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<title>- 優 美 な る 愛 之 曲 -</title>
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<title>Flower</title>
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<![CDATA[ <div align="center"><a href="http://stat.ameba.jp/user_images/20091223/13/ren-piano/16/03/j/o0500050010350204832.jpg"><img src="https://stat.ameba.jp/user_images/20091223/13/ren-piano/16/03/j/t02200220_0500050010350204832.jpg" alt="- 優 美 な る 愛 之 曲 --image0031.jpg"></a></div><br><br>そう、気付いていた<br>午後の光にまだ 僕は眠ってる<br>思い通りにならないシナリオは<br>戸惑いばかりだけど…<br><br>今日も逢えないから<br>ベッドの中 目を閉じて<br>次の次の朝までも<br>この夢の君に見とれてるよ<br><br>いつでも君の笑顔に揺れて<br>太陽の様に強く咲いていたい<br>胸が痛くて痛くて壊れそうだから<br>叶わぬ想いなら責めて枯れたい<br><br>もう笑えないないよ<br>夢の中でさえも 同じ事言うんだね<br>窓の向こう…<br>本当の君は今何をしてるんだろう<br><br>遠い日の昨日に 空っぽの鳥籠を持って<br>歩いてた僕は きっと君を探してたんだね<br><br>彩やかな風に誘われても<br>夢中で君を追い掛けてるよ<br>空は今にも、今にも降り注ぐ様な青さで<br>見上げた僕を包んだ<br><br>幾つもの種をあの丘に浮かべて<br>綺麗な花を敷き詰めてあげる<br>早く見付けて 見付けて<br>ここにいるから<br>起こされるのを待ってるのに…<br><br>いつでも君の笑顔に揺れて<br>太陽の様に強く咲いていたい<br>胸が痛くて痛くて壊れそうだから<br>叶わぬ想いなら責めて枯れたい<br><br>(Flower/L'Arc-en-ciel)<br><br>貴方の夢を叶えてくれる神様は<br>いつも貴方の傍で微笑んでいるよ<br>いつか綺麗な花が咲きますように<br><br>　REN.
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<pubDate>Wed, 23 Dec 2009 13:00:00 +0900</pubDate>
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<title>今宵、白雪の様に</title>
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<![CDATA[ <div align="center"><a href="http://stat.ameba.jp/user_images/20091216/04/ren-piano/ad/4c/j/o0375050010342506757.jpg"><img src="https://stat.ameba.jp/user_images/20091216/04/ren-piano/ad/4c/j/t02200293_0375050010342506757.jpg" alt="- 優 美 な る 愛 之 曲 --image0065.jpg"></a></div><br>このまま目覚めなければいい<br>雪の様に冷たく静かに落ちて<br>明日と共に記憶は溶ける<br>其の代償に呼吸を止めるから<br>許して欲しい<br>これまでとこれからの罪
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<pubDate>Wed, 16 Dec 2009 04:00:00 +0900</pubDate>
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<title>2009/12/12</title>
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<![CDATA[ <!-- decome --><br><div style="margin-left : auto ; margin-right : auto ; ;"><div>眠れない<img alt="- 優 美 な る 愛 之 曲 --start.gif" src="https://stat.ameba.jp/user_images/20091212/08/ren-piano/37/22/g/o0020002010338052333.gif" border="0"></div><div>次から次に考えたくない事が思い浮かぶ。</div><div>もう疲れた…。</div><div> </div><div><br>　REN.</div></div>
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<pubDate>Sat, 12 Dec 2009 08:00:00 +0900</pubDate>
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<title>Blame</title>
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<![CDATA[ <br>もう一度あの二つに別れた道へ<br>戻れるとして君に<br>触れないで迷わずこの道を選べるか<br>解らないけれど<br><br>僕が犯した罪は肌を切るより<br>深い痕を残した<br>だけど神であれ責めさせはしない<br>あの時のように<br><br>胸の奥に突き刺さったままの<br>情景が抜けない<br>息が出来ず いくらもがいてみても<br>Please don't Blame it on me<br><br>それは僕のこの足跡をたどれば誰もが解るだろう<br>果てない苦痛に歪まれた<br>足跡をたどれば<br><br>君を今も想う日々が<br>僕の全てだとしても<br>いつか時が膝を抱えた<br>僕を連れてゆくよ<br><br>罪を数え暮す日々が<br>僕の全てだとしても<br>夜を踊り続けるだろう…<br><br>(Blame/L'Arc～en～ciel)
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<link>https://ameblo.jp/ren-piano/entry-10407818530.html</link>
<pubDate>Thu, 10 Dec 2009 12:00:00 +0900</pubDate>
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<title>2009/12/10</title>
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<![CDATA[ <br>何も要らない。<br>音楽も幸福も。<br>過去も未来も。<br>現在(いま)、傍に居たいだけだから。<br><br>　REN.
