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<title>奇妙な出来事日記</title>
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<description>今思うとあれは一体なんだったのか。。というお話。実話＆誰かに聞いたお話。</description>
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<title>ことりの墓</title>
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<![CDATA[ <p>&nbsp;</p><p>&nbsp;</p><p>　&nbsp; &nbsp; &nbsp; &nbsp; &nbsp; &nbsp; &nbsp; &nbsp; &nbsp; &nbsp; &nbsp; &nbsp; &nbsp; &nbsp; &nbsp; &nbsp; &nbsp;&nbsp; &nbsp; &nbsp; &nbsp; &nbsp; &nbsp; &nbsp; &nbsp; &nbsp; &nbsp; &nbsp;&nbsp;<span style="font-size:1.4em;"><a href="https://stat.ameba.jp/user_images/20220812/14/pipin04jp/59/b1/j/o0762067015159531329.jpg"><img alt="" height="193" src="https://stat.ameba.jp/user_images/20220812/14/pipin04jp/59/b1/j/o0762067015159531329.jpg" width="220"></a></span>　　　　　　　　　　　　　　　　</p><p><span style="font-size:1.4em;">ことりの墓</span></p><p>&nbsp;</p><p>私が通っていた幼稚園は、その当時は園バスがなく、朝の登園と帰りは親が園まで直接来ていた。</p><p><br>帰る時間になると、教室で帰りのあいさつやら歌やらをうたい、いっせいに園庭に出ていく。</p><p>お母さんたちは、だいたいその時間になると園庭に集まっていて、飛び出してきた自分の子と手を繋いで家路につき、</p><p>まだお迎えが来ていない子は、そのまま園庭で遊んで待っていた。</p><p><br>私の母は働いていたので早めに来て待っているということはほとんどなく、帰りの時間はかなり長く園庭で遊んでいた。</p><p>子どもは何時間でも遊んでいたい生き物なので、早くお迎えが来てしまった子にはいつも羨ましがられていた。</p><p><br>&nbsp;</p><p>&nbsp;</p><p>そんなある日、いつものように母のお迎えを待ちながら、何人かで｢宝探し〜｣と言いながら</p><p>木の枝を持ってあちこちつついて園庭の隅を歩き回っていた。</p><p><br>敷地の隅の、じめっとした陽の当たらない茂みの中にそれはあった。</p><p>一見、カチカチになったボロ雑巾のようで、近づいてよく見ると、それは鳥の死骸だった。</p><p><br>雀でも鳩でもカラスでもなかったと思う。大きさは雀と鳩の中間ぐらい。</p><p>死んでからかなり時間が経ったらしく、色は灰色なのか、元々は白だったのか分からない状態だった。</p><p><br>私たちはしばらく観察した後、お墓を作って埋めることにしました。</p><p>どこに埋めようかと話し合っていた時、担任の先生が教室の前から大声で私を呼ぶのが聞こえた。</p><p>母も一緒で、母は私が見つからないので先生に聞いたようだった。</p><p>私は先生と母の所に走って行き、鳥のお墓を作るから待っていて、と言った。<br><br>でも、母は仕事を中断して迎えに来ていたので急いでおり、｢いいから帰るよ。カバン持ってきて。｣と言った。</p><p>先生も、お母さんが待ってるから早くしなさい、と言うので、私は2人を説得するために、急いで鳥の所まで走って行き、</p><p>それをつかんで2人の所へ持って行った。</p><p>&nbsp;</p><p>まだ若い先生はキャーー！っとものすごい叫び声を上げ、母も後ずさりして2人から同時に｢元のところに捨ててきなさい！｣と怒られた。</p><p>その剣幕がすごかったので、私は仕方なく鳥の死骸を持ったまま、また元の茂みの所に戻った。</p><p>さっき一緒にいた子たちはもう帰ったのか誰もいなくなり、私は1人でそっと茂みの中に戻し、</p><p>悪い男の子たちに見つからないように隠した。</p><p>そして、母たちのところに戻り、外の手洗い場に連れていかれて散々手を洗われて帰った。</p><p>&nbsp;</p><p>&nbsp;</p><p>&nbsp;</p><p>帰り道、うちの隣に住む小学２年生のテルヨちゃんに会った。</p><p>テルヨちゃんも下校途中だったので、一緒に家に向かって歩きながら、私は彼女にさっきの話をした。</p><p><br>｢すごくボロボロで可哀想な鳥だったんだよ。お墓作ってあげたかったのに〜。｣</p><p>と、テルヨちゃんに愚痴りながら家の前の路地に入った時、テルヨちゃんが、</p><p><br>｢あれ？〇〇ちゃん(私)ちの前に何かあるよ。｣と言った。</p><p><br>2人で私の家の前にかけよると、玄関のドアのすぐ下に、さっき幼稚園の園庭に置いてきた鳥の死骸があった。</p><p><br>&nbsp;</p><p>&nbsp;</p><p>これは絶対に、間違いなく、別の鳥ではない。</p><p>大きさ、汚れて雑巾のようになった色、ひしゃげた形、ほぼ朽ちた目玉、</p><p>幼稚園の園庭で見つけた時、細部までしげしげと見つめたあの鳥そのものだった。</p><p>ほんの10分程前に私が手のひらに乗せて、｢ごめんね。｣と言いながら茂みに戻した鳥だった。</p><p>&nbsp;</p><p>それはまるで、誰かがお届け物を持って来て、留守だったから、すぐ分かるように玄関の下にそっと置いたようにそこにあった。</p><p><br>&nbsp;</p><p>私はパニックになり、母に<br>｢さっきの鳥！！！さっきお庭に置いてきた鳥が先に家に着いてる！｣と大騒ぎをした。</p><p>母はろくに見もしないで<br>｢やだ、また鳥？！草っ原のとこに捨ててきて！｣と言った。私は必死で</p><p>｢これはさっき幼稚園にいた鳥だよっ。ついてきちゃったんだよ。