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<title>二度と届かない手紙</title>
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<description>とりとめもなく流れてゆく日常のなかで、心にゆっくりと沈む断片とか、時々フィクションとか、つぶやきとか。</description>
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<title>消せない痕</title>
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<![CDATA[ はじめて認めてもらえたからって、有頂天になってたあの日の私を消してしまいたい。そりゃあ私だって自分のちっぽけなプライドのためにあいつを利用したわけですが。そうだよな、だから利用されるんだよね、自業自得なのにこのみじめさだけは消えることがない。<br>　卑屈でプライドだけは高くって、なおかつ人を試そうとする。<br>悪者になりたくないだけじゃんね。なんでも自分が悪いっていっときゃすむと思ってるんでしょ。<br>あの日寝てなかったし仕事あったしやること全部こなして疲れて帰ってきたら、しがみつこうとするんだもんね。怖くてくるしくて悔しくて泣いた。「僕のために泣いてくれたんだね」って正気か。<br>顔は見えなかったんだけど泣き声きいて悦に入ってる声色が受話器ごしに響いてぞっとした。<br>　一緒にいたらどんどんおかしくなってしまう。<br>哀れむのだってエネルギーがいるんだよ。わたしがちょっとでも生き生きしてたらいやなんでしょ、知ってるよ。<br>　俗物のくせにな。ろくに人生経験も知識もないくせにインテリぶるあなたにはうんざりしました。<br>まあどうせ今頃他の女と寝て被害者づらしてわたしのことはなしてるんでしょうよ、別にいいけど。<br><br>　わたしがつまらない卑屈な人間だからこんな豚みたいなスノッブとしか付き合えないんだろう。<br><br><br><br><br>もう手紙じゃないな。吐瀉物。<br><br>　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　わたしのことはじめてみとめてくれたひとはもう･･･
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<pubDate>Sun, 29 Jul 2012 20:32:51 +0900</pubDate>
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<title>はつこい</title>
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<![CDATA[ あなたにすすめられた本のタイトルがあまりにも、あまりにも苦かった。初恋。<br>全部大げさな物語になっちゃえばいいのに。センチメンタリズムが傷をうまく塗りこめることだってある。<br><br>たいした意味はないなんて言わないでね。<br><br>初恋はあなただって言えるような純情な私ではないけれど。
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<pubDate>Fri, 18 May 2012 00:07:23 +0900</pubDate>
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<title>君へ</title>
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<![CDATA[ マニアックすぎてなにはなしてるんだかわからない時だってけっこうあった、でもきみが自分の好きなこと話してるときの笑顔はほんとに良かった。好きだった。もう会うことないかもしれないけど、きみがおじいちゃんになってもその笑顔を失わないで、世界のどこかでマニアックな話しててほしいなって思ってる。<br><br>そういえればよかったのにな。いつだって自分の望むようには伝えられないし伝わらない。
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<pubDate>Sun, 29 Apr 2012 22:47:13 +0900</pubDate>
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<title>異国情緒</title>
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<![CDATA[ 夜にみる夢ばかりが美しくなってゆくから、きっと自分は不毛なんだろうと思う。<br><br>どこでもいいからきれいな都市に逃げたい。異国の都に。できるならあの人たちがついにたどりつけなかったあの街に。<br><br>でも、海外に行ったことがないから、こうやって美化できるんだろうな。心の中にある街ほど美しいものはないのかもしれない。<br><br>人の心はうつろいやすいと言うけれど、もし、私の懼れていることがほんとなんだとしたら、きっと人を殺せてしまう。殺してしまうか、殺意が心臓を突き破って自分自身を殺すかもしれない。<br><br>きっと一生望む場所にはゆけないだろう。しかもそれ自体が私自身望んだこと。<br><br>嫉妬と恨みとひがみでしか出来ていないわたしの心臓を誰が突き刺してくれるっていうんだろう。<br><br>今夜も惨めな美しい夢を見るんだろうか。
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<pubDate>Sat, 28 Apr 2012 23:35:21 +0900</pubDate>
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<title>つれづれ</title>
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<![CDATA[ 思い出がやがて一枚の写真みたいに、時々取り出しては笑えるようなものになったら、きっと生きるのは楽になるのだろう。<br><br>でも目覚めたときにどこかやるせないのは夢で自分の中の生々しさに出会ってしまったから…？<br>記憶は生きている。
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<pubDate>Mon, 09 Apr 2012 11:33:41 +0900</pubDate>
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<title>断片２</title>
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<![CDATA[ 心中って、言葉だけなら綺麗だと思う。想像するだけなら。<br><br>私がもし心中したら、墓の前でただずんで煙草ふかすだけだからって言ってきた人がいたけど、私は心中が似合うほどきれいじゃないのに、彼には煙草がとても似合うから、なんだか悔しかった。<br><br>彼には煙草のにおいが染み付いていた。いやなにおいじゃなかった。<br><br>いま日本の煙草が買えるところにいないから、銘柄も変えただろう。そうしたら次第に染み付いたにおいも変わってゆくのだろうか。そして彼はきっと、私のよく知っていた彼じゃなくなる。<br><br>空はほんとうに繋がっているの。「助けてください」って青空にかすかに呟いても、鮮やかな青が心を吸い込もうとするだけで、きっと届いていないでしょうね。この明るい絶望も。
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<pubDate>Sun, 08 Apr 2012 13:34:55 +0900</pubDate>
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<title>断片</title>
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<![CDATA[ 一回だけ、彼が「死にたい」っていうのを聞いたことがある。私はすぐそばにいた。<br>「どこかで死に場所を求めてるのかもしれない」って。<br>二人とも暗い川面を見つめてた。<br>いつもみんなを笑わせてくれる彼には似つかわしくない言葉だった。<br>「ただの道化だと思ってるんだろう」って。あんなに怒ってるの見るのもはじめてだった。<br>自分のせいなのかもってなんとなく感じたけど、彼の傷を利用することで二人の距離が縮まって、結局私は嬉しいなんて思った。<br>自分の傷には敏感なくせに彼を傷つけても無頓着なふりをあえてした。それはただの弱さ。<br>あの頃に戻れるならって感傷的になる資格ないよねわかってる。
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<pubDate>Sat, 07 Apr 2012 17:42:27 +0900</pubDate>
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<title>心象風景1</title>
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<![CDATA[ ガラスの破片が道路に散らばって、暮れかけた陽光に照らされて光るのを見た。何故だか「暗くなるともう冷えるね」「冷えるね」って言いあって、それから二人ともずっと黙って並んで歩いてたあの日のことを思い出したけれど、もう春だった。<br><br>まだ肌寒いけれど桜は心の隙間を覆い隠せそうなくらいに絢爛に咲いている。<br>このまま陽射しも強くなって桜の木に葉が生い茂って匂い立つようになれば、ひんやりした輝きをもつ欠片のような思い出も溶けていってしまう気がして、だから春は好きになれないのだけど。<br><br>
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<link>https://ameblo.jp/pragueintherain/entry-11216265969.html</link>
<pubDate>Sat, 07 Apr 2012 13:39:54 +0900</pubDate>
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