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<link>https://ameblo.jp/ren-piano/entry-10407593487.html</link>
<pubDate>Thu, 10 Dec 2009 01:00:00 +0900</pubDate>
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<title>ORION-004-</title>
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<![CDATA[ 琥珀を留置室に運び終わり、漸く部屋に戻った。ミンタカは居なかった。夜間巡回の当番だろう。<br>僕は衣服を脱ぎ捨てて、浴室に入った。シャワーの蛇口を捻ると、雨に似たものが音を立てて流れ出す。僕は其の習性を知っている。<br>肩の傷は未だ痛んだ。一ヶ月も前の傷だ。あの夜は多くの血が流れた。たまたま街を歩いていた時、暴れていた十数人のテロリストを僕が抑えた。後になって、テロ組織の一部だろうと大尉は言った。僕が其所を通る迄に、既に多くの人間が無差別殺傷の犠牲となっていた。<br>罪無き多くの人命を奪ったテロリストの殆どは、僕が斬った。残っていた数人は、駆け付けた騎衛隊が取り押さえ、牢に入れた。<br>そう言えば、僕の肩を斬った奴。<br>見覚えがある。<br>何処かで見た。<br>話しをした事がある。<br>彼の笑顔を知っている。<br>そうだ。<br>嘗て僕がテロから救った青年だ。<br>シンディ。<br>一瞬、躊躇した。<br>時を重ね、テロ組織に入っていた。<br>何故、悪に染まってしまったのか。<br>いや、其れは違う。<br>テロ組織を悪と呼ぶのは、僕達政府側の人間だけだ。<br>彼等にとって、彼等の行為は正義に違いない。<br>逆に彼等が悪とするのは、政府側の人間だ。<br>つまり僕は悪だ。<br>彼は悪に立ち向かったのだ。<br>素晴らしい勇姿じゃないか。<br>素晴らしい最期だったと思わないか？<br>シンディ。<br>聞こえるか？<br>僕は生きている。<br>悪は生きている。<br>生きて、正義を貫いている。<br>君の思う、悪を貫いている。<br>身体を流れる液体はサラサラとしていた。まるで血液とは無縁の成分の様だ。色も臭いも全く違った。この液体が身体を流れていても、誰も気にしない。其の言葉が呪文の様に頭から離れない。<br>僕は蛇口を締めて、タオルを手に取った。身体を拭いて、浴室を出た。<br>ベットに倒れ込むと、身体が一層重く感じた。日に日に身体が重くなってゆくのが判る。身体が錆びた鉄の様に、重く、血の臭いに染まってゆく。身体を洗っても、臭いは取れない。肩の傷が何時まで経っても癒えない気がした。僕は彼の様に誇れるだろうか。命を懸けて、正義を貫けるだろうか。其れは死んだ時に判る事だ。<br>目を瞑ると、澄んだ夜空が映った。星を数え終わる頃には、きっと一生が終わっている。生まれ変わった僕も、また星を数えている。<br>綺麗だ。美しい光。美しい輝き。この世界になら、一生を捧げても損は無い。翼があれば、もっと高く飛んで行っただろう。そんな物語を、何時かミンタカが話して呉れた事がある。其の時はまるで興味が湧かなかったけれど、今では羨ましく思う。<br>空を飛びたい。透き通った物は、浮かぶ事が出来ると聞いた。例えば、ピアノの音色がそうだ。煙草の煙も。タンポポの綿毛も。皆、澄んでいる物は浮かぶ事が出来る。地上に蓄積しているものは、重たくて、濁った物。軽くて、透き通ったものは、星の様に浮かんで宇宙に還る。僕の様に重たい身体は、どれだけ望んでも浮かぶ事が出来ないだろう。<br>流れ星が落ちてゆく。<br>何処へ行くのだろう。<br>風が吹いている。<br>風に馴染む声が聞こえる。