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<title>sthlikesthのブログ</title>
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<title>修習で有用な書籍（刑事系）</title>
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<![CDATA[ <p><span style="font-size:1.96em;">〔事実認定〕</span></p><p><span style="font-size:1.4em;">小林充＝植村立郎編『刑事事実認定重要判決５０選（上）（下）〔第２版〕』</span><span style="font-size:1em;">（立花書房，平成２５年）</span></p><p>用途：刑事系全般（実務修習と研修所の起案の双方を含む）</p><p>おすすめ度：☆☆☆</p><p>&nbsp;</p><p>刑事事件の分野における最高裁判所及び下級裁判所の判決を素材として，実体法・訴訟法の解釈・判断のメルクマールを分析した論稿を収めている論文集です。実定法の解釈も整理されているので，司法試験後に忘れてしまった知識を復習することもできます。</p><p>使い方については，実務修習では，事件で必要となったトピックについての論稿をその都度読むことになると思います。なお，修習地によっては傍聴することになるであろう，覚せい剤等の密輸入事犯における薬物の認識についての事実認定は，本書よりも，渡邉英敬＝飯島英貴「覚醒剤を中心とする違法薬物の営利目的輸入事件における違法薬物の知情性の推認について」『植村立郎退官記念論文集　現代刑事法の諸問題第二巻　第２編　実践編』（立花書房，平成２３年）９７頁以下，大阪刑事実務研究会「覚せい剤輸入罪における故意」判タ１３５０号４８頁以下の方が，間接事実が整理されているのでおすすめです。</p><p>研修所の起案との関係では，起案との関係で重要なトピックを事前に読み込み，起案に臨むべきでしょう。差し当たり，正当防衛，共謀，殺意，窃盗罪における占有，恐喝と強盗との区別，盗品等有償取得罪における盗品の知情，共犯者の供述の信用性，目撃者の供述の信用性に関係するトピックの論稿を読めば最低限対処することができるかと思います。</p><p>なお，事実認定の総論的な理解は，白表紙の解説で足りるかと思いますが，どうしても不安ならば，石井一正『刑事事実認定入門〔第３版〕』（判例タイムズ社，平成２７年） を読んでもいいかもしれません。ただし，各論的な記述が薄いので，結局は，白表紙以外ならば，本書と，次に紹介する司法研修所編『情況証拠の観点から見た事実認定』（法曹会，平成１５年）で学習した方がよいのではないかと思います。</p><p>&nbsp;</p><p>&nbsp;</p><p><span style="font-size:1.4em;">司法研修所編『情況証拠の観点から見た事実認定』（法曹会，平成１５年）</span></p><p>用途：刑事系全般（実務修習と研修所の起案の双方を含む）</p><p>おすすめ度：☆☆☆</p><p>&nbsp;</p><p>間接事実（情況証拠）による犯人性の認定に関する司法研究。最初の７０頁程で，犯人性認定に関する総論的な解説と，各類型の間接事実の解説がなされており，それ以降の資料では，３３個の事例に関する各審級における判断がまとめられています。</p><p>修習との関係では，前半の解説が重要で，これが，特に検察起案での犯人性の起案で威力を発揮します。本書では，犯人性に関する典型的な間接事実が網羅されていますが，検察起案で出題される間接事実は，本書に挙げられている典型的な間接事実か，あるいはその組み合わせとなりますので，本書で各類型の間接事実の特徴を理解しておけば，検察起案で迷うことがなくなると思います。本書では整理されていないものの，各間接事実が犯人性を推認させる根拠（推認の基礎となる経験則の内実）と，反対仮説として何が想定されるか（推認の基礎となる経験則としていかなる例外が考えられるか）を意識して読めば，いかなる事実が重要となるか意識しながら記録を読むことができるはずです。</p><p>後半の資料は，時間があるときに適宜参照すれば足り，通読する必要はないでしょう。</p><p>&nbsp;</p><p>&nbsp;</p><p><span style="font-size:1.4em;">大阪刑事実務研究会「裁判員裁判における法律概念に関する諸問題」</span><span style="font-size:1em;">（判例タイムズ１３５０号以降）</span></p><p>用途：刑事系全般（特に刑裁起案）</p><p>おすすめ度：☆☆</p><p>&nbsp;</p><p>刑事実体法の法律概念について、実際の裁判員裁判における実例を踏まえつつ、公判前整理手続や審理、評議の在り方等について研究する連載です。法律概念の内容についての検討や，事実認定上のメルクマールにも言及されているため，５０選では物足りない場合には，こちらも参照すると良いでしょう。刑裁起案では，法律概念の正確な理解が必須となってくるので，法律概念について学習するためには，本連載は有益です。</p><p>連載中，正当防衛に関するもの（判タ１３６５号４６頁，１３６６号４５頁），共謀に関するもの（判タ１３５５号７５頁，１３５６号５０頁，１３５７号４６頁，１３５８号５６頁）が特におすすめです。</p><p>&nbsp;</p><p>&nbsp;</p><p><span style="font-size:1.96em;">〔量刑・情状〕</span></p><p><span style="font-size:1.4em;">司法研修所編『裁判員裁判における量刑評議の在り方について』</span><span style="font-size:1em;">（法曹会，平成２４年）</span></p><p>用途：刑事系全般（実務修習と研修所の起案の双方を含む）</p><p>おすすめ度：☆☆☆</p><p>&nbsp;</p><p>現在の量刑の考え方について解説した司法研究です。白表紙（プラクティス刑事裁判）にも，量刑の考え方が記載されていますが，数ページで総論的な解説がなされているにとどまるので，量刑理論を理解したいならば，本書を是非参照すべきであるといえます。</p><p>本書では，最初に裁判員裁判における量刑判断の在り方を解説し，次いで，各量刑事情について解説がされています。</p><p>本書は，裁判所の立場から量刑理論が書かれているので，刑裁修習・刑裁起案では直ちに本書の考え方を使うことができます。</p><p>また，検察と刑弁との関係でも，行為責任主義や各量刑事情の考え方自体は当然使うことができます（ただし，裁判員裁判非対象事件の論告・弁論で，本書のような考え方を採るか否かは，実務家によるようです。）。ただし，研修所の検察起案では（終局処分起案をするという性質からでしょうか。），情状事情を広く挙げることが求められ，「社会的類型で織り込み済み」というような記載はしないと思われます。</p><p>なお，量刑理論に関する有益な文献としては，岡慎一＝神山啓史『刑事弁護の基礎知識』（有斐閣，２０１５年）１９０頁以下，松尾浩也＝岩瀬徹編『実例刑事訴訟法Ⅲ』（青林書院，２０１２年）２２４頁以下があります。</p><p><br>&nbsp;</p><p><span style="font-size:1.96em;">〔刑裁〕</span></p><p><span style="font-size:1.4em;">松尾浩也＝岩瀬徹編『実例刑事訴訟法ⅡⅢ』</span>（青林書院，２０１２年）</p><p>用途：刑裁修習，刑裁起案</p><p>おすすめ度：☆☆</p><p>&nbsp;</p><p>刑事訴訟法上の重要論点を解説する実務家の論文集です。Ⅰ～Ⅲの三分冊で，Ⅰが「捜査」，Ⅱが「公訴の提起・公判」，Ⅲが「証拠・裁判・上訴」に関する論稿を収めています。修習で捜査が問題となることは必ずしも多くないので（刑裁修習や検察修習で偶然，捜査の適法性が問題となる事件に当たる場合くらいでしょう。），ここでは，ⅡとⅢについて紹介します。</p><p>ⅡとⅢに収められている論稿には，刑裁修習中に日常的に問題となり得る問題が扱われている上，基本的な事項から解説がなされ，その上で実務上の運用についても言及されているため，本書は座右に置く価値のある文献といえるでしょう（なお，刑裁修習での私の配属部の部長の席には本書が置かれていました。）。</p><p>刑裁起案との関係でも，保釈の運用（Ⅱ６７頁以下），情況証拠による立証と合理的疑い（Ⅲ１８５頁以下），量刑判断の考慮要素（Ⅲ２２４頁）は特に参照する価値が高いといえるでしょう。ただし，研修所の起案との関係では，他の文献での代替も可能です。</p><p>&nbsp;</p><p>&nbsp;</p><p><span style="font-size:1.96em;">〔検察〕</span></p><p><span style="font-size:1.4em;">末永ほか著『―６訂版―犯罪事実記載の実務　刑法犯』</span>（実務法規，平成２６年）</p><p>用途：検察修習，検察起案</p><p>おすすめ度：☆☆☆</p><p>&nbsp;</p><p>公訴事実の例を集めた本です。検察講義案にも公訴事実の例は記載されているのですが，公訴事実の書き方についての解説はないため，本書を参照して公訴事実の書き方について学ぶことは有益です。また，刑法犯を網羅している上，各罪について典型的な類型に属する事案における公訴事実も記載されているので，検察修習もこれさえあれば困ることはないと思います。</p><p>検察起案との関係では，検察講義案に記載されている罪と，身体犯及び財産犯については，本書で書き方を押さえておくと安心できるでしょう。</p><p>&nbsp;</p><p>&nbsp;</p><p><span style="font-size:1.4em;">前田ほか編『条解刑法〔第３版〕』</span>（弘文堂，平成２５年）</p><p>用途：刑裁修習，検察修習，検察起案</p><p>おすすめ度：☆☆</p><p>&nbsp;</p><p>刑法のコンメンタールです。</p><p>本書が刑裁修習や検察修習で役に立つことはもちろんですが，裁判官室や修習生室に本書が置かれていると思いますので，そこで使うためだけならば，本書を購入する必要はありません。</p><p>本書が一番必要となるのは，検察起案においてです（そのため，本記事でも，検察の項目に本書を位置付けました。）。検察起案での犯罪の成否の起案では，各構成要件の定義を記載する必要がありますが，検察教官室による講評は，見る限り，基本的には本書の定義に従っています。ですので，本書で刑法各論を復習しておけば，検察起案で間違いはないと理解することが出来ます。</p><p>察講義案に記載されている罪と，身体犯及び財産犯について，構成要件の定義と，実行の着手時期，既遂時期，罪数関係を押さえておけば，検察起案で基本的に困ることはないと思われます。