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<title>私と死んだ彼の共同生活</title>
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<description>亡くなった恋人との、誰に話しても信用してくれない本当の話。かなり不定期更新。</description>
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<title>一緒にいるということ</title>
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<![CDATA[ D君の家を再び訪れた。<br><br>「ヒカリいるよね？」<br><br>「必ず聞くよねwいるよ、白いモヤでりりの中に入ってるけど。」<br><br>D君は笑って言った。<br><br>「でも見る限りいっつも一緒にいるね。本当にどこにも行ってないんだと思う。彼なりに、絶対守るとか、今後りりをプロデュースするって気持ちでいなきゃこんな風にいられないよ。」<br><br>「どういうこと？」<br><br>「普通さ、みんな『死んだら終わり』って思うんだよ。だけど、死んだら今度こういう世界があるんだ、じゃあ俺はこうしようってヒカリさんが気持ちを切り替えて、死んでるけど『生き甲斐』を見つけてるんだと思う。でなきゃこんなにべったり付いてない。」<br><br><br>死んでも、肉体がないだけで、彼は未だに目標を持って精一杯自分にできることをしているようだった。<br><br>「変な話だけどさ、彼の遺品をこれから片付けなきゃいけないのね。彼がいるってことは、やっぱり大事にしてたコレクションとかは取っておいて欲しいものなの？」<br><br>私は尋ねた。<br><br>「そりゃそうだろうね！生前なんて言ったか知らないけど、やっぱり大事にしてたものが捨てられたりするのは本人も辛いだろうよ。どれを取っておいて欲しいか、ヒカリさんに聞いてみてごらん。」<br><br>D君は答えた。<br><br><br>ヒカリの部屋に入った時、ヒカリにどれを取っておいて欲しいかを聞いてみた。<br><br>何か言ってるのかもしれなかったが、やはり私にはそこまで汲み取れなかった。<br><br>それでも、彼が大事にしていたプラモデル類は私がそのまま引き取ることにした。
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<pubDate>Wed, 15 Jun 2011 14:13:13 +0900</pubDate>
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<title>電気</title>
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<![CDATA[ 翌日に一人旅が控えていた時の夜のこと。<br><br>真夜中にヒカリに起こされた。（なぜか「起こされた」という感覚があった）<br><br><br>まだ朝まではだいぶ時間もあった為、再び寝ようとしたのだが、どうにもこうにも体中が痛い。<br><br>まるで軽いスタンガンを全身に当てられているようだった。<br><br>その痛みは足先から顔まで覆っていた。<br><br><br>『もしかして明日何か危険があるのではないか？』<br>と、私はとても不安になった。<br><br><br>というのも、前日高速道路を車で走っていると不思議な出来事があったのだ。<br><br>何百回も通っている高速道路なのだが、アクセルを踏んでも踏んでもスピードが上がらなくなってしまったのである。<br><br>それどころか、踏み込んでいるのにスピードが落ちるという始末。<br><br>坂道等では全くない。<br><br><br>ヒカリなりに何かの危険を知らせてくれてるのか思い、そのまま落ちたスピードで家まで帰った。<br><br><br>そのこともあり、もしかしたら車関係で何かあるのではないかと心配になったのだ。<br><br>特に翌日は車で３時間かけて向かう一人旅立った。<br><br>「止めた方がいいの？」<br><br>問いかけても、こちらが理解できる応答はなかった。<br><br><br><br><br>結局、一人旅では何事も起こらなかった。<br><br>時たま、彼が行きたい場所をインスピレーションのように私に送ってきたり、私がそれに気付かないでいると、激しい耳鳴り（どうやらこれは彼が叫ぶようなシチュエーションが多い）がしたりして、体は一つだったが、彼と行く二人旅の感覚で行程を終えた。<br><br><br>ではあの電気によるシビレは…？<br><br><br>薄々自分でも勘付きながら、D君に相談してみた。<br><br><br>「危険を知らせるのでなければ…　　多分遠足行く前日の子供みたいに興奮してたんだろうね。」<br><br><br>やっぱり。<br><br>「旅行行くのって楽しいもんなの？」<br><br>「そりゃ楽しいだろうさ。それもりりと一緒に行くんだから。」<br><br><br>そう考えると、一人旅も全然寂しいものとは思わなくなった。
