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<title>sei-siiba124のブログ</title>
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<title>愛された女３</title>
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<![CDATA[ <p align="left">　時が過ぎるのは早いもので、あっという間に十二月を迎えて二週間が経とうとしていた。俊くんとはあっさり別れた。私にも彼にも承諾するほかに選択肢がなかったと感じ取ったに違いない。あれだけ私に依存していたくせに、そんなもんか、やっぱりなとまで思ってしまった。</p><p align="left">　私は京一さんとの約束の前に、新しい服を買いに出かけていた。いつもは表参道にいそうな女の恰好だけど、少しスカートなどにも挑戦しようと考えていたのだ。着圧のあるスキニーなど好んでいた私は冬の寒さにもいよいよ耐えられなくなってきた。ボルドーの少し大人びた形のスカートを試着すると、少し前に本屋で見かけた尾形真理子の「試着室で思い出したら本気の恋だと思う」を思い出した。今度読んでみようかなと思った後に、このことを試着室で思い出したから、この本に恋しているのかと思い、一人でクスっと笑ってしまった。そのスカートは自分でもびっくりするくらい似合っていた。そしてそれを買った。学生の私にしては少し高かったけれど。</p><p>　クリスマスは京一さんとボルドーのスカートと共に過ごした。ビールやウイスキーを浴びるほど飲み、二人でお風呂に入り、もう寝ようかと誘われたベッドの中で行われたオリンピックは無事に金メダルを獲得したし、同窓会のワンピースは彼に一緒に選んでもらったチャイナドレスも獲得できた。体のラインが出てしまうけれど、私なら綺麗に着こなせた。両親にも似合っていると称</p><p align="left">賛を受けたし、バッチリ決まった。</p><p align="left">　年末は二人でジャズを聞き流しながらワインを飲んだし、一月末には旅行へ出かけた。それが最初の旅行だったから、九州へ行ったのは覚えている。揃って博多ラーメンをすすり、ただひたすらに路地裏をうろうろしていたはずだ。とても有意義な時間だった。彼も忙しい人だったので、なかなか休みが合わない中の奇跡的な時間でもあった。二人である古着屋の鏡の前に立った時、なかなかにお似合いなカップルだと思った。それはどうやら彼も一緒らしい。お互いに少し微笑むとまた歩き出した。</p><p>　２月上旬、私の高校時代の友人が集う同窓会へ足を運んだ。実を言えば、怖かった。また、あの先生の顔を見ることになるかもしれない。そうなると居てもたってもいられなくなることくらい、安易に予想できた。京一さんが選んでくれたチャイナドレスを身に纏って、足が綺麗に見えるハイヒールを履いて、タクシーから降りて会場へ向かう。ショートに切った髪を揺らして昔にはなかったえらく鋭い目つきで同級生を圧倒。担任だった先生までも息をのんでいた。受付を済ませた私と一緒に横にいた友達は早速ドリンクを頼み、位置へ着いた。来ていた人たちの中には、元カレや仲良くしていた人も、大嫌いだった人も、バイトが一緒だった人もたくさんいた。会が始まっても目線は常に私に向けられていて、しんどくなった私はお手洗いへ駆け込んだ。結局、会場には例の先生はいなかったし、そこは安心できたが、高校時代と打って変わりすぎたせいか、みんな驚きの表情を隠すのが下手だった。ぱっと化粧を直して、ヒールをカツカツ鳴らしながら、会場へ戻った。会場には、時間が経つにつれて人が多くなっていて、みんな、声をかけてくれる。私は、高尚な人間を装って、軽く相手する。奥で何人かが私を妬む目で見てくる人間が目に入った。それが面白くて、楽しくて、この気取り屋を最後まで辞められなかった。一緒に来た友人と最近のことについて話しながらカウンターで飲んでいた。カウンター席では何人かが話しながらグラスに口をつけていたが、立ったり座ったりがなかなか多く、忙</p><p align="left">しなかった。横に一人、座った人がいることは感じた。