれないけど」</p><br><p>私の中ではまた　「そうですか」では終われないけど　取り合えず車に乗った。</p><br><p>「久しぶりに　運転したなぁ　エンジン調子いいみたいで良かった。」とあっけらかんとしている。</p><br><p>また　あまり会話がなくなってしまったけど　今度は雰囲気が悪いでも進ちゃんの愛情を感じるでも</p><br><p>なんでもなく　私は何がなんだか分からずクラクラしているだけだった。</p><br><p>「ここだよ。」進ちゃんのアパートではなく・・・　　高級マンションに着くと　ガレージには高級な車ばかり・・</p><br><p>「進ちゃん　　ここに車とめると　後ろの車出れないけどいいの？」</p><br><p>「うん　それも僕の車だから大丈夫だよ。」　進ちゃんはサラッと言った</p><br><p>（うそーー）</p><br><p>「中はがんばって片付けたからね。」</p><br><p>エレベーターで５階まで上がると　一番奥が進ちゃんの部屋らしかった。</p><br><p>落ち着いて見ると　他の階は４～５部屋づつ部屋があったような気がするけど、５階にはドアが２つしかない。</p><br><p>「さあ　どうぞ」と案内されると　物凄く広いリビングで中は２階になっている。</p><br><p>（うそーーー　一体今日何回目の　うそー　だろう。）</p><br><p>「ここが　ぼくの部屋だよ　今までごめんね。」</p><br><p>（なに？　何なのこれ？）　広いリビングを見回すと　隅の方に絵があった。</p><br><p>しかも描いている途中・・・　</p><br><p>「進ちゃん　絵描いてるの？」</p><br><p>「うん　今年に入ってからね　週末に少しづつだけど」</p><br><p>「これって　初めて二人で行った美術館の近くの風景？」</p><br><p>「そうだよ。」</p><br><p>私はじっくり絵を観た　観ていてふと思った</p><br><p>「この絵は・・　進ちゃんが描いた絵なんだよね・・　　リサイクルショップにある絵と似ているけど・・」</p><br><p>「実はあれも僕が描いたんだ・・・」</p><br><p>「じゃあもしかして　私の部屋にある絵も・・・」</p><br><p>「そうだよ・・・・」</p><br><p>私は　急に力が抜けヘナヘナと床へ座りこんでしまった。</p><br><p>「聡美ちゃん　大丈夫？」</p><br><p>「進ちゃんは　ギャラリーのオーナーで　リサイクルショップのオーナーで　あの大きな家の持ち主で</p><br><p>軽トラックだけじゃなくて外車を何台も持っていて　私の部屋の絵を描いた人で・・・・他にも何かあるの？」</p><br><br><br><p>　</p><br><br><p>　</p><br><br>
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<link>https://ameblo.jp/novelist-a/entry-10444652645.html</link>
<pubDate>Tue, 02 Feb 2010 23:12:07 +0900</pubDate>
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<title>暖かい日差しの中へ２２</title>
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<![CDATA[ <p>１０時少し前　進ちゃんがわざわざ玄関まで迎えに来てくれた。</p><br><p>「おはよう　聡美ちゃん用意はできた？」　進ちゃんは、この間のディナーの時とは　また違うスーツを着ている。</p><br><p>「おはよう」　（お姉さんに会うのにスーツ？　お姉さん　そんなに厳しいのかな？）</p><br><p>「進ちゃん　こんな堂々とお迎えでいいの？」</p><br><p>「もう大丈夫　今日　聡美ちゃんは姉に会ってくれるんだ　正式な婚約者だよ。」</p><br><p>進ちゃんに　そう言われると不信感が薄れていくけど　</p><br><p>（イヤイヤもしかしたら　まだ何か秘密があるかもしれないから　気をつけなくちゃ）</p><br><p>タクシーに乗り込むと私の勝手な疑心暗鬼のお陰で　会話も少なく　ちょっと微妙なムードになってしまった。</p><br><p>（なんか気まずい感じどうしよう・・・・）</p><br><p>実家の事を聞かれても話は続かず　なんとも言えない雰囲気のままギャラリーに到着した。</p><br><p>ここは進ちゃんが始めて連れてきてくれたギャラリーで　あの《裸の男の人》の絵があった所だ・・・・</p><br><p>私達の姿を見つけると　あの黒いスーツの上品そうなおじいさんが扉を開け</p><br><p>「いらっしゃい　ぼっちゃん　お待ちしておりましたよ。」</p><br><p>（ぼっちゃん？　