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<title>Jun06のブログ</title>
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<title>一閃の矢は恋を貫けるのか？</title>
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<![CDATA[ ※一次<div><br></div><div>「僕があの人に願っていたのは『いきたい』と思ってほしい、ということ。そしてそばにいてほしい、ということ」</div><div>　まっすぐに射抜く瞳。光輝くもの。矢のように飛び行く前へ進むための意志。それは、誰かの夢を壊すための道であると彼は確かにわかっている。</div><div>「琥空の意志を曲げること、夢を壊すこと。それが僕の望み」</div><div>　静かに、一切の感情を乗せずに彼は言い切る。大切な人のために大切な人の願いをを嘘にすると。それをためらうことなく言い切った。</div><div>　驚愕に目が見開かれる。この人があの人のことを心から想っていると知っている。一番に思っていることなんて痛いくらいにわかっている。けれど、彼は、故に望みを奪うと言っているのだ。</div><div>　考えられなかった。理解できなかった。愛しい人の願いは誰だって叶えたいものじゃないのか。そう思いながら、この人が愛したあの人の願いなど知り得ないことも気がついていた。</div><div>　そんなこちらの迷いに気がついているのかいないのか。彼はとつとつと言葉を続ける。</div><div>「そばにいてほしいと、そんな願いさえあの人を踏みにじることだった。あの人の願いを、僕は叶えられない。受け入れられない」</div><div>　それでも、と。小さな呟きは、しかし、どんな鉱石よりも固い決意を秘めている。割れることのない、失うことのできない心がそこにあった。</div><div>　この人は、きっと、本当にあの人のことだけを。</div><div>「琥空が願わない幸せを、あの手に渡したいんだ」</div><div>　どこまでも遠くを指すような光だけがその瞳にはあった。</div>
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<link>https://ameblo.jp/raindome/entry-12584341568.html</link>
<pubDate>Sun, 22 Mar 2020 03:56:45 +0900</pubDate>
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<title>道に果てた夢の残骸</title>
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<![CDATA[ ※一次<div><br></div><div>「アイツは言ってしまえば極度の阿呆だから」</div><div><br></div><div>　始まったのは、そんな罵倒からだった。その言葉とは裏腹な、穏やかな声。<br></div><div>　心から誰かを想うような、愛しさを詰めた箱のようにその言葉は開けられた。</div><div>「根元を歪めて、自らを変革して、そうやって何もかもを変えてしまいながらも、アイツはアイツだった。俺は、絶対にアイツはアイツじゃなくなってしまうと疑ってかかっていたのにな」</div><div>　膝の上に揃えられた手がきゅうと握りしめられる。うつむいて下がった髪、その下にどんな表情があるのかは窺いしれない。</div><div>　見えない顔が、だけど見えるような気がしていたのはどうしてなのだろう。</div><div>「アイツは、どこまでも揺るぎない大地のままだった。俺が見つけてしまった道のままだった。そんな、変わらなさを与えられてどうしようもなく泣きたかった。どんな未来も捨て去りたくなるほど」</div><div>　静かに、たんたんと想いは語られる。今まで見てきた道と辿ってきた景色と。それがここにある。それを語る。</div><div>「だから、俺は、アイツの手を離さない。すべての願いを忘れ、未来を捨てて、それでも俺はアイツの、千閃のそばにいたかったから」</div><div>　それは、全てを捨て去ったとしても失われなかったただひとりの誰か。</div><div>　その誰かが唯一自分のために祈った、道の果てに待つたいせつなひとへの夢。</div>
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<link>https://ameblo.jp/raindome/entry-12582892773.html</link>
<pubDate>Tue, 17 Mar 2020 22:40:41 +0900</pubDate>
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<title>その背中ほどにとおい空</title>
