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<title>読書初心者の軌跡</title>
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<description>いわゆる文学的な読書を始めた初心者の経歴</description>
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<title>『幸せであるように』</title>
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<![CDATA[ なかなか面白い展開の校正をされているな、というのが第一印象であり、意外性やドラマも散りばめてあるところがなかなか良い。<br>心に響く完成度ではないが、校正の完成度としては良いのではないか。<br><br>修学旅行を多面的に多数の視点で描き新しい印象を与える。<br>青森から飛行機に搭乗し東京へ向かう。ただそれだけの行動ではあるが、クラッカーを持ち込んだ女生徒が離陸の時間に近づいた際にプレッシャーに負けてしまったこと、その場で続けばよいのに再出発してから不安に駆られ白状した生徒、この辺りは始まりとして滑稽であり、ティーンエイジャーの心理をうまく表現していると思う。<br>旅行先での妙なオフ会開催での友人への懺悔告白、間違えてバスに乗ってきて引き返せなくなった引きこもりの他校の生徒が繰り出す心の動き、そして、学生時代に友達以上恋人未満だった男女がバスの運転手と先生として再会し、最終的には今後の二人を誓うのだがその事実は告白より、どちらが先に折れるか、どちらが意地を通すか、そんな心情で表現するのはとても読んでいて楽しかった。<br><br>物語としては非常にシンプルなのだが、校正の新しさや、時間を巻き戻して視点を変えていく手法は、ともすれば飽きられてしまうのではとも思えたが、最後まで楽しく読めて満足だった。<br>決して感動する名作ではないが、これもまた一興かなと。<br><a href="http://click.affiliate.ameba.jp/affiliate.do?affiliateId=30518105" alt0="BlogAffiliate" target="_blank" rel="nofollow">幸せであるように (幻冬舎文庫)/幻冬舎<br><img src="https://img-proxy.blog-video.jp/images?url=http%3A%2F%2Fecx.images-amazon.com%2Fimages%2FI%2F51556HfgowL._SL160_.jpg" border="0"></a><br>￥626<br>Amazon.co.jp<br><br>
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<pubDate>Tue, 08 Sep 2015 21:58:18 +0900</pubDate>
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<title>『かばん屋の相続』</title>
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<![CDATA[ 題名に興味を持ち事前にチェックをしていない本作品を購入。文庫はこういうチャレンジができるから楽しい。<br>ただし、またまた苦手な短編集作品であった事は猛省するに値するが、他の短編集よりは違和感無く読み進められる。<br><br>銀行員による中小企業経営者に対する物語であるが、その中で題名となっている章であるかばん屋の相続が特に記憶するものとなった。<br>きめ細かい製品が高いブランド力を保持しているかばん製造業を経営する父親、銀行支店長の兄、かばん会社の現場を仕切る弟の構図で描かれ、父親が無くなった後に兄が準備していた父の遺言に従って、弟ではなく兄に会社資産が相続された。<br>兄は銀行をやめ、これまで散々愚弄してきた父の中小企業を仕方なく継ぐ姿勢だが、周辺はどうにも賛成できず、また弟は会社を去り独立し、職人達もまた弟についていくのである。<br>金融テクニックを盾に経営を立ち直らせる奮闘をする兄は結局のところ、経営者には向かずまた会社が存続できないところまでにしてしまった。<br>ここで終わると通常の反撃的な勝利で終わるのだが、その後競売や金融手法によって弟がなじみある社屋を取り戻す場面などは池井戸作品による隠し味だと感じる。<br>彼の作品は既に何作も読ませて頂いているが、やはり一本の筋があり、そこに惹かれまた次を期待してしまうのだと思う。<br><a href="http://click.affiliate.ameba.jp/affiliate.do?affiliateId=30457140" alt0="BlogAffiliate" target="_blank" rel="nofollow">かばん屋の相続 (文春文庫)/文藝春秋<br><img src="https://img-proxy.blog-video.jp/images?url=http%3A%2F%2Fecx.images-amazon.com%2Fimages%2FI%2F51n95jJ8HmL._SL160_.jpg" border="0"></a><br>￥637<br>Amazon.co.jp<br><br>
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<pubDate>Sun, 30 Aug 2015 21:39:33 +0900</pubDate>
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<title>『きいろいゾウ』</title>