ぼっちゃんて誰？　まさか進ちゃん？）</p><br><p>進ちゃんは、おじいさんに微笑みかけると　私の肩に軽く手をおいてギャラリーの中へ入って行った。</p><br><p>前回と違い　お店のスタッフのような人も進ちゃんに親しげ挨拶をしている。</p><br><p>「あの　進ちゃん・・・　お知り合いだったの？」　進ちゃんが答えるより先に　おじいさんが・・・・</p><br><p>「そうだったんですよ　前にいらした時は、ぼっちゃんが女の子を連れて行くからみんな知らないふりして下さい</p><br><p>なんておっしゃるものですから　　私たちも演技するのが大変でございましたよ。」</p><br><p>そこで進ちゃんが　恥ずかしそうな表情で</p><br><p>「聡美ちゃん　彼がここのオーナーだよ。」　と紹介してくれた。</p><br><p>「いやですよ　もうこの老いぼれは引退するので　今のオーナーは、ぼっちゃんです。」</p><br><p>（え？　今なんて・・・・・・？）</p><br><p>何がなんだか分からなくなってしまった私の様子を感じ取ってくれたのか　オーナーがソファーに案内してくれて</p><br><p>紅茶を出してくれた。</p><br><p>「えーーっと　聡美ちゃん　さっきオーナーが言った通り僕がここを買ったんだよ　オーナーには跡継ぎが無くて</p><br><p>前から　声をかけてもらってたんだけど　なかなか踏ん切りがつかなくて・・・　</p><br><p>でも　聡美ちゃんと会って気持ちが動き始めたんだ。」</p><br><p>「そうなんですよ　ぼっちゃんは、お小さい時から絵がお上手で　大学でもお勉強されましたよね　その後</p><br><p>お父上が亡くなられた後は　お店を継がれて絵どころではなくなってしまったようですが、</p><br><p>あなたにお会いして　また絵への情熱が燃え始めたようなんですよ。」</p><br><p>私がポカーンとしているのを感じたのか　進ちゃんは</p><br><p>「早いけどランチにしようか？」　と席を立ち上がった。</p><br><p>帰り際オーナーが扉を開けながら</p><br><p>「聡美さん　これからは遠慮なく遊びに来てくださいませよ。」</p><br><p>私はぎこちなく頭をさげ　進ちゃんの隣を歩いた。</p><br><p>何か聞きたいけど　何から聞いていいのか分からず　しばらく考えてから</p><br><p>「進ちゃんは美大に行ってたってこと？」</p><br><p>「うん　そうだよ　でもあまり才能は無かったようでね　諦めて　全く関係のない会社に就職したんだけどね。」</p><br><p>「なんで　隠してたの？」</p><br><p>「隠してたわけじゃないんだよ　本当に店のことで頭がいっぱいで　なかなか絵に時間を作ろうとしていなかった</p><br><p>のが本当のとこかな？」</p><br><p>「そうなんだね　ギャラリー買ったって本当？」</p><br><p>「本当だよ　聡美ちゃん絵が好きでしょ　だから僕もまた絵にかかわりたいなと思ってね。」</p><br><p>「でも　そうとう高いんでしょ　進ちゃん借金ないって・・・」</p><br><p>「借金がないのは本当だよ　父が残してくれたお金があったんで　その中から出したから大丈夫だよ。」</p><br><p>「そうだったんだ　なんかびっくりしちゃって・・・・」</p><br><p>食事をしながら</p><br><p>「驚かせてごめんね　話はしようかと思ったんだけど　その・・　まだ　そんなこと相談しちゃあいけないかなと</p><br><p>思ってね　もし結婚しているなら　買う前に話はしたよ。」</p><br><p>結婚と言う言葉が心にグッと来た・・・・</p><br><p>（進ちゃんは　私の立場を色々考えてくれたからこそ今まで言わなかっただけなんだ　絵に詳しい事にも納得</p><br><p>がいく・・・）</p><br><p>コーヒーが出てくるころには　私の頭もだいぶ整理できてきていた。</p><br><p>「だいぶ落ち着いたかな？　そろそろ姉さんの所へ行こうか？」</p><br><p>私たちは　またタクシーに乗り進ちゃんの実家へ向かった　また今度も会話は少ないけど、ギャラリーに行く</p><br><p>前のような雰囲気ではなく　話をしなくても進ちゃんの愛情が伝わってくるようだった。</p><br><p>「ここでいいです。」　と進ちゃんがタクシーを止めた場所には</p><br><p>（え？　今度は美術館？　）と思えるような建物が建っていた。</p><br><p>進ちゃんは　その西洋風の美術館の方へ歩き出した　敷地も広くて　まさに美術館かそうでなければ</p><br><p>高級隠れ家レストランだ。</p><br><p>「進ちゃん　またレストラン？　さっき食べたとこ・・・・」　言いかけたところで・・・・</p>
