<?xml version="1.0" encoding="utf-8" ?>
<rss version="2.0" xmlns:atom="http://www.w3.org/2005/Atom">
<channel>
<title>つれづれショートショート</title>
<link>https://ameblo.jp/ss-ff/</link>
<atom:link href="https://rssblog.ameba.jp/ss-ff/rss20.xml" rel="self" type="application/rss+xml" />
<atom:link rel="hub" href="http://pubsubhubbub.appspot.com" />
<description>ふと思いついた短いお話を載せていきます。オリジナルからキャッツから二次創作までごった煮でゴー。</description>
<language>ja</language>
<item>
<title>Happy Xmas</title>
<description>
<![CDATA[ 　クリスマスにプレゼントを配るのは自分の役目では無いから、代わりにこれをやろう。<br>　そう言って彼女がくれたのは、夜空色のくつ下だった。<br>「眠るとき枕元に置いておくといい」<br>「プレゼントをもらえるのは人間の子どもだけじゃないの？」<br>「人間の子どもに配った後、余裕があれば猫の所も回るかもしれないだろう」<br>　もらったくつ下は、ちょうどこの街の子猫の数だけあったので、彼は昼のうちにみんなに配って回った。<br>「オレ魚がほしーなー」<br>「おまえいっつもイタズラばっかしてるじゃないか。サンタはそんな子どものところには来ないんだぞー！」<br>　軽口を叩きながらも、子猫たちの目は期待に輝いている。<br>　そんな様子を見て、大人の猫たちは苦笑しながらそっと街に散っていった。<br><br>「ぼく、いい子だったかな」<br>　寝る前、不安が口をついて出た。<br>「ひとに迷惑をかけるようなことをしたのか？」<br>　笑って彼女が言うから、ぶんぶんと首をふる。<br>「じゃあ早く寝なさい。遅くまで起きているような子どもは端から期待などできないぞ」<br><br>　似たようなやり取りが街のあちこちで繰り広げられた。<br>　それは人間も猫も変わりなく。<br>　大人たちが一仕事終える夜更けが過ぎ、<br>　いつもより早起きの子猫たちの歓声が響くまで、あと少し。<br>　
]]>
</description>
<link>https://ameblo.jp/ss-ff/entry-10000395756.html</link>
<pubDate>Sat, 25 Dec 2004 00:06:44 +0900</pubDate>
</item>
<item>
<title>遠い日の夢</title>
<description>
<![CDATA[ 　追いかけてくる影があった。<br>　夜の闇の中、遠くに、近くに、ひとつふたつじゃなくて。<br>　ぼくはそれから逃げる。<br>　そう、逃げている。<br>　いつもはぼくを避けていた誰もかれもが、ぼくの後をつかず離れず追い立てる。<br>　なんで、どうして？<br>　ぼくは何もしてないのに。<br><br><br><br><br>　事の始まりはたぶんあの日。<br>　同じ年の子たちに、まだ木に登れないことをからかわれて。<br>　どうにかして追いつきたくて、木の上にいるみんなを見上げて地面を蹴った。<br>　そうしたらみんなと同じ枝の上にいたんだ。<br>　みんな、目をまたたいて、すごいな、とか、どうやったんだよ、とか。<br>　ほめたりおどろいたり喜んだりしてくれたんだよ。<br>　もみくちゃにされながら、ぼくにだってどうしてか、なんてよく分からなかった。<br>　けど、みんなが楽しそうにしてるからぼくも嬉しかったんだ。<br><br>　なのに、次の日には、ぼくはひとりぼっちになってた。