気にならなかったからスルーしたが、ビールを頼む声が私を硬直させた。ダメだ。振り向いては。目を合わせてはならない。横にいる友人は何とも微妙な面持ちで、わかりやすくぎこちなく話している。誰が来たのかは、二人ともわかっていた。私はもう一度お手洗いに行ってくると言って、席を立った。</p><p align="left">　あぁ、こんな仕打ちがあっていいのか。来ないと思っていたのに。あの先生が来る意味はあったのか、何を思って、どんな気持ちで此処へ来たのか、目的は何だったのか、私をがっかりさせるために来たのか、ああそうか、現実を見せに来たのか、昔の甘い気持ちを掘り起こして、ネックレスを置いて帰ったことを反省しろと言いに来たのか。こんなことばかり考えてしまった。手洗いから出ると、喫煙所へ直行し、カツカツと灰皿の前へ立つとウィンストンの先に火をつけて、自分を落ち着かせる。しかし、近づいてくる足音にせっかく落ち着いた気分も台無しになってしまった。私は灰皿に煙草を押し付け、振り向いた。するとやはり、あの男が立っていた。</p><p>　「久しぶりだな」と軽く微笑んだ男に、私は「ええ、そうね。」としか返せなかった。次に彼が口にする言葉は何だろう。それに対して私はなんて返せばいいのだろう。一瞬で全てを理解しようと必死だった。わかっている。十も離れた男と結ばれるなど、私の人生を狂いに狂わせるに違いなかった。彼は私にとっても、自分にとっても有利な選択をしたまでだ。そう思えば綺麗に終われると思っていた。彼は何かを差し出してきた。私が掌を上にして受け皿を作ると、そこに私が置いて行ったネックレスがするりと落ちた。何も言えなかった。本当に言葉を失ってしまった。この人は何を考えて私にこれを渡したんだろう。肝心なことは口に出てこなかった。そして一言、「綺麗になったね」とだけ言って、彼は会場を後にしてしまった。私は何を言えばよかったのだろう。もしあのことを思い切って聞いてみても、答えてくれただろうか、いや、きっと答えてはくれなかっただろうな。そんなことを考えるに考えた。そして一日が終わった。</p><p align="left">　高校時代は専ら本を読んでいた。読むのはもちろん、書くことも好きだった。将来は小説家になりたいほど本が好きだった。本はたくさんのことを教えてくれる。常識はもちろん、知らないことは本が全て教えてくれた。大人になって、大人の女性がどんなことを思うのか、楽しんでいた。本を読んでいる時だけは、自分だけの世界に入れるような気がした。一人でいる時は専ら書いていたし、授業の合間に読んでいた。そして、また書き始めた。</p><p align="left">　そうしているうちに季節は変わり、春になった。少しずつ仕事にも慣れてきた。忙しいけれど、仕事があるのは信頼の証拠だしと思って、一日一日を大切に生きた。京一さんはまだ京都に住んでいて、野洲に住む私のアパートからは遠いけれど、それでも時間があれば行き来していた。京一さんは、遠い道のりを苦とも言わずに来てくれた。この前あの先生と会ったけれど、京一さんといると、京一さん以外のことを考えないから心が浮いて感じた。</p><p>　私は京一さんとならどんなことだってしたいし、京一さんになら、何をされてもいいと思っていた。言葉一つ、やりとりの一つ一つが私の生きる糧になっていた。彼はどう思っているだろう。こんなにも人の心を読み取る能力があればいいのに。と思う反面、嘘も本当も、仕草や言葉も全部人間らしくていいとも思っていた。付き合っているのに日々募るばかりの想いは時に私を苦しめた。もともと重い気質の私は、会えない時の夜は不安で布団の中で泣いて過ごすほどだった。見た目からは想像できない病む性格で、自分でも少し厄介を背負っていた。京一さんは案外詮索をする人で、私のことを調べつくす程だ。私はそれが嬉しかったし、自己肯定感や認知欲が満たされた。私が書く小説は、そんな重い自分と、京一さんのことを記したものだった。半分の現実</p><p align="left">と、半分の理想や妄想を織り交ぜて。またキーボードを叩く。</p><p align="left">　私は椎名林檎が好きで、よく聴いていた。彼女の女としての人生を全うしているような、あの立ち姿が好きだったし、端正な顔立ちで、他にない独特の雰囲気で、できることなら彼女になりたいと思った。