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<pubDate>Wed, 15 Jun 2011 13:58:03 +0900</pubDate>
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<title>寿命について</title>
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<![CDATA[ あまりに若くして亡くなった恋人の死に納得できず、D君に聞いてみたことがあった。<br><br>「寿命って決まってるの？」<br><br>「うん。寿命は産まれた時から決まってる。だから、ヒカリさんも、もし病気でなくても事故でとか…仕方なかったと思う。」<br><br>「それはもう変えられないの？」<br><br>「うん、運命だからね。ヒカリさんも運命を変えようとしてがんばって病魔と戦ったと思うんだ。だから実際宣告されてた余命より長く生きたんだと思う。そうやって多少は伸びたり縮んだりってあるかもしれないけど、やっぱり寿命は変えられないんだと思う。」<br><br>そうだとしたら、まだ事故のように突然でなく、ちゃんと別れの時間を持てて、彼を看取れたことというのが、とても幸せなことのように思えた。<br><br>そしてそれまで「どうして」「なんで」「私がしっかりしてれば」など、全く整理が付かなかった自分の気持ちに、「仕方なかったんだ」と、なんとなく決着がつけられた。
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<link>https://ameblo.jp/ririvespa/entry-10916071854.html</link>
<pubDate>Tue, 07 Jun 2011 16:53:46 +0900</pubDate>
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<title>寿司屋にて</title>
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<![CDATA[ 仕事の合間に昼食を取りに１００円回転寿司に行ったときのこと。<br><br>そこには生前ヒカリともよく来ていた。<br><br>自分の食べたい物をオーダーし、待っていると、彼の一番好きだったネタが私の席の注文品として流れてきた。<br><br>「ヒカリも食べたいんだね。でも私あのネタ食べたくないからスルーするね。」<br><br>と、そのままネタを見送った。<br><br>こんなことまでできるんだ、でもいつの間にオーダーしたんだろう、と思っていると、店員がわざわざ席まで運んできた。<br><br>「こちら、お客様のご注文品ですよね？」<br><br>今まで流したら流しっぱなしで席まで持って来られたことなんてないのに。<br><br>そこまでして食べたいのか、と観念し、渋々食べた。<br><br>意外と美味しかった。
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<link>https://ameblo.jp/ririvespa/entry-10915946749.html</link>
<pubDate>Tue, 07 Jun 2011 13:51:18 +0900</pubDate>
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<title>彼のやる気</title>
