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<title>skantoのブログ</title>
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<title>政府が打ち出した体外受精の保険適応　その真意とは？</title>
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<![CDATA[ 先日、菅総理大臣が体外受精を保険適応とするとの政策を表明しました。この表明に賛否両論とともに業界に激震が走りました。テレビに出演した都内の男性不妊が専門で体外受精施設を運営する医師は、体外受精を保険適応で行った場合は自院のレベルを維持できなくなると発言し、巷では金持ち優遇の発言と非難が渦巻いた模様です。NHKのニュースでは都内の大手体外受精施設の理事長が政府から専門医ヒアリングを受けた際の内容について記者に問われると、困っている患者さんたちの現状をお伝えしましたと答えていましたが、その理事長の顔が一番困っているように見えました。何故ならばこの政府の方針に困っているのは都心や一等地で体外受精をしているクリニックの経営者だからです。保険診療で地方でも都心でも体外受精が同じ料金となると、集患のため一等商業地で馬鹿高い不動産価格を診療費用に転嫁させた自費診療ができなくなり、その結果売上に対する利益は大幅に減少し、高い固定費を賄うために同水準の利益を上げようとするならば、今までの何倍も働かなくてはいけなくなります。<br>　今年2月に小生が衆議院議員会館で開催された医療講演と専門医ヒアリングに呼ばれた際、体外受精の保険適応の是非についても意見を求められました。男性不妊を専門とする立場からは賛成とも反対とも言えないのですが、一つ言えることは体外受精の保険適応で患者さんたちの経済的負担が減るのは間違いありませんが、生産率が向上するわけではないということです。すなわち小生が心配していることは、体外受精前に必要な男性側の治療がこれまで以上にされないままに結果が出ない体外受精がより繰り返されるようになるのではないかということです。<br>　体外受精採卵周期あたりの生産率は日本産婦人科学会の集計によれば2017年には6%を割り込むほど低迷しており、2011年の国別の体外受精採卵周期あたりの生産率は日本はなんと世界でダントツ最下位で8%を下回っています。<br> 　実はこのデータは政府も把握しておりますが、なぜあえてこのタイミングで保険適応と打ち出したのか？それは総理大臣が交代し、もはや５組に一つと言われる不妊患者からの自民党支持を得るのにわかりやすいスローガンであったということと、助成金に支えられた自費診療で利益を上げて肥大化した体外受精施設に歯止めをかけさせたいとする思惑でしょう。日本は世界の中でも人口あたりの体外受精の件数と体外受精を行う施設数はずば抜けて多いのです。しかしそれだけ出産に結びつかない体外受精を数多く繰り返して利益を上げてきたということに他なりません。<br>　昨日ある国会議員から困ったと連絡がありました。それは政府に対して体外受精を保険適応とする前に男性不妊に対する国の支援がもっと必要なのではないかと説いたら、男性不妊はほとんどの体外受精施設と連携しているから心配ないと言われたというのです。なんとも政府は現場の実態を全くわかっていないようです。体外受精施設のほとんどは男性不妊抜きに体外受精を繰り返しており、一方で大手の体外受精施設では競合する他院に対して差別化を図るために男性不妊外来を設置したり泌尿器科医師を雇ったりしています。しかし男性不妊診療は自然妊娠を目指す、体外受精をする場合でもできるだけ少ない回数で妊娠そして流産を防いで健常児出産させることを目的としており、当然ながら治療周期数を稼ぎたい体外受精施設でそのような診療がのびのびとできるわけがありません。したがって体外受精の利益のおこぼれなしに自立して運営できる男性不妊診療の普及が望まれるのです。実力がある男性不妊専門医師は体外受精施設に雇われて仕事をすることは通常あり得ません。リプロダクションセンターのようなところでは泌尿器科と産婦人科が対等であるようで、実は利益が少ない男性不妊部門は婦人科に対して肩身狭い思いをしているところがほとんどです。<br>　今後体外受精が保険適応となることで、さらに苦労を重ねてから男性不妊外来を訪れる方が増えてくることでしょう。大手の体外受精施設の思惑で医療政策が操作されるのではなく、正しい男性不妊治療を受けた方々が生き証人となって、SNSで拡散して社会を動かしていくことを期待したいと思います。<br>
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<link>https://ameblo.jp/skanto/entry-12933689077.html</link>
<pubDate>Sun, 04 Oct 2020 18:27:51 +0900</pubDate>
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<title>micro TESE助成金が4月からアップ！しかしその弊害とは？</title>
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<![CDATA[ 　micro TESEの助成金が4月から現在の15万円から30万円にアップされることになりました。これから手術を受けられる方々にとって自己負担が減ることになりますので、一見すると朗報と言えるかもしれません。これまで体外受精や顕微授精にも助成金が支出され、地方自治体によっては初回の治療で30万円を支給するところも出てきました。<br>　しかし以前のブログでお伝えしてきた通り、体外受精や顕微授精の採卵あたりの妊娠率は年々下がる一方で、以前のブログで掲載した5%台だった採卵あたりの顕微授精の妊娠率はさらに下がり4％台となったことが日本産婦人科学会から公表されましたが、一般の方々はこうした数値を目にすることはありません。<br>　そしてこうした助成金支出の副作用として不妊治療の治療成績の低下があると考えるのは果たして小生だけでしょうか？バブル崩壊後の日本では金融危機と言われる時代があり、不良債権を抱えた金融機関の倒産が相次ぎました。その背景に回収の見込みの低い融資を甘い審査で数多くしてしまったことがあります。金融機関は顧客から預かったお金を融資するのであって自分たちが汗水かいて働いて得たお金を貸し出しするわけではありません。