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<link>https://ameblo.jp/novelist-a/entry-10444626437.html</link>
<pubDate>Mon, 01 Feb 2010 23:05:41 +0900</pubDate>
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<title>暖かい日差しの中へ２１</title>
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<![CDATA[ <p>「なんか今回やっと緊張しないで過ごせたよ　いつも早く帰りたいと思っちゃってたけど、今回はもう１日いても</p><br><p>いいと思えたよ。」</p><br><p>「そうだな　年に１回会うだけじゃな・・　　なかなか打ち解けるのに時間かかるよな　お前自分から手伝いしたり</p><br><p>してたから　母さんもやっとカラから出てきた感じかな　もともと人付き合い良くないし。」</p><br><p>（カラ？　なんか殻ってもしかして　私も殻の中にいた？　課長の殻に入ってぬくぬくと・・　他の事には関心も持</p><br><p>たず　もしかして実家のみんなもそれを感じてたのかな？）　前は甥っ子　姪っ子と遊んでいても　アパートに帰</p><br><p>りたいと思い出すことも多かった　だから適当に相手をして　実家に留まる日数をかせいでいただけだったような</p><br><p>気がする　　今回はあと何日？あと何日？と心の中でカウントダウンしていてだんだん数字が減っていくと　寂し</p><br><p>さがどんどん増していった。</p><br><p>（そうだよね　私　里賀子たちの事も避けてた時期がある　家族にもヨソヨソしかったんだろうな　また課長か・・・</p><br><p>バカな私。）</p><br><p>そう思うと急に進ちゃんのことが気になって　急いで携帯電話の電源を入れた。</p><br><p>やっぱり進ちゃんから『さっきは　ごめんね　寝ぼけてたよ　明日必ず聡美ちゃんが納得する話をするよ</p><br><p>実家に行く前にギャラリーに寄りたいけどいいかな？』　とメールが着ていた。</p><br><p>（朝早くに　電話した私もわるかったけど　なんで明日ギャラリーなの？　進ちゃんのバカ）</p><br><p>さっきまで泣いていたのに　今度は怒りがこみ上げてきて　その勢いで東京まで突っ走った。</p><br><p>そのまま部屋へ帰る気にはならず　工場へ向かった。</p><br><p>お土産を持って行くと　若社長と　職人さん　少ないけどパートさんも何人かいた。</p><br><p>「聡美ちゃん　おかえり。」</p><br><p>パートさんに声をかけられ　また実家に戻った気分になれた。</p><br><p>（なんか　しばらくここにいたいな）と思い</p><br><p>「若社長　仕事していっていいですか？」と聞いてみた。</p><br><p>「いいけど　疲れてないの？」</p><br><p>「はい　大丈夫です　なんとなく　みんなの顔見たら仕事したくなりました。」</p><br><p>「そう　だったら自分のきりのいい所までやってくれればいいから。」</p><br><p>それから　私はもう１つ</p><br><p>「あの　若社長　屋根にのぼっていいですか？」</p><br><p>「屋根に？　いいけどどうするの？」</p><br><p>忙しい若社長にハシゴを出してもらい　屋根にのぼった。</p><br><p>実家よりも　たくさんのソーラーパネルがきれいに並べられていて　まぶしい　大きく深呼吸し</p><br><p>「若社長ー　この暖かい日差しで工場の電力がまかなわれているんですねーー。」</p><br><p>大きいお兄ちゃんの受け売りを言ってみると</p><br><p>「おっ　いいこと言うねー」</p><br><p>ソーラーパネルと大きいお兄ちゃんの言葉で勝手に実家の心地よさに浸り　祖母が持たせてくれた漬物をお礼</p><br><p>に若社長に渡し仕事に取り掛かった。</p><br><p>ゴールデンウィーク中で出勤している人数が少ないせいもあり休憩時間は帰省した話などでそれぞれの話が</p><br><p>長くなってしまい　若社長から　「今日までだぞー」と注意されてしまったけど　</p><br><p>その時間もまた　私にとっては楽しいひと時だ　定時でみんなと帰宅したら　進ちゃんから</p><br><p>『無事に帰宅できた？　明日は１０時位に迎えに行くよ　ギャラリーに行って　ランチ食べて　それから実家で</p><br><p>その後　ぼくの部屋へ案内するよ。』</p><br><p>（無事に帰って来てますよー　仕事までしちゃったもんねー）</p><br><p>そう思いながら　進ちゃんには　『分かりました』　とだけメールをした。</p><br><p>翌朝　《お姉さんに会う》だけは気を使うので　初めて会っても恥ずかしくないように少し時間をかけて仕度した。</p><br><br><br><br><br><br><br><br><br><br><br><br>