｣と言ったが母は聞いてくれず、</p><p>しかたなくテルヨちゃんと一緒に家のすぐ前の空き地のすみに置いた。</p><p>手に乗せた感じも、大きさも軽さも何もかも、さっきの鳥と同じだった。</p><p>さっきまでの「可哀そう」という気持ちはどこかに吹っ飛び、正直、気持ち悪さと恐ろしさでいっぱいだった。</p><p>取りつかれたんじゃないかと思った。</p><p><br>&nbsp;</p><p>そして母に、あの鳥の死骸は私が幼稚園で見つけたのと全く同じで、あの鳥がお墓を作ってほしくてついてきたんじゃないかと力説した。</p><p><br>&nbsp;</p><p>しかし母は全く信じず、ただ<br>｢そんな事があるわけないでしょ。でも１日に2回も死んだ鳥を見るなんてやーねぇ。｣と言っていた。</p><p><br>私は着替えて、母がまた仕事に戻るのを待ち、急いで外に出てさっき鳥を置いた場所に走っていった。</p><p>おそろしくて堪らなかった。お墓を作るって言ったのに帰ってしまったので恨まれると思った。<br>&nbsp;</p><p>すぐわかる場所に置いたのに、鳥はいなかった。</p><p>ついさっき置いたばかりなのに、半分朽ちかけた死骸が生き返るとも思えない。</p><p><br>&nbsp;</p><p>あきらめきれずにずっとウロウロしていると、テルヨちゃんも出てきて2人で夕方まで探したが、ついにみつからなかった。</p><p><br>&nbsp;</p><p>あの鳥、絶対に私についてきた。</p><p>お墓を作ってあげないで捨てたから、これからもずっとついてくるような気がした。</p><p>なんとしてでもお墓を作らないと…</p><p><br>&nbsp;</p><p>私は仕事を終えて帰ってきた母に、幼稚園に見に行きたいと頼んだが、もちろん聞き入れられなかった。</p><p>夜になって姉が<br>｢猫が持ってっちゃったんじゃない？｣と言ったので、なんとなくそれで諦めがついた。</p><p><br>&nbsp;</p><p>翌朝、幼稚園の園庭を探したが、やはりもうあの鳥の死骸はなくなっていた。</p><p><br>&nbsp;</p><p>それからしばらくの間、私は家に帰る時、玄関の前を見るのが怖くて仕方がなかった。</p><p><br>&nbsp;</p><p>終</p>
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<link>https://ameblo.jp/pipin04jp/entry-12758410898.html</link>
<pubDate>Fri, 12 Aug 2022 14:34:58 +0900</pubDate>
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<title>連れていかれた？</title>
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<![CDATA[ <div>&nbsp;</div><div align="center">&nbsp;</div><div>　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　<a href="https://stat.ameba.jp/user_images/20220725/23/pipin04jp/7a/41/j/o0751089215151736087.jpg"><img alt="" contenteditable="inherit" height="261" src="https://stat.ameba.jp/user_images/20220725/23/pipin04jp/7a/41/j/o0751089215151736087.jpg" width="220"></a></div><p>&nbsp;</p><p>これは私が高校時代に友達から聞いた話だ。</p><p>&nbsp;</p><p>学校の休み時間に何人かで男の子の話をしていた時、Aちゃんが、<br>｢中学の時、同じクラスにいた友達でさ、夢に出てきた男の子に恋しちゃった子がいるよ。｣と言ったのだ。</p><p>｢夢の中でもいいよねー。素敵な男の子に会えるなら。｣と誰かが言ってみんな笑った。</p><p>しかし、Aちゃんの顔はちょっと暗かった。</p><p>&nbsp;</p><p>Aちゃんの話によると、中学時代のある朝、その友人がとても興奮して登校してきて、<br>｢昨夜、すっごくいい夢を見たの！｣と友人たちに夕べ見た夢の話をしたという。</p><p>&nbsp;</p><p>夢の中で彼女は、彼女の理想通りの素敵な男の子に出会い、親しくなりそうなところで目が覚めてしまったのだという。</p><p>&nbsp;</p><p>彼女はいいところで目覚めてしまった事をとても悔やんでいて、その日はずっとその男の子の話ばかりしていた。</p><p>そして、｢早く帰って寝なくちゃ！続きを見るんだ。｣と言ってみんなを笑わせていた。</p><p>&nbsp;</p><p>翌日、その子は学校を休んだ。</p><p>&nbsp;</p><p>みんなは風邪をひいたかなにかだと思っていた。</p><p>そして数日後、やっと学校に来たが、ぼんやりしていて体調が悪そうだった。</p><p>誰かが大丈夫なのかと聞くと、なんと彼女はあれからずっと、例の男の子に会いたくて、家で寝ていたと言った。</p><p>&nbsp;</p><p>それからは、来たり来なかったりの日々が何日か続き、登校してきてもぼーっとしているので、友達もあまり話しかけなくなった。</p><p>明るくておしゃべりだったのに、無口で不健康そうになり、遅刻したり、来たと思ったら早退したり、をくりかえした。</p><p>&nbsp;</p><p>そしてついに全く来なくなってしまった。</p><p>&nbsp;</p><p>担任の先生から頼まれて、仲の良かったAちゃんたちが、放課後その子の家まで会いに行ったが、お母さんが出てきて<br>｢ごめんなさいね、ずっと寝てるの。起こすとすごく怒るから。｣と言われて会えずじまいだったそうだ。</p><p>&nbsp;</p><p>Aちゃんの話はこれだけだった。<br>｢それで、その子はどうなったの？｣と誰かが聞いたが、</p><p>それ以来中学に登校することはなく卒業まで寝続けたらしく、その後のことはAちゃんも知らないそうだ。</p><p>でも多分高校にも行っていないと思う、と言っていた。</p><p>Aちゃんは、心の病じゃない？と興味なさそうに言っていたが、私はその奇妙な話にすっかり引き込まれた。</p><p>&nbsp;</p><p>夢の中の素敵な男の子、一体どれだけ魅力的なのか…。</p><p>その女の子が自分で生み出したもの？</p><p>それともその男の子が頭の中に入り込んで支配している？</p><p>&nbsp;</p><p>この話はオカルト的な要素があるわけではないが、私にとってはうすら寒く怖い話、</p><p>として今でも記憶に残っている。</p><p>&nbsp;</p><p>&nbsp;</p><p>終</p>
