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<title>MOONSHINE　BLUES　</title>
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<description>小原秀雄の　花鳥風月つれづれエッセイ</description>
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<title>■ご無沙汰しております</title>
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随分と久しぶりに、ここに戻ってきました。みなさん、いかがお過ごしでしょうか。という私はといえば、まあまあ何とか生きています、といった感じです。 最近は、世の中いろいろ嫌な出来事が多く、気が滅入りがちなのですが、まあ、「ご機嫌は自分でつくるもの」と言われるように、気分というものは、物事をどうとらえるか、つまり「認知」の問題ですね。 私は比較的、周囲の出来事や人、その他さまざまな外的要因に影響を受けやすいタイプなので、あまり世の中で起きていることを気にしないようにしているのですが、どうしても気になっ
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<dc:date>2022-08-31T21:35:05+09:00</dc:date>
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<title>■万事休す　第9章「無宗教者」</title>
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　雪原の中にポツンと一つ、煌々と明かりの灯る古いレンガ造りの建物。そこがいったいどんな場所なのか分らなかったが、ぼくにはその館が砂漠の中でようやく見つけたオアシスのように見えた。ぼくは最後の力をふり絞って、雪を踏みしめながらその建物に向かって歩みを進めた。館の入り口にたどり着いたとき、ぼくの口からハアハアと吐き出される白い息が窓から漏れる明かりを受けて淡く輝いていた。ぼくは一つ大きな息をついてから、玄関のドアをノックした。　しばらくするとドアがゆっくりと開き、初老の男が顔を覗かせた。無言のままこ
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<dc:date>2014-10-29T05:15:52+09:00</dc:date>
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<title>■万事休す　第8章「トーマスストラッセ」　</title>
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「このままここで寝たら、凍死するかも…」　本当にそう思った。　　「よし、Polizei（ポリツァイ）へ行こう！」　ぼくは駅のホームの端の方にあるステーションポリスへ行き、明かりの灯った交番の中へ、少し遠慮がちに入っていった。　狭い部屋の中にいた屈強そうなドイツ人私服警官らしき男たちが、突然入ってきた謎の東洋人に向かって一斉に鋭い視線を向けた。 ぼくは自分を落ち着かせるために一呼吸ついてから、ゆっくりと英語で話しかけた。「自分は日本人の学生で旅行者です。実は、旅行中に財布を盗まれてしまい、いま一文
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<dc:date>2014-09-20T12:35:55+09:00</dc:date>
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<title>■万事休す　第7章「謎の東洋人」</title>
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ぼくは極寒のドイツ、ボンの街で独りぼっちになってしまった。時刻は夕方。外は吹雪。気温はおそらく零下10℃以下。空腹。　さて、どうする？　ぼくは自問自答した。このままここでじっとしていても始まらない。　　ぼくは、おもむろに、駅を出て、吹雪の中に向かって歩き始めた。　駅の観光案内所のようなところで貰った地図を頼りに、ひたすら歩いた。目指すは幹線道路（国道）。そこまで行って、ヒッチハイクをするのだ。ヒッチハイクをしてフランスまで帰る。きっとなんとかなるさ。 1時間は歩いただろうか。やっと国道らしきとこ
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<dc:date>2014-09-06T05:34:58+09:00</dc:date>
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<title>■万事休す　第6章「究極の選択」</title>
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 ぼくは極寒のドイツ、ボンの街で独りぼっちになってしまった。まあいい。今さらどうのこうの言っても始まらない。緊急に対処すべき問題は、今から自分がどうやってこの状況からサバイブするかだ。 とにかく一息入れよう。駅の構内に立ちすくみながら、ぼくは胸ポケットの中に入っているキャメルの箱を取り出し、マッチで火をつけた。最後の1本だった。旨かった。煙草の煙と、駅の外に見える吹雪の白が重なり、一瞬、とても綺麗な白色になって、消えた。 次に、財布の中身を確かめた。小銭が何枚かあったので数えてみたら、なんとかパ