自分に自信はなかったけど、できるだけ他の女の人とは差をつけるようにした。京一さんはそれを好としてくれていて、安心して自分の世界を造れた。七色の自分はすごかった。スキニーもジーンズもスカートも全部似合うような気がした。そのためにどれだけ苦労したことか。ご飯の量はいつもの三分の一程に減らし、お酒も一週間に一日、缶ビール一本にした。おかげで体重は六キロ落ちたし、首回りがほっそりして、鎖骨が顕になり、体力もなくなった。努力の賜物ってすごいと思った。そう思ったあと、一瞬、自分が気持ち悪くなった。無理矢理痩せることが良いことじゃないことが、わかっているのに、やめられない自分が怖くて、嫌悪感に侵された。日に日に食欲が減って、痩せていった。どれも「痩せなきゃ」という使命感のようなものが私を呪っていた。</p><p>　中学の時から、学校のカーストは中の下くらいだったように感じる。勿論上位はスタイルが良くて、おしゃれで美人な子ばかりだった。流行はその子たちが作っていたし、それに乗れない私たちはその子たちとは別の世界で生きていた。高校へ上がればどうにかなると思っていたが、何も変わらなかった。キラキラとした彼女たちに対して思うのは、私も綺麗にならなくちゃ。という感情だった。そんな時出会ったのが椎名林檎だった。これくらい魅力のある人間になればきっと道行くすべての人に振り向いてもらえる、そう思った。そのころから、「痩せなきゃ」の呪いは纏わり憑いていた。色気を求めるために化粧は丁寧に、大した用事のないときは全くしないで肌を休ませた。さらに知性を磨くために数ある本を片っ端から読み漁り、息抜きにゲームもした。健康のためにダーツも嗜んだし、ギターも弾き始めた。完璧になりたかった。そうすればみんな私に寄ってくると思っていたし、カース</p><p align="left">トも手に入ると思っていたけど、密かに話題になるほどだった。それがエスカレートさせていた。痩せ太りを繰り返して、手に入れた体系は歪なものだったし、心も不揃いのものばかりだった。</p><p align="left">　京一さんはそれを個性と呼んでいたし、そう京一さんが言うことで、私もそう思えた。こんな自分でも、愛してくれる人がいる。その感覚は初めてだった。その時、初めて全てを手に入れた気分になり、カーストも何もかも無意味になった。綺麗になった瞬間だったように思う。</p>
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<link>https://ameblo.jp/sei-siiba124/entry-12429398738.html</link>
<pubDate>Sun, 30 Dec 2018 13:22:24 +0900</pubDate>
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<title>愛された女２</title>
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<![CDATA[ <p align="left">　麻雀は実に面白い。たくさんの役があり、まるでなんとかレンジャーの技のように実に様々だ。その一つ一つを丁寧に教えてくれた人間がいた。私はビル・エヴァンスのワルツ　フォー　デビーを聴きながら画面上の牌を打つ夕刻に満足していた。大学に通う電車の中では専らスマホで麻雀をしていたし、授業の間は麻雀で失ったスマホの充電をした。バイトもない日は必ず夕食後にビールを飲み電子タバコを蒸かしながら液晶の中の牌を打つ。ちょっとした日課だった。</p><p align="left">　当時はツイッターというものが流行っていたし、私もしていた。私が珍しく麻雀のことをつぶやくと、彼は持ち前なのか素早いレスポンスで返信をくれた。麻雀を教えてくれるというのだ。麻雀初心者の私にとって、教えてくれる人がいるのは何よりだった。何故なら、当時の世間にとって、麻雀と言えば悪いイメージしか持たれなかった。初心者が下手に突っ込めば鴨られて人生が詰んでしまうからだ。</p><p align="left">　彼は京一という私より２つ上の薬科大学の研究生だった。私よりもずっと知的で、どの男の人よりも紳士的に見えた。