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<![CDATA[ ※一次<div><br></div><div>　僕が君に向ける願いは、出会ったときからかわらない。</div><div><br></div><div>「おまえにやりたいことってのはないんかい」</div><div>「え？」</div><div>　唐突な琥空の言葉に顔をあげれば、その人はちょうど積み上がった本の塔の隙間から顔を覗かせたところだった。</div><div>　話しかけるために、ではなく、タイミングがあった、というだけだろう。先程までこの人は資料を探しては積み、積んでは探しを繰り返していた。</div><div>　僕はといえば、積み上がってしまった塔をちょっと横に避けるくらいのことしかできないでかの人がぱらぱらばっ、と資料を見聞する様を見ていたのである。</div><div>　片付けてしまったほうが楽なんだろうけど、どれが必要で不要なのかは残念ながらわからなかったのだ。調べごとでは僕はなんの役にもたたない。</div><div>　琥空はまた、ファイルに視線を戻し、パラパラと開く。気になるページがあったのか、一ヶ所で止まる。その作業を続けながら口を開いた。</div><div>「だっておまえ、ここいたって退屈だろ」</div><div>「うっ、た、確かに役にはたててない、ね……」</div><div>「そーじゃーなーくーてー」</div><div>　ぱちん、と音がした。</div><div>　そこには目元に手を当ててうなだれるかの人。</div><div>　その姿に慌てる。</div><div>　この人はさほど体が強くはない。</div><div>　強くはない、というには語弊がある。魂と肉体の結び付きの弱さゆえに、この人は肉体の限界のほうには疎い。精神は元気でも体はフラフラ、などということはよくあることだ。</div><div>　そのうえ、そこまでいって、ようやく体の方がダメだってきがつくとちょっとだけ嬉しそうにする。</div><div>　その瞬間に「ちゃんと体がある」って感じられるから、らしい。</div><div>　こちらの心臓が止まりそうなのに、止められない理由はその実感の代わりをそうそう与えられないからだ。</div><div>　限界まで体がだめにならなきゃ生きてるとわからない。そんな、この人に対していつだって思うことがある。聞いてはもらえないだろうけど。</div><div>「別にここにいなくたっていーんだぜ？夕方まで俺はこの部屋から動かねぇし？ほかに用事はないのかよ？」</div><div>「え？あるよ？」</div><div>「おい、やっぱ言うな」</div><div>「君のそばにいるってこと」</div><div>「うーん、言うなっていったのに」</div><div>「それより、体の方は大丈夫なの？さっきから眉間おさえてるけど」</div><div>「へーきもへーきだっての。おまえのせいだよ」</div><div>「んん？」</div><div>「あー、もー、好きにしとけ……」</div><div>　はーっ、と大仰についたため息と共にかの人は新しいファイルを引っ張り出した。</div><div>　もう、こちらへ向けていた意識の欠片はひとつもない。</div><div>　その横顔をみて、思う。</div><div>　無茶をしないで。</div><div>　無理をしないで。</div><div>　必死にならないで。</div><div>　静かに息をしていて。</div><div>　笑って、ほしい。</div><div>　自分を追い詰めることを平気どころか喜んでやってしまう君に僕はいつでも願ってしまう。</div><div>&nbsp;　聞いてはくれない。やめてはくれないと、わかっていても、祈る。</div><div><br></div><div>　いつか、僕が君の手を握るだけで、君が生きてるって思って、笑ってくれたらいい。</div><div><br></div><div>　出会って伸ばした、空にはまだ届かない。</div>
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<link>https://ameblo.jp/raindome/entry-12582688205.html</link>
<pubDate>Tue, 17 Mar 2020 00:14:56 +0900</pubDate>
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<title>しるしたさきのゆめ</title>
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<![CDATA[ 　いきてていいとは、だれもいってはくれなかったのに。<div><br></div><div>　そんなことを思い出す。夢見心地のまま、目を瞬かせれば静かに眠る人がいた。</div><div>　カーテンの隙間さえわからないような暗さの中で、夜明けさえ遠いことを知る。星はまだ輝いているだろうか。千の輝きに値する光は、ここにあるけれど。</div><div>　前髪をさら、とすいてやると、いつもより数段幼い顔があった。寝顔はかつてを思い出す。一番、出会ったときの呆け顔に似ているから。</div><div>　なぜこんな夜半に目が覚めてしまったのだろう。鈍い頭がちらりちらりと回想を作る。</div><div>　夢を、見たような気がする。</div><div>　思い出す作業の中での錯覚にも思える感覚だ。夢を見ていたとして、景色の影さえわからないのに。</div><div>　しかし、起き抜けに思い出したものは決して、目覚めのときの挨拶にはなりえないだろう。口にしたら怒られてしまう。</div><div>「生きていても……」</div><div>　いいんだろうか。