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<dc:date>2014-06-28T08:23:07+09:00</dc:date>
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<title>■万事休す　第5章「冷たい女」</title>
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さて、第4章「命のビザ」を書いてから随分と日が経つ。この蒸し暑い梅雨空の下、極寒のドイツでの話を語るなど、まったくもって季節はずれこの上ない訳だが、やはり書き続けなくてはならない。　まあ、この駄文の読者が何人いるのか知らないが、例え読者がたった一人であったとしても、その人のために、ぼくは書き続けなければならない。それが物書きというものだ。　話は逸れるが、ぼくはここ何年か毎日、日記を書いている。一日も欠かさずにだ。以前、その日記の一部をこの場で公開したことがある。しかし、日記というものは、通常他人
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<dc:date>2014-06-28T08:21:41+09:00</dc:date>
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<title>■万事休す　第4章「命のビザ」</title>
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ぼくらは西ドイツの首都ボンの駅近くにある安ホテルにチェックインした。そしてその晩は二人とも疲れ果て、ぐっすりと眠った。翌朝、ホテルで軽い朝食を済ませたぼくらは、外に出て1月の冷えきった空気を胸いっぱいに吸い込んだ。とりあえず市内を散策してみよう、ということになり、あてどなく初めて訪れるこの街をブラブラと歩いてみた。駅前広場に行くと、ベートーヴェンの銅像がポツンとたっていた。「そうか、ベートーヴェンは今から約200年前、この街で生まれたのだ」　ぼくはベートーヴェンはあまり好きではなかったので、特に
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<dc:date>2014-05-16T08:33:36+09:00</dc:date>
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<title>■万事休す　第3章「ロンドンからボンへ」</title>
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　ぼくはNとともにクリスマス明けのパリを後にした。自由と孤独に浸る放浪の旅になるはずが、期せずして女連れの旅になってしまったことは、ぼくの心を憂鬱にした。ドーバー海峡に面した港町カレーに向かう夜行バスに揺られながら心の中でつぶやいた。「これじゃあ、まるで観光客じゃないか」　　ロンドンに着いたぼくらは、ヴィクトリア・ステーション近くの、こじんまりとしたクラシカルな雰囲気のホテルにチェックインした。そして、恐れていた通りぼくらは翌日から完全な日本人ツーリストと化した。タワーブリッジ、ロンドンタワー、
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<title>■万事休す　第2章「パリの爆破テロ」</title>
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ベルギーとドイツの国境駅。雪の中、ぼくらが乗ったドイツ行きの列車がゆっくりと停まった。数人のドイツ人国境警備隊が乗り込んできた。「やばい！」と思った。大柄なドイツ人隊員がぼくの前に立ち、「パスポートを見せろ」と言った。ぼくは、ゆっくりとコートの内ポケットからパスポートを取り出し、男に差し出した。心の動揺を隠すため、相手の目をじっと見つめ、首を少し傾げた。男のやや緑がかったダークブルー瞳はぼくに威圧感を与えた。男はぼくのパスポートを受け取ると、素早い動作で中を広げてパラパラとページをめくった。それ
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<title>■万事休す　第1章　「ドイツ国境警備隊」</title>
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　人生には、「ああ、もうダメだ」、と思う瞬間が何度かある。いわゆる「万事休す」という状況である。 　今回、関東甲信地方を襲った記録的な大雪。猛吹雪の中、降り積もった雪を一歩一歩踏みしめながら歩いていたら、ふと、「ああ、もうダメだ」と思った時の、遠い記憶がよみがえってきた。  　あれは、ぼくが21才の頃だった。季節は1月。ぼくは独り、ドイツの首都ボンにいた。その年はヨーロッパに何十年ぶりかの大寒波が襲った年だった。しかも極寒のドイツ。大雪が降り積もり、気温はおそらく零下20℃は超えていたと思う。　
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<dc:date>2014-02-18T19:14:17+09:00</dc:date>
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