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<pubDate>Mon, 25 Jul 2022 23:45:09 +0900</pubDate>
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<title>さっちゃん7（最終話）</title>
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<![CDATA[ <div>&nbsp;</div><div align="center"><a href="https://stat.ameba.jp/user_images/20220712/00/pipin04jp/2f/35/j/o1491131915145529476.jpg"><img alt="" contenteditable="inherit" height="168" src="https://stat.ameba.jp/user_images/20220712/00/pipin04jp/2f/35/j/o1491131915145529476.jpg" width="190"></a></div><div>&nbsp;</div><p dir="ltr"><span style="font-size: 22.4px;">七</span></p><p dir="ltr">&nbsp;</p><p dir="ltr"><span style="font-size:1.00em;">お母さんとおばさんは慌てて、</span></p><p dir="ltr"><span style="font-size:1.00em;">｢急にどうしたの？さっき来たばかりじゃない。もうちょっと遊んでいって。｣と私を引き留めた。</span></p><p dir="ltr">&nbsp;</p><p dir="ltr"><span style="font-size:1.00em;">私はお母さんに言って来なかったから、とか、もう遅いから、とか色々口走りながら玄関に向かった。</span></p><p dir="ltr"><span style="font-size:1.00em;">おばさんが追いかけてきて｢遅くなったらまた送って行くからもうちょっといいでしょ？｣と言ったが、</span></p><p dir="ltr"><span style="font-size: 1em;">もう私は帰ることしか頭になかった。</span></p><p dir="ltr">&nbsp;</p><p dir="ltr"><span style="font-size: 1em;">なぜかわからないが、とにかく帰りたい一心だった。さっちゃんは心配そうにおばさんについて玄関まで来た。</span></p><p dir="ltr"><span style="font-size: 1em;">私はさっちゃんに｢また遊ぼうね！｣と言って玄関の引き戸に手をかけた。</span></p><p dir="ltr">&nbsp;</p><p dir="ltr"><span style="font-size:1.00em;">また遊ぼうね</span></p><p dir="ltr">&nbsp;</p><p dir="ltr"><span style="font-size:1.00em;">それは友達の家から帰る時、自然に口から出る言葉。夕方、近所の友達と別れる時に交わすお決まりの挨拶。</span></p><p dir="ltr"><span style="font-size:1.00em;">返事はもちろん｢うん！｣に決まってる。&nbsp;</span></p><p dir="ltr"><br><span style="font-size:1.00em;">だって引越して来たんだからこれからまたずっと遊べる。</span></p><p dir="ltr">&nbsp;</p><p dir="ltr"><span style="font-size:1.00em;">さっちゃんは何も言わなかった。そしてあの顔、</span><span style="font-size:1.00em;">今日</span><span style="font-size:1.00em;">何度も見たあの悲しそうな顔でおばさんを見上げた。</span></p><p dir="ltr">&nbsp;</p><p dir="ltr"><span style="font-size:1.00em;">それを見た瞬間、私は何かに背中を押されたように、靴もしっかり履かずに玄関を開けて外に飛び出した。</span></p><p dir="ltr"><span style="font-size:1.00em;">背後</span><span style="font-size: 1em;">でまだおばさんが何か言っていたが、｢お邪魔しました！｣と言って振り返らずに小走りに大通りに向かった。</span></p><p dir="ltr">&nbsp;</p><p dir="ltr"><span style="font-size:1.00em;">自分でもなんで慌てているのか分からなかったが、大通りに出てから家まで走って帰った。</span></p><p dir="ltr"><span style="font-size:1.00em;">外はまだちっとも暗くはなっていなかった。おばさんの言う通り、さっちゃんの家に行ってからあまり時間は経っていなかったのかもしれない。</span></p><p><span style="font-size:1.00em;">でも、とにかく早く家に帰って母の顔が見たかった。</span></p><p dir="ltr">&nbsp;</p><p dir="ltr">&nbsp;</p><p dir="ltr">&nbsp;</p><p dir="ltr">家に着くと、母はもう帰っていて夕ご飯の支度をしようとしていた。