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<title>官能作家、片桐源蔵の公式ブログ</title>
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<description>官能小説の巨匠、片桐源蔵のオリジナル文芸作品　　ＳＭ小説　背徳の恥恋花、の完全無料版の掲載</description>
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<title>ＳＭ小説　　背徳の恥恋花</title>
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<![CDATA[ <div align="center"><a href="http://stat.ameba.jp/user_images/20141102/00/oomanco/93/11/j/o0180013513116392371.jpg"><img src="https://stat.ameba.jp/user_images/20141102/00/oomanco/93/11/j/t01800135_0180013513116392371.jpg" alt="" width="180" height="135" border="0"></a></div><br><br>　ＴＶキャスター上杉理恵子　其の九<br><br><br>　あぁ、お嬢様、足元にお気を付け下さい、　黒岩はまるで理恵子を女王様の手を取るような丁寧な言葉で言ったのだ。　　いやだわ、　ディレクター、ヤメて下さい、　お嬢様だなんて、　私、緊張しちゃって歩けなくなりますから、　理恵子は黒岩が冗談を云ってる事は分っていた。　しかし自分がかなり緊張している事も分かっていたのだ。　　二人が其の入り口に入ろうとした時だ、　ふっと開かれていた扉の後から小柄の若い女性が現れたのが分った。　よくいらっしゃいました、女は笑顔で丁寧にお辞儀をしたのだ。　御案内します、さぁ、どうぞ此方に、と手を差し伸べたのだ。　　えっ、　理恵子は驚くように黒岩の顔を見た。　その女性がまるで中世ヨーロッパの貴族社会の映画に出て来るような可愛いお手伝いさんの格好をしているのが見えたからだ。　アラ、この人可愛いわ、私と同じ年くらいかしら、　でも何か艶っぽいわね、　バストがすごく大きそう、　そう思っていると女はさっと二人を案内するように前を歩き出したのだ。　理恵子は白いエプロンを三角折りにキュッと結ぶ可愛い女性の後姿を見ながら、何故かこの女性に妖しい妖艶な雰囲気を感じるのであった。　　ふっふっ、理恵ちゃん、云ったろ、演劇はもう始まっているって、　黒岩もこの女にそんな妖しい雰囲気を感じ取ったのだろうか前を歩く女を指差しながら小声で言ったのだ。　　ふう～ん、　始まってるの？　ふふっ、　でも本当に何かしら、　すごく拘ってるみたいだわ、　此処のオーナーさんてどんな人なのかしら、　理恵子も前を歩く女に気を使うように小声で黒岩にヒソヒソと応えていたのだった。　<br>　真っ赤な絨毯の上を暫く歩いた三人の前に鏡のようにピカピカ光るエレベーターが見えた。　えぇっ？　　やっぱり面白い格好だわ、　これコスプレみたい、　ねぇ、黒岩さん、写ってる、ふふっ、　面白いわ、　其のエレベーターのステンレスの扉に写しだされた三人の姿に理恵子は演劇を観るどころか自分も何かに参加するような楽しい思いを感じさせていたのだ。　白いエプロン姿に胸が異常に大きい可愛い女、そしてその後でキャット眼鏡をかけた二人の男女の姿が浮かび上がっていたからだ。　此れで上に行きます、女がエレベーターのボタンを押しながら云った。　スッと開いた扉を押さえて女は二人に先に乗るよう促がしたのだった。　理恵子は有難う御座います、と丁寧な言葉をかけながら黒岩と二人で乗り込みながらまた女を見た。　やはりこの人胸が大きいわ、　背の高い自分に比べて小柄な女を見下ろすように見た理恵子は思った。　だがこの女こそが理恵子を奈落の底に突き落とす最初の女になるのだ。　ジャンヌダルクへの熱い思いに胸を時めかす美しい新人アナウンサー上杉理恵子にはそのような怖ろしい運命が待ち受けている事など夢にも思わなかったであろう。　三人を乗せたエレベーターは音も無く其の汚辱の入り口へと向かっていくのであった。<br><br><br>　片桐源蔵　オリジナル作品　　　
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<pubDate>Thu, 20 Nov 2014 19:50:12 +0900</pubDate>
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<title>ＳＭ小説　　背徳の恥恋花</title>
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<![CDATA[ <div align="center"><a href="http://stat.ameba.jp/user_images/20141102/00/oomanco/93/11/j/o0180013513116392371.jpg"><img src="https://stat.ameba.jp/user_images/20141102/00/oomanco/93/11/j/t01800135_0180013513116392371.jpg" alt="" width="180" height="135" border="0"></a></div><br><br> ＴＶキャスター上杉理恵子　其の八<br><br>　えっ、本当に？　黒岩さん、　此れ？　此れを付けるんですか、　理恵子は薄暗い車内の中で渡されたキラキラ光る眼鏡型の仮面を渡されて戸惑っていたのだった。　