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<![CDATA[ それからまたD君の家にお邪魔した時だった。<br><br>もはや「いる？」と聞かなくても彼がいることはわかっていた。<br><br>彼が思っていることも、時たま頭の中にインスピレーションとして浮かんで来て理解することも出来始めていた。<br><br><br>「あれから仕事の企画立てたり色々動いたよ。」<br><br>「ほんと？！すごいなそれ。普通恋人の葬式一週間以内にそんなに動けないぞ。」<br><br>「うーん、ヒカリがここにいるのがわかってるからね…」<br><br>そして、D君に企画を一つ一つ、どういうことを練っているのか説明した。<br><br>「ていうかヒカリさんすごいな！」<br>D君が驚いたように笑って言った。<br><br>「何が？」<br><br>「りりが企画の説明し出したら、ヒカリさん相変わらずりりのオーラみたいに見えてるんだけど、それがもうぶわわわわあああってすごい膨張して渦巻いてる」<br><br>「ほんと？」<br><br>「うん、すごいよ。りりに同調してるんだね。そしてこういう形になっても自分ができることがあるし、りりを通してやりたいことができるから嬉しいんだろうね」<br><br>続けてD君は言った。<br><br>「俺もこんなけよく観察してたことないけどさ、ヒカリさん見てると、『死んだ後もこうやって誰かをサポートできるんだ』って思えて、死ぬのが怖くないよ。」<br><br>彼が死んでたった３週間程しか経っていなかったが、彼が今後どうして行きたいのか、薄々感じることができていた。<br><br>やはり彼は、こうなってしまった状況で逆にできることを探し、私のサポートをしてくれてるのだった。<br><br>私は言った。<br><br>「なんかね、感覚的にデスノートのライトとリュークな感じなんだ。」<br><br>「ああそれはすごく近いかも。」<br><br>「うん。周りの人には見えなくて、でも確実にここにいて、二人の間では何となくコミュニケーションが取れてるの。」<br><br>今でもこの表現は的確だと思う。<br>そして周りの人にこれを話したところで、「そうだね、きっと傍にいるよ」と軽く受け流されてしまうのがオチなので、言わないことにしている。<br>本当にここの二人だけにしかわからない関係。<br><br>「ヒカリは、私が彼の存在を理解してるってことは嬉しいのかな？」<br><br>「嬉しいんじゃない？それは。だって普通は目に見えなくて、何にも感じられなくなっちゃうんだもん。それでその霊体がうまくサポートしても、『ああ自分がんばったから』とかって思われちゃって、誰にも気付いてもらえないんだもん。その点りりはそれをわかってて、これから何かあっても「ヒカリさんのお陰だ」ってわかるわけじゃん。彼も嬉しいと思うよそれは。」<br><br><br>ヒカリが死んでから３週間かかってしまったが、やっとただただ「寂しい」というだけの感情から、（勿論寂しい気持ちはいつまで経っても消えないが、）逆に今までよりずっと一緒にいられる、携帯やメールなどのツールを使わなくてもリアルタイムで彼と交信ができる等々、こういう関係の良さにも目を向け始められていた。<br><br><br>ちょっと形が変わってしまっただけで、彼と付き合っているということに何ら変わりはなかった。<br><br><br>「でもうちらもバカだよね。『死が二人を分つまで』とか言うけど、死んでもまだどうしたら一緒にいられるか考えて一緒にいるの。どんなけ好きなんだよね。でも子供本当に欲しかった！私が死んだら覚えてろよ」<br><br>と話しながら帰路についた。
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<link>https://ameblo.jp/ririvespa/entry-10915440440.html</link>
<pubDate>Mon, 06 Jun 2011 21:29:20 +0900</pubDate>
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<title>スキンシップ</title>
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<![CDATA[ 彼が亡くなって２週間程経ったある日曜日。<br><br>この頃には毎日彼に話しかけ、彼からリアクションがもらえたり、時には彼が思っている感情が汲み取れたりできるようになっていた。<br><br>相変わらずスキンシップもあった。<br>例えば朝の５時などに唐突に目が覚め、<br>「ヒカリ、いる？」<br>と尋ねると、腰をとんとん、と叩くということもあり、時間を問わずに彼が身近にいることがわかった。<br><br>また、私が仕事をしている時は彼も嬉しいようで、とても嬉しそうに人の足を叩いてきたりした。<br><br><br>だがやはり恋人を亡くしたという事実に変わりはない。<br><br>家族連れや恋人で賑わう繁華街を、仕事帰りに歩いていた時、言葉にできない程の絶望感と寂しさに襲われた。