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<title>『偽る人』（揺れる）　</title>
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<description>嫁と喧嘩してマザコンである兄の家を飛び出してきた実母は、娘を貶め、外で偽りの仮面をかぶり続けた人だった。これは、その母親への反感と、情の間で揺れる苦しみを描いたノンフィクション小説である。</description>
<language>ja</language>
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<title>編集後記</title>
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<![CDATA[ <p>　長い物語に最後まで付き合ってくださって、ありがとうございました。</p><p><br>　読者の方は、亡くなるまで他人の前で「仮面」をかぶり続けた房子に驚き、そういう房子に翻弄され、気持ちを揺さぶられ続けた恭子に、「何故、又許すの？」と疑問に思ったり、苛立ったりすることも多々あったかと思います。<br>&nbsp;</p><p>　房子は、生まれつきの天才的な「策士」であったのかもしれません。</p><p>&nbsp;</p><p>その房子を否定しながらも、説明できない感情に押し流され、時に百八十度気持ちが変わってしまう。</p><p>&nbsp;</p><p>「揺れる」本質は、「人の弱さ」そのものだと思ってしまいます。</p><p>&nbsp;</p><p><a href="https://stat.ameba.jp/user_images/20211229/09/saramorio/28/e2/j/o0640036015053187816.jpg"><img alt="" height="236" src="https://stat.ameba.jp/user_images/20211229/09/saramorio/28/e2/j/o0640036015053187816.jpg" width="420"></a></p><p>&nbsp;</p><p>&nbsp;</p><p>↓↓小説のプロローグはコチラから↓↓</p><p>&nbsp;</p><div class="ogpCard_root"><article class="ogpCard_wrap" contenteditable="false" style="display:inline-block;max-width:100%"><a class="ogpCard_link" data-ogp-card-log="" href="https://ameblo.jp/saramorio/entry-12700681350.html" rel="noopener noreferrer" style="display:flex;justify-content:space-between;overflow:hidden;box-sizing:border-box;width:620px;max-width:100%;height:120px;border:1px solid #e2e2e2;border-radius:4px;background-color:#fff;text-decoration:none" target="_blank"><span class="ogpCard_content" style="display:flex;flex-direction:column;overflow:hidden;width:100%;padding:16px"><span class="ogpCard_title" style="-webkit-box-orient:vertical;display:-webkit-box;-webkit-line-clamp:2;max-height:48px;line-height:1.4;font-size:16px;color:#333;text-align:left;font-weight:bold;overflow:hidden">『母の亡霊にいつまでも』</span><span class="ogpCard_description" style="overflow:hidden;text-overflow:ellipsis;white-space:nowrap;line-height:1.6;margin-top:4px;color:#757575;text-align:left;font-size:12px">　小さな簡易机の上で、恭子はパソコンを開いたまま茶色い手帳をめくっていた。　一年ごとに簡単なスケジュールと毎日のメモが書き込めるその手帳は、去年亡くなった母親…</span><span class="ogpCard_url" style="display:flex;align-items:center;margin-top:auto"><span class="ogpCard_iconWrap" style="position:relative;width:20px;height:20px;flex-shrink:0"><img alt="リンク" class="ogpCard_icon" height="20" loading="lazy" src="https://c.stat100.ameba.jp/ameblo/symbols/v3.20.0/svg/gray/editor_link.svg" style="position:absolute;top:0;bottom:0;right:0;left:0;height:100%;max-height:100%" width="20"></span><span class="ogpCard_urlText" style="overflow:hidden;text-overflow:ellipsis;white-space:nowrap;color:#757575;font-size:12px;text-align:left">ameblo.jp</span></span></span><span class="ogpCard_imageWrap" style="position:relative;width:120px;height:120px;flex-shrink:0"><img alt="" class="ogpCard_image" data-ogp-card-image="" height="120" loading="lazy" src="https://stat.ameba.jp/user_images/20210930/19/saramorio/a3/49/j/o0640048015008921648.jpg" style="position:absolute;top:50%;left:50%;object-fit:cover;min-height:100%;min-width:100%;transform:translate(-50%,-50%)" width="120"></span></a></article></div><p>&nbsp;</p><p>&nbsp;</p><p>↓↓小説の１話目はコチラから↓↓</p><p>&nbsp;</p><div class="ogpCard_root"><article class="ogpCard_wrap" contenteditable="false" style="display:inline-block;max-width:100%"><a class="ogpCard_link" data-ogp-card-log="" href="https://ameblo.jp/saramorio/entry-12701358065.html" rel="noopener noreferrer" style="display:flex;justify-content:space-between;overflow:hidden;box-sizing:border-box;width:620px;max-width:100%;height:120px;border:1px solid #e2e2e2;border-radius:4px;background-color:#fff;text-decoration:none" target="_blank"><span class="ogpCard_content" style="display:flex;flex-direction:column;overflow:hidden;width:100%;padding:16px"><span class="ogpCard_title" style="-webkit-box-orient:vertical;display:-webkit-box;-webkit-line-clamp:2;max-height:48px;line-height:1.4;font-size:16px;color:#333;text-align:left;font-weight:bold;overflow:hidden">『始まりは』</span><span class="ogpCard_description" style="overflow:hidden;text-overflow:ellipsis;white-space:nowrap;line-height:1.6;margin-top:4px;color:#757575;text-align:left;font-size:12px">　それは十年以上前のある日。昼近くのことだった。恭子は何日も前から家中の掃除をして、二階の一室のベッドを整えて、電話を待っていた。もうすぐ到着するだろうイタリ…</span><span class="ogpCard_url" style="display:flex;align-items:center;margin-top:auto"><span class="ogpCard_iconWrap" style="position:relative;width:20px;height:20px;flex-shrink:0"><img alt="リンク" class="ogpCard_icon" height="20" loading="lazy" src="https://c.stat100.ameba.jp/ameblo/symbols/v3.20.0/svg/gray/editor_link.svg" style="position:absolute;top:0;bottom:0;right:0;left:0;height:100%;max-height:100%" width="20"></span><span class="ogpCard_urlText" style="overflow:hidden;text-overflow:ellipsis;white-space:nowrap;color:#757575;font-size:12px;text-align:left">ameblo.jp</span></span></span><span class="ogpCard_imageWrap" style="position:relative;width:120px;height:120px;flex-shrink:0"><img alt="" class="ogpCard_image" data-ogp-card-image="" height="120" loading="lazy" src="https://stat.ameba.jp/user_images/20211002/01/saramorio/78/38/j/o0640042715009552180.jpg" style="position:absolute;top:50%;left:50%;object-fit:cover;min-height:100%;min-width:100%;transform:translate(-50%,-50%)" width="120"></span></a></article></div><p>&nbsp;</p><p>&nbsp;</p>
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</description>
<link>https://ameblo.jp/saramorio/entry-12718203402.html</link>
<pubDate>Wed, 29 Dec 2021 11:00:00 +0900</pubDate>
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<title>そして</title>
<description>
<![CDATA[ <p>　房子の晩年に、恭子がよく考えていたことがあった。それは、ずっと気持ちが揺れ続けていた恭子が、房子がいつかもし亡くなったら、いったいどちらの気持ちになっているだろうか、ということだった。</p><p>房子の死を深く悲しみ、もめごとの多かった日々を後悔し、やってあげられなかったことを数え上げて泣き続けるだろうか。あるいは、常に自分ファーストで、強く、冷たかった房子のことを思い出して、恨んでいるだろうか。あれほど母性の欠落した母親も珍しい、と、恭子は今でも思う。</p><p>&nbsp;</p><p>　亡くなり方があまりに突然だったので、恭子はしばらくは猛烈な悲しみと後悔の淵に突き落とされていた。どうして別れの時にそばにいてあげられなかったかと、自責の念にさいなまれ続けた。もう一度、房子が苦しんでいたあの時まで巻き戻してほしい、優しい言葉をかけ、体をさすってあげたい、と思い続けた。</p><p>死後、整理していた書類の中に、房子の絵手紙や、デイケアで練習していた子供のようにへたくそな習字の紙を見つけるたびに、涙をボロボロ流して嗚咽した。</p><p>　死という別れには、必ず「後悔」という悲しみがついてくるのだと思う。</p><p>&nbsp;</p><p>　けれど、一年もしないうちに、その思いが逆転していた。</p><p>　恭子の中に蘇ってくる房子は、強く、冷たい姿ばかりだった。自分ばかりを偽りの姿に虚飾し、娘である恭子を他人に悪く伝えた房子の罪を生々しく思い出す。房子に振り回され、壊されていった自分の人生を、口惜しい思いで振り返るのだ。</p><p>&nbsp;</p><p>　亡くなった直後に亡骸と対面して「おばあさま、ごめんなさい」「おばあさま、ごめんなさい」と繰り返して涙を流していた幸男は、喪主ができないことにへそを曲げ、とうとう葬式にも来なかった。喪主をやらせないのなら、ビラを撒いて訴える、とまで言っていた。</p><p>　自分のプライドのために、最愛の母親との最後の別れにも来ない幸男に、恭子は呆れた。何をするか分からない幸男が不安で、恭子は房子との大切な別れの瞬間である火葬の釜に入れられる時に、房子への想いに浸りきることができなかった。それだけが、後々まで悔しく、心残りだった。</p><p>&nbsp;</p><p>　その後のさまざまな手続きや挨拶に恭子が追われている時にも、幸男は房子が遺した金に執着し、毎月の出費額を訊きにわざわざ遠くの施設に訊きに行ったり、ケアマネの工藤さんに月々の経費を訊きに行っていた。</p><p>　房子の月々の出費については、恭子は毎日きちんとノートにつけていた。ノートは房子が施設に入って恭子がお金の管理をし始めてからのもので、三冊も続いている。レシートもすべて貼ってあった。</p><p>その他の大きなものは銀行から引き落とされて通帳に記載されている。なにもあちこちに訊いて歩くような、みっともない真似をしなくても、と恥ずかしかった。</p><p>　</p><p>悠一も、房子が家を売ったことに腹を立て、亡くなったことを知らせても、とうとう来なかった。それまで住居費も要らず、房子に援助し続けてもらったというのに。</p><p>　房子へのつながりは結局みんな「金」だけなのだと思った。重い病気の妻を抱えて大変な中、悠一は遠くの施設にわざわざ房子を訪問しに行っていた。それとても、住んでいる家のことで、房子とのつながりを保っておきたかったのではないか。今となっては、そんなふうにさえ思える。</p><p>房子はこうして、親族のつながりをぶつぶつと断ち切り、最悪の関係にして逝ってしまったのだ。</p><p>&nbsp;</p><p>悠一が立ち退いた後、不動産屋に言われて、恭子は家を壊す前の立ち合いに出かけた。</p><p>そこは息を飲むほどの廃墟だった。こんな家に人が住んでいたのかと驚いた。かつて大学を卒業するまで恭子が住んでいた懐かしい家であったし、今でも夢によく出てくる舞台は、この家だった。</p><p>二階の部屋の天井の板が、何枚も壊れて垂れ下がっていた。どの部屋も、隅には、人が住んでいたことを疑うほど、綿ゴミが積もっている。</p><p>悠一が寝室にしていた一階の和室の押し入れにも、綿ゴミが広がり、おびただしいネズミの糞が積もっている。悠一は布団を敷いて寝ていたから、毎日こんな押し入れに布団を出し入れしていたのだ。</p><p>いくら年老いてきたとはいえ、なんとかできなかったのだろうか。恭子を誤解して、かたくなに拒んできた悠一を思うと、痛々しくもあった。</p><p>&nbsp;</p><p>　介護もせず、恭子のかわりにあちこちの役所を走り回ることもなく、幸男は悠一の家を処分したお金を当然のように受け取り、そのお金で借金を返済して、傾きかけている塾の経営をなんとかしのいでいるようだった。</p><p>　幸男は、あんなに房子のことで世話になった卓雄とも、最後には警察官を呼ぶような喧嘩をして、憎悪する仲になっていた。</p><p>　房子が亡くなった後、葬儀の前に、突然今から行くと幸男から恭子にメールがあった。けれど、その時運悪く、恭子はいつも行っていた少し遠くの美容院に、手入れもせず伸び放題だった髪を切りにいっていた。施術の最中、気づいて卓雄に連絡した時には、既に遅かった。恭子の家についた幸男が、二階に居て気づかなかった卓雄に、「何故すぐ出てこない！」と逆上したのだ。最初は訳が分からず当惑していた卓雄も、頭に血が上った幸男に我慢が出来ず、とうとう怒り出し、出て行ってくれ！となり、１１０番に電話する事態になっていた。卓雄も怒ると迫力があるが、幸男は頭から湯気を出し、訳が分からなくなる。</p><p>　美容院から戻った恭子が仲に入ったけれど、その時以来、幸男は卓雄にひどい口をきき、怒りを露わにしている。それまで、どんなに礼を重ねても足りないほど世話になってきたというのに。</p><p>&nbsp;</p><p>　房子は、あの世で、この状況をどう思って見ているだろうか。</p><p>&nbsp;</p><p>　恭子は房子が遺したたくさんの手帳に時間をかけて目を通し、気になるところには付箋を貼っていった。</p><p>　それから、何十冊もある銀行や郵便局の通帳をめくっていった。</p><p>　生前房子は包み紙や紙袋のようなどうでもいいものは大事にとっておくのに、大切な領収書や契約書などを捨ててしまったりと、書類管理に杜撰なところがあった。通帳も、あちこちからバラバラと出てきた。銀行も何行もある。そして名義も、本人だけでなくいくつもあった。預け入れの上限が決まっているので、家族の名前を使ったのだ。すでにどの通帳も残高がゼロになっている。</p><p>　通帳は、恭子の家に来るだいぶ前からずっとあった。その中の引き落とされた金額の横に、房子は時々鉛筆でメモを書いていた。それを見ていて驚いた。</p><p>「幸男　誕生日」「幸男　パソコン」と幾たびも幸男にそれぞれ何十万円も振り込まれている。五十万円というのもあった。定期的にも振り込まれている。幸男に直接送金できるカードも見つかった。</p><p>それは、恭子の家に来てからも、ずっと続いていたものだった。あれほど稼いでいた房子の銀行の残高が少ないはずだった。</p><p>　そう言えば、恭子が借金をした後に、あのお金で、幸男の誕生日に車をプレゼントをしてあげたかった、という房子の言葉を聞いたこともあった。</p><p>　幸男達が我が物顔に新しく大きな家を建て、住んでいるその高価な土地も、房子がかつては借地権を持っていた。房子が出て行った後に、いつの間にか自分達の物にしてしまっていたのだ。</p><p>&nbsp;</p><p>　幸男にとって、房子は何だったのだろう。</p><p>足りなければ、湯水のようにお金を援助し、仕事がなければあてがってくれる。頼めばどんなことでもかなえてくれる、スーパーマンだったのだろうか。</p><p>そして、房子にとって幸男は、何だったのだろう。生涯自分ファーストであった房子にとって、幸男は自分の分身であり、結局自己愛だったのだろうか。それとも犬やぬいぐるみを可愛がっていたように、愛情を注ぐ、愛玩物だったのだろうか。</p><p>「幸男は私の命です」「幸男と会えることだけを楽しみに・・・」</p><p>房子の言葉が蘇ってくる。</p><p>&nbsp;</p><p>　ふと、恭子はある雨の日を思い出す。その日、急に雨が降り出して、恭子は俳句の会に出かけている房子を、傘を持ってあわてて迎えに行った。</p><p>　けれど、場所が分からなくて、迷っているうちに、仲間の人と一緒に帰ってくる房子に出会った。</p><p>　その時の房子の顔が忘れられない。房子は誰かの傘に入れてもらっていた。房子の傘を持っている恭子に、笑顔ひとつ向けなかった。</p><p>　そして、他の人もみんな、会釈する恭子を見向きもしなかった。</p><p>　思えばあの時も房子は、雨の日にも迎えにも来てもらえない、かわいそうな老人でいたかったのかもしれない。　</p><p>&nbsp;</p><p>　房子は本当に、自分を産んだ母親だったのだろうか。「尽くせるだけ尽くした」と言った房子の言葉が、今でも空々しく響く。</p><p>　それでも、街をバスで通り抜ける時、ふと房子の手を引いて買い物をした時のことを物悲しく思い出す。</p><p>　房子はある意味「魔性の人」だったのかもしれない。恭子の心の中をこれほどかき回し、揺れさせたのだから。