同時に、自分がかなりふしだらなことにも感じた。潮時とはいえ、お付き合いしている男性がいるというのに、ほかに目移りしてしまうなど、若気の至りという言葉がぴったりで、その言葉によって自分を正当化しようとしている自分は、なんて狡い女なのだと考えた。特に彼は素敵だった。背もそこそこあり、落ち着いた雰囲気のある渋い男性。少し前に会ったことがあるからこそわかる彼の魅力は、その辺の同年代には理解し難いだろう。いいのだ、私にだけわかれば、私だけのものにできるから。</p><p align="left">　そして、ついに京一さんと連絡の取りあいが始まりました。思い切って連絡先を渡した甲斐があったと喜んだ。私は浮気という事実を抱えて、歩き出したのです。先ずは今まだお付き合いしている男性が俊という名前だということ、そして私の一つ上だということ、社会人なのに気が利かなくて、知性の欠片もない人だということと、俊くんのいいところを少しだけ挟みながら、京一さんに話した。十一月の半ばのことだったと思う。私がお付き合いしている男性がいるのに、京一さんを好いと思っていることを打ち明けた時、京一さんは困った顔をして、「じゃあその潮時の彼との蹴りを君がつけてくるまで待っているよ」とだけ言って、話題はお互いの趣味の話に切り替わった。「約束」と言わずとも私たちは約束したのだ。そして、クリスマスの日に二人で夜を過ごす予定を取り付けて、また連絡することになった。それから連絡は絶えずしていた。一方の俊くんには少しも連絡をせず、別れを</p><p align="left">意識させたかった。が、しかしそこはさすがの鈍感な人。そのことをちっとも解りませんでした。困った私は、十二月が過ぎると別れると心に決めて、京一さんとの連絡を絶やしませんでした。</p><p align="left">　京一さんは煙草の似合う人で、静かに嗜む姿は素敵以外の言葉が見つからなかった。京一さんのことを思い浮かべる度に、俊くんと早く別れたい気持ちが先走った。彼が嫌いだったわけではないし、ただ、好きという感情が彼に対してなくなっただけだから、余計に別れる文句を探すのに手間取った。絶対にしてはいけないと思っていたが、心は自然と俊くんと京一さんを比べてしまっていました。勿論、京一さんの圧勝に終わっていた。此れ程迄に熱したのは、だいぶん久しぶりのことだった。</p><p align="left">　京一さんには話していないことが一つだけあった。それは四年越しの片思いのことだ。私は高校時代、十も離れた先生を好きになったことがある。その思いは時を越え、卒業するとすぐに先生と連絡を取り合うようになった。さらには先生の家まで連れて帰ってもらった、つまり、そういう関係になったのだ。うれしさ半分、悪いことをしているような罪悪感が半分、スリルにも似たような感覚になった。それでも私と先生の関係は止められなかった。</p><p align="left">　ある日、先生と約束して家に行った夜のこと、私は先生とつながりそうになった。でもそうしなかった理由は月に一度、女が悩むアレだったからだ。そうでなければ完全につながっていたことだろう。それから丁度ひと月くらいかしら、また同じことを繰り返した。やりたいだけの先生には誤算があった。私の周期がぴったりだったのだ。私は先生にまだチャンスがあると思って、ネックレスを部屋に残したまま、自分の家へ帰ったが、そう思っていたのはどうやら私だけのようだった。家へ着くと直ぐに連絡したのだが、別れ際に何かを察した私が惜しんで先生の頬にしたキスがどうやら最後だったみたい。そして、恋焦がれた先生は他の女の人と結婚してしまった。</p><p align="left">　このことは、最後の最後まで秘密にしておきたかった。というのも、どれだけの人と付き合っても、必ずその人と重ねてしまうからだ。相手には大変申し訳ないのだけれど、自分の中で、先生を超える人に出会うまではこれを癖だと思い込むようにした。しかし、それももうそろそろ卒業する時が来たと感じた。それは言うまでもないだろう。</p>
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<link>https://ameblo.jp/sei-siiba124/entry-12425984792.html</link>