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<![CDATA[ とても読んでみたかった作品である。<br>機上の人である時間に読みふけった。<br>田舎で小説家である若い夫婦が、ゆるく無理せず暮らしている。<br>登場するご近所さん、野良犬、動物達が愛くるしくカタカナの名前で呼ばれる。<br>この表現の仕方にとても憧れた。<br><br>物語りとしては、主人公の「ツマ」(言い方が紛らわしいが）が幼い頃、おそらく狭心症で一年入院した際に愛読していた絵本に出てくる黄色いゾウとのファンタジーな内容ががところどころに現れる。<br>その大道とは別に、大人っぽい小学生の恋や、人の死に対する心の変化、夫が決意した昔愛した人の救済など、本当に面白く愛すべき仲間達が描かれている。<br>私は小説としてこの作品を読んでいた際に、他の作品とは全く違う感覚で読んでいた。<br>情景が容易に想像できるのである。しかも非常に地味な田舎町にある普通の家の縁側に仲の良い人たちが集まって談笑し、まるでスローライフを体現しているような想像が頭をめぐる。<br>夫婦愛や人間愛、さらにはユーモアが散りばめられたこの作品は、またいつかじっくりと読み返したいと思った。<br><a href="http://click.affiliate.ameba.jp/affiliate.do?affiliateId=30398730" alt0="BlogAffiliate" target="_blank" rel="nofollow">きいろいゾウ (小学館文庫)/小学館<br><img src="https://img-proxy.blog-video.jp/images?url=http%3A%2F%2Fecx.images-amazon.com%2Fimages%2FI%2F418OLUw3MrL._SL160_.jpg" border="0"></a><br>￥710<br>Amazon.co.jp<br><br>
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<pubDate>Wed, 26 Aug 2015 22:23:00 +0900</pubDate>
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<title>『あおい』</title>
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<![CDATA[ 海外へ移動する機中で読んだ作品。<br>私は西加奈子作品が好きだ。そしてすこしほっとしたい時に潜在的に読んでいる気がする。<br>なんでしょうね。特別大げさな物語で無いのにかならず地味な試練があり、それを解決する過程で気づく内容に妙に親近感を覚える。<br>きっと自分でも十分ありえる心の幅で自然に読めて、そして感じることができている作品なんだろうと思う。<br><br>恋人同士の距離感や、その交際をもとに自分の発見や気付き。<br>スナックのシーンでの同伴を秘密にした人間模様と、ママとの心のぶつかり合い。<br>なかなか特別にテーマにするほどの内容で無いのに読んでいてほっとする中身がある事がとても新鮮だ。<br><br>少し心の動きの理解が難しい部分があったが、こういう育ちや道を歩んだ女性であれば迷いつく感覚なのかなと思う。<br>やはり西作品は面白い。<br><a href="http://click.affiliate.ameba.jp/affiliate.do?affiliateId=30398728" alt0="BlogAffiliate" target="_blank" rel="nofollow">あおい (小学館文庫)/西 加奈子<br><img src="https://img-proxy.blog-video.jp/images?url=http%3A%2F%2Fecx.images-amazon.com%2Fimages%2FI%2F51wa6dGW6BL._SL160_.jpg" border="0"></a><br>￥494<br>Amazon.co.jp<br><br>
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<pubDate>Mon, 24 Aug 2015 20:19:23 +0900</pubDate>
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<title>『ジャイロスコープ』</title>
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<![CDATA[ 書店で見かけ興味を持ち思わず手に取った本。<br>伊坂作品を読んだ事が無く、衝動的に購入した。<br>いくつかのストーリーで構成されている本である事実を読み始めてから知る。<br>実は私はこの短編集のような作品が苦手だ。この読書を半ば強制的に自身に強いてから強く感じる。<br><br>その中でも、よく考えられていて面白かったのは「浜田青年ホントスカ」である。<br>スーパーの駐車場で営む相談屋。相談屋とは何を請負いどんな成果をコミットするのだろうとかなり興味を持った。<br>ふと、ある男がこの待ちに迷い込み、この相談屋のアシスタントとして手伝いを始める。<br>いろんな相談が迷い込み、そして的確とは言えない解決策を提示する、いや寄り添った意見を伝えるというのが正しい。<br>決して無理強いした否定を含めたあたりまえの解決策の立案はしない。半ばあきれるような回答さえ帰ってくる。<br>そのやり取りがなかなかユニークで想像を書きたてた。<br>アシスタントとして数日後、一人前の仕事を始めて任される。そう宣言されてその日が近づく。<br>そして、思わぬ事実が隠れており、全てが計画された数日間であった事実が展開される。<br><br>この物語の仕組み自体は非常によく考えられているなと感心した。<br>ただ、次回からは短編集的な作品は買う前に目次でチェックしようと胸に誓う。<br><a href="http://click.affiliate.ameba.jp/affiliate.do?affiliateId=30398652" alt0="BlogAffiliate" target="_blank" rel="nofollow">ジャイロスコープ (新潮文庫)/新潮社<br><img src="https://img-proxy.blog-video.jp/images?url=http%3A%2F%2Fecx.images-amazon.com%2Fimages%2FI%2F41aWJivj5wL._SL160_.jpg" border="0"></a><br>￥594<br>Amazon.co.jp<br><br>