その結果融資の選定が甘くなって貸出し金が焦げ付いてしまい、不良債権を抱えることになってしまったのです。<br>　不妊治療の助成金も公的資源から支出されます。その結果、これまで公的資源を貪るように拡大する高度生殖医療施設や新規参入する高度生殖医療施設が続出することになっています。行政機関も自分で汗水かいて働いて得たお金を支出するわけではなく税金を助成金に投入するので、生活保護の認定と同じくらい審査が甘く、助成金の対象施設を認定してしまいます。今回のmicro TESE助成金増額も同じような悪影響をもたらしかねません。micro TESE助成金増額を偉業のように宣伝している高度生殖医療施設もあるようですが、結局は自分のところに公的資金が入り込むことを歓迎しているのです。そして高度生殖医療施設は資金にものを言わせて手術用顕微鏡を入れただけのmicro TESEを蔓延らせることになります。その代わり〇〇専門医など手術技量が反映されない専門医制度の肩書きをホームページに掲載し、多額の費用をかけて雑誌広告やインターネット業者による検索優位を打ち出して、患者を誘引するのです。<br>　患者側ももし助成金が支出されず、自分が汗水働いて稼いだお金で治療を受けるのであれば、もっと治療について勉強して手術を受ける医療機関も吟味して慎重になれたはずが、助成金が受けられるというお得感に騙されて誘引性のある高度生殖医療施設に安易に引っかかってしまいます。<br>　不妊治療にあたってまずは助成金云々に一生懸命になるのではなく、治療は自分で働いて稼いだお金で受けるのだという基本的な姿勢が必要です。そうした真摯な患者の気持ちが患者の役に立ちたいとする医師の心を動かします。そして手塚治虫の名作の主人公ブラックジャックが手術で数々の奇跡を起こしたように、不妊治療でも数々の奇跡を起こしているのです。<br>
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<link>https://ameblo.jp/skanto/entry-12933689075.html</link>
<pubDate>Fri, 22 Feb 2019 22:58:10 +0900</pubDate>
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<title>商業主義に染まった日本の体外受精と世界最低の妊娠率ーついに学会のトップが苦言ー</title>
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<![CDATA[ 　9月18日放映されたNHKのクローズアップ“精子クライシス”で日本の生殖医療（体外受精）は商業主義（利益追求）が強まったのと同時に、世界最低の妊娠率となったことが、初めて生殖医学会の権威ある立場の先生から公にされました。本ブログを読まれていた方々にすれば今更の感が強いのではと思われます。世界で最も人口当たりの体外受精施設数が多い日本において、さらに新たな体外受精施設の新設が続いており、さらに妊娠に結びつかない体外受精の採卵周期数が増加するのではと危惧されます。しかしついにSNSやメディアそして生殖医療専門医の中で一部の良識のある方々が、不妊で悩む方々の意識を目覚めさせつつあります。そして国内の体外受精施設での採卵周期数はついに減少に転じ始めました。中には閉鎖や廃業に追い込まれる施設も出ているようです。<br>　体外受精施設が競合するようになってくると、優位性を示すための差別化に利用されるのが男性不妊診療です。男性不妊専門外来を設置し、中には男性不妊専門医を常勤で雇うなど様々ですが、実力のある泌尿器科医であれば間違っても産婦人科医に雇われることはありませんし、非常勤で体外受精施設に出向くことはありません。逆に泌尿器科医が産婦人科医を雇って無精子症の治療を積極的に行うところも出てきましたが、micro TESEと体外受精にダブルで助成金が出ることをいいことに、micro TESEと体外受精を一等地で高額な料金で行っており、商人気質丸出しです。<br>　それでは儲け主義ではなく、患者本位で医療を行ってくれる生殖医療施設はどうやって見抜いたらいいのでしょうか？これまでの本ブログをすべて読んでいただければその目を養っていただけますが、改めて患者さんの弱みに付け込んだ商業主義の生殖医療施設を見抜くポイントを列挙します。<br><br>１：体外受精関連雑誌に大きく取り上げられたり、インターネット検索サイトのトップぺージに広告と左上に記されて掲載される施設（バカ高い広告料を支払ってまで儲けたい）<br>２：チェーンやフランチャイズで拡大経営している施設（基本的にブラック企業でスタッフや患者さんにとって良い施設ではない）<br><br>ここからは実際に体外受精施設で治療経験しないとわからない内容です。<br><br>３：胚凍結を5日目の胚盤胞まで待たずに3日目や2日目で凍結保存して胚移植する施設（移植キャンセルを少なくして妊娠率の低い初期胚を多数回移植して移植代を取りたい）<br>４：男性不妊外来があるが、一人一人すべての男性パートナーに受診を勧めない施設（男性不妊外来は動物園の客寄せパンダで、男性不妊外来を目玉にできるだけ体外受精に誘導したい）<br>５：2010年のWHOの精液検査基準を大幅に上回る基準値で男性因子を判定してそれを理由に体外受精を勧めてくる施設（体外受精に持っていく理由を欲しがっている）<br>６：体外受精を勧めて嫌がられたり抵抗を示されて初めて男性不妊外来や泌尿器科受診を進める施設（最初から儲けに繋がらない自然妊娠させることなど考えていない）<br><br>ここからは無精子症に関しての内容です。<br><br>７：micro TESEで同時に採卵をやりたがる（精子が見つからなくても採卵代が取れる）<br>８：学会で禁止されているドナー精子の顕微授精をヤミで行っている（助成金を不正に受け取っている）<br>９：学会で禁止されている親族精子を用いた顕微授精をヤミで行っている（助成金を不正に受け取っている）<br><br>医師の真の技術と良心を見抜くことは一般の方々にとっては至難の技です。思い通りの結果が出なかった時に初めて真実が見えてしまい治療を受けたことを後悔される方があまりにも多いように見受けられます。<br>
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<link>https://ameblo.jp/skanto/entry-12933689073.html</link>
