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<title>osihomimiのブログ</title>
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<title>サンタクロース</title>
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<![CDATA[ <div>長らくブログから遠ざかっていた。</div><div>公私共に多忙であったことは事実だが、忙しさにかまけるとはこのことなのだろう。</div><div>自分自身、なんだかもうどうでもいいや！と何事に対してもある意味無気力になっていたことは否めない。</div><div>&nbsp;</div><div>このブログで以前ずっと書き溜めていた私小説「美津子」にかなり大幅に加筆して、推敲を加え、最終的には約300ページを越す中編小説になり、この１１月で完了した。身の程知らずではあるが、来年の新人賞にでも応募してみようと思っている。</div><div>&lt;p style="width:400px;background:#ccc;font-size:68.7%;text-align:center;margin-bottom:0px;padding:2px 0;"&gt;&lt;a href="<a href="http://p-amateras.com/" target="_blank">http://p-amateras.com/</a>" style="color:#ec0000;"&gt;プロジェクト・アマテラス&lt;/a&gt;&lt;/p&gt;&lt;iframe width="400" height="200" src="<a href="http://p-amateras.com/text/7553/frame" target="_blank">http://p-amateras.com/text/7553/frame</a>" scrolling="no"frameborder="0"&gt;&lt;/iframe&gt;</div><div>&nbsp;</div><div>もしよかったら一度読んでみてください。</div><div>&nbsp;</div><div>夕べ、直也とご飯を食べているときに、テレビでサンタクロースのふるさと”フィンランド”を訪ねる企画をやっていた。</div><div>直也は今年、支援高校の２年生。</div><div>ついこの間までは、サンタクロースの存在を本気で信じていた、びっくりするぐらい真っ白な心の持ち主なのだ。</div><div>昨年も、お伊勢さんをお参りして、ご祈祷をしてもらったのだが、その神主さんがあげる祝詞を神妙な面持ちで聞きながら、小さな声で僕にこう聞いた。</div><div>「父ちゃん、あの棚（お供え物満載の大きな神棚）の向こうに、神さまがいてはるの？」</div><div>「うん、いてはるよ。」　</div><div>僕は真剣な眼差しの直也に頷きながらそう答えた。しかしながら、荘厳な雰囲気ではあったが、そこに神様が居ることを意識してはいなかったのだと気付かされたのだ。</div><div>そして夕べ、サンタクロースのことを直也に聞いてみた。</div><div>いくらなんでももう信じてはいないだろうと・・・・</div><div>「なあ、なおちん、サンタさんはもうなおちんのところへは来なくなったんやね？」</div><div>「もう、来えへんやろ。サンタさんが来るのは子供のときだけやで。」</div><div>うーん微妙な言い回しをする。そこで僕は確信に触れる質問をした。</div><div>「なあ、なおちん、お前、サンタさんがいるって思ってる？」</div><div>本当はこの質問をすることにはかなりの抵抗があった。</div><div>もし信じているなら、それを否定しかねない質問になるからだ。</div><div>すると直也はこう言った。</div><div>「え？ウソなんやろ？」</div><div>やっぱりもうさすがに１７歳ともなったら信じているわけはないのだ。ちょっとがっかりしたのだが・・・・。</div><div>でも次の直也の言葉は、僕を感動させるには十分だった。</div><div>&nbsp;</div><div>「ウソなんやろ！空を飛んで来るっていうのは、ありえへん・・・。」</div><div>&nbsp;</div><div>どうか、いつまでもこの真っ白なまま、ピュアなままで、いて下さい。</div><div>僕は神様に願った。</div>
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<link>https://ameblo.jp/osihomimi/entry-12484134774.html</link>
<pubDate>Thu, 13 Dec 2012 10:59:22 +0900</pubDate>
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<title>離れないで</title>
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<![CDATA[ <div>僕には２人の子供がいる。<br>どちらも男の子で、上が高１、下が小6。<br>上の子の名前は尚哉。下の子は亮太と言う。<br>どちらも元気一杯。もちろん今の子らしく、どちらもゲームに夢中だ。</div><div>でもうちはほかの家とは少し違う。<br>１０年前に、ある事情で僕たち夫婦は離婚した。<br>そして、当時５歳だった尚哉は、父親の僕が引き取り、１歳だった亮太は母親が引き取った。<br>つまり、この兄弟は、生まれたときからお互いほとんど別々に暮らしているのだ。<br>でも交流がないわけではなく、月に一度か２ヶ月に一度、亮太がうちに遊びに来る。<br>これもその別れた事情の一つなのだが、兄の尚哉は、発達障害がある。<br>別れた頃の尚哉の障害の程度は重く、まだ乳飲み子だった亮太と２人を母一人で育てることは不可能だった。<br>今では尚哉の障害も徐々に軽くなって、人とのコミュニケーションも普通とはいかないが、まあ何とか取れるまでに成長した。</div><div>亮太がうちに遊びに来たがる理由は、ずばり、尚哉とゲームで遊ぶことができるからだ。<br>僕に会いたいから来るのではないと思うと少し淋しい気はするが、それでも顔を見せてくれるだけで僕は満足だった。<br>尚哉は小さな頃からすごくテレビゲームが好きだった。<br>それは尚哉の持つ障害の傾向で、一つの物事に信じられないほど集中できるということも理由の一つなのだろう。<br>注意しなければ、飽きずにいつまでもいつまでもやっている。<br>そのせいか、今までやって来た数々のゲームはほとんど最後までクリアしてしまった。<br>ここ数年は、ｗｉｉや、ＰＳなどの、所謂、コンシューマーゲームというやつには少し飽きてしまったようで、もっぱらオンラインゲームに夢中だ。<br>今やっているのは、ネクソンから配給されている、メイプルストーリーという、まあ子供や学生などの若者を対象としたオンラインゲームだ。<br>横スクロールのＲＰＧアクションゲームで、最初見たとき、なんとなくマリオ？という気はしていたけれど、子供たちが楽しいのならそれもありなのかと思った。<br>亮太がうちに遊びに来たとき、尚哉がパソコンのモニターに向かって一生懸命遊んでいるメイプルを後ろで食い入るように見つめていた。<br>でも亮太は、まだ小さくて、大勢の人が参加して遊ぶオンラインゲームは、少し難しい。<br>大勢の人が参加しているということは、それなりのマナーを守らなければならないし、実生活と同じようにモラルも存在している（と思う）。<br>もちろんキーボードも打つことはできないから会話もできない。<br>ここらへんがオンラインの敷居の高さなのだろう。</div><div>「お父さん・・・」<br>亮太が炊事していた僕のそばにやって来て、何か言いたそうにしていた。<br>「ん？どうした？」<br>「・・・・・・」<br>この子は、小さい子供ながら、僕に遠慮しているのだ。<br>きっと母から強く言われているのだろう。「お父さんのところへ行ったら、おとなしくしていなさい」と。<br>「ゲームしたいの？」<br>さりげなく聞いてみた。<br>「・・・・・・・」<br>亮太は何も答えないけれど、明らかに表情が、そうだよっ！って言ってるのがわかった。<br>そこで僕は、尚哉の部屋へ亮太といっしょに行って、尚哉に頼んでみた。<br>「おーい、尚哉、亮太にそれちょっとやらせてあげてくれないかなぁ？」<br>「えー、亮太は無理だよ。だって、キーボード打てないから。」<br>「打てなくてもゲームするぐらいはできるでしょ？な、やらせてあげてよ。」<br>「おれのキャラ使われるのは嫌だよ。」<br>「うーん、じゃあ、新しく作ってあげてよ。」<br>「無理！おれのＩＤ使わせたくない」<br>「そうか・・・」<br>僕は、変に納得して、ここらへんがやっぱりオンラインゲームのオンラインゲームたる所以だなあと思った。<br>亮太は今にも泣きそうな顔だ。<br>「よし、じゃあお父さんが亮太に新しくＩＤ取ってあげるよ。それならできるでしょ？」<br>「それなら、まあ・・・。」<br>いま一つ納得し難いような尚哉を尻目に、僕は自分のＰＣでネクソンのサイトに繋いでさっそくＩＤを取った。<br>「尚哉、これでできるでしょ？亮太にキャラ作ってやってよ。」<br>「うんわかった。」渋々ながらも尚哉は亮太に新しいキャラを作ってくれた。<br>「尚哉、ありがとうな。」<br>「設定はしてあげるけど、あとは一人でやってね。」</div><div>亮太が母の下へ帰って数日たった夜のことだった。<br>突然尚哉が僕のところへやって来てこう言った。<br>「とーさん！亮太がいる！」<br>「？」<br>「メイプルに亮太がいる！」<br>「え？ほんとか？」<br>「うん。おれが作ったキャラだから間違いないよ。」<br>「それで何か話しした？」<br>「ううん。だって亮太キーボード打てないから。でもずっとおれのあとをついてくるから間違いないよ。」<br>「そうか。仲良く遊んでやってな。」<br>「うん。狩りに連れて行ってやった。亮太は何もしゃべらないけど、おれが狩ってるとこでいっしょに狩りしたよ。」</div><div>それを聞いて僕は嬉しくなった。<br>離れていても、ちゃんとお兄ちゃんといっしょにいることができるんだ。<br>ゲームってこんなこともできるんだな。<br>きっと亮太の後ろにいる母も、同じ思いに違いない。<br>僕は・・・ちょっと泣きそうになってしまった。</div><div><br>&nbsp;</div>