イヤだわ、　其れなら来る前に最初から言ってくれれば良かったのに、　そんなお金持ちの人ばかりが集まるんでしょ、　私こんな格好で良いのかしら、　そんな仮面舞踏会だなんて、こんなミニスカートの格好で大丈夫なんですか、　理恵子は仮面を手に持ったまま黒岩に云ったのだ。　　あぁ、理恵ちゃん、大丈夫だよ、　舞踏会とかそんな大袈裟なもんじゃないし、　今日はただ演劇を観るだけだから、　其れに理恵ちゃんの服装、それブランドモノだろ、　何時見ても理恵ちゃんはいい服着てるから僕は最初から全然心配してなかったし、　今日の服装も十分似合ってるよ、　黒岩は理恵子の光沢のある白いブラウスの上に薄青いキュートなスーツ、それにタイトなミニスカートで座る理恵子の姿を見ながら云ったのだ。　　ふう～ん、そうなの、　此れで良いかしら、　理恵子は大きめのキャット眼鏡のような仮面を付けながら黒岩を見た。　　ハッ、ハッ、ハッ、　理恵ちゃん、いいよ、　すごく似合ってるよ、　僕はどう？　黒岩は自分も同じ様な仮面の眼鏡を付けながら応えたのだった。<br>　ふふっ、　ディレクターもお似合いですよ、　理恵子は仮面を付けた事で何故か心がワクワクするのを感じていたのだろうか、不安よりも本来理恵子が持っていた好奇心の方が芽生えていたのだった。<br>　その間、二人の様子を窺っていたのだろうか、運転手は笑い声が聴こえた事に安心したのかまた動き始めたのだ。　薄暗い地下の駐車場の中で一箇所だけ明るく照らされていた処で車を止めたのだ。　　すると今度は其の運転手が降りて後部のドアを開けたのだった。<br>　さぁ、どうぞ、と丁寧に言葉を掛ける運転手に理恵子は、えっ、　と意外感を抱くように安心した。　理恵子はお寺でこの車に乗り込んだ時、自分の顔を隠すように何の挨拶もなく、途中ではノロノロと走るこの運転手にイライラしてたからだ。　顔も正面からは今初めて見ることが出来たのだ。　アラ、何かしら、　素敵な運転手さんだわ、　思ってた人とは全然違う、仮面を付けた理恵子に外から笑顔でそっと優しく頭を下げる運転手に思ったのだった。<br>　よし、さぁ、理恵ちゃん、行くよ、ジャンヌダルクが待ってるから、黒岩は何か一人つぶやくように先に降りて理恵子を迎えたのだ。　開かれた重厚な扉の入り口の向こう側には真っ赤な絨毯が豪華に奥まで引かれてるのが理恵子の眼にも見えていた。　だがこの時はまだ美しくフランス語が堪能な新人アナウンサー上杉理恵子の頭の中には自分が其の演劇の主役になることなど知る由もなかっただろう。　この赤い絨毯の入り口こそが理恵子の受難への入り口だったのだ。　<br>　さぁ、お嬢様、お手をどうぞ、　黒岩は冗談まじりに手を差し伸べ理恵子が車から降りるタイミングで手を取ったのだった。　　<br><br><br>　片桐源蔵　オリジナル作品
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<pubDate>Fri, 14 Nov 2014 20:41:33 +0900</pubDate>
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<title>ＳＭ小説　　背徳の恥恋花　</title>
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<![CDATA[ 　　　　<br><br>                                          <br><br><br>ＴＶキャスター上杉理恵子　其の七<br><br><br>　ふう～ん、　なんだか映画の一場面みたい、　でも絶対おかしいわ、　理恵子は運転席に背を向けて座る黒岩に向けて呆れるようにお寺を指差していたのだ。　　黒岩はそんな素振を見せる理恵子の様子を楽しむかの様に話し掛けたのだ。　あぁ、　理恵ちゃん、今、何処を走ってるのか分ったんだね、　そうだよ、うん、あれさっきのお寺だもんね、　ふふっ、でもこれ理由が有るんだから悪く思わないでね、　運転手さんが間違えたんじゃないから、　うんうん、心配ないよ、　今度は本当にもうすぐ着くから、　えっ、なんだ、　黒岩さんも知ってたの？　理恵子は一瞬騙されたように感じたが此れには理由が有るという黒岩の言葉に安心したのか少し笑顔を見せたのだった。　ふっ、ふっ、悪い、悪い、　あぁ、そうだ、着く前に此れだけは言っておかなくちゃ、　黒岩は思い出したように話し出したのだ。　あのね、　理恵ちゃん、　この観劇会のお客さん、この車からでも分ると思うけど本当にすごい人達ばかりなんだよ、　名前を聞いたらビックリするような人達ばかり、　だから今から行く処は本当にそんなすごい人達だけがプライベートに集まって劇を観る処なんだよ、だから、理恵ちゃん、　　黒岩は急に真面目な顔をして話し出したのだった。　　えっ、　プライベートの集まり？　すごい人達の？　黒岩さん、　お願いです、　もう少し詳しく聞かせて下さい、理恵子はまた少し不安が過ったのだ。　だがそんな不安と同時にすごい人達が集まるという話に理恵子も期待が膨らむのを感じるのだった。<br>　それじゃぁ、そんなに大きくない劇場で上演されるんですね、　何人くらい集まるのかしら、理恵子も興味深く聞くのだった。<br>　あぁ、そんなに多くないよ、う～ん、２０人くらいかな、　其処までもないかも、　あっ、　もう着くから、　黒岩は振り返るように前を見ながら言ったのだ。　車は高い壁が連なる道沿いを走っていた。　運転手は其の壁が切れた裏門のような入り口から中に入っていったのだった。　ふ～ん、　個人の屋敷にしては大きすぎるわ、　此処は何かしら、　理恵子には何か大企業の保養施設のように感じたのだった。　理恵子は興味深く覗いたが二つの大きな建物の他にはあまり良く見えなかったのだ。　すると車は綺麗に整備された道路から其のまま地下の駐車場のようなところに下って行ったのだった。　地下の駐車場に止めるんだわ、　理恵子は思った。　だが車は奥まで入らず下ったところで止まったのだ。　