</p><p>&nbsp;</p><p>&nbsp;</p><p><span style="font-size:1.96em;">〔刑弁〕</span></p><p><span style="font-size:1.4em;">季刊刑事弁護増刊『刑事弁護ビギナーズver.2 』</span></p><p>用途：弁護修習（刑弁）</p><p>おすすめ度：☆☆☆</p><p>&nbsp;</p><p>刑事弁護のいわば「マニュアル本」です。刑事弁護人としての活動について，かなり網羅的に解説がなされています。研修所の起案に直接役立つものではありませんが，実務修習で刑事弁護に関与する場合には，なにかある度に本書を参照することになると思います。また，付属DVDには書式と，接見の様子の映像が入っており，大変便利です（接見DVDは，例えば，修習生が模擬接見する場合に参考になります。）。</p><p>&nbsp;</p><p>&nbsp;</p><p><span style="font-size:1.4em;">岡慎一＝神山啓史『刑事弁護の基礎知識』</span>（有斐閣，２０１５年）</p><p>用途：弁護修習（刑弁），刑弁起案</p><p>おすすめ度：☆☆☆</p><p>&nbsp;</p><p>刑事弁護ビギナーズが「マニュアル本」といった趣であるとすれば，こちらは，刑事弁護の「基本書」といえばいいでしょうか。刑事弁護人の活動について解説がなされていますが，刑事弁護ビギナーズと異なる特徴としては，刑事弁護人の考え方が詳細・丁寧に解説されていること，いくつかのケースについてケースに沿った解説がされていること，量刑理論の説明がされていることが挙げられるでしょうか。刑弁教官が横に立って懇切丁寧に教えてくれるような内容になっており，事件への対応のためにさっと参照するというよりは，腰を据えてじっくり読み，考え方を身につけるための書籍であるといえるでしょう。</p><p>研修所起案の対策としては大変有用です（なお，著者の一人である神山先生は，現在，司法研修所の刑弁教官です。）。</p>
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<link>https://ameblo.jp/sthlikesth/entry-12225138831.html</link>
<pubDate>Sat, 03 Dec 2016 01:00:12 +0900</pubDate>
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<title>修習で有用な書籍（民事系）</title>
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<![CDATA[ <p><a name="_GoBack"></a><span style="font-size:1.96em;">〔要件事実〕</span></p><p><span style="font-size:1.4em;">岡口基一『要件事実マニュアル第１巻（第４版）　総論・民法１』，『要件事実マニュアル第２巻（第４版）　民法２』</span><span style="font-size:1em;">（ぎょうせい，平成２６年）</span></p><p>用途：実務修習，民裁起案，民弁起案等</p><p>おすすめ度：☆☆☆</p><p>&nbsp;</p><p>言わずと知れた要件事実の辞書。修習との関係では，さしあたりは１と２で足りると思います。</p><p>実務修習で見る事件に関連する項目について，辞書的に参照することは必ずあるはずです。また，集合修習での起案対策としても有用です。民裁起案の主張整理問では，新問研や類型別を理解していれば条文を参照しつつ解けるものが出題されますが，本書を参照していれば安心です。民弁起案では，見通し型の問題（依頼者との法律相談の記録を読んで，法律構成及び攻撃防御方法を検討する問題）が出題されますが，要件事実マニュアルで典型的な攻撃防御方法をざっと頭に入れておけば，起案の現場で広く法律構成を思いつくことが出来ます。また，要件事実マニュアルには，事実摘示と「よって書き」が記載されているため，訴状や答弁書の起案が出題されるのに備えて，本書で正確な表現を学習しておくのが有益です。</p><p>改訂され，１２月に第５版が発売されるようです。</p><p>&nbsp;</p><p>&nbsp;</p><p><span style="font-size:1.4em;">大島眞一『〈完全講義〉民事裁判実務の基礎〔第２版〕（上巻）（下巻）』</span><span style="font-size:1em;">（民事法研究会，平成２６年）</span></p><p>用途：民裁起案，民弁起案等</p><p>おすすめ度：☆☆</p><p>&nbsp;</p><p>いわゆる大島本。上巻が要件事実，下巻が事実認定と演習問題によって構成されています。</p><p>いずれも，分かりやすい解説が加えられていますので，要件事実や事実認定の入門としてなにか書籍で勉強したい場合には，本書は有用だと思います。特に，要件事実については，類型別を詳細にした内容なので，類型別に記載されている内容をしっかり理解したい場合にはおすすめです。</p><p>ただし，実務修習では，網羅性に優れた要件事実マニュアルを参照すると思いますし，研修所の起案でも，要件事実をさっと確認する場合には新問研，類型別及び事実摘示記載例集を参照し，要件事実を詳しく確認する場合には要件事実マニュアルを確認することになると思います。</p><p>事実認定については，白表紙である『事例で考える民事事実認定』（いわゆるジレカン）が分かりやすいですし，事実認定を詳細に勉強したい場合には，後述の『民事訴訟における事実認定』を参照した方が体系的な学習ができるので，本書は両者の中間的な位置付けといえるでしょう。</p><p>同一著者による『新版　完全講義　民事裁判実務の基礎［入門編］─要件事実･事実認定・法曹倫理─』『新版　完全講義　民事裁判実務の基礎［発展編］─要件事実･事実認定・演習問題─』が刊行されているので，今後はこちらになるのかなと思います。</p><p>&nbsp;</p><p>&nbsp;</p><p><span style="font-size:1.4em;">村田渉＝山野目章夫編著『要件事実論３０講〔第３版〕』</span><span style="font-size:1em;">（弘文堂，平成２７年）</span></p><p><span style="font-size:1.4em;">岡口基一『要件事実問題集〔第４版〕』</span><span style="font-size:1em;">（商事法務，平成２８年）</span></p><p>用途：民裁起案</p><p>おすすめ度：☆☆☆</p><p>&nbsp;</p><p>いずれも，要件事実の問題集です。民裁起案の主張整理起案の対策として，要件事実の演習をすることが有用です。</p><p>要件事実論３０講は，要件事実論の総論的な解説があること，問題数が多いことが，要件事実問題集とは異なる特徴と言えるでしょう。要件事実論３０講は，全ての問題が言い分方式であり，かつ，要件事実の問題としては基本的といえますが，他方，要件事実問題集は，言い分方式の問題のみならず，訴状，答弁書，準備書面から主張整理をする問題もあり，また，問題も発展的なものが多く，集合修習での民裁起案との関係では，より実践的といえるでしょう。ただし，要件事実の学習では，問題演習を数多くこなすことが重要だとされているので，その意味では，問題数の多い要件事実論３０講は優れているといえます。</p><p>任官志望者でも，いずれか一方を解けば足りると思います。</p><p>&nbsp;</p><p>&nbsp;</p><p><span style="font-size:2.74em;">〔事実認定〕</span></p><p><span style="font-size:1.4em;">司法研修所編『民事訴訟における事実認定』</span><span style="font-size:1em;">（法曹会，平成１９年）</span></p><p>用途：民裁起案</p><p>おすすめ度：☆☆</p><p>&nbsp;</p><p>事実認定の基礎（第１章），各種証拠方法の証拠力（第２章），契約類型による事例分析（第３章）が解説されています。白表紙（ジレカン）とは異なり，一般論の記載が多いため，民事事実認定を体系的に学習できます。また，二段の推定，保証契約の成否，売買契約の成否，消費貸借契約の成否については，判断のポイント（視点・メルクマール）が記載されている上，多数の裁判例が記載されています。刑事事実認定については，判断のメルクマールを記載し，裁判例を多数紹介する書籍は数多くありますが，民事事実認定について，特に，契約の成否の判断について，そのような体裁の書籍は多くないので，その意味でも，本書は有用といえます。</p><p>また，資料として記載されている，高裁裁判官のインタビューも大変興味深いです。</p><p>なお，本書は，処分証書の意義について，ジレカンとは異なり，「記載された説」を採用していますので（ジレカンは「よってした説」を採用しています。），その部分は注意する必要がありますが，判断の実質は異ならないので，問題ありません。</p><p>&nbsp;</p><p>&nbsp;</p><p><span style="font-size:1.4em;">村田渉編著『事実認定体系〈契約各論編〉１，２』</span><span style="font-size:1em;">（第一法規，平成２７年）</span></p><p>用途，民裁起案</p><p>おすすめ度：☆</p><p>&nbsp;</p><p>本書は，民法の条文ごとに，事実認定のポイント・判断基準を記載したものです。いわば，事実認定のコンメンタールといえるでしょう。</p><p>本書の記載はいずれも有益ですが，修習との関係では，使う条文は一部ですので，購入するほどではなく，例えば，民裁修習中に裁判官室に本書があれば参照する程度でいいかもしれません（☆が一つなのは，修習との関係でという意味でオーバースペックだという趣旨にすぎません。）。</p><p>&nbsp;</p><p>&nbsp;</p><p><span style="font-size:1.4em;">榎本光宏「契約書の実質的証拠力について－処分証書とは－」</span><span style="font-size:1em;">判タ１４１０号２６頁</span></p><p>用途：民裁修習，民裁起案</p><p>おすすめ度：☆☆☆</p><p>&nbsp;</p><p>「金銭消費貸借契約書（本件契約書）があるが，実際には，当事者間では金銭の贈与がなされており，前記契約書は『税金関係の処理のため，これに署名押印してほしい』との贈与者の求めで作成された」との事案の処理に関係して，①実体法（民法）上の問題として，「真実は，金銭の贈与を受けたというのであるが，本件契約書上，金銭の合意が記載されていることをどのように考えるか，②手続法（民訴法）上の問題として，形式的証拠力が認められる本件契約書の実質的証拠力をどのように考えるかという問題について，学説の整理と検討がなされています。</p><p>修習生としては，②が重要でしょう。処分証書の意義，処分証書と「その記載どおりの法律行為がされたと認められない特段の事情」の関係，処分証書の判断時期・方法について整理されています。