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<link>https://ameblo.jp/osihomimi/entry-12484134771.html</link>
<pubDate>Thu, 30 Aug 2012 13:09:51 +0900</pubDate>
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<title>バスを待つ子</title>
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<![CDATA[ <div>「え？幽霊？ああ、見えるよ。普通に。」<br>「え？別に、怖くはないよ。あんた、道歩いてて、前から来た人を見たら怖いかい？駅のホームで電車を待ってる人を見たら怖いと感じるかい？」<br>「そうさ、最初っから何の違和感もなく、普通にそこに居るんだから。」<br>「生まれて物心付いたときにはすでに見えていたら、それが当たり前だって思うだろう？」<br>「例えばさ、例のＵＭＡってやつね。雪男だとかネッシーだとか、あれだって未確認だから不思議なんだけど、確認されたら動物図鑑に一種類増えるだけだろう？それとおんなじだよ。」<br>「だから何も怖がったりする必要はないのさ。」<br>「認めてしまえば恐怖はなくなる。“死”も同じことが言えるんだよ。」</div><div><br>2006年1月2日　午後11時30分　　母が死んだ。<br>昼間に見たときには、眠ったままで、ずっとうわ言を言っていた。<br>「もう、ええんよ。もう、ええんよ。」と。<br>彼女はいったい何に許しを請うていたのだろう。今となってはわからない。<br>ただ、臨終のあと、主治医の先生がこんなことを言っていた。<br>「たぶん、体と心が、死を受け入れる準備をしていたのでしょう。」<br>わたしは、その医者の言葉がどうも引っかかっていた。<br>「死の受け入れ。」<br>では受け入れなければどうなる？<br>体は認めても、心がそれを認めなければどうなる？<br>街で見かける幽霊たちは、認めなかった人たち？<br>自分の死を認めないとはどういうことなのか？<br>例えば、ある死刑囚の男がいたとする。<br>そしていよいよその刑が執行されるときに、その男は全身全霊を持ってその刑に抵抗したとする。<br>もちろん、どんなに抵抗したところで、死から逃れることはおそらく不可能だろう。<br>では、その男は、自分の死を認めなかったのか？と言えば、そうではない。<br>彼は、やがてその肉体に死が訪れることを知っていたのだ。だからこそ、それに対して抵抗したに違いない。<br>つまり、自分の死を予想して認めていたことになる。<br>認めた時点で、この世に残ることはおそらく不可能なのではないだろうか？<br>自分は死ぬのだ。死ぬかもしれない。と死を予感したときに、完全な死がやって来るに違いない。</div><div>&nbsp;</div><div>　<br>　バスを待つ子</div><div>&nbsp;</div><div>あ、今日もやっぱり居る。<br>いつものことなので、別段、わたしは何も驚くこともない。<br>毎日通勤で通る大通りの交差点付近にあるバス停に、いつもうずくまっている小さな男の子がいた。<br>彼はどうもこの世の人ではないらしい。<br>わたしが車窓からその姿を認めると、彼はすぐに消えてしまう。<br>わざわざ隠れなくてもいいのに。わかっているのに。なぜ隠れるのだろう。<br>実は隠れるのは、その子に限ったことではない。<br>「あ、あそこにいる。」と、わたしがその存在に一瞬で気付くと、霊たちはすぐに居なくなってしまう。<br>「やばい！見つかった！」と言わんばかりに、気付かれたことがわかると誰もが、すぐに消えてしまうのだ。<br>そんなときにわたしは心の中で思っている。「わかっていますよ。そこに居ることはね・・・。全部お見通し。」とね。<br>わたしは、その男の子をあまりに何度も見かけるので、どうも放って置けなくなってしまい、少し調べることにした。<br>そして、その街の警察の交通課へ足を運んでみると、予想通りのことが判明した。<br>七年前、暴走運転した車が、バスを待つ人の列に突っ込んだのだ。<br>その時、犠牲者は二人いて、一人は、中年の女性。<br>彼女は、事故直後にはまだ意識もあり、搬送先の病院で家族の見守る中で息を引き取ったらしい。<br>しかし、その小さな男の子は、乗用車の直撃を受けて心臓破裂の即死だった。<br>自分が死んだことさえわからないのだ。<br>つまり、死を認めていないのだ。だから、そこでずっとバスを待ち続けているに違いなかった。<br>わたしは気の毒に思い、差し出がましいようだが、その子のご遺族にそのことを知らせてあげることにした。<br>ご遺族は、母と姉の二人だった。父は早くに離婚してしまって今はいっしょに暮らしていないとのことだった。<br>わたしの突然の訪問を受けて、その家族の方はさぞや驚かれたろうと思いきや、そうではなかった。<br>何度もお墓にお参りに行ったにもかかわらず、毎晩のようにその子の夢を見ていたのだそうだ。<br>「あの、こちらのお宅にも、もちろんお墓にも、その子は、いませんよ。」<br>と、わたしが教えてあげると、心から納得したように、「やっぱりそうでしたか。どうも毎晩夢枕に立つので何か言いたいことがあるのではないかとずっと思っておりました。」と言うことだったので、早速その二人のご遺族とわたしはそのバス停を訪れることにした。</div><div>現地を訪れると、やはり男の子はずっとそこに座っていた。<br>母と姉がそのバス停まで行ったとき、その子は少し微笑んだような顔になり、そのまますーっと消えたかと思ったら、その姉が急にわんわん泣き出したのだ。<br>母が、そのわんわん泣く姉に向かって、「○○ちゃん、ゴメンな、ゴメンな、長い間、気が付かなくてほんとにゴメンな。お母ちゃん許してな。さあうちに帰ろう。」と言うと、姉は泣き止み、大きな声で「お母ちゃんごめん、心配かけてごめん。」そう言って二人で抱き合った。<br>これであの子はきっと自分の死を認めて受け入れることができたはずだ。<br>その日以来、わたしは、そのバス停で男の子の姿を見ることはなかった。<br></div>
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<link>https://ameblo.jp/osihomimi/entry-12484134768.html</link>
<pubDate>Mon, 23 Jul 2012 10:58:02 +0900</pubDate>
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<title>涙のわけ</title>
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<![CDATA[ <div>ファミリーツリーという映画を観た。</div><div>映画の感想は、ヤフー映画にでもお任せすることにして、あくまでも自分のことを綴ってみることにする。</div><div>&nbsp;</div><div>最愛の奥さんが事故で瀕死の状態になってしまう。</div><div>仕事一筋で家庭のことはすべて奥さんにまかせっきりだったダメダメ親父（ジョージクルーニー）は、こうなって初めて今までのことを振り返って反省する。</div><div>しかしその時にはもうすでに手遅れで、奥さんは亡くなってしまう。</div><div>旦那さんが奥さんとの別れのシーンで、周りからすすり泣く声が聞こえた。</div><div>でも、最近とても涙もろくなってしまったはずの僕は、このシーンでは何も感じなかった。</div><div>そうか、ここが泣かせるシーンなのか、と冷静に考えた。</div><div>でも・・・人の死、が僕には悲しくないのだろうか？</div><div>これは映画だからかとも考えた。では、身内の死ならば？愛する人の死ならば？</div><div>もう二度と会えなくなると考えたら？</div><div>悲しい。</div><div>けど、泣かないかもしれない。</div><div>ただもう会うことはできないという事実にひどく落ち込んで心痛めるに違いない。</div><div>でもきっと涙は流さないかもしれない。</div><div>涙なしで、深く悲しみ、そしてそれを受け入れるに違いない。</div><div>僕の涙点は、やっぱり人と少しずれているのかもしれない。</div><div>では僕の涙腺が決壊するのは？</div><div>それは人が人を思う熱い気持ち。</div><div>人が人を許すやさしい気持ち。</div><div>人が人を求める強い気持ち。</div><div>たぶん、命のあるなしにかかわらず、僕の心を激しく揺らすのは、気持ちや思いなのだろう。</div><div>この映画で唯一泣きそうになったシーンがあった。</div><div>それは、瀕死の重傷で亡くなりつつあるクルーニーの奥さんが、実は事故する前に不倫をしていた。</div><div>それは自分の娘すらも周知の事実だったのに、まったく家庭を顧みないクルーニーは知らなかった。</div><div>その不倫相手には奥さんがいて、奥さんは、病院に旦那の不倫相手であるクルーニーの奥さんに会いに来る。</div><div>きっとその奥さんは自分の旦那とクルーニー奥さんに対してすさまじい怒りと憎しみを感じていたはずだ。</div><div>死ぬ前にひと目会って悪態の一つでもつくのかと思ったが、それは違った。</div><div>ベッドに横たわった瀕死の奥さんに対して、まるで苦しい自分の心を搾り出すようにこう言ったんだ。</div><div>&nbsp;</div><div>「・・・・・・・あなたを許します。」</div><div>ここで僕はぐっと来てしまった。</div><div>それを言うために飛行機で遠路はるばるやって来たのだ。</div><div>&nbsp;</div><div>人の生き死にではない。人の思いが僕の心の扉を叩くんだろう。そんな風に思った。</div><div>　</div><div align="center"><iframe src="https://www.youtube.com/embed/etSWmoqTxaE" width="480" height="295"></iframe></div><div></div><div>&nbsp;</div><div>&nbsp;</div><div>&nbsp;</div><div>&nbsp;</div><div>&nbsp;</div><div>&nbsp;</div><div>&nbsp;</div><div>&nbsp;</div>
