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<title>読書日記</title>
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<description>神郡が読んだ本の感想や、諸雑記を書いていくブログ。知り合いには見せられないなあ。</description>
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<title>君は海を見たか</title>
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<![CDATA[ 夏になりました。<br><br>夏になると、小野不由美の『屍鬼』が読みたくなり、PS2の『白中探検部』がやりたくなり、スピッツの『ホタル』が聴きたくなります。最近よく田舎の夢をみます。のすたるじー。<br><br>〇<br>〇<br>〇<br><br>・西條奈加『大川契り―善人長屋―』新潮社 (2015/11/20)<br>・紫野貴李『前夜の航跡』 新潮社 (2010/11)<br>・平谷美樹『でんでら国』小学館 (2015/1/14)<br>・山田宗樹『百年法　上・下』角川書店 (2012/7/28)<br>・山下貴光『屋上ミサイル』 宝島社 (2009/1/10)、『屋上ミサイル～謎のメッセージ』宝島社 (2012/5/11)<br>・角田光代『八日目の蝉』中央公論新社 (2007/03)<br>・アベル・ボナール『友情論』中央公論社 (1996/12)<br>・ガルシア＝マルケス『エレンディラ』筑摩書房 (1988/12/1)<br><br><br><br><strong>・西條奈加『大川契り―善人長屋―』</strong><br><br><em>――スリに詐欺師に美人局、悪党ぞろいの善人長屋に迷い込んだ、人助けが生き甲斐の真の善人・加助。あふれる善意で次々持ち帰る面倒の種に住人たちは辟易。しかも拾った行き倒れが盗賊の一味と判明し、そのとばっちりで差配の母娘が囚われた。長屋の知恵を結集し、二人を無事に救い出せ！　人情ピカレスク時代小説、待望の最新刊。――</em><br><br><br>シリーズ第三弾。今回はヒロインお縫ちゃんの家族の話が多かった印象。<br>両親の驚きの過去とか、家族を毛嫌いする姉の、その悲しい理由とかですね。<br>美人局兄弟の弟・文吉との微妙な距離感も縮まったような気もしないでもない感じです。<br><br>その分、加助があんまり活躍しないというか、最初に厄介ごと拾ってきて長屋のみんなが解決して終わりというのが多かった。<br>前二作で加助の過去の話もしてしまったので、今回はお縫ちゃん一家の話だったということかもしれませんが。<br>もっとこう、ばれそうになるとか、ひやひやする展開も読みたいですね。<br>連作短編としては一話一話がまとまっていていい話です。『雁金貸し』の証文のトリックなど感心しました。<br><br>長い目で追いたいタイトルですね。<br><br><br><br><strong>・紫野貴李『前夜の航跡』</strong><br><br><em>――海に喚ばれた魂を、その美しき仏師は浄めるという。永いこと、あなたとの再会を待ちわびていた―。青年将校たちに訪れた奇跡。涙に彩られた異界との邂逅。第22回「日本ファンタジーノベル大賞」大賞受賞作。――</em><br><br><br>ファンタジーノベル大賞ですが、短編集なんですね、びっくり。<br>一応連作ですが、語り手も都度変わります。共通して出てくるのが仏師の笠崎亮佑（もしくは彼の彫った何か）。彼の作品には不思議な力が宿り、死者と現世をつなぐ鍵になります。<br><br>でもこの作品の味は時代の世界観ですねなんといっても。<br>昭和初期、帝国海軍、青年将校。いい。<br>いいけど、個人的には！　第一話の『左手の霊示』のシリーズでもっと読みたかった。なんなら全部このシリーズでよかった。事故で左腕を失った芹川中尉が、笠崎の彫った霊に反応する義手を着け、海軍諜報部第四課（丁種特務班）という幽霊専門の部署で活躍するという話です。上司の支倉のキャラクターもいいし、わくわく感半端なことではなかった。<br><br>他の作品も悪くないのですが、結局最後に笠崎の仏像が全部解決してしまうのがわかってしまって、悪くないのですがうーん。<br><br>続編あるなら読みたいです！　期待。<br><br><br><br><strong>・平谷美樹『でんでら国』</strong><br><br><em>――時は幕末、陸奥国八戸藩と南部藩に挟まれた小さな国、外館藩西根通大平村が舞台。大平村には、60歳になると全ての役割を解かれ、御山参りをする習わしがあった。それは食い扶持を減らす為の姥捨ての旅とも囁かれていた。一方、代官所は、どんな飢饉の年でも、きちんと年貢米を納める大平村に不審を抱く。老人の口減らしだけで、重い年貢を納めることができるのか、もしや「隠田」を開墾しているのではないか…。隠田は死罪に当たる時代、真実を暴きたい代官所と村人との攻防戦が始まる。老人達の知恵と勇気が、役人達を翻弄、果たして大平村の運命やいかに…?痛快!幕末老人エンタテインメント。――</em><br><br><br>すっかり時代劇の人となってしまいましたね、SFはもう書いていないんでしょうか。<br><br>舞台は東北。確か作者は岩手出身でしたっけ。方言のまま書いたら読むの大変なんでしょうけど、標準語を喋る田舎のじいちゃんたちはちょっとシュールでした。<br><br>細かいところはさておき。<br>姥捨ての大平村と、老人たちの暮らすでんでら国。それを見つけたい役人の攻防です。<br>子殺しより姥捨てのほうがいいのか悪いのか、呆けた老人はどうしたらいいのか、考えさせられる内容です。<br>筋はエンターテイメント寄りなので、元気に山を駆け回る老人たちの躍動感や上手いこと騙される役人の対比がコミカルで面白いです。<br>でも少し登場人物がスーパーマン過ぎる気がしました。<br><br>ただ読んでいると、どうしても現代と比較してしまいます。<br>でんでら国はよくできた共同体ですが、言っても老老介護です。ひとたび病なんか流行ればえらいことになるでしょうし、体力的な面もあります。<br>これが現代で起きたらどうでしょう。老人はみんな自給自足で頑張ってね！　てことですよ。<br><br>うん、やっぱり、そういうわけにはいかんでしょうなあ。<br><br><br><br><strong>・山田宗樹『百年法　上・下』</strong><br><br><em>――原爆が6発落とされた日本。敗戦の絶望の中、国はアメリカ発の不老技術“HAVI”を導入した。すがりつくように“永遠の若さ”を得た日本国民。しかし、世代交代を促すため、不老処置を受けた者は100年後に死ななければならないという法律“生存制限法”も併せて成立していた。そして、西暦2048年。実際には訪れることはないと思っていた100年目の“死の強制”が、いよいよ間近に迫っていた。経済衰退、少子高齢化、格差社会…国難を迎えるこの国に捧げる、衝撃の問題作。――</em><br><br><br>知人に勧められて。<br>これもちょっと『でんでら国』と似ている話ではありますね。あちらが自主的なものだとしたら、こちらは強制的な姥捨て。テイストもだいぶシリアスです。<br>不老不死となった日本人の、滞った社会を払拭すべく施行される百年法。その成立を巡る攻防や、対象となった人々の心情、政治家と市民の温度差。それらを語り手を変えながら、いろんな人間の角度から見ていく話です。最初は。後半は施行された百年法に対する反対やテロ、逃亡者などが絡み、主人公も定まってきて手に汗握る感じです。<br><br>個人的には読みやすい文章ではなかったので結構頑張りました。正直に言えば、面白くなったのは下巻の後半以降です。<br>登場人物が多く、視点もよく変わり、時代も飛ぶので把握するのが大変でした。<br>近未来の描写はリアリティがあるものの、服装などはほとんど変わっていないんでしょうかね。スーツの人が多くてよくわかりませんでした。昆虫食はちょっと……。<br><br>ビジュアル化したら人気出そうな作品です。不老なのでみんな若いし。実年齢は100歳とかなんですけどね。<br>でもいくら見た目が若いとはいえ、ジェネレーションギャップくらいありますよね。あと口調が若いです。相応の分別ってつかないものですかね。90歳の女性が「あたし」っていうのはどうも違和感がありました。<br><br>書きたいストーリーがあって、登場人物はその通りに動いている印象です。牛島大統領は好きです。<br>でもその分、世界観はしっかり出来ていて、こんな世界には住みたくないなあと思いました。閉塞感たまらないですね！<br><br>最後の方のセリフで、「結局百年法って五十年しかもたなかったんだね」というのが効いていました。<br><br>アニメ化してみてほしいです。<br><br><br><br><strong>・山下貴光『屋上ミサイル』</strong><br><br><em>――大統領がテロ組織に拉致監禁されるという大事件がアメリカで発生していたものの―日本の高校生たちにとって、それは遠い国の出来事だった。それよりも、もっと重要なことがある。例えば、校舎の屋上でスケッチをすることだとか。美術の課題のため、屋上にのぼった高校二年生の辻尾アカネ。そこで、リーゼント頭の不良・国重嘉人や、願掛けのため言葉を封印した沢木淳之介、自殺願望を持つ平原啓太と知り合う。屋上への愛情が共通しているということから、国重の強引な提案で“屋上部”を結成することになった四人。屋上の平和を守るため、通行人を襲う罰神様騒動、陸上部のマドンナ・ストーカー事件、殺し屋との遭遇などに巻き込まれることになる。それらはすべて、ひとつの事件に繋がっていた!