<pubDate>Fri, 26 Oct 2018 23:17:18 +0900</pubDate>
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<title>顕微鏡下精索静脈瘤低位結紮術の顕微鏡加算保険適応の弊害とは？</title>
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<![CDATA[ 　2018年４月より顕微鏡下精索静脈瘤低位結紮術が顕微鏡加算保険適応となり、手術自体に12万円ほどの診療報酬がつくようになりました。その以前は保険診療で行うには開腹手術である高位結紮術の点数である2万円ほどの診療報酬しか得られませんでした。そのため以前は開腹手術に準じて全身麻酔、２泊３日入院していただいても採算性に乏しく、顕微鏡加算が得られないことから手術用顕微鏡も専用で使えないため、脳外科や整形外科の顕微鏡を空いている時に使用させてもらうなど、かなり肩見狭い思いをしながらも1000例以上の手術をこなしました。精索静脈瘤の手術でもっとも重要なポイントは２点あります。それは正しい手術適応と正確な手術手技です。これらがきちんとクリアされていれば、術後の妊娠率は極めて高く、その昔、手術を受けられた患者さん全員の追跡調査をしたところ80％近い方で妊娠が達成されてました。そうなると口コミでどんどん患者さんが増えてきますので、ある年には大晦日の前日まで１日３件手術をこなしたこともありました。しかしそこまでくると他の手術枠が無くなってしまい病院に文句を言われるようになりました。病院にとっては精索静脈瘤手術は利益が全く上がらない手術でしたから当然といえば当然です。<br>　そこでクリニックを立ち上げて、本来の姿であるべく外来手術に切り替えて、そのため患者さんの出費は増えましたが私費診療にさせて頂きました。この度顕微鏡下精索静脈瘤低位結紮術が顕微鏡加算保険適応となり、12万円の日帰り手術に切り替えるべきかどうか悩みましたが、この診療報酬では質の高い手術を継続的に提供することはできないと判断し、そのまま現在の料金での私費診療で継続することにしました。その結果意外にも、顕微鏡下精索静脈瘤低位結紮術を私費で希望される方は減らずして増える結果になりました。それと同時に他院での手術後にトラブルを抱えて相談に来られる患者さんも増えることになりました。<br>　その昔、顕微鏡下精索静脈瘤低位結紮術を開腹手術の診療報酬で実施するとあまりにも採算性に乏しいため、病院では疎まれる手術でした。しかしこの度診療報酬が10万円ほどアップしたため、全身麻酔２泊３日入院にすれば30万円以上の診療報酬が生まれることになり、全身麻酔で入院下で行えばいきなり利益の出る手術になりました。そのため、顕微鏡下精索静脈瘤低位結紮術は十分な顕微鏡手術のトレーニングをしてからしなければいけないのに、そうした準備なしに新規参入する施設や医師が増加し、そのために手術しても治らない患者が続出することになりました。<br>　医療の保険適応というのは一見患者さんにとってメリットがあるように思われがちですが、実のところ必ずしもそうとは限りません。技術が高くても低くても同じ診療報酬にして医療の格差を生じさせないようにするというのが国民皆保険制度の基本であるとも言えます。そのためより良い手術を行うために私財を投じて技術習得しても、何もしなくても自分に返ってくるものに違いがないと思えば、今の世の中で私財を投じてまで患者さんのためになる医療のトレーニングを受けようとする医師がどれほどいるでしょうか？そして今回の顕微鏡下精索静脈瘤低位結紮術は顕微鏡加算の保険適応により、病院にとって利益の出る手術となったために、不正確な手術適応と手術手技が拡大しつつあるのではないかという懸念が生じています。<br>　では今回の顕微鏡下精索静脈瘤低位結紮術保険適応で最も得をしているのはどういう方々でしょうか？それは実は体外受精を専門に実施している施設です。意外に思われるかもしれませんが、実は体外受精施設ほど顕微鏡下精索静脈瘤低位結紮術を日帰りでしかも保険診療でしたがっているのです。なぜでしょうか？それは高額な私費診療で多数の体外受精を実施している施設では、利益追求中心ではなく良心的な施設であるというアピールをすることができるからです。日帰りでしかも保険診療で顕微鏡下精索静脈瘤低位結紮術をしてもらえれば、自己負担は3万円ほどとなりますから、患者さんにすればメリットは大きいように映ります。しかし理解しなければいけないのは、体外受精と自然妊娠を目標とする精索静脈瘤手術は時に相補的に働くものの、大部分においては競合する治療法であるということです。つまり利益をより大きく生み出す体外受精をたくさんしてもらいたいと経営者が願っている施設で、日帰りで保険適応で行えば採算が取れないにもかかわらず、自然妊娠を目的とした精度の高い手術を数多くしようとするだろうかという疑問が生じます。実際に体外受精施設での顕微鏡下精索静脈瘤低位結紮術は30分程度で終わりますと説明され、時間短縮の粗雑な低コスト手術を実施しながら患者さんにはレベルの高い手術を低料金で提供しているのだと錯覚させているような気がします。そうした手術を受けた患者さんの多くはやはり自然妊娠しないからいずれ体外受精に進みましょうと誘導をかけられます。つまり体外受精施設での顕微鏡下精索静脈瘤低位結紮術を日帰りでしかも保険診療で提供するという謳い文句は患者誘引の手段としていることに他ならないように思われます。<br>　同じ手術なのに施設によって保険診療で入院だったり、日帰りだったり、私費診療だったり、なぜなんだと疑問に思われていた方は多いのではないでしょうか？ならその疑問に対する答えは簡単です。それらは術式名が同じであっても手術の目的と内容は決して同じではないからです。<br>
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<pubDate>Fri, 31 Aug 2018 23:26:27 +0900</pubDate>
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<title>どうしてここまでmicro TESEを受けて救われない患者が増えてしまったのか！？</title>