そこで黒岩は何かを運転手から渡されているのが理恵子には見えた。　何かしら、　車が地下に入った事で太陽の光がなくなり車内は暗くなっていたのだ。　室内灯はどこかしら、　理恵子が探している時、黒岩が振り返り言った。　　あぁ、理恵ちゃん、今から此れ、　此れを付けて、　そういうと黒岩は理恵子に何かキラキラした仮面のようなものを渡したのだった。　えっ、　なんですか、此れ？　理恵子は其の渡された仮面を手に持ちながら聞いたのだ。　　あぁ、此れね、　さっきも話しただろ、　すごい人達が集まっているって、　其の人達の中には自分の身分を知られたくない人も沢山いるんだ。　理恵ちゃんも知ってるだろ、　あのイギリスの仮面舞踏会みたいなの、　黒岩は笑顔で説明しながら理恵子に其の仮面を付ける様に促がすのだった。　<br><br><br>　片桐源蔵　オリジナル作品<br><div align="center"><a href="http://stat.ameba.jp/user_images/20141102/00/oomanco/93/11/j/o0180013513116392371.jpg"><img src="https://stat.ameba.jp/user_images/20141102/00/oomanco/93/11/j/o0180013513116392371.jpg" alt="" width="180" height="135" <a href="http://stat.ameba.jp/user_images/20141102/00/oomanco/93/11/j/o0180013513116392371.jpg"><img src="https://stat.ameba.jp/user_images/20141102/00/oomanco/93/11/j/t01800135_0180013513116392371.jpg" alt="" width="180" height="135" border="0"></a><br></div>
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<pubDate>Wed, 12 Nov 2014 22:07:50 +0900</pubDate>
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<title>ＳＭ小説　　背徳の恥恋花</title>
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<![CDATA[ <p><br></p><div align="center"><a href="http://stat.ameba.jp/user_images/20141102/00/oomanco/93/11/j/o0180013513116392371.jpg"><img border="0" alt="" src="https://stat.ameba.jp/user_images/20141102/00/oomanco/93/11/j/t01800135_0180013513116392371.jpg" width="180" height="135"></a> </div><p><br>　ＴＶキャスター上杉理恵子　其の六</p><br><br><p>　ゆったりした豪華な革張りのソファーのような席に座った理恵子はテーブルを挟んで座った黒岩の顔を見た。　　理恵子が驚いたこの大きなワンボックスカーの車内はまるでＶＩＰルームのように豪華に改造されていたのだ。　理恵ちゃん、　この車、凄いだろ、　黒岩は得意げに理恵子の顔を見ながら話したのだ。　　ホラ、此処、　この中にはワインも入ってるんだよ、　ホラ、　すごいワインだろ、　それにＴＶにオーディオ、　これね、　スピーカーが１０個も付いてるんだって、　理恵ちゃん、シャンソンが好きなんだろ、　聴いても良いんだよ、　　あぁ、でもすぐ着くから、　まぁ、良いか、　　此れスイッチがいっぱい有って分らないし、　　笑顔で話す黒岩に理恵子は逆に段々不安になって来たのだろうか、　黒岩さん、　ディレクターはこんなの良く利用するんですか、　私、ちょっと理解出来ないんですけど、　　演劇を観に行くんじゃないんですか、　理恵子は真面目な顔をして聞いたのだった。　　</p><p>　はっ、はっ、はっ、　そうだな、　　ゴメン、ゴメン、　　でも心配ないよ、　すぐ着くから、　うんうん、　それにこの車は今から行く演劇する所のオーナーさんの車だからね、　サービスなんだよ、サービス、　でもそりゃ驚くよね、　　この事は後でちゃんと説明するから、　ネ、　でも理恵ちゃん、　最初に変わった演劇だって云ったろ、　もう此処からこの演劇は始まっていると思ってくれれば良いんだよ、　絶対面白いんだから、　　それに理恵ちゃんの今後にもきっと役立つと思うよ、　　黒岩は表情を変える事も無く笑顔で応えたのだった。　　この時キッと真面目な表情で黒岩を見ていた理恵子も未だ本気で不安に思ってはいなかったのだろう。　　たしかに黒岩の悪い噂は理恵子も多少は聞いていた。　　しかし仕事は真面目に真剣で上層部の信頼も厚く、近くプロデューサーに昇進するとの噂もあったのだ。　　そんな敏腕なディレクターがまさか自分をそんな変な処に誘って何かをするとは考えられなかったからだろう。　　面白い演劇はもう始まっている？　　豪華な車内にお金持ちのオーナー、　理恵子は黒岩の話しに外の景色を見ながら何故か逆に期待に胸が高鳴ることを感じるのだった。　　</p><p>　十分ほど走っただろうか、　車は外からは何も見えなかったが昼間の明るい日差しに外の景色が理恵子の眼にもよく見えていたのだ。　　狭い路地から本道に出ていたのだろうか、　良く見ると何故かさっき通ったような並木道の道路を走っているのが分ったのだ。　　