ジレカンのみでは，処分証書や類型的信用文書等々の概念を十分に整理して理解するのが難しいですので，本稿により整理すれば，民裁起案で迷うことがなくなると思います。</p><p>&nbsp;</p><p>&nbsp;</p><p><span style="font-size:1.96em;">〔争点整理〕</span></p><p><span style="font-size:1.4em;">林道晴＝太田秀哉編『ライブ争点整理』</span><span style="font-size:1em;">（有斐閣，平成２６年）</span></p><p>用途：民裁修習</p><p>おすすめ度：☆</p><p>&nbsp;</p><p>本書では，４つの事案について，裁判官，原告被告代理人の三者の視点から，一つの事件の争点整理がどのようになされているか追いかけることができます。</p><p>民裁修習では，事件を傍聴する際に，裁判官と，次回の弁準の期日で何をするか，今後の争点整理をどうするかということを議論することがあります。しかし，短い修習期間中では，一つの事件の争点整理を追いかけることができません。ですので，本書で，事件を通じた争点整理を学習することで，実際に傍聴する事件の争点整理を全体の中で考える助けを得ることができると思います。</p><p>本書は，実務修習や研修所の起案との関係で必須とまではいえないかもしれませんが，ややもすると民裁修習の傍聴はなんとなく過ぎ去ってしまいがちなので，本書を読んで争点整理の理解を深めた上で臨むのもいいのではないでしょうか。</p><p>&nbsp;</p><p>&nbsp;</p><p><span style="font-size:1.96em;">〔手続〕</span></p><p><span style="font-size:1.4em;">圓道至剛『若手弁護士のための民事裁判実務の留意点』</span><span style="font-size:1em;">（新日本法規，平成２５年）</span></p><p>用途：民裁修習，弁護修習</p><p>おすすめ度：☆☆☆</p><p>&nbsp;</p><p>民事訴訟の第一審・控訴審の手続の流れにそって，訴訟代理人弁護士が「ありがちな失敗」をすることなく訴訟活動をするための「ありがちな失敗」を解説するもの。</p><p>民事裁判手続を解説する書籍は白表紙にもありますが，本書はそれよりも遥かに詳しい上，実務上の運用を丁寧に解説しているため，これから実務を学ぶ修習生としては是非とも本書を読んでおきたいといえます。また，例えば，手続を進める模擬裁判をする場合には，本書を読めば，各期日にやるべき手続を把握できます。</p><p>なお，同一著者による『企業法務のための　民事訴訟の実務解説』（レクシスネクシス・ジャパン，平成２８年）も参考になると思われます。</p><p>&nbsp;</p><p>&nbsp;</p><p><span style="font-size:1.96em;">〔尋問〕</span></p><p><span style="font-size:1.4em;">加藤新太郎編著『民事尋問技術〔第３版〕』</span><span style="font-size:1em;">（ぎょうせい，平成２３年）</span></p><p>用途：弁護修習，選択修習・集合修習（模擬裁判）</p><p>おすすめ度：☆☆</p><p>&nbsp;</p><p>弁護修習で指導弁護士から尋問の起案の課題を出された場合，模擬裁判で尋問をする場合には，本書で尋問技術を学ぶと良いでしょう。</p><p>また，本書には，立証計画についての記載されており，興味深いです。</p><p>なお，改訂されるらしいです。</p><p>&nbsp;</p><p>&nbsp;</p><p><span style="font-size:1.96em;">〔和解〕</span></p><p><span style="font-size:1.4em;">裁判所職員総合研修所監修『書記官実務を中心とした和解条項に関する実証的研究〔補訂版・和解条項記載例集〕』</span><span style="font-size:1em;">（法曹会，平成２２年）</span></p><p>用途：弁護修習，民裁修習</p><p>おすすめ度：☆☆</p><p>&nbsp;</p><p>弁護修習や民裁修習で和解条項の起案の課題を出された場合，本書の和解条項記載例を参照するといいでしょう。</p><p>なお，本書は，司法研修所の書籍部でしか販売されていないという話です。</p><p>&nbsp;</p><p>&nbsp;</p><p><span style="font-size:1.96em;">〔民弁総論〕</span></p><p><span style="font-size:1.4em;">京野哲也『クロスリファレンス　民事実務講義〔第２版〕』</span><span style="font-size:1em;">（ぎょうせい，平成２７年）</span></p><p>用途：弁護修習，民弁起案</p><p>おすすめ度：☆☆☆</p><p>&nbsp;</p><p>元民弁教官の著者が，民事弁護の受任から終了まで網羅的に解説したもの。弁護修習でわからないことがあった場合にはまずは本書に当たれば大抵のことは解決します。</p><p>また，本書の執行保全の解説は，短いながらも要点がまとまっており，研修所の民弁起案の対策としては，本書で必要十分といえます。白表紙よりもおすすめです。</p>
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<link>https://ameblo.jp/sthlikesth/entry-12224324733.html</link>
<pubDate>Wed, 30 Nov 2016 15:23:14 +0900</pubDate>
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<title>酒巻匡『刑事訴訟法』と司法試験</title>
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<![CDATA[ 本記事は，酒巻匡『刑事訴訟法』（有斐閣，2015年）の書評です。<br><br>本書は，帯のとおり，「刑事手続の諸制度の趣旨・目的とそこから導かれる法解釈論の道筋を丁寧に解説」したものといえるでしょう。本書を熟読すれば，酒巻教授の体系から一貫した理解をすることができるはずです。新旧の法学教室から大幅な加筆がなされ，同連載を熟読していても，新たな発見があります。また，刑訴法改正案への言及があるため，法改正後も本書を利用することができるでしょう。<br><br>内容面については，証拠の関連性の整理や，自白法則の根拠論の整理など、伝統的な理解とは異なる部分がありますが、ある程度勉強を進めた人なら、特に理解が難しいことはないと思います。本書には，定義や趣旨がはっきりと書かれているため、受験対策としても使いやすいでしょう。いわゆる論点の解説については，法学教室連載と同様，原理原則から議論が組み立てられているため，本書により十分な理解を得ることができるはずですし，また，証拠排除の申立適格など、マイナーな論点も意外とカバーしています。特に，違法収集証拠排除法則については，証拠排除の基準について詳細な解説がなされているとともに，派生証拠の証拠能力の問題について川出教授の見解が採用されるなど，ここだけでも読む価値があるといえるでしょう。<br>最近，古江頼隆『事例演習刑事訴訟法［第２版］』（有斐閣，2015年）が，<a href="http://www.yuhikaku.co.jp/static_files/13904taiouhyou.pdf" target="_blank">本書とのリファレンス</a>を公表したため，同書と行ったり来たりして学習すると良さそうです。<br><br>最後に，司法試験の過去問との関係についてですが，酒巻教授が長く司法試験の考査委員を務めていらっしゃったためか，本書には，司法試験の過去問と同様の事例が具体例として挙げられているなど，司法試験対策にある意味で直結する記載がいくつかなされております。過去問演習の際には，これらの記述がなされている項目の記述にその都度立ち返ってみると，より深い理解を得られるのではないでしょうか。<br>ご参考までに，私が一読した限りで見つけられた，過去問の事例と直接関係する部分を以下に挙げておきます。他の書籍でも一般的に論じられている抽象的な法解釈に関する部分については，たとえ過去問と関係していても，ここには挙げておりませんのでご容赦ください。<br><br>106頁<br>捜査機関が住居主や管理者の承諾なしに人の住居敷地内に立ち入り，証拠物の探索目的でそこに存在するものを調べる行為の性質について，当該住居敷地に施錠等がなく誰でも立ち入ることができる具体的状況である場合についても言及しつつ論じています（平成22年論文式試験設問１参照）。<br><br>117頁<br>押収物に対する必要な処分として，消去されたデータを復元する措置をなし得るかという点についての記述があります（平成22年論文式試験設問１参照）。<br><br>248頁<br>親告罪の告訴について，インターネット上での名誉毀損という具体例を扱っています（平成23年短答式試験刑事系科目第22問参照）。<br><br>287頁，290頁<br>訴因変更を行う場合が２つの型に分かれることを指摘した上，証拠調べ開始前における訴因変更の要否について言及しています（平成26年論文式試験設問２参照）。<br><br>313頁<br>共謀の有無と訴因変更の要否の問題について，被告人が誰と共謀したかは罪となるべき事実の画定に不可欠な事実であるという指摘があります（平成24年論文式試験設問２参照）。<br><br>538頁<br>いわゆる白鳥事件に関する最高裁判決（最判昭和38・10・17）における，「白鳥はもう殺してもいいやつだな」等の被告人の一連の発言の要証事実について論じていますが，これらの被告人の発言をどのように理解するかという問題は，平成23年論文式試験の，メール①中の甲乙が死体遺棄の手伝いを依頼した部分の要証事実をどのように理解するかという問題と全く同じ構造です（平成23年論文式試験設問２参照）。<br><br>580頁<br>犯行再現状況報告書の要証事実について，「被疑者の供述どおりの方法で自動車を崖から谷底に落下させることが可能であること」が具体例として挙げられています（平成21年論文式試験設問２参照）。
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<pubDate>Mon, 04 Apr 2016 21:37:03 +0900</pubDate>
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<title>平成27年司法試験の結果</title>
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<![CDATA[ 成績通知書が届きました。結果をぼかして書くと、<br><br>公法130点代<br>民事210点代<br>刑事150点代<br>選択60点代<br><br>でした。過去問検討等の際に参考にしていただければと思います。
