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<title>かいごまるブログ</title>
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<description>70代の主婦が、老々介護の現実と、介護する側の気持ちなど、実母の介護の体験談として綴ります。※ネットに不慣れなため、サポートを受けて更新しています。</description>
<language>ja</language>
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<title>介護ブログを終了します</title>
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<![CDATA[ <p>長い間、拙い記録記事を読んでくださってありがとうございました。</p><p>&nbsp;</p><p>母が兄嫁との大喧嘩の末に我が家に飛び込んできてから、亡くなるまでの長い年月に、いろんなことがありました。それをずっと記録してきました。</p><p>&nbsp;</p><p>ブログは、その記録をもとに書いてきました。</p><p>&nbsp;</p><p>亡くなったところから始まったので、時系列がばらばらになったりしました。分かりにくくてすみません。</p><p>&nbsp;</p><p>ブログに書いてきた通り、母は特殊な性格の人でした。外で見せる人柄と、内でと、こんなに違う人も珍しいのでは、と思います。</p><p>&nbsp;</p><p>晩年は、体が弱って、気の強さも少しは緩和されていきました。</p><p>&nbsp;</p><p>ブログの「揺れる」に書いた通り、私は「弱っていく母のために、何でもしてあげたい」という気持ちと、「母に対する『悔しさ』『腹立たしく辛い気持ち』」の間で、気持ちが揺れ続けました。</p><p>やさしい母の介護であったなら、どんなに幸せで、充実した日々であっただろうか、と思います。</p><p>　</p><p>&nbsp;</p><p>「母」という特殊な人間を描いていくために、今後は、「介護」という枠を離れて、どこかで、違う形で書いていきたいと思っています。</p><p>&nbsp;</p><p>今まで読んでくださって、応援してくださった皆様、本当にありがとうございました。</p><p>&nbsp;</p><p>&nbsp;</p><p>＊尚、最後になりましたが、かわいいカットを入れたり、お手伝いくださったN氏に深く感謝しております。（ブログは本に綴じてもらおうと思って、現在再編集中で、カットなどは外していっています）</p><p>&nbsp;</p><p>&nbsp;</p><p><a href="https://blogmura.com/ranking/in?p_cid=11062734" target="_blank"><img alt="ブログランキング・にほんブログ村へ" border="0" height="31" src="https://b.blogmura.com/88_31.gif" width="88">にほんブログ村</a></p>
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<link>https://ameblo.jp/ofockaigo/entry-12630804866.html</link>
<pubDate>Sat, 24 Oct 2020 09:00:00 +0900</pubDate>
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<title>洗濯物</title>
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<![CDATA[ <p>これも、母がまだひとりでお風呂に入れた頃のこと。</p><p>母は毎日お風呂に入るのに、１週間も下着を替えないことがよくあった。</p><p>あてているパットだけを取り換えた。</p><p>洗濯物を出してね、と言ってあるのに、パンツはお風呂で自分で洗ったりした。</p><p>&nbsp;</p><p>これは、ただでさえ長い母のお風呂の時間が長引くし（母は深夜までテレビを観るので、お風呂に入る時間が遅かった）、新しいお湯を流しっぱなしで洗うので、なんとも勿体なかった。</p><p>&nbsp;</p><p>ある日には、母のベッドを見にいくと、ベッドの下にパジャマとズボンが置いてあった。</p><p>「これ、どうするの？」</p><p>と訊くと、</p><p>「洗濯してもらおうと思って・・・」</p><p>と言う。</p><p>&nbsp;</p><p>「それなら、お風呂の時に出せばよかったのに」</p><p>と言ってみるけれど、お風呂ではない時に履き替えたのは分かっていた。</p><p>&nbsp;</p><p>洗濯はとっくに終わっている。洗っても干して乾くような時間ではない。</p><p>仕方なく、ひとかたまりの洗濯物を持っていって、洗濯機を回した。</p><p>&nbsp;</p><p>もともと家族に配慮なんてある人ではなかったけれど、もうすっかり、他人のことなんて考えられず、自分のことしか考えられない頭になってしまっているのだろう。</p><p>&nbsp;</p><p>せめて、「ごめんね」とか、「悪いわね」とでも言ってもらえたら、気分は全然違うんだけど。　</p>