『このミステリーがすごい!』大賞第7回大賞受賞作。――</em><br><br><br>このミスっぽいっちゃあぽい。意外としっかりした本格ものって入賞しないですからね。<br>ライトノベルに近い作品です。キャラクターはしっかりしているし、会話もテンポがいい。<br>でも選評でも言うように、ミステリー部分が全部「偶然」じゃ駄目じゃないかな。<br>屋上部というのも、設定はいいけど活かされていない感じがしてしまうし。いや面白いんですけどね。<br>舞台も、ミサイルが落とされるかもしれない日本、という非日常感があってよいと思いますし。<br><br>いっそ、国重が全部仕組んでたとかだったら納得いくんですよ。最初の強引な屋上部結成とか、いろんな偶然とか。というかもうそうじゃないとおかしいんですよ。<br>だからこれはそういう話でいいですか。そうですか。<br><br><br><br><strong>・『屋上ミサイル～謎のメッセージ』</strong><br><br><em>――『このミステリーがすごい! 』大賞・大賞受賞作で、日本テレビ系「超再現! ミステリー」でも話題の『屋上ミサイル』、待望の続編です! 高校の屋上を愛する「屋上部」――デザイン科の辻尾アカネにリーゼント頭の不良・国重嘉人、恋愛に一途な沢木淳之介、自殺願望を持つバンドマン・平原啓太――の間には不穏な空気が流れていた。ボヤ騒ぎや切り裂かれた油彩画、連続暴行事件など、校内で事件が頻発していた。被害者たちは誰もが口を閉ざし、犯人の特徴を口にしない。一連の事件の犯人に国重が疑われ、無実を信じるアカネは、屋上部の面々と真犯人探しを開始することに。しかし、さらに4人目の被害者が出てしまい……。――</em><br><br><br>ということで続編。いや、面白いんですよ？　納得いかないだけで。<br><br>でも今回は前ほどではないです。相変わらずキャラクターはいいんですけど。<br>前回の非日常はなくなってしまったし、ストーリーの展開上、国重ほとんど活躍しないし、というか口調変わってないですか。「～っつの」を多用していた気がするんだけど気のせいですか。<br><br>細かいとこ言えばやっぱり偶然がね、強い世界ですね。前ほど前面には出てこないけども。<br>解決方法は相変わらず暴力だし。黒幕が微妙だし。殺し屋出てこなかったし。前作の最初で言っていた「別の辻尾さん」は伏線じゃなかったのかな。眼鏡掛けて初めて顔が分かった、とか。絡んでこないのかな。<br><br>もういっそ違うレーベルでラノベとして出してくれた方が潔い気がします。<br>出たら買うから。続きですっきり大逆転してくれることを願っています。<br><br><br><br><strong>・角田光代『八日目の蝉』</strong><br><br><em>――逃げて、逃げて、逃げのびたら、私はあなたの母になれるだろうか−−理性をゆるがす愛があり、罪にもそそぐ光があった。家族という枠組みの意味を探る、著者初めての長篇サスペンス。――</em><br><br><br>知人に勧められて2。<br>角田光代は2.3作品読んだくらい。日常描写が上手ですよね。<br><br>ドラマ化、映画化もした有名な作品です。不倫相手の子供を誘拐して育てた女の話。<br>逃げ回る性質上、関わった人物たちのその後が不明なのが消化不良感はありつつも、筆力は圧倒的です。<br>一人称なんですが、悪いのは周りであって自分ではない、という意識をひしひしと感じてしまい、ばれそうになるたびにひやひやしてしまいます。冷静に考えると犯罪なんだけど、そう思わせないです。<br>エンゼルホームの細かな描写も凄いですが、小豆島の風景描写がもはや懐かしさを感じさせるのには舌を巻きました。<br><br>後半、希和子が捕まってからの薫の生活環境の変化が読んでいると苦しいです。<br>最初からこの家族と暮らしていたら知らなかったのに、幼いころに刻まれてしまった原風景が辛いです。この道を行けば海が見えて、なんて。<br><br>長い間苦悩して、やがて自分は特別じゃないことに気づくまでのお話でした。上手です。<br>ただ個人的には、ちょっとセンチメンタル過ぎて鼻白むところも無きにしも非ずでした。<br>あんまり女性作家好きじゃないのか……？<br><br><br><br><strong>・アベル・ボナール『友情論』</strong><br><br><em>――真の友、真の友情とはどんなものか。男女間の友情は可能なのか。可能ならばそれはどんな形を採るのか。友情と恋愛の相違は。――詩人の感性とモラリストの知性に貫かれた珠玉のようなことばを通して知る友情、恋愛、そして人生。随想『子供時代』を併録。――</em><br><br><br>訳者の大塚幸男に『アドルフ』ではまってしまいました。<br><br>内容は結構、選民思想入っているところもありつつ、なるほどと思うところもあり。<br>同じ境遇で同じ不満を持つ者同士の意気投合は真の友情じゃない、というのはあれですね、学校や職場の友人関係ってことですかね。なるほどまあ確かにそういわれれば。<br>男女間の友情は存在しないとも言っていますね。行為がないだけの恋愛だと。うーん、言い得て妙です。年の離れた男女間でも、そこにどんな希望も願望も存在しないと言えるのか？　と。<br><br>この論でいくと、本当に友人なんて生涯に一人巡りあえれば幸運という気がしてきます。<br>文体は簡潔で詩的で素敵でした。<br><br><br><br><strong>・ガルシア＝マルケス『エレンディラ』</strong><br><br><em>――大人のための残酷物語として書かれたといわれる中・短篇。<br>「孤独と死」をモチーフに、大著『族長の秋』につらなるマルケスの真価を発揮した作品集。――</em><br><br><br>『百年の孤独』で有名な小説家です。実はまだ未読です。<br><br>これは、訳者の力？　原文？　衝撃走る文体ですねこれ。<br>もう、表現がいちいち素敵なんです。読んだことないタイプ。比喩なのかなんなのか、理解できないところもありますがそういうところも含めていい。<br>第一行目からして、「――雨が降り出して三日目、家の中で殺した蟹の山のような死骸の始末に困って、ペラーヨは水びたしの中庭を越え、浜へ捨てに出かけた。――（大きな翼のある、ひどく年取った男）」ですから。どういうこと!?　となりますよそりゃあ。<br>だって人物描写で、堕落した天使にそっくりだった、なんて形容しますか？　恰好良すぎだろお。長い行列を、まるで背骨が人間でできた大蛇のようだった、とかもうね。<br><br>短編集なんですけど、微妙に同じ登場人物がちらっと出てきていいです。<br>吉田篤弘はこの影響を受けているような気配がします。<br><br>他のも読みます！<br><br>〇<br>〇<br>〇<br><br>夏にしたいことが読書とゲームって、とお思いかもしれませんが、大人になると夏ってそんなにやりたいこと出来ないことに気づくんですよね。<br>夏休み、うらやましいなあ。やりたいことはやれる今のうちにやっておいて損はないです。<br><br><br><br>ではまた。さようなら。<br><br><br>『お休みの間、悪魔に肉体を乗っ取られぬようお気をつけて・・・・。』
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<pubDate>Wed, 03 Aug 2016 01:25:52 +0900</pubDate>
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<title>それがどんなにすごいことだか</title>
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<![CDATA[ 自ら動き回ることが出来て、光合成で栄養を摂ることが出来る。<br>ミドリムシはいわば動く植物、光合成出来る動物。<br>初めて知った小学生の時、凄い衝撃を受けたものです。<br>なんだこれは、まるっきりファンタジーじゃないかと。<br><br>まさか時代は下り、サプリメントになるとは思いもしなかっただろうなぁ、あの頃の自分とミドリムシ。<br><br>〇<br>〇<br>〇<br><br>・米澤穂信『折れた竜骨』東京創元社 (2010/11/27)<br>・西條奈加『九十九藤（つづらふじ）』集英社 (2016/2/26)<br>・中田永一『私は存在が空気』祥伝社 (2015/12/11)<br>・恩田陸『ブラック・ベルベット』双葉社 (2015/5/20)<br>・小林泰三『失われた過去と未来の犯罪』 KADOKAWA/角川書店 (2016/6/2)・『クララ殺し』東京創元社 (2016/6/30)<br>・コンスタン『アドルフ』岩波書店; 改版 (1965/01)<br><br><br><br><strong>・米澤穂信『折れた竜骨』</strong><br><br><em>――ロンドンから出帆し、波高き北海を三日も進んだあたりに浮かぶソロン諸島。その領主を父に持つアミーナはある日、放浪の旅を続ける騎士ファルク・フィッツジョンと、その従士の少年ニコラに出会う。ファルクはアミーナの父に、御身は恐るべき魔術の使い手である暗殺騎士に命を狙われている、と告げた……。<br>自然の要塞であったはずの島で暗殺騎士の魔術に斃れた父、「走狗(ミニオン)」候補の八人の容疑者、いずれ劣らぬ怪しげな傭兵たち、沈められた封印の鐘、鍵のかかった塔上の牢から忽然と消えた不死の青年――そして、甦った「呪われたデーン人」の襲来はいつ？　魔術や呪いが跋扈する世界の中で、「推理」の力は果たして真相に辿り着くことができるのか？<br>現在最も注目を集める俊英が新境地に挑んだ、魔術と剣と謎解きの巨編登場！――</em><br><br><br>これ面白かった。