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<pubDate>Fri, 18 Sep 2015 21:36:53 +0900</pubDate>
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<title>平成27年司法試験の合否</title>
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<![CDATA[ 無事合格してました。取り急ぎ報告まで。<br><br>事情により後々再現答案の公開をやめる可能性もあるので、私の答案を以後も参考にしたい奇特な方は、今のうちに然るべき処置をとってください。<br><br>また、成績が判明し次第改めて投稿します。
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<pubDate>Tue, 08 Sep 2015 16:51:56 +0900</pubDate>
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<title>平成27年司法試験刑事系第２問（刑事訴訟法）再現答案</title>
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<![CDATA[ 設問１<br>第１　捜査①の適法性<br>１　捜査①が強制処分（刑事訴訟法（以下法名省略）197条１項ただし書）に当たるならば、捜査①は、事物の性状を五官の作用で強制的に認識する処分たる検証に当たるので、検証令状（218条１項）なしになされた捜査①は令状主義に反し違法となる。そこで、捜査①が強制処分に当たるか検討する。<br>（１）科学技術により物理力を行使することなく権利利益を制約する捜査手法が登場していること、強制処分に関する法定された要件・手続が厳格であることにかんがみ、強制処分とは、相手方の明示又は黙示の意思に反する重要な権利利益を制約する処分をいう。<br>（２）まず、普通人ならば、自己の通話の内容を他者に聞かれたくないと考えるので、捜査①は乙の黙示の意思に反する。そして、電話の相手の声はPには聞こえず、同レコーダーにも録音されていることから、捜査①は、電話の相手方のプライバシー権は制約しないが、乙の会話内容に関するプライバシー権を制約する。もっとも、乙はマンションのベランダで通話しており、ベランダは隣の部屋のベランダと仕切り板を隔てていたにすぎないから、隣の部屋の人間に会話内容を聞かれてしまうこと自体は受忍せざるを得ない。そのため、乙の会話内容に関するプライバシー権の保護への期待は低下していたといえる。したがって、重要な権利利益の制約がなく、捜査①は強制処分に当たらない。<br>２　次に、捜査①が任意捜査であるとしても、捜査①は乙のプライバシー権を制約する以上、比例原則（197条１項本文）の下、必要性を考慮し、具体的状況のもとで相当とされる限度においてのみ許容される。<br>　　まず、本件においては、乙は、詐欺未遂の現行犯として逮捕された甲と頻繁に通話しており、また、マンションに一人で居住し、仕事をせず外出を控え、周囲を警戒するという不審な行動をとっている。そのため、乙は、詐欺未遂罪（刑法250条、246条１項）という懲役刑も課され得る重大犯罪について、甲と共犯である嫌疑が相当程度あった。また、甲が自白していないため、乙の会話を録音し、証拠収集する必要性があった。上記の事情からは、捜査①の必要性が高い一方、上述のように乙の権利制約は軽微であるから、捜査①は具体的状況のもとで相当といえ、任意捜査として許容される。<br>３　よって、捜査①は適法である。<br>第２　捜査②の適法性<br>１　捜査②が強制処分に当たるならば、捜査①と同様に検証に当たるため、検証令状なくなされた捜査②は違法となる。そこで、捜査②が強制処分に当たるか検討する。<br>　　まず、居室内の音声を聞かれたくないと考えるのが通常なので、捜査②は乙の黙示の意思に反する。<br>　　次に、捜査②は、居室内の音声に関するプライバシー権を制約する。居室内は、公道のような公共的な場所や上記のベランダとは異なり、私生活に関するプライバシーが強く保護されるべき場所であるため、乙の居室内の音声に関するプライバシー保護への期待は強い。そのため、捜査②は、重要な権利利益を制約する。<br>　　したがって、捜査②は、乙の黙示の意思に反する重要な権利利益を制約する処分であり、強制処分に当たる。<br>２　よって、捜査②は違法である。<br>設問２<br>第１　証拠収集上の問題点<br>１　本件文書及び本件メモは、甲及び乙の不任意自白（319条）の派生証拠として証拠能力が否定されないか。<br>（１）甲及び乙の自白は不任意自白に当たるか。<br>ア　不任意自白の証拠能力が否定される根拠は、かかる自白は虚偽であるおそれが類型的に高いことにある。そこで、不任意自白か否かは、類型的に虚偽自白を誘発するおそれのある状況の有無によって判断する。<br>イ　まず、甲の自白を検討すると、甲は、Qから、自白すれば起訴猶予にすると不起訴権限（248条）を有する検察官Rが言っていた旨を聞いたことを契機に自白している。起訴猶予となれば甲は刑事責任を負わないため甲によっては非常に利益が大きく、自白により得られる利益を獲得するために甲が虚偽であっても自白をするおそれがある。また、甲はそれまで否認していたのにもかかわらず、上記Qの発言を受けて自白をしているから、かかる約束と自白との因果関係も認められる。そのため、類型的に虚偽自白を誘発するおそれのある状況が認められ、甲の自白は、不任意自白である。<br>　　次に、乙の自白を検討すると、捜査機関は乙に対し甲が自白したことを知らせておらず、また、他に不当な圧力を加えた事実もないため、乙が甲の不任意自白に迎合して虚偽自白をしたおそれはなく、類型的に虚偽自白を誘発するおそれのある状況は認められない。そのため、乙の自白は不任意自白に当たらない。<br>（２）では、本件文書及び本件メモは乙の不任意自白の派生証拠として証拠能力が否定されないか。<br>ア　証拠物には、虚偽自白のおそれという自白法則の根拠が妥当しないため、不任意自白の派生証拠の証拠能力は否定されないと考える。<br>イ　本件文書及び本件メモは乙の不任意自白の派生証拠として証拠能力が否定されない。<br>（３）したがって、本件文書及び本件メモが不任意自白の派生証拠として証拠能力が否定されることはない。<br>２　もっとも、甲及び乙の自白が違法収集証拠であり、その派生証拠である本件文書及び本件メモの証拠能力が否定されないか。<br>（１）証拠物の場合と同様に供述証拠においても、違法収集証拠を無制約に許容すると適正手続(憲法31条)、将来の違法捜査抑止及び司法の廉潔性の維持を図れない。もっとも、軽微な違法でも常に証拠能力を否定するのであれば、真実発見(法1条)を著しく困難にし、かえって司法への国民の信頼を害する。そこで、①令状主義の精神を没却するような重大な違法があり、②これを証拠として許容することが将来の違法捜査抑止の見地から相当でないと認められる場合にはその証拠能力は否定される。<br>　　そして、先行手続に違法がある場合や、いわゆる派生証拠の場合でも、違法な捜査と因果関係のある証拠の採否が問題になっている点で証拠を獲得した直接の手続に違法がある場合と異ならないから、上記の基準に従いその採否を決すべきであると考える。<br>（２）まず、甲の自白について検討すると、たしかに、甲の自白は前述のように不任意自白である。もっとも、甲は、自白自体は自己の意思に基づいて行っている以上、供述の自由（憲法38条１項）を侵害したとはいえない。また、甲は約束通り起訴猶予となっているので、約束の不履行による違法の問題も生じない。したがって、甲の自白の採取手続に違法はない。<br>　　　次に、乙の自白について検討すると、前述のように、乙に対して捜査機関が不当な圧力をかけたような事実はないため、乙の自白の採取手続にも違法はない。<br>　　　したがって、令状主義の精神を没却するような重大な違法がなく、本件文書及び本件メモの証拠能力は否定されない。<br>３　証拠収集上の問題から、本件文書及び本件メモの証拠能力が否定されることはない。<br>第２　伝聞法則の問題<br>１　本件文書について<br>　　本件文書は伝聞証拠（320条１項）に当たり、証拠能力が原則として否定されないか。<br>（１）伝聞法則の根拠は、供述証拠は知覚、記憶、叙述という誤りが介在するおそれのある各過程を経て証拠化されるので、反対尋問(憲法37条2項前段参照)等による信用性のテストが必要であるにもかかわらず、伝聞証拠に対してはかかる信用性のテストをなし得ないという点にある。そこで、伝聞証拠とは、要証事実との関係で原供述の信用性のテストが要請される証拠、すなわち、公判廷外の原供述を内容とする証拠で、原供述の内容の真実性を証明するために使用される証拠をいう<br>（２）本件文書には、「息子」や「上司」役の人物が電話で話す内容と思われる事項や、「受取役」が逮捕された場合にすべき行動が記載されており、それらは、Vに対してなされた電話の内容や、甲の弁解内容と酷似する。そのため、Vに対する振り込め詐欺は、本件文書に基づいて実行されたと推認できる。そして、乙の自白によれば、本件文書は他の人から渡されたものであるところ、本件文書からは丙の指紋が検出されているから、乙と丙との間で本件文書の授受がなされたと考えられる。そのため、本件文書の存在と内容から、本件文書が乙と丙の間で授受され、本件文書に基づいて犯行がなされた事実を推認でき、そこから、乙と丙との共謀の事実を推認できる。<br>　　　したがって、本件文書の要証事実は、本件文書の存在と内容であり、公判廷外の原供述の内容の真実性を立証するために用いられているとはいえないため、伝聞証拠に当たらず、証拠能力が認められる。<br>２　本件メモについて<br>（１）本件メモは伝聞証拠に当たり、原則として証拠能力が否定されないか。<br>　　　本件メモについては、これから丙の指紋が検出されたというような事実がなく、記載内容からしか乙と丙の共謀の事実を推認できない。そのため、本件メモの要証事実は、乙と丙の間で、本件メモの記載通りの内容の電話がなされたことである。したがって、本件メモは、公判廷外の乙の原供述を内容とし、原供述の内容の真実性を立証するために用いられているといえ、伝聞証拠に当たり、原則として証拠能力が否定される。<br>（２）そうだとしても、321条１項３号により、伝聞例外として証拠能力が認められないか。<br>ア　まず、供述不能事由は、証拠としての必要性が高い場合を挙げたものであり、例示列挙であると解されるところ、証人が証言拒否した場合、証言を得られないことは証人が死亡した場合と同様であるから、証人が証言拒否した場合も供述不能事由が認められる。そのため、乙が本件メモの内容について証言を拒否する以上、供述不能事由が認められる。<br>イ　次に、乙と丙の共謀の事実を立証するための証拠としては前述の本件文書があるが、本件文書のみでは、丙が乙との意思連絡なく本件文書を交付した可能性を否定できない。そのため、本件メモを証拠とできるか否かで乙と丙の共謀の事実の立証に著しい差異が生じるので、「犯罪事実の証明に欠くことができない」といえる。<br>ウ　特信情況を検討する。同号の特信情況は絶対的特信情況であり、特信情況は証拠能力の要件であるから、その判断は、供述の外部的・付随的事情を基準とし、外部的・付随的事情を推認するために副次的に供述内容を考慮することが許される。<br>　　まず、本件メモは、他人に見せることが予定されていなかったと考えられるので、乙には、本件メモに虚偽を記載する動機がない。また、本件メモに真実を記載しなければ、電話内容通りに丙と犯行を行うことができなくなり、自己に不利益となるので、乙は真実を記載しようとするものと考えられる。さらに、記載内容は、先物取引で会社の金を使い込んだことにすること、金額が500万円とすること、マニュアルである本件文書が存在することが、Vへの犯行や本件文書の存在といった客観的な状況に合致するし、電話の内容の変更に係る事情は甲の自白と合致している。そのため、乙は、記憶の減退がない内に本件メモを記載したことや、真実を記載しようとしたものであることを推認できる。<br>　　これらの事情にかんがみれば、絶対的特信情況が認められる。<br>エ　したがって、321条１項３号により、伝聞例外として許容される。<br>（３）よって、本件メモには証拠能力が認められる。<br>以上