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<pubDate>Sun, 31 Jan 2010 23:52:47 +0900</pubDate>
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<title>暖かい日差しの中へ２０</title>
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<![CDATA[ <p>翌朝　東京へ戻るので早起きした。</p><br><p>早起きついでに　きれいに整備された崖を登って　朝日を見た。</p><br><p>どんどん登って行く朝日と景色　遠くの町や家は紺色から少しづつオレンジ色になって　</p><br><p>やがて　それぞれの色が見えてくる。</p><br><p>（いつ見ても　いい景色だなー）　と深呼吸して</p><br><p>（あれ？　この景色どこかで・・・・・　あー進ちゃんのリサイクルショップに飾ってある絵とそっくりだー）</p><br><p>そう思ったら　朝早いのも忘れて進ちゃんに電話してしまった　進ちゃんはそうとう眠そうな声で電話に出て</p><br><p>「あれ？　おはよう　聡美ちゃん？どうかしたの　何かあった？」</p><br><p>「おはよう進ちゃん　あのね　今実家から景色眺めてたんだけど　そうしたらリサイクルショップにある絵と</p><br><p>そっくりって気がついて　電話しちゃった　起こしちゃってごめんね。」</p><br><p>「そうか　そうなんだ　じゃあ　聡美ちゃんの実家はリヒテンシュタインのファドゥーツ城の近くの景色にそっくりな</p><br><p>んだね。」　と寝言のように言った。</p><br><p>「え？　何？　リヒテンシュタイン？　ファドゥーツ城？って何　なんで進ちゃんそんな　あの絵にお城はないよ。」</p><br><p>「あ？」　　進ちゃんの声がいつも通りになり</p><br><p>「いや　べつに深い意味はないよ　あの絵を描いた人に聞いた気がするだけで・・・」</p><br><p>ものすごく　取り乱しているしんちゃんに</p><br><p>「起こしてごめんね　また明日」と感情のこもらない言い方をして　電話を切り　ついでに電源も切ってしまった。</p><br><p>まだ　みんな寝ているから　昨日　母に教えてもらった味噌汁を作ってみた　と言うより　気分を紛らわせたかっ</p><br><p>たからだ。</p><br><p>（　進ちゃんはただ絵に詳しいだけなの？　本当に描いた人から話を聞いただけたの？　なんかあの慌てようと</p><br><p>口ぶりが気になる。）</p><br><p>材料を切るだけで　１時間もかかってしまい　祖母が起きてきた。</p><br><p>「おはよう　聡美ちゃん　がんばってるね　さておばあちゃんも　漬物でも出してこようかね。」</p><br><p>やっと　お味噌汁に火が通りそうなころにみんなが起きてきた。</p><br><p>「おはよう　聡美すごいじゃん。」　と姉が横で目玉焼きを焼き始めたフライパン２つで　目玉焼きを１０個</p><br><p>あっと言う間に作ってしまった。</p><br><p>「すごいね　お姉ちゃん。」</p><br><p>「当たり前よ　ここは台所じゃなくて　給食センターよ」</p><br><p>昨夜の残り物が、朝ごはんに姿を変えて　どんどん食卓に運ばれていく　甥っ子　姪っ子も起きてきて</p><br><p>賑やかな朝食が始まった。</p><br><p>しばらく進ちゃんのことを考えずに済みそうだ・・・　</p><br><p>（なんかもう　ここにいて進ちゃんのことを忘れてしまいたい）と思った。</p><br><p>しかし　そうとも言っていられず　みんなとお別れの時が来てしまった</p><br><p>「今日は聡美ちゃんが東京に帰っちゃうからね　あんたあたち　『また来てね』だよ。」</p><br><p>１番大きい姪っ子が　『さとみちゃんの顔』と画用紙を持ってきた。</p><br><p>大きな口で笑っている私の顔だ・・・</p><br><p>（私ってこんな顔で笑うんだ・・・）　目の横にシワみたいな物が描かれているのはちょっとショックだったけど</p><br><p>（いつも　この顔でいられるようにがんばるかな）</p><br><p>３歳の甥っ子は　「聡美ちゃん　行かないでー　行かないでー」　と足にしがみついてきて</p><br><p>思わず涙が出てしまった。</p><br><p>「みんな　聡美ちゃんは　またすぐ来てくれるから　ここまでだよ。」</p><br><p>姉達の声に甥っ子　姪っ子はそれぞれの父親　母親の元へ戻って行った。