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<pubDate>Fri, 25 May 2012 15:31:00 +0900</pubDate>
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<title>あの頃の直也とサヴァン症候群　2</title>
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<![CDATA[ <div>&nbsp;</div><div>「カードの読み方に自信がなくなってきてん。満足のいく鑑定ができへん・・・」</div><div>お店に勤め始めて５年。名前も少しずつ売れ始め、お店でも常に５位以内にランキングされている好美がここ最近嘆いている。どうも壁に突き当たったようだ。</div><div>おそらく勤続５年といえば、プロの占い師としてはまだまだ駆け出しなのだと思う。</div><div>５年やそこらで、有頂天になって世間を見たような気になるよりも、遥かに素晴らしい傾向だと思うのだが、本人にとっては死活問題に違いない。</div><div>別の見方をすれば、お店に勤める以前から、占いには大変興味を持ち、幾度となく他人の鑑定をしてきたのだろうけれど、プロとして、きちんと代金を頂いて鑑定するようになって５年たち、ようやく、真剣なプロ意識に目覚めてきたと言うことなのかもしれない。</div><div>しかし、そんなことを好美に言って諭したところで、元々が重度のうつ病持ちの好美にとっては何の励ましにもならない。僕はすっかり困ってしまった。</div><div>&nbsp;</div><div>そこでまず、その好美の自信喪失の状況について分析してみることにした。</div><div>するとだんだんとその仕組みがわかって来た。</div><div>どんなときに満足のいく鑑定ができて、どんなときに自信のない結果となってしまうのか？</div><div>それは・・・・・・・・・</div><div>満足のいく鑑定のできるときは、相対的に、鬱の状態がもっとも酷く、いちばん苦しいとき。</div><div>おそらく、お客様と話すことすら難しいような状態のとき。</div><div>その苦しいどん底の状態でカードを切る。</div><div>カードを切るその手もたどたどしく、何度も手からカードをこぼしてしまうような状態なのだが、いざカードを読み始めると、人智を超えた、まるで何かが降りて来たように、すらすらと言葉が口から出て来るのだ。</div><div>そういうときの読みは、心の奥底にまで鋭く届くようで、受け手も自然に感情が高ぶることが多いのだそうだ。</div><div>そして逆に、頓服薬などで鬱状態を抑えると、不安は消え、意識は明瞭になり、言動行動は、とてもしっかりした状態になるが、いざ鑑定となると、まるで頭が真っ白になったように何も浮かんで来ない。</div><div>しかし、何も浮かばないからと言って鑑定しないわけにはいかないので、在り来たりの、本に載っているような読み方しかできず、とても不本意な結果となってしまう。</div><div>&nbsp;</div><div>これは、あれだ！</div><div>直也や遼太の時と同じではないか？</div><div>つまり、情緒の著しく不安定な時、その感覚は常識では考えられないぐらいに研ぎ澄まされているのだ。</div><div>そういえば、よく好美が調子の悪いとき、「音が耳に突き刺さるような気がする」と言っていた。</div><div>鬱病は、自閉症的な脳疾患とは違うかもしれないが、情緒の不安定ということでは変わらない。</div><div>最近、処方が変わり、投薬の量がさらに増えたということだ。つまり、抗鬱剤が増えたのだ。</div><div>だから以前ほど不安はないらしい。その点では、僕はとても楽にはなったのだが、インスピレーションもそれに比例して弱くなってしまったようだ。</div><div>社会的にちゃんと生活できる体を取るか、人智を超えた才覚を取るか。</div><div>そこそこというところがない。まったくない。</div><div>今僕は、好美の「自信がないねん、どうしたらいい？」の問いに対して、一生懸命切磋琢磨の努力を惜しむなという在り来たりのアドバイスしかできないでいる。</div><div>さてどうしたものか。困ったものだ・・・・・</div><div>&nbsp;</div><div>&nbsp;</div><div>&nbsp;</div><div>&nbsp;</div><div>&nbsp;</div><div>&nbsp;</div><div>&nbsp;</div><div>&nbsp;</div><div>&nbsp;</div><div>&nbsp;</div><div>&nbsp;</div>
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<link>https://ameblo.jp/osihomimi/entry-12484134762.html</link>
<pubDate>Tue, 03 Apr 2012 17:39:16 +0900</pubDate>
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<title>あのころの直也とサヴァン症候群</title>
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<![CDATA[ <div class="MsoNormal" style="MARGIN:0mm 0mm 0pt;TEXT-ALIGN:left;" align="left"><span style="COLOR:black;"><font size="2">先日、直也と遼太と僕の三人でいつもの回転寿司の店に行ったときのことだ。</font></span></div> <div class="MsoNormal" style="MARGIN:0mm 0mm 0pt;TEXT-ALIGN:left;" align="left"><span style="COLOR:black;"><font size="2">食べ盛りの男の子は、食べる量も半端ではない。</font></span></div> <div class="MsoNormal" style="MARGIN:0mm 0mm 0pt;TEXT-ALIGN:left;" align="left"><span style="COLOR:black;"><font size="2">見ていて気持ちのいいぐらいに食べること食べること。</font></span></div> <div class="MsoNormal" style="MARGIN:0mm 0mm 0pt;TEXT-ALIGN:left;" align="left"><span style="COLOR:black;"><font size="2">僅か３０分ぐらいで、あっという間にテーブルの上にはお皿が積み上げられていた。</font></span></div> <div class="MsoNormal" style="MARGIN:0mm 0mm 0pt;TEXT-ALIGN:left;" align="left"><span style="COLOR:black;"><font size="2">それでもう食べられないぐらい食べたところでお勘定となった。</font></span></div> <div class="MsoNormal" style="MARGIN:0mm 0mm 0pt;TEXT-ALIGN:left;" align="left"><span style="COLOR:black;"><font size="2">精算ボタンを押すとすぐに係りの人がやって来て食べたお皿の数を読み出したときのことだった。</font></span></div> <div class="MsoNormal" style="MARGIN:0mm 0mm 0pt;TEXT-ALIGN:left;" align="left"><span style="COLOR:black;"><font size="2">遼太が、目の前の皿の山をちらっと見遣り、小声でぼそっと言った。</font></span></div> <div class="MsoNormal" style="MARGIN:0mm 0mm 0pt;TEXT-ALIGN:left;" align="left"><span style="COLOR:black;"><font size="2">「３５枚や・・・」</font></span></div> <div class="MsoNormal" style="MARGIN:0mm 0mm 0pt;TEXT-ALIGN:left;" align="left"><span style="COLOR:black;"><font size="2">すると、しばらくして、数を読み終えた店の人が言った。