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<pubDate>Sun, 24 May 2015 22:34:10 +0900</pubDate>
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<title>平成27年司法試験刑事系第１問（刑法）再現答案</title>
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<![CDATA[ 第１　甲の罪責<br>１　甲が、新薬の書類を持ち出すためにA社本社ビルに入った行為は、A社という「人の看守する……建造物」に、機密である新薬の書類を持ち出す目的を有していることから、管理権者たるA社の意思に反した立ち入りたる「侵入」するものであるので、これに建造物侵入罪（刑法（以下法名省略）130条前段）が成立する。<br>２　新薬の書類を自己のかばんに入れ、A社の本社ビルを出た行為に窃盗罪（235条）が成立するか。<br>（１）新薬の書類は、機密情報である新薬の製造方法という経済的価値がある情報が記載されているため、A社という「他人の財物」に当たる。<br>（２）では、上記行為は「窃取」に当たるか。<br>　　　「窃取」とは、占有者の意思に反して他人の財物を自己又は第三者の占有に移転させる行為であるところ、新薬の書類の占有が甲に認められる場合は、上記行為は「窃取」に当たらないことになる。甲に新薬の書類の占有が認められるか検討する。<br>ア　物の占有に上下主従関係がある複数人が関与する場合、その占有は通常上位者に属し、下位者は占有補助者に当たる。もっとも、両者の間に高度の信頼関係が存在し、下位者にある程度の処分権が委ねられている場合は、下位者の占有が認められる。<br>イ　たしかに、甲は、従前は新薬開発部の部長として新薬の書類を管理する業務に従事していた。また、新薬の書類は、部長席の後方にある金庫に保管されており、甲は金庫の暗証番号を知っていたことから、新薬の書類の管理は全面的に甲に委ねられていたといえる。そのため、甲とA社に高度の信頼関係があり、甲には新薬の書類についてある程度の処分権が委ねられていたといえるので、異動前の甲には新薬の書類の占有が認められる。<br>　　もっとも、甲は財務部経理課に異動しており、甲の上記の信頼関係・処分権が失われ、新薬の書類の占有は甲の後任の部長にあると考えられる。したがって、上記行為の時点では、甲には新薬の書類の占有がなく、上記行為は、占有者の意思に反して他人の財物たる新薬の書類を自己の占有に移転させる行為であり、「窃取」に当たる。<br>（３）よって、上記行為に窃盗罪が成立する。後述のように乙と共同正犯（60条）となる。<br>３　C所有のかばんをCから取り上げた行為に強盗致傷罪（240条）が成立するか。<br>（１）甲は「強盗」に当たるか。上記行為が強盗罪（236条１項）の「暴行」に当たるか。<br>ア　強盗罪の「暴行」は被害者の反抗を抑圧し財物を奪取するための手段であるため、「暴行」は被害者の反抗抑圧に向けられている必要があるところ、上記行為は直接財物の奪取に向けられており、Cの反抗抑圧には向けられていない。<br>イ　また、甲とCの体格は大差ないし、年齢的には若いCの方が体力があると考えられるため、かばんを引っ張ったに過ぎない上記行為は、Cの反抗を抑圧するに足りるものではない。<br>ウ　したがって、「暴行」に当たらず、甲は「強盗」ではない。<br>（２）よって、上記行為に強盗致傷罪は成立しない。<br>４　上記行為に窃盗罪が成立するか。<br>（１）Cのかばんは「他人の財物」である。<br>（２）また、上記行為は、占有者たるCの意思に反して他人の財物たるCのかばんを自己の占有に移転させる行為であり、「窃取」に当たる。<br>（３）ここで、甲はCのかばんを自己のかばんと認識していることから、構成要件的故意（38条１項本文）がないとも思える。<br>　　　もっとも、複雑化した現代社会においては現に財物が占有されているという財産的秩序の保護を図る必要があるから、奪取罪の保護法益は占有それ自体であると考える。そこで、本権に基づかない占有も「占有」（242条）に当たり、他人の占有する自己物も「他人の財物」に当たり、また、本権に基づかない占有者に対する占有侵害も「窃取」に当たる。<br>　　　そのため、甲のかばんを本件に基づかずCが占有していたとしても、甲のかばんは「他人の財物」に当たり、かばんの中の新薬の書類の奪取は「窃取」に当たる。したがって、甲の主観においても上記行為は窃盗罪の構成要件に該当し、甲に構成要件的故意が認められる。<br>（４）もっとも、甲はCに盗まれた自己物を取り戻すという自救行為の認識で上記行為に及んでいることから、責任故意が否定されないか。<br>ア　故意責任の本質は反規範的人格態度に対する道義的非難であるところ、違法性阻却事由を基礎づける事実を誤信している場合、行為者は規範に直面しているとはいえず、かかる非難をなし得ない。そこで、かかる場合は事実の錯誤として責任故意が阻却される。<br>　　そして、違法性の実質は、社会的相当性を逸脱した法益侵害又はその危険性にあるから、自救行為に社会的相当性が認められれば、違法性が阻却される。ただし、自救行為による違法性阻却が認められるためには、私人による実力行使の横行を防ぐため、①権利侵害、②緊急性、③自救の意思、④自救行為の相当性（補充性及び厳格な法益の均衡）が認められる必要がある。<br>　　したがって、本件で甲が①から④の事実を誤信していれば、責任故意が認められない。<br>イ　まず、甲は自己のかばんをCに盗まれたと考えているため、権利侵害について誤信しているし（①）、自救の意思もある（③）。もっとも、Cは甲に全く取り合わなかったに過ぎず、逃走するなど甲の権利救済を困難とするような行為をしていないのであるから、緊急性の誤信は認められない（②）。また、甲は駅員や警察に通報することができたから補充性は認められないし、Cを負傷させているため法益の均衡も認められないため、相当性の誤信も認められない（④）。したがって、甲の責任故意は否定されない。<br>（５）よって、上記行為に窃盗罪が成立する。<br>５　また、上記行為によってCに加療一週間を要する「傷害」を負わせているため、これに傷害罪（204条）が成立する。<br>６　甲の上記各行為に、①建造物侵入罪、②新薬の書類の窃盗罪、③Cのかばんの窃盗罪、④傷害罪が成立する。①と②は目的手段の関係にあるため牽連犯（54条１項後段）となり、③と④は一個の行為によるので観念的競合（同項前段）となり、他の犯罪とは併合罪（45条前段）となる。<br>第２　乙の罪責<br>　　　甲の新薬の書類を持ちだした行為について、乙に窃盗罪の共同正犯（60条、235条）が成立するか。<br>１　乙は実行行為を行っていないが、「犯罪を共同して実行した」（60条）といえるか。<br>（１）共同正犯の一部実行全部責任の根拠は、相互利用補充関係の下、特定の犯罪を実現する点にある。そこで、実行行為の分担がなくとも、①共謀、②共謀に基づく実行行為、③正犯意思が認められる場合には、相互利用補充関係が認められるので、「共同して犯罪を実行した」といえる。<br>（２）まず、甲と乙は、甲がA社の新薬の書類を持ちだし、乙に交付する旨の共謀があった（①）。<br>　　　次に、甲の新薬の書類を持ちだした行為は、上記共謀に基づく実行行為といえる。たしかに、上記共謀の時点では、上述の通り、甲に新薬の書類の占有が認められたことから、上記共謀を法的に評価すれば、甲の業務上横領罪（253条）の共謀であり、甲の行為は共謀に基づく実行行為に当たらないとも思える。しかし、上記共謀にとって重要なのは甲に刑法上の占有が認められることではなく、甲が事実上新薬の書類を持ち出すことができることであり、甲が異動した場合には計画を中止する趣旨だったとは考えられない。また、乙は、300万円や海外の支社長の地位という大きな利益を甲に提示しているから、甲がそのような利益を求めて、異動しても新薬の書類を持ち出すことは通常起こり得ることである。したがって、甲の上記行為は、上記共謀と心理的因果性がある、上記共謀に基づく実行行為である（②）。<br>　　　乙は甲に新薬の書類の持ち出しを持ちかけており、また、300万や海外の支社長の地位という大きな利益を甲に提示し、甲の犯意形成に大きな寄与をしているから、重要な役割を果たしたといえる。また、乙は、新薬の書類を入手できれば、会社の経営陣に加わることができるという利益を得ることができるので、その動機は強い。そのため、乙には自己の犯罪を実現する意思があり、正犯意思も認められる（③）。<br>　　　したがって、乙は「犯罪を共同して実行した」といえる。<br>２　そうだとしても、乙は、甲が異動したことをしらず、業務上横領罪の故意であったことから、故意が否定されないか。<br>（１）故意責任の本質は、反規範的人格態度に対する道義的非難であり、規範は構成要件の形で与えられている。そこで、主観と客観が同一構成要件内で符合する限り、規範に直面し得たといえ、かかる非難が可能なので、主観と客観に構成要件の実質的重なり合いが認められる場合は、その限度で故意が認められると考える。そして、構成要件は法益侵害行為を類型化したものであるから、構成要件の実質的重なり合いは保護法益と行為態様の共通性により判断する。<br>（２）まず、窃盗罪は、究極的には所有権を保護法益とするから、業務上横領罪と保護法益に共通性がある。また、両罪はともに実行行為が領得行為であるから、行為態様の共通性が認められる。したがって、両罪には、選択刑として罰金があり軽い窃盗罪の限度で、実質的重なり合いがあり、乙には窃盗罪の共同正犯の故意が認められる。<br>３　よって、乙には窃盗罪の共同正犯が成立する。<br>第３　丙の罪責<br>　　　甲のかばんを持ち去った行為に窃盗罪が成立するか。<br>１　甲のかばんは甲という「他人の財物」であるし、中の新薬の書類はA社という「他人の財物」である。