</p><p><a href="https://stat.ameba.jp/user_images/20211226/01/saramorio/d4/45/j/o0640042715051654384.jpg"><img alt="" height="280" src="https://stat.ameba.jp/user_images/20211226/01/saramorio/d4/45/j/o0640042715051654384.jpg" width="420"></a></p><p>&nbsp;</p><p>&nbsp;</p><p>--------------------</p><p>登場人物紹介</p><p>&nbsp;</p><p>恭子：60代の主婦。兄嫁と折り合わず、家を飛び出してきた実母に苦しみ、「反感」と「情」の間で心が揺れ続ける。<br><br>卓雄：恭子の夫。定年間際のサラリーマン。<br><br>房子：恭子の実母。気が強いが、外では決して本性を出さず、優しく上品に振舞う。若い時に夫（恭子の父）を亡くし、塾を経営して蓄えたお金を偏愛する息子に貢ぎ続ける。<br><br>幸男：房子の長男。恭子の兄。若い頃から問題行動が多かったが、房子に溺愛され、生涯援助され続ける。仕事も長続きせず、結局房子の塾の講師におさまる。<br><br>悠一：房子の実弟。房子とかなり歳が離れている。<br><br>やすよ：幸男の嫁。人妻だったため、結婚には一波乱あった。房子は気に入らず、ずっと衝突し続ける。</p><p>&nbsp;</p><p>&nbsp;</p><p>↓↓小説のプロローグはコチラから↓↓</p><p>&nbsp;</p><div class="ogpCard_root"><article class="ogpCard_wrap" contenteditable="false" style="display:inline-block;max-width:100%"><a class="ogpCard_link" data-ogp-card-log="" href="https://ameblo.jp/saramorio/entry-12700681350.html" rel="noopener noreferrer" style="display:flex;justify-content:space-between;overflow:hidden;box-sizing:border-box;width:620px;max-width:100%;height:120px;border:1px solid #e2e2e2;border-radius:4px;background-color:#fff;text-decoration:none" target="_blank"><span class="ogpCard_content" style="display:flex;flex-direction:column;overflow:hidden;width:100%;padding:16px"><span class="ogpCard_title" style="-webkit-box-orient:vertical;display:-webkit-box;-webkit-line-clamp:2;max-height:48px;line-height:1.4;font-size:16px;color:#333;text-align:left;font-weight:bold;overflow:hidden">『母の亡霊にいつまでも』</span><span class="ogpCard_description" style="overflow:hidden;text-overflow:ellipsis;white-space:nowrap;line-height:1.6;margin-top:4px;color:#757575;text-align:left;font-size:12px">　小さな簡易机の上で、恭子はパソコンを開いたまま茶色い手帳をめくっていた。　一年ごとに簡単なスケジュールと毎日のメモが書き込めるその手帳は、去年亡くなった母親…</span><span class="ogpCard_url" style="display:flex;align-items:center;margin-top:auto"><span class="ogpCard_iconWrap" style="position:relative;width:20px;height:20px;flex-shrink:0"><img alt="リンク" class="ogpCard_icon" height="20" loading="lazy" src="https://c.stat100.ameba.jp/ameblo/symbols/v3.20.0/svg/gray/editor_link.svg" style="position:absolute;top:0;bottom:0;right:0;left:0;height:100%;max-height:100%" width="20"></span><span class="ogpCard_urlText" style="overflow:hidden;text-overflow:ellipsis;white-space:nowrap;color:#757575;font-size:12px;text-align:left">ameblo.jp</span></span></span><span class="ogpCard_imageWrap" style="position:relative;width:120px;height:120px;flex-shrink:0"><img alt="" class="ogpCard_image" data-ogp-card-image="" height="120" loading="lazy" src="https://stat.ameba.jp/user_images/20210930/19/saramorio/a3/49/j/o0640048015008921648.jpg" style="position:absolute;top:50%;left:50%;object-fit:cover;min-height:100%;min-width:100%;transform:translate(-50%,-50%)" width="120"></span></a></article></div><p>&nbsp;</p><p>&nbsp;</p><p>↓↓小説の１話目はコチラから↓↓</p><p>&nbsp;</p><div class="ogpCard_root"><article class="ogpCard_wrap" contenteditable="false" style="display:inline-block;max-width:100%"><a class="ogpCard_link" data-ogp-card-log="" href="https://ameblo.jp/saramorio/entry-12701358065.html" rel="noopener noreferrer" style="display:flex;justify-content:space-between;overflow:hidden;box-sizing:border-box;width:620px;max-width:100%;height:120px;border:1px solid #e2e2e2;border-radius:4px;background-color:#fff;text-decoration:none" target="_blank"><span class="ogpCard_content" style="display:flex;flex-direction:column;overflow:hidden;width:100%;padding:16px"><span class="ogpCard_title" style="-webkit-box-orient:vertical;display:-webkit-box;-webkit-line-clamp:2;max-height:48px;line-height:1.4;font-size:16px;color:#333;text-align:left;font-weight:bold;overflow:hidden">『始まりは』</span><span class="ogpCard_description" style="overflow:hidden;text-overflow:ellipsis;white-space:nowrap;line-height:1.6;margin-top:4px;color:#757575;text-align:left;font-size:12px">　それは十年以上前のある日。昼近くのことだった。恭子は何日も前から家中の掃除をして、二階の一室のベッドを整えて、電話を待っていた。もうすぐ到着するだろうイタリ…</span><span class="ogpCard_url" style="display:flex;align-items:center;margin-top:auto"><span class="ogpCard_iconWrap" style="position:relative;width:20px;height:20px;flex-shrink:0"><img alt="リンク" class="ogpCard_icon" height="20" loading="lazy" src="https://c.stat100.ameba.jp/ameblo/symbols/v3.20.0/svg/gray/editor_link.svg" style="position:absolute;top:0;bottom:0;right:0;left:0;height:100%;max-height:100%" width="20"></span><span class="ogpCard_urlText" style="overflow:hidden;text-overflow:ellipsis;white-space:nowrap;color:#757575;font-size:12px;text-align:left">ameblo.jp</span></span></span><span class="ogpCard_imageWrap" style="position:relative;width:120px;height:120px;flex-shrink:0"><img alt="" class="ogpCard_image" data-ogp-card-image="" height="120" 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</description>
<link>https://ameblo.jp/saramorio/entry-12717466783.html</link>
<pubDate>Tue, 28 Dec 2021 11:00:00 +0900</pubDate>
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<title>とうとう・・・（２）</title>
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<![CDATA[ <p>　それから朝まで少し眠ることができた恭子は、階下に下りて、居間の戸を開けた。房子は眠っていた。</p><p>がたがた大きな音をたてる枕元の戸を開けても、房子は眠っているふりをすることがよくある。いつもと同じだと思っていた。またぁ、起きているんでしょ、と思いながら、</p><p>「おかあさん、おはよう！」</p><p>と言った。もう一度、大きな声で「おはよう！」</p><p>　耳元でもう一度。それで恭子はやっと気づいたのだ。房子が冷たくなっていることに。触って確かめなければ分からないほど、房子は普段眠っている時と、変わらない顔だった。</p><p>口を開けているから頬の肉は落ち、顔全体が蝋のようにつるっとしていた。</p><p>&nbsp;</p><p>　それから恭子はどうしようもなく泣き続けた。「ごめんね」「ごめんね」と泣きながら謝り続けた。髪の毛がほとんどない頭をなで続けた。</p><p>ほんとに苦しかったんだ、死んでしまうくらい苦しかったんだ、と思うと、涙が止まらない。力を振り絞って恭子の名を呼び、戸襖を叩き続けた姿を思い浮かべると、かわいそうでたまらなかった。</p><p>　朝までいてあげれば良かった。苦しみを分かち合ってあげたかった。せめて、私の腕の中で息を引き取らせてあげたかった。</p><p>あぁ、よりによって、なんで今日という日だったんだろう・・。時を巻き戻してほしい。</p><p>&nbsp;</p><p>　早朝の苦しんでいた房子と、冷たくなった房子の姿が、何度も何度も目の前に浮かび上がり、何度も何度も「ごめんね」と嗚咽した。</p><p>　房子の顔は、眠っているように穏やかだった。座薬が効いて眠っていき、あの後苦しまずに逝ってしまったのかもしれない。けれど、あの時の別れ方は、どんなに悔やんでも、悔やみきれなかった。</p><p>&nbsp;</p><p>　葬儀場がすぐにとれなかったので、房子は一週間ほど家で眠っていた。</p><p>　具合が悪くなってきてから、会いにきて、と連絡した幸男は、亡くなった知らせをしてから、やっとやってきて、遺体の前で、「おばあさま、ごめんなさい」と繰り返して、さめざめと泣いた。嘘っぽくて、背中を蹴飛ばしてやりたかった。</p><p>&nbsp;</p><p>　晩年の房子に、亡くなった時の喪主の話はしてあった。恭子はこれまで房子の介護を半ば放棄していた幸男に、どうしても喪主をさせたくなかった。葬儀の時だけ主の顔をして出てくることが許せなかった。そのことは、房子も最後には認めていた。認めざるを得なかった。そして、それは、幸男にも伝えてあったはずだ。</p><p>　ところが、幸男はいざとなると、メンツが立たないと言って、気が狂ったように暴言を吐いて暴れ出した。</p><p>　結局、「房子の命」だった幸男は、メンツのために、房子との最後のお別れである葬儀も欠席したのだ。</p><p>&nbsp;</p><p><a href="https://stat.ameba.jp/user_images/20211226/00/saramorio/0e/74/j/o0640042715051641740.jpg"><img alt="" height="280" src="https://stat.ameba.jp/user_images/20211226/00/saramorio/0e/74/j/o0640042715051641740.jpg" width="420"></a></p><p>&nbsp;</p><p>&nbsp;</p><p>--------------------</p><p>登場人物紹介</p><p>&nbsp;</p><p>恭子：60代の主婦。兄嫁と折り合わず、家を飛び出してきた実母に苦しみ、「反感」と「情」の間で心が揺れ続ける。<br><br>卓雄：恭子の夫。定年間際のサラリーマン。<br><br>房子：恭子の実母。気が強いが、外では決して本性を出さず、優しく上品に振舞う。若い時に夫（恭子の父）を亡くし、塾を経営して蓄えたお金を偏愛する息子に貢ぎ続ける。<br><br>幸男：房子の長男。恭子の兄。若い頃から問題行動が多かったが、房子に溺愛され、生涯援助され続ける。仕事も長続きせず、結局房子の塾の講師におさまる。<br><br>悠一：房子の実弟。房子とかなり歳が離れている。<br><br>やすよ：幸男の嫁。人妻だったため、結婚には一波乱あった。房子は気に入らず、ずっと衝突し続ける。</p><p>&nbsp;</p><p>&nbsp;</p><p>↓↓小説のプロローグはコチラから↓↓</p><p>&nbsp;</p><div class="ogpCard_root"><article class="ogpCard_wrap" contenteditable="false" style="display:inline-block;max-width:100%"><a class="ogpCard_link" data-ogp-card-log="" href="https://ameblo.jp/saramorio/entry-12700681350.html" rel="noopener noreferrer" style="display:flex;justify-content:space-between;overflow:hidden;box-sizing:border-box;width:620px;max-width:100%;height:120px;border:1px solid #e2e2e2;border-radius:4px;background-color:#fff;text-decoration:none" target="_blank"><span class="ogpCard_content" style="display:flex;flex-direction:column;overflow:hidden;width:100%;padding:16px"><span class="ogpCard_title" style="-webkit-box-orient:vertical;display:-webkit-box;-webkit-line-clamp:2;max-height:48px;line-height:1.4;font-size:16px;color:#333;text-align:left;font-weight:bold;overflow:hidden">『母の亡霊にいつまでも』</span><span class="ogpCard_description" style="overflow:hidden;text-overflow:ellipsis;white-space:nowrap;line-height:1.6;margin-top:4px;color:#757575;text-align:left;font-size:12px">　小さな簡易机の上で、恭子はパソコンを開いたまま茶色い手帳をめくっていた。　一年ごとに簡単なスケジュールと毎日のメモが書き込めるその手帳は、去年亡くなった母親…</span><span class="ogpCard_url" style="display:flex;align-items:center;margin-top:auto"><span class="ogpCard_iconWrap" style="position:relative;width:20px;height:20px;flex-shrink:0"><img alt="リンク" class="ogpCard_icon" height="20" loading="lazy" src="https://c.stat100.ameba.jp/ameblo/symbols/v3.20.0/svg/gray/editor_link.svg" style="position:absolute;top:0;bottom:0;right:0;left:0;height:100%;max-height:100%" width="20"></span><span class="ogpCard_urlText" style="overflow:hidden;text-overflow:ellipsis;white-space:nowrap;color:#757575;font-size:12px;text-align:left">ameblo.jp</span></span></span><span class="ogpCard_imageWrap" style="position:relative;width:120px;height:120px;flex-shrink:0"><img alt="" class="ogpCard_image" data-ogp-card-image="" height="120" loading="lazy" src="https://stat.ameba.jp/user_images/20210930/19/saramorio/a3/49/j/o0640048015008921648.jpg" style="position:absolute;top:50%;left:50%;object-fit:cover;min-height:100%;min-width:100%;transform:translate(-50%,-50%)" width="120"></span></a></article></div><p>&nbsp;</p><p>&nbsp;</p><p>↓↓小説の１話目はコチラから↓↓</p><p>&nbsp;</p><div class="ogpCard_root"><article class="ogpCard_wrap" contenteditable="false" style="display:inline-block;max-width:100%"><a class="ogpCard_link" data-ogp-card-log="" href="https://ameblo.jp/saramorio/entry-12701358065.html" rel="noopener noreferrer" style="display:flex;justify-content:space-between;overflow:hidden;box-sizing:border-box;width:620px;max-width:100%;height:120px;border:1px solid #e2e2e2;border-radius:4px;background-color:#fff;text-decoration:none" target="_blank"><span class="ogpCard_content" style="display:flex;flex-direction:column;overflow:hidden;width:100%;padding:16px"><span class="ogpCard_title" style="-webkit-box-orient:vertical;display:-webkit-box;-webkit-line-clamp:2;max-height:48px;line-height:1.4;font-size:16px;color:#333;text-align:left;font-weight:bold;overflow:hidden">『始まりは』</span><span class="ogpCard_description" style="overflow:hidden;text-overflow:ellipsis;white-space:nowrap;line-height:1.6;margin-top:4px;color:#757575;text-align:left;font-size:12px">　それは十年以上前のある日。