</font></span></div> <div class="MsoNormal" style="MARGIN:0mm 0mm 0pt;TEXT-ALIGN:left;" align="left"><span style="COLOR:black;"><font size="2">「寿司皿が３５枚と小鉢が３つ、その他・・・」</font></span></div> <div class="MsoNormal" style="MARGIN:0mm 0mm 0pt;TEXT-ALIGN:left;" align="left"><span style="COLOR:black;"><font size="2">僕は目と耳を疑った。</font></span></div> <div class="MsoNormal" style="MARGIN:0mm 0mm 0pt;TEXT-ALIGN:left;" align="left"><span style="COLOR:black;"><font size="2">目の前には４列に分けて積み上げられたお皿の山。</font></span></div> <div class="MsoNormal" style="MARGIN:0mm 0mm 0pt;TEXT-ALIGN:left;" align="left"><span style="COLOR:black;"><font size="2">昔、とても小さな直也が、車の助手席で、横の高層ビルの階数を一瞬で言い当てたことがあったが、</font></span></div> <div class="MsoNormal" style="MARGIN:0mm 0mm 0pt;TEXT-ALIGN:left;" align="left"><span style="COLOR:black;"><font size="2">やはりこの子もなのだ！</font></span></div> <div class="MsoNormal" style="MARGIN:0mm 0mm 0pt;TEXT-ALIGN:left;" align="left"><span style="COLOR:black;"><font size="2">「サヴァン症候群」</font></span></div> <div class="MsoNormal" style="MARGIN:0mm 0mm 0pt;TEXT-ALIGN:left;" align="left"><span style="COLOR:black;"><font size="2">しっかりとその血に刻まれているのだ。</font></span></div> <div class="MsoNormal" style="MARGIN:0mm 0mm 0pt;TEXT-ALIGN:left;" align="left"><span style="COLOR:black;"><font size="2">&nbsp;</font></span></div> <div class="MsoNormal" style="MARGIN:0mm 0mm 0pt;TEXT-ALIGN:left;" align="left"><span style="COLOR:black;"><font size="2">幼い頃の直也は、とても手のつけられない重度の自閉症だった。</font></span></div> <div class="MsoNormal" style="MARGIN:0mm 0mm 0pt;TEXT-ALIGN:left;" align="left"><span style="COLOR:black;"><font size="2">きっと外界から入ってくる刺激のすべてをその小さな体で受け止めていたに違いない。</font></span></div> <div class="MsoNormal" style="MARGIN:0mm 0mm 0pt;TEXT-ALIGN:left;" align="left"><span style="COLOR:black;"><font size="2">人間の目は、通常、見ようと思えば個人差はあるが、大体１８０度ぐらいまで認識できると言われている。でも普通は必要なところしか見えないようになっている。</font></span></div> <div class="MsoNormal" style="MARGIN:0mm 0mm 0pt;TEXT-ALIGN:left;" align="left"><span style="COLOR:black;"><font size="2">というか、横を見ようとすれば前が見えない。だから危ない。脳は安全第一主義だ。</font></span></div> <div class="MsoNormal" style="MARGIN:0mm 0mm 0pt;TEXT-ALIGN:left;" align="left"><span style="COLOR:black;"><font size="2">身を危険にさらしてまで横の景色を認識することはない。</font></span></div> <div class="MsoNormal" style="MARGIN:0mm 0mm 0pt;TEXT-ALIGN:left;" align="left"><span style="COLOR:black;"><font size="2">直也は幼い頃、両手をよく顔の横でひらひらさせていた。</font></span></div> <div class="MsoNormal" style="MARGIN:0mm 0mm 0pt;TEXT-ALIGN:left;" align="left"><span style="COLOR:black;"><font size="2">なぜいつも両手を顔の横でひらひらさせていたのかずっと疑問だった。</font></span></div> <div class="MsoNormal" style="MARGIN:0mm 0mm 0pt;TEXT-ALIGN:left;" align="left"><span style="COLOR:black;"><font size="2">答えはここにあった。真横の景色を掌をひらひらさせることによって見ないようにしていたのだ。</font></span></div> <div class="MsoNormal" style="MARGIN:0mm 0mm 0pt;TEXT-ALIGN:left;" align="left"><span style="COLOR:black;"><font size="2">そんなことも知らずに、僕はその直也の奇怪な動作を見るたびに、嫌がる直也の両手を掴んで無理に下に下ろさせていたのだ。それはどんなに苦痛だったことだろう。</font></span></div> <div class="MsoNormal" style="MARGIN:0mm 0mm 0pt;TEXT-ALIGN:left;" align="left"><span style="COLOR:black;"><font size="2">&nbsp;</font></span></div> <div class="MsoNormal" style="MARGIN:0mm 0mm 0pt;TEXT-ALIGN:left;" align="left"><span style="COLOR:black;"><font size="2">また、巷にはいろいろな音が溢れかえっている。</font></span></div> <div class="MsoNormal" style="MARGIN:0mm 0mm 0pt;TEXT-ALIGN:left;" align="left"><span style="COLOR:black;"><font size="2">けれど僕たち健常者には、必要な音と不必要な音を選別する能力が備わっている。</font></span></div> <div class="MsoNormal" style="MARGIN:0mm 0mm 0pt;TEXT-ALIGN:left;" align="left"><span style="COLOR:black;"><font size="2">それは能力と呼べば呼べないことはないが、ただ単に脳が不必要な音を切り捨てているだけだ。</font></span></div> <div class="MsoNormal" style="MARGIN:0mm 0mm 0pt;TEXT-ALIGN:left;" align="left"><span style="COLOR:black;"><font size="2">雑踏の中で誰かの話声を指向性のないマイクを使って録音した経験はないだろうか？後で聞き返してみればよくわかるが、風の音や、たくさんの人のざわめき、車の音などさまざまな音源で溢れ返っていて肝心の会話がよく録れていなかったりする。</font></span></div> <div class="MsoNormal" style="MARGIN:0mm 0mm 0pt;TEXT-ALIGN:left;" align="left"><span style="COLOR:black;"><font size="2">このいろいろな音の洪水の世界こそが直也たちの置かれている聴覚の状況だったのだ。</font></span></div> <div class="MsoNormal" style="MARGIN:0mm 0mm 0pt;TEXT-ALIGN:left;" align="left"><span style="COLOR:black;"><font size="2">&nbsp;</font></span></div> <div class="MsoNormal" style="MARGIN:0mm 0mm 0pt;TEXT-ALIGN:left;" align="left"><span style="COLOR:black;"><font size="2">たとえば夜静まり返った部屋で、時計のカチカチ音がとても気になって眠れないというようなことがある。普段は気にも留めていないのに、気にし出すとどうしようもなく気になってしまう。</font></span></div> <div class="MsoNormal" style="MARGIN:0mm 0mm 0pt;TEXT-ALIGN:left;" align="left"><span style="COLOR:black;"><font size="2">音は音として確かにそこに存在しているのに、普段僕たちは、その音を音として認識していないから気にならないのだ。