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<title>レオイマンド愛の劇場</title>
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<description>日頃の鬱憤はらすべし!つうわけだ。</description>
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<title>小説３の２</title>
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<![CDATA[ 彼は売れることに抵抗があった。大好きなミュージックが商業、産業的になって行くのが嫌だった。売れるために流行りに迎向し、誰もが模倣した音楽しか作らなくなった。<br><br><br>カナリアや猿や犬のように芸を模倣させ、躾られていく音楽シーン。それが憎かった。<br><br><br>彼は、流行に流されず、自分らしい音楽を作っていった。そして産業や商業的な音楽を売っていたミュージシャン達を批判していた。<br><br>彼の音楽性は最初否定され、悪魔というレッテルを貼られていた。蔑視されたこともあった。<br><br><br>しかし人気が上がっていくと、皮肉にも、彼はカリスマとして持ち上げられ祭り上げられていく。<br><br><br>彼は自然に新たな曲を作ることに興奮しなくなり、愛着がなくなっていった。そして、このライブでは、その愛着さえもてなくなった曲を歌っている。ファンが熱狂し興奮している。<br><br><br>ファンを騙している。裏切っている。その思いだけを強くしている。<br><br><br>そして、また歌っている。
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<pubDate>Wed, 03 Jun 2009 17:13:33 +0900</pubDate>
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<title>小説３の１</title>
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<![CDATA[ 光を浴びている。<br>喝采を浴びている。<br>それは、自分の功績を、惜しみ無い賞賛だった。<br><br><br>悲鳴にも似た歓声はとどまることもない。舞台から彼はファンを見下ろしている。この光景は、多くのロックンローラーがロックというミュージックに魅せられ、求める光景だろう。多くのロックンローラーの夢を実現した彼は、感極まることはなかった。達成感もない。<br><br><br>虚無感が胸の中で広がる。宇宙に点在する星の気持ちだった。<br><br><br>孤独感。<br><br><br>そして苛立ちと申し訳ない気持ちだった。<br><br><br>「サンキュー」<br><br><br>彼は、ファンに向けて感謝を込めた。ヒロという彼がつくりあげた化け物の仮面を剥ぎ、素の表情に戻っていた。<br><br><br>歓声が膨らみ、一人一人の声が一つになり大きな声があがる。<br>ヒローというファンの声が、あちらこちらからこだまする。<br><br><br>葛藤がある。ファンが求める音楽ばかりを作り、それとともに彼が求める音楽性から程遠いところに来ている。知らずうちに、ここまでのファンが増えた。ファンの興奮が膨らむにつれ、罪悪感だけが強くなる。<br><br><br>五年前は、一番後ろにいるファン一人一人の顔を判別出来たし、互いに距離がなく、とても近い関係だった。
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<pubDate>Wed, 03 Jun 2009 16:33:11 +0900</pubDate>
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<title>小説2の5</title>
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<![CDATA[ 警察官は、小さく微笑んだ。<br><br><br>「結局。日頃、自分から歩み寄ろうっているつもりだけど、一線引いてるということを発見させてくれたんだ。そしたら、楽になったんだよ。そっから大ファンさ」<br><br><br>「そうなんですか」<br><br><br>桐森は苦笑していた。時計を見たら、三十分経っていた。大学を遅れることに、桐森は何の抵抗もないが、些か寒くなってきた。警察官は熱を持ち、熱くなってきている。<br><br><br>「本心に従いたいよ。本音は皆と仲良くなりたい。でも、なかなか、本心に忠実にって難しい。気味も、もっと、本心に忠実になったほうがいいよ」そこで、思い出したように、「名前と学校と電話番号と住所教えて」<br><br>素直に教えると、「最近、警察官を装った空き巣が多いから気をつけて。まあ、それは、どうでもいいんだ」<br><br><br>これは長くなりそうだという予感があった。