<pubDate>Sat, 15 Dec 2018 00:24:22 +0900</pubDate>
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<title>愛された女２</title>
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<![CDATA[ <p align="left">　麻雀は実に面白い。たくさんの役があり、まるでなんとかレンジャーの技のように実に様々だ。その一つ一つを丁寧に教えてくれた人間がいた。私はビル・エヴァンスのワルツ　フォー　デビーを聴きながら画面上の牌を打つ夕刻に満足していた。大学に通う電車の中では専らスマホで麻雀をしていたし、授業の間は麻雀で失ったスマホの充電をした。バイトもない日は必ず夕食後にビールを飲み電子タバコを蒸かしながら液晶の中の牌を打つ。ちょっとした日課だった。</p><p align="left">　当時はツイッターというものが流行っていたし、私もしていた。私が珍しく麻雀のことをつぶやくと、彼は持ち前なのか素早いレスポンスで返信をくれた。麻雀を教えてくれるというのだ。麻雀初心者の私にとって、教えてくれる人がいるのは何よりだった。何故なら、当時の世間にとって、麻雀と言えば悪いイメージしか持たれなかった。初心者が下手に突っ込めば鴨られて人生が詰んでしまうからだ。</p><p align="left">　彼は京一という私より２つ上の薬科大学の研究生だった。私よりもずっと知的で、どの男の人よりも紳士的に見えた。同時に、自分がかなりふしだらなことにも感じた。潮時とはいえ、お付き合いしている男性がいるというのに、ほかに目移りしてしまうなど、若気の至りという言葉がぴったりで、その言葉によって自分を正当化しようとしている自分は、なんて狡い女なのだと考えた。特に彼は素敵だった。背もそこそこあり、落ち着いた雰囲気のある渋い男性。少し前に会ったことがあるからこそわかる彼の魅力は、その辺の同年代には理解し難いだろう。いいのだ、私にだけわかれば、私だけのものにできるから。</p><p align="left">　そして、ついに京一さんと連絡の取りあいが始まりました。思い切って連絡先を渡した甲斐があったと喜んだ。私は浮気という事実を抱えて、歩き出したのです。先ずは今まだお付き合いしている男性が俊という名前だということ、そして私の一つ上だということ、社会人なのに気が利かなくて、知性の欠片もない人だということと、俊くんのいいところを少しだけ挟みながら、京一さんに話した。十一月の半ばのことだったと思う。私がお付き合いしている男性がいるのに、京一さんを好いと思っていることを打ち明けた時、京一さんは困った顔をして、「じゃあその潮時の彼との蹴りを君がつけてくるまで待っているよ」とだけ言って、話題はお互いの趣味の話に切り替わった。「約束」と言わずとも私たちは約束したのだ。そして、クリスマスの日に二人で夜を過ごす予定を取り付けて、また連絡することになった。それから連絡は絶えずしていた。一方の俊くんには少しも連絡をせず、別れを</p><p align="left">意識させたかった。が、しかしそこはさすがの鈍感な人。そのことをちっとも解りませんでした。困った私は、十二月が過ぎると別れると心に決めて、京一さんとの連絡を絶やしませんでした。</p><p align="left">　京一さんは煙草の似合う人で、静かに嗜む姿は素敵以外の言葉が見つからなかった。京一さんのことを思い浮かべる度に、俊くんと早く別れたい気持ちが先走った。彼が嫌いだったわけではないし、ただ、好きという感情が彼に対してなくなっただけだから、余計に別れる文句を探すのに手間取った。絶対にしてはいけないと思っていたが、心は自然と俊くんと京一さんを比べてしまっていました。勿論、京一さんの圧勝に終わっていた。此れ程迄に熱したのは、だいぶん久しぶりのことだった。</p><p align="left">　京一さんには話していないことが一つだけあった。それは四年越しの片思いのことだ。私は高校時代、十も離れた先生を好きになったことがある。その思いは時を越え、卒業するとすぐに先生と連絡を取り合うようになった。