<br><br>　昨日まで一緒に遊んでた子たちは、ぼくを避けるようにして逃げていった。<br>　大人は遠巻きに見るだけで、近づこうとすると毛を逆立てられた。<br>　一日、二日とそうやって過ぎていって、どうしようもなく寂しかった。<br>　だから、前に一緒に遊んでた子たちに近づいた。<br>「ねえ、どうしてぼくのこと避けるの？」<br><br>　返事の代わりに飛んできたのは石と。<br>　…なにかとても嫌なことを言われた気がするんだけど、それはもう思い出せない。<br>　投げられた石のひとつがぼくに当たったとき、気がついた大人たちが止めに入った。<br>　石を持ったこの手をつかんで。<br>「やめなさい！」<br>　叱る声には、確かに恐怖の色があった。<br>　その目を見て、声に出されなかった言葉の続きを知る。<br><br>『ドンナ仕返シガクルカ分カラナイノダカラ』<br><br><br>　こどものぼくのすることを、大人の彼らがおそれるの？<br><br><br>　それでわかってしまった。<br>　ぼくはみんなと違うことができるから。<br>　きっとそれがいけないんだということ。<br><br><br><br><br>　背後からどんどん迫ってくる気配は、殺意のようなものも混じっていて。<br>　ぼくは必死で逃げた。<br>　同じくらい必死に叫んだ。<br><br>「ぼくは何もしてない、何もしないよ…！」<br>　けれどそれは聞き届けられることはなく。<br><br>　体が凍り付くような鋭い気配に振り返って。<br><br>　そして。<br><br><br><br>　不意に脳裏をかすめたのは、やわらかな手。<br><br><br><br>　ちがう。<br>　これはちがう。<br><br>　これは起こらなかった出来事。<br>　でも起こったかもしれない未来。<br>　この現実が訪れる前に、ぼくを拾い上げたのは、<br><br>　あの手。<br><br><br><br>「ミストフェリーズ」<br>　<br>　<br>　最初に見えたのは、白いシーツ。<br>　薄暗い部屋。<br>　毛並み越しに触れるあたたかいもの。<br>　繰り返し背中をすべる感触に誘われて、ゆっくりとまばたきする。<br>　<br>　ぼくを見下ろす真っ黒な瞳。<br>　半身を起こした彼女が、ぼくの背をなでている。<br>　じんわりと伝わってくるぬくもりに、急に胸がいっぱいになって、その胸に飛び込んだ。<br><br>　ぼくを抱き上げる腕はあの日と同じ。<br>　おおきく、つよく、あたたかい。<br>　これが本物だと確かめたくて、なんども体をすりよせる。<br>　彼女が笑う気配がして、それから額にキスをくれた。<br>　喉の奥に絡み付いていた重たいものが、すうっと薄れて消えていく。まるで魔法のように。<br><br><br>「月が出てきたな」<br>　その言葉のとおり、黒々とした雲の隙間から月が顔を出していた。<br>　世界が淡い光に浮かび上がる。<br>　その光を背に受けて、彼女が微笑った。<br>「もう夢魔は去ってしまったよ。もう一度眠るといい」<br>　彼女が頭をひとなですると、あっという間に眠気が訪れた。<br><br>「良い夢を」　<br><br>　そうして彼女に送り出された眠りの中で、ぼくはもう一度彼女に出会う。<br>　
]]>
</description>
<link>https://ameblo.jp/ss-ff/entry-10000377974.html</link>
<pubDate>Fri, 24 Dec 2004 00:48:52 +0900</pubDate>
</item>
<item>
<title>記念日</title>
<description>