<br>聞いた事のある声。<br>誰だっけ。<br>僕の名前を呼んでいる。<br>澄んだ声。<br>アリス。<br>彼女が隣に居た。<br>夜空に気を取られて、気が付かなかった。<br>彼女は微笑んでいた。其の笑顔が余りに透き通っていて、星の様に浮かんでしまわないかと心配になった。<br>夜空に目を戻すと、雨雲が広がっていた。<br>星は隠れていた。<br>ポツポツと雨が降ってきた。<br>髪が濡れて。<br>体が濡れて。<br>隣を見ると、彼女も濡れていた。<br>彼女の頬を伝う雨。<br>涙だったかも知れない。<br>アリス。<br>彼女に手を差し伸べた。<br>其の瞬間に。<br>僕は浮かんだ。<br>産まれて初めて、身体は大地を離れた。<br>こんな感じなのか。<br>ピアノの音色も。<br>煙草の煙も。<br>タンポポの綿毛も。<br>このまま、何処へ飛んで行こうか。<br>よければ、君も一緒に行こうよ。<br>アリス。<br>僕の手を握って。<br>離さないで。<br>雨雲は消えていた。<br>夜空は澄み渡っていた。<br>そうか。<br>だから僕は浮かんでいたんだ。
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<link>https://ameblo.jp/ren-piano/entry-10404540871.html</link>
<pubDate>Sun, 06 Dec 2009 02:00:00 +0900</pubDate>
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<title>ORION-003-</title>
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<![CDATA[ 夜になっても雨は弱まらなかった。寧ろ強まった気がする。さっきの老婆は濡れていないだろうか。そんな、どうでもいい心配をするのは老婆だけだと思っていた。<br>僕は部屋を出て、地下の牢獄へ向かっていた。大尉は其所に居ると執事に聞いたからだ。<br>牢獄へ向かう廊下はジメジメと濡れている。天井から雨水が漏れだして、滴りを上げていた。歩き心地が悪くて苛々する。ゴロゴロとした足場の悪い地面が、所々に水溜まりを作っていて尚更歩き難い。粗末な灯りは五メートル毎に一つずつしかない。<br>暫く歩くと錆びきった牢門に辿り着いた。門番は僕の姿を確認すると、一礼して門の鍵を開けた。鈍い音を立てて大きな門は開く。怪物の断末魔の様な音だった。これだけは嫌いじゃない。<br>其の先は更に足場が悪い。黴臭い臭いが漂い始めた。服に染み着きそうな腐敗臭さえする。ここに近寄りたくない一番の理由だ。<br>微かに話し声が聞こえてきた。其れは廊下を進む毎にはっきりと聞こえてきた。<br>二十メートル程進むと、道は十字に別れた。どちらに行こうか迷ったけれど、右の道の先に大尉の姿を確認して、そちらに向かって歩いた。<br>大尉は牢に向かってしゃがんでいた。囚人と話している様だ。彼は僕の姿を確認すると立ち上がり、此方に身体を向けた。僕は立ち止まって一礼した。大尉は其れに応え、此方に歩いて来た。<br>「こんな場所まで出向かせて、すまないな」低く、太い声。ゆっくりとした口調。真を掴ませない落ち着いた言葉。<br>「構いません」<br>「話は私の部屋でする」<br>「解りました」<br>彼は僕の目の前まで来ると立ち止まった。透き通った銀色の視線が僕の瞳を貫いた。<br>「何か？」僕は問った。<br>「囚人との話しを聞いたか？」<br>「話し声は聞こえましたが、内容までは聞いていません」<br>彼は、そうか、と言うと、ゆっくりと僕の横を通り過ぎた。途端に空気の圧力が一気に下がった。久し振りに空気を吸った。<br>「着いて来い」<br>僕は彼の後に続いた。