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<![CDATA[ 　今年5月からFNA Mappingを本邦で初めて本格的に開始し、これまでのmicro TESEと異なり、陰嚢を切開することなく精子の存在部位を明らかにできるようになりました。中には他院で両方の精巣に対してmicro TESEを受けられて精子が見つからなかったにもかかわらず、当院でのFNA Mappingで初めて精子の存在が明らかとなった方もおられます。その結果日本中からmicro TESEを受けられて精子が見つからなかった方々が当院を受診されるようになりました。そしてこれまで明らかにされてなかったいろいろな問題が浮かび上がってきました。<br>　その中で最大の問題はmicro TESEを両方の精巣に受けた方々は例外なく血液中の男性ホルモンの濃度が手術前より下がっており、大半の方が手術前の約半分の値となっていたことです。そのため精子がmicro TESEで見つからなかったショックと相まって、易疲労感、鬱状態が顕著となっており、中には骨粗鬆症から骨折をきたした方もおられました。また男性ホルモン低下はメタボリック症候群を惹起することが知られており、micro TESE後に急性疾患を起こして救急車で搬送された方もおられました。このような患者さんたちに共有している事実として、ほぼ例外なくmicro TESE後のフォローを執刀医師から受けておられません。micro TESEを受けるまでは熱心に接してくれるのに、精子が見つからなかった途端に放り出されてしまう方々があまりにも多いように見受けられます。特にこうした手術後のフォロー不足は本邦でmicro TESEを大々的に実施している体外受精施設、中でも婦人科医による執刀が行われている施設で顕著な傾向が見受けられます。<br>　本邦では非閉塞性無精子症からmicro TESEで精子を回収できる確率は平均で30％を切るようになっています。これは米国では50%程度となっているのに対して明らかに低いのです。その原因は人種差にあるという説もありますが、米国と日本の間の医師の技術差もあるように思います。米国は市場原理が医療を支配していますので、自由診療が基本となっています。したがって医師の技量、実績、経歴などはすべて公開されており、患者さんは自由に自分の医師を選べますが、需要と供給のバランスが市場価格を決定する以上、優れた医師に診てもらうには高いお金を払わなくてはいけなくなります。一方日本では社会主義政策の立場から保険診療を基本としており、医療の平等性を維持するため、医師の経歴、専門性、技量のレベルなどの情報公開は法律で規制されています。しかしこれは厳しいトレーニングを経てもそうでなくても同じ手術をしていると扱われるということですから、ここまで専門分化した現代の医療を行うにあたって、医師の技術の進歩にとっては大きな足かせとなります。例えば外国のミシュラン認定レストランで長年私財を投じて厳しい修行を積んでから帰国してレストランを始めても、レシピを見て料理を作る主婦のレベルでレストランを初めても同じとみなされるということと同じです。料理であれば食べて不味かったらもう２度と行かなくて済みますが、micro TESE は高い技術を持って行っても精子が見つからなかったのかどうかは患者さんには決してわからないのです。そして一般に技術が低い術者ほど組織の採取量が多い為、逆に精子は発見しづらくなり、後遺症も大きくなりがちです。<br>　こうした背景からmicro TESEを受けられる方々の多くはインターネットや雑誌を見て有名なところを探して手術を受けているようです。しかし以前のブログ記事でも指摘しましたが、こうした情報は多分にmicro TESEを経営戦略としている体外受精施設によって多額の資金が投じられて操作されており、そうした著名な体外受精施設は自分の施設で精子が見つからなくて、他の施設で見つかったと言われることを極端に嫌う結果、そういう事態にならないよう micro TESEで精巣組織を採取しすぎてしまうきらいがあります。この背景にある心理は白雪姫の物語で継母がナンバ−２となることを決して許せず、白雪姫を抹殺しようとする心理に共通しています。<br>　micro TESEそれ自体はかつて子供を作ることができなかったご夫婦に福音をもたらした素晴らしい治療法です。しかしその手術が体外受精施設の思惑に利用された途端、多くの男性を後遺症で生涯苦しめる結果となってしまいました。現在米国と英国ではmicro TESEを受けて性線機能低下症となった患者団体から集団訴訟が起こっている話を米国で聞いてきました。本邦でもここまで無秩序にmicro TESEが行われていたらいずれ同じ状況になるかもしれません。そうした事態を避けるため、苦労に苦労を重ねてついにFNA Mappingを始めるに至りました。そしてこれ以上本邦で不幸な患者さんを増やさないようにするため、今年9月旭川で開催される日本生殖医学会総会の講習会で当院のスタッフが講師としてmicro TESEを他院で受けられた方々のデータを公表し、以上の問題を公に喚起することになりました。男性不妊治療に携わる多くの医療従事者に聴いていただきたいと願います。<br>
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<link>https://ameblo.jp/skanto/entry-12933689068.html</link>
<pubDate>Fri, 13 Jul 2018 20:50:26 +0900</pubDate>
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<title>micro TESE vs FNA Mapping　その知られざる真実とは！？</title>