昼近くのことだった。恭子は何日も前から家中の掃除をして、二階の一室のベッドを整えて、電話を待っていた。もうすぐ到着するだろうイタリ…</span><span class="ogpCard_url" style="display:flex;align-items:center;margin-top:auto"><span class="ogpCard_iconWrap" style="position:relative;width:20px;height:20px;flex-shrink:0"><img alt="リンク" class="ogpCard_icon" height="20" loading="lazy" src="https://c.stat100.ameba.jp/ameblo/symbols/v3.20.0/svg/gray/editor_link.svg" style="position:absolute;top:0;bottom:0;right:0;left:0;height:100%;max-height:100%" width="20"></span><span class="ogpCard_urlText" style="overflow:hidden;text-overflow:ellipsis;white-space:nowrap;color:#757575;font-size:12px;text-align:left">ameblo.jp</span></span></span><span class="ogpCard_imageWrap" style="position:relative;width:120px;height:120px;flex-shrink:0"><img alt="" class="ogpCard_image" data-ogp-card-image="" height="120" loading="lazy" src="https://stat.ameba.jp/user_images/20211002/01/saramorio/78/38/j/o0640042715009552180.jpg" style="position:absolute;top:50%;left:50%;object-fit:cover;min-height:100%;min-width:100%;transform:translate(-50%,-50%)" width="120"></span></a></article></div><p>&nbsp;</p>
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<link>https://ameblo.jp/saramorio/entry-12717466764.html</link>
<pubDate>Mon, 27 Dec 2021 11:00:00 +0900</pubDate>
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<title>とうとう・・・（１）</title>
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<![CDATA[ <p>　九十七歳の誕生日を過ぎて、三月の終わり、デイサービスの施設から電話があった。しばらく休んでいるので、登録を抹消されてしまうという。新たに登録し直すのはまた面倒なようだった。施設の人も、房子の体を考えて、迷っていた。</p><p>房子に訊いてみると、明確な返事がない。行きたいようでもあり、自信がなさそうでもあった。</p><p>房子はずっと風呂に入っていない。恭子が温めたタオルで体を拭いてあげているだけだった。施設なら、椅子に座ったまま湯に入る機械浴の設備もある。それを期待して、デイサービスに行くことに決めた。</p><p>　玄関まではなんとか連れて行かなければならない、ということだったので、恭子は前日に予行演習をしてみた。自分も直前に足の甲の骨を折って、ギブスをしたまま台所をキャスター付きの椅子で往復していた。房子をベッドから起こして、そのキャスター付きの椅子に座らせて、倒れないように支えながら玄関まで移動する。危なっかしいけれど、なんとかできた。玄関からは、施設の車椅子で連れていってくれることになっていた。</p><p>けれど、後になってみると、そのデイサービスへの参加も、房子の体を一層弱めてしまったのではないかと、恭子は後悔するのだ。</p><p>　</p><p>当日、施設の車に送られて、房子は息も絶え絶えに帰ってきた。施設では何も食べられず、休んでいただけだったという。お風呂も到底無理だった。しばらくぶりに房子に会った仲間の老人は、房子の衰えた姿を目にして泣き出してしまったという。</p><p>　無理だったのだ。かわいそうなことをした、と後悔した。</p><p>一層弱った房子は、もうベッドから起き上がることもできなくなっていた。</p><p>&nbsp;</p><p>　それからの日々、房子はベッドの上だけで過ごした。いつものように、何をしゃべるわけでもない。じっと天井を見つめたまま動かなかった。</p><p>　時々台所から覗きにきてみた。あんまり動かないので、死んでいるのか、と心配した。</p><p>「何を考えているの？」</p><p>恭子が訊くと、</p><p>「何だろうねぇ・・」</p><p>と、空を見つめたまま房子は言った。房子の表情には、もう、なんの欲望も見えない。すべて諦めきった人に見えた。</p><p>何も考えていないなんて、あるのだろうか。考えているのに、言わないのだろうか。</p><p>こんな時になっても、房子は自分の心の中をさらけださない。</p><p>&nbsp;</p><p>　オムツを替える時にも、房子は何もしゃべらなかった。</p><p>　寝たきりになってから、以前のパンツ型のオムツから、普通のタイプに替えている。ほとんど食べなくなってから、オムツを汚す回数も少なかった。</p><p>　ベッドもそれまで使っていたものに替えて、介護用をレンタルしていた。その立派なベッドは、恭子達がずっと居間として使ってきた六畳の和室を四分の一近く占領していた。</p><p>　べッドには、両サイドにやはりレンタルの転落防止用の柵が取り付けてある。高さは柵にかけてある大きなリモコンで調節できた。上体を起こしたり、下半身を上げたりもできた。</p><p>夜、恭子は和室と台所の間の戸を閉めると、房子に声をかけて、リモコンのボタンを押してベッドを高くした。房子は黙ってされるがままになっていた。</p><p>　枕元に置いているティッシュの箱や、目薬やぬいぐるみが入った小さな籐の入れ物がベッドとともに持ち上がると、柵から落ちそうになる。房子は横目でそれを少し気にするそぶりをした。</p><p>　手前の柵のロックを外して前に倒すと、恭子は房子のパジャマのズボンに手をかけた。</p><p>　骨盤の骨だけしかないように見える房子の下半身は意外に重く、ズボンを下ろすために持ち上げようと思っても、手首に負担がかかり過ぎて無理だった。そこで、房子の体を半回転させて、向きを変えては徐々に下ろすことにしていた。</p><p>それでも、かなりの力が要った。腰の下に手を入れて、ぐっと持ち上げるように転がす。思わず「ヨッコラショッ！」とうめくように声が出た。</p><p>寒がりの房子は、パジャマの下にズボン下も履いている。恭子の声は、向こうに回転させたり、こちらに回転させたりするたびに、何度も出てしまう。房子に大変さをアピールしているようで嫌だったが、うっと力を入れるたびに声がでてしまう。</p><p>　オムツ交換の一連の作業の中で、肝心のオムツに至るまでのこの作業が、恭子は一番苦痛だった。房子に長く生きていてほしいとは思うものの、次第に老いていく自分の手首が、この重みにずっと耐えられるだろうかと不安になった。</p><p>&nbsp;</p><p>　少ししか出なくなった便は、房子の体のよれた皺の間やひだの下に入り込む。お尻ふきの厚いペーパーを湯で濡らして拭いている間も、房子はまばたきも少なく、ただ天井を見ていた。</p><p>　房子は何を考えているのだろう、と思った。</p><p>恭子がすべての作業を終えて、パジャマを元通り履かせ終わっても、房子は黙っていた。</p><p>天井から恭子の顔に視線を移して、じっと恭子の目を見ている。なんて感情のない、冷たい目をしているのだろう、と恭子は思った。</p><p>「ありがとう」でも「お疲れ様」でもない。</p><p>まるで、オムツを替える恭子が、あたかも房子を貶めていると責めているようにも見えた。</p><p>　どうして黙っているの。どうしてそんなに冷たい目で私を見るの・・・。</p><p>「黙ってないで、なにか言って」</p><p>恭子がたまりかねて言うと、房子はやっと、冷たい目をしたまま、乾いた声でありがとう、と言った。　</p><p>&nbsp;</p><p>　一週間ほどそんな状態が続いた。</p><p>　その夜は、翌日恭子も房子も予定があった。恭子は夕方ある集まりに出ることになっていた。房子の介護を機に発行する小さな冊子のための会だった。それは恭子にとって、とても大事な会だった。</p><p>　房子も卒業生のひとりが会いにきてくれることになっていた。</p><p>　卒業生のＴさんには、事前に、房子が相当弱っていることは伝えてあった。何も話せないかもしれない。長い時間は無理だろうと。</p><p>　Ｔさんは、恭子より若い社会人だった。家には数回来てくれている。彼女も何かと気を使ってくれていたけれど、恭子もＴさんの訪問時には、料理をがんばったり、できるだけのおもてなしをしていた。</p><p>　房子はよく、Ｔさんに会いたいと言って、幼い子のように、泣き真似までしてみせた。</p><p>そんな房子を見て、恭子は、Ｔさんとは卒業以来の付き合いだとばかり思っていた。ところが、亡くなって手紙などを整理してみて、Ｔさんとの親しい付き合いは、ここ数年のことだと分かった。</p><p>　それで分かったのだ。房子にとって、Ｔさんは、久美の替わりだった。房子から少し離れて行った久美に気付いて、房子は自分が心を寄せる相手を求めたのだ。その時期が、見事に合致していた。</p><p>&nbsp;</p><p>　昼にＴさんが来てくれることになっているその日の早朝だった。二階に寝ている恭子は、猫の鳴き声のような声を聴いた。その声は、はじめは家の外から聞こえてきているように思えた。いつまでもくりかえされるその声は、しんとした暗闇の中で、恭子の名前のようにも聞こえる。</p><p>けれど、階下に寝ている、体の弱っている房子が、まさか二階にまで聞こえる声を出せるとは思えなかった。だいいち、房子のベッドには、二階で響く介護用のブザーをつけてある。</p><p>　無視して眠ろうとしていると、追い打ちをかけるように、戸襖をがんがん叩き続ける音が聞こえた。房子だ。ベッドの横の戸襖を叩いているのだ。</p><p>　恭子は起き上がって、階段を駆け下りた。</p><p>&nbsp;</p><p>　房子はベッドでもだえていた。苦しそうに顔を歪め、何かを訴えようとしているけれど、言葉にならない。水、と言っているようなので置いてある水飲み器を口に含ませたけれど、飲むわけではない。さかんにベッドの足元を指で指すのでベッドを起こしてみたけれど、房子はそれでも苦しい顔で前方を指さす。</p><p>「立ち上がるなんて無理よ。」</p><p>房子が何をしたいのか分からなかった。背中をさすったりしてみた。時計は四時を過ぎたところだった。</p><p>　翌日は、来客がある。その用意をしなければならない。夕方には出かけなければならない。もう少し寝なければ。恭子は焦っていた。</p><p>　それに、房子の死にそうに苦しそうな表情を、何度も何度も見てきた。目や指がいたくても、胸が苦しくても、房子はいつもこれ以上ないほど辛い表情を見せてきた。</p><p>　医者には、苦しい時にはこれをと、睡眠薬の座薬を渡されていた。恭子はそれを取り出すと、房子のオムツをとって挿入した。</p><p>　すると、房子はすうっと穏やかな顔になった。呼吸も落ち着いたように見える。恭子はほっとして、ベッドを直した。それから電気を薄くして、戸を閉めた。それが最後だとは夢にも思わず。</p><p>&nbsp;</p><p><a href="https://stat.ameba.jp/user_images/20211226/00/saramorio/99/d4/j/o0640042715051640439.jpg"><img alt="" height="280" src="https://stat.ameba.jp/user_images/20211226/00/saramorio/99/d4/j/o0640042715051640439.jpg" width="420"></a></p><p>&nbsp;</p><p>&nbsp;</p><p>--------------------</p><p>登場人物紹介</p><p>&nbsp;</p><p>恭子：60代の主婦。兄嫁と折り合わず、家を飛び出してきた実母に苦しみ、「反感」と「情」の間で心が揺れ続ける。<br><br>卓雄：恭子の夫。定年間際のサラリーマン。<br><br>房子：恭子の実母。気が強いが、外では決して本性を出さず、優しく上品に振舞う。若い時に夫（恭子の父）を亡くし、塾を経営して蓄えたお金を偏愛する息子に貢ぎ続ける。<br><br>幸男：房子の長男。恭子の兄。若い頃から問題行動が多かったが、房子に溺愛され、生涯援助され続ける。仕事も長続きせず、結局房子の塾の講師におさまる。<br><br>悠一：房子の実弟。房子とかなり歳が離れている。<br><br>やすよ：幸男の嫁。人妻だったため、結婚には一波乱あった。房子は気に入らず、ずっと衝突し続ける。</p><p>&nbsp;</p><p>&nbsp;</p><p>↓↓小説のプロローグはコチラから↓↓</p><p>&nbsp;</p><div class="ogpCard_root"><article class="ogpCard_wrap" contenteditable="false" style="display:inline-block;max-width:100%"><a class="ogpCard_link" data-ogp-card-log="" href="https://ameblo.jp/saramorio/entry-12700681350.html" rel="noopener noreferrer" 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style="position:relative;width:20px;height:20px;flex-shrink:0"><img alt="リンク" class="ogpCard_icon" height="20" loading="lazy" src="https://c.stat100.ameba.jp/ameblo/symbols/v3.20.0/svg/gray/editor_link.svg" style="position:absolute;top:0;bottom:0;right:0;left:0;height:100%;max-height:100%" width="20"></span><span class="ogpCard_urlText" style="overflow:hidden;text-overflow:ellipsis;white-space:nowrap;color:#757575;font-size:12px;text-align:left">ameblo.jp</span></span></span><span class="ogpCard_imageWrap" style="position:relative;width:120px;height:120px;flex-shrink:0"><img alt="" class="ogpCard_image" data-ogp-card-image="" height="120" loading="lazy" src="https://stat.ameba.jp/user_images/20210930/19/saramorio/a3/49/j/o0640048015008921648.jpg" style="position:absolute;top:50%;left:50%;object-fit:cover;min-height:100%;min-width:100%;transform:translate(-50%,-50%)" width="120"></span></a></article></div><p>&nbsp;</p><p>&nbsp;</p><p>↓↓小説の１話目はコチラから↓↓</p><p>&nbsp;</p><div class="ogpCard_root"><article class="ogpCard_wrap" contenteditable="false" style="display:inline-block;max-width:100%"><a class="ogpCard_link" data-ogp-card-log="" href="https://ameblo.jp/saramorio/entry-12701358065.html" rel="noopener noreferrer" style="display:flex;justify-content:space-between;overflow:hidden;box-sizing:border-box;width:620px;max-width:100%;height:120px;border:1px solid #e2e2e2;border-radius:4px;background-color:#fff;text-decoration:none" target="_blank"><span class="ogpCard_content" style="display:flex;flex-direction:column;overflow:hidden;width:100%;padding:16px"><span class="ogpCard_title" style="-webkit-box-orient:vertical;display:-webkit-box;-webkit-line-clamp:2;max-height:48px;line-height:1.4;font-size:16px;color:#333;text-align:left;font-weight:bold;overflow:hidden">『始まりは』</span><span class="ogpCard_description" style="overflow:hidden;text-overflow:ellipsis;white-space:nowrap;line-height:1.6;margin-top:4px;color:#757575;text-align:left;font-size:12px">　それは十年以上前のある日。昼近くのことだった。恭子は何日も前から家中の掃除をして、二階の一室のベッドを整えて、電話を待っていた。もうすぐ到着するだろうイタリ…</span><span class="ogpCard_url" style="display:flex;align-items:center;margin-top:auto"><span class="ogpCard_iconWrap" style="position:relative;width:20px;height:20px;flex-shrink:0"><img alt="リンク" class="ogpCard_icon" height="20" loading="lazy" src="https://c.stat100.ameba.jp/ameblo/symbols/v3.20.0/svg/gray/editor_link.svg" style="position:absolute;top:0;bottom:0;right:0;left:0;height:100%;max-height:100%" width="20"></span><span class="ogpCard_urlText" style="overflow:hidden;text-overflow:ellipsis;white-space:nowrap;color:#757575;font-size:12px;text-align:left">ameblo.jp</span></span></span><span class="ogpCard_imageWrap" style="position:relative;width:120px;height:120px;flex-shrink:0"><img alt="" class="ogpCard_image" data-ogp-card-image="" height="120" 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<link>https://ameblo.jp/saramorio/entry-12717466741.html</link>
<pubDate>Sun, 26 Dec 2021 11:00:00 +0900</pubDate>
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<title>下り坂</title>