<![CDATA[ 　<br>　いつもどおり、今日が始まる。<br><br>　いつものように気の向いた時間に起きだし。<br>　当然のごとくミストとつるみ。<br>　あいかわらず頭の固いマンカスに追いかけられ。<br>　よく飽きないなとたまに感心さえする黄色い声をくぐりぬけ。<br>　いつもの屋根の上で昼寝する。<br><br>　日も暮れようかというところでミストの機嫌を損ねて雷をくらったが、まあそれもよくあることだ。<br><br>　そして今日も日が暮れた。<br>　大欠伸をしながらひとりでねぐらへ戻る。<br><br>　その入り口にひもがぶら下がっていた。<br><br>「何だコレ」<br>　今朝までは無かったはずだ。<br>　興味のままに引っぱってみる。<br>　途端。<br><br>　花の雪崩に襲われた。<br><br>　雪崩れた勢いの余韻のままに花びらが宙をヒラヒラと舞っている。<br>　生き埋めになりそうな中から這い出してみれば、狙ったようなタイミングで顔に紙が張り付いた。<br>「‥‥嫌がらせか？」<br>　うんざりとしながらひっぺがしてみれば、やけに流暢につづられた文字が目に入った。<br><br>『我らが天邪鬼の記念日に祝福を！』<br><br>　誰にも知らせていないはずのねぐらをわざわざ探し当てて、この花、この文句、大仰な仕掛け。<br>　首謀者と思われる面々が頭をよぎって、消えた。<br>　今頃どこかでほくそ笑んでいるだろう奴ら。<br><br>「ああクソ、新しいねぐら探さなきゃならなくなったじゃネェか」<br>　花のベッドにごろりと寝転んで、明日どんな礼をしてやろうかと考えながら目を閉じた。<br>　<br>
]]>
</description>
<link>https://ameblo.jp/ss-ff/entry-10000024724.html</link>
<pubDate>Sun, 19 Dec 2004 23:31:32 +0900</pubDate>
</item>
<item>
<title>猫の魔法</title>
<description>
<![CDATA[  <br>　<br>「ねえ、魔法を教えて」<br>　ある日ぼくは思い切ってお願いしてみた。<br>　彼女は読んでいた本から顔を上げて、いつものように口の端を持ち上げた。<br>「駄目だ」<br>　<br>　思えばこれは、彼女に聞き入れてもらえなかった最初のことだったかもしれない。<br>　<br>「魔法は教えない。お前も教わるべきではないよ。自分の魔法が使えなくなってしまう」<br>「どうして？」<br>　答えには一呼吸の間があった。<br>　<br>「猫と人間は違うということさ」<br>　<br>　<br>　ぼくは魔法を使っちゃだめなの？<br>　ぼくが猫だから？<br>　<br>　ぼくの力‥‥間違ってるの？<br>　<br>　<br>「んなわけねーだろ、こんなおもしれー力」<br>　タガーはそう言うけど、ぼくの心は晴れない。<br>　彼女の言葉が頭から離れなくて。<br>　<br>　<br>　　＊<br>　<br>　<br>「そこまで気になるなら、見てみるか」<br>　彼女がそう言ったのは満月の夜のこと。<br>「‥‥なにを？」<br>　首をかしげるぼくに返る、何でも無いような声。<br>「猫の魔法だ」<br>　<br>　<br>　その光景はまるで幻のようだった。<br>　ジャンクヤードに集う、半分透けた猫たち。<br>　この街の記憶。<br>　その中心に、一匹の猫。<br>　月の光を集めて、星の光を呼んで、ぎゅっと縮めた光の玉をぽんとつつくと、綿毛のように無数の小さな光が飛び散った。<br>　風に舞っていた光はいつの間にか蛍に姿を変えて、歌い踊る猫たちに混じってふわりふわりと明滅する。<br>　そして小さな舞踏会のフィナーレに合わせて、彗星のように尾を引きながら一斉に空高く昇ると、大きな花火を残して夜空に溶けた。<br>　<br>　なんてきれいな力。<br>　見とれていたぼくに彼女が言う。<br>　<br>「おまえの魔法と私の魔法では、寄る辺がまったく異なるのさ。人間の魔法は理詰めだが、動物が使う魔法は本能だ。感じて思ったそのままを現実にする。<br>　私は猫の魔法が好きだ。だからおまえには、下手に人間の魔法を知ってほしくないんだよ」<br>　<br>　<br>　　＊<br>　<br>　<br>「でもご主人は、ときどき使うでしょう？　猫の魔法、みたいなの」<br>　ぼくが言うと、彼女はいつもと変わらず笑った。<br>　<br>「私が異端と呼ばれる所以だな」<br>　