<br>ミステリ好きでファンタジー嫌いの知人も、これは絶賛でした。<br><br>舞台は十二世紀末のヨーロッパ。魔法が存在する世界。そこで起きる殺人事件。<br>ミステリーと、ファンタジーと、少女の成長物語であり、バトルシーンなんかもあり、恋はないけどいい感じな物語でした。<br>最初は米澤穂信がファンタジーかあ、と敬遠していたのですが、なかなかどうして読まないともったいないです。でも暗さはなし。<br><br>魔法はあるけど万能じゃなくて制約があり、アリバイや実況見分なんかは推理要素。不死身の存在や島を脅かす侵略者との戦いはファンタジー。そこがうまくかみ合っているのがさすがです。<br><br>犯人は、まあそうだろうな、というところ。登場人物のキャラクターは結構しっかりしていました。でも掘り下げるには足りないかな。人数も多かったですし。詰め込み「過ぎ」ではないけど、これで終わらせるのはもったいなかった気がします。<br><br>読むとわくわくできます。<br><br><br><br><strong>・西條奈加『九十九藤（つづらふじ）』</strong><br><br><em>――天涯孤独の身の上で、波乱の人生を歩んできたお藤。縁あって任された口入屋を立て直すために商いを一新。常識はずれの勝負は、やがて江戸を揺るがす事態に…。人が持つ力を信じ、自らの道を信じ、人生を切り拓く姿が胸を打つ感動の長編時代小説。――</em><br><br><br>時代劇です。<br>仕事を斡旋する口入屋の女主人・お藤が、傾いた経営を立て直すために当時としては画期的で常識破りな策を講じたために起こる騒動を描いた繁盛記です。細腕繁盛記です。<br><br>お藤は芯は強いがやっぱり女性なので、周囲の人の協力を得ながら事に当たります。一人でがんがん突っ走るタイプの主人公ではないです。いや、突っ走ってはいるのですが報連相がしっかりしている感じ。<br><br>西條奈加の小説は、周りにいる人たちとの絆を大事にしている、というか、一人では解決できない物事をみんなで解決に当たるという話が多いので読んでほっこりするのでしょうかね。<br><br>ラブもあります。でもそこか！　と思いました。<br>ええ話でした。<br><br><br><br><br><strong>・中田永一『私は存在が空気』</strong><br><br><em>――存在感を消してしまった少女。瞬間移動の力を手に入れた引きこもり少年。危険な発火能力を持つ、木造アパートの住人…どこかおかしくて、ちょっぴり切ない、超能力者×恋物語。恋愛小説の名手が描く、すこし不思議な短編集。――</em><br><br><br>何かの比喩だと思ったら普通に超能力だった表題作『私は存在が空気』。<br>途中のサスペンスは乙一っぽいなあと思いました。着地点はそこなんだ!?　と驚き。<br>というか先輩全然そういう感じには見えてこなかったですけどねえ。<br><br>この中だと『少年ジャンパー』が好きでした。外国人には「ファニー」と言われてしまう顔の持ち主の主人公。そのせいで引きこもりになり、ゲームやライトノベルの世界に住んでいます。<br>でもある時、瞬間移動できる能力を手に入れた彼は駅で電車に轢かれそうになった同じ学校の先輩を助けます。<br>そこから始まる少年の希望と苦悩。いやあ、これいいです。ネガティブな少年書くの上手すぎ。<br><br>『ファイアスターター湯川さん』はラストが綺麗でした。話は結構ハードボイルド。<br>吃音の青年かっこいいです。ラブはなし。<br><br>あと『サイキック人生』の主人公がバカっぽくてかわいかったです。これはちょっとらぶ。<br>掟は厳しいですね。そこが怖いと言えば怖い。<br><br><br>やっぱり乙一は上手い。満足でした。<br><br><br><br><strong>・恩田陸『ブラック・ベルベット』</strong><br><br><em>――東西文化の交差点・T共和国。この国で見つかった、全身に黒い苔の生えた死体。入国後に消息を絶った、気鋭の女性科学者。ふたつを結びつけるのは、想像の域を遙かに超えたある事実だった――</em><br><br><br>『MAZE』『クレオパトラの夢』に続く「ウイルスハンター・神原恵弥」シリーズ第三弾。でも前作読んだの十年以上前？　もう覚えてないですさすがに。<br>男性だけど名前が「めぐみ」で口調も女性のものの主人公だったのは微妙に覚えていましたが、ウイルスハンターだったかな？　香取慎吾がかわいいとか言っていたのだけは覚えている。<br><br>というかあらすじ詐欺じゃないですか。全然黒い苔の生えた死体出てこない。<br>最後ちょっと出てくるけど回りくどいというか、でも最後まで読み切らせてしまう実力。上手なんですよねえ。本当。<br><br>シリーズものとしてではなく、この作品単体での感想としては徒労感を覚えます。<br>目の前で起こった殺人事件。謎の人物からの指示。広大な国を経巡り、募っていく違和感。追跡者、知人の事故、巨大な麻薬シンジケートの噂……それらが最後そういうことだったのかぁ、という肩透かし感を個人的には感じました。<br>なんだったんだここ数日の行動は、という。<br><br>恩田陸はこういうエンタメより、角田光代とか川上弘美とかそういう日常系の話の方が向いているんじゃないかとここ数年思います。<br><br><br><br><strong>・小林泰三『失われた過去と未来の犯罪』</strong><br><br><em>――女子高生の結城梨乃は、自分の記憶が10分ともたないことに気が付いた。いち早く状況を理解した梨乃は急いでSNSに書き込む―「全ての人間が記憶障害に陥っています。あなたが、人類が生き残るために、以下のことを行ってください」。それから幾年。人類は失った長期記憶を補うため、身体に挿し込む「外部記憶装置」に頼り、生活するようになった。『アリス殺し』の鬼才が贈るブラックSFミステリ、ここに開幕。――</em><br><br><br>はーい発売日に買いました。<br>SFです。連作短編です。短編との間に幕間では、自分が誰かもここがどこかもわからない誰かの話が挿入され、次第に判明していくという構成です。<br><br>一応、一部二部と別れてはいるのですが、実質短編集です。<br>一部は、何らかの原因により（そういえばはっきりしなかった）人類は記憶を10分しか保てなくなります。それに気づいた人々がなんとか対応策を考え出す、という導入的なストーリー。<br><br>二部では、記憶をメモリーチップに保存することが常識となった地球での、まさにチップによって起こる「魂は体に宿るのか記憶に宿るのか」という問題を、複数のケースから考えていくという筋立てです。<br>他人の体に自分のメモリを挿した場合。複数の人で一つのメモリを共有した場合。死んだ人のメモリを挿した場合……。<br><br>ラストは、うーん、はっきりした終わり方ではないので、読後感は微妙。<br>あとグロはないです。残念。<br><br><br><br><strong>・『クララ殺し』</strong><br><br><em>――大学院生・井森はある夜、緑豊かな牧草地の世界に迷い込む。夢の中では間抜けな蜥蜴・ビルになってしまう井森は、そこで車椅子の美少女・クララと「おじいさん」と呼ばれる男に遭遇する。翌朝大学に向かった井森は車椅子の少女・露天くららに出会う。彼女は何者かに脅されているため、大学教授のおじ・ドロッセルマイヤー教授に助けを求めてやって来たという。彼女のために脅迫犯捜しに乗り出した井森だが……『アリス殺し』の姉妹編登場!――</em><br><br><br>はーい発売日に買いました2。<br>まさかの続編。新藤礼都と徳さん登場。<br>前回は谷丸警部と西中島君でしたね。<br>というか四ッ谷礼子は出ないのかな……。続編読みたい。<br><br><br>時系列的には、『アリス殺し』の前。でいいと思います。<br>「不思議の国」に住んでいる蜥蜴のビルは、地球に井森という大学院生の、分身のような存在がいます。意識を共有できる存在アーヴァタールです。<br>夢の中で事件に巻き込まれたビル/井森は、地球と夢の両方から事件を解決しようと試みるが――という筋ですおおまかにいうと。<br><br>今回は舞台がE.T.A.ホフマンの作品なので、前回のアリスほど知名度はなく世界観に入り込めないです。読んだことないですホフマン。ハイジではないのでご注意を。<br><br>それなので細部は置いておいて。<br>単純にこの作品のみでの感想ですが、好きな小林泰三でした。<br>コミカルで独特のテンポの会話。比較的不条理のごり押し感は少ないです。<br>どこかであるだろうと思っていた人物入れ替えトリック。今回はそこか。<br>夢の中と地球の分身のリンク先の予測も楽しかった。ぽいぽい。<br><br>ただ、登場人物が多いうえに聞き慣れないため、ちょっと混同しました。<br>ラストは前回ほどグロはないものの多少。<br><br>諸星の新たに見る夢だけよくわかりませんでした。レッドキングとは違う？<br><br>最近良く本出ますね。<br>ホラー成分が少なめなので、もっと出してもいいんですよ！<br><br><br><br><strong>・コンスタン『アドルフ』</strong><br><br><em>――これをしも恋愛小説というべきであろうか。発端の1章を別とすれば続く2章だけが恋と誘惑にあてられ、残る7章はすべて男が恋を獲たあとの倦怠と、断とうとして断てぬ恋のくびきの下でのもがきを描いている。いわば恋愛という「人生の花」の花弁の一つ一つを引きむしり、精細に解剖しようというのだ。近代心理小説の先駆をなす作。――</em><br><br><br>原文なのか翻訳の力なのか、素敵な表現満載。完結で美しいです。<br><br>大学を卒業したばかりの青年・アドルフは内気な性格をしています。内気というより、倦んでいて、退屈で、辛辣で、無関心。