<br>２　上記行為は窃取に当たるか。甲のかばんへの占有が失われていれば、上記行為は占有者の意思に反して他人の財物を自己の占有に移す行為たる「窃取」に当たらないので、甲の占有の有無を検討する。<br>（１）占有とは財物への事実上の支配をいい、占有の意思と占有の事実を総合して判断すべきである。<br>（２）占有の事実を検討するに、たしかに、B駅は多数の乗客が利用する駅で、待合室は開放されて誰にも利用できる場所であったため、甲のかばんへの支配は失われていたとも思える。しかし、甲がかばんを置いた当時は、待合室にいたのは甲と丙のみであるし、上記行為の時点では、甲はかばんから20メートルという近距離にいたし、かばんを置いてから１分しか経っておらず、時間的近接性もあった。また、券売機に向かって立つと待合室は見えないとはいえ、待合室はガラス張りであるから、甲が少し立ち位置を変えれば甲はかばんを見ることが可能であった。しかも、甲はかばんの位置を明確に記憶している。そのため、甲はかばんの現実の所持を直ちに回復することが可能であったといえ、占有の事実が認められる。<br>　　　また、甲は切符を買うためにいったんかばんを置いたにすぎないから、占有の意思も認められる。<br>　　　したがって、甲のかばんへの占有が認められ、上記行為は、占有者たる甲の意思に反して他人の財物を自己の占有に移転させる行為であり、「窃取」に当たる。<br>３　ここで、丙はかばんを交番に持っていき逮捕されるために上記行為を行っているため、不法領得の意思が認められないのではないか。<br>（１）不可罰的な使用窃盗や毀棄罪と窃盗とを区別するため、不法領得の意思は必要である。そして、いわゆる利用処分意思は、重い処罰の根拠となる利欲動機を基礎付けるものであるため、経済的用法にしたがい処分する意思に限定する必要はない。そこで、不法領得の意思とは、①権利者を排除して、他人の物を自己の所有物として、②財物から何らかの効用を享受する処分をする意思であると考える。<br>（２）まず、丙は甲にかばんを直ちに返還する意思はなく、甲によるかばんの利用可能性を相当程度侵害する意思であるため、権利者を排除して、他人の物を自己の所有物として利用処分する意思はある（①）。<br>　　　また、丙は、甲のかばんを交番にもっていき、逮捕され留置施設で寒さをしのぐ目的であり、甲のかばんを自首の道具としてそこから寒さをしのぐという効用を享受する意思があるので、財物から何らかの効用を享受する意思もある（②）。<br>　　　したがって、不法領得の意思も認められる。<br>４　よって、上記行為に窃盗罪が成立する。<br>以上
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<pubDate>Sun, 24 May 2015 22:32:56 +0900</pubDate>
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<title>平成27年司法試験民事系第３問（民事訴訟法）再現答案</title>
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<![CDATA[ 第１　設問１<br>　　　以下のように、本件において反訴請求権を自働債権として本訴請求権と相殺する旨の抗弁を適法と解しても、反訴を、反訴請求債権につき本訴において相殺の自働債権として既判力がある判断示された場合にはその部分については反訴請求しない趣旨の予備的反訴と解すれば、平成３年判決と抵触しない。<br>１　平成３年判決の趣旨<br>　　平成３年判決は、係属中の別訴において訴訟物となっている債権を自働債権として他の訴訟において相殺の抗弁を主張することは許されないとする。<br>　　その根拠は、まず、相殺の抗弁が提出された自働債権の存否の判断には既判力が生じること（民事訴訟法（以下法名省略）114条２項）、相殺の抗弁の場合にも自働債権の存否について矛盾する判決が生じ法的安定性が害されるおそれがあることから、審理の重複を避けること及び矛盾した既判力ある判断がされるのを防止することという142条の趣旨に反することがある（根拠①）。<br>　　また、判旨からは明らかではないが、同判決は、相殺による簡易、迅速かつ確実な債権回収への期待と、相殺に供した債権について債務名義を得るという2つの利益を自働債権の債権者である被告が享受することは許されないとする趣旨であると考えられる（根拠②）。<br>２　本件において平成３年判決と抵触しない理由<br>（１）根拠①について<br>　　　まず、反訴請求を上述のように予備的反訴と扱われることによって、本訴において相殺の抗弁が判断されることが反訴請求の解除条件とされていることから、本訴と反訴を裁判所が分離することは禁止され、併合審理が強制される。したがって、審理の重複は生じないし、自働債権の存否について矛盾した既判力ある判断がなされるおそれはなく、根拠①は妥当しない。<br>　　　なお、平成３年判決は、同判決の論理は本訴と反訴が併合されていても妥当するとしている。しかし、同判決は両請求が単純併合された事案であり、裁判所の裁量により分離されるおそれがあるため、根拠①が妥当しているが、本件において予備的反訴と扱うことで根拠①が妥当しないことは前述のとおりである。<br>（２）根拠②<br>　　　まず、反訴請求が上述の予備的反訴と扱われることで、本訴において相殺の抗弁が判断された場合は、解除条件成就により反訴請求されないこととなり、本訴被告は債務名義を得ることはなく、本訴において相殺の抗弁が判断されなかった場合に限り本訴被告が債務名義を得ることができる。したがって、相殺による簡易、迅速かつ確実な債権回収への期待と、相殺に供した債権について債務名義を得るという2つの利益を自働債権の債権者である被告が享受することはなく、根拠②は妥当しない。<br>（３）なお、仮に本件でYが訴えの変更（143条１項）の申立てをしていない場合に、裁判所が反訴請求を予備的反訴として扱っても、以下のように、処分権主義に反しない。すなわち、処分権主義の趣旨は当事者の意思の尊重であるから、当事者の合理的意思に反しなければ、処分権主義に反しないと解すべきである。そして、反訴被告は、反訴を請求しつつあえて同一の債権を相殺に供しているのであるから、反訴請求債権は相殺に供するのを優先させるのが反訴被告の合理的意思である。したがって、反訴請求を予備的反訴として扱い、相殺を反訴に優先させても、反訴被告の合理的意思に反せず、処分権主義に反しない。<br>　　　また、以下のように、予備的反訴とされると反訴請求について本案判決を得られなくなる可能性があるが、それでも反訴被告の利益を害することはない。すなわち、一般的に、被告が本案判決を得ることによる利益は、既判力ある請求棄却判決を得ることにより、紛争を解決する点にある。そして、予備的反訴とされても、その解除条件は相殺の抗弁に供された自働債権の存否につき既判力ある判断がなされることであるから、予備的反訴が請求されないものとされても、自働債権の存否につき114条２項による既判力が生じるので、上記利益が害されることにはならない。したがって、予備的反訴とされても反訴被告の利益を害しない。<br>３　よって、本件において相殺の抗弁を適法と解しても、平成３年判決に抵触しない。<br>第２　設問２<br>　　　控訴審がどのような判決をすべきか、不利益変更禁止の原則（304条）に反しないかという観点から、第一審判決取消し・請求棄却の結論の控訴審判決が確定した場合と、相殺の抗弁を認めて請求を棄却した第一審判決が控訴棄却によりそのまま確定した場合を比較して検討する。<br>１　まず、前者の判決が確定した場合の既判力の範囲を検討すると、請求棄却の判決により本訴請求債権の不存在につき既判力（114条１項）が生じ、受働債権不存在により相殺の抗弁が判断されないことから、自働債権の不存在につき既判力（同条２項）が生じない。<br>２　次に、甲社の判決が確定した場合の既判力の範囲を検討すると、請求棄却の判決により本訴請求債権の不存在につき既判力（同条１項）が生じ、また、相殺の抗弁が認められたことにより自働債権の不存在につき既判力（同条２項）が生じる。<br>３　両判決を比較すると、前者の判決によると自働債権の不存在につき既判力が生じず、原判決が確定した場合よりも不服を申し立てたXにとって不利益となる。したがって、前者の判決をすることは不利益変更禁止の原則に反するので、控訴審は、控訴棄却判決に留めるべきである。<br>第３　設問３<br>　　　以下のように、Yの請求は前訴における相殺の抗弁の既判力により遮断され、認められない。<br>１　まず、114条２項の既判力の範囲を検討する。<br>　　基準時における訴訟物たる権利関係の存否の判断について既判力が生じるという同条１項との均衡から、同条２項の既判力は、基準時における自働債権の不存在の判断について生じると考える。<br>　　本件では、基準時における請負代金請求権の不存在につき、既判力が生じる。<br>２　次に、以下のように、Yの主張は上記既判力により遮断される。<br>　　そもそも、既判力は、前訴既判力で確定された事項が後訴において再び問題となった場合に、作用する。<br>　　そして、Yは、Xが請負代金請求を受けないことによって「利益」を受けており、Yは請負代金を請求できないことにより「損失」を被っているとして、不当利得返還請求権（民法703条）が存在することを主張している。かかる主張は、基準時において請負代金請求権が存在していたが、不適法な相殺が認められたことによって、請負代金請求権を行使できなくなったということを前提とする。そのため、基準時における請負代金請求権の存否という、前訴の相殺の抗弁の既判力で確定された事項が先決問題として、再び問題となっている。したがって、前訴の相殺の抗弁の既判力が後訴に作用し、Yは基準時における請負代金請求権の不存在を争うことはできず、「利益」「損失」が認められない。<br>３　よって、Yの主張は既判力により遮断され、Yの請求は認められない。<br>以上
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<link>https://ameblo.jp/sthlikesth/entry-12030653503.html</link>
<pubDate>Sun, 24 May 2015 22:31:54 +0900</pubDate>
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<title>平成27年司法試験民事系第２問（商法）再現答案</title>