<br><br>結局、どんなに近くに彼がいようと、これから結婚式も挙げられないし、子供も持てないのだ。<br><br>家に帰るとそのままベッドに飛び込み、大泣きした。<br><br>「何で死ぬんだよ！子供欲しかったのに！結婚したかったのに！まだまだ一緒にいたかったのに！ここにいるけどさぁ！」<br><br>大泣きしながら駄々をこねる私を、彼が必死に慰めているのがわかった。<br>体中のいたるところが痙攣した。<br><br>「うるさい！もうあっち行け！」<br><br>それでも彼は肩を叩いてきたりした。<br><br><br>「…一番死にたくなくて、結婚もしたくて、子供も欲しかったのはヒカリなんだよね、ごめんね」<br><br>この日を最後に、私はバカみたいに大泣きしなくなった。
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<link>https://ameblo.jp/ririvespa/entry-10915411992.html</link>
<pubDate>Mon, 06 Jun 2011 21:19:35 +0900</pubDate>
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<title>彼の意識</title>
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<![CDATA[ 翌日から、私は生前にヒカリと話だけしていた企画に手を付けた。<br>新しい企画を３つ立ち上げると同時に、新しい事務所への書類の応募をした。<br>新しい企画はあれよあれよと話が進んだ。<br><br>そして、不思議な感覚が起きて来た。<br><br>「今は辛いけど、いずれ結婚したい。子供も欲しい。」<br><br>気付くとこのようなことばかり考えていた。<br><br>ヒカリが傍にいて、私の考えてることはわかってしまっている、という状況だったため、そのようなことが頭に浮かぶ度、「ごめんヒカリ！」と謝っていた。<br><br>それでも、TVで誰かを見る度、企画のことで友人に連絡を取る度、新しい恋愛に向けて気持ちが向いてしまっている自分がいた。<br><br>挙げ句、「また恋ができる」「彼よりいい人なんているよ」とまで思ってしまっている自分がいた。<br><br>なぜだろう。<br><br>彼の葬儀が終わってからまだ一週間も経っていない。<br>普通は、恋人を亡くすと立ち直るのに数年かかるという。<br>死別は特に次の恋愛をしにくいと言われている。<br>なのにもう次の相手探し？<br><br>とても自分を軽蔑した。<br><br>だが、車の運転をしている時に気が付いた。<br><br><br><br>これは私の意識ではない。<br><br><br><br>生前病床でヒカリが言っていたことを思い出した。<br><br>「俺が死んだら、俺のことは早く忘れて、お前は結婚して幸せになってくれ。」<br><br><br>確かにヒカリが死んでから毎日、「結婚式が挙げたかった」「子供が欲しかった」と毎日ぼやいていた。<br><br><br>早速D君に電話で相談してみた。<br><br>「それはヒカリさんかもね。りりの中に入ってるから気持ちをコントロールできるって言ってたじゃん。そういう風に気持ちを向けてるんだね。」<br><br>「それは困るんだけど！彼以外の人とはそうなる気ないんだけど。どうしたらいい？」<br><br>「それは彼にそうやって言うしかないじゃん。」<br><br><br>電話を切った後、ヒカリに話してみた。<br><br><br>「あのね、『結婚したかった』とかって言ってるけど、それはヒカリとの話なんだよ。ヒカリ以外の人とそうなるつもりは全くないから、お願いだからそういう風に気持ちを仕向けないで。本当にこれはありがた迷惑。」<br><br><br><br>その時から、あれほど私の頭の中に渦巻いていた、「これからの幸せ溢れる恋愛」の妄想は一切姿を消した。<br>
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<pubDate>Mon, 06 Jun 2011 19:47:08 +0900</pubDate>
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<title>コントロール</title>