続きはいつも、言えないまま。こんなのんきに寝こけているやつにであってから、ずっと。</div><div>　腹が立ったので眉間に親指をぐりぐり押さえつけてやる。このひとがこんなところにシワを寄せるのはだいたい自分が勝手をしたときなのだけど。このひとは、いつだってこんな自分のために苦しさを握りしめている。</div><div>　いきてていいよ、なんて、わざわざ誰かに告げる言葉でもなければ、聞きたい言葉でもない。実際、隣の物好きに言われもこともない。</div><div>　だけど、だけどコイツは。</div><div>　意地悪をしていた手をはなす。頬を撫で、首筋を確かめ、肩に触れ、腕を辿る。そうして行き着いた指を確かに握りしめる。</div><div>　夜道を照らす灯のようなぬくもりが、そこにはあった。</div><div>「そんなのより、でも、確かにちゃんと、お前は」</div><div>　いつだって、なによりも雄弁に、生きるための願いをくれる。</div><div>　たいせつな、たいせつなしるべのひと。</div>
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<link>https://ameblo.jp/raindome/entry-12581932702.html</link>
<pubDate>Fri, 13 Mar 2020 21:17:45 +0900</pubDate>
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<title>望遠鏡のない夜</title>
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<![CDATA[ ※一次創作<div><br></div><div>　月もなく、星だけがささめく夜。</div><div>　そんな夜はいつも、あの人はぼんやりとどこかを眺めている。</div><div>　毛布を肩にかけて、窓枠に肘をついて、何を発することなくただじぃと、どこかを見ている。</div><div>　外に向けられた視線のありかなど、その後ろ姿しか見えない千閃にはわからない。</div><div>　ただ決まって新月の夜、その人は外を見ていた。</div><div>　声をかければよいのだろう。手を触れればよいのだろう。</div><div>　そんなことはわかりきっていて、だけど、なにもできない。</div><div>&nbsp;　息を吸い込んで、はく。ゆっくりと。ただそれだけしかできない。</div><div>　静謐の水に満たされたその時間は、きっとあの人にとってはどうしようもなく大切なものだ。その水のなかでしか聞こえないものをあの人は聞いているのだろうと、そんなことを思う。</div><div>　呼吸の音と、衣擦れの音と、そんなものに囲まれてあの人は遠くを見ている。</div><div>　いつだって、目指す場所ばかりがハッキリしている人だ。まっすぐとそこだけを見ている。</div><div>　それは終わりを見ている。それは望みの叶う日を見ている。</div><div>　その願いをひきずり下ろしたいと願って、必死でその背を追いかけているけれど。</div><div>　千の光だけがある夜は、そんなあの人の視線がちょっとだけ変わるのだ。意味もなく、決意も覚悟もなく、ただ無意味にその視線を送る。</div><div>　いつだって前を向きたがるその人が。遠くを目指すその人が。座り込んで動けないでいる。</div><div>　それを壊してしまえるほどの勇気は、きっと永遠にでない。</div><div>　それでもいい。</div><div>　この人が自分の横で、静かに息ができるのなら。</div><div>　夜の中、誰にも知られないままで、ふたりでいられたら、それでいい。</div>
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<link>https://ameblo.jp/raindome/entry-12581242119.html</link>
<pubDate>Tue, 10 Mar 2020 23:05:00 +0900</pubDate>
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<title>過ぎた午後についての所感</title>
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<![CDATA[ 今日、ふと、気がついたのですが、<div>ああ、もう春に向かう冬のなのですね。</div><div><br></div><div>昼を買いに出たとき、そうか、今はもう、</div><div>真冬ではなく、</div><div>春へと向かう冬の日であるのだと気がついてじんわり立ち尽くしそうになりました。</div><div><br></div><div>陽光は柔らかく肌を撫でるのに、</div><div>風は冷たく髪をさらっていくし、</div><div>吸い込んだ空気はキンと張って寒々しいのに痛くなくて、</div><div>指の先まで染み渡るような心地よさがあって。</div><div><br></div><div>あ、そうか、もう冬は抜けつつあるのだなと。</div><div>今日の今日まで気がつかなかったのだな、と。</div><div><br></div><div>花の枝をもらっておきながら、</div><div>ようやくここにきて「春」の匂いを感じました。</div>