<br><br>大尉は部屋に着くと、照明を点けて、奥の机に腰を掛けた。僕は入り口に立ったままだった。<br>彼は煙草に火を点けて、一服、吹かした。煙はゆっくりと空気に解ける様に広がった。<br>静かな室内を、雨音だけが我が物顔で占領している。<br>「適当に座れ」大尉が静かに言う。僕は、はい、と答えて、傍にあった黒いソファに腰を掛けた。固くて、座り易かった。<br>「調子はいい様だな」<br>「コンディションは常に万全です」<br>「素晴らしい」彼は表情を変えないまま、煙草の灰を硝子の皿に落とした。<br>「昨夜は何処へ行っていた？」<br>「街の酒場です」僕は嘘を付いた。何故、嘘を付こうと思ったのかは自分でも解らなかった。尤も、大尉は其の嘘を見抜いていたかも知れない。<br>「近頃、テロ組織の動きが活発になっている事は知っているな。街では注意しておけ」彼はまた煙を吸った。<br>「解りました」僕は応えた。<br>突然、大尉が視線をドアへ移す。同時に僕も其れに気付いた。立ち上がってドアまで歩き、静かにドアを開けた。其所にはさっき部屋の窓から見た老婆が弱々しく立っていた。<br>「何者だ」後ろで大尉が言った。僕は老婆の動向を窺っていた。<br>「ベテルギウス様…。アランタールと申します」老婆は今にも途絶えそうな声で言った。新聞紙を飲み込んだ様な声だった。<br>「どうしてここに居る？」僕は老婆に問った。老婆は手を擦り合わせながら立っていた。皺だらけの手だった。老婆は手を擦り合わせるだけで何も言葉にしない。呆けているのかも知れない。樹液に固められた虫の様に動かなかった。<br>「大尉、如何なさいますか」僕は部屋に向き直って言った。大尉は煙草を皿に押し付けて溜め息を吐いていた。<br>「仕方がないな。留置室に入れておけ」<br>「解りました」僕は押し動かす様に琥珀を運んだ。落として割れてしまっても、誰も怒らないだろう。
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<link>https://ameblo.jp/ren-piano/entry-10404540208.html</link>
<pubDate>Sun, 06 Dec 2009 02:00:00 +0900</pubDate>
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<title>ORION-002-</title>
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<![CDATA[ 翌日は雨だった。空気がどんよりと湿気を帯びて重たい。時折、木製の部屋の隅々で木が割れる様な音が立っていた。<br>僕は冷蔵庫を開けて、何か飲める物はないか探した。中にビールと割り物用のソーダが在った。僕は溜め息を吐いて、冷蔵庫のドアを閉めた。<br>「何か買ってこようか？」ソファで本を読んでいたミンタカが言った。僕の心の中まで読んでいたらしい。<br>「自分で行くよ」僕は上着を着て部屋を出た。<br>廊下は左右に薄暗く伸びている。壁に掛かった蝋燭が灯っていなければ真っ暗だろう。蝙蝠が好みそうな複雑な形をした天井のシャンデリアは、随分と前から灯りを絶っていた。この建物の管理人は、月に数度しかやって来ない。珍しく見掛けても、エントランスの管理室でややこしい機械を弄っただけで帰ってゆく事が殆どだった。廊下の蝋燭に再び火を灯すのは、執事達の仕事となっていた。<br>真っ黒なカーペットの上を廊下の突き当たりまで歩いて、エレベーターに乗り込んだ。四角い形をした地下二階のボタンを押すと、エレベーターは苦しそうに軋みながら地下へ沈んで行った。<br>エレベーターを降りて、正面に在る食堂の扉を開けると、辛そうな料理の臭いが鼻を突いた。カレーライスとは違う独特な香り。