</p><p dir="ltr">命からがら逃げ帰った気分の私はすぐに母に話したが、母はそもそもさっちゃんという子を知らないと言う。</p><p dir="ltr">&nbsp;</p><p dir="ltr">いつも忙しく、私の話は上の空の母だが、さっちゃんと友達になった日、さっちゃんと遊んだ日、さっちゃんが引越すと言ってきた日、その都度話していたつもりだったので、裏の通りに｢さっちゃん｣という友達がいたことくらいは覚えていると思っていた。</p><p dir="ltr">&nbsp;</p><p dir="ltr">姉にも話したが、やはり｢さっちゃん？誰？｣と言われた。しかも、｢知らないおばさんについて行ったの？あの空き家のお城に入った？お母さんに言わずにそんな危ないことしちゃだめだよ！｣と怒られた。</p><p dir="ltr">&nbsp;</p><p dir="ltr">翌日、近所の子たちにも話したが、驚いたことに誰もさっちゃんを知らない事が判明した。</p><p dir="ltr">&nbsp;</p><p dir="ltr">よく考えてみたら、たしかに同じ路地の子たちと遊ぶ時にさっちゃんも一緒にいた事はなかったかもしれない。しかし、みんなにさっちゃんの話をした事はあるはずだ。誰か1人くらい知っていると思っていたのに…。</p><p dir="ltr">&nbsp;</p><p dir="ltr">私は一日中、昨日の事を考えていた。不可解なことは沢山ある。</p><p dir="ltr">&nbsp;</p><p dir="ltr">本人ではなく知らないおばさんが私を探しに来たこと。あの家にいつ越してきたのか聞いても答えなかったこと。</p><p dir="ltr">小学校が同じだね、と言っても答えなかったこと。｢またね。｣と言っても答えなかったこと。</p><p dir="ltr">&nbsp;</p><p dir="ltr">そして、私が一番引っかかっていることは、そもそも私とさっちゃんはそれほど親しくはなかった、という事だ。</p><p dir="ltr">たまたま会った時に何回か遊んだ。でもそれほど気が合ったというわけではなく、すぐにさっちゃんは引越した。</p><p dir="ltr">&nbsp;</p><p dir="ltr">それだけの関係だったのに、あの和室に入った時のさっちゃんのお母さんの喜び様に、私は妙な違和感を感じたのだ。</p><p dir="ltr">&nbsp;</p><p dir="ltr">しかし、これ以上はどんなに考えてもわからなかった。</p><p dir="ltr">あの後、何度もお城の前まで行ってそっと中を覗いたが、相変わらず空き家のままで、田柄小学校には｢さっちゃん｣という子は転校してこなかった。</p><p dir="ltr">&nbsp;</p><p dir="ltr">終<br>&nbsp;</p><p dir="ltr">&nbsp;</p>
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<pubDate>Sat, 16 Jul 2022 23:21:58 +0900</pubDate>
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<title>さっちゃん6</title>
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<![CDATA[ <div>&nbsp;</div><div align="center"><a href="https://stat.ameba.jp/user_images/20220711/23/pipin04jp/36/51/j/o0924146415145527178.jpg"><img alt="" contenteditable="inherit" height="285" src="https://stat.ameba.jp/user_images/20220711/23/pipin04jp/36/51/j/o0924146415145527178.jpg" width="180"></a></div><div>&nbsp;</div><p><span style="font-size:1.4em;">六</span></p><p>&nbsp;</p><div><div><div>&nbsp;</div><div>私を連れて来たおばさんは｢〇〇ちゃん連れてきましたよー。｣と誇らしげに言い、私を押しながら部屋に入っていった。</div><div>&nbsp;</div><div>さっちゃんのお母さんはとても嬉しそうで、何度も何度も｢来てくれてありがとね。｣と繰り返した。</div><div>おばさんは一旦どこかへ行って、先程買ったお団子やかんぴょう巻を盛ったお皿と飲み物やらお菓子やらを持って戻ってきた。</div></div></div><div>&nbsp;</div><div>やけに広い和室の真ん中に、どっしりとした立派な座卓が置かれ、さっちゃんのお母さんとさっちゃんと私はお団子を食べた。</div><div>緊張していて少ししか食べられず、お母さんやおばさんにあれも食べろこれも食べろと何度も言われた。</div><div>&nbsp;</div><div>おばさんは一緒に食べずにちょっと離れた所に座ってにこにこ見ていた。</div><div>お母さんとおばさんのやり取りを見ていて気づいたが、おばさんは、さっちゃんのおばあちゃんではなく、</div><div>お手伝いさんのようだった。</div><div>&nbsp;</div><div>さっちゃんも私も恥ずかしくて何も話せず、さっちゃんのお母さんとおばさんばかりがはしゃいで、</div><div>私たちにあれこれ質問したり、遊べ遊べと急かしたりした。</div><div>&nbsp;</div><div>私はお母さんとおばさんが目の前にずっと居て、私たちが仲良く遊ぶところを見たくてしかたがなさそうにしているのが嫌だった。二人だけにしてくれればいいのに。</div><div>&nbsp;</div><div>さっちゃんに聞きたいことはたくさんある。今までどこに住んでたのか、いつこの家に越してきたのか…。</div><div>&nbsp;</div><div><p>おもちゃも何もないだだっ広い部屋で、大人に見張られた状態ではどうも遊ぶ気にならない。</p><p>子供部屋かさっちゃんの部屋に行けたらいいのに。と思っていると、さっちゃんが私の手を取って</p><p>｢隣のお部屋に行こう。｣と言ってくれた。</p><p>&nbsp;</p><p>しかし、隣の部屋もただの和室だった。