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<title>cliche*</title>
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<description>すき、すき、すき。</description>
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<title>雪の国 1</title>
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<![CDATA[ <p>夢だと思った。</p><p>でもそれは夢なんかじゃなくて、確かにそこにある触れられるもの、感じることのできるものだった。</p><p>それでも信じることができなかった。</p><p>触れて、感じるその指先からは、冷たさと現実の非情さしか感じられなかった。</p><p>信じたくなかった。</p><br><br><br><hr color="#cccccc" size="1"><p><font color="#9999ff"><font size="2">雪 の 国</font> <font size="1">/ 　1.表情のない少年少女</font></font></p><hr color="#ffc0cb" size="1"><hr color="#ff1493" size="1"><p><font color="#9999ff"><br></font></p><p><font color="#9999ff"><br></font></p><br><p>今年もまた夏が来た。</p><p>ミーンミーンと鳴く蝉と、最近一際高くなった気温がそれを告げている。</p><p>窓側の席に座った村上 小春は、眉間に深い皺をよせ、黒板の文字を睨みつけていた。イライラしているようだ。</p><p>小春の席に容赦なく降り注ぐ陽射しも、痛いくらいに肌に刺さる紫外線も、校庭から聞こえる体育中の騒ぎ声も鬱陶しくてたまらない。</p><p>涼しい風を運んでくれるクーラーと目前に迫った夏休みだけが今の救いだ。</p><p><font color="#9999ff"><br></font></p><p><font color="#000000">「小春！小春！」</font></p><p>「なに？」</p><p>「あれ、幸太くんじゃない？」</p><br><p>小春は面倒くさそうに、前の席に座っている花澤 佳奈子が指差す方向に目を向けた。</p><p>そこには体育の授業中なのか、片手にボール持ち、こちらに手を振っている男がいた。</p><p>山吉 幸太、その名の通りいつでも幸せそうに笑っている、元気が取り得の小春の幼馴染みだ。</p><br><p>「なーにやってんだか…」</p><br><p>小春は呆れたように小さく溜息をつくと、シッシッと追い払うように手を動かした。</p><p>それでも笑っている幸太はもう1度大きく手を振って、それから体育の集団へと戻っていた。</p><br><p>幸太は何でいつも、ああやって笑っていられるのだろう。</p><p>小春は最近、幸太の笑った顔しか見ていないことを思い出し、そう思った。</p><p>家が隣同士、そして家を出る時間が一緒なので、ほぼ毎日登校を共にしているが、彼が小春に｢笑う｣以外の表情をみせたことがない。昔は思ったことがすぐに顔に出る、表情豊かな子だったのに。</p><p>悩み、ムカッとしたこと、悲しいこと、悔しいこと、全てを忘れてしまったようだ。</p><p>逆に、小春はあまり笑わなくなっていた。そして泣きもしないし、怒りもしない。時々みせる表情は、顔を歪める程度。</p><p>幸太が｢忘れてしまった｣のなら、小春は「あきらめてしまった」ようだった。</p><br><p>2人から表情を奪った理由、それは…一年前、幸太の兄であり小春の恋人であった山吉 幸介の死だった。</p><br><p>突然だった。一年前の雨の日、幸介は死んでしまった。</p><p>自室の床の上に、眠るように横たわっていたのだ。病気でも、事故でも、もちろん自殺でもない。原因不明の死だった。</p><p>いつもと変わらぬ微笑を湛えていて、とても死んでいるとは思えなかった。</p><p>しかし、その体は冷たかった。</p><p>凍りつくかのように、冷たかったのだ。</p><p>その時から、日に日に二人は表情を失っていった。</p><p>彼の死は、二人の中では大きすぎるものだった。それ程までに彼を、愛し尊敬していた。</p><br><br><br><p>ねぇ、お願いだから、目を覚ましてよ。</p>
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<pubDate>Sat, 19 Aug 2006 20:50:10 +0900</pubDate>
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