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<![CDATA[ 翌日、仕事だったので、D君の家から仕事に向かい、終わるとまたD君の家に帰った。<br><br>D君の奥さんはご親切に、晩ご飯を準備して待っていてくれた。<br><br>私も手伝いをしつつしていると、D君もやがて仕事から帰ってきた。<br><br>「帰って早々ごめん、ヒカリいる？」<br><br>「いるいるw中に入ってるよ。」<br><br>それからご飯を食べながらまた色々話した。<br><br>「ヒカリ、どっか行くそぶりない？」<br><br>「ないよ。っていうか、これだけいたらもう後ずっと一緒にいるんじゃないかな。」<br><br>相変わらず体の痙攣はずっと起きていた。<br>話しかけたタイミングで痙攣することもあれば、そうでないこともあった。<br><br>「人の神経なんてものすごい数があるから、触った場所によっては痙攣しないこともあるんじゃない？うまくコミュニケーションが取れるといいんだけどね。」<br><br>「うん…。これからもっとうまくコミュニケーション取れて行くかな？」<br><br>「まだ彼亡くなって１週間でしょ？！それでこれだけ取れてたら、もうちょっと取れるようになるんじゃないかな。」<br><br><br>ああもうあれから一週間経つんだ、とその時気付いた。<br>本当に、生きて来た中で一番辛い一週間だった。<br>それでも、一週間でここまで前向きになれてきたのは、D君がいてくれたお陰だった。<br>それをD君に伝えると、彼は答えた。<br><br>「俺じゃなくて、ヒカリさんがりりの気持ちを一生懸命コントロールしてるからだよ」
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<pubDate>Mon, 06 Jun 2011 19:36:24 +0900</pubDate>
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<title>翌日</title>
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<![CDATA[ D君の家に行くと、D君の奥さんが優しく出迎えてくれた。<br><br>「りりちゃん大変だったね。もしあれだったら、今日うち泊まってっても全然構わないからね。」<br><br>やはり家にいるとヒカリの物が多過ぎてかなり気が滅入ってしまっていたので、私はお言葉に甘えることにした。<br><br>部屋に入るとD君がいた。<br><br>「どう、ヒカリいる？」<br><br>「見えない。いないと思う。」<br><br>「そっか…」<br><br>心底がっかりした。<br><br>「多分まだ挨拶周りで忙しいんじゃないかなぁ。そんないちいち凹むなよ。」<br><br>D君が私にお酒を差し出して来た。<br><br>「ちゃんと食べてる？」<br><br>「食べてない。」<br><br>「ダメだよ食べなきゃ！やっぱり食べて栄養付けて脳を働かせないとヒカリさんからのコミュニケーションをうまく受け取れないんだよ」<br><br>そう言って彼はおつまみをたくさん差し出してくれた。<br><br>それから昨日の話、そしてヒカリが死んで以来、全身のあらゆるところに痙攣が起きるようになったことを話した。<br><br>「すごいなそれ。つねるってよっぽどおもしろくなかったんだろうな。生前のヒカリさんの望みがりりのサポートだもんなぁ。なんだよ、じゃあコミュニケーション取れてるんじゃん」<br><br>「取れてるの？これ。じゃあ痙攣は？」<br><br>「うん、結局霊って電気を持っていて、彼らが触れると神経に電気信号が行くから、それで痙攣が起きるみたいなんだよね。だから実際例えば、何か物動かしてーっていうのは難しいことなんだけど、電気をちかちかさせる、位のことだったら意外とできると思うんだよ。」<br><br>「そうか。じゃあスキンシップを取ってきれくれてるんだね。」<br><br>「うん。ただそれがそれだけわかるっていうのもすごいよ。感受性が強いんだと思う。」<br><br>「そうなの？」<br><br>「うん。それだけ送って来るヒカリさんもすごいし、りりもすごいよ。」<br><br><br>そうして１時間位話している時だった。突然D君が「あ、来た」と言った。<br><br>「ほんと？！どんな感じ？！」<br><br>「姿はこの間みたいにはっきりしてない。白いもやもやが、りりにしなだれかかるみたいにして座ってる」<br><br>「どうして白いもやもやなの？」<br><br>「それがわからないんだよね！こないだみたいにはっきり見える時もあれば、今日みたいにもやもやな時もあって…これなんでなんだろうな。未だにわからない。でも良かったじゃん、いるよ。」