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<pubDate>Sat, 22 Aug 2015 00:36:52 +0900</pubDate>
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<title>『魔術はささやく』</title>
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<![CDATA[ 日本推理サスペンス大賞受賞作である『魔術はささやく』を常々読んでみたいと思っていた。<br>恋人商法で得られる報酬に目がくらんだ女性達がある雑誌の対談に参加したのが悲劇の始まりとなり、徐々に殺害されていくという物語。<br>実際には殺されるというよりも、催眠術による行動制御であり結果的に自殺させるという行動へ繋がっていく。<br><br>恋人商法で恋をしてしまい挙句の果てにはだまされたのを知り自らの命を絶った研究者がいた。<br>この研究の師が催眠状態を各々に作り上げ一連の物語をまるで魔術のように描いている。<br>本流とは別に、主人公(高校生)の複雑な家庭環境や生い立ち、アルバイト先でのサブリミナル効果に端を発した科学的催眠効果、そして昔父親を事故で危めた男への対処に伴う心の動き。<br>その全てが絶妙に華を添え、想像をかき立てている。<br>宮部作品はまだまだこれから読みたいと考えており、新鮮な発見を得られるのではと期待し、今後に注目していきたい。<br><a href="http://click.affiliate.ameba.jp/affiliate.do?affiliateId=30310697" alt0="BlogAffiliate" target="_blank" rel="nofollow">魔術はささやく (新潮文庫)/新潮社<br><img src="https://img-proxy.blog-video.jp/images?url=http%3A%2F%2Fecx.images-amazon.com%2Fimages%2FI%2F51R5TQRYMHL._SL160_.jpg" border="0"></a><br>￥767<br>Amazon.co.jp<br><br>
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<pubDate>Sun, 09 Aug 2015 02:16:50 +0900</pubDate>
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<title>『夜のピクニック』</title>
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<![CDATA[ こんな全校行事が高校時代にあったら面白かっただろうなと素直に思う。<br>友人達や親友、恋愛や恋愛に満たない青春ごっこ。<br>中でもやはり考えさせられるのは、親友との関係性だ。<br>親友は友という枠組みから突出した、ある意味心を許し秘密を共有し、そして他人が踏み込めない領域を分かち合うと定義できる。<br>この物語の中には異母兄弟が同じクラスメイトで生活し、周辺には関係性を秘密にしてやり過ごすなんとも窮屈な設定がされている。<br>もの関係性について親友に打ち明けるのか、あるいは恥と考え言う事ができないのか、また知られてしまった場合に教えてくれなかったと感じる親友はどのような心持ちなのか。そんな状況が全校生徒が昼夜を問わず80km走破するイベントの中で展開される心の変化、関係性の変化を絶妙に描いている。<br><br>青春ストーリーは久しく読んでいないが、十代の頃を思い出し、心を洗われたような気がした。<br><a href="http://click.affiliate.ameba.jp/affiliate.do?affiliateId=30297298" alt0="BlogAffiliate" target="_blank" rel="nofollow">夜のピクニック (新潮文庫)/新潮社<br><img src="https://img-proxy.blog-video.jp/images?url=http%3A%2F%2Fecx.images-amazon.com%2Fimages%2FI%2F41Nry8WpMLL._SL160_.jpg" border="0"></a><br>￥724<br>Amazon.co.jp<br><br>
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<pubDate>Thu, 06 Aug 2015 10:16:15 +0900</pubDate>
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<title>『天下り酒場』</title>
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<![CDATA[ いくつかのストーリーで構成されている作品であったが、題名で使用されている天下り酒場という発想が非常にユニークだった。<br>経営不振に陥っている居酒屋に常連客の依頼で元役人が就職するのだが、この内容が痛快であった。<br>物語の途中までは経営コンサルタントに近い意思決定判断に要する経営分析や経営改善最適化を実施していくのだが、途中からは役人が天下りする仕組みを徐々に構成していく。<br>破綻寸前だった居酒屋の経営改革がなされ、さらに拡大化し、オーナーが知らぬ間に第三セクター化され、最終的には手を放してしまう。<br><br>昔から役人は天下り先を構築し、数回の退職金授受を目的とした生涯年収を高める努力を惜しまない。<br>裏金もしかりだが、日本の公務員における一種の病であろうと考える。<br>こういう性質をユニークに小説として表せることができるのが素晴らしい。<br><a href="http://click.affiliate.ameba.jp/affiliate.do?affiliateId=30277876" alt0="BlogAffiliate" target="_blank" rel="nofollow">天下り酒場 (祥伝社文庫)/祥伝社<br><img src="https://img-proxy.blog-video.jp/images?url=http%3A%2F%2Fecx.images-amazon.com%2Fimages%2FI%2F51URQb2wHZL._SL160_.jpg" border="0"></a><br>￥617<br>Amazon.co.jp<br><br>