<br>何をしても楽しくない日々の中、ある友人が恋にのぼせ上がるのを見ます。そうして自分もふと「愛されたい」と思います。それはでも一生を通じての愛ではなく、遊びとしての愛でした。<br>たまたま知り合いのP***伯爵に招かれたとき、伯爵の内縁の妻・十歳ほど年上のエレノールと出会います。アドルフはエレノールを「征服に値する女」としてみなし、篭絡にかかります。<br>遂に愛を得たアドルフは、当初の思惑も忘れて恋に没頭します。しかし彼の家柄は「身持ちの悪い女」など不釣り合いと考えていますし、アドルフも同様に思っています。<br>エレノールと別れることを考えるアドルフ。しかしエレノールにも父にもいい返事しかしません。<br>遂にアドルフが街を離れることになり、縁が切れたかにみえた矢先、エレノールは伯爵の元を離れついてきます。自分のせいで後ろ指をさされることになった女を捨てられないアドルフ。二人は決してもう幸福ではないのに、別れることが出来ない。<br>誰かにはっきり言われたら別れられるのにと思いつつ、寛大な父に恨みに近い念を抱き、父の知人にはっきりと言われて憤り、愛していないエレノールに真相を突き付けることも出来ない。<br>決心もずるずると引き延ばし、やがてはエレノールが知ることとなってしまい……。<br><br><br>もう、アドルフ馬鹿！<br>しかしこの、はっと胸を打つような文体は素晴らしい。<br>良い本に会えました。こういう言い回し好きです。<br>この無情感……どうしたらいいのか。<br><br>〇<br>〇<br>〇<br><br>動物が光合成出来るようになる/植物が動けるようになる、という話なら分かりますけど、サプリメントで注目されるとはなあ。<br>ミドリムシ食べたら光合成出来るようになるとかだったら食べますけどね。<br>でもミドリムシ何億匹食べたって出来ないでしょう。<br>『もののけ姫』で猩々たちが「ニンゲン、食う、かしこくなる」みたいな感じ。<br><br>そういえばユーグレナという藻の一種なのか、ミドリムシという微生物なのかと訊かれたら、食べる際の抵抗感ガラッと変わりますね。<br><br><br><br>それでは。<br>さようなら。<br><br><br><br>『最後（ジ・エンド）にはもってこいの獲物だ』
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<pubDate>Sun, 03 Jul 2016 16:06:38 +0900</pubDate>
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<title>自転車の季節</title>
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<![CDATA[ お久しぶりです。最近夜の冷え込みもおさまって、自転車で遠回りして帰るのが楽しいです。<br>この細い路地はどこに出るんだろうとか思って知らない道に入ると、酔っぱらったおじさんが全力で吐いていたりとかして楽しいです。<br><br>〇<br>〇<br>〇<br><br>・島田荘司『占星術殺人事件』講談社; 改訂完全版 (2008/1/11)<br>・柴田勝家『ニルヤの島』早川書房 (2014/11/21)<br>・古谷田奈月『ジュンのための6つの小曲』新潮社 (2014/11/21)<br>・西條奈加『秋葉原先留交番ゆうれい付き』KADOKAWA/角川書店 (2015/10/2)<br>・恩田陸『消滅 - VANISHING POINT』中央公論新社 (2015/9/24)<br><br><br><br><strong>・島田荘司『占星術殺人事件』</strong><br><br><em>――密室で殺された画家が遺した手記には、6人の処女の肉体から完璧な女=アゾートを創る計画が書かれていた。彼の死後、6人の若い女性が行方不明となり肉体の一部を切り取られた姿で日本各地で発見される。事件から40数年、未だ解かれていない猟奇殺人のトリックとは!? 名探偵・御手洗潔を生んだ衝撃のデビュー作、完全版!――</em><br><br><br>知らなかったんです。どっちかというと知りたくなかったというか、いや、驚きました。<br>有名な作品らしいですね。何故有名なのか知らなかったので普通に読んでいたのですが、途中でおや？　となりました。<br>そして読んだ後すぐ調べました。やっぱり、そうですよねえ。<br><br>ご存じない方もいらっしゃると思うので思わせぶりな前置きはこれくらいにします。<br>要はですね、この小説のトリックと、『金田一少年の事件簿』の「異人館村殺人事件」のトリックが同じもので、しかも先に出していたのは小説の方。訴えるとか訴えないとかそんな話になったこともあると、そういうことなんですねえ。<br><br>ショックです。コナンより金田一派としてはショックです。しかも異人館村ってかなり好きなエピソードです。切ない終わり方もいい。なによりトリックがいいと思っていたのに、あかんやん。<br>金田一は犯人を指摘して終わりじゃなくて、情緒があるところがいいですよね。どうしてこんなことしちまったんだよ、っていう金田一の人間らしいところがぐっときます。<br>コナンはそもそも根本的に、薬飲んで体が縮むという現象がまかり通っている時点で、証拠が～アリバイが～とかの問題じゃねえって思いますよね。それがいいならじゃあトリック全部謎の組織の怪しい薬でいいじゃん。だいたい伸び縮みの時の質量どうなってるの？　そこ曖昧でいいの？　ファンタジーなの？　思うんですが、実は工藤新一が薬で子供になったというのは嘘で、コナンは本当に子供なんですよ。ただ自分が薬を飲まされて子供になった工藤新一だと思い込んでいるだけの。本物の記憶を移植されたとかなんです。そっちの方がまだ説得力ありませんか。もしくは、コナンがサザエさん方式なのにも注目です。実は本人たちも気づかないうちにループ世界に取り込まれており、新一が子供になってしまったのは時空間のゆがみの影響なんです。あんなに殺人事件起きないよ普通。最終回はそのループに気づいたコナンが世界を正しい時間軸に戻すために黒幕に戦いを挑むというＳＦになりますきっと。わしじゃよ。<br><br>ということをコナン好きの同僚に話したら「別にそこ（薬）はどうでもいい」と言われました。幸せな感じでうまく終わればいいそうです。ですよねー。<br><br><br>というわけで、名探偵・御手洗潔初登場の今作はホームズとワトソン式で進行する小説でした。科学捜査の進んだ現代では到底実現できないだろう事件でしたが、（特に靴とか。本当になんで誰も検証しなかったのか）ミスリードが上手く途中までは本当に全然わかりませんでした。<br>キャラクターとしては御手洗の変人っぷりがまだちょっと戸惑う感じです。今後どうなっていったのかわかりませんが、今はまだショックが大きいのでしばらくしたら他の作品も読んでみようかと思います。<br><br><br><br><strong>・柴田勝家『ニルヤの島』</strong><br><br><em>――生体受像の技術により生活のすべてを記録しいつでも己の人生を叙述できるようになった人類は、宗教や死後の世界という概念を否定していた。唯一死後の世界の概念が現存する地域であるミクロネシア経済連合体の、政治集会に招かれた文化人類学者イリアス・ノヴァクは、浜辺で死出の旅のためのカヌーを独り造り続ける老人と出会う。模倣子行動学者のヨハンナ・マルムクヴィストはパラオにて、“最後の宗教”であるモデカイトの葬列に遭遇し、柩の中の少女に失った娘の姿を幻視した。ミクロネシアの潜水技師タヤは、不思議な少女の言葉に導かれ、島の有用者となっていく―様々な人々の死後の世界への想いが交錯する南洋の島々で、民を導くための壮大な実験が動き出していた…。民俗学専攻の俊英が宗教とミームの企みに挑む、第2回ハヤカワSFコンテスト大賞受賞作。――</em><br><br><br>この間作者の柴田勝家をとあるイベントで見掛けたんですよ。目立ちますねえ。そこで、以前途中まで読んで返してしまった本作を思い出し再読しました。<br><br>人物ごとに章が変わり、一見、全体としてこれは何をしている人たちのどういう話なのかはじめは分かりません。ストーリーの説明も特にないので。<br>でも交互に話が進んでいくにつれて徐々にそれぞれの目的、立場、時系列が分かってきて、ああそういう話だったのかぁとなる小説です。<br><br>言ってることはたぶん半分も理解できていないし（ミームとか記憶の記述とか）共感もできない（宗教ってそんな簡単に否定されるのかとか）けど、面白かったなあと思えるしよくこんなの書けるなあと感動すら覚えました。<br>いや読んでる時はなんかわかった気になるんですが、説明するとなるとわからなくなる……。<br>タイトルのニルヤの島というのは死後の楽園みたいな場所のことで、そんなものはないと言われても信じずにはいられない場所、みたいな。<br>宗教は死んだ人のためではなく生きている人に必要だということですね。たぶん違うと思いますがそう思いました。<br><br>読み通すのが大変ですが、後半辺りから収束感があって好きです。おすすめはそんなにしません。難しいので。<br><br><br><br><strong>・古谷田奈月『ジュンのための6つの小曲』</strong><br><br><em>――学校では「アホジュン」と蔑まれ、友達はひとりもいない。でも、孤独じゃなかった。「音」があった。自転車があった。歌われることを待っている「歌」もあった。14歳。夏の少し前。同級生のトクが奏でるギターを聴いて、ジュンは、やっと気がつく。自分が楽器であることに。「僕、楽器なんだ!」小説の愉楽、ここにあり!!歓喜。興奮。ささやかだけれど奇跡的な物語。――</em><br><br><br>『星の民のクリスマス』が面白かったので同じ作者。