さらには先生の家まで連れて帰ってもらった、つまり、そういう関係になったのだ。うれしさ半分、悪いことをしているような罪悪感が半分、スリルにも似たような感覚になった。それでも私と先生の関係は止められなかった。</p><p align="left">　ある日、先生と約束して家に行った夜のこと、私は先生とつながりそうになった。でもそうしなかった理由は月に一度、女が悩むアレだったからだ。そうでなければ完全につながっていたことだろう。それから丁度ひと月くらいかしら、また同じことを繰り返した。やりたいだけの先生には誤算があった。私の周期がぴったりだったのだ。私は先生にまだチャンスがあると思って、ネックレスを部屋に残したまま、自分の家へ帰ったが、そう思っていたのはどうやら私だけのようだった。家へ着くと直ぐに連絡したのだが、別れ際に何かを察した私が惜しんで先生の頬にしたキスがどうやら最後だったみたい。そして、恋焦がれた先生は他の女の人と結婚してしまった。</p><p align="left">　このことは、最後の最後まで秘密にしておきたかった。というのも、どれだけの人と付き合っても、必ずその人と重ねてしまうからだ。相手には大変申し訳ないのだけれど、自分の中で、先生を超える人に出会うまではこれを癖だと思い込むようにした。しかし、それももうそろそろ卒業する時が来たと感じた。それは言うまでもないだろう。</p>
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<pubDate>Sat, 15 Dec 2018 00:24:21 +0900</pubDate>
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<title>愛された女　１</title>
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<![CDATA[ <p>出会いというものは、時に偶然で、時に必然なものではないだろうか。</p><p>　私が短期大学の２回生になった時、ちょうど一年前に出会った一つ上のお兄さんと付き合うことになった。彼はとても優しく、丁寧な人間だった。いつも遊ぶ時も楽しかった。記念日は揃って見えない何かを祝福していたし、会話もそれなりに弾んでいたと思う。確かに彼が好きだった。それでも人は一つの欠点で嫌われてしまうものだ。彼は俗に言う、「やらかし」てしまったのだ。</p><p>　あれは私がまだ高校３年の卒業間近だったかな、そのころの私と言えば不良で、酒はもちろん、煙草にまで手を染めていた。薬は断じてしていない。此処に誓う。煙草は２度親にバレていたので、合法に育つまではと決めていた。ハッキリ言うと、こそこそと影で吸っていた。それが癖になり、二十歳になっても親に隠すように吸っていた。こっぴどく叱られたせいである。</p><p>　私は彼に相談していたことが一つあった。それは煙草を自販機で買うときに必要なカードの申請だった。届くのは実家だから、二十歳ではあったものの、バレると気持ちよくないのでするか否か悩んでいた。彼は「もう二十歳になったんだからいいんじゃない」と言った。結局、申請しなかった。バレるのが怖かったら。</p><p>彼が私の一つ上だから、彼が二十一になった誕生日に飲みに行った。野洲にある田舎にしては小洒落た居酒屋だった。二人とも二十歳にはなっていたので飲んだ。私は元々飲める人種なので一番初めはビールを頼んだし、彼が嫌いな煙草を蒸かした。彼と言えば全くの下戸で、飲める物も少なかった。飲める人にとって、一番面白くなかったと言えよう。私は彼のプレゼントにキーケースをあげた。</p><p>　何故なのかというと、彼はいつも車のキーを丸裸のまま持ち歩いていたのが私にはだらしなく見えたし嫌だった。もっと言うと、持ち歩く財布は大きい金具がついた高校生受けするようなもので、センスの欠片もなかった。私の中では、鍵をキーケースで</p><p align="left">持ち歩くことは大人の象徴と捉えていただけあって、彼にもそうして欲しかった。</p><p align="left">　そんな飲みの帰りには彼を認めている母が車で二人を迎えに来てくれた。もちろん母は私がまだ煙草を嗜んでいるとは知らない。