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<title>すぱんち～Sのボクシング徒然</title>
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<description>ボクシング観戦歴二十数年、今まで見たボクサー、試合等について適当に書き込んで行きます。</description>
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<title>田中恒成</title>
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<![CDATA[ さぁ、久しぶりに書きますか。<br>今回は５戦目での世界タイトル最短奪取記録を持つ田中恒成です。<br>僕はこのテの記録を全く評価していないことは、大昔に書いた通りですが、<br>それはそれとして、最短記録に関して言えば、<br>長年破られなかった８戦目の壁を井岡が破ってから(７戦目)、<br>尚弥(６戦目)→恒成(５戦目)と、トントン拍子に更新されてきた感はあります。<br>まあ時代と言ってしまえばそれまでですが…。<br><br>こういった記録に挑戦できる訳ですから、当然アマの下地は十分。<br>２コ上の兄、亮明(こちらは五輪候補)とともにキャリアをスタートさせ、<br>中京高校時代には石原英康の指導の下、４冠を達成。<br>井上拓真とは３勝２敗で勝ち越し…という実績を引っさげ、<br>畑中ジムより鳴り物入りでプロデビュー。<br><br>プロではここまで僅か６戦のキャリアですが、内容はかなり濃いものとなっています。<br>デビュー戦以来ここまで全試合で世界ランカーか世界王者を撃破。<br>４戦目で原隆二を下して東洋タイトルを獲得…これも最短記録。<br>そして前述したように世界王者に上り詰め、昨年の大晦日に初防衛に成功。<br>ここまで順風満帆に思えますが、原戦以降は決して楽に勝ってきた訳ではなく、<br>むしろ激戦を潜り抜けてきた印象です。<br><br>スタイル的には万能型のボクサーファイターですが、特徴的なのはそのハンドスピードですね。<br>全体的なスピードももちろん早いですが、ハンドスピードはレベルが一段上。<br>ただし手数だけの選手ということではなく、その拳には十分な威力が宿っています。<br><br>畑中会長は恒成を井上尚弥に匹敵する才能の持ち主と豪語していますが、<br>個人的にはさすがにそこまでの器とは思っていません。<br>あんなのがそうそう何人も出る訳ないですしね。<br>ただし…相当強いことは間違いありません。というより、まだ底を見せていません。<br><br>僕のもう一つの趣味に競馬があるんですが、結構前にセイウンスカイという馬がいました。<br>この馬は前半スピードの違いで逃げることが多いんですが、<br>最後追いつかれそうになると、そこからもう一度突き放すんですね。<br>恒成の試合を見ていると、この馬のレースとイメージがダブります。<br><br>原隆二戦は前半は互角か、少しリードを許している内容(採点ではない)でしたが、<br>中盤と終盤にパンチを効かせて競り勝ちました。<br>世界奪取戦は前半飛ばして中盤失速しかけましたが、<br>後半にもう一段ギアを上げて突き放しました。<br>そして初防衛戦、前半からポイントを持って行かれて５Ｒに痛烈なダウン。<br>しかし追い詰められてから前に出て、ボディで逆転ＫO。<br>一度ピンチに陥って、そこからアマ上がりらしからぬ底力を発揮して逆転というパターン。<br>不安定さと言えなくもないですが、逆に試合は毎回面白くなってますね。<br><br>今後は階級を上げるようですが、三人の日本人王者の誰かを狙うんですかね。<br>僕の予想は木村なら８ー２、田口なら６ー４、八重樫なら３ー７…といった感じですが、<br>尚弥のように階級を上げることで見違えるように化けることも有り得ますし、<br>Ｌフライはこれから盛り上がりそうです。<br>普通にニエテスとか狙いに行ったらカッコイイんだけどな…。<br><br>
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<pubDate>Thu, 28 Jan 2016 19:59:33 +0900</pubDate>
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<title>徹底考察！八重樫東vsローマン・ゴンサレス</title>
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<![CDATA[ え～、何事もなかったように再開しようと思います(笑)<br><br>さて、いよいよ近づいてきた大一番。<br>チケットもあっという間に売り切れたようで、注目度の高さを物語っています。<br>前回に続いて今回も井上とのダブル世界戦ですが、<br>前回の会場は大田区総合体育館、今回は代々木第二体育館…<br>正直もう少し規模の大きい会場でもいいのかな？とは思います。<br>…といっても、個人的にはより近くで見えるこれらの会場は歓迎ですが…。<br><br>さて、改めて最初に書きますが、今回の試合、僕は八重樫が普通に勝つと思っています。<br><br>今回の試合展開は、八重樫の出方によって変わる…。<br>色々なところで語られていることで、僕もそう思います。<br>これはすなわち、試合展開の選択権を八重樫が握っているということ。<br>両者の「引き出しの数」の差であるとも言えます。<br><br>一方で、ロマゴンは決して引き出しの多いタイプの選手ではありませんが、<br>その圧倒的なパワー、テクニック、プレッシャー…<br>それらが相手の小さな引き出しなど問題にしない。<br>「引き出しの大きさ」がハンパじゃないんですね。<br><br>「引き出しの数が多い」八重樫という戸棚と、<br>「一つの引き出しが大きい」ロマゴンという戸棚。<br>全体の容量が大きな戸棚はさあ、どっち？<br>今回はそういう勝負になるでしょう。…というより、<br>八重樫がそういう勝負に持ち込まなければなりません。<br><br>ここからは完全な予想ですが、<br>八重樫は序盤はソーサ戦のボクシングを展開すると思います。<br>スピードを活かし、ヒット＆アウェイを軸にポイントをピックアップ。<br>これがソーサ戦と同様に機能するなら、これだけで12Ｒ走り抜くのもアリだと思います。<br><br>しかし、相手はロマゴン…当然どこかで打ち合うことになります。<br>それは八重樫も想定しているはず。それがどの段階で訪れるか、<br>どんな形で訪れるかが大きなカギとなるでしょう。<br>八重樫としては前半、特にボディを打たれたくないですね。<br>（もちろん一撃で失神するようなパンチをもらうのは論外ですが）<br>足が動いて打ち合いに転じるのと、足が動かず打ち合いに巻き込まれるのとでは、<br>天と地ほどの違いがありますから。<br><br>…で、肝心の打ち合う場面が訪れた時。<br>僕の八重樫有利の予想は、ここで八重樫が打ち合っても勝てると踏んでいるからです。<br>ロマゴンは破格の強打者ですが、決して一発に頼るスタイルではなく、<br>むしろ強打を連打できることが最大の長所。<br>エンドレスに降り注ぐ強打の嵐に、今までの対戦者は否応なく飲み込まれてきましたが、<br>八重樫はその連打の間にパンチを刺しこむ技術とスピード、勇気を持ち合わせています。<br>がっぷり四つに正面衝突するのではなく、スピードを活かして着弾を増やし、被弾を減らす。<br>理想は一方的にパンチを当て続ける。少なくともロマゴンよりも多くのパンチを当てる。<br>これで活路を見いだせると思います。<br>当然ロマゴンのパンチをもらう場面もあるでしょうが、<br>フィジカル面と耐久力に関しては、例の土井トレの真価が問われることになりますね。<br>フライ級という階級、2年かけて鍛えた肉体、明らかに上を行くスピード。<br>打ち合っても普通に勝てるんじゃないかなぁ…。<br><br>毎回圧勝してきたロマゴンと、数え切れない修羅場をくぐり抜けてきた八重樫。<br>少なくとも、八重樫ほどロマゴンのボクシングに食らいつけるボクサーはいなかった。<br>接戦になった時、我慢比べになった時、ギリギリの勝負になった時…<br>八重樫が先に音を上げる姿はちょっと想像できません。<br>つけ加えると、八重樫はこういう試合を一度経験しています。<br>初めて世界を獲ったポンサワン戦…「激闘王」の異名が付いたあの試合は、<br>今回の試合のモデルケースとなるように思います。<br><br>逆に僕の予想が大ハズレするとしたら…序盤に一撃もらって沈むパターンと、<br>接戦にすらならないほど両者の力量に差があった場合。<br>具体的に考えると、テクニックで上を行かれるケース。<br>八重樫のパンチは当たらず、ロマゴンのパンチは当たる。<br>こういう展開になってしまうと、今までの対戦相手同様に倒されるか、<br>ロマゴンの大差判定勝ちということも考えられます。<br><br>ざっくりまとめると、接戦なら八重樫、一方的ならロマゴン。<br>接戦になる公算が高いと思うので、僕の予想は八重樫の勝利。<br>まあこんなカンジですかね。<br>八重樫の勇気によって実現するビッグマッチ。<br>さあ…どっちが強い？<br><br>八重樫が初っ端からねじ伏せに行っても面白いんだけどな…。<br>