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<![CDATA[ <p>　二月の九七歳の誕生日を前にした冬、房子はちょっとしたかぜをひいた。恭子もひいた。どちらが先だったか分からない。</p><p>　微熱は出たけれど、大したこともないと思ったのに、数日咳が続いた後、房子は痰が喉にからんで、いつまでも苦しそうだった。</p><p>新しく替わっていた年配の訪問医が、いつも処方しているたくさんの薬に加えて、抗生剤も処方してくれた。咳止めや痰切りの薬も飲んだ。けれど、なかなか治らない。痰が喉にひっかかったままの房子は、ひっきりなしにグエグエと、耳障りな音を立てていた。</p><p>　思えばそのかぜが、房子の「最後」の始まりだったのだ。思い返してみて、恭子はそのかぜを軽くみていたことが悔やまれた。</p><p>百歳に近づいているとはいえ、それまで強い房子を見てきた恭子は、房子が重篤な病気になる、もしくは死が訪れるなど、現実のことになるとは到底思えなかった。房子はこれまでも、痛い、苦しい、死ぬ、と何度も騒ぎ、恭子達を振り回してきた。そのたびに房子の大げさな演技にうんざりしてきていた。</p><p>　訪問医が帰る時に、玄関に見送りに出る恭子に「もうそれほど長くはないです」と耳打ちしても、どこかで（房子に限って）と思っていた。</p><p>&nbsp;</p><p>　ところが、そのうち房子の様子がおかしくなってきた。「オスの猫が２匹いる」とか、「〇〇さん、花火を上げて！」とか妙なことばかり言う。ぎょっとしたけれど、最初はいつもの房子の演技かとも思った。</p><p>テーブルの前に座っていても、房子は飲んだはずの薬を手探りで探している。突然手を挙げて天井を指したり、訳の分からない独り言をぶつぶつつぶやき続けた。</p><p>　房子は体力こそ衰えてきてはいるけれど、頭は確かなほうだった。それが、急におかしくなり、恭子はとまどった。半信半疑で、知り合いの何人かに頼んで房子と電話で話してもらったけれど、時々は普通でもあり、微妙だった。</p><p>　ところが、症状はどんどんひどくなり、房子は寝たきりになってしまった。一日中眠り続け、目を薄く開けても、普通の会話は一切ない。寝ながらひとりで何やらしゃべり続け、大きな声でうわごとも言う。目の前の相手が誰だか分からず、房子は喜怒哀楽のない能面のような顔をしていた。</p><p>　</p><p>　「認知症」について、恭子は勿論知っていた。けれど、これほど急に来たことにあわてた。あんなに頭のしっかりしていた人が、と信じられなかった。</p><p>ベッドのわきで、魂が抜けたような顔をしている房子を見ていると、痛ましくて、恭子は涙が出てきた。寝たきりになる方が、まだましだった、と思う。このまま房子が訳も分からない人になってしまうのかと思うと、絶望的な気持ちになった。そんな覚悟なんて、できていない。</p><p>恭子は房子が心配で、それから数日、房子のベッドの下に布団を敷いて寝た。</p><p>　そんな時に、訪問してくれていたケアマネの工藤さんが、「大丈夫ですよ。体の水分が足りなくなった時に『せん妄』が起こりやすいですが、治りますよ」と言ってくれたのだ。本当にありがたい言葉だった。</p><p>工藤さんは、助産婦の仕事もしていたことがある経験豊富な、割合年配のケアマネさんだ。工藤さんの言葉には説得力があった。</p><p>工藤さんが言うには、『認知症』と『せん妄』は違う。房子の症状は、『認知症』ではないと言う。絶望的になっていた恭子に、明るい気持ちがやっと少し戻った。</p><p>&nbsp;</p><p>　工藤さんが言った通り、房子はその後、意識は次第に戻り、以前と変わらない会話ができるようになった。本当にうれしかった.。</p><p>　けれど、房子の体は、その時を境に、みるみる衰えた。かつての元気な房子には二度ともどらなかった。</p><p>&nbsp;</p><p>　それでも恭子は、房子がまた元通りに力強く復活すると思っていた。九十六歳という年齢を考えれば、その先に明るい見通しがあるはずもないのに、房子に限って、死に近づいているとは、到底思えなかった。</p><p>　房子はちょっと歩くとはぁはぁ息切れした。食も急激に落ちて、ほんの少ししか食べられなくなっていた。</p><p>　恭子は、房子の調子をみて、天気の良い日にはなんとか外に連れ出そうとしてみた。少しでも陽に当たる方が体にいいような気がしたのだ。けれど、房子は押し車につかまっても、もう数歩歩くのがいいところだった。</p><p>&nbsp;</p><p>　それでも房子は最後まで強い人だった。</p><p>年末には、二階に移動した大画面テレビで一緒にＮＨＫを観るために、房子は久しぶりに、一段一段、はぁはぁ言いながら階段を上った。房子の体を考えると、無理をさせることを躊躇したけれど、一階で一緒にテレビを観るには場所がない。できればみんなで年末を過ごしたかった。</p><p>房子の意思を確かめると、自信なさそうではあったけれど、それでも一緒にテレビを観て過ごしたい気持が分かった。</p><p>房子のために思い切り温かくした部屋で、房子は半分以上ソファーで眠りながらも、満足そうだった。</p><p>　恒例になっている恭子の子供達とのおおにぎわいの年始の集まりにも参加した。亜美が数年前に購入した大きな家で、房子は自分の皿に盛ってもらったたくさんの種類の料理を少しずつ食べ、その後、別室に敷いてもらった布団で、気持ちよさそうに眠っていた。</p><p>&nbsp;</p><p>　その後房子はどんどん食べられなくなっていった。食べても戻してしまう。ゼリー状の栄養価の高い物を、少しだけ食べた。</p><p>医師も、もうあきらめているようだった。苦しい時にはこれを使うようにと、睡眠薬の座薬を処方してくれていた。</p><p>&nbsp;</p><p>　けれど、体がそんな状態になっても、房子の強さは健在だった。</p><p>　こんなこともあった。</p><p>　ある夜、房子がベッドから、隣りの台所にいる恭子を呼んだ。房子は、手の感覚がない、痛い、と訴えた。房子はベッドの中で両手を丸め、顔は苦痛で歪んでいた。</p><p>　痛いとか、苦しい、と訴える房子はいつも、地獄の釜にでも入れられているようなすさまじい顔をする。顔のすべての皺を歪め、目をぎゅっとつぶり、入れ歯を外した唇を、あえぎ声とともにパクパクさせる。</p><p>　恭子がそばに行って、どうしたらいいか尋ねると、房子は分からない、と言った。</p><p>　恭子はその時、自分も足を痛めていた。たてつづけに骨折や捻挫をしていた上、房子の荷物の片づけ以来、坐骨神経の痛みに苦しんで、長くは立っていられない。ベッドの枕元に腰をかけて、房子の両手をぎゅっとつつんだり、さすったりしてみた。</p><p>　房子の細くて長い指は、骨の上に薄い皮が波のようによれてまとわりついているだけで、強くさすったら、ポキッと折れてしまいそうだった。五本の指は不揃いで、短くなっている指もあれば、第一関節から内側に曲がってしまっている指も何本かあった。</p><p>　気をつけて触らないと、痛がるし、折れそうだから、恭子は房子の枕元で注意深くさすり続けた。</p><p>　しばらくさすってから、恭子は手首の下の方からさすってみようと思って、右手を房子の体の反対側に回そうとした。</p><p>その時恭子は、房子が昔編んでくれた毛足の長い赤いモヘアのセーターを着ていた。</p><p>　恭子の右手が、房子の顔の上を動いた。顔から３０センチは離れていた。</p><p>　ところがその時、</p><p>「目に入る！」</p><p>と、鋭い声をあげて、房子の手が恭子の右手を強く払いのけたのだ。びっくりした。</p><p>　なんという力だろう、と思った。手の感覚がない、とか、痛いとか訴えていた、あの枯れた手の老人が。</p><p>　目に入りそうな気がするなら、目をつぶればいい。顔をそむけたっていい。何も、強い力で払いのけなくたって・・・。</p><p>　この、房子の強さを何度見てきたことだろう。弱って死にそうな房子を見るのも辛いけれど、房子のこの強さを見せつけられるたびに、恭子の気持ちは萎えてしまう。さっきまでの、なんとかしてあげたい、という気持ちが、どこかに行ってしまうのだ。</p><p><a href="https://stat.ameba.jp/user_images/20211225/01/saramorio/c4/fa/j/o0640042715051125337.jpg"><img alt="" height="280" src="https://stat.ameba.jp/user_images/20211225/01/saramorio/c4/fa/j/o0640042715051125337.jpg" width="420"></a></p><p>&nbsp;</p><p>&nbsp;</p><p>--------------------</p><p>登場人物紹介</p><p>&nbsp;</p><p>恭子：60代の主婦。兄嫁と折り合わず、家を飛び出してきた実母に苦しみ、「反感」と「情」の間で心が揺れ続ける。<br><br>卓雄：恭子の夫。定年間際のサラリーマン。<br><br>房子：恭子の実母。気が強いが、外では決して本性を出さず、優しく上品に振舞う。若い時に夫（恭子の父）を亡くし、塾を経営して蓄えたお金を偏愛する息子に貢ぎ続ける。<br><br>幸男：房子の長男。恭子の兄。若い頃から問題行動が多かったが、房子に溺愛され、生涯援助され続ける。仕事も長続きせず、結局房子の塾の講師におさまる。<br><br>悠一：房子の実弟。房子とかなり歳が離れている。<br><br>やすよ：幸男の嫁。人妻だったため、結婚には一波乱あった。房子は気に入らず、ずっと衝突し続ける。</p><p>&nbsp;</p><p>&nbsp;</p><p>↓↓小説のプロローグはコチラから↓↓</p><p>&nbsp;</p><div class="ogpCard_root"><article class="ogpCard_wrap" contenteditable="false" style="display:inline-block;max-width:100%"><a class="ogpCard_link" data-ogp-card-log="" href="https://ameblo.jp/saramorio/entry-12700681350.html" rel="noopener noreferrer" style="display:flex;justify-content:space-between;overflow:hidden;box-sizing:border-box;width:620px;max-width:100%;height:120px;border:1px solid #e2e2e2;border-radius:4px;background-color:#fff;text-decoration:none" target="_blank"><span class="ogpCard_content" style="display:flex;flex-direction:column;overflow:hidden;width:100%;padding:16px"><span class="ogpCard_title" style="-webkit-box-orient:vertical;display:-webkit-box;-webkit-line-clamp:2;max-height:48px;line-height:1.4;font-size:16px;color:#333;text-align:left;font-weight:bold;overflow:hidden">『母の亡霊にいつまでも』</span><span class="ogpCard_description" style="overflow:hidden;text-overflow:ellipsis;white-space:nowrap;line-height:1.6;margin-top:4px;color:#757575;text-align:left;font-size:12px">　小さな簡易机の上で、恭子はパソコンを開いたまま茶色い手帳をめくっていた。　一年ごとに簡単なスケジュールと毎日のメモが書き込めるその手帳は、去年亡くなった母親…</span><span class="ogpCard_url" style="display:flex;align-items:center;margin-top:auto"><span class="ogpCard_iconWrap" style="position:relative;width:20px;height:20px;flex-shrink:0"><img alt="リンク" class="ogpCard_icon" height="20" loading="lazy" src="https://c.stat100.ameba.jp/ameblo/symbols/v3.20.0/svg/gray/editor_link.svg" style="position:absolute;top:0;bottom:0;right:0;left:0;height:100%;max-height:100%" width="20"></span><span class="ogpCard_urlText" style="overflow:hidden;text-overflow:ellipsis;white-space:nowrap;color:#757575;font-size:12px;text-align:left">ameblo.jp</span></span></span><span class="ogpCard_imageWrap" style="position:relative;width:120px;height:120px;flex-shrink:0"><img alt="" class="ogpCard_image" data-ogp-card-image="" height="120" loading="lazy" src="https://stat.ameba.jp/user_images/20210930/19/saramorio/a3/49/j/o0640048015008921648.jpg" style="position:absolute;top:50%;left:50%;object-fit:cover;min-height:100%;min-width:100%;transform:translate(-50%,-50%)" width="120"></span></a></article></div><p>&nbsp;</p><p>&nbsp;</p><p>↓↓小説の１話目はコチラから↓↓</p><p>&nbsp;</p><div class="ogpCard_root"><article class="ogpCard_wrap" contenteditable="false" style="display:inline-block;max-width:100%"><a class="ogpCard_link" data-ogp-card-log="" href="https://ameblo.jp/saramorio/entry-12701358065.html" rel="noopener noreferrer" style="display:flex;justify-content:space-between;overflow:hidden;box-sizing:border-box;width:620px;max-width:100%;height:120px;border:1px solid #e2e2e2;border-radius:4px;background-color:#fff;text-decoration:none" target="_blank"><span class="ogpCard_content" style="display:flex;flex-direction:column;overflow:hidden;width:100%;padding:16px"><span class="ogpCard_title" style="-webkit-box-orient:vertical;display:-webkit-box;-webkit-line-clamp:2;max-height:48px;line-height:1.4;font-size:16px;color:#333;text-align:left;font-weight:bold;overflow:hidden">『始まりは』</span><span class="ogpCard_description" style="overflow:hidden;text-overflow:ellipsis;white-space:nowrap;line-height:1.6;margin-top:4px;color:#757575;text-align:left;font-size:12px">　それは十年以上前のある日。昼近くのことだった。恭子は何日も前から家中の掃除をして、二階の一室のベッドを整えて、電話を待っていた。もうすぐ到着するだろうイタリ…</span><span class="ogpCard_url" style="display:flex;align-items:center;margin-top:auto"><span class="ogpCard_iconWrap" style="position:relative;width:20px;height:20px;flex-shrink:0"><img alt="リンク" class="ogpCard_icon" height="20" loading="lazy" src="https://c.stat100.ameba.jp/ameblo/symbols/v3.20.0/svg/gray/editor_link.svg" style="position:absolute;top:0;bottom:0;right:0;left:0;height:100%;max-height:100%" width="20"></span><span class="ogpCard_urlText" style="overflow:hidden;text-overflow:ellipsis;white-space:nowrap;color:#757575;font-size:12px;text-align:left">ameblo.jp</span></span></span><span class="ogpCard_imageWrap" style="position:relative;width:120px;height:120px;flex-shrink:0"><img alt="" class="ogpCard_image" data-ogp-card-image="" height="120" loading="lazy" src="https://stat.ameba.jp/user_images/20211002/01/saramorio/78/38/j/o0640042715009552180.jpg" style="position:absolute;top:50%;left:50%;object-fit:cover;min-height:100%;min-width:100%;transform:translate(-50%,-50%)" width="120"></span></a></article></div><p>&nbsp;</p>
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<link>https://ameblo.jp/saramorio/entry-12717466720.html</link>
<pubDate>Sat, 25 Dec 2021 11:00:00 +0900</pubDate>
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<item>
<title>衰えた日々</title>