警察官はなおもヒロの話をしたいと思っているに違いない。困っていると、警察官は急に硬直した。<br><br><br>片頬をひきつかせて痙攣させている。ひっひっひっという声を漏らしている。何事かと足元を見ると、猫が警察官の右足に頬擦りをしていた。<br><br><br>桐森は怪訝に思った。<br><br>そして、一つの答えを導き出した。閃いたように瞳を大きくした。警察官は、察したのか、「助けて」と声を震わせ、泣き声を出す。<br><br>ただ、猫の表情は幸せそうで、どうしても追っ払おうという気持ちにならない。また桐森は閃いた。<br><br><br>「そうなんだ」と思わず声を出した。<br><br><br>結局、警察官を助けたくないのは、関わりたくない。逃げたいという気持ちがあるからだという本心がわかり、忠実に本心に従うことにした。
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<pubDate>Tue, 02 Jun 2009 19:39:55 +0900</pubDate>
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<title>小説２の４</title>
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<![CDATA[ どういった理由で会ったかはわからない。二歳になるかならないかのときである。記憶にはないが、当時ヒロと一緒に撮った写真がアルバムのなかにある。<br><br>ピンク色に髪を染め、男なのに瞼の縁を黒のアイラインを塗っているのを初めて見て、インパクトが強い。<br><br><br>たまたま家にアルバムが残っていて、その中で印象に残った曲があり、それを携帯電話にコピーしただけだった。目覚まし機能も、携帯電話に入っている音楽データをランダムに再生するので、たまたま、このとき、それが鳴っただけである。ファンというほどではない。<br><br><br>警察官の言葉に熱があり、ファンじゃありませんと言うのを躊躇われた。<br><br>「どの曲もいいけど、この曲いいよね!俺は、その曲に救われた。自分のことを歌っていてさ。共感つうか共鳴つうかわからないんだけど。同じ気持ちの人がいるとわかると、楽になるよね」警察官は、鼻の穴を丸く広げた。舌が乾かないうちに、また、話出す。「友達がいなかったことに悩んでいたんだ」と恥ずかしそうに言う。「いや、いるんだけどさ。修学旅行とかいったりさ。そういうとき、ホテルで話して盛り上がるじゃん。そして、気の合う者同士で話するだろう。そんとき、孤立している気持ちになる。なんというか、話してても気を使って、話合わせててさ。俺は溶け込めないんだ。浮いている自分がいるんだ。本当の意味での友人がいないんだよね。悩んで、悩んで、グチグチ悩んでいる自分の弱さに、落ち込んで、また、悩んでいた。鬱々した人生だった。今でも、そうなんだよね」<br><br><br>自嘲気味に警察官は語った。
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<pubDate>Sun, 31 May 2009 20:01:29 +0900</pubDate>
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<title>小説２の３</title>
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<![CDATA[ 警察官が読み上げているとき、桐森の携帯電話が振動し、メロディが鳴った。<br><br><br>警察官は、驚いた顔をして、桐森を見た。<br><br><br>桐森は、携帯電話をポケットから取りだしてディスプレイを見た。目覚まし機能が鳴っただけだった。昨日休みで、だいたいこの時間に起きようと決めていた。ただ単に、野球のアニメを見るためだ。<br><br>その目覚まし音に警察官は反応したことに気付かなかった。<br><br><br>桐森はセンターボタンを押して、目覚まし機能を止めた。<br><br><br>「その曲…」<br><br><br>桐森の携帯電話を指差して、感慨深気に口こもらせた。その表情は、生き別れになった親と子が再会したときの表情にも似ていた。<br><br><br>「きみ、ヒロファン?」<br><br><br>少しずつ、警察官は歩み寄ってきた。<br><br><br>「いや、ちょっと、まあ」<br><br><br>桐森は、どう反応すればいいか迷った。そこまでのファンではない。ヒロとは昔、自殺したミュージシャンである。人気は、あと一歩で、彼らが言うとビッグになれた人で、今でも、熱狂的なファンがいる。ヒロは、この街の岬から、車に乗って、飛び降りた。<br><br><br>桐森の父の友人である。桐森は一度会ったことがある。あまり記憶にはない。
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<link>https://ameblo.jp/s100407411/entry-10270948327.html</link>