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<link>https://ameblo.jp/one-punch-ko/entry-11916447438.html</link>
<pubDate>Thu, 04 Sep 2014 00:22:00 +0900</pubDate>
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<title>アムナット・ルエンロエンvs井岡一翔</title>
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<![CDATA[ 〈2014.5.7 ボディメーカーコロシアム テレビ観戦〉<br><br>井岡一翔が３階級制覇を狙ったこの試合。<br>相手のＩＢＦ王者アムナットは12戦全勝（５ＫＯ）という戦績。<br>挑戦者の井岡も14戦全勝（９ＫＯ）と、全勝対決の図式でしたが、<br>今回それ以上にクローズアップされていたのが、<br>「アマ時代に井岡が負けている」という事実でした。<br><br>もっとも「クローズアップ」といっても、<br>マスコミが必要以上に煽っている側面もありました。<br>ボクシングファンの間では、強豪揃いのフライ級王者の中で、<br>与し易い相手としてアムナットを選んだと揶揄されていましたし、<br>僕が見た限りでは、戦前に井岡不利の下馬評は一つもありませんでした。<br>僕自身、当時の井岡がどう負けたのかは興味がありましたが、<br>仮に苦戦はしても、ここはクリアするだろうと思っていました。<br><br>結果としては皮肉にも、マスコミの煽りが大当たりだった訳ですが、<br>試合前に何処となくあった楽観論…これは、<br>当の井岡陣営にも影響を及ぼしていた気がします。<br><br>う～ん、ここでつまづくとは思わなかったな…。<br><br>１Ｒ…両者が左を差し合う。速い。そして…遠い。<br>リーチ差が９cmあり、井岡が前に出る展開は予想できたが、<br>アムナットは遠い距離から叩きつけるように強いパンチを放ち、<br>簡単には井岡を中に入れさせない。<br>このラウンド、接近戦はおろか中間距離になることすら一度もなかった。<br><br>アムナットはリーチを活かし、ジャブ＆リズムのタイプなのは間違いないが、<br>並のこのテの選手と違うのは、パンチを倒すつもりで打ち抜いていること。<br>捌くというより、迎え撃つというイメージ。<br>井岡はこのスタイルに延々悩まされることになった。<br><br>井岡の打ち終わりに２～３発パンチを返す。<br>これで井岡の手数を半減させる。<br>井岡が入って来ると必ず強いパンチを打つ。<br>これで井岡の接近を未然に潰す。<br>距離が近づいたら腕は絡めず身体を預ける。<br>これで井岡のリズムを寸断する。<br>アムナットにとっては恐らく本来のボクシングをしているだけ。<br>それがナチュラルに井岡のボクシングを封じ込めていった。<br><br>アムナットは強さを感じさせるタイプではないが、とにかく上手い。<br>リーチ差を活かすという意味では、今まで見た中で一番かも…と思ったほど。<br>あのゾウ・シミンにも勝ったことがあるというテクニックは伊達ではない。<br>圧倒的に有利なロングレンジをキープする技術と、そこでのパンチの精度。<br>距離を熟知した上で、巧みにコントロールする術に長けていた。<br><br>逆に井岡は、距離に関して中途半端だった。<br>アッパーを警戒して中に入れなかったのでは？という感想を幾つか見たが、<br>井岡が中に入れなかった訳ではなく、入り方の度合いの問題だと思う。<br>井岡が入ろうとした距離は、アムナットが避けたいショートレンジではなく、<br>自身が最も得意とするミドルレンジだった。<br>そして、それがアムナットを楽にした。<br><br>相手の不得手な距離ではなく、自分の得意な距離を選択する。<br>戦術として間違っている訳ではない。<br>しかし、この試合では肝心のミドルレンジでも分が悪かった。<br>ならばどこかでショートレンジ…接近戦にシフトして欲しかったが、<br>あのボクシングで勝てていると勘違いしていた陣営には、<br>そこに気付くことなど出来る筈もなかった。<br><br>同じ場面を何度も再生しているようなシーンが続く。<br>たまにパンチを当てても、「井岡行ける！」と思う場面は一度もない。<br>「これは本当に負けるぞ…」そんな事態が好転しかけたのは８Ｒ。<br>アムナットの疲労と井岡の攻勢が交錯するかのように、<br>このＲは井岡のボディ中心の攻撃が光った。<br><br>しかし、攻勢は取ってもダメージングブローが叩き込めない。<br>アムナットのボディーワークに加え、階級の壁を感じさせる部分もチラホラ。<br>10Ｒ、アムナットに減点があったが、減点一つで勝敗が左右される内容ではなかった。<br>そのまま試合は判定へ…井岡の、井岡家の悲願は成就されることはなかった。<br><br>では、様々物議を醸している採点行きましょうか（笑）<br>僕は115ー112アムナットとつけたジャッジだけがマトモだったと思っています。<br>114ー113井岡（減点の分で井岡の勝ち）のジャッジは、<br>まあ関西の黒い力が働いたんじゃないですかね。<br>119ー108アムナット（減点がなければフルマーク）というのもさすがに…<br>きっと日本がキライなんでしょうね。<br>「アムナットの中差判定勝ち」これが普通でしょう。<br><br>井岡陣営の「ジャッジがおかしい」（ある意味当たっていますが）<br>井岡本人の「２ポイント勝っていると思った」…オイオイ（笑）<br>見込みの甘さにも程があるでしょ。<br>「井岡の勝ち」と話す関係者が皆無なのが痛々しいですね。<br>恐らくアマ時代の敗戦ともこうやって向き合わなかったんでしょうね。<br>その結果、次はこうやって勝つという具体的な対策を講じずに、<br>次は勝てると安易に思い込み、同じことを繰り返して負けた…。<br>残念極まりないですし、関係者の責任は重いですね。<br><br>今のフライ級は最激戦区になりつつあります。<br>ＷＢＡスーパー＆ＷＢＯはエストラーダ、ＷＢＣの八重樫はロマゴンと対戦、<br>ＩＢＦのアムナット、ＷＢＡレギュラーのレベコにゾウ・シミンの参戦。<br>試合前の井岡陣営が「タイトル獲得→即返上」を打ち出していたのは、<br>ロマゴン、ゾウ・シミン辺りの標的になる前に、<br>フライ級タイトルを「獲り逃げ」する目論見があったと思われます。<br>しかし…目論見は脆くも崩れさった。<br>アムナットはゾウ・シミンの標的と言われているし、即再戦は難しい。<br>レベコを狙おうにも、この敗戦でランキングは下がる。<br>井上尚弥が来る前に、Ｓフライまで上げて「獲り逃げ」するか？<br>たった一つの敗北で、かなり追い詰められた感のある井岡の今後。<br>まだ若く、実力もあるだけに、巻き返して欲しいものです。<br>出来れば記録よりも、ファンの記憶に残る形で…。<br><br>
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<pubDate>Fri, 09 May 2014 15:01:40 +0900</pubDate>
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<title>畑山隆則vsコウジ有沢</title>