]]>
</description>
<link>https://ameblo.jp/ss-ff/entry-10000340214.html</link>
<pubDate>Fri, 17 Dec 2004 22:40:35 +0900</pubDate>
</item>
<item>
<title>イブの夜　 （ミストとタガー）</title>
<description>
<![CDATA[ 　<br>　寒いなあと思いつつ、マフラーの隙間から長い息を吐く。<br>　月明かりの下でもそれは白く色を変えて、瞬く間に掻き消えた。<br>　お気に入りのコートに片手を突っ込んで、もう片方の手にはクリスマスカラーの紙袋。<br>　意外にも家事全般を得意とする我らがリーダーが、協会をお暇する際に持たせてくれたものだ。<br>　<br>　<br>「なにこれ？」<br>「クリスマスケーキだ。帰ってからでも食べてみてくれ」<br>　あ、保冷剤もちゃんと入れてあるからなという主婦な発言を聞きつつ、紙袋の口から中を覗き見る。<br>　ケーキ一切れ分にしては明らかに大きな箱。<br>「ねえマンカス、つかぬことを訊くけど」<br>「うっかり人数分焼いてしまったんだ。こういうときに限って現れないのがあいつらしいというか」<br>「…ようするに配達人をやれってわけだね」<br>「手間をかけて済まないが。どうせ会うんだろう？」<br>　それはどうだろう。いつも特に約束をしているわけではないし、なにせ僕らふたりとも気まぐれなものだから。<br>「会えば渡しておくよ。でも僕のお腹に入ったらごめんね」<br>　<br>　<br>　そう言って別れてから、もう２時間がたっている。<br>　一応訪ねてみた部屋は当然のようにもぬけの殻で、自分の家へと続く路をぶらりと遠回りして歩いて、とうとう玄関にたどり着いた。<br>「さてと。…もうそろそろ食べちゃってもいいよね？」<br>「おう、そうだな」<br> 背後からにゅうっと延びてきた手に紙袋を奪われる。<br>「…キミどこから尾けてきたの」<br>「ああん？ まあ気にすんな、それより持っててやるから早くドア開けろよぅあーさみィ」<br>　僕は無言で鍵を取り出して、ドアを開けて中に入る。<br>　もちろん無礼者は閉め出した。<br>「テメ、オイなにすんだよ！　ケーキは！」<br>「僕に気付かせずに見事尾行を成功させたご褒美だよ、家に帰って一人で食べれば」<br>「そんな拗ねんなよ、んなガキじゃあるまいし」<br>「……」<br>「あ！　いや！　今のは俺が悪かった！　だから頼むぜココ開けろってば！」<br>「し、ら、な、い。自分で何とかすれば」<br>　<br>　近所迷惑な根比べがしばらく続いて、結局どちらが折れたかは敗者の名誉のため黙秘させてもらおうと思う。<br>　
]]>
</description>
<link>https://ameblo.jp/ss-ff/entry-10000333440.html</link>
<pubDate>Thu, 16 Dec 2004 21:16:36 +0900</pubDate>
</item>
<item>
<title>はじめに。</title>
<description>
<![CDATA[ 　 <br>　ようこそ『つれづれショートショート』へ。<br>　こちら、書き散らしたSSやファンフィクを詰め込んでいく趣味ブログです。<br>　稚拙な文章ですが、ご意見ご感想などいただけると嬉しいです。大歓迎。<br><br><br>　ひとまず、テーマの説明など。<br><br><br><b>『当ブログ豆知識』</b><br>　ご挨拶やら、用語説明やらです。読まなくても平気かも。<br><br><br><b>『猫（ファンフィク）』</b><br>　劇団四季キャッツの二次創作です。