ひより軒・恋愛茶漬け https://ameblo.jp/rennaityaduke/ 恋なんてサラサラっと喉に流し込んでしまいましょう。でも気をつけて。意外とつかえやすいんです。hiyori ja-jp 謹賀新年2014 https://ameblo.jp/rennaityaduke/entry-11746059242.html     ことしもよろしくお願いします。    2014-01-08T23:43:52+09:00 聖夜 https://ameblo.jp/rennaityaduke/entry-11736382824.html 僕を傷つけないようにあなたが選んだ場所は恋人たちの集まるツリーの下の目立つ一角。赤いコートで約束の時間通りに顎を上げあなたは僕の姿をさがす。ぴったりとした革の手袋の中マニュキュアのない細い指先本当はそこにあるはずの結婚指輪はあの日、僕がそっと盗んで人質のようにしまっている。きよしこのよるほしはひかりそっと近づき目が合った時のあなたの笑顔を信じたい。拒まれるのが怖くてこどもっぽく北風にさらして冷えた僕の両手を包みあやすように何度も息を吹きかけるあなたの温かさを信じよう。今夜、だから。メリークリスマ 2013-12-26T00:09:27+09:00 バーカウンターから https://ameblo.jp/rennaityaduke/entry-11600628472.html  退屈じゃないですか?カウンターに並んでいた男は長い世間話の後でわたしがそう聞くと初めてこちらを向いた。男としては十分に老いたまなざしで。男の肩書は大きくでも言葉は弱く口慣れた様子の言い訳を三度も繰り返してあたりさわりのない意見を吐いた。 本当に?返事なんて期待しない。わたしはただ男の手を見ていた。タンブラーを持つ男の大きな手に見合った長く筋張った指と皮膚堅そうなひびのある爪を。疲弊して用心深くなった男たちはたいていまっすぐわたしの目を見ない。だから視線を外して笑顔をみせ敵意がないことを伝えるし 2013-08-27T01:08:55+09:00 謹賀新年2013 https://ameblo.jp/rennaityaduke/entry-11439874955.html      今年もよろしくおねがいします。 2013-01-01T14:40:44+09:00 ひらたいスプーンのかたち https://ameblo.jp/rennaityaduke/entry-11302042833.html テーブルの同じすみにいつもあなたは書置きをおいた。それは薄い茶色の紙で僕に剥がれ落ちた皮膚を思わせる。端はちぎられて毛羽立ちゆるく反って乾き行き先と帰宅時間が句点も読点もなく簡潔に記してあった。窓は開いている。だから部屋には風が吹いている。重石はいつも銀色の平たいデザートスプーンで僕は無造作にそれを手に取り重さをなくした伝言は部屋のどこかへ飛ばされていく。冷蔵庫にはバニラアイス。何かを確実に慰める甘さ。平らなかたちのせいでアイスが口の中で溶けた後でもスプーンだけは舌の上に長く休んでいる。あなたの 2012-07-14T07:10:37+09:00 屹立 https://ameblo.jp/rennaityaduke/entry-11195954600.html 燃え上がる華滴り落ちる体液ああ なんて姿勢の良い腐敗。横になっていても脊椎は伸びねじれない。立ちのぼる死臭としだれ落ちる内臓がかもす狂気は常に屹立する。美しさよりただしさの方向を指す。松井冬子展に行きました。期待を裏切らないすばらしさでした。日本画はみなれていないけれど下図など創作過程もみられて面白かったです。彼女の絵から感じたものを書きました。 2012-03-18T02:24:33+09:00 人生を美しく描くことに後ろめたさは必要か。 https://ameblo.jp/rennaityaduke/entry-11189627008.html わたしたちは大人だった。酒に酔い人に酔わず狭い場所で膝を突き合わせ何かを伝えようと思えるくらいに十分に大人で。ここに視線を延ばす海がありオンショアの風を浴びながらならあの人はああしてわたしを責めただろうか。 「うそつき」何度も人に言われたように初めてあの人が告げた。 「うそつき」だけどあの人のいう本当だって本当ではない。人も人生も世界もあの人が言うよりはもっとずっと綺麗だ。あの人の用心深さ。あの人の責任感がそう言わせるのだろう。わたしを「うそつき」と呼ぶのだろう。物語を美しく描くことに罪悪感を持 2012-03-11T15:49:59+09:00 https://ameblo.jp/rennaityaduke/entry-11169675483.html 画家の頭が骨を舐めさせるのだ。唇から差し込んだ舌先がまず触れるのは硬い歯でながいこと人のかたちを骨格で捕らえてきた画家は詩人の唇の中に味のない骨のかけらをさぐりほっと息をつく。 甘いことばに 取り乱すべきじゃなかった。 お前に 特別なところなどない。 ただわたしはいつものように 対象を確かめたいだけだ。詩人は黙っている。黙って画家に舐めさせる。ながいこと人の表情を筋肉で捕らえてきた画家は詩人の唇からほほの上にまぶたの上にまで舌をはわせ笑顔をなぞる。 いつもしてきたようにする。 視覚と同じように触 2012-02-19T20:10:27+09:00 バレンタインデイ キス https://ameblo.jp/rennaityaduke/entry-11163267181.html 甘さを感じるためにわたしは舌を使いやわらかさを感じるためにあなたは唇を使う。 ねえ、どっちが熱い? あの硬いチョコレートを 先に溶かしてしまうのは?濡れているからわたしは舌を選び包みこめるからあなたは唇を選ぶ。夢中になってどろどろでべとべとになって無邪気な競争が終わった後で汚れた場所をぬぐいあう。できるだけ器用にできるだけやさしくお互いお気に入りの舌と唇を使って。映画「ものすごくうるさくてありえないほど近い」を観ました。悲しく美しくきっと忘れられないと思います。 2012-02-13T00:30:57+09:00 謹賀新年2012 https://ameblo.jp/rennaityaduke/entry-11124109893.html           2012-01-01T22:22:26+09:00