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<![CDATA[ 　男性不妊専門クリニックを開院して早１年が過ぎ、日本各地でmicro TESEで精子回収不可であった方々から問い合わせと受診が増えてきました。それは米国からmicro TESEで精子回収不可だった症例の29%でFNA Mappingで精子確認可能であったとする報告がなされたためです。特に非閉塞性無精子症のうち最も重症とされるセルトリオンリー症候群においては31%で精子確認可能でした。セルトリオンリー症候群においてはmicro TESEの技術が最も要求されるとされ、本邦でmicro TESEを数多く行っている施設でも精子回収率はせいぜい20%台にとどまっていることから、FNA Mappingの有用性がどれだけ高いかが伺えます。その研究では米国20カ所の都市、米国以外の20か国の計40施設の40人の専門医による施術の結果が集計されており、データの信頼性の高さが伺えます。<br>　それではどうしてmicro TESEが本邦で急速に普及し、FNA Mappingは普及しなかったのでしょうか？その理由は以下です。<br>　micro TESEはそもそも米国の有名な高度生殖医療施設で開発されました。そのためmicro TESEは本邦でも顕微授精を数多く手がける高度生殖医療施設を中心に行われてきました。そして顕微授精を多数手がける高度生殖医療施設にとってはmicro TESEは顕微授精に直結するため、無精子症の治療として受け入れられやすかったと言えます。特に世界一人口当たりの高度生殖医療施設数が多い本邦では、自院を他院に対して差別化できる手段になりえたため、小生が仙台市の施設でmicro TESEの精子回収率と妊娠率を本邦で初めて論文報告してから、急速に全国に広まっていきました。<br>　一方でFNA Mappingは米国の著名な男性不妊専門施設で基本的には顕微受精を実施する高度生殖医療施設とは独立して開発されました。FNA Mappingは精巣のどの場所で精子が作られているかをあらかじめ確認する検査であり、精子が存在するか否か及び存在する場所を明らかとしてからmicro TESEを行います。従って精子が存在しない方にとっては無駄なmicro TESEを行わなくて済む一方、精子が存在する方にとっては２度手間となると考えられました。本邦ではこのような男性不妊専門施設は小生の施設を含めて全国で数か所に過ぎませんので、FNA Mappingが今日まで取り上げられなかったのは全く無理もありません。<br>　FNA Mappingのメリットは精子存在の有無と存在場所を明らかにできることより、切開ラインを精子存在部位に合わせることができ、その結果micro TESEによる精子発見の感度が格段に上がることで、事実FNA Mappingで精子が確認された96%のケースで精子が回収されています。しかも片方の精巣にしか精子が存在しない場合は、精子の存在しない精巣に対する無駄な切開を避けることができます。本邦で不適切と思われるmicro TESEで両側精巣の切開を受けた後、男性ホルモンの低下が顕著になる方も時折見受けられることから、こうした無用な手術の回避の意義は大きいように思われます。さらに精子の存在しないケースに対するmicro TESEを省けることにより、医療費のトータルのコストを下げられることが米国で証明されました。米国で非閉塞性無精子症に対するmicro TESEは20000ドル（約220万円）で、FNA Mappingは6000ドル（約66万円）で実施されているためそのコスト差は大変大きいと言えるでしょう。これはmicro TESEが概ね30~40万円で行なわれてしかも助成金まで支出されている本邦とは対照的な観点と言えます。<br>　そしてmicro TESEとFNA Mappingの普及の差を決定付けた理由はもう一つあります。micro TESEは技術認定制度がなく、その結果ただ手術用顕微鏡を導入しましたという程度のハード面の整備のみで術者の十分なトレーニング無しのまま始められました。特に先進国の中で人口当たりの高度生殖医療施設数が極端に多い本邦ではその傾向が強く出ています。一方でFNA Mappingは技術認定制度が設けられていました。そのためFNA Mappingを行うにあたっては、登録と契約が義務付けられ、教育プログラムと技術的修練を踏んでから試験を通過してから実施しなければならず、そのために必要な契約費用は66000ドル（約726万円）かかるとされました。<br>　そしてその結果としてmicro TESEで精子が見つけられなかったにもかかわらず、FNA Mappingで精子が確認出来るケースが約３割にもなってしまったと考えられます。こうしたFNA Mappingで救済されたケースのデータ集積から、micro TESEで死角になりやすい場所も明らかとなりました。そのため最近になってそうした死角をできるだけ少なくした工夫をmicro TESEに新たに導入したことにより、かつて30%を切っていたセルトリオンリー症候群からの精子回収率は明らかに上昇してきました。実際先月実施したセルトリオンリー症候群３名から連続して全員で運動精子が回収できました。micro TESE 1200症例あまりを経験していたにもかかわらず、さらに一歩前進できたように思います。FNA Mappingを考案された先生を昨年小生のクリニックにFNA Mappingの実施トレーニングのためお招きして食事をした際伺ったことは、これほど高名な医師でありながら、未だに術者として完成したとは思っていないと言う言葉でした。本邦では自分が一番と世間にアピールされている医師や施設が目立つように思われ、対照的な姿勢と思いました。<br>　FNA Mappingを本邦で開始するのは大変ハードルが高いのですが、その真髄を明日の医療に応用することは工夫と創意でできます。精子がいないのはあなたの問題であとは提供精子を使うか諦めるか決めてくださいと放心状態のカップルを突き放すのではなく、医師、看護師、胚培養士、患者とその配偶者が各々の治療の長所短所そして可能性と限界をラウンドテーブルで情報を共有しながら、手術に至るまでのプロセスと手術が終わってからのプロセスをもっと大切にしないといけないと、昨今難民と化したカップルに接してつくづく思います。<br>
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<link>https://ameblo.jp/skanto/entry-12933689067.html</link>
<pubDate>Sun, 21 Jan 2018 18:39:18 +0900</pubDate>
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<title>増え続ける体外受精による出生児ーその裏側にある事実ー</title>