主観が入りまくるのでたまにキャラが違…（オイ）<br>　ご贔屓はタガーとミスト。でも他の猫も出てきます（と思います）<br><br><br><b>『猫（オリジナル要素強）』</b><br>　魔女が裏路地で小さな黒猫を拾いました、から始まる、ご主人とミストと愉快な仲間たち（違）の日常話。<br>　出てくる猫はジェリクルキャッツたちですが、ご主人の魔女がやたらと出張っています（そしてミストがご主人ラブです）<br>　なので、ミュージカルのキャッツを純粋に愛する方には精神衛生上あまり良ろしくないかもしれません（…）<br><br><br><b>『二次創作』</b><br>　出てくる可能性があるのは、サモンナイトとか.hackあたりでしょうか。そのへんの妄想話になるかと思われます。<br><br><br><b>『オリジナル』</b><br>　楽しんでるのは私だけかもしれないオリジナル話。数種類のお話があるので、増えてきたらテーマ分けするかもしれません。<br><br><br><b>『その他』</b><br>　続きは書かないだろうなぁという単発モノや、台詞やネタだけの殴り書き等。<br><br><br><br>　こんなところでしょうか。<br><br><br>　そして私が『猫』というと、問答無用で『劇団四季のミュージカル・キャッツ』を指している事が多いです。テーマからそんなカンジです。<br>　話の流れからナマモノの猫かキャッツかを察していただけると有り難（殴）<br><br><br>　ではでは、ごゆっくりとお楽しみください。
]]>
</description>
<link>https://ameblo.jp/ss-ff/entry-10000327975.html</link>
<pubDate>Wed, 15 Dec 2004 23:09:23 +0900</pubDate>
</item>
<item>
<title>劇中劇の舞台裏</title>
<description>
<![CDATA[ 　<br>「このばぁっかもん!!!!!」<br>「うわあっ！」<br>　劇場の中に響き渡った大音声に、ギルバートは思い切り耳を伏せた。<br>「お前の役はシャム猫軍の隊長じゃぞ、隊長！「やっちまえ！」なんぞというかけ声があるか!!!」<br>「や、だってその方が周りも気合いが入るかなーと…」<br>　帰ってきたのは先ほどを上回る怒声だった。<br>　<br>　<br>　全く最近の若いもんは。<br>　ぶつぶつ言いながら背を向けたガスに聞こえないように、こっそりと溜め息をつく。<br>「こっぴどくやられたわねぇ」<br>　入れ替わりに側にやってきたのは、グリドルボーンを演じるジェリーロラムだ。<br>　ギルバートは床に座り込んだままで彼女を見上げる。<br>「ガスはああ言うけどさぁ、オレって今まで演劇のエの字にも縁がなかったんだぜ？　隊長ならここでどう立ち回るかを想像してみろー！なんて言われてもさぁ…」<br>　再演される事になった『グロールタイガーの最期』<br>　そのシャム猫軍団隊長の役に、たぐい稀な体術をかわれたギルバートが引きずり込まれ…もとい、抜擢されたのはつい先日の事だ。<br>　やるからにはと一生懸命練習してきたが、何度やってもガスはあの調子だ。開幕はもう目の前だというのに。<br>　だってアドリブ入れていいって言ったじゃんなあ、と拗ねるギルバートにジェリーロラムはくすくすと笑ってみせる。<br>「なあ、どうしたらいいと思う…？」<br>　弱り切った様子で見上げられ、そうねえ、と口を開いた。<br>「グロールタイガーとシャム猫軍団総隊長は宿敵同士なのよ。だから手加減なんてありえないわよね。真剣勝負なの」<br>「そうだな」<br>「でもガスはそろそろ足腰が……（遠くを振り返って）あら、なんでも無いのよ、ガス（にっこり）……でしょう？　だから本気で殴り掛かっちゃいけないわ」<br>「老人は大事にしないとな……（やはり遠くに向かって）あ、いや何でもないってばガス！」<br>「ということよ、ギル。わかってもらえたかしら」<br>「それは分かったけど…だから隊長らしくするにはどうすればいいんだ？」