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<![CDATA[ 〈1998.3.29 両国国技館 テレビ観戦〉<br><br>まず先日のメイvsマイダナ。<br>メイを以ってしても、あのテのタイプはやり辛いんですね。<br>マイダナは善戦したけど、あのボクシングで頂点に上り詰められても…。<br><br><br>さて、「最高の日本タイトルマッチ」…といったら、<br>皆さんはどの試合を思い浮かべますか？<br>古くは高橋ナオトvsマーク堀越、最近では山中慎介vs岩佐亮祐…<br>この辺りの試合はあまりに有名ですが、掛け値なしの名勝負でした。<br>今回の試合も、間違いなくそんな名勝負のひとつに挙げられる試合。<br>「史上最大の日本タイトルマッチ」<br>試合前からそう銘打たれた一戦は、看板に偽りなしの大熱戦となりました。<br><br>この試合の何が史上最大か？まずは試合の規模。<br>世界戦以外での両国国技館の使用。<br>世界戦以外での生中継。（フジテレビで夕方の時間帯）<br>100万円が相場と言われる日本タイトルのファイトマネーで、<br>両者の報酬は500万円。勝者にはさらに500万円プラス副賞のクルマ。<br>一般人にも無料開放して行われた、屋外での公開スパーリング。<br>（どこかの大きい公園に、特設リングを設置して行われた…と記憶）<br>試合前の国家吹奏のセレモニー。<br>これら全てが、日本タイトルとしては異例かつ破格の厚遇でした。<br><br>そして、そういった扱いを受けるに足る主役の両雄の「格」<br>王者のコウジはここまで18勝15ＫＯ無敗。<br>この時点で12連続ＫＯを継続中で、日本王座も全てＫＯで５度防衛。<br>人気、実力、勢い…全てが全盛期にありました。<br>挑戦者の畑山はここまで20勝16ＫＯ１分。<br>前戦の世界戦で引き分け、この試合が「再起戦」<br>勢いが止まり、どう這い上がるか？というタイミングでの試合でした。<br><br>正直格上なのは、ＷＢＡ３位の畑山の方でした。<br>日本の切り札として挑んだ世界戦で痛恨の引き分け。<br>世界王者と五分に渡り合った内容は、<br>決して評価を下げるものではありませんでしたが、<br>結果を出せなかった本人のショックは計り知れないものがありました。<br>そこからの「再起戦」…格下との調整試合などあり得ない。<br>自らをもう一度奮い立たせるため、強さを再認識して自信を取り戻すため、<br>世界戦に匹敵するほどの相手を望んでいました。<br><br>一方のコウジ。正直日本は卒業してもいい実力が既にありました。<br>防衛戦レベルでは無敵…しかし世界ランクは未だ持っていない。<br>加えて当時の日本Jr.ライト級（現在のＳフェザー級）は群雄割拠。<br>三谷、長嶋、平仲など、世界レベルの強豪がゴロゴロいる。<br>その中で畑山は実力的にもランキング的にもNo.1。<br>畑山を喰って、世界ランクと国内No.1の称号を譲り受け、胸を張って世界へ…<br>弱小ジムのコウジが世界戦を持ってくるにはこれしかありませんでした。<br><br>コウジには畑山が、畑山にはコウジが必要だった。<br><br>実力はやや畑山が上。しかし勢いを加味すると、どうなるか分からない。<br>今このタイミングだからこそ、ここまで盛り上がる。<br>「史上最大の日本タイトルマッチ」そのゴングが今、鳴らされた。<br><br>１Ｒから、両者は打ち合いを始めた。<br>コウジは右ストレート中心、畑山は多彩なパンチが持ち味。<br>特色の違いはあれど、攻撃型のボクサーファイターという点では同じタイプ。<br>ここで打ち勝った方に試合の流れが来る。絶対に退けない。<br>この打ち合いは戦前の予想通りだった。<br><br>この局面をリードしたのは、やはり地力に勝る畑山。<br>軽くステップを入れて、飛び込みざまの左フック、<br>いきなりの右ショート、右アッパー…<br>自身の持つ引き出しを開け閉めしながら、<br>クリーンヒットを量産していく。<br>一方のコウジは、右ボディストレートを軸に崩していく作戦のようだ。<br>このパンチが再三畑山の左脇腹を捕らえる。<br>しかし、それ以外のパンチは大半を畑山にカバーリングされてしまう。<br>がっぷり四つに打ち合う場面は多くても、<br>どうしてもヒット数に差がついていく…そんな展開だった。<br><br>畑山の自在性が右ストレート一辺倒のコウジを上回っていく。<br>畑山の無尽蔵のエネルギーがコウジのパンチ力を凌駕していく。<br>ジリジリと差が開いていく中で、しかしコウジは諦めない。<br>時折ヒットする右ストレートで、畑山の首が回る。顔がズレる。<br>その度に、コウジ本人とコウジファンの希望に灯がともる。<br>前半は圧倒的に畑山がリード。<br>しかし…スロースターターでもあるコウジが、少しずつ盛り返してきていた。<br>逆転ＫＯはコウジ有沢の十八番。逆転ＫＯこそコウジ有沢の真骨頂。<br>俺が何度試合を引っくり返したと思ってる？<br>７Ｒ…コウジが明らかにギアを上げた。<br>手数を増やし、ガムシャラに打つ、打つ、打つ…。<br>この試合で初めて、ハッキリとコウジが押さえたラウンドだった。<br><br>朧げに見えてきた逆転の兆し…しかし畑山は、こんな展開を待っていた。<br>前回の世界戦もそうだった。前半は完全に制圧していた試合を、<br>後半の追い上げにあい、追い付かれてのドロー。<br>ここで同じ轍を踏んでたまるか。<br>次に世界の舞台に立った時に、ここを乗り越える力を身につけるために、<br>俺はコウジ有沢を相手に選んだんだ。<br>後半に強いコウジを、逆転が得意なコウジを、その土俵で叩き潰す…！<br>９Ｒ…畑山が明らかにギアを上げた。<br>手数を増やし、ガムシャラに打つ、打つ、打つ…。<br>その中で、この試合でほとんど打っていなかった左ボディが、<br>コウジのレバーに突き刺さった。<br>効いた！くの字に身体を折ったコウジを畑山が見逃すはずはなかった。<br>そのまま頭部に追撃を加えると、ロープ際でコウジが倒れた。ダウンだ。<br>何とか立ち上がるコウジ…しかしダメージを負った身体では、<br>畑山のエネルギッシュな攻撃に抵抗する術はなかった。<br>畑山が渾身の力で詰めると、レフェリーがコウジを救った。<br>リング中央、畑山が天に向かって吠える。<br>完全決着！畑山隆則がコウジ有沢を下し、再び走り出した瞬間だった。<br><br>試合終了直後のリング上、両者が友人同士に戻り、互いを称え合う。<br>素晴らしい光景…それを見ながら、僕は別のことを考えていた。<br>この試合で分かった事…それは畑山の成長と、コウジの可能性。<br>畑山は前回の世界挑戦失敗を糧として、確実に成長している。<br>コウジには、その畑山とこれだけの勝負を演じる底力がある。<br>最高の試合だった。そして、きっと二人とも世界王者になれる…！<br><br>日本ボクシング界の未来を彩る二人のボクサーの名勝負…。<br>この試合は、この年の年間最高試合に選ばれました。<br><br><br>さて、明日は井岡の世界戦ですね。<br>ロマゴン絡みの好き嫌いは大いにありますが、実力自体は評価していますので、<br>明日の試合も僕は期待しています。<br>前回のアルバラード戦もよかったし、楽しみですね。
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<pubDate>Wed, 07 May 2014 00:17:13 +0900</pubDate>
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<title>ＷＰＢ19観戦記②</title>