それでも、長い廊下を行ったり来たりしたり、</p><p>部屋の隅に積み上げらた分厚い座布団を並べたり重ねたりして遊びながら、私たちは笑い声をあげるくらい距離が縮んでいった。</p><p>&nbsp;</p><p>さっちゃんが帰って来たんだ。また同じ町に。</p><p>&nbsp;</p><p>しかし…なにかが変だ。なんだろう、この妙な空気感。</p><p>&nbsp;</p><p>｢いつ引越して来たの？｣</p><p>｢じゃあさっちゃん、私と同じ田柄小に通うんだね。｣</p><p>｢今度はうちにも来てね。｣</p><p>｢お部屋の中、飽きちゃったからくじら公園に行こうよ。｣</p><p>&nbsp;</p><p>私がさっちゃんに何か言うたびに、さっちゃんは口ごもってお母さんたちの部屋の方を見る。</p><p>そして、お母さんとお手伝いのおばさんも、時々ちらっと顔を見合わせている様な気がする。</p><p>&nbsp;</p><p>なんだろう、やっぱりなんか変だ。</p><p>私は突如帰りたくなった。よく考えたら母に何も言わずに来てしまったことが、心配になってきた。</p><p>&nbsp;</p><p>ここに来てからすごく時間が経ったような、外がみるみる薄暗くなっていくような焦る感覚が、胸いっぱいに広がっていった。</p><p>&nbsp;</p><p>私はさっちゃんに｢もう帰らなきゃ。｣と言った。</p><p>さっちゃんはすぐにお母さんの所へ行き、｢〇〇ちゃんが帰っちゃう！｣と悲しそうに叫んだ。</p><p>&nbsp;</p><p>&nbsp;</p></div><div>7へ続く</div><div>&nbsp;</div><div>&nbsp;</div><div>&nbsp;</div>
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<pubDate>Fri, 15 Jul 2022 23:10:02 +0900</pubDate>
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<title>さっちゃん5</title>
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<![CDATA[ <div><div>&nbsp;</div><div align="center"><a href="https://stat.ameba.jp/user_images/20220711/23/pipin04jp/9e/26/j/o1147129315145526444.jpg"><img alt="" contenteditable="inherit" height="248" src="https://stat.ameba.jp/user_images/20220711/23/pipin04jp/9e/26/j/o1147129315145526444.jpg" width="220"></a></div><div>&nbsp;</div></div><div><span style="font-size:1.4em;">五</span></div><div>私はもごもごと相づちを打ち、頭の中は不安がぐるぐると渦巻いていた。</div><div>&nbsp;</div><div>この人について行って本当に大丈夫なのか…油断させるために人のいいおばさんのフリをしているが、</div><div>実は仲間が待っていて誘拐されたらどうしよう…さっちゃんはこの近所に戻って来たのかな…</div><div>だったらなんで私の顔も知らないこのおばさんに私を連れて来させるんだろう…自分で来ればいいのに…</div><div>しかし、このおばさん、さっちゃんのお母さんにしては歳とってるからおばあちゃんかな……。</div><div>&nbsp;</div><div>おばさんはくじら公園の前を通り過ぎたあたりで、｢ちょっとお団子やさん寄っていくからね。｣と言い、</div><div>私達は｢千月｣という和菓子屋へ入った。</div><div>&nbsp;</div><div>｢ちげつ｣というその和菓子屋は、私の家から大通りに出て右へまっすぐ進み、くじら公園を通り過ぎた所にある。</div><div>母がよく買い物のついでに寄り、串団子やすあまを買う店だ。土曜日のお昼ご飯に、ここのかんぴょう巻もよく食べた。</div><div>その当時は大好きだったが、今思うと和菓子屋のかんぴょう巻は甘すぎる。</div><div>&nbsp;</div><div>それはさておき、おばさんは私に何が食べたいかしきりに聞いたが、人見知りの私ははっきり言えず、おばさんはあんこの串団子とみたらし団子を大量に買った。</div><div>それからかんぴょう巻や他の和菓子も大量に買って、包みは二つになった。</div><div>&nbsp;</div><div>それから私たちはまた歩き出し、しばらく歩いて着いた場所は、あのお城だった。</div><div>&nbsp;</div><div><p>おばさんが立ち止まり、お城を見上げて｢はい着いたー。｣と言った時、私は冗談かと思った。</p><p>しかしおばさんは、石垣の脇にある外階段を｢気をつけてね。｣と言いながらゆっくりと上り、</p><p>手馴れた感じで玄関の鍵を開けた。</p><p><br>この家にさっちゃんは越して来たの？！すごい！まさかこの家の中に入れるなんて。</p><p>&nbsp;</p><p>家の中は外観から想像した通りの立派な旅館のような造りで、どこで靴を脱いだらいいのか迷うほど広い玄関だった。</p><p>スリッパを出してもらい、おばさんについて行きながら、私は早くこの事を母や姉や友達に言いたくて堪らなかった。</p><p>&nbsp;</p><p>私たちは廊下を進み、階段を上がり、広い和室が二間続くお座敷に着いた。</p><p>部屋と部屋の間の襖が左右に開かれていて、奥の座敷の床の間の前に綺麗な女の人がいた。</p><p>さっちゃんのお母さんに会ったことはないが、歳の感じから多分この人がお母さんだと思った。</p><p>さっちゃんは少し大きくなって、お母さんにべったりとくっついて恥ずかしそうにこちらを見ていた。</p></div><div>&nbsp;</div><div>6へ続く</div><div>&nbsp;</div><div>&nbsp;</div>
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<link>https://ameblo.jp/pipin04jp/entry-12521457693.html</link>