<br><br>死んだけどまた傍にいる。<br>それがただただ嬉しかった。<br><br>それからもD君には色々聞いた。<br><br>「ヒカリは私たちが今話してることとか理解してるの？」<br><br>「それはしてると思うよ。」<br><br>「TVは見るの？」<br><br>「映画館にいる霊は結構見るけど、実際にTVとか映画とかを見て笑ってる霊って見た事ないから、あんまり内容は理解できてないんじゃないかな。」<br><br>「頭悪いってこと？」<br><br>「っていうか、脳がもう燃やされちゃってないじゃん。だから複雑なことはわからないんじゃないかな。俺も死んだことないからわからん。」<br><br>「じゃあ私が映画観たとしても、一緒に観て楽しいって感覚はないの？」<br><br>「それは、りりの中に一緒に入って観るから、内容がどうこうよりも、りりが楽しいって思えばヒカリさんも楽しいって思うし、りりと感覚を共有することになるんだよ」<br><br>「私の中に入るの？」<br><br>「うん、多分来た時にわからなかったのは、りりの中に入ってたからなんだ。今またりりの中に入って行ったけど、白いもやーっていうのがりりのオーラみたいな感じで出てるんだ。だから最初オーラだと思って気付かなかった。<br>中に入っている方が、感情をコントロールしやすいし、もっと直接りりが感じたことや思ったことが感じられるんだよ。<br>だからその内、自分は全然食べたくないのに、ヒカリさんの食べたい物が頭に浮かんで『食べたい気持ちじゃないのに！』って思いながら食べに行く時とかって出て来ると思うよ。」<br><br>「味がわかるの？」<br><br>「知らない。でも、それを食べたりりが『美味しい！』って思う感覚は共有できるじゃん。」<br><br>「ふーん…。ねえ、じゃあ今私が『すごく寂しい』って思ってる感情はヒカリには伝わってるの？」<br><br>「そりゃ伝わってるよ。ヒカリさんだって寂しいとは思ってるんじゃないかな。だからこうやってどこにも行かないでりりの傍についててくれてるんじゃないかな。」<br><br>「じゃあ目に見えなくなって、言葉が交わせなくなったってだけで、付き合いは変わらないのかな？」<br><br>「そういうことだね。大事なのは彼を感じてあげることだよ。」<br><br><br>そうこう話していると時間も遅くなってきたので、寝ることにした。<br><br>「今日は彼がついてるから熟睡できると思うよ」<br>というD君の言葉通り、ヒカリが死んでから初めて熟睡できた。
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<pubDate>Mon, 06 Jun 2011 19:30:35 +0900</pubDate>
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<title>その日の夜のこと</title>
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<![CDATA[ その夜、通夜の最中にも私の傍に彼がいなかったことや、やはり彼が死んでしまった悲しみから、私は布団から出られずにずっと泣いていた。<br><br>「なんでなんでなんでなんで！もう生きる望みなんてない！絶対後追って死んでやる！もう私がんばらない！！」<br><br>そう言った時だった。<br><br>頬を軽くつねられた感触がした。<br><br>だが、それでも、泣き過ぎて顔が強ばってきたのだと思い、悪態をつき続けた。<br><br>「この仕事だってもうやめてやる！！」<br><br>頬の痛みが激痛に変わった。<br><br>明らかに誰かにつねられている。<br><br>あまりに痛過ぎたので観念し、<br>「ごめんわかったってば！」<br>と叫んだ。<br><br>その途端、激痛は止んだ。<br><br>そして、太ももをトントンと２回叩かれた。<br><br>「ヒカリなの？ヒカリだったらもう１回叩いて」<br><br>トン、ともう１度太ももが叩かれた。<br><br>「ありがとう、いてくれてるんだね」<br><br>今度は嬉し過ぎて号泣した。
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<link>https://ameblo.jp/ririvespa/entry-10915250207.html</link>
<pubDate>Mon, 06 Jun 2011 19:09:13 +0900</pubDate>
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