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<![CDATA[ <p>　ある日、薬局に房子の薬を取りに行く時に、房子から投函するように頼まれた絵手紙を見て、恭子はがっくりした。</p><p>　薬を待っている間に、何枚かの絵手紙の絵を見ていた。相変わらず、房子の絵はうまい。</p><p>ピンクのユリや、庭のさざんかの花が、墨と絵の具でのびのびと描かれている。</p><p>　けれど、その絵の横に書かれた短い文を読んで、ショックを受けた。時に判読し難い房子の癖のある字で、</p><p>「怪我をして、《施設から》やむなく娘の所にもどりました」</p><p>と書いてあるのだ。なんてことを言うのだろう、と思った。「やむなく」だなんて。Ｓ総合病院で家に帰る、と言った時、房子は「やむなく」だったというのだろうか。それが本心であり、あの時恭子に言った言葉は、計算づくだったのだろうか。なんというしたたかな人だろう、と思った。</p><p>　家に帰ってから訊いても、房子は勿論質問には答えない。顔をゆがめて、</p><p>「《恭子に絵手紙の投函を》頼まなければ良かった」</p><p>と言うだけだった。</p><p>&nbsp;</p><p>　房子のしたたかさは変わらなかった。演技するのも変わらない。</p><p>　デイサービスに行く時に、恭子が玄関でかがんで靴を履かせていても、いつもなら当たり前のように黙っている。けれど、バスの世話係の人が覗いているのを知ると、途端に態度が変わる。</p><p>「ありがとう」「ありがとう」と、房子は何度もやさしく礼を言った。</p><p>&nbsp;</p><p>　恭子のことをお手伝いさんのように扱うのも、変わらなかった。</p><p>　デイサービスに行く時に、忘れ物がある時に、玄関で、</p><p>「眼鏡が欲しい」</p><p>と言って、足の悪い恭子に階段を上らせるのも平気だった。</p><p>「悪いけど、取ってきてくれる？」などという言い方を、房子は最後までしなかった。</p><p>　房子の付き添いで出かけて、疲れ果てて帰ってきても、房子は帰るなり、</p><p>「今日は、冷たいのが飲みたい」とか、「あっついお茶が飲みたい」と恭子に言う。</p><p>　自分のことしか考えられないのも、ずっと変わらなかった。</p><p>&nbsp;</p><p>　再び家に帰ってきても、やっぱり房子は何も変わらなかった。「優しい老人」とはいかなくても、世間で見かける普通のおばあさん、普通の母親になることは決してなかった。</p><p>&nbsp;</p><p>　けれど、気の強さとは逆に、房子の体は目に見えて衰えてきていた。</p><p>　以前から便を出す力が無くなって、自分で下剤や浣腸を使って、失敗をすることが多かった。下着からズボンまで総取り換えしている間に、がまんができずに床まで汚すことも何度かあった。</p><p>　そうかと思えば、数日出なくて、「敵便」をしてもらうことも多くなった。「敵便」というのは、肛門から指を入れて、大便を摘出する行為だ。</p><p>　最初に敵便をしてもらったのは、デイサービスでだった。その後、家で看護師に何度もやってもらった。恭子も手伝った。緊急事態で、恭子がひとりでやらなければならないこともあった。</p><p>&nbsp;</p><p>　食べたものが飲み込みにくかったり、痰がとれなかったり、便が出にくいのは、筋肉が衰えていくからなのだろう。そういう房子を見ていると、かわいそうになる。</p><p>&nbsp;</p><p>　しかし、それにしても、房子は自分の体の不調を、あまりにオーバーに訴え過ぎた。</p><p>　少し転んだりぶつけたりすると、房子はすぐに骨折している、と訴える。歩けるなら折れていない、大丈夫だから、と言うと、不満そうに、ぶすっとして黙ってしまう。</p><p>　片足の甲を骨折してギブスをあて、松葉杖をついている恭子が、卓雄に助けてもらって、車椅子に乗った房子を病院に連れて行ったこともあった。後になって思い出しても、妙な光景だった。</p><p>　レントゲンの結果は、勿論何でもなかった。</p><p>&nbsp;</p><p>　目の痛みでも、房子は大騒ぎをした。房子は何の痛みにも、これ以上ないほどオーバーに痛がるのだ。</p><p>「目が痛い」「目がつぶれる」と言って、顔をしかめて死にそうな表情をする房子を、最初は卓雄の手を借りて、駅向こうの目医者に連れて行った。房子をどこかに連れて行くには、もう車椅子で行くしかなかった。歩くのは、ほんの少しの距離だ。</p><p>　その最初の目医者で、何も異常がないと言われたのに、房子はもっとちゃんと診てくれる所がいい、と言う。もう一件の目医者にも行き、近くの目医者には、恭子が車椅子で連れて行った。</p><p>　目医者に行くたびに、一、二時間待たされる。半日がつぶれた。あんまり繰り返すので放っておいたら、房子は、</p><p>「こんなに痛いのに！」</p><p>と、泣き真似までした。</p><p>　卓雄が、</p><p>「行かないと、おかあさんはいつまでも言うよ」</p><p>と言う。仕方なく、ケアマネの工藤さんに紹介してもらって、かなり遠くの少し大きな目医者に行った。そこで何も異常がないことが分かって、房子はようやく諦めたようだった。</p><p>　それにしても、大騒ぎをして、卓雄が仕事を休んで行ったというのに、房子は申し訳なさそうな顔ひとつしない。それどころか、房子は、</p><p>「何もなくて良かったわね」と言ってほしかった、と不満そうに言うのだ。卓雄とふたりで顔を見合わせてしまった。</p><p>&nbsp;</p><p>　房子はどうして、これほど医者にかかりたかったのだろうか。重い病気や怪我で、心配してほしかったのだろうか。自分に注目してほしかったのだろうか。</p><p>　ちょっとしたことで死にそうに大騒ぎするものだから、次に騒いでも、またか、と思ってしまうのに。</p><p>　恭子は、自分の体も同じくらい心配してくれればいいのに、と思ってしまう。</p><p>&nbsp;</p><p>　そうは言っても、房子の体力はどんどん落ちていっていた。階段を上るのも、限界を越していた。房子がトレーニングのためにがんばると言っても、かわいそうで見ていられなくなった。房子はすでに９６歳になっている。</p><p>　それまでにも、ずっと気にはし続けていた。けれど妙案がなかった。一階に、くつろげる部屋は、たった一間しかないのだ。そこに房子のベッドを置いたら、何もできなくなる。</p><p>　ずっと以前に、留学生のひとりが、外から上がる案を考えてくれたこともあった。階段に滑車をつける、という案もあった。けれど、どれも無理があった。</p><p>　そこで、とうとう意を決して、房子の寝室を一階に移すことを決めた。それと共に、居間を二階に移さなければならない。房子が楽になるのとひきかえに、卓雄はかなり不便になる。けれど、卓雄は快く了解した。</p><p>　そうして、部屋の大移動をした。</p><p>　二階の房子の部屋から、ベッドや机、タンスを持ってくると、居間にはもう、寝転がるスペースもない。大画面テレビは二階に設置し直し、一階には房子の小さなテレビを持ってきた。そうやって一階の居間は、すっかり房子の勉強部屋兼寝室に変ったのだ。二階の一部屋には、房子の衣類や本、アルバム、雑貨など、夥しい荷物がそのまま置いてある。一階の居間にそれ以上持っていくことは無理だった。</p><p>　それからは、夕飯が終わると、卓雄は二階に行ってくつろぐようになった。そうするしかなかった。</p><p>　一方、房子はずいぶん楽になっていた。食事が終わると、隣りの部屋にすっと移動できる。今まで通り、机で絵手紙を描いたり、テレビを観たりして、寝たい時にはベッドに横になった。おまけに、ほとんど寝るまで恭子が近くにいる。卓雄の不自由さとひきかえに、房子は快適さと安心を手に入れていた。</p><p>　恭子も一安心だった。これで、房子は亡くなるまで、恭子の家で安心して暮らせるのだ、と思った。</p><p>&nbsp;</p><p>　しかし、その後も房子の衰えはどんどん進んでいった。恭子の力では風呂にも入れられないので、氷のように冷たい房子の足を、湯を入れたバケツを持ってきて温めるようになった。</p><p>　湯の中で温まった房子の足をとって、タオルで拭く。それでも房子の口から、ありがとう、とは出てこなかった。</p><p><a href="https://stat.ameba.jp/user_images/20211224/10/saramorio/d2/82/j/o0640042715050743452.jpg"><img alt="" height="280" src="https://stat.ameba.jp/user_images/20211224/10/saramorio/d2/82/j/o0640042715050743452.jpg" width="420"></a></p><p>&nbsp;</p><p>&nbsp;</p><p>--------------------</p><p>登場人物紹介</p><p>&nbsp;</p><p>恭子：60代の主婦。兄嫁と折り合わず、家を飛び出してきた実母に苦しみ、「反感」と「情」の間で心が揺れ続ける。<br><br>卓雄：恭子の夫。定年間際のサラリーマン。<br><br>房子：恭子の実母。気が強いが、外では決して本性を出さず、優しく上品に振舞う。若い時に夫（恭子の父）を亡くし、塾を経営して蓄えたお金を偏愛する息子に貢ぎ続ける。<br><br>幸男：房子の長男。恭子の兄。若い頃から問題行動が多かったが、房子に溺愛され、生涯援助され続ける。仕事も長続きせず、結局房子の塾の講師におさまる。<br><br>悠一：房子の実弟。房子とかなり歳が離れている。<br><br>やすよ：幸男の嫁。人妻だったため、結婚には一波乱あった。房子は気に入らず、ずっと衝突し続ける。</p><p>&nbsp;</p><p>&nbsp;</p><p>↓↓小説のプロローグはコチラから↓↓</p><p>&nbsp;</p><div class="ogpCard_root"><article class="ogpCard_wrap" contenteditable="false" style="display:inline-block;max-width:100%"><a class="ogpCard_link" data-ogp-card-log="" href="https://ameblo.jp/saramorio/entry-12700681350.html" rel="noopener noreferrer" 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style="position:relative;width:20px;height:20px;flex-shrink:0"><img alt="リンク" class="ogpCard_icon" height="20" loading="lazy" src="https://c.stat100.ameba.jp/ameblo/symbols/v3.20.0/svg/gray/editor_link.svg" style="position:absolute;top:0;bottom:0;right:0;left:0;height:100%;max-height:100%" width="20"></span><span class="ogpCard_urlText" style="overflow:hidden;text-overflow:ellipsis;white-space:nowrap;color:#757575;font-size:12px;text-align:left">ameblo.jp</span></span></span><span class="ogpCard_imageWrap" style="position:relative;width:120px;height:120px;flex-shrink:0"><img alt="" class="ogpCard_image" data-ogp-card-image="" height="120" loading="lazy" src="https://stat.ameba.jp/user_images/20210930/19/saramorio/a3/49/j/o0640048015008921648.jpg" style="position:absolute;top:50%;left:50%;object-fit:cover;min-height:100%;min-width:100%;transform:translate(-50%,-50%)" width="120"></span></a></article></div><p>&nbsp;</p><p>&nbsp;</p><p>↓↓小説の１話目はコチラから↓↓</p><p>&nbsp;</p><div class="ogpCard_root"><article class="ogpCard_wrap" contenteditable="false" style="display:inline-block;max-width:100%"><a class="ogpCard_link" data-ogp-card-log="" href="https://ameblo.jp/saramorio/entry-12701358065.html" rel="noopener noreferrer" style="display:flex;justify-content:space-between;overflow:hidden;box-sizing:border-box;width:620px;max-width:100%;height:120px;border:1px solid #e2e2e2;border-radius:4px;background-color:#fff;text-decoration:none" target="_blank"><span class="ogpCard_content" style="display:flex;flex-direction:column;overflow:hidden;width:100%;padding:16px"><span class="ogpCard_title" style="-webkit-box-orient:vertical;display:-webkit-box;-webkit-line-clamp:2;max-height:48px;line-height:1.4;font-size:16px;color:#333;text-align:left;font-weight:bold;overflow:hidden">『始まりは』</span><span class="ogpCard_description" style="overflow:hidden;text-overflow:ellipsis;white-space:nowrap;line-height:1.6;margin-top:4px;color:#757575;text-align:left;font-size:12px">　それは十年以上前のある日。昼近くのことだった。恭子は何日も前から家中の掃除をして、二階の一室のベッドを整えて、電話を待っていた。もうすぐ到着するだろうイタリ…</span><span class="ogpCard_url" style="display:flex;align-items:center;margin-top:auto"><span class="ogpCard_iconWrap" style="position:relative;width:20px;height:20px;flex-shrink:0"><img alt="リンク" class="ogpCard_icon" height="20" loading="lazy" src="https://c.stat100.ameba.jp/ameblo/symbols/v3.20.0/svg/gray/editor_link.svg" style="position:absolute;top:0;bottom:0;right:0;left:0;height:100%;max-height:100%" width="20"></span><span class="ogpCard_urlText" style="overflow:hidden;text-overflow:ellipsis;white-space:nowrap;color:#757575;font-size:12px;text-align:left">ameblo.jp</span></span></span><span class="ogpCard_imageWrap" style="position:relative;width:120px;height:120px;flex-shrink:0"><img alt="" class="ogpCard_image" data-ogp-card-image="" height="120" loading="lazy" src="https://stat.ameba.jp/user_images/20211002/01/saramorio/78/38/j/o0640042715009552180.jpg" style="position:absolute;top:50%;left:50%;object-fit:cover;min-height:100%;min-width:100%;transform:translate(-50%,-50%)" width="120"></span></a></article></div><p>&nbsp;</p>
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</description>
<link>https://ameblo.jp/saramorio/entry-12717330779.html</link>
<pubDate>Fri, 24 Dec 2021 11:00:00 +0900</pubDate>
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<item>
<title>家に帰って</title>
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<![CDATA[ <p>　後から思い出しても、家に帰ってからの数日が、初めて房子と心が通い合う、穏やかで、幸せな日々だったと思う。</p><p>　房子は素直で、よく話をした。恭子も、今度こそ房子と心がつながる、と思えた。</p><p>&nbsp;</p><p>　ところが、元気だった房子の様子が、だんだん変わっていった。はあはあと息遣いが苦しそうになってきたし、表情もまた、以前のように暗い。施設に入る前に通っていた内科を受診すると、肺に水がたまっているようだと言う。</p><p>　それからまた入院ということになった。今度はＳ総合病院より少し恭子の家に近いＣ総合病院だった。</p><p>　Ｃ病院ではしばらく、ベッドの空きがなかったので、救急病連に入れられていた。その後普通病連に移されたが、Ｓ病院と違って、六人がぎゅうぎゅうに詰め込まれた感じで、カーテンで囲むと歩くスペースもなかった。</p><p>そこには二週間ほど入院して、溜まった水分を抜くために、利尿剤が点滴でいれられた。けれど、そうしているうちに、房子はどんどんやせ、どんどん元気がなくなっていった。</p><p>　表情も、Ｓ病院にいた時のように明るくない。以前のように、恭子に嫌な言い方もするようになった。</p><p>病院に行って、</p><p>「何か要る物はない？」</p><p>と訊く恭子に、</p><p>「例えば？」</p><p>と、意地の悪い顔をして訊き返すのだ。すっかり元通りの房子になっていた。</p><p>　</p><p>房子がＣ総合病院を退院してから、恭子は忙しくなった。新しいケアマネの工藤さんがプランを立ててくれて、デイサービスに通うようになり、訪問介護の人が来て、入浴させてくれ、訪問マッサージも来るようになった。</p><p>　病院に通うのも大変なので、それまで行っていた内科から、工藤さんの紹介で、訪問医師に替えてもらうことになった。</p><p>すると、その訪問医師も房子の体調が安定しないので、不定期に頻繁に通ってくれる。そのたびに、薬局に処方された薬をもらいに行くと、混んでいるので、たいてい一時間は待つのだった。</p><p>&nbsp;</p><p>　ケアマネの工藤さんとプランを作成する日や、介護の人達の集まりも頻繁にあった。</p><p>　デイサービスの日には、風呂に入れてくれるので、持って行く着替えやタオル、薬の準備、連絡ノート、などの準備に、抜かりはないかと緊張する。送迎のバスの時間に遅れないようにと、これも緊張した。　</p><p>&nbsp;</p><p>　そのうえ、肺に水がたまってしまう房子の食事や水分の管理が大変だった。食事の塩分を考えたり、水分を調節する。飲んだ水分の量を、いちいちメモしていった。</p><p>　けれど、この水分や塩分の調節は、しばらくすると、水分を抜きすぎて元気がなくなることも考えて、工藤さんが、普通の食事にもどすことを提案してくれた。房子の食事の量は、ずいぶん少なくなってきていたので、少しでも食べられることを優先したのだ。</p><p>&nbsp;</p><p>　この頃、恭子はいろいろなことがいっぺんに重なった。</p><p>　北海道の施設に入っていた卓雄の母親が亡くなって、ふたりで北海道を訪れた。</p><p>　それまで遠くの社宅に住んでいた亜美が、恭子の家から車で二十分くらいの所にある大きな中古の家を、迷った末に買うことに決めた。その手伝いもした。</p><p>恭子自身も、体の不調や怪我が途切れることなく続いていた。房子の施設を引き上げる荷物の片づけと掃除で無理をして以来、ひどい坐骨神経痛が治らず、ちょっと立っていると、呻くように痛くなる状態が続いていた。</p><p>　おまけに、雨の日に自転車で房子の薬をもらいに薬局に行って、転倒して、右足のじん帯を切り、ひざの骨にヒビが入る怪我をした。</p><p>　それが治ってしばらくして、今度は右足の甲の骨を折り、しばらくギブスをして松葉杖をついた。</p><p>　房子に比べれば勿論若い。けれど、恭子は無理をして、あちこち体が痛んでいたのだ。そんな恭子を目にしても、房子は冷たかった。</p><p>ささいなことでも自分の体の心配をするというのに、房子は、恭子の体や足を気遣うことはなかった。</p><p>&nbsp;</p><p>　房子は再び家に帰ってからも、他人には相変わらずのパフォーマンスをした。高齢であり、体も以前に比べて弱っているのに、気持ちだけは変わらない。他人に良く思われるこが、房子のすべてだった。</p><p>デイサービスから帰ってくると、房子はバスから降りる時に、中に残っている人達のところにわざわざ行って、元気よくお別れのハイタッチをしてくる。降りた後は、迎えた恭子に荷物を持ってもらい、手をつないでもらいながら、笑顔でバスを見送る。九十五歳の枯れたおばあさんとは、とても思えない元気なしぐさだった。</p><p>そうして、元気でかっこいいおばあさんをひとしきり演じた後、家に入ると、恭子に靴を脱がせてもらって、玄関を上がり、ソファーにへなへなと崩れこむのだ。ありったけのエネルギーを使い切った壊れる寸前の機械のようだった。そしてそのまま何時間も眠り込んだりした。</p><p>&nbsp;</p><p>房子の演技は、訪問してくれる医師にも向けられた。中年の医師は、呼吸器が専門だったので、心臓が弱っている房子にはちょうど良かった。</p><p>　医師はいつも男性か女性の看護師を連れて現れ、ざっくばらんで親しげな話し方をした。</p><p>　医師がくると、房子は、</p><p>「先生がいらっしゃるのを、待ちわびていましたぁ」</p><p>と、甘えた声と笑顔で迎えた。そして、つぎつぎ新しく不調な症状を訴えて、薬を追加してもらった。</p><p>　話の途中で、なにかの拍子に、房子は肩をすくめたり、まるで少女のようなジェスチャーをする。おまけに帰る時には医師の手を両手で握りしめて、ほおずりした。房子の最高級の親愛の情を表しているのだ。恭子は房子の、このオーバーなジェスチャーが、こびているようで、嫌でたまらなかった。</p><p>　これは、房子が先天的に持っている才能なのだろうか。