<br>「今の事をようく考えて忘れないでね。じゃ」<br>「じゃ、ってちょっと、ジェリー!?」<br>　追う手も虚しく、ジェリーロラムは軽やかに持ち場に戻っていってしまった。<br>　<br>　<br>　結局答えらしい答えも見つからず、とうとう初演の幕が上がった。<br>　矛盾するアドバイスに、ギルバートは始終眉を寄せて考え込んでいた。<br>　しかしその間も、みっちりと叩き込まれた台詞と殺陣を着々とこなしていく。<br>　劇の終了後に、別の事を考えながら舞台に立つなど言語道断！とガスの雷を受けたものの、観客の評判は上々だった。<br>　中でも<br>「眉間のしわが、重責を担う隊長の風格を表してるわよね～」<br>「凛々しくも悩める男の魅力ってカンジ！」<br>　等々の黄色い声が多かった事を明記しておく。<br>
]]>
</description>
<link>https://ameblo.jp/ss-ff/entry-10000328122.html</link>
<pubDate>Wed, 15 Dec 2004 00:44:00 +0900</pubDate>
</item>
<item>
<title>ガスとジェリーロラム</title>
<description>
<![CDATA[ 　<br>　カランコロン<br><br>　酒場の入口のベルが鳴る。<br>　足取りも軽く入ってきたのは、ハニーブロンドの髪を揺らした若い娘だ。口元はやわらかに微笑んでいて、顔なじみを見つけては挨拶を交わす。鈴を転がすような声が響くたびに店の中が明るくなっていくようで、客の誰もが笑顔になる。<br>　娘はマスターからグラスを二つと年季の入ったボトルを受け取ると、まっすぐに店の隅のテーブルへ向かった。<br>　<br>「こんばんは、ガス。今日もお話を聞かせて」<br>　<br>　年老いた毛並みの猫が顔を上げる。そのむっつりと曲げられた口が何か言いたげに開かれる前に、ついとグラスが差し出された。<br>　うっかりと受け取ってしまったそれに、なみなみと注がれる琥珀色の液体。<br>　ごまかすような咳払いの音を、娘は華やかな笑顔を浮かべて聞いてた。<br>　
]]>
</description>
<link>https://ameblo.jp/ss-ff/entry-10000328106.html</link>
<pubDate>Mon, 13 Dec 2004 22:38:00 +0900</pubDate>
</item>
<item>
<title>午睡</title>
<description>
<![CDATA[ 　<br>　家に戻ると彼女がベッドに突っ伏しているというのは良くあることで。<br>　<br>　<br>　お昼の時間に少し遅れて家に着いた。<br>　玄関が閉まっていたので、家の隣の木に登る。<br>　寄り添うほどに近い枝から屋根に飛び移り、屋根裏の窓を爪先で押した。立て付けの怪しくなっている窓はキィときしんで簡単に開く。ホコリっぽい空気が鼻につく前に、小さく吸って息を止める。<br>　床に飛び降り、薄暗い中隙間をぬって。<br>　ホコリのつもっていない線の手前で立ち止まった。<br>　前足で床を叩く。光の差し込む隙間が出来る。<br>　入り口だ。<br>　僕はそこに体を滑り込ませた。<br>　<br>　<br>　まだてっぺんを過ぎたばかりの日の光が差し込む家の中は明るい。<br>　誰もいない台所を抜けて奥の部屋へ。<br>　この家でいちばん日当たりのいい場所、窓辺に置かれたベッドに彼女の姿はあった。<br>　きちんと整えられた布団の上、膝から下はベッドからはみ出していて、うつぶせに倒れ込んでそのまんま、といった風情。やわらかな毛布に突っ伏した顔はこちら半分だけが見て取れた。<br>　無造作に投げ出された手を飛び越えて、のぞき込む。<br>　気持ちよさそうな寝顔。<br>　もう１歩近づくと、目蓋が薄く開いた。<br>　片方だけの黒い瞳がぼくを見つける。<br>「お昼だよ」<br>　一応声をかけてみた。<br>　けれど彼女は聞いているのか分からないような様子のまま、ぼんやりと２回まばたいて、また瞳を閉じた。<br>　すぐに聞こえてくる小さな寝息。<br>　<br>「しょうがないなぁ、もう」<br>　ぼくはため息をつく。<br>　でもその声もため息も彼女には聞こえないように。<br>　肩口に寄り添って丸くなる。<br>　ほんとはお昼なんてどうでもいいんだ。<br>　<br>　<br>　くすぐったい距離と、時間。<br>　ぼくの特等席。<br>