まさか、　そんな事はないわよね、　あれからもう大分走ってるもの、　そう思っていた理恵子はずっと前の信号を見て驚いた、　えっ、　あの信号、　斜め右をみると丁度そこは並木道が切れる信号だったのだ。　　理恵子が不思議に感じている時、未だ遠くに見えるその交差点の信号が赤から青に変わるのが分った。　　ふ～ん、　何かしら、　絶対この道はさっき来た道だもの、　運転手さん、間違えたのかしら、　理恵子が思ってるとき車のスピードがやけに遅くなっているのを感じたのだ。　　車はゆっくりと走ってはいるが並木道の交差点にどんどん近づいて行く、　　今ならあの信号青で渡れるわ、　しかしこの運転手さん、何故こんなにゆっくり走るのかしら、　理恵子は多少イライラしながら後ろを振り返ったのだった。　後続に車がいないか見たのだ。　　やはり其処には早く走れとばかりにピッタリ幅寄せする車のほかに３台ほど車が連なっていたのが見えたのだ。　　後の車が可哀想だわ、　理恵子は一人つぶやくとまた前を見た瞬間、　あっ、　変わったわ、　　やはり信号は青から黄色に変わったのが見えたのだ。　　あぁ、　やっぱり間に合わなかったわね、　理恵子は思った、　運転手がスッとブレーキを踏んだのも分った。　　しかし車は歩道の処で一旦止まったと思ったら其処で何故か急に信号無視でもするようにエンジン音を響かせ左に曲がって走り出したのだった。　</p><p>　えっ、　何？　なんなのこの運転手さん、　理恵子は完全に分らなかった。　　しかも左に曲がった先にはまた大きなお寺の屋根が見えたからだ。　　えっ、？　忘れ物でもして戻ったのかしら、　理恵子はそれしか考えられなかったのだろう。　さっきタクシーで入ったお寺の門に差し掛かった処で思ったのだ。　しかし運転手は何事も無かったかのように其のお寺の前を通り越して真っ直ぐ走っていったのだった。</p><br><br><p>　　片桐源蔵　オリジナル作品</p>
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<pubDate>Tue, 11 Nov 2014 15:07:31 +0900</pubDate>
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<title>ＳＭ小説　　背徳の恥恋花</title>
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<![CDATA[ <p><br></p><div align="center"><a href="http://stat.ameba.jp/user_images/20141102/00/oomanco/93/11/j/o0180013513116392371.jpg"><img border="0" alt="" src="https://stat.ameba.jp/user_images/20141102/00/oomanco/93/11/j/t01800135_0180013513116392371.jpg" width="180" height="135"></a> </div><p><br>　</p><p>ＴＶキャスター上杉理恵子　其の五</p><br><br><p>　運転手さん、　もうすぐ左に曲がってもらいますからね、　この並木道が切れた処の信号です。　黒岩が身を乗り出すようにタクシーの運転手を誘導する声が理恵子にも聴こえていた。　　ハイ、　其処の信号です、　そう、　其処を曲がったら左側に大きなお寺が見えますから其処の門から入った処で結構です。　　昼間の明るい太陽の光が差し込む窓からは理恵子の眼にも大きなお寺の立派な屋根が見えていたのだろう。　　えっ、　此処のお寺で、　まさか？　ジャンヌの演劇はお寺の中でするのかしら、　　理恵子は思ったのだ。　　理恵子は黒岩から少し変わった演劇とは聞いていたが、其れが何処の劇団でどんな処で観劇するのか詳しい事は何も聞いてはいなかったのだ。　　理恵子はその演劇の開演時間が昼間の二時からと言う事で別に何の疑いも無くディレクターの黒岩の誘いを受け入れていたのだった。</p><p>　入社間もない理恵子にとって局内では敏腕で知られるこの黒岩からの誘いは嬉しかったのだろう、　理恵子は面接の時、自分の話を真剣な表情で聞いてくれた面接官の黒岩の事を覚えていて好意的な印象を持っていたのだった。　　当時も今も放送局に入社する事は大変な競争率の中で勝ち抜かなくてはならなかったのだろう。　また合格した後も他の優秀な成績で入社した者との激しいライバル関係になるのだ。　　幸い理恵子には背が高く美くしい美貌に持って生れた上品さがあり他の同期入社の中では群を抜いていたのだった。　其の点でもこの黒岩の眼に叶った女性だったのだろう。</p><p>　有難う、運転手さん、　此処でいいです、　黒岩はさっとタクシーチケットを渡し先に降りて理恵子をお寺の境内の中に迎えたのだった。　　ふっ、ふっ、　驚いたかな、理恵ちゃん、　黒岩は薄っすらと含み笑いを浮かべながら理恵子の眼を見たのだった。　　正直、理恵子は驚いていたのだ。　　ディレクター、　此処ですか？　　理恵子は人気が無い境内の中をぐるっと見渡すように聞いたのだった。　　うん、うん、　そう思うだろ、　黒岩は何故かそんな質問をする理恵子に得意そうに応えたのだった。　　あのお寺の向こうだよ、　あのお寺の向こう側、　　うん、　あそこまで少し歩こう、　黒岩はそう応えるとお寺の本殿の裏側を指すように理恵子の前を歩き出したのだった。　</p><p>　ふ～ん、　お寺の裏側に何かテントでも張って其処で観劇するのかしら？　理恵子は仕方なく黒岩の背中を見ながら歩くのだった。　　えっ、　理恵子は分らなかった。　　お寺の裏に廻っても何もなかったからだ。　　不思議に思っている理恵子に黒岩は　　あぁ、　違うよ、　アレだよ、　アレ、　黒岩は二本の大きな松の木の間に止められていた黒い大型のワンボックスの車を指差していたのだった。　　えっ、　理恵子はまた分らなかった、　　黒岩はニコッと笑いながら其の車の前まで理恵子を案内したのだ。