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<![CDATA[ 　9月16日の読売新聞に赤ちゃん19人に1人、体外受精で誕生という記事が掲載されました。<br>https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20170916-00050079-yom-soci　この数字を見ると体外受精がもはや特殊な治療でななく、一般的な治療であるような印象を覚えます。またこれから不妊治療をされる方々の目には体外受精はもはやトレンディと写り、いざとなったら体外受精をすれば誰でもすぐに妊娠できるという先入観を招かないでしょうか？<br>　ここで注目すべきは記事で掲載している日本産婦人科学会が公表した体外受精治療件数と出生児数の年次折れ線グラフです。2015年の集計では治療件数は42万4151件で出生児数は5万1001人となっています。すなわち体外受精を８回以上やってやっと１人赤ちゃんが生まれているということを意味しています。体外受精が１回あたり50万円として計算すると赤ちゃん１人世に送り出すのに400万円以上かかる計算になります。<br>　さらにグラフから読み取れるのは治療件数／出生児数の比率は年々大きくなっていて、治療件数増加の傾きは出生児数増加の傾きよりはるかに急峻になっている事実です。例えば10年前の2005年では治療件数は約10万件であるのに対して出生児数は約２万５千人ほどです。つまり2005年では体外受精４件で１人の赤ちゃんが生まれているのに対して、2015年では体外受精８件で１人の赤ちゃんが生まれており、赤ちゃん１人出生あたりの治療件数は増え続けているのです。<br>　この事実は出産に結びつかない治療周期が出産に結びつく治療周期よりより高い加速度でもって増加していることを意味しています。簡単に言えば出産に結びつかない治療周期が著しく増えているのです。その理由のひとつとして体外受精を行う施設数が年々増え続けている事実があります。そして体外受精施設が増え続けても、妊娠しなければ施設間を患者がお互いに移動するため、施設同士は競合せずしかもお互いに収益が確保されているということは容易に推察されます。<br>　体外受精で受精しても、受精卵が５日目の胚盤胞に到達できずに胚移植がキャンセルになり、或はキャンセルを避けて２日目や３日目の妊娠の可能性が低い胚移植をあえて行って妊娠に至らない治療周期にどれだけのお金が費やされているか、本当は国や国民も知らなければいけないのではないでしょうか？<br>　ところで胚発生の要は精子のDNA integrityです。卵子の老化がよくとりあげられますが、遺伝子損傷は常に細胞分裂をする精子でより顕著になります。そのために男性パートナーは精子を提供するだけではなく、男性不妊専門医のもとで適切な治療を受けながら必要に応じて体外受精を行うことが望ましいと言えます。しかし体外受精施設付属の男性不妊外来では患者のためというよりは体外受精施設の集患対策としての差別化戦略として利用されているだけで、必要にして十分な治療がされているとは言い難い状況です。その背景には男性不妊診療が自然妊娠を目指すものであるだけに体外受精施設の利益に反するものであること、日本では男性不妊治療は単独では収益に乏しく採算性に乏しいという現実があります。これでは男性不妊診療は泌尿器科医にとってはなかなかやる気が出ないということになってしまいます。来る10月1日に男性不妊専門医として高名な米国のTurek教授が仙台で講演をされます。Turek教授のところで治療を受けた男性の65％で自然妊娠が達成され、体外受精が必要になったケースは13％と国際学会で少し前に発表されました。その理由は明瞭で、Turek 教授の治療ではあらゆる男性因子を除去するため、カウンセリング、サプリメント、ホルモン療法、手術療法など実施されます。適切な治療方針に至るにはまずは詳細な問診、診察、検査が必要で、Turek教授の診察を受けるには初診料のみで約10万円です。つまりこれくらい男性には本気になってもらう必要があるのです。いつか女性だけが辛い思いをする不妊治療が変革される時代が日本でも到来することを願って止みません。<br>
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<link>https://ameblo.jp/skanto/entry-12933689065.html</link>
<pubDate>Tue, 19 Sep 2017 21:28:37 +0900</pubDate>
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<title>ここまであてにならない高度生殖医療施設の自主公表妊娠率</title>
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<![CDATA[ 　体外受精や顕微授精などの高度生殖医療を実施している施設では自身の施設における妊娠率をホームページなどで公表しているところが多く見受けられます。しかしこうした数字にはほとんど意味が無く、治療成績を比較することもできません。一方でそれらをご覧になった一般の方々は多少お金がかかっても高度生殖医療さえ繰り返せば、待望の妊娠から出産に至るものと思い込んでしまわないでしょうか？特に治療周期数の多い施設では、巧みな母集団の操作により、治療の実態にそぐわない高い数字を公表しているところがある可能性は否定できません。その一方でこうした妊娠率の公表に学術的或は道義的な疑問を持つまっとうな産婦人科医師であっても、一応数字を公表しないと一般の方々に成績が悪いからではないかとあらぬ疑いを抱かれかねないことから、不本意にも横並びの数字を公表せざるを得ません。<br>　まず気をつけなければいけないのは一般的に施設毎に公表されている胚移植あたりの妊娠率の解釈です。施設によっては凍結融解胚盤胞移植あたりの妊娠率を単に胚移植あたりの妊娠率として公表しているのではないかと思われます。しかし同じ胚移植でも凍結融解胚移植あたりの妊娠率は新鮮胚移植あたりの妊娠率より高くなります。その理由として卵巣刺激後の子宮内膜が落ち着いてから移植した方が着床しやすいためという考え方もありますが、凍結融解胚移植を実施する母集団ではそもそも卵巣機能が良く実は体外受精が必ずしも必要でない女性が多く含まれているためである可能性があります。卵巣機能の良い女性では卵巣刺激により卵巣過剰刺激症候群(OHSS)になるため、卵巣が落ち着くまでは胚移植ができず、全胚凍結することになります。もし卵巣が落ち着かないまま着床すれば、OHSSは進行し重篤な状態に陥りかねません。また胚凍結に至る方はそれだけ余剰胚があることから卵巣機能が良い方が母集団に含まれる可能性が高いことになります。それはそうとして問題と思われることは、凍結融解胚盤胞移植あたりの妊娠率をあたかも胚移植あたりの妊娠率であるかのような誤解を与えていることです。受精卵は５日目に胚盤胞まで育って初めて着床が可能になります。