]]>
</description>
<link>https://ameblo.jp/ss-ff/entry-10000328091.html</link>
<pubDate>Sun, 05 Dec 2004 22:54:00 +0900</pubDate>
</item>
<item>
<title>another flower</title>
<description>
<![CDATA[ 「手品っていうんだよ」<br>　小さな黒猫はそう言った。<br><br><br>「おい、タネも仕掛けも知らねぇヤツがなんか言ってんぞ」<br>「"マジック"には変わりないさ」<br>　庭での一部始終を眺めていたものたちが語る。<br>　けれどこれは騒ぎの当事者たちには預かり知らぬことと終わる。<br><br><br>「みんなと出かけてくるね」<br>　ミストフェリーズはそう言って、ほかの猫たちとともに木立の向こうへ駆けていった。<br>　それを見送った彼女は、家に戻って一輪挿しを取り出す。<br>　水切りの鋏の音を響かせながら、だれもいない部屋の中でこう言った。<br>「花を貰い損ねたな」<br>「べっつに」<br>　返事は窓の外の、さらにその上から降ってきた。<br>「手品製の花なんざいらねぇよ、魔法製なら考えてやってもいいけどな」<br>　窓際に花瓶を置く彼女の視界の隅で、長い尻尾の端の房が揺れている。<br>「魔法製なら、か」<br>　彼女が喉の奥で笑うと、気に食わなそうな沈黙を挟んで、派手な毛並みが出窓に音もなく降り立った。<br>「大体な、オマエが余計な知恵を付けさせるから、あのチビが臆病なまんまなんだろうが」<br>「処世術の一つくらい教えておくのは保護者として当然だろう」<br>「あーそうかよ」<br>　どっかりとあぐらをかいた派手猫は、紫の花を見上げた。<br>　遠い国の花だ。あの小さな黒猫が知る由もないだろうに。<br>「大したもんじゃねぇか」<br>「そうだな」<br>　視界の外の彼女は笑ったようだった。<br>「……」<br>「懐かしいか」<br>「そうでもないさ」<br><br>　それからしばらく静寂が続いた。<br>　空気の揺れる気配だけが満ち、まるでこの空間だけが過ぎ去った時間に繋がっているような錯覚さえ感じそうだ。<br>　それを断ち切ったのはわざとらしいため息ひとつ。<br><br>「昼寝の気が削がれた。場所が悪ィ」<br>「それは悪かった」<br>　彼女の手がひらめいて、すいと派手猫に差し出される。<br>「詫びの代わりだ。持って行け」<br>　そこにあるのは、活けられたのと同じ紫の花。<br>　派手猫はひとつ瞬いて、口の端を持ち上げた。<br>「コリャどうも」<br>　くわえようと顔を寄せ、ああ、とおもしろがるような夏の緑の瞳が彼女を見上げた。<br>「オマエの"手品"もそれなりだぜ？」<br>　それだけ言うと、彼女の手から花をさらって風のような早さで去っていった。<br>　<br>「…皮肉と取るべきか、素直に取るべきか」<br>ひねくれ者は扱いに困る。<br>そう呟いた彼女も、やがて部屋の奥へと姿を消した。<br>
]]>
</description>
<link>https://ameblo.jp/ss-ff/entry-10000328072.html</link>
<pubDate>Sat, 04 Dec 2004 17:49:00 +0900</pubDate>
</item>
</channel>
</rss>