</p><p>　其のワンボックスの車を前にして理恵子は戸惑っていた。　窓には全て真っ黒なフィルムが張られているのか中が全く見えなかったからだ。　　すると其の大きなワンボックスの後の扉が横にスッと開いたのが分った。　　うん、　大丈夫だよ、　此れ、此れ、　さぁ、　此れに乗って、　黒岩は理恵子に先に乗るように促がしたのだ。　　理恵子は迷うまもなく其の車の中に乗ったのだった。　　えっ、　何、此れ、　凄い豪華だわ、理恵子は想像以上に車内が豪華な造りになっていた事に驚いたのだ。　　あぁ、　いいよ、　理恵ちゃん、　其処に座って、　黒岩は理恵子を豪華な椅子に座らせると運転席にいる男性に声をかけたのだった。　　お待たせ、　それじゃぁ、　お願いします、　黒岩の声に運転手はハイ、　それじゃぁ、出発します、　と軽く返事をしながらゆっくりとお寺の裏庭から車を走らせたのだった。　</p><p>　</p><br><p>　片桐源蔵　オリジナル作品</p>
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<pubDate>Mon, 10 Nov 2014 20:16:16 +0900</pubDate>
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<title>ＳＭ小説　　背徳の恥恋花</title>
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<![CDATA[ <p>　　<br></p><div align="center"><a href="http://stat.ameba.jp/user_images/20141102/00/oomanco/93/11/j/o0180013513116392371.jpg"><img border="0" alt="" src="https://stat.ameba.jp/user_images/20141102/00/oomanco/93/11/j/t01800135_0180013513116392371.jpg" width="180" height="135"></a> </div><p><br>　TVキャスター上杉理恵子　其の四</p><br><br><p>　我が偉大なるフランスの国民よ、　今こそ立ち上がる時です、　フランスは必ず勝利します、　私には神の声が聴こえたのです。　　　農村で生れた十七歳の若き乙女ジャンヌダルクがイギリス軍に侵されたフランスの国土を守る為に立ち上がった時、戦いに疲れた兵士達の前で叫んだ言葉だった。　フランス全土が陥落寸前の風前の灯の中、　ジャンヌは闘う気力を失くした兵士や打ちひしがれた農民市民の前で自ら傷を負いながらも国民を奮い立たせイギリス軍との闘いに勝利していったのだった。　</p><p>　勝気な性格の理恵子もそんなジャンヌの強い生き方に共感を得ていたのだろう。　しかしそんなジャンヌも捕虜になった後には凄まじい程の悲しき女の運命の最期を迎えるのであった。　理恵子はその地を訪ね、ジャンヌが炎に散った其の場所で歴史の果敢無さを感じるのであった。</p><p>　理恵子は嫌な思いを忘れるかのようにふっと眼を閉じてハイヤーが再び動き出すのを待ったのだ。　しかし暗い車内で眼を閉じた瞬間、　今でも忘れる事の出来ないあの時の悪魔の誘いが走馬灯のように込上げてくる事から遁れる事は出来なかったのだ。　　　理恵ちゃん、　理恵ちゃんはフランス文学に興味を持っていたんだね、　今、面白い演劇をやってるから良かったら一緒に観に行かないか、　前に理恵ちゃんが云っていたジャンヌダルクを題材にしたちょっと変わった彼女の受難の演劇なんだがね、　　</p><p>　そう囁いたのは理恵子がこの会社の入社試験の第三次試験で面接試験を担当した当時、報道局のディレクターをしていた黒岩だった。　　理恵子は四人の面接官の中にいた其の黒岩敬三に設問された時、　フランスへの留学経験やジャンヌダルクへの思いを熱く語っていたのだった。　　　この黒岩という男、　世間の情勢変化を読み取る先見性に優れていたのだろうか、彼が手がける番組はどれも評判が良かったのだ。　しかし其の裏では彼の隠れた性癖であるだろう所謂、女に対しての黒い噂は局内でも有名だったのである。　　　ジャンヌの受難を描いた演劇ですか？　　えぇ、　それは嬉しいですわ、　黒岩さん、覚えていて下さったんですね、　私がジャンヌを好きだった事、　　それなら私も喜んで観させて頂きたいですわ、　理恵子は入社して新人研修を終えた頃の十九年前のあの時、何の疑いも無く黒岩の悪魔の誘いを受けたのであった。　</p><p>　ナムキトパ　ナムキトパ　　美しく流れる愛の叙述詩にＴＶキャスター上杉理恵子は静かに落ち着きを取り戻したのだろうか、　暗闇の中で身体を微かに揺さぶるエンジンの振動音に身体が順応するように心地良く浅い眠りに憑くのであった。</p><p>　　</p><p>　　</p><p>　　片桐源蔵　オリジナル作品</p>
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<pubDate>Sun, 09 Nov 2014 19:29:30 +0900</pubDate>
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<title>ＳＭ小説　　背徳の恥恋花</title>