あらすじだけ読むとすごい青春な感じがしますが、これはそんなさわやかな話ではありません。<br><br>まず「アホジュン」がどの程度のアホさかわかりませんよね。まあせいぜいちょっと空気が読めないとか、一つのことに熱中しちゃうと周りが見えなくなるとか、よくある何とかと天才は紙一重的なものかなと思いますよね。<br>結構衝撃的です。ジュンはたぶん発達障害かな？　迷子札を下げていたり、クラスメイトには同じ教室で授業を受けているのもお情けなんだろみたいなことを言われたりしています。困ると近くにあるものを口に入れてしまう癖があって、木の皮（カナブンだったのかも）とかソファのビニールとかよく見ないで噛んでしまう。<br>でもジュンには独特の世界があって、ジュンにしか見えないもの聞こえない音がある。それに気づいているのはクラスメイトのトクだけで、でもトクもジュンとのかかわりに戸惑っている。<br><br>自分が歌をうたう楽器であることにジュンは気づいて、少しずつジュンのことを理解してくれる人も出来て、とストーリーは王道なんですが、なんか、重いです。<br>気軽に読むにはこの世界はへヴィです。<br>それを分かったうえで読みたいというのなら、とても良い作品だと思います。でも知らずに読むと衝撃を受けるかも。<br>好きな作者なのでもっと本出してほしいです。<br><br><br><br><strong>・西條奈加『秋葉原先留交番ゆうれい付き』</strong><br><br><em>――「さきどまり」という不吉な名を持つ交番に勤める権田は、秋葉原をこよなく愛するオタク。コンビを組む向谷はコミュニケーション能力の高さがこうじて、足だけの幽霊を連れてきて…!?ネオンまたたく電気街の裏路地に隠された5つの人情ミステリ。――</em><br><br><br><br>今回は現代ものですよ。『三途の川で落とし物』もそうでしたけど、この人の現代もの好き。<br>気が付いたら山の中で足だけの幽霊になっていた季穂は、幽霊がみえるイケメン警官の向井に連れられて秋葉原の先留交番にやってきます。そこで巨漢でオタクの警官権田と向井とともに自身の死因を探しながら他にも様々な事件を解決していく、という連作短編。<br><br>キャラがわかりやすいです。ライトノベルっぽいノリかもしれません。イケメンで幽霊がみえるけど女性問題が後を絶たず警官としても頼りない向井と、オタクで不細工だけど東大出で切れ者の権田。出来る両津とダメな中川みたいな感じ？<br><br>メインに季穂の事件の謎を据えつつ、秋葉原特有のメイドカフェとか高価なフィギュア盗難事件などを盛り込み、登場人物の背景にもそれぞれ悲哀があり、抑えるツボは抑えてあります。<br>読んでるだけでただ楽しいので、おすすめでございます。続きは出るのかな。<br><br><br><br><strong>・恩田陸『消滅 - VANISHING POINT』</strong><br><br><em>――202X年9月30日の午後。日本の某空港に各国からの便が到着した。超巨大台風の接<br>近のため離着陸は混乱、さらには通信障害が発生。そして入国審査で止められた11人(+1匹)が、「別室」に連行される。この中に、「消滅」というコードネームのテロを起こす人物がいるというのだ。世間から孤絶した空港内で、緊迫の「テロリスト探し」が始まる!読売新聞好評連載小説、ついに単行本化。――</em><br><br><br>恩田陸はもういいかなと毎回思うのに、新しいのが出ると毎回読んでしまう。というか最近立て続けに本出していますね。新聞連載の単行本化です。<br><br>やっぱりね、上手ですね。読ませるもの。<br>これはジャンルはＳＦでいいのかな。ミステリーとかサスペンスかと思っていましたが近未来推理会話劇。<br>この中にテロリストがいると言われて一つの部屋に閉じ込められるって怖いです。ミスリード満載。しかしみんな頭いいなあ。少年は常野の子かな？<br><br>読後感としては落ち着くところに落ち着いた感じです。もう一度このメンツで何か事件に挑んでほしいと思いました。<br><br>〇<br>〇<br>〇<br><br>ところで最近自転車で事故ったのですが、その衝撃なのかぶつけてもいない体の関節がすごい痛い。なぜなのか。<br><br><br>それではまた。<br>さようなら。<br><br><br><br>『じてんしゃ　1000000円』
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<link>https://ameblo.jp/summerside-up/entry-12170409996.html</link>
<pubDate>Mon, 13 Jun 2016 19:25:55 +0900</pubDate>
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<title>二度あることは</title>
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<![CDATA[ <p>一昨日。目の前でお金を落とした方がいたので拾って差し上げました。</p><p>昨日。目の前で薬の袋を落とした方がいたので拾って差し上げました。</p><p>ふむ。さて。</p><p>&nbsp;</p><p>〇</p><p>〇</p><p>〇</p><p>&nbsp;</p><p>・越谷オサム『空色メモリ』東京創元社 (2009/11/27)</p><p>・山白朝子『死者のための音楽』&nbsp;KADOKAWA/メディアファクトリー (2013/11/22)</p><p>『エムブリオ奇譚』メディアファクトリー (2012/3/2)</p><p>・乙一『メアリー・スー・を殺して』朝日新聞出版 (2016/2/5)</p><p>・古谷田奈月『星の民のクリスマス』新潮社 (2013/11/22)</p><p>・恩田陸『EPITAPH東京』朝日新聞出版 (2015/3/6)</p><p>&nbsp;</p><p>&nbsp;</p><p>&nbsp;</p><p><span style="font-weight:bold;">・越谷オサム『空色メモリ』</span></p><p>&nbsp;</p><p><span style="font-style:italic;">――たったひとりで県立坂越高校文芸部を守る、ハカセこと河本博士に春が来た。なんと、可愛い新入生が入部してきたのだ。彼女の名前は、野村愛美さん。ブンガク少女らしからぬ彼女が、なぜ人気のない弱小文化部に入部を決めたのだろう?不思議な雰囲気の彼女には、何か秘密がありそうだが。そんなあれこれを、部員でもないのに文芸部に入り浸っているおれは、おもしろおかしく空色のUSBメモリに綴り始めた。その空色メモリが思わぬ騒動を巻き起こして―。気鋭の著者が満を持して贈る、学園青春小説の決定版。――</span></p><p>&nbsp;</p><p>&nbsp;</p><p>前回読んだ『金曜のバカ』が面白かったので同じ作者。今回は長編です。</p><p>主人公のブーちゃんこと桶谷陸という太った少年が、日記代わりに文章を綴るという一人称展開で話は進みます。テンポの良い文体で読みやすく、ストーリーも部活、恋愛、いじめ、友情、とてんこ盛り。</p><p>今後の展開を期待させるような終わり方で非常にさわやかでした。</p><p>&nbsp;</p><p>かなりライトノベル系のノリなので苦手な人はいるかもしれない文章です。小難しいこと考えたくないときにさらっと読める作品です。</p><p>&nbsp;</p><p>&nbsp;</p><p>&nbsp;</p><p><span style="font-weight:bold;">・山白朝子『死者のための音楽』</span></p><p>&nbsp;</p><p><span style="font-style:italic;">――教わってもいない経を唱え、行ったこともない土地を語る幼い息子。逃げ込んだ井戸の底で出会った美しい女。生き物を黄金に変えてしまう廃液をたれ流す工場。仏師に弟子入りした身元不明の少女。人々を食い荒らす巨大な鬼と、村に暮らす姉弟。父を亡くした少女と巨鳥の奇妙な生活。耳の悪い母が魅せられた、死の間際に聞こえてくる美しい音楽。人との絆を描いた、怪しくも切ない7篇を収録。怪談作家、山白朝子が描く愛の物語。</span></p><p>&nbsp;</p><p>&nbsp;</p><p>乙一です。『幽』という怪談専門の雑誌で活動中とか。他にも『幽』には小野不由美が書いたりしているそうです。</p><p>&nbsp;</p><p>それぞれに繋がりのない独立した短編集。</p><p>『長い旅の始まり』、『井戸を下りる』、『黄金工場』、『未完の像』、『鬼物語』、『鳥とファブロッキーズ現象について』、『死者のための音楽』所収。</p><p>&nbsp;</p><p>時代小説もあれば現代ものもあり。ホラーというよりは確かに怪談と言った方がしっくりくる感じはしました。グロというよりは残酷。『鬼物語』とか特にそうですね。でも切ない家族の話です。</p><p>&nbsp;</p><p>一番ぞっとしたのは『井戸を下りる』。罪を犯した男女がどんどんどんどん井戸の底に下りていき、そこに広がるのは明らかにこの世じゃない場所。それなのに生きているんです。子供だって生まれる。でも、この世じゃない。ここはどこなのか、地獄なのか、煉獄なのか、ただただ暗い終わりのない世界。恐ろしすぎる。</p><p>&nbsp;</p><p>『鳥とファブロッキーズ現象について』はミステリー風味の奇妙な話。ファブロッキーズ現象は空からあり得ないものが降ってくる現象のことです。ちょっと乙一テイストというか、不思議な話で好きです。</p><p>&nbsp;</p><p>全体的に、怖いというよりも寂寞感を感じさせる作品でした。いやあ、いいね。