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<link>https://ameblo.jp/ofockaigo/entry-12624642052.html</link>
<pubDate>Fri, 23 Oct 2020 09:00:00 +0900</pubDate>
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<title>行儀が悪いのが直らない</title>
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<![CDATA[ <p>外では上品ということで通っていた母だったが、家ではどうしても行儀の悪さが直らなかった。</p><p>この、外と内の母のギャップを、誰も想像ができなかったと思う。</p><p>&nbsp;</p><p>親のプライドを傷つけるから、なかなか注意もしづらいのだが、がまんしていると、ストレスがたまった。</p><p>&nbsp;</p><p>外から帰っても、トイレから出ても手を洗わないのは、どうにか直ってきたけれど（これは本当にひどかった。兄嫁からもさんざん言われたらしい。洗わない手のひらにお茶の葉を入れて、量を計って急須に入れたり、果物を剥いたりするのだから。）、食事時など、やっぱりひどかった。</p><p>&nbsp;</p><p>母は食卓の前で足を組み、反り返って、テーブルから離れて茶碗を持つ。</p><p>横を向いて、椅子にもたれかかっている時もある。</p><p>&nbsp;</p><p>その姿勢のまま、テーブルの上のお皿からおかずをとって茶碗に乗せようとするものだから、ズボンの上や床にぽろぽろこぼした。</p><p>箸の使い方が正しくないから、しっかりつかめていない。</p><p>&nbsp;</p><p>いつも、料理は母用に取り分けて、母の近くに置くようにしているのだが、それでもだめなので、私や夫が見かねて、いくつかのお皿を、さらに母の近くに寄せる。</p><p>すると、母は硬い、嫌な顔をした。</p><p>プライドが傷つくのだ。</p><p>&nbsp;</p><p>皿を引き寄せる夫に、「また～」と、顔をしかめて言ったこともあった。</p><p>ほんとに、やりにくいったらなかった。</p><p>&nbsp;</p><p>レストランで、夫が見かねて、母の椅子をテーブルに寄せて動かした時もあった。</p><p>足を組んでいるから、テーブルとの距離があり過ぎて、料理がとれないのだ。</p><p>&nbsp;</p><p>「おかあさん、足を組んでいたらだめですよ」</p><p>夫に言われて、母は黙って椅子を引き寄せた。</p><p>「そうね」とか「ありがとう」の言葉もない。</p><p>勝気な母だった。</p><p>&nbsp;</p><p>左手をだらんとたらしたまま、右手だけで食べる。</p><p>食べる前に、箸を濡らすために、湯飲み茶わんのお茶の中でしゃかしゃかかき回す。</p><p>入れ歯にはさまったものを箸でつつき、その箸を、テーブルにそのまま置く。</p><p>&nbsp;</p><p>見ていて、いやだなぁ、と思うことばかりした。</p><p>&nbsp;</p><p>最初我が家にきた当時は、もっとひどい時もあった。</p><p>和室でテレビを観ながら、母は椅子に大きく足を開いて座り、その開いた両足に両肘（ひじ）をついて、お餅を食べた。</p><p>若い人達ならともかく、高齢の母がそんな恰好をしているのは、とても見ていられなかった。</p><p>&nbsp;</p><p>行儀にこだわらない、まったく自由な家風ならともかく、母は我が家にきた時だって、兄嫁の行儀の悪さをさんざん私に愚痴った人なのだ。</p><p>兄嫁が、漬物を、「取り箸」でなく自分の箸で取る。行儀悪い、汚い、と。</p><p>そんなささいなことが気に入らない人なのに。</p><p>&nbsp;</p><p>母には注意がし難かったけれど、それでも、黙っているのもストレスがたまる。</p><p>何回かに一度、思い切って注意する。</p><p>すると、母は嫌な顔をして、黙って言われたようにした。</p><p>そして、また同じことをするのだ。</p><p>&nbsp;</p><p>食事時のマナーって、例えばくちゃくちゃ噛む（これも母はやった）、とか、いろいろあるけれど、我慢していると、結構ストレスがたまるものだった。</p><p>&nbsp;</p><p>　</p><p>&nbsp;</p><p>　</p>
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<link>https://ameblo.jp/ofockaigo/entry-12629409322.html</link>
<pubDate>Sun, 18 Oct 2020 09:00:00 +0900</pubDate>
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<title>入れ歯が乾いて</title>