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<![CDATA[ <p><br></p><div align="center"><a href="http://stat.ameba.jp/user_images/20141102/00/oomanco/93/11/j/o0180013513116392371.jpg"><img border="0" alt="" src="https://stat.ameba.jp/user_images/20141102/00/oomanco/93/11/j/t01800135_0180013513116392371.jpg" width="180" height="135"></a> </div><p><br>　ＴＶキャスター　上杉理恵子　其の三</p><br><br><p>　そうだわ、　この道は環八につながる吉田街道だもの、　でもおかしいわ、　何故？　何故この道を通るのよ、　理恵子は外の景色に嫌な胸騒ぎを感じていた。　　この道が空港へはかなり大回りになる事は運転手だって知っているはずなのだ。　　何故かしら？　何故わざわざ大回りしてこの道を通るのかしら、　理恵子は運転手の後姿を見ながら思ったのだ。　　隣を見ると園田専務も窓から外の景色を見ているのが分った。　　しかし専務は何の疑問も何処を走っているのかも気にする様子はなかったのだ。　　何かしら？　何か他に途中で用事でもあるのかしら、　このまま真っ直ぐ行けば浅草に出てしまうもの、　ふう～ん、　駒形インターから高速に乗るのかしら、　理恵子は音楽よりも運転手が何を考えているのかその方が気になっていたのだ。　　アッ、　やっぱりそうだわ、　この道よ、　あの古い並木の切れた交差点を左に曲がれば、　　左側に大きなお寺があって、　其処を通り過ぎた処を右に廻れば、　理恵子はあの屈辱の後も幾度か訪れたこの変わらぬ古い並木道をハッキリ憶えていたのだった。　　あぁ、　本当にイヤだわ、　この道はイヤよ、　理恵子は其の交差点が眼の前に近づくに従って何故か心臓が高鳴るのを感じていたのだった。</p><p>　あぁ、　良かった、　眼の前に見える交差点の信号が青になっている事が理恵子にも見えていたからだ。　理恵子は一刻も早くこの見たくも無い運命の交差点を通り越して欲しいと思ったのだろう。　　</p><p>　あぁ、　　早く、早く、　早く走って、　理恵子は無意識に心の中で叫んでいたのだ。　　しかしハイヤーが進入しようとした瞬間信号は黄色に変わったのだ。　　運転手は其の瞬間を待っていたかのように何故かスーッと音も無くブレーキを踏んだのだった。　　理恵子はハイヤーが停止線の前の歩道を越えた処で止まった瞬間、何故か身体が小刻みに震えていることを感じていた。　　ふうっ　　何よ、　行けば良いのに、　本当にイヤな信号ね、　理恵子は諦めるように思った。</p><p>　あぁ、　早く信号、青にならないかしら、　イヤよ、　早く此処から離れたいわ、　　この場所を思い出したくない、　思い出したくないもの、　理恵子はそんな胸騒ぎがする中一番思い出したくない人物が心の中から現れるのを感じていたのだ。　　ジャンヌ　ダルク、　　そう、　このジャンヌダルクこそがこの場所で理恵子の運命を変えたのだから。　　　理恵子は左側の景色を避け右側の風に揺れる並木道を眺めながらも自分の運命を変えたフランスの若き英雄の名が避けても避けても心の奥底から想い浮んで来る事に堪えられない感情を抱くのだった。</p><p>　そんな理恵子がフランスに興味を抱いたのは中学生の頃だった。　当時の同級生の中ではフランスと云えばベルサイユのバラであってテニスのお蝶さんだったのだろう。　しかし智才で其の頃から外国文化に興味を抱いていた理恵子は何故か図書館で読んだジャンヌダルクの本で彼女の生き方に傾倒していったのだった。　勿論その時は日本語に訳されていた本を読んだのだが次第にフランス語の原本でこのジャンヌの物語を読みたいと思ったのが始まりだったのだ。　　大学二年の時、フランス大使館主催の外国人によるフランス弁論大会という催しで理恵子は見事優勝を果し夏休みを挟み二ヶ月もの間フランス留学を経験していたのだった。　　しかし其の時の経験がまさか今いるあの場所での汚辱の経験に繋がっていた事など当時は夢にも思わなかっただろう。　</p><p>　理恵子は其のフランス大使館の優勝への招きで二ヶ月の留学の権利を得たのである。　其の為フランス留学時、色々な美術館や博物館を無料で見学する事が出来たのだ。　　およそ六百年前ジャンヌが生きた頃のフランスの地方を訪ね歩く事も出来たのだった。　　またその間に二週間ほどイギリスにも滞在して当時のフランスとイギリスが争った所謂百年戦争の歴史を比較することも出来たのだった。　　　その中で理恵子にはとても信じられない発見がいくつも有ったのだろう、　中でも理恵子が驚愕したのは拷問に使われた当時の怖ろしい道具の数々だったのだ。　　フランスには歴史的に色々珍しい博物館が沢山あるが其の中には拷問の道具だけを展示している博物館も複数あったのだ。　　ジャンヌは捕虜になった時、女性であるがゆえに、また不当な裁判に堪える為に恥かしい思いに曝される事もあったのだろう。　理恵子は一人初めて見るおぞましい拷問の道具を眼の前にして其の当時ジャンヌが生きた時代の凄惨な歴史に思いを巡らせるのであった。　</p><p><br>　</p><p>　　片桐源蔵　オリジナル作品</p>
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<link>https://ameblo.jp/oomanco/entry-11949688690.html</link>
<pubDate>Sat, 08 Nov 2014 13:17:14 +0900</pubDate>
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<title>ＳＭ小説  　背徳の恥恋花</title>