</p><p>&nbsp;</p><p>&nbsp;</p><p>&nbsp;</p><p><span style="font-weight:bold;">・『エムブリオ奇譚』</span></p><p>&nbsp;</p><p><span style="font-style:italic;">――社寺参詣や湯治のため庶民は諸国を旅するようになった。旅人たちは各地の案内をする道中記を手に名所旧跡を訪ね歩く。『道中旅鏡』の作者・和泉蝋庵はどんな本でも紹介されていない土地を求め、風光明媚な温泉や古刹の噂を聞いては旅をしていた。しかし実際にそれらがあった試しはない。その理由は蝋庵の迷い癖にある。仲間とともに辿りつく場所は、極楽のごとき温泉地かこの世の地獄か。江戸――のような時代を舞台に話題の作家・山白朝子が放つ、奇妙な怪談連作。――</span></p><p>&nbsp;</p><p>&nbsp;</p><p>和泉蝋庵という旅行本の作者と、その荷物持ちの男が遭遇する怪異を描いた連作短編。基本は耳彦（荷物持ちの男）の視点から描かれていますが、二人と行動を共にした少女や蝋庵の少年時代が出てきたりもします。（関係ないですが『夜長姫と耳男』がすごく好き。『桜の森の満開の下』の女が鬼女だとしたら夜長姫は確実に鬼神です。超素敵。）</p><p>&nbsp;</p><p>とにかく蝋庵先生があり得ない道の迷い方をしてこの世のものじゃない怪異に遭遇しまくり、だいたい耳彦が酷い目に遭うのが常です。『エムブリオ奇譚』、『ラピスラズリ幻想』、『湯煙事変』、『〆』、『あるはずのない橋』、『顔無し峠』、『地獄』、『櫛を拾ってはならぬ』、『「さあ、行こう」と少年が言った』所収。</p><p>&nbsp;</p><p>『湯煙事変』の不気味な村の描写が素晴らしいです。住人は元より、出てくる食事の気持ち悪さとか、部屋を荒らす野良犬の行動とか。わくわくしました。</p><p>印象的だったのは『あるはずのない橋』の最後。「私はただ……」というのがもう、切ない。</p><p>『〆』も後味悪くて好きですねえ。タイトルはどういう意味なんだろうと思いながら読んでいたのですが、そういうことかと思ったときのあの嫌悪感。いい。『地獄』は『ZOO』にこんな話があったような気がしましたがグロいです。Coccoっぽい。</p><p>&nbsp;</p><p>『ラピスラズリ幻想』に出てきた少女・倫が出てくるシリーズ第二弾が新しく出たんですが、どうしよう、買おうかな。文庫になるまで2,3年かかるしなあ。</p><p>&nbsp;</p><p>&nbsp;</p><p>&nbsp;</p><p><span style="font-weight:bold;">・乙一『メアリー・スー・を殺して』</span></p><p>&nbsp;</p><p><span style="font-style:italic;">――「もうわすれたの? きみが私を殺したんじゃないか」<br>(「メアリー・スーを殺して」より)<br><br>合わせて全七編の夢幻の世界を、安達寛高氏が全作解説。<br>書下ろしを含む、すべて単行本未収録作品。<br>夢の異空間へと誘う、異色アンソロジー。<br><br>&lt;収録作品&gt;<br>乙一 愛すべき猿の日記 / 山羊座の友人<br>中田永一 宗像くんと万年筆事件 / メアリー・スーを殺して<br>山白朝子 トランシーバー / ある印刷物の行方<br>越前魔太郎 エヴァ・マリー・クロス――</span></p><p>&nbsp;</p><p>&nbsp;</p><p>まあ全員乙一です。名義が違えば作風違う。使い分けられていて凄いです本当。</p><p>&nbsp;</p><p>乙一名義の『山羊座の友人』はコミックで出ていますね。そちらは読んでいないのですが、同じストーリーなんでしょうかね。ファンタジーの混じった現代小説で、救いのないああ嫌な話です。ど暗いというわけではないのですが、重い、切ない。そんなベランダがあったら確かに、救いに見えるかもしれませんね。あ、ちなみにこの話大好きです。好きすぎるくらい。</p><p>&nbsp;</p><p>中田永一は恋愛小説家ですが、二編とも恋愛ではありません。</p><p>『宗像くんと万年筆事件』は、小学校で起きた万年筆盗難事件の犯人にされた少女と、その無実を推理してくれた宗像君のハートフルかとおもいきや意外とさわやかじゃない話。まず宗像君がさわやかじゃない。貧乏で、お風呂に入れないし服も着替えられないしいつも飢えている。だから、正しいことを言っていても主張をまともに先生に受け入れてもらえなかったりと偏見の目で見られている。</p><p>面白かったけど、素直に面白かったーと言えない考えさせられてしまう話でした。</p><p>表題作『メアリー・スーを殺して』は少なからず衝撃を受けた作品。</p><p>そもそもメアリー・スーが何かというと、二次創作の中で作者の願望を反映させた万能なキャラクターのことです。元は『スタートレック』の二次創作小説で、最年少で高い地位におり、優秀で、皆から愛され、当然強くて美人で……というのを揶揄したキャラクターの名前がメアリー・スーでした。それからこういう万能なオリジナルキャラクターをメアリー・スーというらしいです。</p><p>いやでもね、やっちゃいますよね、こういう妄想って。特に思春期の少年少女で身に覚えのない人の方が珍しいんじゃないんでしょうか。いや、わからないですけど。</p><p>ストーリーは、二次創作にのめりこんでいたオタクの少女が、自分の小説内のメアリー・スーを指摘されて以来そのメアリー・スーを「殺す」ために腐心。よりリアリティを持たせるためにまず自分自身の生活を変えることからはじめ、いつの間にか生活が充実してくるにつれてオタクではなくなり、同時に小説も書かなくなって、というサクセスストーリーなのかなんなのか、とにかくいい話でした。うまくまとめるものです。『愛すべき猿の日記』ともちょっと似ています。</p><p>そうか、メアリー・スーかぁ。二次創作は書いたことないですけど、キャラクターに自分の願望を反映させていないかと言われると、うーん。ちょっとためになる作品でした。小説を書くうえでも。さすが乙一。</p><p>&nbsp;</p><p>山白朝子は『トランシーバー』と『ある印刷物の行方』ですね。</p><p>3.11を題材にした『トランシーバー』はほっこりするいい話風怪談。いい話なんですけど、地味にぞわりとする描写が入ります。</p><p>『ある印刷物の行方』はSFっぽい話です。なんとなく北野勇作を彷彿とさせるような感じ。</p><p>&nbsp;</p><p>越前魔太郎というのは、何人かの作家で作り上げた作家らしいです。その乙一パート。『エヴァ・マリー・クロス』は唯一外国が舞台の短編。</p><p>人間楽器という存在に関わってしまった人々の不幸。ちょっと耽美？　後味は悪いです。はい。</p><p>&nbsp;</p><p>やっぱこの人上手だなあ。</p><p>&nbsp;</p><p>&nbsp;</p><p><span style="font-weight:bold;">　</span></p><p><span style="font-weight:bold;">・古谷田奈月『星の民のクリスマス』</span></p><p>&nbsp;</p><p><span style="font-style:italic;"><span style="font-weight:bold;">――</span>最愛の娘が家出した。どこへ?クリスマスに父が贈った童話の中へ。父は小さな娘を探すため小説世界へともぐりこむ…。残酷でキュート、愛に満ちた冒険譚。第25回日本ファンタジーノベル大賞大賞受賞作。――</span></p><p>&nbsp;</p><p>&nbsp;</p><p>さすがファンタジーノベル大賞、外れがない。なんでこの賞無くなってしまったんだろう。はあ。</p><p>デビュー作らしいですが抜群に好きです。作者が外国の作家が好きなせいか、翻訳もののような簡潔な文体でいい。</p><p>なによりキャラクターの造詣がグッドですね。キツツキ少年の不遜なところと少年らしいところがかわいらしい。ストーリーは独特の世界観があるのでちょっとわかりづらいところもありますが、場面場面の描写は上手です。熊の話グッときました。</p><p>最後はそうなるのか、という感じでしたが、ラスト、最後の一文がね、やられたって思いました。</p><p>個人的にバッチシな作品です。全員が全員好きではないと思いますが、好きです。</p><p>&nbsp;</p><p>&nbsp;</p><p>&nbsp;</p><p><span style="font-weight:bold;">・恩田陸『EPITAPH東京』</span></p><p>&nbsp;</p><p><span style="font-style:italic;">――東日本大震災を経て、東京五輪へ。少しずつ変貌していく「東京」―。その東京を舞台にした戯曲「エピタフ東京」を書きあぐねている“筆者”は、ある日、自らを吸血鬼だと名乗る謎の人物・吉屋と出会う。吉屋は、筆者に「東京の秘密を探るためのポイントは、死者です」と囁きかけるのだが…。将門の首塚、天皇陵…東京の死者の痕跡をたどる筆者の日常が描かれる「piece」。徐々に完成に向かう戯曲の内容が明かされる作中作「エピタフ東京」。吉屋の視点から語られる「drawing」。三つの物語がたどり着く、その先にあるものとは―。これは、ファンタジーか?ドキュメンタリーか?「過去」「現在」「未来」…一体、いつの物語なのか。ジャンルを越境していく、恩田ワールドの真骨頂!!――</span></p><p>&nbsp;</p><p>&nbsp;</p><p>うーん。どうですかね、日々のエッセイ風の雑記の中に紛れ込んだ非日常。「吉屋（ヨシヤ」という微妙に滑舌が悪くて名前がヨシュアに聞こえる自称・吸血鬼の男。