<pubDate>Fri, 15 Jul 2022 10:41:39 +0900</pubDate>
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<title>さっちゃん4</title>
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<![CDATA[ <div><div><div>&nbsp;</div><div align="center"><a href="https://stat.ameba.jp/user_images/20220711/23/pipin04jp/8f/2f/j/o0513126115145524239.jpg"><img alt="" contenteditable="inherit" height="270" src="https://stat.ameba.jp/user_images/20220711/23/pipin04jp/8f/2f/j/o0513126115145524239.jpg" width="110"></a></div><div>&nbsp;</div></div><div><span style="font-size:1.4em;">四</span></div><div>その後しばらくは、近所の友達に会うと｢あの家見た？｣などど話題にしていたが、</div><div>そのうちにお城も街の風景に馴染んだのかあまり話題にならなくなってきた。</div></div><div><div>&nbsp;</div><div>しばらく経ったある日、誰からか｢あの家、今空き家なんだって。｣という噂を聞いた。</div><div>｢どこかのお城好きの成金が建てたけど、借金でも作っちゃったんじゃない？｣</div><div>｢あんな目立つ家、なかなか売れないわよね。｣と大人たちは陰口をたたいていた。</div><div>&nbsp;</div><div>たしかに、前を通った際にそっと覗くと中に人が住んでいる気配はなく、外から見ても空き家であることはわかった。</div><div>庭も手入れがされていないらしく枝が塀の外に伸び、人が住んでいない家はみるみる荒れて、かつての輝きを失ってしまった。</div><div>&nbsp;</div><div>そんな事があってからどれくらい経ったのか思い出せないが、まだ私は小学生だったからほんの数年後か。</div><div>ある日の夕方、思いもかけないことが起こったのだ。</div><div>&nbsp;</div><div>&nbsp;</div><div>&nbsp;</div><div>どんな用事だったかは忘れたが、近所に出かけて帰ってきた時だった。</div><div>路地に入ろうとしたら60代後半くらいのおばさんが、私を見つけてニコニコしながら近付いてきた。</div><div>服装ははっきりと覚えていないが、きちんとした格好ではなく、近所の主婦がちょっとそこまで買い物に行くような、</div><div>普段着で、ソックスにサンダルばきのようななりだったと思う。</div><div>&nbsp;</div><div>そのおばさんは私に近づくと</div><div>｢〇〇ちゃんでしょう？｣と私の名前を言ったので、そうですと答えると、とても嬉しそうに</div><div>｢あー良かった！ちょうど〇〇ちゃんを探しに来たとこなのよ。ずっと前にそこの路地入ったとこに住んでたさっちゃん、</div><div>覚えてる？｣と言った。</div><div>&nbsp;</div><div>｢引越ししちゃったさっちゃんですか？｣と聞いたら</div><div>｢そうそう！良かったー覚えててくれて。今ね、すぐ近くに帰ってきたから〇〇ちゃんを呼んで来てって言われておばさん来たの。さっちゃんがすごく会いたがってるから。｣とおばさんは言って、私を連れてすぐにどこかに行こうとした。</div><div>&nbsp;</div><div>え、今？！</div><div>私はびっくりして、どうしようか迷った。悪い人ではなさそうだが知らないおばさんだ。</div><div>でも本当にさっちゃんが待っているとしたら断るのは悪いし、断るにしたってなんて言えばいいんだろう。</div><div>子どもの私には咄嗟の判断が出来なかった。</div><div>&nbsp;</div><div>私が戸惑っていると、おばさんは</div><div>｢すぐそこだから、ね、遅くならないから。｣とハキハキした口調で言い、私が小さな声で「ちょっとお母さんに聞いてきます」</div><div>と言っても、「すぐそこだから、また送ってくるから」と言い、私の手を引いて大通りをうちから逆の方へ進んで行った。</div><div>&nbsp;</div><div>歩いている間もおばさんは陽気に｢すぐそこだから。｣と｢さっちゃんが待ってるわよー。｣と繰り返した。</div><div>&nbsp;</div><div>5へ続く</div><div>&nbsp;</div><div>&nbsp;</div><div>&nbsp;</div><div>&nbsp;</div><div>&nbsp;</div></div>
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<link>https://ameblo.jp/pipin04jp/entry-12520499767.html</link>
<pubDate>Wed, 13 Jul 2022 23:31:40 +0900</pubDate>
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<title>さっちゃん3</title>