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<![CDATA[ 〈2014.4.23 大阪城ホール テレビ観戦〉<br><br>・山中慎介vsシュテファーヌ・ジャモエ<br><br>「ゴッドレフト」を武器に世界の舞台でもＫＯの山を築き、<br>その防衛ロードは無人の野を行くが如く。<br>昨年はついに最優秀選手賞も受賞と、手のつけられない強さを見せる最近の山中。<br>一方今回の相手、ジャモエは山中にとって久々となるファイタータイプ。<br>欧州王座、ＷＢＣユースなどのタイトルを足がかりに、<br>ベルギー初の世界王座獲得を目指す24歳。<br><br>ここ数戦と同様、下馬評は圧倒的に山中有利。<br>これはこの挑戦者が力量不足という訳ではなく、<br>今の山中は普通の挑戦者相手ならこのくらいを求められる。<br>山中本人もそれを自覚して、ＫＯ宣言もして…そんな中での試合でした。<br><br>１Ｒ…山中は明らかに動きがカタイ。<br>無論緊張などではなく、最初から倒そうと力みかえっている状態だ。<br>一方のジャモエは無難に滑り出したように見える。<br>ジャブを軸に、ジリジリと前に出る隙を窺っている。<br>試合の入りに差のあった両者…しかし、それでも両者の実力差は歴然だった。<br>１分過ぎ、山中のボディストレートが入ってジャモエが後退した。<br>この場面を境に、ファイターのジャモエは前に出られなくなった。<br><br>この日の山中は、左の打ち分けだけはよかった。<br>上か下か？単純なストレートの二択だが、<br>フォームが同じで相手に見切られることなく、<br>効果的なヒットを積み重ねていった。<br><br>そして、その左はいつも以上に神がかっていた。<br>象徴的だったのは２Ｒ…最初のダウンを奪ったパンチ。<br>ロープ際に追い詰めて放ったストレートは、<br>固めたガードのド真ん中を割って顔面を吹き飛ばしたのだ。<br>ここまでの攻防で、試合の趨勢はもう明らかだった。<br>「これは負けはあり得ない。山中がいつ終わらせるかだ」<br><br>ところが、意外にもここから試合は長引いた。<br>まず触れておきたいのは、挑戦者ジャモエの頑張り。<br>最終的にダウンは４度、効かされた回数は数知れず。<br>それでも最後まで諦めず、勝利のために戦い続けた勇敢さは称賛に値する。<br>しかし、それを加味しても、試合が長引いた要因は山中にあった。<br><br>「力み過ぎ」…ひと言で言えばこれだけのこと。<br>左の一撃で決める意識が強すぎて、その後のフォローがほとんどない。<br>左を振り抜いた後、上体が突っ込みすぎて足がついて来ない場面が目立つ。<br>攻撃に集中するあまり、防御の意識が低く、<br>苦しまぎれのパンチをポコポコもらう。<br>この日の山中のボクシングはあまりに雑だった。<br>少なくとも、今まで僕が見た試合の中では最悪だった。<br><br>世界を獲って以降、山中は一度も苦戦を経験していない。<br>ピンチらしい場面も皆無と言っていい。<br>冒頭に書いた無敵の防衛ロード…自らの強さが故の「平坦な道」<br>それが山中のボクシングに綻びを生じさせている。<br>僕の目にはそんな風に映る、深刻な状態でした。<br><br>自信が過信に変わる。過信が慢心を産む。<br>今の山中にはそういう危うさを感じます。<br>今回のジャモエは、亀田和毅、サンタクルスと対戦経験のある選手でした。<br>おそらく若干の対戦アピールも含んでのセレクトだと思いますが、<br>今回の山中がサンタクルスに勝てるとは思えない。<br>モレノを捕まえられるとは思えない。<br>それどころか、この出来なら岩佐のリベンジも許すんじゃないですかね？<br><br>ただ防衛戦を淡々とこなしていくだけならまだしも、<br>山中はまだこの先がある選手。そこを目指していく選手。<br>自分の見ている場所は何処なのか？目指すものは何なのか？<br>陣営も含めて、もう一度手綱を締め直して欲しいと切に願います。<br>ここを乗り越えて行けるかが、西岡、長谷川の域まで到達できるかの分岐点…。<br>僕にはそう思えます。<br><br>正直あまり期待していませんでしたが、それにしても残念な一戦でした。
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<link>https://ameblo.jp/one-punch-ko/entry-11836314633.html</link>
<pubDate>Thu, 01 May 2014 15:22:08 +0900</pubDate>
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<title>ＷＰＢ19観戦記①</title>
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<![CDATA[ 〈2014.4.23 大阪城ホール テレビ観戦〉<br><br>・キコ・マルティネスvs長谷川穂積<br><br>以前に話題に上げて、「この春最も注目している」と書いたこの試合。<br>長谷川本人も述べた集大成…待っていた結末は壮絶なものでした。<br><br>番組が始まると、既に両選手がリング上にいるところから。<br>両者の表情も特に気負った部分は感じられない。<br>ゴングが鳴って中央でグローブを合わせる…身体の厚みが違う。<br>なるほど、典型的なボクサーvsファイターの構図になりそうだ。<br><br>１Ｒ…立ち上がりの長谷川の動きは「悪くはない」<br>足は動いているし、ジャブを中心に手もよく出ている。<br>しかし、復帰後最も良く見えた昨年８月の試合と比べると、<br>正直あの時ほどのコンディションではないように思えた。<br><br>一方のマルティネス…この選手を見るのは全くの初めて。<br>被弾を恐れず頭を振って前へ、前へ…う～ん、ファイターだ。<br>強打を振り回すだけでなく、細かく手数を出す場面もあり、<br>確かに粗さはあるが、前評判よりも丁寧に戦う印象を受けた。<br><br>この日の長谷川は左の打ち分けが冴えていた。<br>左ストレート、左フック、左ボディ…<br>多彩な左を使い分け、再三マルティネスを狼狽えさせる。<br>しかし、ジャブを突くだけでなく、左を出し惜しみせず使っているのに、<br>マルティネスを捌き切れていない。距離を取り切れていない。<br>これは王者のプレッシャーが強いのか、長谷川のスピードが足りないのか、<br>或いは…その両方か…？<br><br>２Ｒ…早くも試合が動く。<br>開始30秒、ロープ際で両者の左が同時に交錯した。<br>「ナイスカウンター！」解説の浜田が口にしたこの言葉に、僕は違和感を覚えた。<br>「王者のパンチの方が深く入っていなかったか…？」<br>両者はそのままロープ際で打ち合う。<br>明らかにマルティネスの土俵。しかし長谷川はロープから脱出しない。<br>これは王者のパンチが効いているのか、長谷川の気の強さが出ているのか、<br>或いは…その両方か…！<br>無謀な距離での打ち合いで、長谷川の頭が２度、３度と跳ね上がる。<br>最初の「カウンター」から僅か10秒足らず、長谷川はマットに転がった。<br><br>この時…僕の中で何かが見えてしまったような気がした。<br>決して認めたくない、決定的な何かが…。<br><br>辛くも立ち上がる長谷川に、容赦なく王者が襲いかかる。<br>力無くロープに追い詰められる長谷川。<br>今度は悪癖ではない。足が動かない。危険なパンチも幾度ももらう。<br>しかし長谷川は手数、防御技術…キャリアの全てを駆使してサバイバルをはかる。<br>拍子木をゴングと間違える王者のミスにも助けられ、<br>文字通り絶体絶命のピンチを乗り切った。<br><br>２Ｒにして深刻な痛手を負った長谷川。<br>インターバルでの完全回復は難しく、次のＲもダメージを引きずったままだ。<br>正直厳しい…しかし、やはり長谷川は並の選手ではなかった。<br>続く３Ｒ、長谷川はボディ攻撃を起点に盛り返して見せたのだ。<br>ストマックへのストレート、サイドから突き刺すレバーブロー…<br>多彩なボディ打ちでマルティネスの前進を食い止める。<br>王者には前のＲで倒しに行った打ち疲れも見られ、<br>このラウンドは明らかに長谷川が取り返した。<br><br>しかし、この日の長谷川はどうしてもパンチをもらってしまう。<br>流れを掴みかけても、一発のパンチで足がフラつき、<br>逆にマルティネスを勢いづかせてしまう。<br>数は長谷川の方が当てている。ポイントは取っているかもしれない。<br>しかしフィジカルの差は歴然だ。すぐにでも倒されそうなのは長谷川の方だ。<br>典型的なボクサーvsファイターの構図。<br>この展開はボクサーがファイターに飲み込まれる時のそれだ。<br>どこかで変えたい流れを変えられないまま、ラウンドだけが積み重なる。<br>６Ｒまで終わると、長谷川はもう満身創痍だった。<br><br>インターバルで山下会長が語りかける。<br>「俺達は何度もこんな場面を乗り越えてきただろう？」<br>しかし僕はそうは思わなかった。<br>モンティエル戦もジョニゴン戦も、負ける時はほぼ一発でのＫＯによるもの。<br>これほど打たれて追い詰められた場面は記憶にない。<br>しかし、ボロボロにされても長谷川は試合を諦めない。<br>王座返り咲きへの執着か、３階級制覇への夢か、勝利への飢えか…全て否。<br>言うなれば、これは自らのボクシングへの執念。<br>一介のファンに過ぎない僕は、もう見届けるしかなかった。<br><br>７Ｒ…そしてその時は訪れた。<br>明らかにキメに来た王者の猛攻に晒される長谷川。<br>まだ気持ちは切れていない。