</font></span></div> <div class="MsoNormal" style="MARGIN:0mm 0mm 0pt;TEXT-ALIGN:left;" align="left"><span style="COLOR:black;"><font size="2">普通は、耳を澄ましたり、目を凝らしたりと、故意に感覚を研ぎ澄ますことによってのみ認識することができるのだが、直也を含め、脳に何らかの疾患や障害がある人は、その感覚が常に100％の状態なのだと思う。</font></span></div> <div class="MsoNormal" style="MARGIN:0mm 0mm 0pt;TEXT-ALIGN:left;" align="left"><span style="COLOR:black;"><font size="2">耳から入ってくるすべての音を逃さず聞こうとし、目から入ってくるすべてのものを正確に見ようとする。</font></span></div> <div class="MsoNormal" style="MARGIN:0mm 0mm 0pt;TEXT-ALIGN:left;" align="left"><span style="COLOR:black;"><font size="2">これではすぐに脳はパンクしてしまうに違いない。</font></span></div> <div class="MsoNormal" style="MARGIN:0mm 0mm 0pt;TEXT-ALIGN:left;" align="left"><span style="COLOR:black;"><font size="2">&nbsp;</font></span></div> <div class="MsoNormal" style="MARGIN:0mm 0mm 0pt;TEXT-ALIGN:left;" align="left"><span style="COLOR:black;"><font size="2">ではなぜ感覚の敏感な時と鈍感な時があるのだろう。</font></span></div> <div class="MsoNormal" style="MARGIN:0mm 0mm 0pt;TEXT-ALIGN:left;" align="left"><span style="COLOR:black;"><font size="2">僕は脳の専門家でもなければ精神科医でもないので、ここからは僕の今までの経験上の推測になるが、それは、感情、つまり情緒の安定、不安定に密接に関係しているように感じた。</font></span></div> <div class="MsoNormal" style="MARGIN:0mm 0mm 0pt;TEXT-ALIGN:left;" align="left"><span style="COLOR:black;"><font size="2">幼い頃の直也は、いつも大変に情緒不安定な状態だった。</font></span></div> <div class="MsoNormal" style="MARGIN:0mm 0mm 0pt;TEXT-ALIGN:left;" align="left"><font size="2"><span style="COLOR:black;">日常社会を生きるためにはこの情緒不安定というのはとても厄介なお荷物だったのだが、</span><span style="COLOR:black;"><font face="Century">&nbsp;</font></span><span style="COLOR:black;">マイナス面ばかりではない。時として、その研ぎ澄まされた感覚は、人間離れした能力を発揮する。</span></font></div> <div class="MsoNormal" style="MARGIN:0mm 0mm 0pt;TEXT-ALIGN:left;" align="left"><span style="COLOR:black;"><font size="2">それをうまく活用できれば良いのだが、社会生活と奇跡の力を天秤に掛けたとき、悲しいかな、その答えはもう出てしまっているのが今のこの国の現状だと思った。</font></span></div> <div class="MsoNormal" style="MARGIN:0mm 0mm 0pt;TEXT-ALIGN:left;" align="left"><span style="COLOR:black;"><font size="2">大きくなるにつれ、その鋭利さはどんどん鈍化して行き、そして最後にはどこにでもいるような平凡な人間になってしまうのだ。</font></span></div> <div class="MsoNormal" style="MARGIN:0mm 0mm 0pt;TEXT-ALIGN:left;" align="left"><span style="COLOR:black;"><font size="2">一瞬で皿の数を読むより、ゆっくりで良いから、お客さんとちゃんと会話ができて、その皿をきれいに洗う能力が求められている。</font></span></div> <div class="MsoNormal" style="MARGIN:0mm 0mm 0pt;TEXT-ALIGN:left;" align="left"><span style="COLOR:black;"><font size="2">直也を小さな頃から知っている介護ペルパーさんが、言った。</font></span></div> <div class="MsoNormal" style="MARGIN:0mm 0mm 0pt;TEXT-ALIGN:left;" align="left"><span style="COLOR:black;"><font size="2">「直也、おもしろくなくなったなあ・・・」</font></span></div> <div class="MsoNormal" style="MARGIN:0mm 0mm 0pt;TEXT-ALIGN:left;" align="left"><span style="COLOR:black;"><font size="2">確かにそうかもしれないなと思った。</font></span></div> <div class="MsoNormal" style="MARGIN:0mm 0mm 0pt;TEXT-ALIGN:left;" align="left"><span style="COLOR:black;"><font size="2">最近、学校で描く絵は、昔に比べてずいぶん上手になったが、確かにうまくなったけれど、どこかで見たような絵だ。</font></span></div> <div class="MsoNormal" style="MARGIN:0mm 0mm 0pt;TEXT-ALIGN:left;" align="left"><span style="COLOR:black;"><font size="2">昔の直也の絵には、とても強い個性が感じられた。がんがんと訴えて来るような強烈な個性があった。</font></span></div> <div class="MsoNormal" style="MARGIN:0mm 0mm 0pt;TEXT-ALIGN:left;" align="left"><span style="COLOR:black;"><font size="2">できるなら、我侭かもしれないが、この個性をずっと持ち続けてほしいと思った。</font></span></div> <div class="MsoNormal" style="MARGIN:0mm 0mm 0pt;TEXT-ALIGN:left;" align="left"><span style="COLOR:black;"><font size="2">&nbsp;</font></span></div> <div class="MsoNormal" style="MARGIN:0mm 0mm 0pt;TEXT-ALIGN:left;" align="left"><span style="COLOR:black;"><font size="2">　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　続く</font></span></div>
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<pubDate>Mon, 02 Apr 2012 16:50:58 +0900</pubDate>
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<title>好美の大好きなお話</title>