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<![CDATA[ <div><div align="center"><a href="https://stat.ameba.jp/user_images/20220711/23/pipin04jp/00/78/j/o0945107715145522714.jpg"><img alt="" contenteditable="inherit" height="251" src="https://stat.ameba.jp/user_images/20220711/23/pipin04jp/00/78/j/o0945107715145522714.jpg" width="220"></a></div><div>&nbsp;</div><div><span style="font-size:1.4em;">三</span></div><div>&nbsp;</div><div>そんなある日、学校の誰かが｢2丁目に建ったお城見た？｣という話をしていて、何人かが｢知ってる！｣と盛り上がっていた。</div></div><div><div>お城と言ってもシンデレラの舞踏会があるようなお城ではなく、江戸時代のお殿様が住むような和風のお城で、</div><div>サイズは小さいが立派な日本庭園もあり、何しろ石垣が本物のお城のように高く積まれた上に建っているのだと言う。</div><div>&nbsp;</div><div>練馬の外れのキャベツ畑が広がる小さな町である。決して高級住宅地ではない。</div><div>今でこそ畑も少なくなり、マンションも増えて小綺麗な住宅地になりつつあるが、</div><div>当時はほとんどが小さな木造２階建てかアパートであった。</div><div>そんな地味な住宅地にお城が突然出現したというのだ。</div><div>&nbsp;</div><div>私は家に帰って母に聞いてみた。うちは4丁目だから2丁目はすぐそこだ。</div><div>母なら買い物の時に見たことがあるかもしれないし、近所の噂で聞いて何か知っているかもしれない。</div><div>しかし、母はまったく知らなかった。</div><div>&nbsp;</div><div>そこへ姉が帰ってきた。姉は知ってるという。</div><div>その近くに住んでいる友達の家に行く時に見つけてびっくりしたらしい。</div><div>&nbsp;</div><div>｢どんな人が住んでるのかわからないけどさ、すごいお金持ちだよね。｣と姉は言った。</div><div>私は姉に詳しく場所を聞いて、数日後に同じ路地の子たちと自転車にまたがって早速見に出かけた。</div><div>&nbsp;</div><div>自転車に5分も乗らないうちにすぐにお城に到着した。その場所は大通りからくねくねと入った小道で、</div><div>しかも駅や公園、学校がある方角とは真反対でめったに通らないため、気づかなかったのだ。</div><div>&nbsp;</div><div>それはたしかにお殿様の住むお城のようだったが、想像していたよりは小さかった。</div><div>敷地的にはちょっとしたお金持ちサイズだ。しかし何しろいかにもお城的な石垣が高く積んであり、</div><div>その上にそびえ立っているので、道を歩いていていきなり出くわしたらたしかにちょっとびっくりする。</div><div>&nbsp;</div><div>庭もおそらくお城に似合う純日本庭園なのだろうが、何しろ高い位置にあるので道からはよく見えなかった。</div><div>&nbsp;</div><div>私たちは口々に｢すげー。｣｢本物のお城みたいじゃん。｣と言いながら家のまわりを回って堪能した。</div><div>&nbsp;</div><div>4へ続く</div><div>&nbsp;</div><div>&nbsp;</div><div>&nbsp;</div></div>
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<link>https://ameblo.jp/pipin04jp/entry-12520250884.html</link>
<pubDate>Tue, 12 Jul 2022 20:16:48 +0900</pubDate>
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<title>さっちゃん---2</title>
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<![CDATA[ <div><div>&nbsp;</div><div>&nbsp;</div></div><div>&nbsp;</div><div>&nbsp;</div><div><div align="center"><a href="https://stat.ameba.jp/user_images/20220711/18/pipin04jp/50/16/j/o1188101815145392582.jpg"><img alt="" contenteditable="inherit" height="171" src="https://stat.ameba.jp/user_images/20220711/18/pipin04jp/50/16/j/o1188101815145392582.jpg" width="200"></a></div><div>&nbsp;</div>子どもは何も無くてもすぐ遊べる。当時、家の前の道は今のようにコンクリートで固められてはいなかった。<div>空き地もたくさんあった。小石や道端の草や花、種、虫の死骸、おもちゃはどこにでもあった。</div><div>板切れを見つけたらそれを何かに見立てるだけで遊びの幅は広がるし、板を使って穴を掘る事もできた。</div><div>&nbsp;</div><div>私とさっちゃんもこんな遊びをゆるゆるとしていたように思う。</div><div>しかし、一緒に遊んだ回数はそれほど多くはなかった。はっきりと回数や期間を覚えていないが、さっちゃんはまだ幼い感じの子だったし、すごく気が合って約束して遊ぶというものではなかった。</div><div>さっちゃんがうちの玄関を叩いて｢遊ぼう｣と訪ねてきたことはないし、私も行ったことがない。あくまでもたまーにさっちゃんがこっち側にふらっとやって来て何度か遊んだ、という間柄である。</div><div>従ってさっちゃんと出会ってからも、自分の路地のメンバーと遊ぶ方が圧倒的に多かった。</div><div>&nbsp;</div><div>&nbsp;</div><div>&nbsp;そんなある日の夕方、1人でうちの前の草むらでぶらぶらと遊んでいた時、さっちゃんが私の名前を呼びながら走ってきた。</div><div>引越す事になったからもう遊べないと言う。</div><div>｢どこに行くの？｣と聞いたら、遠い所でトラックに乗って行くと言った。</div><div>私はあまり感情を表に出さない子だったし、正直それほど親しいわけでもなかったので</div><div>｢そっかー。じゃあねー。｣みたいな事を言ったと思う。でも、友達が突然いなくなるのはやはり少し寂しかった。</div><div>&nbsp;</div><div>さっちゃんがいつトラックに乗って引越して行ったのかわからないが、その日以来さっちゃんがうちの路地にやってくることはなくなった。</div><div>&nbsp;</div><div>&nbsp;</div><div>それから何年か過ぎ、私は小学生になり、さっちゃんの事はすっかり忘れていった。</div></div><div>&nbsp;</div><div>そして、小学生になった私は自転車を手に入れ、学校の友達と隣町の公園や児童館まででかけたり、</div><div>駅前まで買い物に行ったり。家の前の小さな路地で遊んでいた頃よりぐっと行動範囲が広がっていった。</div><div>&nbsp;</div><div>3へ続く</div>