<pubDate>Sat, 30 May 2009 19:50:41 +0900</pubDate>
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<title>小説２の２</title>
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<![CDATA[ 薄暗く、人は誰もあるいていない。スーパー側で話をすることになった。<br><br>「鍵は、後ろだけですか?」<br><br><br>警察官はそう尋ねてきた。<br><br><br>はいというように頷く。<br><br><br>「ちゃんと鍵はニつつけてください。やっぱり、一つだと、盗まれやすいですからね。二つだと、鍵壊すのに時間掛かるから、あんまり狙われない。防犯登録はしてますか?」<br><br><br>「一応、こないだしました」<br><br>座席の下を前屈みになり警察官は見る。<br>「本当だ」と言って、桐森を見上げた。「一応、確認していいですか?」<br><br><br>「なんの確認ですか?」<br><br><br>「警察のパソコンに、きちんと登録されているかとかね」<br><br><br>「別にいいですよ」<br><br><br>断りたかったが、どうせ断ろうとしても、風と太陽の風みたいに力押しで、なんでなんで、確認されて困ることあるの?等々エトセトラ聞かれることを、わかっているため、素直に了承した。<br><br><br>警察官は素早く、携帯電話で防犯登録のナンバーを読み上げた。
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<link>https://ameblo.jp/s100407411/entry-10270851598.html</link>
<pubDate>Sat, 30 May 2009 16:48:33 +0900</pubDate>
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<title>小説２の１</title>
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<![CDATA[ 桐森は、自転車をこいでいる。小さなアクビをして、繁華街を悠々と駈ける。歩道は人が二人並んで歩ける位の広さである。街路樹が植えられてるため、一人で歩けるのが、やっとのところもある。<br><br><br>時間は朝の八時ということもあり高校生で溢れている。小さな商店街が立ち並ぶ中、急にビルが立ち並ぶ。横断歩道を渡ると、大きなスーパーが建つ。昨夜、雪のかわりに雨が降ったため、アイスバーンになっている。ブルーマンデー。<br><br><br>月曜日は、いつだって人を憂うつにさせる。桐森は暢気な顔をして鼻歌を歌っている。憂うつがこの男にはないのかもしれない。<br>嫌だなという気持ちが射す。それはスーパーの前に警察官が立っていたからである。あさぎ色のワイシャツの上に紺の防護用のベスト。紺のズボン。ベルトには、ポーチや警棒をぶらさげている。疚しいことはなにもないが、警察官がいると、何か、胸に手をあてる。僕はなにもしてないよね。不安を感じながら、前を通る。ちょっとだけスピードをあげる。<br><br><br>「あっ、すいません」<br><br>案の定止められた。<br><br><br>「なんですか?」<br><br><br>「すいませんね。学生さんですか？」<br><br><br>丁重に、腰が低い物言いだった。<br><br><br>「ええ、まあ」<br><br><br>しどろもどろに、口こもる。<br><br><br>「急いでいるのに、すいませんね。最近、自転車の盗難が多いので、防犯指導しているんですよ。ちょっと危ないから、あちらで」<br><br><br>警察官は、スーパーとドーナツ屋の間にある路地を指差した。薄暗く、何台も放置自転車が並んでいる。<br><br><br>「ええ、ちょっと」<br><br>断りのニュアンスを含ませ、腕時計を見た。別に急ぐこともないが、わざと見た。<br><br><br>「時間はとらせません」<br><br><br>丁重と腰の低さは消え、丁寧な口調は消えないが、強い口調だった。<br><br><br>「わかりました」
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<link>https://ameblo.jp/s100407411/entry-10269700693.html</link>
<pubDate>Thu, 28 May 2009 19:48:36 +0900</pubDate>
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<title>小説１の8</title>