何も考えずに、自然にこんな演技ができてしまうのだろうか。普段家の中で、暗く、無口な房子が、まったく別人格になるのを見て、恭子は恥ずかしくたまらない。いたたまれない気持ちになった。</p><p>　けれど、医師にしたら、まんざらでもないのだろうか。穏やかな笑顔で帰っていく。これが普段の房子だと思っているのだろう。</p><p>　医師は、穏やかないい人だった。房子がかぜをひいて、痰がからまって苦しい時には、</p><p>「辛いねぇ、楽にしてあげるからね」</p><p>と房子に言葉をかけた。</p><p>　恭子はその頃、坐骨神経の痛みを抱え、膝の怪我もしていて、床に座ることができない状態だった。医師にこんなに心から優しい言葉をかけてもらう房子が、つくづくうらやましかった。</p><p>&nbsp;</p><p>　訪問の医師が来始めて少ししてから、房子は一時、危ない状態になったことがあった。食べられないし、水分を抜いているから、骨しかないほどにやせている。そこへ痰がつまって苦しそうだった。意識も無くなりそうで、医師達がきていても、口を開けて眠っていく。</p><p>もう、死んでしまうのではないかと思った。</p><p>このまま房子が死んでしまったら、この数か月間の恭子の体を酷使し続けた日々は、浮かばれないではないか。悲しすぎる、悔しすぎる、と思った。</p><p>　自分ひとりで死なせてしまったら、と責任を感じて、幸男にも電話した。久しぶりだった。もう、長くないかもしれないから、会いにきてあげて、と言った。電話のむこうの幸男は、素直な声だった。</p><p>　けれど、房子がそうして横たわっている間、幸男が来ることはなかった。</p><p>　</p><p>　それでも房子はまた徐々に回復していった。</p><p>少しずつ食べられるようにもなった。歳を取って、やせてはいても、強靭な体だった。</p><p>&nbsp;</p><p>そんな房子が突然言い出したことがあった。悠一が住んでいる家を売る、と言うのだ。</p><p>　悠一の妻は認知症がひどくなり、寝たきりになって、意識がないまま長く病院に入っていたが、その後亡くなった。</p><p>　その家は、房子が買った物だ。恭子達は、悠一に与えるものだとばかり思っていた。</p><p>自宅にローンを払ってきた幸男や恭子と違って、悠一は、これまで住居のためのお金が要らなかった。恭子の家より都心には少し近いけれど、もう、ずいぶん古い家だ。房子はいつかはその家の整理をしておきたかったのかもしれない。</p><p>房子はその家を売って、悠一と幸男、恭子の三人に分ける、と言う。どうして急にそんなことを言い出したのか分からなかった。</p><p>　自分が長くないことを思って、だろうか。</p><p>幸男がかわいいからだろうか。あるいは、骨折してＳ総合病院に入院している時に、毎日自転車で通った恭子に、気持ちがほだされたからだろうか。</p><p>　恭子もびっくりしたし、卓雄は悠一がかわいそうだと恭子に言った。</p><p>　けれど、当の悠一は、もう話にならない人だった。房子に言われるままに、恭子はあちこちの役所に出向き、書類を集めた。不動産屋にも相談した。</p><p>　悠一が住んでいるその家は、古いうえに、書類の管理が杜撰な房子は、大事な書類がなにもない。あちこちたどっていくそれらの作業は大変なことで、延々と時間がかかった。</p><p>&nbsp;</p><p>　しかし、あんなにお金に執着し、他人に贈り物をし、お金の力で自分の人気を維持しようと努めてきた房子だったが、もう、自分の限界を知ったのか、以後お金のことには恭子に任せて、一切関知しなかった。</p><p>&nbsp;</p><p>　悠一の家を売る話の相談で、幸男はあれから初めて恭子の家にやってきた。房子が瀕死の状態で連絡しても、とうとう来なかったのに、遺産の話になって、初めて顔を出したのだ。</p><p>　房子はこの時初めて、幸男に、恭子に世話になっている、礼を言ってちょうだい、と言った。けれど幸男は相変わらず、恭子に礼など言える人間ではない。房子にそんなことを言われたことが腹立たしいらしく、憮然とした表情のまま、何も言わなかった。</p><p>&nbsp;</p><p>　そうやって、房子の少ない親族は、ばらばらに崩壊していった。</p><p>　悠一はもとより幸男を嫌っていたが、家のことで、房子を恨み、幸男や恭子を恨んだのだろう。</p><p>　そうして、介護も何もしないで房子に庇護され続けた幸男は、労せずに房子の遺産を手に入れることになったのだ。</p><p><a href="https://stat.ameba.jp/user_images/20211223/08/saramorio/cb/1d/j/o0640042715050247810.jpg"><img alt="" height="280" src="https://stat.ameba.jp/user_images/20211223/08/saramorio/cb/1d/j/o0640042715050247810.jpg" width="420"></a></p><p>&nbsp;</p><p>&nbsp;</p><p>--------------------</p><p>登場人物紹介</p><p>&nbsp;</p><p>恭子：60代の主婦。兄嫁と折り合わず、家を飛び出してきた実母に苦しみ、「反感」と「情」の間で心が揺れ続ける。<br><br>卓雄：恭子の夫。定年間際のサラリーマン。<br><br>房子：恭子の実母。気が強いが、外では決して本性を出さず、優しく上品に振舞う。若い時に夫（恭子の父）を亡くし、塾を経営して蓄えたお金を偏愛する息子に貢ぎ続ける。<br><br>幸男：房子の長男。恭子の兄。若い頃から問題行動が多かったが、房子に溺愛され、生涯援助され続ける。仕事も長続きせず、結局房子の塾の講師におさまる。<br><br>悠一：房子の実弟。房子とかなり歳が離れている。<br><br>やすよ：幸男の嫁。人妻だったため、結婚には一波乱あった。房子は気に入らず、ずっと衝突し続ける。</p><p>&nbsp;</p><p>&nbsp;</p><p>↓↓小説のプロローグはコチラから↓↓</p><p>&nbsp;</p><div class="ogpCard_root"><article class="ogpCard_wrap" contenteditable="false" style="display:inline-block;max-width:100%"><a class="ogpCard_link" data-ogp-card-log="" href="https://ameblo.jp/saramorio/entry-12700681350.html" rel="noopener noreferrer" style="display:flex;justify-content:space-between;overflow:hidden;box-sizing:border-box;width:620px;max-width:100%;height:120px;border:1px solid #e2e2e2;border-radius:4px;background-color:#fff;text-decoration:none" target="_blank"><span class="ogpCard_content" style="display:flex;flex-direction:column;overflow:hidden;width:100%;padding:16px"><span class="ogpCard_title" style="-webkit-box-orient:vertical;display:-webkit-box;-webkit-line-clamp:2;max-height:48px;line-height:1.4;font-size:16px;color:#333;text-align:left;font-weight:bold;overflow:hidden">『母の亡霊にいつまでも』</span><span class="ogpCard_description" style="overflow:hidden;text-overflow:ellipsis;white-space:nowrap;line-height:1.6;margin-top:4px;color:#757575;text-align:left;font-size:12px">　小さな簡易机の上で、恭子はパソコンを開いたまま茶色い手帳をめくっていた。　一年ごとに簡単なスケジュールと毎日のメモが書き込めるその手帳は、去年亡くなった母親…</span><span class="ogpCard_url" style="display:flex;align-items:center;margin-top:auto"><span class="ogpCard_iconWrap" style="position:relative;width:20px;height:20px;flex-shrink:0"><img alt="リンク" class="ogpCard_icon" height="20" loading="lazy" src="https://c.stat100.ameba.jp/ameblo/symbols/v3.20.0/svg/gray/editor_link.svg" style="position:absolute;top:0;bottom:0;right:0;left:0;height:100%;max-height:100%" width="20"></span><span class="ogpCard_urlText" style="overflow:hidden;text-overflow:ellipsis;white-space:nowrap;color:#757575;font-size:12px;text-align:left">ameblo.jp</span></span></span><span class="ogpCard_imageWrap" style="position:relative;width:120px;height:120px;flex-shrink:0"><img alt="" class="ogpCard_image" data-ogp-card-image="" height="120" loading="lazy" src="https://stat.ameba.jp/user_images/20210930/19/saramorio/a3/49/j/o0640048015008921648.jpg" style="position:absolute;top:50%;left:50%;object-fit:cover;min-height:100%;min-width:100%;transform:translate(-50%,-50%)" width="120"></span></a></article></div><p>&nbsp;</p><p>&nbsp;</p><p>↓↓小説の１話目はコチラから↓↓</p><p>&nbsp;</p><div class="ogpCard_root"><article class="ogpCard_wrap" contenteditable="false" style="display:inline-block;max-width:100%"><a class="ogpCard_link" data-ogp-card-log="" href="https://ameblo.jp/saramorio/entry-12701358065.html" rel="noopener noreferrer" style="display:flex;justify-content:space-between;overflow:hidden;box-sizing:border-box;width:620px;max-width:100%;height:120px;border:1px solid #e2e2e2;border-radius:4px;background-color:#fff;text-decoration:none" target="_blank"><span class="ogpCard_content" style="display:flex;flex-direction:column;overflow:hidden;width:100%;padding:16px"><span class="ogpCard_title" style="-webkit-box-orient:vertical;display:-webkit-box;-webkit-line-clamp:2;max-height:48px;line-height:1.4;font-size:16px;color:#333;text-align:left;font-weight:bold;overflow:hidden">『始まりは』</span><span class="ogpCard_description" style="overflow:hidden;text-overflow:ellipsis;white-space:nowrap;line-height:1.6;margin-top:4px;color:#757575;text-align:left;font-size:12px">　それは十年以上前のある日。昼近くのことだった。恭子は何日も前から家中の掃除をして、二階の一室のベッドを整えて、電話を待っていた。もうすぐ到着するだろうイタリ…</span><span class="ogpCard_url" style="display:flex;align-items:center;margin-top:auto"><span class="ogpCard_iconWrap" style="position:relative;width:20px;height:20px;flex-shrink:0"><img alt="リンク" class="ogpCard_icon" height="20" loading="lazy" src="https://c.stat100.ameba.jp/ameblo/symbols/v3.20.0/svg/gray/editor_link.svg" style="position:absolute;top:0;bottom:0;right:0;left:0;height:100%;max-height:100%" width="20"></span><span class="ogpCard_urlText" style="overflow:hidden;text-overflow:ellipsis;white-space:nowrap;color:#757575;font-size:12px;text-align:left">ameblo.jp</span></span></span><span class="ogpCard_imageWrap" style="position:relative;width:120px;height:120px;flex-shrink:0"><img alt="" class="ogpCard_image" data-ogp-card-image="" height="120" loading="lazy" src="https://stat.ameba.jp/user_images/20211002/01/saramorio/78/38/j/o0640042715009552180.jpg" style="position:absolute;top:50%;left:50%;object-fit:cover;min-height:100%;min-width:100%;transform:translate(-50%,-50%)" width="120"></span></a></article></div><p>&nbsp;</p>
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</description>
<link>https://ameblo.jp/saramorio/entry-12717135604.html</link>
<pubDate>Thu, 23 Dec 2021 11:00:00 +0900</pubDate>
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<title>房子の入院・そして、また家に（２）</title>
<description>
<![CDATA[ <p>家に帰って伝えると、案の定、みんな大反対だった。特に、房子のひどい行為や冷たさを実際に見てきた亜美は、強く反対した。</p><p>「帰る理由を、関係ない私の家のローンのお金にかこつけるなんて、ずる過ぎる」と怒った。</p><p>「おかあさんは、また、おばあちゃまの打算やお芝居にうまくだまされてるんだよ」</p><p>と言った。</p><p>久美も、</p><p>「おかあさんがどれだけがんばっても、おばあちゃまはまた、感謝もしないよ。おかあさんの自己満足だよ」</p><p>と言った。</p><p>　卓雄は反対もしなかった。恭子の気持ちに任せているようだった。房子が帰ってくれば、また卓雄に一番迷惑がかかる。それなのに、止めた方がいい、とは言わなかった。</p><p>&nbsp;</p><p>　久美の言うことも、亜美の言うことも、当たっている、と思った。その通りだった。</p><p>　房子があの人柄である限り、きっと以前と変わらず、もめごとは起こるだろう。それに、これからは、間違いなく「介護の日々」になる。大変だろう。</p><p>　どちらをとっても、きっと後悔する、と思えた。けれど、房子を施設に入れたままの後悔の方がはるかに大きい、と恭子は確信した。</p><p>　とにかく、施設に入居させた経緯が、自分で納得できていなかったのだ。</p><p>&nbsp;</p><p>　後になって知ったことだったが、房子は、幸男には、家に帰る理由を、「施設ではリハビリができないから」と言ったという。誰に対しても、なんとかもっともらしい理由をつけるのが、いかにも房子らしかった。</p><p>&nbsp;</p><p>　房子を受け入れることに決めて、それから退院までの日々、恭子は房子に、少し強気になって、いろいろ約束させた。</p><p>　まず、携帯電話を止めさせた。これまで、房子は恭子の知らない所で、事実と違う話をあちこちにしている。それがトラブルの原因</p><p>のひとつだった。恭子達の前で、ちゃんと本当の話をしてほしかった。</p><p>　他の人との話は、家の電話でもできる。よほど内緒の話がしたかったら、恭子のスマホを使って、自室でかければいい、と思った。</p><p>　ただ、房子との連絡用に、家族とだけ電話ができる携帯電話を契約しようと思った。</p><p>&nbsp;</p><p>　お金は、施設の時と同様に、恭子が管理する。勿論房子に許可をとるし、通帳も見せる。</p><p>　房子が施設に行く前のように、あちこち湯水のように贈り物をするのを防ぎたかった。</p><p>&nbsp;</p><p>　また、何でも隠さないで、親しく話してほしい。嘘をついたり、黙り込むのもやめてほしい、と強く言った。それが、むしろ一番の願いだった。</p><p>&nbsp;</p><p>　何を言われても、房子は家に帰りたい一心で、素直にうなずいた。確かに、その時は、恭子にすべてを託す気持ちになっていたのだろう。そして、足の怪我をして、よっぽど体に自信がなくなっていたのだろう。</p><p>　ただ、後に、携帯電話を取り上げられたことは、相当不自由なようだった。</p><p>&nbsp;</p><p>それから、恭子は激しく忙しい日が続いた。</p><p>まず、施設の部屋の片づけ、引っ越しが大変だった。引っ越し業者は頼んだけれど、遠い施設に何日も通うわけにはいかなかったので、一日で終わらせようとして、長い時間片づけ続けて、その結果、無理がたたって、その日から辛い坐骨神経痛に悩まされることになったのだ。</p><p>　帰ってくる家の準備も大変だった。新しいケアマネージャーが来てくれて、介護用品の手配もした。危険な所や不便なところにポールを立て、バーをつけた。トイレには、手すりもとりつけた。そうやって、すっかり介護のための家に用意されていった。</p><p>&nbsp;</p><p>　そうして準備が整ったところに、房子は帰ってきたのだ。</p><p>　「帰りたい」ではなく「帰る」ではあったけれど、房子は自分で意思表示をした。</p><p>　恭子は、今度こそ、房子と心がつながるのではないかと、期待していた。</p><p><a href="https://stat.ameba.jp/user_images/20211221/09/saramorio/b6/b5/j/o0640042715049352857.jpg"><img alt="" height="280" src="https://stat.ameba.jp/user_images/20211221/09/saramorio/b6/b5/j/o0640042715049352857.jpg" width="420"></a></p><p>&nbsp;</p><p>&nbsp;</p><p>--------------------</p><p>登場人物紹介</p><p>&nbsp;</p><p>恭子：60代の主婦。兄嫁と折り合わず、家を飛び出してきた実母に苦しみ、「反感」と「情」の間で心が揺れ続ける。<br><br>卓雄：恭子の夫。定年間際のサラリーマン。<br><br>房子：恭子の実母。気が強いが、外では決して本性を出さず、優しく上品に振舞う。若い時に夫（恭子の父）を亡くし、塾を経営して蓄えたお金を偏愛する息子に貢ぎ続ける。<br><br>幸男：房子の長男。恭子の兄。若い頃から問題行動が多かったが、房子に溺愛され、生涯援助され続ける。仕事も長続きせず、結局房子の塾の講師におさまる。<br><br>悠一：房子の実弟。房子とかなり歳が離れている。<br><br>やすよ：幸男の嫁。人妻だったため、結婚には一波乱あった。房子は気に入らず、ずっと衝突し続ける。