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<![CDATA[ <p>少し元気だったころ、誘ってくださる方がいて（乗り物など、いろいろ配慮してくださった）、母が出かけてくることがあった。</p><p>&nbsp;</p><p>そういう時には、母はめいっぱいがんばってくる。</p><p>元気なふりをして、上品にやってくる。</p><p>家の中の母と違って、明るくよくしゃべってくる。</p><p>&nbsp;</p><p>そういう時、帰った後の母は、死んだようになった。</p><p>&nbsp;</p><p>ある時は、夕飯に呼びに行くと、外から帰ったままの恰好で、ベッドに横からひっくり返って寝ていた。</p><p>&nbsp;</p><p>母は薄目を開けて私を認めると、口をパクパクさせた。</p><p>何を言っているのか分からない。</p><p>大きな口を開けて寝ているので、入れ歯が乾いてうまくしゃべれないのだ。</p><p>&nbsp;</p><p>ようやく聞き取れた言葉は、</p><p>「ごはん要らない」</p><p>だった。</p>
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<link>https://ameblo.jp/ofockaigo/entry-12624647693.html</link>
<pubDate>Sat, 17 Oct 2020 09:00:00 +0900</pubDate>
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<title>眠ってなんかいないよ</title>
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<![CDATA[ <p>歳を取ってくると、日中でもよく眠るようになる。</p><p>でも、母は眠っていたことを認めたがらなかった。</p><p>&nbsp;</p><p>部屋を見に行くと、テレビをつけたまま、ソファーやベッドにひっくり返って眠っている。</p><p>ちゃんと布団に入って寝ているわけではない。</p><p>ソファーに座ったまま、頭を横や後ろに傾けていたり、ベッドに横から倒れこんでいたり。</p><p>　</p><p>大きな口を開けて、大きないびきをかいている。</p><p>テレビのヘッドホーンが顔にカチューシャのようにかぶさり、かつらも後ろの方にずれて、広くなった額とかつらの境目が寒々しかった。</p><p>&nbsp;</p><p>ノックしても返事がないので部屋に入った私を、母はぼおっと見ている。</p><p>&nbsp;</p><p>やがて意識が戻ると、ずっとテレビを観ている、眠ってなんかいない、と言い張る。</p><p>眠っていたじゃない、と言う私に、むっとした顔をする。</p><p>&nbsp;</p><p>眠っていたって悪くなんかないのに、どうして言い張るのか分からなかった。</p><p>&nbsp;</p><p>　</p>
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<pubDate>Fri, 16 Oct 2020 09:00:00 +0900</pubDate>
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<title>階段の昇り降り</title>
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<![CDATA[ <p>母は晩年、体が弱ってきたこともあったが、ずいぶんマイルドになった。</p><p>それでも、持ち前の気の強さは健在だった。</p><p>&nbsp;</p><p>母のことを思い出すと、歳を取って弱っていくことに対する憐れみと悲しさもあったけれど、やっぱり母の冷たさやキツさ、ずるさばかりが前面に出てくる。</p><p>だから、どうしても、書いていくのはそういう思い出ばかりになる。</p><p>&nbsp;</p><p>&nbsp;</p><p>母がまだがんばって階段を往復していた頃（もう限界近かった。息が荒くなり、数段上っては止まった）、私は何とか手助けしようと思った。</p><p>幸い、介護保険を使って、それまで片側だった手すりを、反対側にもつけてもらったので、だいぶ楽にはなった。</p><p>&nbsp;</p><p>母がお風呂に入る時、私は母の部屋から下着やパジャマ、タオルを持って、お風呂場の前に置きに行く。</p><p>お風呂から上がると、今度は脱いだ洋服（ズボンなど、洗濯をしないで明日も着るもの）やタオルを二階に置きに行く。</p><p>そして、階段の少し上から、母の手や腕をとって、持ち上げようとしていた。</p><p>　</p><p>でも、ある時、</p><p>「痛い！」</p><p>「あざができる！」</p><p>と、キツい声で言われた。</p><p>びっくりしたし、がっくりした。</p><p>なんとか助けようとしているというのに、もう少しやさしい言い方はないものかと思った。</p><p>&nbsp;</p><p>母はいつもこうだった。</p><p>他人には別人のようにやさしくふるまうのに、娘の私には、わがままいっぱい、感情むき出しだった。甘えている、というのとも違っていた。</p><p>&nbsp;</p><p>それから、どうしたら良いものか分からず、黙ってそばで見守ったり、後には後ろからお尻を持ち上げたり、いろいろしてみた。</p><p>ケアマネさんに訊いて、腰にベルトを巻いて持ち上げたりもしてみたが、うまく行かなかった。</p><p>&nbsp;</p><p>最後には階段を諦めて、私達の居間を二階にして、母のベッドを一階に持ってきたわけだが、母もよくがんばったとは思うものの、階段については苦い思い出がいっぱいだ。</p><p>&nbsp;</p><p>　</p><p><a href="https://blogmura.com/ranking/in?p_cid=11062734" target="_blank"><img alt="ブログランキング・にほんブログ村へ" border="0" height="31" src="https://b.blogmura.com/88_31.gif" width="88">にほんブログ村</a></p>