血を吸うのではなくて、情報を取り込むことで活力を得ているらしいです。その男と「筆者」は顔見知りで、特に何かあるわけではないです。</p><p>本当たまに筆者の雑記の中にちょっと出てくる程度。街で見かけたとか。</p><p>そして間に挟まれる吉屋の、東京という街の変遷を見つめる章。それから筆者の書こうとしている戯曲の章。</p><p>それらが混然一体となり、うーん、なんだろう。</p><p>正直よくわからないです。すいません。ところどころ為になる知識とかはあるんですが、基本的にどこかに出かけて悠々自適の生活を送っているように見える筆者さんいいなあとしか。</p><p>&nbsp;</p><p>最近やっぱり恩田陸そんなに好きじゃないかも。といいつつ『消滅』手に入れました。うーん。</p><p>&nbsp;</p><p>〇</p><p>〇</p><p>〇</p><p>&nbsp;</p><p>偶然とか運とか、信じられません。でも気になるから占いは見ません。矛盾してるんですが、今日悪いことが起きるって言われたら嫌でしょう？　もちろん逆でも気になります。</p><p>もちろん幽霊も宇宙人も神も魂も信じていません。でも墓参りはするし初詣には行くしおみくじも引くんですよ。</p><p>だから二日連続で同じことが起きると気になるんです。次は何を拾うのだろうと。お金、薬ときたら――とか。そこになんの意思も介在していなのはわかっているんですけどねえ。</p><p>ただ、本の中から偶然や運命や幽霊や神や魂が消えてしまったら超絶つまらないですよね。</p><p>あってほしい、信じていないけど！</p><p>&nbsp;</p><p>それではこのあたりでまた。</p><p>さようなら。</p><p>&nbsp;</p><p>&nbsp;</p><p>『売り切れじゃ』</p>
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<link>https://ameblo.jp/summerside-up/entry-12158696959.html</link>
<pubDate>Mon, 09 May 2016 20:50:55 +0900</pubDate>
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<title>心配はありません</title>
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<![CDATA[ ニュースを観ていてふと思ったのですが、何故「この地震による津波の心配はありません」というように、「心配」という言葉を使うのでしょうか。<br>津波が来ます、来ません。雨が降ります、降りません。でいいのでは。<br>この「心配」は誰が誰の立場になって言っているのか。何故そこで心情を挟むのか。<br>気になります。<br><br>〇<br>〇<br>〇<br><br>・越谷オサム『金曜のバカ』角川書店(角川グループパブリッシング) (2010/1/30)<br>・米澤穂信『満願』新潮社 (2014/3/20)<br>・鹿島田真希『冥土めぐり』河出書房新社 (2012/7/7)<br>・内村薫風『MとΣ』新潮社 (2015/8/31)<br>・古川日出男『あるいは修羅の十億年』集英社 (2016/3/4)<br><br><br><br><strong>・越谷オサム『金曜のバカ』<br></strong><br><em>――天然女子高生と気弱なストーカーが繰り返す、週に一度の奇天烈な逢瀬の行き着く先は――?(「金曜のバカ」) ピュア過ぎてアブノーマルなヤツらが繰り広げる妄想と葛藤! ちょっと変でかわいい短編小説集――</em><br><br><br>帯が面白かったので初読。「フツーに暴走する5人の人間模様」とあったけど、暴走していたのは表題作くらいです。あとの四作品は変は変だけど暴走ではないかな。<br><br>文体はテンポがよく、読みやすいです。口語体のような地の文はライトノベルにも通じるかも。コミカルな面がよく出ていました。<br>収録作は『金曜のバカ』『星とミルクティー』『この町』『僕の愉しみ彼女のたしなみ』『ゴンとナナ』の五つ。それぞれ繋がりはない独立した短編です。<br><br>『星とミルクティー』は流星群の夜に出会ったきりの少年少女の、恋愛未満のお話。正直に言うとよくわからなかったのですが、何か伏線見落としているのかな。<br>『この町』は地元が嫌いで都会にあこがれる少年の痛くて恥ずかしいほろ苦い青春。嫌いじゃないよこういうの！<br>『僕の愉しみ彼女のたしなみ』は、恐竜オタクが原因で振られた少年が恐竜オタクを隠して恐竜の展覧会でデートするという話。最後の逆転は見事でした。<br>『ゴンとナナ』は同じ場面を、少女の視点とその飼い犬の視点で描いた青春ストーリー。いやこういうの嫌いじゃないですねえ。<br><br>文庫版の表紙はあらゐけいいちがイラストを描いています。<br><br><br><br><strong>・米澤穂信『満願』</strong><br><br><em>――人を殺め、静かに刑期を終えた妻の本当の動機とは―。驚愕の結末で唸らせる表題作はじめ、交番勤務の警官や在外ビジネスマン、美しき中学生姉妹、フリーライターなどが遭遇する6つの奇妙な事件。入念に磨き上げられた流麗な文章と精緻なロジックで魅せる、ミステリ短篇集の新たな傑作誕生。――</em><br><br><br>このミスなど３冠を獲ったというので一時話題になりました。やっと読めました。<br>短編集だったのか……勝手に長編だと思っていました。<br>収録作品は『夜警』『死人宿』『柘榴』『万灯』『関守』『満願』の六作。<br><br>このうち『柘榴』は新潮文庫の『Mystery Seller』に収録されていたので読んだことがありました。ミステリーというか、うーん、桜庭一樹っぽいかなあ。<br>基本的にどの話も暗く後味が悪いので、読者も結構そういうのが好きな人が多いんだなあと思いました。それ以上に巧いからですかね、文章が。<br><br>でも出来るなら長編が読みたい作家です。<br><br><br><br><strong>・鹿島田真希『冥土めぐり』</strong><br><br><em>――あの過去を確かめるため、私は夫と旅に出た――裕福だった過去に執着する母と弟。彼らから逃れたはずの奈津子だが、突然、夫が不治の病になる。だがそれは完き幸運だった……著者最高傑作!――</em><br><br><br>第147回芥川賞受賞作。ちなみにこの時の直木賞は辻村深月の『鍵のない夢を見る』でした。なるほどあれもダメ人間の話。<br><br>この作品のダメ人間は、母親であり弟であり夫でありそして語り手自身です。でもそれは主人公の一人称で語られる世界では全員ダメなんですけど、客観的にみるとそこまで、そんなに絶望するほどダメじゃないんですよね。<br>確かに母親はわがままだし（クッションや枕に囲まれた彼女はまさにめしべ、というところが好きです）、弟は見栄っ張りだし（ところでこの親子３人の関係って少し、というかなんか歪んでいて気持ち悪いです）、夫は「あつかましい」障害者です（主人公の主観では）。<br><br>昔はお金持ちだったのに今は没落（というほど大金持ちだった印象は受けなかったのですが）して、昔の暮らしが忘れられず高慢に振る舞い、養ってもらうことを当然のこととして甘受している母親。娘はスチュワーデスに憧れるものと決めつけ、金持ち以外の男は認めない。<br>そんな家族から逃げるように市職員の太一と結婚するも、太一は脳の病気で倒れ今は車椅子生活。<br>ある日、かつて母親から何度も聞かされていた高級ホテルが格安の保養地として提供されていることを知り、夫婦で旅に出る。<br>旅をしながら、あれを見ながらこれを見ながら思い返すのは過去の嫌な思い出ばかり。夫はどこでも我が物顔に振る舞い遠慮はしない。（というように奈津子には見えている）<br><br>何が起こるわけではないです。ただ旅という名の過去をめぐり（それが冥土ですかね）、夫とちょっと話をし、いいところを再発見して認めて、吹っ切れるというかカタルシスを得るというか。母親の送ってくるピンク色のカーディガンを着たくないなら着なくてもいいということに気が付くんです。そういう話です。<br>読んで面白かったーという話ではないですが、何か残る作品ではあります。<br><br>もう一つの収録作『99の接吻』は四人姉妹のお話。これも歪んだ家族の話。<br><br><br><br><strong>・内村薫風『MとΣ』</strong><br><br><em>――1990年2月11日。光よりも速く世界を移動した、「奇跡」のすべて。誤審と解放。行列と暴力。タイソンとマンデラ。意志と衝動。ブラック企業とドラクエ。野性と理性。42 と1。みんながんばれ。無理せずがんばれ。「2とZ」と「パレード」そして「MとΣ」。小説の可能性を拡張する、力と技、心意気――。新しくて、尖ってて、でも不思議と懐かしい。突然現れた才能による第一五三回芥川賞候補作。</em><br><br><br>153回芥川賞はあの、又吉直樹『火花』、羽田圭介『スクラップ・アンド・ビルド』 で、直木賞は東山彰良『流』でした。本屋大賞に『火花』が入っているのに驚きましたね。本当に面白いのかな。読んでないし読む気もないですが。<br><br>こちら短編集です。『2とZ』『パレード』『MとΣ』の三作所収。<br><br>『2とZ』は不思議な構成です。オムニバスというのか群像劇というのか、視点がころころ変わる人です。一番近いと思ったのは高橋源一郎の『ゴーストバスターズ』。三人称だったのが、急に登場した少年の一人称に変わったあの瞬間の奇妙さ。<br>まったく別々の人たち、国も時代も違うのにシンクロする不思議感。説明できないから不思議感。<br><br>『パレード』も次々と視点が変わる作品。