しかし身体は言うことを聞かない。<br>１分過ぎ…左フックでたまらず膝をついた長谷川。<br>辛くも立ち上がったが、ここまでだった。<br>もう一度倒されて、レフェリーが両腕を交差する。陣営がタオルを投げる。<br>長谷川穂積の集大成がこうして終わりを告げた。<br><br>２Ｒ…最初のダウンの時に見えてしまった「何か」<br>それは紛れもなく、ボクサー長谷川穂積の衰えだった。<br>打ち終わりに頭の位置を変えられない。<br>打ち合いの最中にガードが下がる。注意力も散漫。<br>小さい綻びが修正出来ず、安易で無謀な打ち合いに転じる。<br>それら全ては衰えから来るものだった。<br><br>そして同時に見えてしまったもの…それはこの試合の結末と、長谷川時代の終焉。<br>最初のダウンの時から、僕は勝敗度外視で<br>試合を見届けようというスタンスに変わっていた。<br>試合を見届けることそれ自体は概ね出来たように思うが、<br>世界の舞台で煌めくかつての 長谷川の強さはついに見られず仕舞いだった。<br><br>一つの時代が終わりを告げた。しかし、ボクサーの功績は色褪せない。<br>「自分は本当に強いのか知りたい」試合前に本人が口にしたこの言葉。<br>この試合を以って、長谷川本人の中で答えが出たかは分からない。<br>しかし僕の中ではこの試合を見るまでもなく、とっくに答えは出ている。<br>日本の絶対エース、長谷川穂積は強かった、と…。<br>
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<link>https://ameblo.jp/one-punch-ko/entry-11832218161.html</link>
<pubDate>Sat, 26 Apr 2014 23:12:16 +0900</pubDate>
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<title>ヘビー級へのヘビーな挑戦</title>
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<![CDATA[ あぁ…なんてセンスのないタイトル…。<br><br>そんな訳で今日の話題は、今月末に迫った藤本vs石田のヘビー級戦についてです。<br><br>僅か４人のボクサーで見切り発車した日本ヘビー級。<br>王座決定戦でオケロ・ピーターを下して王座を獲得し、<br>挑戦者決定戦を制した竹原虎辰も退けて、<br>早くも防衛ロードが暗礁に乗り上げた藤本。<br>選手がいない訳ですから、早晩この事態が訪れることは分かりきっていましたが、<br>そこへ名乗りを上げたのが、今回の石田でした。<br><br>石田の決断は、新たなステージでの挑戦と捉えるべきか、<br>引退前の打ち上げ花火と取るべきかは微妙なところですが、<br>藤本としては挑戦者が名乗りを上げたことは有難いでしょうし、<br>相手がネームバリューのある選手であることも、<br>オイシイと思っていることでしょう。<br><br>しかし、今回の試合の構図としては、主役はあくまで石田です。<br>結局のところ、この試合に関しての観客の興味はただ一点に集約されます。<br>「石田は本当にヘビー級で戦えるのか…？」<br><br>以前に少し書きましたが、僕は個人的にはヘビー級に興味がありません。<br>これは日本だけでなく、世界のヘビー級という括りでも同様です。<br>何と言うか乱暴な区別、物言いになってしまいますが、<br>「体重制限のない階級」というのが、最早ボクシングと思えないんですよね。<br>例えば昨今、世界戦での体重超過が多発して問題になっていますが、<br>ヘビー級だけはこの前提すらない。<br>「同じ体格の者同士が技術の優劣で競い合う」そのための階級制であって、<br>そこの前提から逸脱しているヘビー級を、ボクシングに引っくるめてしまうことに、<br>僕はかなり違和感を感じています。<br><br>それと単純に、ヘビー級のボクシングが面白いと思ったことがありません。<br>アリ、タイソン、フォアマン、ホリフィールド…<br>かつてのヘビー級全盛期には魅力的なタレントがいたことは否定しませんが、<br>それでも全階級を通じても魅力的なボクシングかと言われると…。<br>例えばクリチコ。まあ強いですけど、それは体格も含めた強さであって、<br>デカいだけと言えなくもない。他が弱すぎると言えなくもない。<br>クリチコの強さを称賛する声は山とありますが、<br>「クリチコの技術が素晴らしい」「クリチコのような選手になりたい」<br>こういった評価は聞いたことがありません。<br><br>…で、そんな階級の、しかも選手も揃わない「日本ヘビー級」という狭い括りで、<br>石田が王座を狙う（タイトルマッチには認定されなかったが）意味は、<br>少なくとも僕には見いだせません。<br>村田との対戦が実現せず、誰もやっていないことに挑戦したかったとしても、<br>最後にこんなモン選ぶなよ…との思いはあります。<br>しかし試合自体への興味は薄くとも、石田に絶対に勝ってほしい、<br>藤本に負けてほしくないという気持ちは強く持っています。<br><br>藤本のボクシングは生観戦を含めて何試合か見ていますが、<br>僕の中のヘビー級への偏見を払拭できるような技術、実力は、<br>到底持ち合わせていません。<br>Ｋー１時代の実績は知りませんが、平たく言えば弱いです。<br>もちろん技術では石田の方がはるかに上。<br>しかし…圧倒的な体格差は、その全てを飲み込んでしまう可能性がある。<br>「結局、デカい奴が勝つ」その結末を認めたくないんです。<br>こういうファンって、僕だけなのかなぁ…？<br><br>まあでも少し真面目に予想すると、<br>石田はスピードと技術で勝負するとは言っていますが、<br>ヘビー級まで増量した身体で、どこまでスピードを維持しているかは未知数です。<br>一方で体格面…身長はむしろ石田の方が高いんですね。（4cm）<br>ハンディキャップマッチのようなイメージですが、そう考えていくと、<br>試合は案外普通に推移していくのかもしれません。<br><br>しかし、これはあくまである程度の距離でボクシングをしたら、の話。<br>身体を付けての揉み合い、打ち合いになれば、<br>ナチュラルなパワーの差は如実に表れるでしょう。<br>そんな展開が続けば、心配されるのはむしろ石田のスタミナ面。<br>終盤に捕まる可能性は低くないと思います。<br>そこで響いてくるのが、この試合がノンタイトル８回戦で行われるということ。<br>石田のヘビー級での実績の無さを考慮して、タイトル認定は見送られましたが、<br>ラウンドが少しでも短くなるのは、体力勝負で分が悪い石田にはプラスに働きます。<br>勝つことだけを考えたら、これでよかったのではないでしょうか。<br><br>引退云々は最終的には選手本人が決めることですが、<br>正直石田には、ゴロフキン戦を最後にして欲しかったと思っています。<br>アメリカに長期滞在しながらチャンスを窺い、<br>西岡とは違う形で海外への道を拓いたパイオニア。<br>その石田の最終戦となる公算も高いこの試合、<br>僕の望んだ形とは違うものになりましたが、<br>是非、有終の美を飾って欲しいものです。<br><br><br>最後に…内山の試合ってまだ決まらないんですかね？<br>一時期マイキー・ガルシアなんて景気のいい名前も出ていましたが、<br>ガルシアはトップランクと揉めているようなので、まあ次はないかな、と。<br>そうすると、同じようにアブネル・マレスとの試合が流れた三浦と、<br>急転直下、統一戦が決定！なんて都合のいい話にはならないですかね？<br>このブログで触れた直後に試合決定というケースが何度かあったので、<br>期待を込めて、最後に触れてみました。<br>
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<link>https://ameblo.jp/one-punch-ko/entry-11828064189.html</link>
<pubDate>Sun, 20 Apr 2014 16:58:31 +0900</pubDate>
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<title>権熙允vs葛西裕一</title>