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<![CDATA[ 部屋の中は寒い。息がわずかに宙で濁る。<br><br><br>家につくと、急に震えが出てきた。奥歯がカタカタいう。<br><br><br>そして、階段を上がる音がする。<br><br><br>少しずつ音が大きくなる。<br><br><br>それとともに心臓が早鐘をうつ。大河ドラマで火事だと、大きく鐘をうちつけ、危険を知らせるようにである。<br><br>そして、彼女の家の前で止まった。一枚扉を隔てて、もっとも、近い位置にいる。彼女は息を潜める。意図したわけでなく、気配を消した。<br><br><br>ドン!!鈍い音がした。<br><br>背中に振動が伝わった。背中を凭れていたため、音がこもり響かなかった。ノックだった。彼女は、赤ちゃんがハイハイするように、四つん這いになり這いながら、扉から離れた。一回目のノックを皮切りに、連続して叩く。ボクサーがサンドバックを殴るように力いっぱいでラッシュをかける。<br><br><br>彼女は、振り返り尻餅をついた。<br>口を開いて、わなわな、痙攣している。声さえも出ない。<br><br><br>急に収まり、階段をかけおりる音が遠ざかる。<br><br><br>彼女は、膝を畳み、膝の皿に顔を埋めた。
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<link>https://ameblo.jp/s100407411/entry-10269572736.html</link>
<pubDate>Thu, 28 May 2009 15:33:27 +0900</pubDate>
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<title>小説１の7</title>
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<![CDATA[ ヤマトは、彼女がこのアパートに大学進学のため越してきた春の四月ころで、入学式の日の朝に牛乳をあげた。それから、毎朝、来るようになった。最近は恩を感じてか、毎日、彼女が帰ってくるまで家の前にいてくれる。警備をしてくれる。<br><br><br>夜は、餌をあげようにも、すぐ立ち去る。<br><br><br>それでも、なにか、心強い。<br><br><br>階段を昇り、家の前に立った。ヤマトは「ニャー」と遅いぞと文句を言うように鳴いて、悠々と歩いていった。その背中に「ごくろうさまです」と感謝した。そして、路地を見下ろす。<br><br><br>隣の男性が扉をあけて、鍵を閉めた。そして、こちらに「こんばんは」と呟き、彼女も「こんばんは」と返事した。男は後ろを通りすぎ、階段を降りていった。<br><br><br>ストーカー男は、左側の家の塀の電柱の側に立ち、こちらを見上げる。<br><br><br>男を一瞬だけ睨み付け鍵を開けて家に入った。<br><br><br>家を空けるときさえ、明かりは消さない。<br><br><br>家につくと、一息つくなり急に足に力が無くなり、扉に背をもたれながら座りこんだ。腰が抜けたのかもしれない。
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<pubDate>Thu, 28 May 2009 15:31:09 +0900</pubDate>
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<title>小説１の8</title>
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<![CDATA[ 部屋の中は寒い。息がわずかに宙で濁る。<br><br><br>家につくと、急に震えが出てきた。奥歯がカタカタいう。<br><br><br>そして、階段を上がる音がする。<br><br><br>少しずつ音が大きくなる。<br><br><br>それとともに心臓が早鐘をうつ。大河ドラマで火事だと、大きく鐘をうちつけ、危険を知らせるようにである。<br><br>そして、彼女の家の前で止まった。一枚扉を隔てて、もっとも、近い位置にいる。彼女は息を潜める。意図したわけでなく、気配を消した。<br><br><br>ドン!!鈍い音がした。<br><br>背中に振動が伝わった。背中を凭れていたため、音がこもり響かなかった。ノックだった。彼女は、赤ちゃんがハイハイするように、四つん這いになり這いながら、扉から離れた。一回目のノックを皮切りに、連続して叩く。ボクサーがサンドバックを殴るように力いっぱいでラッシュをかける。<br><br><br>彼女は、振り返り尻餅をついた。<br>口を開いて、わなわな、痙攣している。声さえも出ない。<br><br><br>急に収まり、階段をかけおりる音が遠ざかる。<br><br><br>彼女は、膝を畳み、膝の皿に顔を埋めた。
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<link>https://ameblo.jp/s100407411/entry-10268943710.html</link>
<pubDate>Wed, 27 May 2009 15:27:33 +0900</pubDate>
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