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<![CDATA[ 設問１<br>第１　Bは、「取締役」として、乙社の洋菓子事業の陣頭指揮をとったことについて、会社法（以下法名省略）423条１項の責任を負うか。<br>１　Bが乙社の洋菓子事業の陣頭指揮をとったことが競業取引（365条１項・356条１項１号）に当たり、Bが取締役会の承認を受けてないとして任務懈怠が認められないか。<br>（１）まず、取締役・第三者の計算で行われた競業取引に423条2項を適用すべきであるから、「ために」とは、自己又は第三者の「計算において」という意味であると考える。<br>　　　たしかに、Bは乙社株式の90％を取得していることから、Bと乙社を同視し、Bが自己の「ために」取引したと見る余地もある。しかし、乙社株式の10％はDが保有しているし、Bが乙社の利益を自己への報酬として私物化するなどの事情もないことから、取引の利益は乙社に帰属しており、Bは第三者たる乙社の「ために」取引をしたと解すべきである。<br>（２）次に、乙社の洋菓子事業は「会社の事業の部類に属する取引」に当たるか。<br>ア　356条1項1号の趣旨は、取締役が会社のノウハウや情報を奪う形で事業に利用して会社に損害を与えることを防止する点にある。そこで、「事業の部類に属する取引」とは、会社の実際に行う事業と市場において取引先が競合し、会社と取締役との間に利害衝突が生じる可能性のある取引をいう。<br>イ　甲社は、洋菓子事業の関西地方への進出を企図し、マーケティング調査会社に市場調査を委託していた。他方、乙社は関西地方で洋菓子事業を営み、しかも、甲社と同様にチョコレートを扱っていた。そのため、乙社の洋菓子事業は、会社の実際に行う事業と市場において取引先が競合し、会社と取締役との間に利害衝突が生じる可能性のある取引であり、「会社の事業の部類に属する取引」に当たる。<br>（３）では、本件で取締役会の承認があったといえるか。<br>　　　たしかに、Bは他の取締役であるA及びCに対し「乙社の発行済株式数の90％を取得するので、今後は乙社の事業にも携わる。」と述べ、これに対しA及びCは特段の異議を述べなかった。<br>　　　しかし、356条１項１号が取締役会の承認を要求した趣旨は、競業取引が会社に損害を与えるおそれがあることから、取締役会の慎重な判断を担保して会社の損害を防止する点にある。そのため、「重要な事実の開示」としては、取締役会の慎重な判断が可能な程度の事実の開示が必要であり、それを欠いた場合には取締役会の承認も認められないと考える。本件では、Bは乙社の事業に携わることしか開示しておらず、乙社の事業の内容や、甲社の事業に生じ得る影響が何ら明らかとなっていないから、取締役会の慎重な判断が可能な程度の事実の開示がない。そのため、「重要な事実の開示」が欠け、取締役会の承認も認められない。<br>（４）したがって、Bは取締役会の承認なく競業取引しており、356条１項１号に反するため、任務懈怠が認められる。<br>２　上述のように、Bは365条1項・356条1項1号に違反しているため、第三者たる乙社の得た利益の額が「損害」額と推定される（423条２項）。本件では、Bの陣頭指揮のために増加した乙社の営業利益800万円（1000万円－200万円）が、甲社の「損害」額と推定される。また、因果関係も認められる。<br>３　Bは故意に取締役会の承認なく競業取引しているため、帰責事由（428条１項参照）もある。<br>４　よって、Bは800万円の損害賠償責任を負う。<br>第２　Eを甲社から引きぬいたことについて、Bは423条１項に基づき、損害賠償責任を負うか。<br>１　かかる引き抜きが、善管注意義務（330条・民法644条）に反し、任務懈怠が認められないか。<br>（１）たしかに、取締役や引き抜かれる労働者にも職業の自由（憲法22条１項）があるため、全ての引き抜きを善管注意義務違反とすることはできない。もっとも、取締役は会社の利益よりも自己の利益を優先することは許されないし（355条参照）、取締役はその立場上使用人に対する影響力も大きいことにかんがみれば、取締役は、少なくとも、善管注意義務として、引き抜きにより積極的に損害を与えないように配慮する義務を負う。<br>（２）Eは洋菓子事業の工場長という重要な役職にあったのであるから、甲社との事前調整なしに引き抜けば、洋菓子工場が操業できず、受注ができないなど、損害が生じることは明らかである。それにもかかわらず、BはEの引き抜きにあたって甲社と事前調整なしに突然退職させたと考えられるので、上記配慮する義務を尽くしていないといえ、善管注意義務違反があり、任務懈怠が認められる。<br>２　甲社はEの突然の退職により、洋菓子工場が操業停止し、３日間受注できず、１日当たり100万円相当の売上を失っているため、300万円の「損害」があり、因果関係もある。<br>３　Bは善管注意義務違反につき故意であるため、帰責事由もある。<br>４　よって、Bは300万円の損害賠償責任を負う。<br>設問２<br>　第１取引及び第２取引が「事業の重要な一部の譲渡」（467条１項２号）に当たるにもかかわらず、株主総会特別決議がなされていないことから、無効とならないか。<br>第１　洋菓子工場に係る土地及び建物の帳簿価格は１億5000万円であり、P商標は１億円であるから、甲社の総資産額７億円の五分の一を上回るため、同号かっこ書には当たらない。では、第１取引及び第２取引は「事業の重要な一部の譲渡」に当たるか。<br>１　法解釈の統一性、取引安全の観点から、同項の事業譲渡を21条以下の事業譲渡と同意義と解し、「事業の重要な一部の譲渡」を、①一定の事業目的のために組織化され、有機的一体として機能する財産の重要な一部を譲渡し、②これにより譲受会社が事業活動を承継し、③譲渡会社が法律上当然に競業避止義務を負うものと解する見解もある。<br>　　しかし、競業避止義務は事業譲渡の要件ではなく効果である(21条)。また、競業避止義務排除特約により当該譲渡に22条や23条が適用されなくなるのは妥当でない。そこで、③は要件とならず、事業譲渡に当たるか否かは、①及び②から判断すべきと考える。<br>２　まず、洋菓子工場に係る土地及び建物並びにP商標は、洋菓子事業という一定の事業目的のために組織化された有機的一体として機能する財産である。また、これらの帳簿価格は合計２億5000万円と甲社の総資産の三分の一を超えるし、洋菓子事業は甲社の営む事業の二つの内一つであることにかんがみれば、重要な一部である。たしかに、本件では、雇用関係や取引先といった人的要素は直接は承継されていない。しかし、丙社は、甲社の洋菓子事業部門の従業員を全員雇用するとし、また、甲社の取引先と取引をするとしており、実質的にこれらの人的要素の承継があるため、これらの財産の有機的一体性は否定されないと考える（①）。<br>　　また、上述のように雇用関係や取引関係の実質的承継があることから、丙社は洋菓子事業を承継すると承継すると考えられる（②）。<br>　　なお、本件では、甲社について競業避止義務排除特約が付されているが、前述のように、③は要件とならないため、これらの取引が事業譲渡に当たることを妨げない。<br>　　したがって、「事業の重要な一部の譲渡」に当たる。<br>第２　たしかに、第１取引及び第２取引は形式的には別に取引であることから、事業譲渡当たらないとも思える。<br>もっとも、467条１項２号は強行法規であるため、事業譲渡に当たるかは実質的に判断すべきである。甲社と丙社は、洋菓子事業部門を売却するとして第１取引と第２取引を一体的に交渉しており、また、上述のように洋菓子事業の事業活動を承継している。また、第１取引と第２取引はわずか10日間の間になされている。これらの事情にかんがみれば、両取引は一体として解すべきである。したがって、上述のように両取引を一体として考慮し、「事業の重要な一部の譲渡」に当たる。<br>第３　第１取引及び第２取引は「事業の重要な一部の譲渡」に当たるにもかかわらず、株主総会特別決議がないことから、無効とならないか。<br>１　事業譲渡に株主総会の特別決議が要求された趣旨は、事業譲渡が株主の利益に重大な影響を与えることに鑑み、その決定に株主を関与させて株主を保護する点にあるから、株主総会の承認決議を欠く事業譲渡は、譲受会社の善意悪意を問わず無効と考える。<br>また、譲受会社が不安定な地位に置かれることになるため、無効を誰でも主張できると考える。<br>２　したがって、第１取引及び第２取引は無効となる。<br>第４　よって、第１取引及び第２取引は無効となる。<br>設問３<br>　本件新株発行に、新株発行無効の訴え（828条１項２号）の無効事由が認められるか。<br>第１　法的安定という無効の訴えの趣旨にかんがみ、無効事由は重大な瑕疵に限られる。<br>第２　本件新株発行は、新株予約権の行使条件違反があり、無効事由とならないか。<br>１　本件新株発行は、新株予約権の行使条件に反するか。<br>（１）まず、新株予約権の発行についても、株主の意思を尊重すべきであるから、株主総会決議をもって、新株予約権の行使条件を取締役会に一任することは許されると考える。<br>（２）次に、平成26年12月11日の上場条件廃止が有効ならば、甲社が上場していないにもかかわらずなされた本件新株発行には、行使条件違反が認められないこととなる。甲社取締役会による上場条件廃止が有効か。<br>ア　非公開会社においては、取締役会は株主総会の授権がなければ新株予約権を発行できないのであるから、新株予約権の行使条件の変更は、細目的な事項の変更に留まるものでない限り、新たな新株予約権を発行したものというに等しいため、無効である。<br>イ　上場条件は、Gに発行された新株予約権がGへの成功報酬であることに鑑みれば、Gの業務へのインセンティブを担保するためのものであり、細目的の事項に留まらない。したがって、上場条件廃止は無効であり、本件新株発行には新株予約権の行使条件違反という瑕疵がある。<br>２　では、新株予約権の行使条件違反は新株発行の無効事由となるか。<br>（１）非公開会社においては、公開会社と異なり、募集株式を発行するには、原則として株主総会の特別決議によるものとされ(199条2項、1項、309条2項5号)、無効の訴えの提訴期間も一年とされている(828条1項2号かっこ書)。これらの点に鑑みれば、非公開会社においては、株主の持株比率維持への利害が強いことにかんがみ、既存株主の意思に反する新株発行、すなわち、株主総会の特別決議を欠く新株発行は重大な瑕疵として、新株発行無効の訴えにより救済するのが法の趣旨と解される。そして、非公開会社において、新株予約権の重大な行使条件に反した新株の発行がなされた場合には、既存株主の意思に反した新株発行といえるので、重大な瑕疵といえる。したがって、新株予約権の重要な行使条件違反に反することは、無効事由となる。<br>（２）Gに発行された新株予約権はGへの成功報酬であり、甲社が上場されれば、Gは上場によるプレミアムという多大な利益を得ることができるという仕組みである。そのため、上場条件は、Gの業務へのインセンティブを担保するためのものであり、重要な行使条件である。したがって、本件新株発行には新株予約権の重大な行使条件違反があり、無効事由がある。<br>第３　よって、本件新株発行は無効である。<br>以上
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<link>https://ameblo.jp/sthlikesth/entry-12030652956.html</link>
<pubDate>Sun, 24 May 2015 22:30:08 +0900</pubDate>
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<title>平成27年司法試験民事系第１問（民法）再現答案</title>