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<![CDATA[ <div><font size="4"></font>&nbsp;</div><div><font size="2">何度もお話ししてって言われるしばちゃんのお話です。</font></div><div><font size="2">すこしやさしい気持ちになれるかな。</font></div><div><font size="2"></font>&nbsp;</div><div><font size="2"></font>&nbsp;</div><div><font size="2"></font>&nbsp;</div><div><font size="4"></font>&nbsp;</div><div><font size="4">　豆柴のしばちゃん</font></div><div><font size="4"></font>&nbsp;</div><div style="TEXT-ALIGN:left;MARGIN:0mm 0mm 0pt;" class="MsoNormal" align="left"><span style="FONT-FAMILY:'MS UI Gothic';FONT-SIZE:12pt;">豆柴のしばちゃんはちっこくて、人間たちは、しばちゃんを見つけると、大人も子供もみんなが必ず、しばちゃんの顔をひっぱったりつねったり、一様にもみくちゃにして遊んでいました。</span><span style="FONT-SIZE:12pt;" lang="EN-US"></span></div> <div style="TEXT-ALIGN:left;MARGIN:0mm 0mm 0pt;" class="MsoNormal" align="left"><span style="FONT-FAMILY:'MS UI Gothic';FONT-SIZE:12pt;">しばちゃんはそれがとっても嫌で嫌でたまりませんでしたが、元々気が弱くて、ちっこい柴犬のしばちゃんには大きな人間相手ではどうすることもできませんでした。</span><span style="FONT-SIZE:12pt;" lang="EN-US"></span></div> <div style="TEXT-ALIGN:left;MARGIN:0mm 0mm 0pt;" class="MsoNormal" align="left"><span style="FONT-FAMILY:'MS UI Gothic';FONT-SIZE:12pt;">それに遊んでいる人間だって、みんなしばちゃんが憎くてやっているわけではありません。それはしばちゃんもよーくわかっていて、しかたなくされるがままになっていました。</span><span style="FONT-SIZE:12pt;" lang="EN-US"></span></div> <div style="TEXT-ALIGN:left;MARGIN:0mm 0mm 0pt;" class="MsoNormal" align="left"><span style="FONT-FAMILY:'MS UI Gothic';FONT-SIZE:12pt;"></span>&nbsp;</div><div style="TEXT-ALIGN:left;MARGIN:0mm 0mm 0pt;" class="MsoNormal" align="left"><span style="FONT-FAMILY:'MS UI Gothic';FONT-SIZE:12pt;">ところが、ある日、近所に大きくてちょっとこわもてのブルドックのブルおじさんが引っ越して来ました。</span><span style="FONT-SIZE:12pt;" lang="EN-US"></span></div> <div style="TEXT-ALIGN:left;MARGIN:0mm 0mm 0pt;" class="MsoNormal" align="left"><span style="FONT-FAMILY:'MS UI Gothic';FONT-SIZE:12pt;">ブルおじさんは、本当はとっても優しい犬だったのですが、ブルおじさんを見た人間たちは、みんな口をそろえて「まあなんて恐そうな犬かしら」とその姿に恐れおののいて近付こうともしませんでした。</span><span style="FONT-SIZE:12pt;" lang="EN-US"></span></div> <div style="TEXT-ALIGN:left;MARGIN:0mm 0mm 0pt;" class="MsoNormal" align="left"><span style="FONT-FAMILY:'MS UI Gothic';FONT-SIZE:12pt;">それを見たしばちゃんは、ブルおじさんのところへ相談に行きました。</span><span style="FONT-SIZE:12pt;" lang="EN-US"></span></div> <div style="TEXT-ALIGN:left;MARGIN:0mm 0mm 0pt;" class="MsoNormal" align="left"><span style="FONT-FAMILY:'MS UI Gothic';FONT-SIZE:12pt;">「ブルおじさん、あのね、ぼくね、いっつも人間たちにくちゃくちゃにされて遊ばれているんだ。ほんとはそれすごく嫌なんだけど、ぼくはこんなにちっちゃくて、コロコロしたぬいぐるみみたいな体だから、やめてって言ってもぜんぜんやめてくれないんだ。</span><span style="FONT-FAMILY:'MS UI Gothic';FONT-SIZE:12pt;">どうしたらくちゃくちゃするのをやめてもらえるのかな？」</span><span style="FONT-SIZE:12pt;" lang="EN-US"></span></div> <div style="TEXT-ALIGN:left;MARGIN:0mm 0mm 0pt;" class="MsoNormal" align="left"><span style="FONT-FAMILY:'MS UI Gothic';FONT-SIZE:12pt;">そう言うと、こわもての心優しいブルおじさんは、じっとしばちゃんの方を見つめてこう言いました。</span><span style="FONT-SIZE:12pt;" lang="EN-US"></span></div> <div style="TEXT-ALIGN:left;MARGIN:0mm 0mm 0pt;" class="MsoNormal" align="left"><span style="FONT-FAMILY:'MS UI Gothic';FONT-SIZE:12pt;">「本当は君は、人間たちにかまってもらって嬉しいんだろ？でもどうしても嫌だっていうのなら・・・・」</span><span style="FONT-SIZE:12pt;" lang="EN-US"></span></div> <div style="TEXT-ALIGN:left;MARGIN:0mm 0mm 0pt;" class="MsoNormal" align="left"><span style="FONT-FAMILY:'MS UI Gothic';FONT-SIZE:12pt;">「うん、嫌だっていうのなら？」</span><span style="FONT-SIZE:12pt;" lang="EN-US"></span></div> <div style="TEXT-ALIGN:left;MARGIN:0mm 0mm 0pt;" class="MsoNormal" align="left"><span style="FONT-SIZE:12pt;" lang="EN-US">&nbsp;</span></div> <div style="TEXT-ALIGN:left;MARGIN:0mm 0mm 0pt;" class="MsoNormal" align="left"><span style="FONT-FAMILY:'MS UI Gothic';FONT-SIZE:12pt;">「一度だけ本気で噛みついてみたらどうかな。」</span></div><div style="TEXT-ALIGN:left;MARGIN:0mm 0mm 0pt;" class="MsoNormal" align="left"><span style="FONT-FAMILY:'MS UI Gothic';FONT-SIZE:12pt;"></span>&nbsp;</div><div style="TEXT-ALIGN:left;MARGIN:0mm 0mm 0pt;" class="MsoNormal" align="left"><span style="FONT-FAMILY:'MS UI Gothic';FONT-SIZE:12pt;">しばちゃんはそれが正しい答えだとわかったけれど、少しだけ悲しいような気持ちになりました。</span><span style="FONT-SIZE:12pt;" lang="EN-US"></span></div> <div style="TEXT-ALIGN:left;MARGIN:0mm 0mm 0pt;" class="MsoNormal" align="left"><span style="FONT-FAMILY:'MS UI Gothic';FONT-SIZE:12pt;">ブルおじさん、ごめんね。ぼく、わがままなワンコだったよ。</span></div><div style="TEXT-ALIGN:left;MARGIN:0mm 0mm 0pt;" class="MsoNormal" align="left"><span style="FONT-FAMILY:'MS UI Gothic';FONT-SIZE:12pt;">人がかまってくれることは、本当は素敵なことなんだよね。</span></div><div style="TEXT-ALIGN:left;MARGIN:0mm 0mm 0pt;" class="MsoNormal" align="left"><span style="FONT-FAMILY:'MS UI Gothic';FONT-SIZE:12pt;">なのにぼくったら、そのことに感謝もせずに、ブルおじさんのさみしい気持ちもわかっていなかったね。</span></div><div style="TEXT-ALIGN:left;MARGIN:0mm 0mm 0pt;" class="MsoNormal" align="left"><span style="FONT-FAMILY:'MS UI Gothic';FONT-SIZE:12pt;">ブルおじさんは何も言わず、やさしくしばちゃんを見ていました。</span></div><div style="TEXT-ALIGN:left;MARGIN:0mm 0mm 0pt;" class="MsoNormal" align="left"><span style="FONT-FAMILY:'MS UI Gothic';FONT-SIZE:12pt;"></span>&nbsp;</div><div style="TEXT-ALIGN:left;MARGIN:0mm 0mm 0pt;" class="MsoNormal" align="left"><span style="FONT-FAMILY:'MS UI Gothic';FONT-SIZE:12pt;"></span><span style="FONT-FAMILY:'MS UI Gothic';FONT-SIZE:12pt;" lang="EN-US"> &nbsp;</span></div> <div>&nbsp;</div>