そんな母に彼は「こいつ俺より男前なんすよー、ビール飲めるし、煙草も吸うしー」と言った。信じられなかった。彼は私の相談でバレるのが芳しくないことも承知だと思っていたし、全くの盲点だった。幸い、母は私を茶化すだけで、前のような叱りはしなかった。それだけが救いのようなものだった。</p><p align="left">　それから、私は彼を信用しなくなり、スマホに届くメッセージの返信も遅くした。土日のどちらかは必ず会っていたのに、めっきり会わなくなった。会うのは私のバイトが終わるたびに自主的に迎えに来てくれる時くらいになり、終には電話もかけなくなった。</p><p align="left">　私は潮時を感じていた。別に他に好きな人ができたわけでも、嫌いになったわけでもない。ただ、少し独りになりたかった。それでも、彼との関係は続いていたし、母が認めているだけあって、別れにくいと感じていたのは、私が丁度、麻雀をはじめた頃だった。</p>
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<link>https://ameblo.jp/sei-siiba124/entry-12425773266.html</link>
<pubDate>Fri, 14 Dec 2018 00:34:26 +0900</pubDate>
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<title>はじめまして。</title>
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<![CDATA[ <p>&nbsp;</p><p>はじめまして。</p><p>大学生ライターの椎葉　聖です。</p><p>しいば　せい　と読みます。</p><p>よろしくお願いします。</p><p>&nbsp;</p><p>決してプロになろうなんて思ってもいませんが、</p><p>自己肯定欲と認知欲のために、たくさんの人から賞讃されるような文を書きたいです。</p><p>&nbsp;</p><p>さて、私のペンネームの由来からお話ししましょう。</p><p>先ず、私は椎名林檎さんが好きで、よく聴きます。</p><p>単純だと思います。それだけで椎葉という名字にしました。</p><p>「聖」は、私の一番大切な人がつけてくれました。</p><p>私の大切な名前です。とっても素敵だと思います。</p><p>&nbsp;</p><p>なぜ、小説を書こうと思ったか、それは、私に文才があると勘違いしたことから始まります。</p><p>高校のころから、本はラケットより友達でした。何冊もの本を、何度も読み返しました。中学のころから小説を書き始めたものの、思うように書けないので、一回は諦めました。</p><p>それからまた、書きはじめようと思ったのは、私にかなりの妄想癖があったことを自覚したことがきっかけです。</p><p>物語に出てくる人物や、構成は、９割がフィクションです。私の理想や、価値観がたくさん詰まっています。</p><p>&nbsp;</p><p>「お前の価値観なんか知るかボケ」なんて人もいるでしょう。</p><p>お願いですから、読んでいられなくなったら、無言で去ってください。</p><p>私は柔なので、すぐに折れてしまいますから。</p><p>&nbsp;</p><p>さて、自己紹介もこの辺にして、次の記事で少しずつ、物語を進めていきましょう。</p><p>&nbsp;</p><p>ではまた。</p><p>&nbsp;</p><p>&nbsp;</p><p>&nbsp;</p><p>&nbsp;</p><p>椎葉　聖</p><p>&nbsp;</p><p>&nbsp;</p><p>&nbsp;</p>
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<link>https://ameblo.jp/sei-siiba124/entry-12425228669.html</link>
<pubDate>Tue, 11 Dec 2018 15:50:58 +0900</pubDate>
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