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<![CDATA[ <p><br><a href="http://stat.ameba.jp/user_images/20141102/00/oomanco/93/11/j/o0180013513116392371.jpg"></a><br></p><div align="center"><a href="http://stat.ameba.jp/user_images/20141102/00/oomanco/93/11/j/o0180013513116392371.jpg"><img border="0" alt="" src="https://stat.ameba.jp/user_images/20141102/00/oomanco/93/11/j/t01800135_0180013513116392371.jpg" width="180" height="135"></a> </div><p><br><br>　ＴＶキャスター上杉理恵子　其の二</p><br><br><p>　あぁ、　専務、　お待たせ、　理恵子は先程スタジオで見せた傲慢な態度とはうって変わって専務の園田の姿を見た瞬間、朗らかな顔に変わっていた。　　あぁ、　いいよ、　さっきまで下のモニターで理恵ちゃんのニュースを見てたんだよ、　　上品なスーツ姿の園田も理恵子の姿を見て笑顔で軽く言葉を交わしたのだった。</p><p>専務、　それじゃぁ、今日のニュースを見てて気付きました？　あの議員会館からの中継、　参議院からの中継はいつも法案審議に時間がかかるから絶対ダメなのよね、　デスクもそんな事分ってるはずなのに、　片山さんもあの時無理して引っ張らずにすぐCMにいけば良かったのよ、　　そうすればエンディングに私のコメントも入れられたのに、　本当に今日は最悪だったわ、　せっかく昨日から政府のこの法案は酷すぎるってコメを考えていたのよ、　本当に台無しだわ、　　　理恵子はまた思い出したように今日のニュースの不手際の憂さ晴らしをするように園田に愚痴をぶつけていたのだった。</p><p>　　ハッ、ハッ、ハッ、　そんなにスタッフを怒っちゃだめだよ、　まぁ、　先に車に乗ってから話を聞こう、今の時間なら十分間に合うとは思うが早く行った方が良い、　　彼は一人だから何かあったら申し訳ないからな、　本当に理恵ちゃんはフランス語が分かるから助かるよ、　　興奮する理恵子を温厚で部下の信頼も厚い園田は促がすようにハイヤーに乗せたのだった。</p><p>あぁ、　運転手さん、　聞いてると思うが成田空港では一般道からじゃなく東側の特別進入路から入ってVIP専用出口の方に廻って下さいね、　　此れがその通行許可書ですから、　園田のそんな問いかけに、　いかにもベテランらしく落ち着いた声で運転手はハイ良く承っておりますのでと丁寧な言葉で応えたのだった。　　ドアが閉まった瞬間車内にはおそらく理恵子の身体から発散されただろう妖しい香水の匂いが園田の身体を刺激した。　　理恵ちゃん、　最近怒りっぽくなったね、　強い香水の刺激と４０代の女の身体から湧き出すような艶かしい女の匂いの中、園田は局内から聞こえてくる理恵子の噂話を話し出したのだ。　　運転手さん、　ちょっと音楽を掛けてくださるかしら、　音は少し大きめで良いですから、　理恵子は用心深い性格だったのだろう、　自分の噂話を運転手にも聞かれたくはなかったのだ。　　運転手は其の点も心得ているかのようにポップス調の会話が聞き取りにくい曲をわざわざ選んで流したのだった。</p><p>　有難う、運転手さん、　　理恵子は安心するかのように流れる音楽を確認しながら話し出したのだった。　専務、　だって最近本当に怒れることばかりなんですもの、　其れに新人アナの教育も全然なってないわ、　　本当に最近の新人さんは挨拶もちゃんと出来ないんですもの、　理恵子は先週研修を終えた新人アナウンサーの挨拶回りに遭遇した時の感想を話しながら怒りを専務にぶつけだしたのだ。　　</p><p>　あぁ、　そうか、　ふむっ、　そうだなぁ、　理恵ちゃんの気持も分るが、　　あぁ、　其れじゃぁ、丁度良かった、　そう云えば理恵ちゃんも聞いてるかな、　人事の話だよ、　理恵ちゃんに人事教育部の責任者になってもらおうって話、　どうなんだね、　理恵ちゃんに教育をしてもらえば会社としても大助かりなんだが、　園田は思い出したように理恵子の本心を問い質したのだ。　　えっ、　其の話、専務の処にも？　　　ふ～ん、　　理恵子はまた気分を悪くした口調に戻っていた。　　この話は昨年から人事部の山崎部長から何度も打診されていた話なのだった。　　理恵子が気分を悪くするのも当然だったのだ。　　　部長待遇でのこの話、形ばかりは栄転なのだが其れは十七年続けてきたメインキャスターの座を引退する事を意味していたのだから。　　専務、　私、其の話はきっぱり断っていますから、　山崎部長にもハッキリ云ったんですよ、　　私がこの番組を辞める時はこの会社を辞める時ですって！　　　本当に誰も分ってくれないんだから、　　園田も此処までハッキリ否定されると次の言葉も出てこなかったのだろう、　うなずくように外の景色を見ながら黙ってしまったのだった。</p><p>　暫く車内の会話は途切れポップス調の騒々しい音楽だけが鳴り響いていたのだった。</p><p>運転手さん、　有難う、　悪いけど今度はもう少し静かな曲をお願い出来るかしら、　理恵子はそんな嫌な雰囲気を掻き消すように静かな曲を要求して話題を変えたかったのだろう。　　理恵子自身も今この話が一番気になっていたからだ。　　　うふっ、　　この運転手さん、どんな曲を掛けてくださるのかしら、　　理恵子は耳を澄まして流れる曲を待ったのだ。　　　ええっ、？　　そっ、そんな、本当に、　　理恵子は驚いた、　　運転手が選んだ曲は理恵子が一番好きな曲、ナムキトパだったからだ。 　えっ、　本当に？　理恵子はグッと耳を澄まして聴き入った。　　やっぱりそうだわ、　理恵子は曲のイントロが流れた時すぐにこの曲が何かすぐ分ったのだ。</p><p>フランス語で、行かないで、　運転手がフランス語が堪能な理恵子のことを知っていてこの曲を掛けたのかは分らない。　しかし理恵子は嬉しかった。　　偶然かしら、　　理恵子の心の中にもこの曲があったのだ。　　理恵子はいつも局が手配するハイヤーには乗る前に運転手の顔を確認する事がよくあった。　