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<![CDATA[ 〈1995.2.4 後楽園ホール 生観戦〉<br><br>う～ん、パッキャオ…完全復活とは行かなかったかな。<br><br>さて今回は、懐かしい葛西の東洋獲得戦…もう19年も前のことなんですね。<br>当時の葛西は帝拳のホープとして、無敗のまま世界戦に臨み、<br>そこで悪夢の１ＲＫＯ負け。<br>そのショッキングな敗戦の払拭と、武者修行の意味合いも兼ねて、<br>ベネズエラに渡って懸命の再起ロードを歩んでいる時期で、<br>この試合が世界戦以来、ほぼ１年振りの日本での試合でした。<br><br>相手の東洋王者・権はここまで13戦全勝８ＫＯの戦績。<br>当時の韓国ボクシングは今ほど衰退しておらず、<br>その中で全勝のままここまで上がってきた権の評価は高く、<br>葛西も決して楽観視できる相手ではありませんでした。<br><br>東洋王座の懸かる試合ということもさることながら、<br>この試合はＷＢＡ９位の権と10位の葛西による世界ランカー対決。<br>まして葛西は前戦でも世界ランカー対決に敗れており、<br>ここで敗れると２連敗…世界挑戦は遠のいてしまう。<br>もう負けられない状況で、リスキーな相手とのサバイバルマッチ…。<br>僕自身もある種の緊張感をもって観戦していました。<br><br>ガッチリとした体型で頭から突っ込んでくる権。<br>典型的ないわゆるコリアン・ファイターのスタイルだ。<br>174cmの長身からジャブを突いて迎撃する葛西。<br>こちらはスタイリッシュなボクサーファイタータイプ。<br>緊張感のある１Ｒの様子見を終え２Ｒ…両者がエンジンをかけ始めた。<br><br>プレッシャーを強めて飛び込んでくる権。<br>貧弱なアウトボクサーなら飲み込まれてしまいそうだ。<br>しかし…海外修行を経て立ち直った葛西は、並のアウトボクサーではなかった。<br>Ｒ中盤、飛び込んできた権に、右アッパーから左フックのカウンター。<br>明らかに狼狽えた権。この場面を境に、試合は葛西ペースに傾いていった。<br><br>試合自体は終始同じ展開で進んでいく。前に出る権、迎え撃つ葛西。<br>しかし、ダメージングブローを当てるのは常に葛西の方だ。<br>右アッパー、ボディブロー、カウンター…<br>両者が交錯する度に、権はパンチをもらってしまう。<br>この日の葛西は相手に前に出られても、全く危なげがなかった。<br>足を使って下がるのではなく、前に出て打ち合うでもなく、<br>適度な距離を保ちながら、迎撃パンチでダメージを与えていく。<br>戸惑いの表情があからさまに顔に出る権。自信を深めて勢いに乗る葛西。<br>全勝…単純に勝利の数だけで積み上げた権の自信を、<br>辛酸を舐めながら這い上がった葛西の強さが崩し去る。<br>６Ｒ…ダメージと戸惑いで、ファイターの権が後ろに下がった。<br>このチャンスを見逃す葛西ではなかった。<br>ここぞという場面で前に出た葛西。ロープ際で左フックのカウンターが一閃！<br>権がストンと両膝をついた。ダウンだ。<br>コーナーですぐに立ち上がるも、カウント中に再びしゃがみ込む権。<br>ダメージは深刻だ。<br>ここはゴングに救われた権だが、ＫＯは時間の問題と思われた。<br><br>続く７Ｒも圧倒的に葛西のラウンド。<br>権は今にも倒れそうだ。現在ならとっくに止められているような状態が続く。<br>しかし…ここから権は頑張った。<br>王者のプライドか、世界ランクへの執着か、敗北を受け入れられない意地か。<br>必死に抵抗し、ＫＯ負けを免れようとする。<br>これをキッチリ倒し切れば言うことなしだったのだが、<br>葛西も無理に倒しに行くこともなく、試合はそのまま判定へ。<br>葛西が文句なしの判定勝利で、東洋王座を手中に収めることになった。<br><br>この試合を見た当時、僕は葛西の今後にかなり期待できると思っていた。<br>世界戦の悪夢が吹っ切れたように見えたこと。<br>線の細さが払拭されて、確かな成長を見せたこと。<br>しかし…葛西が世界の頂に上り詰めることはなかった。<br>その後２度挑んだ世界戦の相手…Ａ・セルメニョはアウトボクサーで、<br>この時期に積んだキャリアが活きるタイプではなかった。<br>（先日、訃報を聞いた時は驚きました）<br><br>今にして思うと、葛西という選手は総合力のボクサーで、<br>何でも出来る反面、これが武器だというものがありませんでした。<br>しかし…逆に何でも出来るボクサーだったからこそ、<br>現在のトレーナー業における豊富な引き出しになっていると思います。<br>名トレーナー、葛西裕一が「元東洋王者」の肩書きを手に入れた一戦でした。<br>
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<link>https://ameblo.jp/one-punch-ko/entry-11812444426.html</link>
<pubDate>Sun, 13 Apr 2014 14:21:14 +0900</pubDate>
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<title>4/6 ダイヤモンドグローブＳＰ観戦記②</title>
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<![CDATA[ 〈2014.4.6 大田区総合体育館 生観戦〉<br><br>この日、会場に向かう電車内での出来事。<br>僕の近くに初老の男性と中学生くらいの男の子が立っていて、<br>これから見に行くんでしょうね、井上と八重樫の話をしていまいた。<br>「…という訳で井上は強いけど、今日はチャンピオン相手だからなぁ…」<br>「井上もいいけど、もうひとつの世界戦に出る八重樫アズマってのもなかなか…」<br>…う～ん、残念…。<br><br>・八重樫東vsオディロン・サレタ<br><br>八重樫の３度目の防衛戦にして「ロマゴン戦の前哨戦」<br>いくら八重樫本人が「この試合に集中したい」と言っても、<br>試合前に「次はロマゴン」と口にしてしまったら、<br>周りも、ファンも、そして知らず知らず自分自身も、<br>次のビッグネームに気持ちが行ってしまうのは仕方のないことです。<br>先を見過ぎて苦戦する、最悪コケるというのは往々にしてあることですが、<br>八重樫も自ら心配したように、苦戦を強いられることになりました。<br><br>ゴングが鳴ると八重樫が前に出て、サレタが足を使う展開。<br>挑戦者のサレタは懐の深いボクサータイプ。<br>足もよく動き、ハンドスピードも手数もあって、八重樫を容易に近づけない。<br>八重樫は久しぶりの追いかける展開に戸惑いがあるのか、<br>中途半端な距離で左の差し合いに行ってパンチをもらったり、<br>踏み込みも浅く、ひと言で言うとピリッとしない。<br>１Ｒが終わってコーナーに戻った八重樫は、左の瞼が早くも腫れていた。<br><br>１Ｒ、２Ｒ…サレタのアウトボクシングが冴える。<br>遠い距離からパンチを放ち、ガードした八重樫が打ち返すとそこにはいない。<br>そんな流れが変わったのは３Ｒ。もう一つ深く踏み込んだ八重樫の右が、<br>矢継ぎ早に３発、サレタの顔面を捕らえた。<br>たまらずクリンチしたサレタの顔には、焦りの色がありあり。<br>この辺りから、八重樫本来の「出入りのボクシング」が機能し始めた。<br>４Ｒも主導権を握り、ここまでの採点はイーブン。<br>誰が見てもこの採点だと思っていたら、ここで異変があった。<br>１人のジャッジが39ー37でサレタとつけたのだ。<br>「随分辛いジャッジだな…」僕は思った。<br><br>中盤、八重樫のボディ攻撃が効果を発揮してきた。<br>プレッシャーを強めてサレタを追い回す。<br>しかしサレタも手数を出して必死に抵抗する。<br>その中の何発かが八重樫を捕らえ、ヒット数では互角か。<br><br>この試合全般を通して気付いたことが、八重樫のフィジカルの強さ。<br>例の土井トレの効果か、フライ級に馴染んできたのか、<br>パンチを受けてもビクともせず、ガードしてもバランスを崩すことがない。<br>しかし逆にフィジカルに自信があるせいか、<br>無造作にパンチを受けるきらいがある。<br>この試合でも少しディフェンスが雑になっている印象を受けたので、<br>ミニマムからフライに上がった頃のように、<br>もう一度ディフェンスの意識を高めて欲しい。<br><br>少し脱線しましたが、そんな流れの中盤戦を経て、<br>８Ｒ終了時の採点は、２者が八重樫のリード。<br>とりあえず逆転に成功したが、その差は最大で２ポイント。<br>「 まだこれしか離れていないのか…」<br>この時僕は、結構な不安に襲われた。<br>「まさか…負けやしないよな？」