</p><br><p>ずっと見送ってくれる家族達をルームミラーで見ながら帰路についた　みんなの姿が見えなくなると</p><br><p>今まで堪えていた涙が　いっきに溢れて前が見えなくなってしまった。</p><br><p>それでも止まるのが嫌で泣きながら運転した。</p><br><p>（なんで今回だけ　こんなに泣けるんだろう　いつもと変わらないのに・・　変わったことといえば</p><br><p>進ちゃんに不信感があることぐらい？　だから東京に戻るのが嫌なの？ちがうそうじゃない。）</p><br><p>あんまり考えすぎると　事故を起こしそうなので　とりあえず最初のサービスエリアで休憩して足湯に入った。</p><br><p>まだ早い時間なのに　結構人がいて　私は狭い隙間を見つけて座った。</p><br><p>（たしかに進ちゃんの言動はなんとなく変だった・・・　何かあると思うけど絶対に人を騙すような人じゃない。）</p><br><p>ふと隣にいる若い夫婦の話が耳に入ってきた</p><br><p>「</p><br><br><br>
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<pubDate>Sat, 30 Jan 2010 23:42:08 +0900</pubDate>
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<title>暖かい日差しの中へ１９</title>
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<![CDATA[ <p>進ちゃんはゴールデンウィークなのに忙しいらしくメールをしてもなかなか返事がこない。</p><br><p>３日後には実家に連れて行ってもらえるのに　こんなことじゃあ実感が湧かない。</p><br><p>なんとなく　まだ進ちゃんの事がよく分からない私は　実家のみんなに進ちゃんの事を話す気になれず・・</p><br><p>今日もみんなの片付けの手伝いに追われ　一息ついていると</p><br><p>大きいお兄ちゃんに呼ばれた。</p><br><p>ベランンダに出ると　ソーラーパネルの仕組みを話してくれた。</p><br><p>まわりの人いわく　お兄ちゃんは『脳みそのレベルが違う』ので　何を言っているのかちっとも分からないけど、</p><br><p>「あの　太陽の暖かい日差しで　僕達の生活がまかなわれているなんて　凄いと思わないか？」</p><br><p>のところだけは納得できた。</p><br><p>下へ降りて行くと　姉達はだらけムードだ</p><br><p>「新しい家だから　きれいにしたいという情熱を子供たちにへし折られるわー」</p><br><p>「お姉ちゃん　やっぱり子供たちがいない時の方がいいんじゃない？」</p><br><p>「そうしようかな　でも私　仕事あるから　あんた　やってくれる？」</p><br><p>「いいよ　やること　言っておいてくれたら　やっとくよ。」</p><br><p>小さいお姉ちゃんはシブシブ返事していたけど、</p><br><p>「よし決めた　もう片付けない！　そうと決まったら　今夜はバーベキュウやろう！」</p><br><p>言うが早いか　大きいお姉ちゃんは、お兄ちゃんたちを探しに行ってしまった。</p><br><p>「あら　今夜は焼肉かい？」　祖母が部屋から出てきた。</p><br><p>実は我が家で一番焼肉好きなのは、祖母だったりする。</p><br><p>「もう歯が弱くなってきているから」と言いながら　横で煮物の残りを食べているけど　お肉も良く食べる。</p><br><p>買い物も率先して行くし　お肉選びも積極的。</p><br><p>（おばあちゃん　まだまだ元気だな）　と思っていると</p><br><p>「バーベキューの道具がどこ行ったか分からない。」　姉達がやって来た。</p><br><p>「ああ　道具なら車庫にあったよ。」　私が答えると</p><br><p>「車庫？　そうか車庫か　聡美私たちより　この家に詳しいね。」姉達は笑いながら車庫へ行ってしまった。</p><br><p>（そりゃ　ここ１年で　自分の引越し　里賀子の引越し　実家で２回　会社の移転もあったから　合計５回</p><br><p>この１年は引越しだらけだ・・・　嫌でも要領よくやろうとしてしまう。）</p><br><p>バーベキューの買い物は姉と　やはり祖母が行くことになり　私は甥っ子　姪っ子達と庭で遊び回った。</p><br><p>童心に帰るって　こういうことかと思うくらい大声を出して　バーベキューのころには　もうクタクタで食欲もなくな</p><br><p>っていた。</p><br><p>その夜　大人だけで話をした。</p><br><p>「あー　聡美のお陰で子供たち早く寝てくれたよ　あんたも疲れたんじゃない？」</p><br><p>「うん　さすがに疲れたよ　でもお風呂が大きいっていいよね。」