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<link>https://ameblo.jp/raindome/entry-12580259270.html</link>
<pubDate>Fri, 06 Mar 2020 22:11:29 +0900</pubDate>
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<title>一人眠ることはこんなにも</title>
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<![CDATA[ ※一次<div><br></div><div>　昼寝から覚めると、体がガチガチに固まっていて辛かった。起き上がるのにも関節がいたい。そりゃあそうだ。板張りの、クッションもないような外置きのベンチに体を押し込めればそうもなる。</div><div>　だけど、俺はこの場所が好きだった。ここで眠ることが幸せだった。</div><div>　そういうと、連れは泣きそうな顔をする。素直というか、なんというか。そんな顔をしないでほしいと思うけど。</div><div>　俺は、俺の肉体が自分のものでないような感覚がある。手のひらひとつ握るのに違和感がある。支障はない。動ける。戦いでだって遅れをとらない。体力勝負には確かに弱いけども。</div><div>　理由は明白だ。故にどうしようもないことを知っている。魂と肉体、その接続をいじることなど俺程度にはできはしない。</div><div>　だから、借り物のようなこの体が痛いのは、ああちゃんと、ちゃんとこれは俺の体なのだと実感できて少し嬉しかったりする。そうやって刺さるようなもので俺は俺を自覚している。マゾだ、といわれたらそうなのかもしれない。もっとも、俺の場合は快楽は伴わないのだけど。どちらかといえば安堵だ。安心していいという心の余裕、といってもいい。</div><div>　傷だとかはあんまり嬉しくない。泣いてしまう人がいるから。</div><div>　だけど、こうやって穏やかな時間の中で痛みに眉をしかめるのは心地よい。深く息が吸える。生きているのだ、この体はちゃんとまだ俺のものなのだと理解できるから。</div><div>　それが本当はよいものではないのもわかっている。少しずつ何かが壊れていくのは気がついていて、でも、どうしてもしがみつくしかない。</div><div>　俺は、生きている。間違いなく。</div><div>　どこまで生きていけるのかはわからないけれど。</div><div>　そう考えて、はて。と首が横に倒れた。</div><div>　どこまで生きていけるか？だなんて。まるで長く生きたいとでもいうような思考だ。</div><div>　それは望むものではない、はず。</div><div>　なんだろう、最近ぶれている。</div><div>　たまに何を望んでいたかを忘れそうになる。</div><div>　そう、例えば。たとえば。</div><div>　眉間を押さえ、思考に落ちようとすればそれを遮って止めるような叫びが鼓膜に刺さった。</div><div>「くーうー！おーきたーのー！」</div><div>　春の嵐もかくやと言わんばかりの大声だ。顔をあげれば、喜色満面、飼い主に向かう犬のような足取りでかけてくる男がいる。</div><div>　ふー、と長く息をはいた。思考を押し流し、言葉を拾い上げる。</div><div>「おーう、起きた起きた！なんだよ、待ってたのか」</div><div>「いつだって僕は待ってるさ」</div><div>「うーん、おまえはそういうことをどうしてさらと」</div><div>「え？」</div><div>「うーん」</div><div>　恥じらいもなく告げられる言葉に苦笑をこぼす。そんな俺が理解できないと瞬く瞳は若気のようにまっすぐだ。</div><div>　この視線にさらされているとハッキリしていくものとぼやけていくものがある。</div><div>　それに名前をつけることは、まだ、できないでいる。</div>
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<pubDate>Sat, 29 Feb 2020 23:09:48 +0900</pubDate>
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<title>セイメイをのべよ</title>
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<![CDATA[ 　本当は。<div><br><div>　立ち上がるべきではないのだろう。<div>　砕けてなくなって。それが本当の姿だって。恐怖も痛さも、押し隠したもの全てが自分そのもの。踏みつけられて元の姿さえわからない。そんなガラス片。</div><div>　だけど。なあ。それを受け入れているならきっと。</div><div>「髪を、切ったんだ」</div><div>　違いがほしかった。</div><div>「『俺』を選んだんだ」</div><div>　区別がほしくて。</div></div></div><div>「人になりたかった。一人の人間になりたかった」</div><div>　付属品は嫌だった。</div><div>「だから、死に続けてきたよ」</div><div>　水槽に肉体をいくつも並べた。