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<link>https://ameblo.jp/ofockaigo/entry-12624600936.html</link>
<pubDate>Sun, 11 Oct 2020 09:00:00 +0900</pubDate>
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<title>母の反応</title>
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<![CDATA[ <p>外では驚くほどのパフォーマンスをして、まったくの別人になるのに、母は家ではあたたかい返事のまったくない人だった。</p><p>&nbsp;</p><p>何かを訊いた時には、いつも機械的、事務的に、「はい」と言う。</p><p>　　</p><p>「おかあさん、お風呂がわきましたよ」</p><p>「○○した方がいいんじゃない？」</p><p>「今日は、忙しかったので、夕飯はお弁当だけど・・・」</p><p>&nbsp;</p><p>何を言っても、母はただ硬い顔で、</p><p>「はい」</p><p>とだけ言った。</p><p>&nbsp;</p><p>「ありがとう」でもないし、「そうね」とか、「そうするわ」とか、心がこもった返事が返ってくることはめったになかった。</p><p>&nbsp;</p><p>食事の時もそうだった。</p><p>&nbsp;</p><p>母は、私が時間をかけて作った料理を、ほめてくれることがほとんどなかった。</p><p>夫はとても喜んでくれる。それだけでも作り甲斐がある。</p><p>でも、母にだって、喜んでもらいたかった。</p><p>&nbsp;</p><p>「あぁ、おいしかったぁ」と満足気に言う夫の言葉を聞いても、母は黙っていた。</p><p>ただ、ふつうに食べ終わった。（『ごちそうさま』は、やっと言うようになったけど）</p><p>なんだか張り合いがなかった。</p><p>&nbsp;</p><p>ところが、私が忙しい時に時々手を抜いて、夫にデパ地下でちょっと高いお弁当を買ってきてもらったり、地元の寿司屋でおいしい寿司を握ってもらってきた時には、</p><p>「おいしかった！」</p><p>と、うれしそうな顔で言うのだ。</p><p>私は複雑な気持ちになった。</p><p>&nbsp;</p><p>母や夫のために、時間をかけて一生懸命作った料理より、買ってきた惣菜や寿司の方がいいんだろうか。</p><p>&nbsp;</p><p>夫に言わせると、勿論手料理の方が断然いい、と。</p><p>（そうじゃなきゃ、作らない）</p><p>&nbsp;</p><p>自分でも満足な出来栄えに、私も思わず、</p><p>「おいしかったねぇ」</p><p>と言う。</p><p>でも、母は黙っている。</p><p>&nbsp;</p><p>口惜しくなった。</p><p>&nbsp;</p><p><a href="https://blogmura.com/ranking/in?p_cid=11062734" target="_blank"><img alt="ブログランキング・にほんブログ村へ" border="0" height="31" src="https://b.blogmura.com/88_31.gif" width="88">にほんブログ村</a></p>
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<link>https://ameblo.jp/ofockaigo/entry-12624501205.html</link>
<pubDate>Sat, 10 Oct 2020 09:00:00 +0900</pubDate>
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<title>デイケアのバスを降りる時</title>
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<![CDATA[ <p>母はパフォーマンスが得意な人だった。</p><p>よく思い出すのは、デイケアの帰りのバスが家に着いた時のことだ。</p><p>&nbsp;</p><p>バスが我が家の前に停まる。</p><p>世話係の初老の人が降りてきて、コンクリートの地面に踏み台を置いて、母を待つ。</p><p>いつもの光景だ。</p><p>&nbsp;</p><p>つぎつぎに客を降ろしてきたバスには、母の他に、もう３、４人しか乗っていない。</p><p>運転手さんは後ろを振り返って、母を見ている。</p><p>世話係の人も、私も、バスの外で待っている。</p><p>&nbsp;</p><p>そんな状態で、母は後部座席の人たちのところに行って、ひとりずつ握手している。</p><p>&nbsp;</p><p>「おかあさん、待ってくれているのに。」