しかし受精卵が全て胚盤胞まで育つわけではありません。それでも３日目の胚、場合によっては２日目の胚を凍結融解して移植している事例もしばしば見受けられます。受精卵の数が少ないと胚盤胞まで至らず、移植がキャンセルとなるリスクが高くなるためでしょうが、凍結融解胚盤胞移植あたりの妊娠率を公表しておきながら、実際はメインには２日目や３日目の胚を凍結融解移植している施設が多数存在しているものと思われます。<br>　そこで採卵あたりの妊娠率を公表している施設もあります。しかしこの妊娠率は採卵周期あたりの妊娠率ではないことに注意が必要です。つまり卵巣刺激をしても卵子が採取できず、卵子が採取されても未成熟卵や変性卵のため顕微授精がキャンセルになることもあり、こうした採卵周期を母集団に含めるかどうかは施設の裁量でいかようにも操作できます。<br>　さらには採卵周期あたりの妊娠率を出したとしても、その数字の解釈にはやはり注意が必要です。なぜなら一般的に胚移植着床後の流産率は女性の年齢に伴いとても高くなりますので、同じ患者さんが何回も着床して妊娠数としての分子を押し上げている可能性があるからです。その絡繰りがわかっていてかわからずしてかは不明ですが、胎嚢が見えた段階で臨床妊娠としてカウントしている施設が多いように見受けられます。<br>　これまでの多数の研究から受精後の発生と着床、胚の発育には精子のDNA integrity（遺伝子の状態）がかなり重要であることは間違いありません。したがって米国の男性不妊専門医は児の１人出生あたりの医療費を治療効率の目安として算出して公表しています。例えば精子のDNA integrityを改善させる精索静脈瘤の根治は自然妊娠のみならず、体外受精などの妊娠率を上げて流産率を減らすことも報告されています。これから不妊治療を始められる方々にとっては治療によって実際に健常児に恵まれる可能性とそこにかかる費用が一番の関心事であるため、１人出生にかかる費用の算出は最も合理的な指標と言えます。したがって不妊治療カップル数がさほど増えていないにも関わらず、体外受精や顕微授精の治療周期数が増え続けている日本の現状を考慮すると、本当は高度生殖医療により１人出生にかかっている医療費についてきちんと計算して公表しなければいけないのではないでしょうか？しかしその数字が公表されて現実を知ることの是非もあるかもしれません。なぜなら多くのカップルは不妊治療で実は夢を買っているという現実があるからです。そうであれば受精卵が一個も胚盤胞にならず移植ができず失望するよりは、着床する可能性の低い３日目や２日目の胚を移植して妊娠反応が出るかもしれない夢を持てる方が一時的にせよ幸せであるかもしれません。しかしその患者心理を商業主義に利用しているとしたらそれはそれで大きな問題と思います。人間は生きて行くのに夢は必要です。しかし数字を出す以上は集患のため見るものに思い込みを抱かせる事を目的とするのではなく、治療の現実に対峙させるものでなくてはいけないのではないでしょうか？<br>
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<link>https://ameblo.jp/skanto/entry-12933689064.html</link>
<pubDate>Sun, 13 Aug 2017 20:22:24 +0900</pubDate>
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<title>ここまで急成長した無精子症ビジネス</title>
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<![CDATA[ 　男性の１％に存在とする無精子症、その８割は精巣の中で精子が正常に造られていない非閉塞性無精子症と言われています。<br>　非閉塞性無精子症に対する究極の治療法がmicro/MD-TESEです。手術用顕微鏡で精巣の中から精子を造っているところを選択的に採取する術式は、非配偶者間人工授精しか選択肢が無かった無精子症カップルに父親と遺伝学的に繋がった児の出生のチャンスを生み出すことに成功しました。この術式を最初に考案して発表したのがコーネル大学のシュレーゲル教授という高名な男性不妊専門医です。その先生の論文によれば、非閉塞性無精子症の中で最も重症とされるセルトリオンリー症候群ですら50％を超える精子回収率で、まさに非閉塞性無精子症のカップルにとっては福音となる治療法と思われました。<br>　そのため小生は本邦で最初にfresh TESEという採卵とmicro/MD-TESEを同日に実施する術式を導入し2007年にその優れた成績を報告しました。当時の非閉塞性無精子症に対する精子回収率は43%というシュレーゲル先生の報告よりは少し低い数字でした。しかしその結果は新聞などのメディアに掲載され、米国泌尿器科学会総会で受賞をしたことなどもあり、その後多くのよりシビアな無精子症のカップルが小生のもとを受診するようになりました。その結果、染色体検査や遺伝子検査が正常であった非閉塞性無精子症から精子が回収される確率は30％程度まで下がることになりました。<br>　そうなるとfresh TESEにより、精子が回収されない70％のカップルに対して無駄な卵巣刺激と採卵をすることになってしまう現実に直面することになりました。micro/MD-TESEで精子が回収できなかった場合は第三者精子を用いた人工授精であるAIDが呈示されることになりますので、夫の精子が回収されなかった場合は第三者精子を妻の卵子に顕微授精する選択肢がカップルに与えられる可能性を考えました。しかし学会は第三者精子を用いた顕微授精は商業主義に繋がりかねないという懸念から禁止するスタンスでした。さらに精子凍結技術が洗練され、精子を凍結しても妊娠率に影響ないケースがほとんどであり、全例にfresh TESEを実施する理由は無くなりました。現在ではfresh TESEは精子凍結が厳しい一部のケースでのみ適用することにしています。<br>　その後本邦ではmicro/MD-TESEに助成金が支給されることとなり、人口あたりで高度生殖医療施設が最も多い本邦ではmicro/MD-TESEを重要な差別化戦略とする高度生殖医療施設が登場することになりました。そうした施設では男性女性ともに同一の施設で治療できることをアピールし、fresh TESEを精子回収率が30％を下回る状況で実施しています。