スペアのある人間なんて、本当は人間といえないのだろうという違和を見ぬふりして。繋ぎ続けた。死に続けるために。</div><div>「ああ、そうだね。くだんねぇ」</div><div>　きっと、終われないけど。</div><div>「付属品で、食い物で、終わりは最初から用意されてなくて。始まりを否定されて。でも」</div><div>　全部。ぜんぶ。</div><div>「受け入れられない。それが『俺』だったよ」</div><div>　笑う。笑ってやる。笑い飛ばしてやる。</div><div>　誰かのために作られた自分。</div><div>　食い尽くされるために作られた人格。</div><div>　その全てをもって。</div><div>「立ち上がりましょう。いまここにある証明として」</div>
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<link>https://ameblo.jp/raindome/entry-12572233881.html</link>
<pubDate>Sun, 02 Feb 2020 17:41:58 +0900</pubDate>
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<title>空よりも遠く</title>
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<![CDATA[ <div>※一次</div><div><br></div>「あんたに笑っていてほしいのはこちらの勝手な祈りだ。だから、これが呪いになるなら忘れてくれ」<div>　握りしめそうになる手をふる。手はとうに放した。もう、この温もりを取り戻さない。</div><div>　このヒトの顔を覚えてはいかない。背負う覚悟がないから手放すのだから。<br><div>「笑っていて、幸せでいて、っていう祈りだけを押し付けていく。そこにあるのは命への喝采だと信じて」</div><div>　怖いよ。そんな感情を裏に張り付けて、言い募る。積もらせてしまった感情を全部ここへおいていく。持っていけない。なにも、持ってはいけない。そんな腕はない。とうに切り落とされた。</div><div>「……『私』からの願いは」</div><div>　人間として、生命として、人生として、告げる。</div><div>「心を体に閉じ込めて、泥のなかで眠ることをよしとしないで、前を向くことに勇気を必要としない。そんな、行き先があなたにあること、それが、あれば、いいの」</div><div><br></div><div>　別れへ向けた言葉。</div><div>　たった一人に向けた言葉。</div><div>　あんたがあんたで、あんたの願いのために生きてくれりゃあいい。</div><div>　それだけのことだ。</div><div>　だけど、言葉をいくら尽くしたってたりない。</div><div>　この夢を見ているのは自分で、彼の人ではない。</div></div><div><br></div><div>きっと、この夢は空よりも遠く。</div>
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<link>https://ameblo.jp/raindome/entry-12633840598.html</link>
<pubDate>Fri, 17 Jan 2020 23:30:41 +0900</pubDate>
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<title>青くはない空なれば</title>
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<![CDATA[ <div>※一次</div><div><br></div><div>いつかの日。はじめて見上げた時のことを忘れることはない。</div><div>出会いの話はいつもそれから始まる。</div>「忘れることはないんだ。あの日から空の色は彼の人の瞳の色なのだから」<div>いつも、いつも、そこから始まり、そこに終わる。</div><div><br></div><div>ふてくされていたところを見下ろされて、覗かれた。それだけのことである。</div><div><div>行き場のない気持ちを無理矢理に押し込めていた。それを見透かされたように思っただけ。</div></div><div>だけど、間違いなく、あの日、彼の人が見つけてくれたから救われた。</div><div>恐れることも、からかうこともなく、ただ奥底をさらうようなまっすぐな瞳にこそ救われたのだ。</div><div>「背を伸ばそう。顔を上げよう。そんな決意を事も無げにさせてくれた。特別なことでなくていいから、生きていきたいと」</div><div>そうして、彼の人のそばで。</div>
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<link>https://ameblo.jp/raindome/entry-12567318009.html</link>
<pubDate>Wed, 15 Jan 2020 22:11:28 +0900</pubDate>
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