</p><p>私は思わず言ってしまう。</p><p>&nbsp;</p><p>どうしてこんなパフォーマンスをするのだろう。</p><p>運転手さんたちにも、握手をしたり、ハイタッチをしたり。</p><p>家の中での母とはまったくの別人格になっている。</p><p>&nbsp;</p><p>そうやって張り切ってバスを降りて、一歩家に入ると、ぐったり死んだようになる。</p><p>エネルギーを使い果たした抜け殻のようだ。</p><p>その後２時間も眠ったりする。</p><p>&nbsp;</p><p>どうしてそこまで外でがんばって、いいかっこうをするのだろう。</p><p>そのエネルギーの何分の１かを、あるいは少しのやさしさを。こちらに向けてくれたら、と思ってしまう。</p><p>&nbsp;</p><p><a href="https://blogmura.com/ranking/in?p_cid=11062734" target="_blank"><img alt="ブログランキング・にほんブログ村へ" border="0" height="31" src="https://b.blogmura.com/88_31.gif" width="88">にほんブログ村</a></p>
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<link>https://ameblo.jp/ofockaigo/entry-12624495224.html</link>
<pubDate>Fri, 09 Oct 2020 09:00:00 +0900</pubDate>
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<title>強い母④</title>
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<![CDATA[ <p>強い母のエピソードはまだまだある。</p><p>&nbsp;</p><p>母は歳をとっても気は強く、間違っていてもどうしても認めず、譲らないことがよくあった。</p><p>それも、閉口するくらい、強い言い方をするのだ。</p><p>もっとやさしく弱い母なら、こちらもやさしく対応できるのに、と何度も思ったものだった。</p><p>&nbsp;</p><p>&nbsp;</p><p>それは、テレビのリモコンのことから始まった。</p><p>&nbsp;</p><p>母は決してボケてはいなかったけれど、年寄りなので、メカには弱い。</p><p>それはそれで当然で、仕方なかった。</p><p>ただ、こちらの言うことを守らないのには困った。</p><p>　</p><p>母がまだかろうじて元気で、二階に寝ていたころだ。</p><p>その日夕方、母のテレビのために、Ｊコムの人が来てくれた。</p><p>&nbsp;</p><p>テレビ画面に出る「地デジ対応」の注意の呼び掛けを観て、母は今までのテレビが使えないと勘違いして、新しいテレビ（少し大きな）を買ってしまっていた。</p><p>そのリモコンの操作が難しいので、母が混乱しないように、以前のように、Ｊコムのリモコンだけで操作できるように設定するために来てもらったのだ。</p><p>&nbsp;</p><p>新しいＪコムのリモコンを母に見せて、</p><p>「ここを触ったらだめよ。また訳がわからなくなるから」</p><p>と、入力入れ替えのボタンを指して、厳重に言った。</p><p>&nbsp;</p><p>母は以前にも、ボタンを触って、自分ではできなくなることが何度もあったのだ。</p><p>私もメカはダメな方だったし、そのたびに、夫が対応しては、母に注意していた。</p><p>&nbsp;</p><p>けれど、夕飯の時、母は、</p><p>Jコムのリモコンではできない。新しいテレビのリモコンじゃなきゃ」</p><p>と言ってきた。</p><p>&nbsp;</p><p>案の定、ボタンを触ったのだ。</p><p>あんなに言ったのに、替えてしまったのだ。</p><p>私では対応できないから、夫に頼まなくてはならない。</p><p>&nbsp;</p><p>母は、</p><p>「絶対触っていない！」</p><p>と言い張った。</p><p>そこを触らなければ、そんなことにならない、と私がいくら言っても、</p><p>「そう言うだろうと思った。絶対触っていない！」</p><p>と、硬い顔をして言い張った。</p><p>「そのままだと、ＢＳも、Ｊコムも観られないのよ」</p><p>と言っておいた。本当に、困った人だ。</p><p>&nbsp;</p><p>飲んで帰ってきた夫に言うと、</p><p>「そうなんだよなぁ。もう、ほっといたらいいよ」</p><p>と言った。</p><p>今まで、何度か直してあげても、自分で替えてしまっては騒ぐのだから。</p><p>&nbsp;</p><p>リモコンは、しばらく放っておいた。</p><p>ＢＳとＪコム以外は観られた。</p><p>&nbsp;</p><p>そうしたら、その後しばらくして、次女が泊まりに来た時に、母は次女に頼んだという。</p><p>で、その時、次女には、</p><p>「私が触っちゃったから・・・」</p><p>と言って、Ｊコムをまた呼んでほしいと言ったと言う。</p><p>次女はその時出かけなければならなかったし、Ｊコムに頼んだら、またお金がかかることだけを告げたという。</p><p>&nbsp;</p><p>次女からその話を聞いて、私は呆れた。