</p><br><p>「でしょ　ソーラーパネルのお陰で光熱費も助かるから　ちょっと贅沢な気分だよ。」</p><br><p>「あたしは　広すぎてどこに座っていいか分からないんだね。」　おばあちゃんが言うと　全員大笑いだった。</p><br><p>「シーー　チビが起きる」と小さいお姉ちゃんに言われ　みんな目を合わせて静かに笑った。</p><br><p>「お姉ちゃん　あと一人産むんだよね。」</p><br><p>「いや・・　あと２人にしようかなと思ってる。」</p><br><p>「本当にー？」　みんなびっくりだ。</p><br><p>「２人目産むのらくだったんだ　なんか部屋も１つ余分に作ったから　行っちゃおうかなと　思っちゃった。」</p><br><p>「まあ　孫は何人いてもいいよ　せっかく大きい家建てたから　張り合いも出るしね。」</p><br><p>「そりゃ　ついにマイクロバスを購入する時がきたかぁ」</p><br><p>お兄ちゃんの発言に　またみんな笑ったけど今度はチビちゃんを気遣って最初から静かだ。</p><br><p>夜はすっかり更けて　私は布団に入ると　あっと言う間に眠ってしまった。</p><br><p>翌日　甥っ子　姪っ子たちは学校と保育園へ行き　始めて静かな新居だ。</p><br><p>姉達は、この隙に片付けに励んでいたけど　私は母と料理を作った。</p><br><p>「聡美　器用だと思ってたけど下手ね。」　母が私の切った人参を見てゲラゲラ笑った。</p><br><p>「やっぱり？　里賀子が上手すぎるから　私が下手に見えるのかと思ってたけど　やっぱり下手？」</p><br><p>「これから　少しづつ　練習すればなんとかなるでしょう。」　母はまだ笑っている。</p><br><p>「もー　お兄ちゃん　お母さん笑いすぎだよね。」　近くで鍋の取っ手を直していた兄に話しかけると</p><br><p>「そう？　味がよければいいんじゃないかなー」</p><br><p>「お兄ちゃん　あんまりフォローになってないし・・・」</p><br><p>「なんなら　お母さんが料理してるところ動画で送る？」</p><br><p>「もう　お兄ちゃんもっとダメダメだし。」　祖母まで笑っている。</p><br><p>「ところで聡美ちゃん明日はどうするの？」</p><br><p>「そうだった　朝ごはん食べたら出発しようと思うけどお兄ちゃんどう思う？」</p><br><p>「朝ならいいと思うよ　たぶん夕方が一番渋滞すると思うし」</p><br><p>兄の渋滞予測は結構あたる　と言うか　たぶん前もって調べてくれているんだろう。</p><br><p>「あーあ　今回楽しかったから　もう少しいたいけど　しかたないか」</p><br><p>「そうだね　聡美がいるとなんか明るくなるね。」　母に言われるとちょっと目頭が熱くなってしまった。</p><br><p>「でも　私なんとなく東京も向いてるかなと思うし・・・　この家の騒ぎには着いていけないよー　</p><br><p>もう少し要領よくなれば　短時間で来れるようになれるから　またすぐ来るよ。」</p><br><p>なんとも訳の分からない言い訳をして　しんみりしそうになった空気をなんとか避けた。</p><br><br><br><br>
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<link>https://ameblo.jp/novelist-a/entry-10443944300.html</link>
<pubDate>Fri, 29 Jan 2010 23:10:28 +0900</pubDate>
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<title>暖かい日差しの中へ１８</title>
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<![CDATA[ <p>「お母さん　来たよ。」</p><br><p>「ああ　聡美悪いね　お母さんのとこはだいぶ片付いたけど　これ見て。」</p><br><p>そこには　私たち姉妹の子供のころのアルバムがあった。</p><br><p>「聡美は子供のころ大きくて一番元気だったけど大人になってみたら　お姉ちゃん達の方が大きくてうるさくなっ</p><br><p>たね。」</p><br><p>「そう？」</p><br><p>「そうだよ　お姉ちゃんたちは　体が小さくておとなしかったけど　家のこと手伝っててくれたせいかね</p><br><p>そんなにケンカもしなかったのに　今になって子供みたいにケンカして　うるさいよ。」</p><br><p>母は笑いながらはなしを続けた。</p><br><p>「産まれたころの写真ね　色が悪くなってきてたから小さいお兄ちゃんが直してくれてね　アルバムにも貼って</p><br><p>なかったから　家新築してる間におばあちゃんと二人で　がんばって整理したんだよ。