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<pubDate>Sun, 05 Feb 2012 15:04:25 +0900</pubDate>
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<title>破滅的な愛？</title>
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<![CDATA[ <div>&nbsp;</div><div>&nbsp;</div><div>「僕がこの世界からいなくなっても、悲しいのは最初のうちだけで、すぐにそれに慣れるよ。」</div><div>&nbsp;</div><div>好美は今にも泣きそうな顔をしてじっと僕の方を見ていた。</div><div>&nbsp;</div><div>「いいかい？最初の二、三年は、思い出してきっと涙するかもしれない。けど、人間はそんなに弱い生き物ではないよ。自分たちの人生をしっかり生きていかなければならないから、たまにふっと思い出すこともあるだろうが、いつまでもいなくなった人間に思いを馳せたりはしないものだよ。」</div><div>&nbsp;</div><div>ついに好美のつぶらな瞳から大粒の涙がこぼれ、そして好美は、大きくかぶりを振りながらこう言った。</div><div>&nbsp;</div><div>「天津さんがここにいてるから、みんな幸せなんや・・・天津さんの存在が、わたしの、幸せでいられる条件なんや。そんなこと言うたらあかん。それはあまりに勝手すぎるよ・・・」</div><div>&nbsp;</div><div>&nbsp;</div><div>今、僕にはどんなことをしてでも守り抜かなければならない大切な人が四人いる。</div><div>この四人が幸せな人生をおくれるのなら、僕はこの命さえ惜しいとは思わない。</div><div>この四人がこの先も苦労することなく、幸せに暮らせるなら、僕はいつ死んだってかまわない。</div><div>というより、もし神様がいて、僕と取り引きをしてくださるなら、いや、この場合は悪魔かもしれないが、僕は喜んでこの命を捧げよう。</div><div>僕の死を悼んでしばらくの間は悲しい思いをさせてしまうかもしれない。</div><div>けれど、それは数年であって、その後の何十年もの残りの人生の方がはるかに長く、その数年の悲しみと引き換えに何十年も幸せに暮らせるなら、それは僕の最大の望みだと思った。</div><div>それは、自分の親とか、身内が死んでしまったときのことを思い出せばわかる。</div><div>確かにいなくなってしまったときは、絶望の淵にあるような気がするかもしれない。</div><div>その心の痛みは決してなくなることはないかもしれないが、徐々にその痛みに慣れてくる。</div><div>薄情と言われるかもしれないが、人間はそういう風に作られている。</div><div>人間の能力の中でもっとも素晴らしいことは、忘れることだと聞いたことがある。</div><div>&nbsp;</div><div>「僕は、もう何も思い残すことはないよ。好美と出逢えて、最上級の幸福を味わったよ。たぶん、ほかのどの人の数多とある人生よりもずっと幸せだったと思える自信がある。それぐらい素晴らしいものを君は僕に与えてくれた。これ以上高望みしたらバチが当ってしまうよ。だから、もういいんだよ。」</div><div>&nbsp;</div><div>僕は多額の生命保険に加入しており、もし死んでしまったら、この保険金で、今現在経営しているマンションの住宅ローンを一気に返済することができる。返済し終われば、後はその家賃収入で、残された家族たちは悠々と暮らしていけるはずだ。だから逝くなら、保険の契約期間内でなければならない。</div><div>それまで、あと八年ある。僕の望みは叶うのだろうか？</div><div>体の不調を好美に訴えると必ず病院へ行ってと言われるのだが、僕はまだ病院には行くつもりはない。</div><div>会社の検診でピロリ菌を保菌していることが判明したけれど、除染なんかしてやるものか。</div><div>こんな破滅的な考えをする僕は、間違っているのだろうか？</div><div>&nbsp;</div><div>「天津さん、まるで生きる望みをなくしてしまったみたい・・・・その四人といっしょに幸せになりたいって思わへんの？」　好美が呟く。</div><div>&nbsp;</div><div>「思うよ。もちろん。けど、それは贅沢ってものやろ。そんなに何もかも手に入るはずもないし、入れたらあかんて思うんや。」</div><div>&nbsp;</div><div>「やっぱりそれは、奥さんに遠慮してるんとちゃうの？」</div><div>&nbsp;</div><div>そうかもしれない。罪を償いたいだけかもしれない。一生僕は、自分を許せないから。</div><div>&nbsp;</div><div>「四人て誰なん？」</div><div>&nbsp;</div><div>「好美ちゃん、なおちん、遼太くん、そして、・・・・」</div><div>&nbsp;</div><div>「やっぱり。逃げたいんやね？罪悪感から。もう一人の自分から。ずるいよ・・・わたしを置いて行ったらいやや！ひとりにせんといて！お願いやから。わたし天津さんおらへんかったらどうしていいかわかれへんようになる。」</div><div>&nbsp;</div><div>「わかった。もう言わない。ごめんな。」</div><div>&nbsp;</div><div>そう言ったときに、僕は母が臨終のときに、まるで何かに憑かれたように　「もうええねん、もうええねん」</div><div>と何度もうわ言を言っていたことを思い出した。</div><div>母もやはり自分自身を許せなかったに違いない。</div><div>本妻と子供たちから父を奪い去ったことに対する罪悪感は、今際の際まで母を支配していたに違いない。</div><div>最期の瞬間までその呪縛から解き放たれることはなかったのだ。</div><div>&nbsp;</div><div>しあわせに・・・なりたいなあ・・・・それは思ってはいけないことなのかもしれないけれど、</div><div>だからこそ、好美と子供たちと、子供たちの母親には、心から幸せになってほしい。</div><div>心からそれを祈っているんだ。それが僕の、僕自身の幸せだと思うから。</div><div>免罪と言われてもいい。</div><div>そんな人生であってもいいのではないだろうか。</div><div>&nbsp;</div><div>&nbsp;</div><div>&nbsp;</div><div>&nbsp;</div><div>&nbsp;</div><div>&nbsp;</div><div>&nbsp;</div><div>&nbsp;</div><div>&nbsp;</div><div>&nbsp;</div>
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<pubDate>Thu, 02 Feb 2012 18:39:38 +0900</pubDate>
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<title>しあわせってなんでしょう</title>
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<![CDATA[ <div>&nbsp;</div><div>１月２２日（日曜日）</div><div>&nbsp;</div><div>今日も好美はうちにはいなかった。</div><div>夕べ占いの仕事を終えていつもの別宅の方へ・・・</div><div>この状況にはもう慣れてしまって、逆に自分の時間をゆっくりできるので、これもまあ良いかと思う。</div><div>&nbsp;</div><div>長年来のお付き合いのある女性が言った。</div><div>彼女ももう５０を越えているのに未だ独り身だった。</div><div>でも十年以上もお付き合いしている相手はいるようだ。</div><div>&nbsp;</div><div>「わたしね、若い頃はいつもいつも彼といっしょに居たいと思ったけれど、最近ではそうでもないの。</div><div>自分のね、自分だけの時間を持てることがすごく大切な気がして。</div><div>だから今はこれでいいと思っているわ。実際これが二人の良い関係が永く続く理由じゃないのかな？」</div><div>&nbsp;</div><div>夫婦とか、男と女とかね、もうすっかり吹っ切れてしまって、随分と達観しているように思えた。</div><div>彼女も昔は、ＤＶとか浮気とか男が作った借金とかで随分と辛酸を舐めてきたようだ。</div><div>でも今の彼氏とは程よい距離を取りつつ、程よい関係にあるようだ。</div><div>大人の関係。ふっとそんな言葉が浮かんで来た。</div><div>&nbsp;</div><div>さて今日は、独りだし、これといった予定もないので久しぶりにお一人様映画鑑賞と行こう。</div><div>そう思っていつもの映画館へ足を運んで、さてこれから館内へ、と言うときに、携帯が鳴った。</div><div>ふと携帯に目をやると、そこにはいつもの「好美」の表示だった。</div><div>慌てて僕は電話に出ると、彼女の淋しそうな声が聞こえた。</div><div>&nbsp;</div><div>「あんな、今日な、彼氏さん仕事で出かけてて独りやねん・・・・」</div><div>「そうなん？いつ帰って来はんのん？」</div><div>「わからへん、遅くなるみたいで、不安やからいっしょにおってほしいねん・・・」</div><div>&nbsp;</div><div>少し前なら、こんなとき僕は慌てて彼女を迎えに駆けつけたものだ。</div><div>けれど最近は少し様子が変わって来た。