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<![CDATA[ 設問１<br>第１　小問（１）<br>　　　Aは、Cに対して、所有権（民法（以下法名省略）206条）に基づき、材木①の引渡しを請求できるか。<br>１　かかる請求が認められるためには、Aが材木①を所有し、Cが材木①を占有する必要がある。Aは材木①の材料となった丸太を所有しており、Cは材木①を占有しているから、Aの主張は認められる。<br>２　これに対し、Cは、Aは平成23年４月１日、Bに本件丸太を売ったことから、その所有権を喪失していると反論することが考えられる。もっとも、AとBの売買契約においては、Aの代金債権を担保するために、丸太の所有権移転時期を代金支払時とする所有権留保特約が付されていることから、Aは所有権を喪失しないのではないか。所有権留保の法的性質を検討する。<br>（１）当事者間の特約で所有権の移転時期を決定できるし、当事者間で所有権を留保するという形式が採用されている以上、所有権留保特約が付された場合所有権は売主に属すると考える。<br>（２）したがって、AはBとの売買契約によっては本件丸太の所有権を喪失せず、上記反論は認められない。<br>３　次に、Cは、Bが丸太を材木に加工（246条１項ただし書）したことによっては所有権を喪失したと反論することが考えられる。<br>　　もっとも、「工作によって生じた価格」である１本当たり５万円に過ぎず、「材料の価格」である１本15万円を「著しく超える」とはいえないため、かかる反論は認められない。<br>４　さらに、CはBとの売買契約により、材木①の所有権を即時取得（192条）したことから、Aは所有権を喪失したと反論することが考えられる。<br>（１）Cは、売買契約という「取引行為」によって、「平穏」かつ「公然」と、材木①という「動産」の引き渡しを受け「占有を始めた」といえる。<br>（２）Cは丸太についてはAB間の代金の支払がすでにされているものと即断していることから、「善意」であるが、「過失がない」といえるか。過失の有無は、調査確認義務を懈怠したかにより判断する。<br>　　　Cは、それまでの取引経験から、Aが丸太を売却するときにはその所有権移転の時期を代金の支払時とするのが通常であり、最近もAB間でトラブルが生じたことを知っていた。そのため、Cは、Bが丸太の所有権を有していないことを疑い、代金を支払い済みか、Aに確認する義務があった。それにもかかわらず、Cはかかる義務を尽くしていないので、「過失がない」とはいえない。<br>（３）したがって、かかる反論は認められない。<br>５　よって、上記請求は認められる。<br>第２　小問（２）<br>　　　AはDに対し、248条・703条に基づき、材木②の価額の償還請求できるか。<br>１　まず、Aは以下のように主張する。<br>（１）Aの所有する材木②は、乙建物の柱として用いられるなど、分離復旧が事実上困難となっているので、「付合」（242条）している。<br>（２）Aは一本あたり20万円の材木②の所有権を失っているので、Aには合計200万円の損失がある。<br>２　これに対し、Dは、材木②の所有権を即時取得したことから、「法律上の原因」があるとの反論をすることが考えられる。<br>（１）Dは、Cとの請負契約（632条）という「取引行為」によって、「平穏」かつ「公然」と、「占有を始めた」といえる。<br>（２）Dは、平成23年８月５日、Aから事情を聞いており、前述のようにAが材木②を所有することを知っているため、「悪意」となっている。善意悪意の基準時は占有開始時であるため、Dの即時取得が認められるためには、同日以前に引渡しが認められる必要がある。そこで、いつCからDへの引渡しが認められるか検討する。<br>　　　たしかに、同年７月25日において、乙建物の内覧が行われ、工事が完成されたことが確認されている。もっとも、同日後にCが建物内の通気状況などを確認するとされ、また、鍵が未だ返還しないとした当事者の意思からすれば、同日には未だ現実の支配はCの下にあると考えられ、鍵の返還日である同年８月10日に引渡しが認められると考えられる。<br>　　　そのため、占有開始時たる同日以前にDは悪意となっている。<br>（３）したがって、Dの即時取得は認められず、上記反論は認められない。<br>３　次に、Dは、「利益」「損失」は、丸太の価格を基準に、一本あたり15万円と解すべきである、との反論が考えられる。<br>　　しかし、丸太と材木の価額の差額は、AとBとの間の償還請求で調整すべきであるから、Aが一本20万円の材木の所有権を失った以上、「利益」「損失」は一本20万円を基準に、200万円と解すべきである。<br>　　したがって、上記反論は認められない。<br>４　よって、Aは200万円を請求できる。<br>設問２<br>第１　小問（１）<br>　　　Gは、Eが丸太③の対抗要件を具備するまで、Eの所有権取得を認めない、という対抗要件の抗弁（177条）を主張していると考えられる。<br>１　対抗要件の抗弁の要件事実を検討する。対抗要件の具備を争う当事者の意思を明らかにするとともに、対抗要件の具備の主張立証責任を公平に分配するために、対抗要件の抗弁としては、第三者に当たることを基礎付ける事実と、権利主張を主張立証することが必要であると考える。<br>２　Gは、Eと対抗関係にあるFから寄託契約（657条）に基づいて丸太③の引渡しを受けているため、Fに対抗できないEに対し丸太③を引き渡してしまうと、Eから損害賠償請求（415条）されてしまうことから、「第三者」に当たる。そのため、Gが「第三者」に当たることを基礎付けるために、（ア）Fは、平成24年１月17日、Aから立木を買った、（イ）Gは、Fに対し、同年２月２日、丸太をFのために保管することを約した、（ウ）Fは、Gに対し、同日、上記寄託契約に基づき、丸太を引渡した、という事実を主張する必要がある。ここで、FがEと対抗関係を基礎付けるためのAもと所有は、請求事実に現れていると考えられるため、主張立証は不要である。<br>　　また、権利主張として、（エ） Eが丸太③の対抗要件を具備するまで、Eの所有権取得を認めないと主張する必要がある。<br>　　よって、（ア）から（エ）を主張立証すべきである。<br>第２　小問（２）<br>１　Gは、丸太④につき留置権（295条１項）が成立することから、Eの請求を拒絶するという主張であると考えられる。留置権は物権であるから、いったん留置権が成立すれば、被担保債権の債務者以外の第三者であるEにも主張できる。<br>２　Gの主張が認められるか検討する。<br>（１）丸太④はEが所有し、Gがこれを占有しているため、Gは「他人の物の占有者」である。<br>（２）Fに対する保管料債権は「その物に関して生じた債権」か。<br>　　　「その物に関して生じた債権」といえるためには、被担保債権がその物自体から生じるか、被担保債権と物の引渡請求権と同一の事実関係又は法律関係から生じることが必要である。<br>　　　保管料債権は、Fの委託契約に基づく丸太④の返還請求権と同一の法律関係である寄託契約から生じたものであるため、「その物に関して生じた債権」である。<br>（３）また、保管料債権の弁済期は平成24年２月９日であり、「その債権が弁済期にない」（295条１項ただし書）とはいえないし、Gは丸太④の引渡しを受けた時点で、Fから事情を伏せられていたため、丸太④をEが所有していることにつき善意であるから、「占有が不法行為によって始まった」（同条２項）とはいえない。<br>（４）したがって、Gの主張は認められる。<br>設問３<br>第１　小問（１）<br>　　　LはCに対し、709条に基づき、治療費等30万円相当額の損害について損害賠償請求できるか。<br>１　たしかに、CはHの親権者として監護義務（820条）を負うが、Hは15歳であり、責任能力を有しているため、714条による責任を負わない。<br>　　しかし、同条は責任能力を有しない者の監督義務者について過失を推定したに過ぎず、一般の不法行為が成立することは排除するものではないため、Lは上記請求をなし得る。<br>２　Lは右腕を骨折していることから、身体という「権利」を「侵害」されているが、これにつきCに「過失」があるか。<br>（１）「過失」とは、予見可能性を前提とした回避義務違反である。そして、監督義務違反もあくまで過失責任であるため、ある程度具体的な義務違反が必要である。<br>（２）Hは中学２年生の終わり頃から旧に言動が粗暴になり、喧嘩で同級生を怪我させたり、同級生の自動車のブレーキワイヤーを切るといった悪質ないたずらをしたりしたことなどから、Cが学校から呼び出しを受けるという自体が何度も生じていたことから、Hは、Cが自宅周辺で再び他人の身体を侵害するようないたずらをすることは予見できた。しかしながら、CはHと同居し、また、Hは未だ中学３年生で親であるCの指導に従う余地がある年齢であったためCは具体的な指導をできたにもかかわらず、Hに対し、他人に迷惑をかけてはいけないといった一般的な注意をするにとどまり、具体的な指導をしておらず、監督義務を怠ったといえる。したがって、Hには「過失」が認められる。<br>３　Lには右腕の骨折の治療費等として30万円相当の「損害」が生じており、因果関係もある。<br>４　よって、上記請求は認められる。<br>第２　小問（２）<br>　　　Cは、Kの過失を被害者側の過失としてしんしゃくし、過失相殺（722条２項）をして賠償額を減額するべきであると反論することが考えられる。<br>１　損害の公平な分担という過失相殺の趣旨に照らし、被害者本人と身分上・生活関係上、一体をなすとみられるような関係にある者の過失は、いわゆる被害者側の過失として、過失相殺の対象とすることができると考える。<br>２　Kは、３歳の幼児であるLの親であり、同居もしているため、LとKは身分上・生活関係上一体をなす関係にあるといえ、Kの過失を被害者側の過失としてしんしゃくできる。<br>　　まず、Kは、自転車運転者として、同乗しているLが身体を侵害されないように、安全に運転するように配慮する注意義務を負っていた。しかしながら、Kは荷台にLを乗せ運転に困難が伴う状態であるにもかかわらず、携帯電話で通話して運転に集中せず、また、片手で運転していたことから、かかる義務を果たしていない。Kが十分に路面に注意していれば本件角材に乗り上げず、又は乗り上げても損害が拡大しなかったと考えられるので、かかる過失を考慮できる。<br>　　また、Kは自転車運転者として、安全に運転するために、前照灯を点灯させる義務を負っていたが、前照灯を故障させたままであり、かかる義務を果たしていない。Kが前照灯を点灯させていれば本件角材を発見し回避することで損害発生を避けることができたので、かかる過失も考慮できる。<br>　　よって、これらの過失を考慮し、賠償額が減額されるべきである。<br>以上
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<link>https://ameblo.jp/sthlikesth/entry-12030652004.html</link>
<pubDate>Sun, 24 May 2015 22:28:26 +0900</pubDate>
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