</p><br><p>孫たちと会えないのは寂しかったけど　毎日おばあちゃんと　これはどこに行った写真　これ何年生かね？</p><br><p>昔の事思い出しながら写真見るの楽しかったよ。」</p><br><p>自分の小さい頃のことなんてここしばらく思い出したこともなく　なんとなく新鮮な・・・悩みもなく　何も考えず</p><br><p>写真の中で笑っている自分が　自分で羨ましかった。</p><br><p>そして　こんなにもアルバムを大切にする祖母と母　それこそ今まで思い出に浸る暇もなく　アルバムに</p><br><p>写真を整理する余裕さえも持てず　私たちのためだけに生きてくれたんだ　私は感謝の気持ちでいっぱいに</p><br><p>なった。</p><br><p>「また夜にでも　みんなでゆっくり見ようかね　母さんは　おばあちゃんと食事のしたくするから　お姉ちゃん達</p><br><p>のところも手伝ってあげて。」</p><br><p>２階へ行くと　姉達の部屋は片付くどころか　子供たちも入り乱れて大騒ぎになっていた。」</p><br><p>子供たちの服は小さくてなかなかたたむ要領を得ず　パズルをしているようだ。</p><br><p>それに比べさすがに姉は手際がいい　姉とはたわいもない話で盛り上がり　さっき母が見せてくれた</p><br><p>アルバムの中へタイムスリップしたようで居心地が良い。</p><br><p>「子供が多いと楽しいけど　こういう作業がたいへんだね。」　私が言うと</p><br><p>「私は子供の頃からたたみ続けてきたからね　あまり大変って思わないけど、服をたたんでて思うのは</p><br><p>子供の成長かな　毎日見てるからあんまり大きくなったって感じないけど　服をたたんでると大きくなったんだな</p><br><p>って実感できるよ。」</p><br><p>「そうなんだー」</p><br><p>また　食後に作業することにし　ダンボールを隅に寄せていると</p><br><p>「聡美　前みたいに明るくなったね。」</p><br><p>「うん　自分でもそう思うよ。」</p><br><p>「前は家に帰ってきても　心ここにあらずって感じで　すぐ東京にもどってっちゃってたし」</p><br><p>「そうだったね。」</p><br><p>連休に課長がアパートに来てくれるはずはないけど、　それでも私は実家よりアパートにいたくて　アパートに帰</p><br><p>って　一人で夕日を眺めていた。</p><br><p>（なんてバカだったんだろう　こんな心地いい場所をないがしろにしていたんだ。）</p><br><p>今さらながら感じた　私は課長の亡霊にでも取り憑かれたかのように　アパートで課長を待って</p><br><p>外との交流を減らし・・・・　何を得たんだろう。</p><br><p>課長はその後の裁判の途中から少しづつ精神がだめになってきたようで 　今ではずっと病院にいる。</p><br><p>奥さんが言った『元からおかしい人だったのか　結婚のせいで押し潰されおかしくなった』のかよく分からないが</p><br><p>もう私のことも覚えていないのだろう　そして　みんな少しづつ課長のことを忘れていくのだろう。</p><br><p>私は？　私はこの先　何があっても課長のことを忘れることを忘れることはできないだろう。</p><br><p>でも　ただ１つ課長に感謝すべきことがある。</p><br><p>私に父の存在を思い出させてくれた。</p><br><p>最近では毎日　父と会話をする。</p><br><p>今までの空白を埋めるように・・・・</p><br><p>食事中　私は母と祖母に父の事を色々聞かせてもらった。</p><br><p>父の記憶をもっともっと呼び覚ましたかったから・・・<br><br></p>
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<link>https://ameblo.jp/novelist-a/entry-10443829946.html</link>
<pubDate>Thu, 28 Jan 2010 23:35:55 +0900</pubDate>
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<title>暖かい日差しの中へ１７</title>