</p><p>&nbsp;</p><p>&nbsp;</p><p>↓↓小説のプロローグはコチラから↓↓</p><p>&nbsp;</p><div class="ogpCard_root"><article class="ogpCard_wrap" contenteditable="false" style="display:inline-block;max-width:100%"><a class="ogpCard_link" data-ogp-card-log="" href="https://ameblo.jp/saramorio/entry-12700681350.html" rel="noopener noreferrer" style="display:flex;justify-content:space-between;overflow:hidden;box-sizing:border-box;width:620px;max-width:100%;height:120px;border:1px solid #e2e2e2;border-radius:4px;background-color:#fff;text-decoration:none" target="_blank"><span class="ogpCard_content" style="display:flex;flex-direction:column;overflow:hidden;width:100%;padding:16px"><span class="ogpCard_title" style="-webkit-box-orient:vertical;display:-webkit-box;-webkit-line-clamp:2;max-height:48px;line-height:1.4;font-size:16px;color:#333;text-align:left;font-weight:bold;overflow:hidden">『母の亡霊にいつまでも』</span><span class="ogpCard_description" style="overflow:hidden;text-overflow:ellipsis;white-space:nowrap;line-height:1.6;margin-top:4px;color:#757575;text-align:left;font-size:12px">　小さな簡易机の上で、恭子はパソコンを開いたまま茶色い手帳をめくっていた。　一年ごとに簡単なスケジュールと毎日のメモが書き込めるその手帳は、去年亡くなった母親…</span><span class="ogpCard_url" style="display:flex;align-items:center;margin-top:auto"><span class="ogpCard_iconWrap" style="position:relative;width:20px;height:20px;flex-shrink:0"><img alt="リンク" class="ogpCard_icon" height="20" loading="lazy" src="https://c.stat100.ameba.jp/ameblo/symbols/v3.20.0/svg/gray/editor_link.svg" style="position:absolute;top:0;bottom:0;right:0;left:0;height:100%;max-height:100%" width="20"></span><span class="ogpCard_urlText" style="overflow:hidden;text-overflow:ellipsis;white-space:nowrap;color:#757575;font-size:12px;text-align:left">ameblo.jp</span></span></span><span class="ogpCard_imageWrap" style="position:relative;width:120px;height:120px;flex-shrink:0"><img alt="" class="ogpCard_image" data-ogp-card-image="" height="120" loading="lazy" src="https://stat.ameba.jp/user_images/20210930/19/saramorio/a3/49/j/o0640048015008921648.jpg" style="position:absolute;top:50%;left:50%;object-fit:cover;min-height:100%;min-width:100%;transform:translate(-50%,-50%)" width="120"></span></a></article></div><p>&nbsp;</p><p>&nbsp;</p><p>↓↓小説の１話目はコチラから↓↓</p><p>&nbsp;</p><div class="ogpCard_root"><article class="ogpCard_wrap" contenteditable="false" style="display:inline-block;max-width:100%"><a class="ogpCard_link" data-ogp-card-log="" href="https://ameblo.jp/saramorio/entry-12701358065.html" rel="noopener noreferrer" style="display:flex;justify-content:space-between;overflow:hidden;box-sizing:border-box;width:620px;max-width:100%;height:120px;border:1px solid #e2e2e2;border-radius:4px;background-color:#fff;text-decoration:none" target="_blank"><span class="ogpCard_content" style="display:flex;flex-direction:column;overflow:hidden;width:100%;padding:16px"><span class="ogpCard_title" style="-webkit-box-orient:vertical;display:-webkit-box;-webkit-line-clamp:2;max-height:48px;line-height:1.4;font-size:16px;color:#333;text-align:left;font-weight:bold;overflow:hidden">『始まりは』</span><span class="ogpCard_description" style="overflow:hidden;text-overflow:ellipsis;white-space:nowrap;line-height:1.6;margin-top:4px;color:#757575;text-align:left;font-size:12px">　それは十年以上前のある日。昼近くのことだった。恭子は何日も前から家中の掃除をして、二階の一室のベッドを整えて、電話を待っていた。もうすぐ到着するだろうイタリ…</span><span class="ogpCard_url" style="display:flex;align-items:center;margin-top:auto"><span class="ogpCard_iconWrap" style="position:relative;width:20px;height:20px;flex-shrink:0"><img alt="リンク" class="ogpCard_icon" height="20" loading="lazy" src="https://c.stat100.ameba.jp/ameblo/symbols/v3.20.0/svg/gray/editor_link.svg" style="position:absolute;top:0;bottom:0;right:0;left:0;height:100%;max-height:100%" width="20"></span><span class="ogpCard_urlText" style="overflow:hidden;text-overflow:ellipsis;white-space:nowrap;color:#757575;font-size:12px;text-align:left">ameblo.jp</span></span></span><span class="ogpCard_imageWrap" style="position:relative;width:120px;height:120px;flex-shrink:0"><img alt="" class="ogpCard_image" data-ogp-card-image="" height="120" 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<link>https://ameblo.jp/saramorio/entry-12716793114.html</link>
<pubDate>Wed, 22 Dec 2021 11:00:00 +0900</pubDate>
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<title>房子の入院・そして、また家に（１）</title>
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<![CDATA[ <p>　ある日、施設から電話がかかってきた。四月の終わりごろのことだった。</p><p>　房子が部屋で転倒して大腿部を骨折したという。施設の近くの病院に、施設のスタッフが付き添って行ってくれていた。</p><p>　その病院に、恭子が通うには遠いので、なるべく近くの病院を探して、替えてくれるようにお願いした。かくして、房子は介護タクシーで、ストレッチャーに乗せられて最寄りの総合病院に運ばれてきたのだ。</p><p>&nbsp;</p><p>　幸男にも連絡した。卓雄と恭子が付き添っている病院に、幸男も後からかけつけた。</p><p>　以前、塾で転倒して、反対側の足の骨折をした時には、房子が血液をさらさらにする薬を飲んでいたために、手術前にその効き目を無くす一週間が必要だった。けれど、今回運ばれた病院で、担当した若めの担当医は、手術まで長引くリスクの方が高いと判断して、その日の夜のうちに手術がおこなわれることになった。</p><p>　久しぶりに会った幸男とは、必要最小限の事務的な話だけをした。幸男も、恭子に任せるしかないからだろう。おとなしかった。</p><p>&nbsp;</p><p>　それから、リハビリも含めて、約一ヵ月、恭子は毎日病院に通った。</p><p>　病院へは、バスを乗り継いで行くのが楽な行き方だった。けれど、そうすると、バスを待つたびに時間がかかる。荷物を持つのも重い。そこで、がんばって自転車で通った。病院まで、どんなに一生懸命ペダルをこいでも片道四十分かかった。</p><p>　五月になると日差しは強い。アスファルトから熱と光が反射する。額に汗が流れ、前髪がへばりついた。</p><p>病院に行く途中までの道は坂が多かったし、右折して大きな車道になってからは、車が続く危ない道だった。それでも、恭子は必死に毎日自転車を飛ばした。</p><p>　ひどい母親だった。自分を苦しめた人だった。けれど、寝たきりにはしたくなかった。ぼけてしまって、恭子が誰かも分からなくなってほしくなかった。そんな最後にはしたくなかった。</p><p>&nbsp;</p><p>　Ｓ総合病院は、割合新しい、きれいな病院だった。</p><p>　房子は、手術直後は看護師の目が行き届く広い大部屋にいたけれど、その後は四人部屋に移された。陽の当たる明るい部屋だった。</p><p>　以前と同じように、そこでも房子は最年長のようだった。担当の医師はそれぞれ違うけれど、その部屋は、骨折している人ばかりだった。</p><p>&nbsp;</p><p>　恭子が部屋に入っていくと、房子は少しやさしい顔をして、「疲れたでしょう」と言った。その言葉に、恭子はとまどった。以前の入院の時とはなんだか様子が違っている。</p><p>恭子が毎日、四十分もかけて自転車で通うことを、房子は知っていた。けれど、それにしても、こんな言葉を、房子から聞くのは初めてだった。</p><p>房子の隣のベッドには、房子よりだいぶ若そうな人がいた。自宅の部屋のカーペットでつまづいて転んで骨折したという。</p><p>「だんだん足が上がらなくなるのよねぇ」と恭子に笑いながら言った。明るい人だった。</p><p>　ある日恭子が部屋に入って行こうとした時、房子がその隣のベッドの女性に恭子のことを誉めて話しているのが耳に入った。遠い所を自転車で来てくれる、と房子が言っている。恭子は耳を疑った。いったいどうしたんだろう、と思った。</p><p>房子が他人に、恭子のことを誉めることなど、今まで一度もなかった。自分の自慢話を精いっぱいするだけだったのに。</p><p>&nbsp;</p><p>　房子は前回の骨折の時と同様に、歩けるようになるまで、自分でもがんばった。自分の体に関して、驚くほど前向きな人だった。</p><p>　恭子は看護師の許可を得て、房子を車椅子に乗せて、廊下の奥の少し広いスペースに行って、歩行練習を手伝った。そこには壁沿いに金属の長いバーがついていて、トレーニングにはうってつけだった。</p><p>エレベーターで屋上にも行った。屋上には、ほとんど人気がない。低い木の植え込みが作られていて、金網の近くに、植え込みに囲まれたジグザグのスペースがあった。そのジグザクのスペースで、房子の手をとって、歩く練習をした。</p><p>屋上から、金網越しに道路を挟んだ家々のベランダに干した洗濯物が見える。吊るされたティーシャツやタオルを見ていると、金網のこちらにいる自分達が、非現実的な世界にいるような気がした。</p><p>&nbsp;</p><p>　そうやって、房子は徐々に回復した。施設に帰っても、リハビリはできないので、病院でその期間分特別に延長してくれて、毎日リハビリのトレーニングをやってくれていた。</p><p>　そんなある日のことだった。房子が退院後の話をした。</p><p>恭子が当然施設に帰ってからの話だと思って聞いていると、どうも様子が違う。房子は家に帰る話をしているのだ。びっくりした。どうして急にそんなことになったのだろう、と思った。</p><p>　房子は、「家に帰りたい」とも、「帰っていいかしら」とも言わなかった。ただ、「帰るから」とだけ言うのだ。</p><p>　あっけにとられながら理由を訊くと、恭子が遠い所を通ってくれて、心を動かされた、とか、怪我をして、施設で暮らす自信がないとか、果ては、施設にいると年金が消えていくだけなので、そのお金を、亜美が最近購入することになった家のローンに充ててあげたい、などと言った。</p><p>&nbsp;</p><p>　考えてもいなかった突然の話なので、恭子は意表を突かれ、とまどっていた。最初は現実味がなかった。房子が家に帰ってくるなんて、夢にも思っていなかった。</p><p>　けれど、房子が本当に家に帰ろうと思っていることを知ると、じわじわとうれしさがこみあげた。</p><p>　房子の口からは、「恭子と一緒に暮らしたい」などという言葉は決して出ない。それに、心にもない亜美のことなど持ち出して、言い訳にしようとするところが可愛げがなかった。</p><p>　それでも、恭子はびっくりしたし、うれしかった。</p><p>&nbsp;</p><p>　その日、病院を出て、夕暮れの街道を自転車で走りながら、恭子は興奮していた。</p><p>（母が帰ってくる！　母が帰ってくる！）</p><p>胸の中で繰り返した。</p><p>　施設に行くことになったあの時、成り行きでどんどん事が進んでしまったけれど、決して望んだ結果ではなかった。やりかけていた仕事を途中で放り投げたような、挫折感でいっぱいの気持ちだった。無念だった。</p><p>　もう、帰ってくることなんてないと諦めていた。まさか、こんな展開になるなんて。</p><p>&nbsp;</p><p>　卓雄や亜美たちは、何て言うだろう。恭子の苦しい日々を知っている彼らは、きっと猛反対するだろう。恭子の愚痴を聞くのは、もううんざりだと思うだろう。</p><p>　けれど・・・、最後は恭子の気持ちに任せると、きっと言うだろう。</p><p><a href="https://stat.ameba.jp/user_images/20211221/09/saramorio/6e/d4/j/o0640042715049352787.jpg"><img alt="" height="280" src="https://stat.ameba.jp/user_images/20211221/09/saramorio/6e/d4/j/o0640042715049352787.jpg" width="420"></a></p><p>&nbsp;</p><p>&nbsp;</p><p>--------------------</p><p>登場人物紹介</p><p>&nbsp;</p><p>恭子：60代の主婦。兄嫁と折り合わず、家を飛び出してきた実母に苦しみ、「反感」と「情」の間で心が揺れ続ける。<br><br>卓雄：恭子の夫。定年間際のサラリーマン。<br><br>房子：恭子の実母。気が強いが、外では決して本性を出さず、優しく上品に振舞う。若い時に夫（恭子の父）を亡くし、塾を経営して蓄えたお金を偏愛する息子に貢ぎ続ける。<br><br>幸男：房子の長男。恭子の兄。若い頃から問題行動が多かったが、房子に溺愛され、生涯援助され続ける。仕事も長続きせず、結局房子の塾の講師におさまる。<br><br>悠一：房子の実弟。房子とかなり歳が離れている。<br><br>やすよ：幸男の嫁。人妻だったため、結婚には一波乱あった。房子は気に入らず、ずっと衝突し続ける。</p><p>&nbsp;</p><p>&nbsp;</p><p>↓↓小説のプロローグはコチラから↓↓</p><p>&nbsp;</p><div class="ogpCard_root"><article class="ogpCard_wrap" contenteditable="false" style="display:inline-block;max-width:100%"><a class="ogpCard_link" data-ogp-card-log="" href="https://ameblo.jp/saramorio/entry-12700681350.html" rel="noopener noreferrer" 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style="position:relative;width:20px;height:20px;flex-shrink:0"><img alt="リンク" class="ogpCard_icon" height="20" loading="lazy" src="https://c.stat100.ameba.jp/ameblo/symbols/v3.20.0/svg/gray/editor_link.svg" style="position:absolute;top:0;bottom:0;right:0;left:0;height:100%;max-height:100%" width="20"></span><span class="ogpCard_urlText" style="overflow:hidden;text-overflow:ellipsis;white-space:nowrap;color:#757575;font-size:12px;text-align:left">ameblo.jp</span></span></span><span class="ogpCard_imageWrap" style="position:relative;width:120px;height:120px;flex-shrink:0"><img alt="" class="ogpCard_image" data-ogp-card-image="" height="120" loading="lazy" src="https://stat.ameba.jp/user_images/20210930/19/saramorio/a3/49/j/o0640048015008921648.jpg" style="position:absolute;top:50%;left:50%;object-fit:cover;min-height:100%;min-width:100%;transform:translate(-50%,-50%)" width="120"></span></a></article></div><p>&nbsp;</p><p>&nbsp;</p><p>↓↓小説の１話目はコチラから↓↓</p><p>&nbsp;</p><div class="ogpCard_root"><article class="ogpCard_wrap" contenteditable="false" style="display:inline-block;max-width:100%"><a class="ogpCard_link" data-ogp-card-log="" href="https://ameblo.jp/saramorio/entry-12701358065.html" rel="noopener noreferrer" style="display:flex;justify-content:space-between;overflow:hidden;box-sizing:border-box;width:620px;max-width:100%;height:120px;border:1px solid #e2e2e2;border-radius:4px;background-color:#fff;text-decoration:none" target="_blank"><span class="ogpCard_content" style="display:flex;flex-direction:column;overflow:hidden;width:100%;padding:16px"><span class="ogpCard_title" style="-webkit-box-orient:vertical;display:-webkit-box;-webkit-line-clamp:2;max-height:48px;line-height:1.4;font-size:16px;color:#333;text-align:left;font-weight:bold;overflow:hidden">『始まりは』</span><span class="ogpCard_description" style="overflow:hidden;text-overflow:ellipsis;white-space:nowrap;line-height:1.6;margin-top:4px;color:#757575;text-align:left;font-size:12px">　それは十年以上前のある日。