</div><div>&nbsp;</div><div>「あーごめんな、今、天王寺やねん。今から映画観るんや。そのあとは、中学の同窓会が夕方６時半からあるんや。」</div><div>「そうなん・・・？」</div><div>とてもがっかりしたトーンの声が返って来た。</div><div>「うん、また今度、観たいって言ってたロボジー観よな！」　</div><div>それで話しは終わりだった。</div><div>後ろ髪引かれる思いだったけれど、少しずつ、本当に少しずつこの思いにも慣れて来ているのがわかった。</div><div>好美は、この”慣れ”に、決して慣れることはないだろうと思う。</div><div>僕の心が鈍感になりつつあるだけかもしれない。彼女の心は今でも、いや、以前よりももっと僕への思いは研ぎ澄まされてきているのかもしれない。</div><div>「だんだん天津さんが遠くへ行ってしまうような気がする・・・・」</div><div>この言葉にそれは込められているに違いなかった。</div><div>&nbsp;</div><div>僕は強くなったのだろうか？人に優しく自分に厳しくが僕の生き方だと思っていたが、それは真逆のことなのではなかろうか・・・・</div><div>しかしながら、好美を大切に思う気持ちに一片の曇りもない。それは断言できる。</div><div>今でも自分の命と引き換えにしても良いから、幸せになってほしいと思う人だ。</div><div>&nbsp;</div><div>そして映画を観た。</div><div>「三丁目の夕日６４」</div><div>和む内容だ。このシリーズも３作目となり、まだまだ続きそうな気がした。絶対に不幸な終わり方をしないことがわかる映画は、今やとても心地良い。寅さんとか釣りバカとか、もっとベタのところで水戸黄門とか、途中、お約束の範囲で少し不安な要素を盛り込んでいるものの決して観ている人を裏切らない。</div><div>その中で鈴木オート社長（堤真一）とその嫁（薬師丸ひろ子）との夫婦のこんな会話があった。</div><div>「大切な人といっしょに居られることはこの世で一番幸せなこと。」</div><div>そして売れない小説家茶川夫婦。駄目な夫、茶川（吉岡）を信じて大きなお腹を抱えながら働く嫁（小雪）が、</div><div>貧乏に喘ぎながらも言ったセリフ。「わたしは、（あなたといっしょに暮らせて）幸せよ。」</div><div>そして、宅間先生（三浦）が言ったセリフ。「幸せっていったいなんでしょうなあ・・・・」</div><div>どんなに文明が発達して、物が世の中に溢れ返って、便利になったとしても、今の方がずっと精神的に貧しいような気がした。きっとそのことを言いたかったに違いない。</div><div>やっぱり大切な人といっしょに居たい。</div><div>&nbsp;</div><div>映画を観終わって、僕は、予定していた同窓会にキャンセルの電話を入れた。</div><div>そしてその手ですぐに好美にリダイヤルした。</div><div>だが、「こちらはａｕです・・・・」のアナウンス。遅かったか・・・・まあ仕方ない。</div><div>そう思ったときにすぐに携帯が鳴る。</div><div>パネルには「好美」の表示が。</div><div>「もしもし、どうしたん？」　電話の向こうでやさしい声が聞こえる。</div><div>「いや、同窓会、なんか行く気がせえへんねん。今どこにおるん？」</div><div>「そうなん？ほんならそっち行ってもええの？」</div><div>「うん、あとから観たいって言ってたロボジーでも観に行こうかと思って・・・・」</div><div>本当は淋しくなって電話したのだけれど僕はうまく言うことができなかった。</div><div>今日は、映画２本立てになった。けれど、やっぱり、嬉しかった。</div><div>&nbsp;</div><div>&nbsp;</div><div>&nbsp;</div>
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<link>https://ameblo.jp/osihomimi/entry-12484134753.html</link>
<pubDate>Mon, 23 Jan 2012 14:44:19 +0900</pubDate>
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<title>恒例のＵＳＪにて</title>
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<![CDATA[ <div align="center"><img src="https://stat.ameba.jp/user_images/20190621/14/osihomimi/4a/d0/j/o0640048014475156319.jpg" alt="イメージ 1" class="popup_img_640_480" height="420" width="560"></div><div>&nbsp;</div><div><div>１２月４日（日）　恒例のＵＳＪにて</div><div>僕は、もう何年もクリスマスのＵＳＪに子供たちといっしょに出かけているのだが、今年はＵＳＪも１０thアニバーサリーということで、あのきれいだったツリーもリニューアルされていた。</div><div>&nbsp;</div><div>今年のツリーはなんでもギネス級ということで、中央の大きなラグーン（人工池）の真ん中に特設ステージを作って、ツリー点灯にあわせてとってもロマンティックなショーを開催していた。</div><div>そのショーの内容は、クリスマスイヴの夜に、ある恋人どうしが、聖なるクリスマスの木のところまで暗い森を抜けて、手に手を取ってたどり着けるか？そしてたどり着いたら、クリスマスの妖精が二人を祝福して永遠の愛を誓った証としてツリーのイルミネーション点灯が行われるという、すごくベタな展開なのですが・・・</div><div>&nbsp;</div><div>「暗いわ～ＸＸ（名前忘れた）どこにいるの？」</div><div>「大丈夫だよＯＯ、僕はここにいるよ！」　　　　　・・・・とか言うようなお約束の展開です。</div><div>まあクリスマスらしくて良いです。が・・・・子供たちはどう受け止めたんだろう。</div><div>&nbsp;</div><div>まだ明るい内から、ラグーン前の広場はすでに大勢のショーを待つ人たちが陣取って座り込んでいた。</div><div>最前列はおそらくお昼過ぎから待っているんじゃないだろうか。どっから持って来たの？というような厚手の毛布にくるまって、南極越冬隊員もびっくりな完全態勢！</div><div>僕たちも、例に違わず、前から２０列目ぐらいに早々と座り込んでその時を待つことにした。</div><div>午後５時過ぎに席を確保して３０分も経たぬまに、あれよあれよと僕たちの後ろには、観客たちの列がずらり。</div><div>これは移動なんてできない。トイレすら行けない状況。</div><div>しかも当然のことながら、日中でも寒波の影響で寒いのに、日が暮れて、尚一層、その寒さはしんしんと身にしみるわけで。僕は、子供たちが風邪を引かないかとても心配だった。</div><div>この寒い中、こんなにたくさんの人々が我慢強く待っている。すごいなあと思う。</div><div>&nbsp;</div><div>さて、僕たち親子三人の前に二組の観客が座っていた。</div><div>一組は若いカップル。彼氏の膝の上に彼女を座らせて後ろから彼女を抱え込むような格好で座っていた。そこだけ薄いピンクのハートに包まれているように見えた。なんかムカつく。きっと周りの人みんなが思っているに違いない。そして、よく見ると、なんと彼氏は正座しているのだ。正座の膝の上に彼女を座らせている！ずっと長い時間この態勢で座っている彼氏の並々ならぬ努力！江戸時代の石抱きの刑ですか！と突っ込みを入れたくなってしまった。失礼な言い方だが、そんなにかわいいという女性でもないように思ったが、すごいな、これが愛の力なのか！まあ僕もそこを通って来たので人のことは言えないのだが。</div><div>そしてその隣に陣取っている親子４人の家族連れらしきグループ。</div><div>夫婦らしき３０代半ばぐらいの男女に、その子供らしき、３～５歳ぐらいの二人の女の子。</div><div>その母親は、どうも精神的にすごく疲れているように見えた。</div><div>父親はずっと黙り込んでとても機嫌が悪そうだ。</div><div>子供だから仕方ないとは思うけれど、さっきからずっと、寒いとか、トイレに行きたいとか、ねえまだ～？とか散々我侭言っては二人の親を悩ませている。大人ならば、ショーを見るために耐えられるかもしれないが、小さな子供にはそれはちょっと無理だろうと思う。こんな寒い劣悪な状況の中に、こんな子供たちを連れて来て、きっと子供たちにとっては良かれと思ったその算段が、思いっきり自己満足だったとわかったときのあの深いあきらめと後悔の表情が、二人の親にありありと見て取れる。お気の毒だ。</div><div>その二組を見て思ったこと。「ビフォア、アフター」　ああこのカップルもあと数年したら、きっと石抱きの刑には服すことはなくなるはずだ。人生の機微がちょっとだけ見て取れた気がした。</div><div>そのことを、帰って会社のいつもの同僚に話したら、こう言われた。</div><div>&nbsp;</div><div>「違う違う。その二組は、ビフォアビフォア、そして君んとこが、アフターやろ！？」</div><div>それ、落ちにならないよ！きついひと言だった。</div><div>&nbsp;</div></div>
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<link>https://ameblo.jp/osihomimi/entry-12484134750.html</link>
<pubDate>Wed, 28 Dec 2011 15:21:48 +0900</pubDate>
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