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<pubDate>Mon, 03 Aug 2015 18:53:09 +0900</pubDate>
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<title>『うつくしい人』</title>
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<![CDATA[ なぜだろう。西作品を読むととても心が温かくなり、そして自分の生活において荒んだ部分があれば見直したい衝動に駆られ、また誠実に愚直に自分を再評価したくなる。<br>こういう作品を読む事で啓発ではなく自己発見を実現できると感じる。<br><br>一人のOLが会社をやめ割合裕福な実家に支えられている環境において、外出しなければと思い立ち、雑誌で憧れた国内環境名所へ旅立つ。<br>この作品の主人公は周りの中で自らがどのように評価されているのか、浮いていないか、空気が読めているか、より平均であるか（あるいは平均以上か）、そのような物差しにおびえながら青春時代を過ごし、そして社会人生活も同様に過ごしている。<br>非常に日本人的な精神状態でないかと読んでいて感じたが、それらの描写をより明確に表している。<br>旅先でであった不思議な面々との触れ合いでこれまで認めなかったものに対し、異なる価値観で開放されているのだが、その情景を想うだけで涙を誘われる。<br><br>また、読み直したい本であり、自分が老いてから読むとまた異なった感情が得られるのではと感じた。<br><a href="http://click.affiliate.ameba.jp/affiliate.do?affiliateId=30261912" alt0="BlogAffiliate" target="_blank" rel="nofollow">うつくしい人 (幻冬舎文庫)/幻冬舎<br><img src="https://img-proxy.blog-video.jp/images?url=http%3A%2F%2Fecx.images-amazon.com%2Fimages%2FI%2F41f4KPT8mhL._SL160_.jpg" border="0"></a><br>￥535<br>Amazon.co.jp<br><br>
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<pubDate>Sat, 01 Aug 2015 10:26:07 +0900</pubDate>
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<title>『沈黙』</title>
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<![CDATA[ 第2回谷崎潤一郎賞受賞作。<br>17世紀日本が舞台となりキリシタン弾圧の中、布教活動を信念を持ってやり遂げていくポルトガル人の司祭(パードレ)の視点で描かれた作品。<br>信仰とは何のか、順境とは何なのか、島原の乱以降の弾圧の中で布教をしていく者達（ロドリゴやガルペ）を追い詰めていく。<br><br>イエズス会の神学者であるフェレイラはこの日本の状況下で拷問され、神の存在を見定めることなく、棄教した。<br>弟子達は澳門経由で日本へ入る手はずを整え、神の名の下に日本での布教を志すこととなったが、ほどなくして信教徒の裏切りによりパードレは役人に捕まり投獄されてしまう。<br><br>役人監視のもとでフェレイラと会う事となる。<br>彼は棄教し宣教師ではなく天文学等の知識で日本に貢献する役目となっていた。<br>フェレイラはロドリゴを説得し棄教を勧めるが、ロドリゴは拒絶する。<br>しかし、信教徒が拷問され死に絶えていく中でなぜ神は何もしてくれないのかと、ロドリゴ自身が疑問を持ち始め、最終的には棄教し、ひっそりと日本で暮らすこととなる。<br>過酷な教えている神がきちんと理解されているのか、この日本で歪曲化され独自の神を生み出していないか、そのような疑念を持ち、棄教はしたがイエスだけが信仰を分かってくだされば良いという心境に変化し、とうとう布教はあきらめた。<br>物語の中でキチジローという男が冒頭から最後まで登場する。弱くずるがしこく、ユダに見立てた司祭の精神性も描かれており、ただその男に対しても慈悲が必要であるが、それすらも疑問を持つようになる。<br>そんな中、何もしれくれなかった神はキチジローを介して伝えてくる。「私は沈黙していない。お前達と共に苦しんでいる」。<br>ロドリゴは自分が今でも日本に残った最後の司祭だと自らの中で自覚をして終わる。<br><br>内容は若干宗教的に難しい理解も含まれるが、弱い者達を救う神の布教について司祭の信念がとても伝わり、さらに裏切り者に対しての心の動きもよく描かれており、熟慮しながら動きを追いたい作品になっている。<br><br><a href="http://click.affiliate.ameba.jp/affiliate.do?affiliateId=30237596" alt0="BlogAffiliate" target="_blank" rel="nofollow">沈黙 (新潮文庫)/新潮社<br><img src="https://img-proxy.blog-video.jp/images?url=http%3A%2F%2Fecx.images-amazon.com%2Fimages%2FI%2F41DKKXJTYXL._SL160_.jpg" border="0"></a><br>￥594<br>Amazon.co.jp<br><br>
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<pubDate>Thu, 30 Jul 2015 07:48:11 +0900</pubDate>
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