料理を想像しても、余り好ましい料理が思い浮かばなかった。<br>左手に洗面台が三つ並んでいて、其の一つの鏡に自分の顔が映っていた。彼は何時も、何か物言いたげな表情でこちらを睨んでいる。そして、僕が発するどんな言葉にも耳を傾けようとしない。好き嫌いの激しい、我が儘な奴だと認識していた。<br>僕は食堂を奥へ歩いた。食堂には大きなテーブルが八つ設けてある。宿舎の同僚が全員集まっても幾つかは席が余る。今は何人かの同僚が席に座っている。例の辛そうな料理を食べている者は居なさそうだ。折角作っても、誰も食べないかも知れない。ここの人間はそんな奴ばかりだ。勿論、僕も食べる気は無い。<br>カウンタの横にある販売機にコインを入れて、温かい珈琲を二本買った。其の光景を調理場のおばさんがジロジロと見ていた。僕は軽く頭を下げて食堂を去った。<br>部屋へ戻ると、ミンタカが本から目を離さずに、お帰り、と迎えて呉れた。僕が彼の側のテーブルに珈琲を一つ置くと、今度は本から目を離して、ありがとう、と言った。<br>僕は窓際の椅子に座り、缶の蓋を開けて、一口、呑んだ。甘味は無い。無糖だった。嫌いではない。ソファの彼がこれを呑めるかは判らない。缶の中身は呑めなくても、僕の気持ちだけは呑み込んで呉れるだろう。<br>窓硝子に映る外界は、昼間にも関わらず薄暗い。きっと雨雲が太陽を遮っているせいだ。そうでないとしたら、誰かが硝子にスモークを仕込んだに違いない。<br>窓硝子は傘のお陰で濡れない設計だが、硝子の向こうには、傘を差さずにアスファルトを歩く老婆が居た。関係者だろうか。尤も、敷地内には関係者以外入れない筈だ。食堂に就任した新人かも知れない。<br>明るい室内に視線を戻すと、ミンタカがテーブルに本を伏せて、珈琲を呑んでいた。<br>「君に頼まれていたピアノの調律、済んでるよ」彼は人差し指で隣の部屋を差した。<br>「どうだった？」僕は一区切り置いて訊いた。<br>「年代物だからね」<br>「痛んでる？」<br>「うん、まあ…。少しだけ」<br>僕は直ぐに椅子から降りて、隣室へ向かった。木造の扉を開けて部屋に入る。中央に、シルクに身を包んだ立体が在る。撫でる様にシルクを払うと、黒く艶光りする漆黒のグランドピアノが露になった。<br>僕は、其の体に触れた。<br>冷たい。<br>指先より。<br>きっと、凍えていただろう。<br>一人きり。<br>仄暗い部屋の中で…。<br>何が欲しい？<br>言ってみて？<br>どうして、綺麗なものは皆、言葉を発しないのだろう。言葉を知らないのだろうか。大地を翔る風も、美しい夜も、機械記号の様な模様をした蝶々も。本当に美しいものは、言葉を遣わなくても愛を伝えられる。だから、美しい。だから、人の心を惹き付ける。<br>鍵盤は綺麗に磨かれていた。これは彼に頼んでいなかった事だ。調律のついでに磨いて呉れたのだろう。<br>「弾かないの？」背後からミンタカの声がした。腕を組んで壁に凭れていた。<br>「鍵盤を磨いた？」<br>「調律の序でに」<br>「頼んだ覚えはないけど」<br>「余計だった？」<br>「君にとって余計だったと思う」<br>僕はピアノを綴じてシルクを掛けた。「ありがとう」僕はそう言って部屋を出た。<br><br>雨の日は、泣いている。<br>声に出さないだけ。<br>涙を流さないだけ。<br>其れ位、美しい物なんだ。
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<link>https://ameblo.jp/ren-piano/entry-10404539901.html</link>
<pubDate>Sun, 06 Dec 2009 02:00:00 +0900</pubDate>
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<title>ORION-001-</title>