知っている馴染みの運転手がよくいたからだ。　　しかし今日は時間に追われ、また専務との話しに夢中になり運転手の顔は見てなかったのだった。　　アラ、　私初めての運転手さんかしら、　理恵子は思った。　今迄馴染みの運転手でも音楽にこんなフランスのシャンソンを掛けてくれるような気の利いた運転手はいなかったからだ。　理恵子は興味深くそっと覗くように前を見たが其の運転手の顔は暗い車内の中でよく見れなかった。　　ふふっ、　なんて運転手さんかしら、　　まあいいわ、　　あぁ、　でも本当に素敵な曲だわ、　　理恵子は園田との会話をやめて外に映る夜景をみながら静かに美しく流れる愛の詩に聴き入ったのだった。</p><p>　ハイヤーは流れるように光に満ちた夜の街の中を走って行った。　　だが其の時だった。　　えっ、　まっ、まさかこの道は、　理恵子は外の街の景色を見て驚いた、　成田空港へ向かういつもの道ではなかったのだ。　しかも其の道は十九年前未だこのテレビ局に入社したばかりの自分の人生を大きく変えた思い出したくも無い屈辱のあの場所に向かって走っていたのだった。　　</p><br><br>　　片桐源蔵オリジナル作品
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<link>https://ameblo.jp/oomanco/entry-11947260985.html</link>
<pubDate>Mon, 03 Nov 2014 17:24:29 +0900</pubDate>
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<title>ＳＭ小説　　背徳の恥恋花</title>
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<![CDATA[ <p><br></p><div align="center"><a href="http://stat.ameba.jp/user_images/20141102/00/oomanco/93/11/j/o0180013513116392371.jpg"><img border="0" alt="" src="https://stat.ameba.jp/user_images/20141102/00/oomanco/93/11/j/o0180013513116392371.jpg"></a> </div><p><br>　</p><br><p>TVキャスター上杉理恵子　其の一</p><br><p>　</p><br><p>　お疲れ様、　はい、ご苦労さん、　ハ～イ　お疲れ、　関東NBCテレビの報道局　第一スタジオに今日も無事に報道ニュースの終了を告げる赤ランプの点滅と共にスタッフの軽い声が飛んでいた。</p><p>ハ～イ、　理恵ちゃん、　今日も良かったよ、　お疲れさん、　この報道番組のディレクターを務める細川良助の明るい声がメインキャスターを務める上杉理恵子に掛けられたのだ。　　ふうっ、　疲れるわね、　良ちゃん、　中継が遅れたからって最後、アレはダメでしょ！　中継の後は私のコメントで終わらせてって前から云ってるでしょ、　本当に分って無いんだから！　この日の上杉理恵子は何時もの様に気嫌が悪かった。</p><p>　上杉理恵子、４２歳独身、　日本外語大学フランス語学部を首席で卒業、　英語、フランス語が堪能で入社二年目にして報道番組のニュースキャスターとして異例の大抜擢をされたのである。　　美人だが冷たい表情でニュース原稿を殆ど見る事も無く堂々とした語り口調で視聴者を真っ直ぐ見つめるように話す姿勢が人気だったのである。　　だが最近はさすがに十七年もキャスターを務めるこの大ベテランのキャスターに交代の声があがっていたのだ。　　視聴率も年々下降線を辿り若いキャスターを望む視聴者の声やスポンサーの要求に理恵子はイライラが募っていたのだった。　　　この報道局のディレクターを務める同期入社の細川もそんな理恵子のわがままな態度に最近は悩まされていたのだ。　</p><p>　　良ちゃん、　お願いよ、　明日は最後私の時間を三分取って、　明日は時間が無かったなんて云わせないわよ、　視聴者も私のコメントを楽しみにしてるんだから、　　じゃぁ、　お願いね、　　あぁ、　そうだわ、　純ちゃん、　頼んであったハイヤーもう来てるかしら、 理恵子はクルッと振り返ってアシスタントの純子に声を掛けたのだ。　</p><p>ハ～イ、　大丈夫で～す、　地下の第二出口にもう来てますよ、　　園田専務も下で待ってらっしゃいますから、　　純子の声に理恵子は、　そう、有難う、　良ちゃん、　それじゃぁ、　もう私は行くからね、　本当に明日はお願いよ、　　背が高く自分のスタイルに自信を持っていた理恵子は何時ものウエストをキュッと締めつけたウーマンスーツに短いタイトスカート姿でスタジオを後にするのだった。</p><p>　</p><br><p><a href="http://blog.with2.net/" target="_blank"></a><a href="http://blog.with2.net/" target="_blank"><img alt="シーズンバナーサンプル（虹）" src="https://img-proxy.blog-video.jp/images?url=http%3A%2F%2Fblog.ameba.jp%2Fucs%2Fentry%2Fimg%2Fbr_banner_rainbow.gif" width="150" height="60"></a> 　　　　片桐源蔵オリジナル作品</p><br>
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<pubDate>Sat, 01 Nov 2014 21:31:32 +0900</pubDate>
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