<br><br>しかし…次の９Ｒ、八重樫は僕のつまらない不安を打ち砕く一発を見せた。<br>このラウンド、ポイントの劣勢を知ってか知らずか、サレタが出てきた。<br>距離が詰まる。パンチが交錯する。被弾が増える。<br>その中で２分過ぎ、これ以上くっついたらクリンチしかないという距離で、<br>八重樫の右ショートがカウンターとなってサレタの顔面を直撃！<br>大きく膝を折ったサレタに細かいパンチを浴びせると、<br>サレタは仰向けにキャンバスに沈んだ。<br>「これは決まった！」沸き上がる大観衆。<br>八重樫がフライ級の世界戦で、初めてのＫＯ勝利を手にした瞬間だった。<br><br>このＫＯパンチはスゴかった。<br>カウンターになったことは、本人の言う通りたまたまだと思うが、<br>あの距離で腰を回し切る技術。あの距離でナックルを返す技術。<br>そしてあの距離でパンチを打ち抜くために、<br>ショートを打ち下ろし気味に放つ技術。<br>あまりにもド派手なＫＯパンチだったが、<br>決してパワーではなく、技術で生まれた一発…<br>僕の目にはそう映りました。<br><br>試合後、リングに上がったロマゴンと言葉を交わし、<br>観客のボルテージは最高潮に。<br>僕の推測ですが、八重樫はフライ級の世界タイトルを獲った時から、<br>ロマゴン戦を見据えていたと思います。<br>前戦でソーサを完封して自信をつけ、陣営もゴーサインを出し、<br>そしてこの日、「前哨戦」も無事クリア。<br><br>さあ…ロマゴン戦だ！<br><br><br>・アドリアン・エルナンデスvs井上尚弥<br><br>今回の興行のメインは、やはりこの試合でしょう。<br>「怪物」井上尚弥の世界戦。<br>僕は最短記録の類いには全く興味がありませんでしたが、<br>尚弥が世界戦でどんなパフォーマンスを披露するかは、大いに興味がありました。<br>戦前予想としては、王者が尚弥をナメていたら、一方的になるかな～と。<br>尚弥のあのボクシングは、世界王者といえど事前準備なしに攻略は難しい。<br>王者が万全の井上尚弥対策をしていた場合のみ、いい勝負になると考えていました。<br>尚弥の戦力的な不安要素は、スタミナ面と耐久力。<br>ただこれは試されていないというだけで、<br>キャリアの浅い選手なら誰でも指摘される部分。<br>しかし…王者としては、自分の土俵でもあるそこに望みをかけるしかない。<br>離れてボクシングをしていたら、ちょっと勝負にならない気がしました。<br><br>西岡利晃の引退と時期を同じくして現れた、新世代の旗手。<br>村田諒太と共に、将来の日本ボクシング界を背負う立場へ。<br>まだあどけなさの残る二十歳の怪物…その双肩にあるものは、<br>重圧という名の鎖か、未来へと翔ける翼か？<br>井上尚弥という一人のボクサーだけでなく、<br>日本ボクシング界の今後を占える…そんな一戦のゴングが鳴った。<br><br>１Ｒ、僕の感じた尚弥の印象は…まずまず。<br>正直、いつもより若干カタイかな…という気がした。<br>一方、王者のエルナンデスはあまりに静かな立ち上がり。<br>まずはじっくりという作戦か？早くも尚弥について行けないのか？<br>おとなしいエルナンデスは却って不気味に感じられた。<br>するとＲ半ば、この試合の流れを決定する場面が訪れた。<br>尚弥のボディストレートが遠めの距離からヒットすると、<br>エルナンデスがたじろぎ、力無く後退したのだ。<br>「行ける」尚弥がギアを上げた。<br>いつものハイテンポなボクシングで、クリーンヒットを奪っていく。<br>「マズい」王者が守勢に回った。<br>しかしガード一辺倒では、尚弥の攻撃をシャットアウトし切れない。<br>１Ｒ終了時には、尚弥がハッキリとイニシアチブを握っていた。<br><br>続く２Ｒも、試合の展開は変わらない。<br>オートマチックに放たれて、自在に着弾するかのような、<br>相変わらずの正確無比な尚弥のパンチ。<br>一方、エルナンデスはとにかくおとなしい。<br>素人目には、守っていても回避出来ないのだから、<br>前に出る自分のボクシングをするべきだと思うのだが、<br>守勢を解けば一気にやられてしまうと言うことか。<br><br>３Ｒも全く同じ展開だ。攻め立てる尚弥、守り続けるエルナンデス。<br>ここまで尚弥は一発ももらっていない。<br>作戦？減量苦？様々浮かぶ常識的な憶測を、<br>眼前で繰り広げられる攻防が塗り潰していく。<br>「まさか…世界王者が何も出来ないのか？」<br>「尚弥のボクシングに打つ手がないのか？」<br>「王者ですらこのまま一方的に倒すのか？」<br>外見はまるで大人と子供の試合。尚弥のあどけなさがそう思わせる。<br>中身もまるで大人と子供の試合。尚弥のボクシングがそう思わせる。<br>井上尚弥が、アドリアン・エルナンデスを圧倒している…！<br><br>しかし４Ｒ、試合展開に異変があった。<br>エルナンデスのパンチが、浅いながらも尚弥を捕らえるようになってきた。<br>エルナンデスとすれば、ジリ貧の現状を打破するために、出るしかないだろう。<br>しかし僕の目には、それが奏功したというよりも、<br>僅かながら尚弥が失速したように見えた。<br>「あれ…どうした？世界戦のプレッシャーとハイペースで疲れたか？」<br>後に判明する足のトラブルは、この時点ではまだ分からない。<br>とはいえ、依然ヒット数は段違い…ポイントを取られるというレベルではない。<br>ここまで、途中採点が気になるような試合ではなかった。<br>（実際、ジャッジ３者ともフルマークで尚弥）<br><br>５Ｒ、遅ればせながらエルナンデスが出て来た。<br>４Ｒで少し手応えをつかんだか、劣勢を自覚してのことか。<br>対する尚弥は足を使わず、打ち合うようだ。<br>足を使えないことを知らない僕は、この選択を「少し早い」と思った。<br>打ち合いは危ないとか、分が悪いとは全く思わない。<br>打ち勝つ可能性も十二分にあるし、勝利のために打ち合う場面も必要だろう。<br>しかし…打ち合うことで、３Ｒまでのボクシングとは違い、<br>エルナンデスに僅かながらも可能性を持たせてしまうことを、不必要だと思った。<br><br>事実、打ち合いに転じてからのエルナンデスは動きも良くなった。<br>それはそうだろう。手の届かないところにいた鳥が、<br>わざわざ捕まえられる距離まで降りて来てくれたのだから。<br>ここで勝負をかけずにいつかける？僕がエルナンデスでもそうする。<br><br>しかし…近づいてきたこの鳥は、自らの餌をついばみに来ただけだった。<br>接近戦はエルナンデスの土俵…そんな声をあざ笑うかのような光景が広がる。<br>ワイルドに降ってくるエルナンデスのパンチの内側から、<br>尚弥のシャープなブローが雨のように降り注ぐ…！<br>手数、回転力、正確性、ポジショニング、そして…パンチ力。<br>接近戦に必要な全ての要素で、尚弥がエルナンデスを凌駕する。<br><br>そう、この試合には最初からエルナンデスの土俵など存在しなかった。<br>結果的に尚弥は、相手に可能性を持たせておいて潰すという、<br>最も残酷かつ効果的な作戦を、世界王者相手に完璧に実行してみせた。<br>散々打ち負かされ、追い詰められて後退したエルナンデスに、<br>最後はサイドからの右ストレートがクリティカルヒット！<br>両膝を折って前のめりに倒れたエルナンデスを見て、<br>大多数の人が「もう続行はない」と思ったはずだ。<br>立てない程のダメージではない。しかし立ってもやることがない。<br>エルナンデスの心が折れたのは、誰の目にも明らかだった。<br><br>６Ｒ２分５４秒、怪物が最初の世界王座に就いた。<br><br>これは尚弥の努力を軽んじている訳では決してない、と先置きして、<br>最初に僕が思ったことをそのまま表現したいと思います。<br>僕は、あれほど簡単に世界タイトルを手にする選手を初めて見ました。<br>特筆すべきは、世界戦で過去最高のパフォーマンスを見せたこと。<br>今までよりも間違いなくレベルが上の相手に対して、<br>全く何もさせずに勝ってしまった。<br>並の世界王者程度では歯が立たない。<br>ここまで上り詰めても力の程は計り知れない…まさに「怪物」<br>本人があまり好きではないというこのニックネーム、<br>今後も呼ばれ続けることでしょう。この強さを見せられたら…。<br><br>今回ただ一つだけ分かったこと…それは、<br>今後の日本ボクシング界が、井上尚弥を中心に回って行くということ。<br>「日本ボクシング界の超新星が誕生した」そんな歴史的一戦として、<br>後々まで語られることになると確信できる試合でした。<br><br>怪物から二十歳の若者に戻った尚弥が、あどけない笑顔を見せてこう叫ぶ。<br>「似合ってますか？ＷＢＣのベルト！」<br>そりゃ似合ってますよ。似合わない筈がない。<br>世界のベルトとは世界一の選手が持つべきもの。<br>他の誰よりもベルトに相応しい、本来あるべき処で、<br>そのベルトは光り輝いているのだから…。<br>