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<![CDATA[ 夜風が優しく草原を靡かせて、秋桜の香りを運んでいる。行き先は判らない。<br>僕は遥か山脈に架かる藍色のグラデーションを眺めながら、鈴虫より小さな声で鼻唄を唄っていた。時折、山脈の輪郭へ堕ちて逝く流星が見えた。願い事を唱えるなら、何を祈るだろう。そんな事は、星が流れた時には忘れてしまう。<br>隣で星を数えている彼女を見ると、両腕で身体を抱いていた。そう言えば、数日前から夜風が冷たい。秋が深まっている。<br>「戻りましょうか」僕は彼女に言った。<br>「どうして？」彼女は上を向いたまま、僕に問い返した。僕は其の答えに少し迷った後、何も言わずに上着を脱いで、其れを彼女の肩に掛けた。彼女は少し驚いた顔で僕を見て、ありがとう、と微笑んだ。綺麗な声だった。懐かしい楽器の音色に似ていた。<br>「見て、リゲル。あれがオリオン座のβ星よ」彼女は南の空を指差して言った。初めは其の言葉の意味が解らなかった。<br>彼女は宇宙に詳しい。少なくとも僕よりは何倍も。星座や銀河が好きなのだと何時も言う。宮殿を抜け出して、何処か遠い街で天文学者に成りたいと言っている。僕ならそうしただろう。尤も、彼女には許される事の無い選択だが。其れでも夢を描く事は悪くない。人類はそうやって進化を遂げてきたのだから。<br>「宇宙には私達の知らない物が沢山あるの。其の中の一つに、きっと蒼い薔薇もあるわ」彼女は僕に笑顔を向けて言った。何が楽しくて笑っているのだろう…。熟、不思議な女性だった。<br>「リゲル、貴方にこれを持っていて欲しいの」彼女は流れる様な金色の髪から、蒼い髪飾りを抜いて僕に渡した。僕は其れを静かに受け取って言った。「折角頂いても、私には使い道がありません」<br>「持って居て呉れるだけでいいの」彼女は髪飾りを僕の手に押し留める様に、両の手を重ねてそう言った。<br>「わかりました」僕は其の髪飾りを、襟に刺した。丁度、ブローチの様に飾られた。其れを見て、とても似合っているわ、と彼女はまた、微笑んだ。
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<link>https://ameblo.jp/ren-piano/entry-10404537865.html</link>
<pubDate>Sun, 06 Dec 2009 02:00:00 +0900</pubDate>
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<title>白い吐息、冬の夜</title>
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<![CDATA[ <br>あれは、夢だったっけ？<br>夜の街並み。<br>映画を観た帰り道。<br>白い吐息。<br>隣の貴方。<br>澄んだ夜空の星屑。<br>それから青い光と。<br>温かい缶コーヒー。<br>何処へ歩いてるのかな？<br>判らない事だらけ。<br>頭がボーッとしていて。<br>隣の貴方を見たら。<br>目が合った。<br>優しい瞳。<br>吸い込まれてしまいそう。<br>風が吹いて。<br>枯れ葉が一斉に舞って。<br>瞼を閉じた。<br><br>　REN.
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<link>https://ameblo.jp/ren-piano/entry-10401262118.html</link>
<pubDate>Tue, 01 Dec 2009 21:00:00 +0900</pubDate>
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