昼近くのことだった。恭子は何日も前から家中の掃除をして、二階の一室のベッドを整えて、電話を待っていた。もうすぐ到着するだろうイタリ…</span><span class="ogpCard_url" style="display:flex;align-items:center;margin-top:auto"><span class="ogpCard_iconWrap" style="position:relative;width:20px;height:20px;flex-shrink:0"><img alt="リンク" class="ogpCard_icon" height="20" loading="lazy" src="https://c.stat100.ameba.jp/ameblo/symbols/v3.20.0/svg/gray/editor_link.svg" style="position:absolute;top:0;bottom:0;right:0;left:0;height:100%;max-height:100%" width="20"></span><span class="ogpCard_urlText" style="overflow:hidden;text-overflow:ellipsis;white-space:nowrap;color:#757575;font-size:12px;text-align:left">ameblo.jp</span></span></span><span class="ogpCard_imageWrap" style="position:relative;width:120px;height:120px;flex-shrink:0"><img alt="" class="ogpCard_image" data-ogp-card-image="" height="120" 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<link>https://ameblo.jp/saramorio/entry-12716792946.html</link>
<pubDate>Tue, 21 Dec 2021 11:00:00 +0900</pubDate>
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<title>施設での日々　４（２）</title>
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<![CDATA[ <p>　平日なので、卓雄はいない。久美が送っていこうかと言ってくれたけれど、帰りは夜になってしまうし、久美だって子供達がいるので、迷惑はかけたくないので断った。</p><p>来る時は、卓雄の車だったので楽だった。けれど、房子の荷物は結構あったので、支度</p><p>にも時間がかかった。その上、房子はまた買い物がしたい、という。それが大変なことになった。</p><p>　タクシーで駅まで行くのなら、まだ楽だった。けれど、房子は、乗り換えがない別の電車のルートがいいと言う。その駅まで行くのは遠いのでバスで行った。それがそもそも間違いだった。</p><p>バス停までも、バスを降りてからも恭子は、高さ一メートルもある房子の重たいキャリーバッグをひきずって、房子の手を取って歩いた。キャリーバックの中には、衣類と、絵手紙の道具などがいっぱいに詰まっている。</p><p>房子は途中で何度も苦しそうに止まった。スーパーに着くと、入り口に座り込んで動けなくなった。そこで、買うものをメモした紙を恭子に渡して、買ってきて、と言った。それなら、最初から恭子が買ってきたら、楽だったのに、と思いながら、恭子はひとりでスーパーに入っていった。</p><p>恭子だって疲れている。けれど房子は、自分のことばかりで、恭子がどんなに疲れているか、思い巡らせない。</p><p>メモの紙にはおかゆや佃煮、オレンジなどいろいろあったが、牛乳５００ｃｃを２パック、もあった。これ以上、どうやって持って行くのかと、うんざりしたけれど、施設の買い物の日は、まだまだ先なのかもしれない、と思って、仕方なく買った。</p><p>急いで戻ると、房子はまだ入り口に座っていた。キャリーバッグの隙間に、牛乳などの重い物を詰めて、残りは恭子の袋に詰め替えた。</p><p>それからやっとのこと駅にたどりついて電車に乗ると、恭子は疲れ切っていた。うとうとして、降りる駅のひとつ前で、房子に起こされた。</p><p>駅から施設までタクシーに乗って、ようやくほっとした。</p><p>&nbsp;</p><p>施設に着くと、買ってきたものを急いで冷蔵庫やそれぞれの場所にしまっていった。もう、夕飯の時間が迫っていた。</p><p>帰る時、恭子を見送りに入り口まで来た房子を見つけて、ケアマネの野口さんが笑顔でそばにやってきた。</p><p>「おいしい物をたくさん食べてきた～？」</p><p>野口さんが、茶目っ気たっぷりに房子の顔を覗き込んで、言った。</p><p>　その時の房子の反応に、恭子は心底がっかりした。房子はうなづきもせず、曖昧な表情で、いつものように作り笑いを浮かべているだけなのだ。</p><p>　どうして、「ええ、たくさん食べてきました」とか、「よくしてもらってきた」とか言ってくれないんだろう・・。</p><p>　通りがかった仲間のおばあさんが、</p><p>「足はどう？」</p><p>と訊くと、房子はやっぱり、</p><p>「トゲがささっていたので抜いてもらって、楽になったの」</p><p>と、上品な言い方で言う。</p><p>「あら、なんだトゲだったの・・」</p><p>おばあさんが、拍子抜けしたように言った。</p><p>&nbsp;</p><p>　施設からの帰り道、恭子はバス停までの暗い道を歩きながら、泣きたい思いだった。みじめだった。房子を喜ばせようと、必死にもてなしたこの日々は、何だったのだろう。</p><p>　辺鄙な所だから、バスは頻繁には来ない。タクシーも来ないので、バス停を過ぎて歩き始めると、少ししてバスが通り過ぎていった。</p><p>　体は鉛のように重い。手術した両足が、長く歩くとまだ痛んだ。</p><p>　歩きながら、涙がポロポロ出た。悲しくて、悔しかった。既に帰っていた卓雄は、メールで迎えに行こうかと言ってくれた。けれど、そんな迷惑をかけたくなかった。</p><p>&nbsp;</p><p>　電車に乗ってからも、房子のことをずっと考えていた。野口さんに向けた、房子の曖昧な作り笑いが頭から離れない。</p><p>　尽くすことなら、いくらでもできる。ただ、喜んでくれさえすれば・・・。過去の房子とのいざこざも、そんな悔しさが原因のことばかりだった。情のない、ひどい人だった。話しても、通じない人だった。そうして、ストレスをためて、爆発した・・・。</p><p>房子が、</p><p>「あ～、ゆっくりできた！」とか、「おいしいものを思う存分食べた～！」と喜んでくれたら、それだけで恭子の気持ちは充たされたのに・・。</p><p>　そして、思った。</p><p>　房子は他人に、娘が優しくしてくれるなんて、間違っても言えないのだ。自分は娘に辛く当たられ、施設に追い出された可哀そうな人、ということになっているから。</p><p>　いや、以前もそうだったように、恭子の行為はすべて当たり前であり、優しくしてくれるなんて思ってもいないのだろうか。久美や他人には、優しいお礼の言葉を連発するのに。</p><p>&nbsp;</p><p>　帰ってから、恭子の話を聞いて、卓雄が</p><p>「実の親なのに、自分のことばかり。恭子に愛情がないんだよ」</p><p>と怒った。恭子がかわいそうだ、と言ってくれた。</p><p>　久美と亜美にもメールで報告すると、やっぱり怒って、同情してくれた。</p><p>　亜美は、どんなに恭子が尽くしても、房子のあの感じは変わらないのに、優しすぎる、と言った。</p><p>　久美も優しい言葉をかけてくれたけれど、房子の久美にかける優しい表情を見ている彼女には、それほど強い怒りの気持ちがないのが分かった。</p><p>&nbsp;</p><p>&nbsp;</p><p>　それから何日か経った日曜日に、房子と何度も行った施設に近いスパゲティのお店で、房子の誕生日会を開いた。</p><p>　子供達と孫達、十八人全員が都合をつけて集まった。店の大きな部屋は予約していた。</p><p>　アレンジメントを頼んで、和菓子のお店で房子が好きそうなお菓子の詰め合わせも用意して、持っていった。</p><p>　房子は九十五歳になる。誕生日を祝うのも、これが最後になるかもしれない、と恭子は毎年のように思った。その日は誕生日の少し前だったし、房子にはただ、お昼にスパゲティを食べよう、としか言っていなかった。</p><p>　そうして全員がスタンバイして、昼頃房子を施設に迎えに行った。サプライズでびっくりさせるはずだった。けれど、レストランに到着して、みんなの顔を見ても、房子はそれほど驚いた顔はしていなかった。</p><p>　その日は、房子は食事中、詰まらせることもなかった。ケーキは食べきれず、施設に持ち帰った。</p><p>　家族がみんな房子のために都合をつけて集まって、良い会ができたと、恭子は満足だった。</p><p><a href="https://stat.ameba.jp/user_images/20211220/09/saramorio/59/69/j/o0640048015048904582.jpg"><img alt="" height="315" src="https://stat.ameba.jp/user_images/20211220/09/saramorio/59/69/j/o0640048015048904582.jpg" width="420"></a></p><p>&nbsp;</p><p>&nbsp;</p><p>--------------------</p><p>登場人物紹介</p><p>&nbsp;</p><p>恭子：60代の主婦。兄嫁と折り合わず、家を飛び出してきた実母に苦しみ、「反感」と「情」の間で心が揺れ続ける。<br><br>卓雄：恭子の夫。定年間際のサラリーマン。<br><br>房子：恭子の実母。気が強いが、外では決して本性を出さず、優しく上品に振舞う。若い時に夫（恭子の父）を亡くし、塾を経営して蓄えたお金を偏愛する息子に貢ぎ続ける。<br><br>幸男：房子の長男。恭子の兄。若い頃から問題行動が多かったが、房子に溺愛され、生涯援助され続ける。仕事も長続きせず、結局房子の塾の講師におさまる。<br><br>悠一：房子の実弟。房子とかなり歳が離れている。<br><br>やすよ：幸男の嫁。人妻だったため、結婚には一波乱あった。房子は気に入らず、ずっと衝突し続ける。</p><p>&nbsp;</p><p>&nbsp;</p><p>↓↓小説のプロローグはコチラから↓↓</p><p>&nbsp;</p><div class="ogpCard_root"><article class="ogpCard_wrap" contenteditable="false" style="display:inline-block;max-width:100%"><a class="ogpCard_link" data-ogp-card-log="" href="https://ameblo.jp/saramorio/entry-12700681350.html" rel="noopener noreferrer" style="display:flex;justify-content:space-between;overflow:hidden;box-sizing:border-box;width:620px;max-width:100%;height:120px;border:1px solid #e2e2e2;border-radius:4px;background-color:#fff;text-decoration:none" target="_blank"><span class="ogpCard_content" style="display:flex;flex-direction:column;overflow:hidden;width:100%;padding:16px"><span class="ogpCard_title" style="-webkit-box-orient:vertical;display:-webkit-box;-webkit-line-clamp:2;max-height:48px;line-height:1.4;font-size:16px;color:#333;text-align:left;font-weight:bold;overflow:hidden">『母の亡霊にいつまでも』</span><span class="ogpCard_description" style="overflow:hidden;text-overflow:ellipsis;white-space:nowrap;line-height:1.6;margin-top:4px;color:#757575;text-align:left;font-size:12px">　小さな簡易机の上で、恭子はパソコンを開いたまま茶色い手帳をめくっていた。　一年ごとに簡単なスケジュールと毎日のメモが書き込めるその手帳は、去年亡くなった母親…</span><span class="ogpCard_url" style="display:flex;align-items:center;margin-top:auto"><span class="ogpCard_iconWrap" style="position:relative;width:20px;height:20px;flex-shrink:0"><img alt="リンク" class="ogpCard_icon" height="20" loading="lazy" src="https://c.stat100.ameba.jp/ameblo/symbols/v3.20.0/svg/gray/editor_link.svg" style="position:absolute;top:0;bottom:0;right:0;left:0;height:100%;max-height:100%" width="20"></span><span class="ogpCard_urlText" style="overflow:hidden;text-overflow:ellipsis;white-space:nowrap;color:#757575;font-size:12px;text-align:left">ameblo.jp</span></span></span><span class="ogpCard_imageWrap" style="position:relative;width:120px;height:120px;flex-shrink:0"><img alt="" class="ogpCard_image" data-ogp-card-image="" height="120" loading="lazy" src="https://stat.ameba.jp/user_images/20210930/19/saramorio/a3/49/j/o0640048015008921648.jpg" style="position:absolute;top:50%;left:50%;object-fit:cover;min-height:100%;min-width:100%;transform:translate(-50%,-50%)" width="120"></span></a></article></div><p>&nbsp;</p><p>&nbsp;</p><p>↓↓小説の１話目はコチラから↓↓</p><p>&nbsp;</p><div class="ogpCard_root"><article class="ogpCard_wrap" contenteditable="false" style="display:inline-block;max-width:100%"><a class="ogpCard_link" data-ogp-card-log="" href="https://ameblo.jp/saramorio/entry-12701358065.html" rel="noopener noreferrer" style="display:flex;justify-content:space-between;overflow:hidden;box-sizing:border-box;width:620px;max-width:100%;height:120px;border:1px solid #e2e2e2;border-radius:4px;background-color:#fff;text-decoration:none" target="_blank"><span class="ogpCard_content" style="display:flex;flex-direction:column;overflow:hidden;width:100%;padding:16px"><span class="ogpCard_title" style="-webkit-box-orient:vertical;display:-webkit-box;-webkit-line-clamp:2;max-height:48px;line-height:1.4;font-size:16px;color:#333;text-align:left;font-weight:bold;overflow:hidden">『始まりは』</span><span class="ogpCard_description" style="overflow:hidden;text-overflow:ellipsis;white-space:nowrap;line-height:1.6;margin-top:4px;color:#757575;text-align:left;font-size:12px">　それは十年以上前のある日。昼近くのことだった。恭子は何日も前から家中の掃除をして、二階の一室のベッドを整えて、電話を待っていた。もうすぐ到着するだろうイタリ…</span><span class="ogpCard_url" style="display:flex;align-items:center;margin-top:auto"><span class="ogpCard_iconWrap" style="position:relative;width:20px;height:20px;flex-shrink:0"><img alt="リンク" class="ogpCard_icon" height="20" loading="lazy" src="https://c.stat100.ameba.jp/ameblo/symbols/v3.20.0/svg/gray/editor_link.svg" style="position:absolute;top:0;bottom:0;right:0;left:0;height:100%;max-height:100%" width="20"></span><span class="ogpCard_urlText" style="overflow:hidden;text-overflow:ellipsis;white-space:nowrap;color:#757575;font-size:12px;text-align:left">ameblo.jp</span></span></span><span class="ogpCard_imageWrap" style="position:relative;width:120px;height:120px;flex-shrink:0"><img alt="" class="ogpCard_image" data-ogp-card-image="" height="120" loading="lazy" src="https://stat.ameba.jp/user_images/20211002/01/saramorio/78/38/j/o0640042715009552180.jpg" style="position:absolute;top:50%;left:50%;object-fit:cover;min-height:100%;min-width:100%;transform:translate(-50%,-50%)" width="120"></span></a></article></div><p>&nbsp;</p>
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<pubDate>Mon, 20 Dec 2021 11:00:00 +0900</pubDate>
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