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<link>https://ameblo.jp/one-punch-ko/entry-11815071183.html</link>
<pubDate>Wed, 09 Apr 2014 13:21:10 +0900</pubDate>
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<title>4/6 ダイヤモンドグローブＳＰ観戦記①</title>
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<![CDATA[ 〈2014.4.6 大田区総合体育館 生観戦〉<br><br>行って来ました、大田区総合体育館。<br>イヤァ…ボクシングサイコー！<br>「前座」と呼べる試合のない豪華興行、片っ端から観戦記行きます。<br><br>・井上拓真vsファーラン<br><br>実は僕…この試合、拓真が負けると思っていました。<br>宮崎戦で見せたファーランのパフォーマンスと、前回の拓真のデビュー戦。<br>この試合だけで比べる限り、実力はファーランが上だという印象だったので。<br>しかし蓋を開けてみると、拓真は前戦以上のパフォーマンスを見せて、<br>ファーランの方はパフォーマンスを落とすという、ありがちな結果に。<br><br>拓真は随分進歩していました。<br>まあ単純な進歩なのか、本来の実力を発揮しただけかは分かりませんが、<br>力づくの前戦とは違い、今回はスピードを活かし、パンチの出もスムーズ。<br>一方のファーランは、完全な待ちのボクシング。<br>おそらくスピードで分が悪いことを認識しての戦法でしょうが、<br>あれだけ待ち一辺倒では…拓真をラクにしただけでした。<br>拓真がカウンターに注意しながら着実にポイントをピックアップし、<br>平坦な８Ｒが終了しました。<br><br>拓真は２戦目としては言うことなしのボクシング。<br>ただ世界を狙うボクサーとしては課題の残る内容でした。<br>プレッシャーをかけてロープに詰めてから、必ずジャブから入って様子を見てしまう。<br>ロープに詰めた相手を崩すバリエーションに乏しいですね。<br>そして、正直あの内容なら倒して欲しかった。<br>２勝とも判定…パワーもウワサほどではなさそうです。<br><br>拓真自信の評価は上がったものの、兄と比べるのは可哀想ですね。<br>前戦の時も書きましたが、じっくりキャリアを積んで欲しいところです。<br><br><br>・松本亮vs久高寛之<br><br>世界戦を除く前座では、一番楽しみにしていたカードでした。<br>松本はどうしても井上兄弟の影に隠れるものの、アマで高校４冠。<br>ここまで９戦全勝８ＫＯの、れっきとしたスーパールーキー。<br>一方の久高は負け数こそ多いものの、４度の世界挑戦経験を誇るベテラン。<br>カウンターを得意として、ソリッドなパンチが持ち味のボクサーファイター。<br>松本にとってはプロキャリア初のビッグネームが相手で、<br>久高を踏み台にジャンプアップを狙っているのは明らか。<br>一方、久高にとっても売り出し中の松本相手に健在ぶりを見せたいところ。<br>この試合をきっかけに、世界戦線再浮上を目論む。<br><br>立場が違う両者による、典型的な新旧対決。<br>元々このテの試合は面白くなるものですが、特にこの試合を楽しみにしていた理由は、<br>僕が久高の実力を買っていることにありました。<br><br>久高は少し淡白な面があることは否めないものの、<br>センスで戦うタイプのうえに、衰えは感じられない。<br>さらに過去に何度も番狂わせを演出する、芯の強さもある。<br>僕の見立てでは並のルーキーなど蹴散らす実力を持っているだけに、<br>そういう選手を相手に、松本がどんなボクシングを展開するか？<br>松本の実力を計る相手として、久高はまさにうってつけでした。しかし…<br><br>結論から言うと、この日最も期待はずれの試合でした。<br><br>松本は破格の身長によるやりづらさを加味した総合力で対抗していましたが、<br>単純なボクシング勝負では久高よりも劣っていました。<br>そしてスタミナがない。終盤はフラフラで、相当危ない場面もありました。<br>パンチの出し方やフットワークなど、基礎的なことでも改善の余地があるだけに、<br>正直上を目指すなんてまだまだ…という印象です。<br><br>久高の方は…相変わらず淡白（笑）。<br>３Ｒ終盤の連続カウンターなど、随所にセンスは見せつけましたが、<br>７・８Ｒの攻勢をもっと早く仕掛けていたら、倒した可能性もあっただけに、<br>勝ちへの執念に乏しい点が惜しまれます。<br><br>そしてこの試合がつまらなくなった最大の理由…<br>それは、距離的にちっとも噛み合わなかったこと。<br>松本は遠距離で戦えば完封できたかもしれませんが、<br>ボクシング技術が稚拙で簡単に接近を許してしまう。<br>久高は潜り込んで…というタイプではなく、<br>上体を立てたまま半端な距離で打ち合ってしまう。<br>最終的には松本の手が上がった訳ですが、<br>多くの課題が浮き彫りになる、ほろ苦い勝利となりました。<br><br><br>・ロマゴン前哨戦<br><br>この試合は振り返るような内容にはなりませんでしたね。<br>いずれ八重樫vsロマゴンの展望を書きたいと思っていますので、<br>その時にまとめて触れる…つもりです。<br>とりあえず無事に勝ってよかったですね。<br><br><br>・細野悟vs緒方勇希<br><br>天笠が返上した日本王座の決定戦として行われたこの試合。<br>細野にとっては図らずも日本からの出直しという位置づけになりましたが、<br>細野は元々天笠と戦いたい意向であったため、<br>緒方には悪いですが、細野のモチベーションは決して高くなかったと思われます。<br>僕はここ最近の細野の試合を見ていませんが、<br>記事を読む限りでは課題の残る内容だった様子。<br>もう一度世界に辿り着くまで負けは論外、内容も問われる試合が続きます。<br>しかし…この試合も先手を取ったのは緒方の方でした。<br><br>緒方の戦法は、細野が近づく前に手数で突き放し、<br>接近されたら細野に寄りかかってパンチを打てる距離を潰す…というもの。<br>序盤はこれがものの見事に機能しました。<br>細野は攻撃を寸断されて、全くリズムに乗れない状態。<br>このまま番狂わせまであり得るのか？不穏な空気が流れていました。<br><br>流れが変わったのは３Ｒ。この試合初めての細野のクリーンヒットで、<br>緒方の顔色が変わります。<br>ここからパンチのある者とパンチのない者の、<br>残酷なコントラストが描かれることになりました。<br><br>クリーンヒットの数では一方的に緒方。無数の細かいパンチが細野を捕らえる。<br>パンチのインパクトでは圧倒的に細野。一発で確実に緒方にダメージを与える。<br>序盤に緒方が積み上げてきたものが、細野のパンチで崩されていく。<br>５Ｒ終了時の採点ではまだ緒方がリード。<br>しかし、細野のパンチ力の前に追いつかれ、追い越され、追い詰められ…<br>ついに緒方が力尽きたのが、最終10Ｒでした。<br><br>ハッキリ言って、細野はパンチ力に救われましたね。<br>戦術的には緒方の方が勝っていました。<br>しかし、勝つためにどんなに戦略を練り上げても、<br>それが一発で崩される理不尽さもボクシング。<br>今回は細野が生き残った。さあ、次は…？<br>世界に辿り着くまで、細野の負けられない戦いが続きます。<br><br>世界戦については次で書きます。
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<link>https://ameblo.jp/one-punch-ko/entry-11809022598.html</link>
<pubDate>Mon, 07 Apr 2014 00:54:24 +0900</pubDate>
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