fresh TESEを実施するとなると男性側と女性側の治療費用の総額はゆうに100万円を超えることになりますので、１回の治療単価としては不妊治療の中では最大となります。<br>　助成金という公的資源がこうした非効率的な治療に投入されることの是非には議論の余地はあるでしょう。一方で自由診療なのでお互いに合意の上であれば、何も問題ないという意見もあるでしょう。しかし問題は70％もの精子を回収されなかったカップルから人質であるかのごとく卵子を凍結保存し、学会認定施設として助成金を間接的に受け取る立場でありながら、学会で禁止されている親族の精子を顕微授精することを水面下に実施している施設があることです。そして精子回収不可のカップルの一部は医療機関側が終止符を唱えても当事者の中では終わりと成らず、不妊治療難民となって他の医療機関を渡り歩くことになってしまうことです。<br>　micro/MD-TESEはいまや巨額のマネーを生むビッグビジネスとなりました。micro/MD-TESEが不成功に終わった患者が前向きに生きて行けるように支えることより、新規の無精子症カップルの獲得に腐心するあまり、お金も希望も奪われた患者が次から次へと放出されています。科学の進歩は広く人類の福祉に貢献してきました。しかしmicro/MD-TESEという医学の進歩はそれによって初めて子供を設けられる幸せなカップルを生み出したのと同時に、皮肉にもmicro/MD-TESEがなければそれほど苦しみ悩むことにはならなかったかもしれないカップルを何倍も生み出す結果になってしまったのです。それにもかかわらず、そこに何ら疑問も感じること無く、かくも患者を救えない医者と救われない患者が増えたことに、医療ビジネスの末路を感じざるを得ません。<br>
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<link>https://ameblo.jp/skanto/entry-12933689063.html</link>
<pubDate>Sat, 08 Apr 2017 00:32:22 +0900</pubDate>
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<title>それでもあなたは不妊治療雑誌や不妊治療ネットを見て治療施設を決めますか？</title>
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<![CDATA[ 　小生が東北地方で初めて男性不妊専門施設を開設して来月で半年になります。開院日から連日男性不妊顕微鏡手術をこなしているのですが、口コミや医師からのご紹介で手術待ちは２ヶ月半以上になってしまいました。医院広告は一切出しておらず、ホームページのSEO対策なるものにも一切お金はかけていません。そのため自費診療の手術費用は他の施設に比べて相当安くなっています。<br>　一方で開業してから、いろいろな広告代理店や不妊雑誌編集者から広告を出しませんかとお誘いが来るようになりました。診療時間中に電話で勧誘されたりすると本当に迷惑です。中には有名タレントと一緒に座談会の企画などもあり、話をついつい聞くと、最後には雑誌掲載料として、目玉が飛び出るような広告料を支払うよう言われます。<br>　先日もある不妊治療雑誌編集者より、男性不妊特集を組むので掲載しませんかとお誘いが来ましたが、院長の顔写真を載せたり、インタビューを載せたりすると、高額な料金となるようでしたので断りました。しばらくしてその男性不妊雑誌が発売されたようなのですが、全国の男性不妊施設の紹介一覧で、小生のクリニックの所在地が実際とは異なる別の県の記載になっていると、親切な不妊治療仲間の先生方から連絡が来ました。びっくりして雑誌を見てみると、小生のクリニックと同じ地域で男性も不妊治療をしているとプロパガンダしているある施設が雑誌の冒頭で幾ページにもわたってカラー写真で掲載されており、一方で小生のクリニックはモノトーンのリストの中で、実際の所在地とは別の県にあるとする記載を勝手にされていたのです。<br>　早速抗議の電話を雑誌編集者にしたところ、年に４回も発刊しているので、広告費を支払っていないクリニックの詳細までいちいち気にしてはいられないというような開き直りの対応で、あきれてしまいました。その雑誌では内部事情を知っている立場からすればいささか怪しい不妊治療施設まで大きく紹介されており、逆に堅実な診療をしている施設はあまり載っていません。<br>　こうした不妊治療紹介雑誌は普通に書店で販売されており、不妊治療を始めようという方々はこうした雑誌を見て、目立つところを良い施設だと思って受診するかもしれません。だとするとそれは決して賢明とは言えず、こうした広告業者と広告を出している治療施設の策にはまってしまいます。広告費を多く費やす治療施設では治療費用は高額化し、妊娠の可能性の極めて低いカップルであっても構わず治療対象者の獲得に精を出すことになります。<br>　このような傾向は雑誌のみではなく、不妊治療施設を紹介するネット業者にもあてはまります。多くの広告費を支払うところを先頭にあるいは大きく掲載するだけで、実際の治療実績や診療技術を客観的に評価して反映させたものでは決してないのです。<br>　こうした金にものを言わせる医業広告は自由診療を主とする美容外科や顕微授精の周期数が多い不妊治療施設に特徴的で、健康保険で診療を行う通常の病院ではまずありません。<br>　世の中には人の弱みにつけ込んだ商売は他にもたくさんあります。詐欺事件では騙される方にも理由があるからと言うひともおりますが、愚かであるから騙されて搾取されていいということは如何に資本主義の末期的段階にあるとはいえ、許されてはいけません。このブログにたどり着いておられる方は既に不妊治療を経験されてその問題に気づいた方が多いだろうと推測します。しかし多くの新規の患者さんは商業主義に徹した雑誌やネットを見て、受診先を決めてしまっているのかもしれません。日本の学校教育でもそろそろ賢明な消費者になるためにはどうすればよいのかということを真剣に教えなければいけないのではないのでしょうか？
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<link>https://ameblo.jp/skanto/entry-12933689062.html</link>
<pubDate>Mon, 30 Jan 2017 22:40:01 +0900</pubDate>
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