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<link>https://ameblo.jp/pipin04jp/entry-12519153533.html</link>
<pubDate>Mon, 11 Jul 2022 18:54:12 +0900</pubDate>
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<title>さっちゃん 1</title>
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<![CDATA[ <div><div><div><p>&nbsp;</p><p style="background-color:transparent">&nbsp;</p><p>&nbsp;</p><p>&nbsp;</p></div></div></div><div><div><div align="center"><a href="https://stat.ameba.jp/user_images/20220709/12/pipin04jp/df/39/j/o0561092015144337316.jpg"><img alt="" contenteditable="inherit" height="230" src="https://stat.ameba.jp/user_images/20220709/12/pipin04jp/df/39/j/o0561092015144337316.jpg" width="140"></a></div><div>&nbsp;</div></div><h4><span style="font-size:1.4em;">さっちゃん</span></h4><div>&nbsp;</div><div><span style="font-size:1.4em;">一</span></div><div>&nbsp;</div><div>&nbsp;子どもって変な事が起きてもわりとすんなり受け入れてしまうらしい。</div><div>その当時は特におかしいと思わなくても、大人になってから　｢今思えばあれ、なんかおかしな話だな。｣</div><div>と何度も繰り返し思い出す出来事がある。</div></div><div>&nbsp;</div><div>&nbsp;</div><div>それは私がまだ4、5歳位か幼稚園に行っていたかまだ行かないか、の頃の話。</div><div>我が家のすぐ近くには大きな通りが東西に抜けていて、私の家はその通りから1本路地に入った2軒目だった。その大通りからは、うちの前の路地に平行するように何本も小道があり、どの路地も同じような２階建ての木造の小さな一軒家がびっしりと肩を並べていて、大通りは車が危ないので、子どもたちはみな自分の家の前の路地で遊ぶのが常であった。</div><div>&nbsp;</div><div>私の住んでいた路地には12軒の家が並び、幼児から小学生まで8人ほどの子どもたちが、ゴム飛びとかチョークで道路に丸をいくつも描いて「ケンケンパ」をしたり、女の子たちは敷物を敷いておままごとをよくしていたように思う。夕方暗くなってくると、お母さんに呼ばれて1人ずつ帰って行くが、私は母親が働いていて夕ご飯が遅かったので、よく最後の1人になっていた。</div><div>&nbsp;</div><div>こんな風に子どもが遊ぶ細路地が近所にいくつもあったが、なぜかそれぞれ、自分の住む路地の子だけで遊び、他の路地の子どもと関わることはまずなかった。</div><div>&nbsp;</div><div>うちの路地の1本裏にも子どもが何人かいるようだったが、オムツをつけた赤ちゃんや幼稚園にも通っていない幼い子たちで、こちらの通りより年齢層がやや低いように思えた。従って行き来をすることもなく名前も知らない間柄だった。</div><div>&nbsp;</div><div>&nbsp;</div><div>ところが私は、1本隣の路地に住むさっちゃんという女の子と仲良くなった。<div>&nbsp;</div><div>いつ、どのように仲良くなったのかはっきりと思い出せないのだが、たまたま誰もいなくて1人でぶらぶらと遊んでいた時に、おかっぱ頭の女の子がうちの路地に恐る恐る入ってきた。そして自分はすぐ隣の通りに住んでいると言った。</div><div>私より少し小さくて、ふたつほど年下だったように思う。顔はもう思い出せない。</div><div>｢ちょっと待っててね｣と言って何度か自分の家に戻ってお菓子を持って来てくれたりした。</div><div>&nbsp;</div><div>さっちゃんとは時々遊び、何回かさっちゃんち側の路地でも一緒に遊んだが、知らない子や知らない大人がいたりして、人見知りが激しい私は居心地が悪かった。でもさっちゃんは、自分の路地にいる時の方が元気で威勢がよかった。</div><div>&nbsp;</div><div>家族にも夕ご飯を食べながらさっちゃんの話をしたが、忙しく働いてる両親や5歳も年上の姉はあまり興味がなさそうだった。でも私は、新しい友達が出来たことが嬉しかった。</div></div><div>&nbsp;</div><div>2へ続く</div><div>&nbsp;</div>
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<link>https://ameblo.jp/pipin04jp/entry-12518673211.html</link>
<pubDate>Sun, 10 Jul 2022 16:22:01 +0900</pubDate>
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