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<title>面倒臭いの末路</title>
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<description>たいへん小説とか、漫画をかいている純文学、好きオリジナル漫画、好きです</description>
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<title>深海の子供</title>
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<![CDATA[ 夕暮れの頃、海辺は大騒ぎであった。<br>6年程前に海に流され、死んだと思っていた子供が打ち上げられたのだ。<br>それも生きている。<br>生きているというのは間違いかも知れない。心臓は動いてない。<br>心臓どころか脳波さえ止まり通常では指一本震えない筈なのだが、どういう事かぱちぱちと瞬きをしている。<br>そんな事があって、今海辺は大騒ぎである。<br>私が検死をして、心臓も脳も機能していないが生きているという矛盾した発言に街人は困惑するばかりだった。<br>脈も勿論無い。呼吸はしている。血の気は無い。<br>嫌に大人しい子供の指先を少し切ってみると、小さく血の玉が出来た。<br>圧迫し、血をもっと出してみると、玉は大きくなり、重く滴った。<br><br><br>話を聞けば、この子供の親は既に亡く、当時子供はその数ヶ月後に海に流されたという。<br>特殊な病だったし、何よりも病人はこの街で有名な居酒屋オーナー夫妻であった為死んだという話は直ぐ様広がっていたから私も知っている。<br>しかし、それより当時とても印象的に残ったのは子供の様子である。<br>当時子供は10歳以下程だったが、死とは何か分かっている筈だろうに、葬儀中顔色一つ変えず、涙も流さず、泣いた痕跡さえ無かったように思えた。<br>まるで遠い親戚が死んだかのような雰囲気があったというのは、良く覚えている。<br><br><br>まず私は子供を抱き上げ人混みを掻き分けて自分の病院に向かった。<br>海辺から病院まではさほど遠くなく、そのせいか、好奇心が抑えられない人間が数人おり、後をこそこそ付いて来た。<br>私はこの子供の事を調べたかった。<br>医者である身として、フィクションでないゾンビのような人間を調べられるのは絶好のチャンスだ。<br>心臓も脳も死んでいるのにどうやって呼吸をして立っていられるのかとても不思議なのだ。<br>私はさながら宇宙人を解剖する科学者と同じ。<br><br>病院に入った途端、子供が蠢き出したので椅子付近に下ろすと、覚束無い足取りで椅子に腰掛けた。<br>どこからどう見ても生きているようにしか見えない。<br>顔色が悪く、青白くなっている所以外は。<br>至って普通に子供に問いかけた。<br><br>「君は一体どうした、心臓が止まってるのに動けるなんて」<br><br>私の問いかけにびくともせず、子供は並べてある椅子に横たわった。<br>微かに胸が上下しているのを見ると、もう一度死ぬ事は無さそうだ。<br>仰向けに横たわった昔と変わらぬ身体に、もう一度「どうした」と問いかけた。<br>やはり返事は無い。<br>もしかして、声が出ないのだろうか。<br>息はしてるし身体も動くので、喋られない訳では無いだろう。<br><br>「…何を飲む」<br>「何でもいい」<br>「ではオレンジジュースにしよう、良いか」<br>「…」<br><br>時折数秒閉じる瞼と、欠伸を噛み殺す仕草。<br>きっと疲れているんだろう、とても眠そうにしている。<br>海でずっと眠っている筈なのに。<br><br>病院内に設置されている自動販売機で、オレンジジュースと自分のコーヒーを買った。<br>病院内は涼しく、誰も居ない。<br>この街では怪我をする事や病気になる事は殆ど無いので患者も居ないのだ。<br>この子供の親が死んでから、突然皆健康になりだした。<br>逆に言えば、仕事が無くなって大変でもあるけれど、皆元気なのは良い事だ。<br>子供の親が生贄になったかのようなタイミングであったのは何故だろう。<br><br>オレンジジュースを子供に渡すと、手にとった子供の腕は、力無くだらりとペットボトルを持ったままぶら下がった。<br>どうやら力が出ないらしく、しかしそれは少しの間だけだった様ですぐ持ち上げオレンジジュースを飲み込んだ。<br>飲み物は、飲めるみたいだ。<br><br>そろそろ子供の事を聞かなければ。<br><br>「何処から来た」<br>「海」<br>「君は確か昔に海に流されたろう」<br>「うん」<br>「普通は長い間海の中に居て、身体の形が残ったまま打ち上げられるなんて有り得ない話だよ」<br>「うん」<br>「君は何故動いているんだ？」<br>「知らない」<br><br>まるで他人事のように答えた。<br>海に流されているという事は知っているが、どうやって動いているのかは不明。<br>解剖等はしないししたくない。<br>出来るだけ本人の口で追求したい。<br>でも相手が子供だから、そう簡単には行かない事は予想していた。<br><br>「…名前は」<br>「ラ・フリップ」<br>「そうか。では…フリップ、これから言う私の質問に答えてほしい」<br><br>私が気になる事は主に3つあった。<br>まず1つ目に6年間海で何をしていたかという事。<br>先程の問いかけの答えから、フリップは覚えて無さそうだが、それはフリップが思い出さないだけで脳は覚えている筈。<br>よく考えれば、最低でも一部くらいなら思い出せる。<br><br><br>2つ目。<br>両親の死について。<br>どのような症状だったか、どのように亡くなったのか、様子はどうだったか。<br>これは親を亡くした子供には残酷な事。<br>でも知っておくに越した事は無い。<br>親の遺伝子を継いでいるフリップがこのような状況なのだ。<br>遺伝子は絶対的に関係している。<br><br>最後に3つ目。<br>フリップの弟はどこに行ったかということ。<br>フリップには弟が居た。<br>まだ2歳だった弟は、フリップが海に流されてすぐ消えた。<br>これでフリップ家の血は、この街には無いという事になってしまっていた。<br>何の痕跡も無く消えたから、絶対関係する。<br>
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<link>https://ameblo.jp/rimora33/entry-11273056491.html</link>
<pubDate>Sat, 09 Jun 2012 17:00:00 +0900</pubDate>
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