</p><p>『絶対触ってない』と、あんなに言い張ったのに。</p><p>まして、私に言わず（言えず）、次女に相談するなんて、ずるかった。</p><p>次女に、次女から聞いたことを言っていいか確かめてから、母に訊いた。</p><p>　</p><p>すると今度は、</p><p>「触ったかどうか、分からない」</p><p>と。微妙に言葉を変えた。</p><p>それでも、次女への言葉とは違って、触ったことは認めなかった。</p><p>そんなふうに、認めないから、何度も同じことをするんでしょ、と言ったけれど、母は最期まで認めなかった。</p><p>&nbsp;</p><p>そして、いつものように感情のない</p><p>「ごめんなさい」</p><p>を言った。</p><p><a href="https://stat.ameba.jp/user_images/20201002/11/ofockaigo/53/82/j/o0155020614828518550.jpg"><img alt="" height="206" src="https://stat.ameba.jp/user_images/20201002/11/ofockaigo/53/82/j/o0155020614828518550.jpg" width="155"></a></p><p>いつものように、ただその場を早く終わらせるためだけの、ちっとも心のこもっていない「ごめんなさい」だった。</p><p>&nbsp;</p><p><a href="https://blogmura.com/ranking/in?p_cid=11062734" target="_blank"><img alt="ブログランキング・にほんブログ村へ" border="0" height="31" src="https://b.blogmura.com/88_31.gif" width="88">にほんブログ村</a></p>
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<link>https://ameblo.jp/ofockaigo/entry-12624411891.html</link>
<pubDate>Sun, 04 Oct 2020 09:00:00 +0900</pubDate>
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<title>強い母　③</title>
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<![CDATA[ <p>母の指をさすっていたその時、私は真っ赤なセーターを着ていた。</p><p>だいぶ昔、母が編んでくれたものだったが、毛足の長いモヘアの毛糸でできている。</p><p>とってもあったかいのだが、厚ぼったいし、家の中ではあまり着る機会がなかった。</p><p>だから、作ってくれた時の風合いがそのまま残っていた。</p><p>&nbsp;</p><p>しばらくして、私は右手を母の体の反対側に回して、手首の下の方からさすってみようと思った。</p><p>&nbsp;</p><p>私の右手が、母の顔の上を動いた。</p><p>顔の上、と言っても、３０センチは離れていた。</p><p>&nbsp;</p><p>その時だった。</p><p>「目に入る！」</p><p>という鋭い声とともに、母の手が、私の右手を強く払いのけた。</p><p>びっくりした。</p><p>&nbsp;</p><p>赤いセーターが目に入ると言っても、顔に触れるほど近づけたわけではない。</p><p>ただ、入りそうな気がしただけだろう。</p><p>&nbsp;</p><p>私は唖然として、やるせない気持ちになった。</p><p>なんという力で、私の手を払いのけるんだろう。</p><p>手の感覚がない、とか、痛い、とか訴えていた、あの枯れた手の老人が。</p><p>&nbsp;</p><p>セーターが目に入りそうな気がするなら、目をつぶればいい。</p><p>顔をそむけたっていい。</p><p>何も、強い力で払いのけなくたって・・・。</p><p>&nbsp;</p><p>この母の強さを、何度見てきたことだろう。</p><p>弱くて死にそうなのも困るけれど、この母の強さを見せられるたびに、私の気持ちは萎えてしまう。</p><p>&nbsp;</p><p>さっきまでの、なんとかしてあげたい、という気持ちが、どこかに消し飛んでしまった。</p><p>&nbsp;</p><p><a href="https://blogmura.com/ranking/in?p_cid=11062734" target="_blank"><img alt="ブログランキング・にほんブログ村へ" border="0" height="31" src="https://b.blogmura.com/88_31.gif" width="88">にほんブログ村</a></p>
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<link>https://ameblo.jp/ofockaigo/entry-12623206029.html</link>
<pubDate>Sat, 03 Oct 2020 09:00:00 +0900</pubDate>
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