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<![CDATA[ <p>私はゴールデンウィークの前日から休みをもらい実家へ向かった。</p><br><p>今回は新築だから祖母や母に頼まれた買い物　甥っ子　姪っ子へのお土産で後部座席はギッシリだ。</p><br><p>運転にも慣れてきて　４時間もあれば実家に着けるようになったので　途中のサービスエリアでも</p><br><p>おいしそうな物を探しては買い込んだ。</p><br><p>だんだん実家が近づいて来るとワクワクとドキドキでハンドルを握る手が震える。</p><br><p>（パソコンでは見ていたけど　どうなんだろう）</p><br><p>急な坂道を登って　さらにその先のなだらかな坂道を登ると実家が見えてきた。</p><br><p>「大きい！　すごい大きい！」</p><br><p>１２人の人間が住むんだから　そりゃ大きいだろうけど・・・　庭に車をとめて　改めて家を見上げた。</p><br><p>私の到着に気づいた　甥っ子　姪っ子が飛び出してきた。</p><br><p>「さとみちゃーん　おかえり」</p><br><p>お土産を渡すとサッサと家の中へ入ってしまったが、入れ代わりに姉達が出迎えてくれた。</p><br><p>「おかえり　聡美」</p><br><p>「すごい　でっかい家だね　びっくりしたよ。」</p><br><p>「とにかく中に入りなよ　みんな待ってるから。」</p><br><p>中は木の匂いがして　すごくいい・・・　まだ　あまり荷物が運び込まれてないせいか　よけい広く感じる。</p><br><p>「わあ　すごいキッチンだね　おばあちゃん　おかあさん　ただいま。」</p><br><p>「おかえり聡美　今からちょうど　お昼ごはんだよ　出前のお弁当だけど　みんなで食べよう。」</p><br><p>昼食をたべながら　荷物を運ぶ計画を立てた　昨日からずっとお弁当ばかりだから　今日こそ　温かい夕飯を</p><br><p>食べるのが　みんなの目標だ。</p><br><p>私も今東京から着いたばかりという事も忘れ　がんばって手伝った。</p><br><p>荷物をそれぞれの部屋へ運んでいると　新築の木の香りの中に　懐かしい祖母の煮物の匂いもしてきて</p><br><p>夕飯が待ち通しかった。</p><br><p>大きいテーブルに　温かいお料理がいっぱいならんで　家族全員が席に着いた。</p><br><p>「聡美が買ってきてくれたお皿大きくていいね。」</p><br><p>「聡美　キッチンいいでしょ　憧れのアイランドキッチンにしてもらったんだ。」</p><br><p>「でも　おばあちゃんＩＨ使うの怖いんだって。」</p><br><p>「そうだよ　火がないと　お料理してる気分になんないよね。」</p><br><p>「でも　ほんとすごいね感動しちゃった。　お兄ちゃんたちの書斎もかっこいいよ。</p><br><p>そういえば　お兄ちゃんいつもメールありがとうね　楽しかったよ　またメール送ってね。」</p><br><p>「いいよ　家族の行事とかのビデオ撮ったら　また送るよ。」</p><br><p>「ありがとう　楽しみにしてるね。」</p><br><p>「さあ　明日は　家の中のダンボールが１つでも減るようにがんばろう。」</p><br><p>お風呂に入るとさすがに疲れが出た　みんなもそうとう疲れていたらしく大人も子供も早い時間に寝てしまった。</p><br><p>翌日は祖母の部屋の片付けを手伝った　キッチンからすぐのスペースで畳の香りがする落ち着いた部屋だ。</p><br><p>「なんかね　若い子の真似して床が板の部屋も良かったんだけど　やっぱり畳が落ち着くね。</p><br><p>でも　お兄ちゃんが畳はずしても使えるようにしてくれたから　いつでも洋間になるそうだよ。」</p><br><p>「そうなんだね　お兄ちゃん色々考えるね。」</p><br><p>祖母の服をたたみながら　話をした。</p><br><p>「あと　お兄ちゃんが本棚も買ってくれてね　アルバム置いたりできるんだよ。」</p><br><p>「おばあちゃん　本読むの？」</p><br><p>「たまにね　雑誌をみたりね。」</p><br><p>「雑誌って？」</p><br><p>「旅行の雑誌見て行った気分になるんだよ　お姉ちゃんたちが温泉に連れてってくれたりするから</p><br><p>次は　どんなとこ行こうかな　と想像するのが楽しくてね。」</p><br><p>「そうなの？　知らなかったよ。」</p><br><p>祖母の荷物はあまり多くない・・・　昼前までには片付け終って</p><br><p>「さあ　おじいちゃんと　お父さんの写真を飾ろうか」</p><br><p>本棚の一番上に　二人の写真を置いて　祖母と二人しばらくながめた。</p><br><p>「聡美ちゃん　ばあちゃんの部屋は終ったから　次はお母さんを手伝ってあげなさい。」</p><br><br><br><br>
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<link>https://ameblo.jp/novelist-a/entry-10439415102.html</link>
<pubDate>Wed, 27 Jan 2010 23:57:35 +0900</pubDate>
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