というか全部そうです。ただこれは舞台背景は共有されています。<br>理由も正体もわからない（結局最後まで明かされない）軍隊が突然襲ってきて人々は理不尽に殺されて連れ去られて、という不条理な状況を一人ひとりの視点で語る。殺されると次の人の視点に移る。<br>なんだろう、面白いんだけど意味が分からない。<br><br>『MとΣ』はタイソンが負けた日と、マンデラが解放された日と、ドラクエⅣが発売されたその同じ日に世界を駆け抜けたアッパーカット。瞬間移動した奇跡。その不思議感。<br>なんと言っていいかわからない短編集です。発想も力量も凄いけど理解されないこの感じ。<br><br><br><br><strong>・古川日出男『あるいは修羅の十億年』<br></strong><br><em>――2026年東京。放射能汚染によって隔離された被災地「島」からやってきた、天才的騎手・喜多村ヤソウ。東京オリンピック後、スラム化した“鷺ノ宮”を偵察する「島」生まれの喜多村サイコ。先天性の心臓病を患う少女・谷崎ウラン。17歳と19歳と18歳の3人が出会うとき、東京を揺るがす事態が巻き起こる―。日本、フランス、メキシコ、そして「島」。遙かな未来になけなしの希望を託す、近未来長編。――</em><br><br><br>古川日出男の新作です。震災後文学ですかね。3.11で2つの原発が爆発した日本。<br><br>実は時間が取れず途中までしか読めなかったのでどうなったのか。ただ途中まででもこのリズム感のある文体は癖になります。<br>ヤソウとウランが出会うとこまでは読んだのですが、そのあとどうなったんだろう。<br>気になるのでまたそのうち読みます。<br><br>〇<br>〇<br>〇<br><br>外国だと津波の恐れ、リスク、警報はないとなるそうです。<br>恐れ……恐れっていうのも相手側に立った言葉ですよね。心配して、恐れている前提があってこその「心配ない」「恐れるな」ですもんね。<br>YES/NOではなくあえてファジーな部分を残してるんでしょうか。<br><br>なんにせよ、早く落ち着いた日常が戻ってくるといいですね。<br><br><br>ではまた。<br>さようなら。<br><br><br>『オレの核はまだ砕かれていない！』
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<link>https://ameblo.jp/summerside-up/entry-12153880173.html</link>
<pubDate>Mon, 25 Apr 2016 15:54:47 +0900</pubDate>
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<title>桜を見よう</title>
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<![CDATA[ お花見に行きました。近くに桜の名所の大きな公園があります。<br>日曜とあって人手が多く、非常に賑やかでした。<br><br>○<br>○<br>○<br><br>・小林泰三『安楽探偵』光文社 (2016/2/9)<br>・江戸川乱歩『幽霊塔』東京創元社 (1997/09)<br>・吉田篤弘『パロール・ジュレと紙屑の都』角川書店(2010/3/27)<br>・松波太郎『LIFE』講談社 (2014/1/29)<br>・森博嗣『どちらかが魔女』講談社 (2008/8/29)<br>・皆川博子『皆川博子コレクション8あの紫は　わらべ唄幻想』出版芸術社 (2015/8/28)<br><br><br><br><strong>・小林泰三『安楽探偵』<br></strong><br><em>――街いちばんの名探偵の元には、奇妙な依頼人ばかりがやって来る。熱狂的ファンの中年男に、執拗に真似をされる恐怖を語る人気アイドル。(「アイドルストーカー」)何者かに太る薬を盛られていると訴えるダイエットマニアの女。(「ダイエット」)事務所から一歩も出ないものぐさな探偵の推理とは?全編に仕掛けられた巧妙な罠と黒い笑い。奇才が放つ連作ミステリー。――<br></em><br><br>小林泰三で探偵といえば『密室・殺人』のイメージが強くて、また前提から巧妙な叙述トリックで騙されているんじゃないかと疑って掛かりました。<br>結果で言えば騙されましたが、思っていたのとは違うタイプ。<br><br>今回は連作短編で、探偵の元に依頼人が来て事件を語り、その場で解決するというスタイル。一話一話のトリックは巧妙ですが疑って掛かればなんとなく見えるものもあったり、逆にその裏をかかれたりもしました。『ダイエット』のオチが好きです。<br>そして最終話。確かにね、そういえばそうなんですよね。でもそうくるか！　という感じでした。<br><br>好きな小林泰三です。軽快な会話と理屈っぽい探偵、つっこむ助手。良いです。<br><br><br><br><strong>・江戸川乱歩『幽霊塔』</strong><br><br><em>――因果な来歴から幽霊塔と呼ばれるその塔で、北川光雄は宿命的な出逢いをする。鄙にはまれな麗人、野末秋子の凄絶とさえ映る美相に心は乱れて、文目も分かぬ恋路の闇を惑い歩く。数奇な境涯にあるらしき懸想人に妻問を拒まれるも愛染断ちがたく、私情を捨てた献身を誓うのだったが―。全編を彩る計り知れない謎、金銀財宝を秘めた西洋館を舞台に展開する波瀾万丈の翻案大ロマン。――</em><br><br><br>原作は外国の小説らしいですね。知りませんでした。翻訳ロマン。黒岩涙香が翻訳したものをさらに書き直したそうです。<br><br>持ち主が謎の死を遂げ莫大な秘宝が眠るという、世間では「幽霊塔」と呼ばれる屋敷を買い取った判事の北川。その甥の光雄は、その塔で謎の美女・野末秋子に出会う。<br>一目で心を奪われる光雄。しかし女には何か秘密があるようだ。<br>幽霊塔の所以となった老女殺害事件、光雄の婚約者の嫉妬、秋子の周囲に見え隠れする過去、やがて起こる殺人事件――<br><br>蜘蛛屋敷や「救い主」の館、地下迷宮と場面を変えて展開するストーリーに、徐々に明らかになる秘密は読んでいてわくわくしました。<br>首なし死体とか、怪しい科学者とか、隠し部屋とか、江戸川乱歩が大好きそうなものばっかりで書くの楽しかっただろうな。<br><br>個人的には、完全に当て馬の光雄の婚約者、栄子が実は好きで、性格凄い悪いんだけどそこが人間的で行動力もあるし、憎めないんですよね。逆にヒロインの秋子は完璧すぎて面白くないというか。<br>ただ後半の地下迷宮の場面の秋子はちょっとかわいかった。光雄の心情と相まって好きなシーンです。<br><br>弁護士の黒川とか栄子みたいな強烈なキャラクターはどちらかというと今の時代の方が人気出る気がします。ワンモアリメイク希望。<br><br><br><br><strong>・吉田篤弘『パロール・ジュレと紙屑の都』</strong><br><br><em>――紙魚となって時空を超え書物を渡り歩く諜報員・フィッシュ、彼を追う刑事・ロイド、凍った言葉を解く4人の“解凍士”、秘密を握っていると思しき水晶の眼の女・レン―凍った言葉をめぐるマジカル・ファンタジー。――</em><br><br><br>言葉が凍って結晶になる。それを解凍してその声を聴く。<br>短編でありませんでしたっけ、この話。それを膨らませた長編なのかと思いましたが気のせいかもしれません。<br><br>キノフという国があります。そこでは言葉が凍って結晶＜パロール・ジュレ＞になります。その秘密を探るために送り込まれた諜報員＜11番目のフィッシュ＞。本の中を紙魚になって移動したり、人を本の中に閉じ込めたり、本の中の登場人物に変身したりしながら謎を追います。<br>またある時は敏腕刑事ロイドの視点。またある時は4人の＜解凍士＞の視点。またある時は……と繋がっているようで繋がっていないような断片を並べて話は進んでいきます。<br><br>全体的な読後感は恋愛小説だったのかもしれないというところです。<br>正直にいえばよくわからない（意味がではなく繋がりが）ところも多いのですが、ストーリーより空気感を楽しむ小説です。<br>キノフという国。そこに住む人たち。この国の過去、成り立ち。事件、日常、非日常。一つの世界が出来上がっていますので、世界観を楽しみたいときに紐解くと丁度良い感じです。<br><br>好きなシーンは、爆破事件のあったときに紙屑が舞い上がるところ。この世界も紙の中の世界なんだろうかと思わせる幻想的なシーンでした。<br>あと独身向けスーパーのマリア。解凍士の一人が解凍したセリフ。素敵です。<br><br><br><br><strong>・松波太郎『LIFE』</strong><br><br><em>――猫木豊、31歳。脳内で「365日毎日“だらだら且ぶらぶら”できる国の王」として暮らす、ダメ男。ある日、パートナーの宝田から妊娠を告げられ、“だらだら且ぶらぶら”に未練を残しつつ、現実の生活と向き合い始める。しかし出産後、こどもの先天的障害が判明し、宝田は動揺を隠せない。いっぽう猫木は、ダメ男のくせにそんな宝田への不満を隠せない。二人は互いに見当違いの三くだり半をつきつけ合うのだった―。第150回芥川賞候補作。――</em><br><br><br>震災後文学というんでしょうか。どこかにそういう部分が見えます。<br><br>読んだのは初めてでした。文体が面白いです。何ミリリットル～何ミリリットルの間で癒える喉の渇きだったのだ、とか。<br>しかしよくこんなダメ男が書けますね。礼儀は知らないしいい年して常識ないし、喋り方だらしないくせに言葉に厳しいし、脳内では流暢に日本語操るし。<br>でも善人なんですよね。というか馬鹿なのか。そこが腹が立つんだけど憎めない。<br><br>あと『西暦二〇一一年』の最後、不覚にも、ぐっときてしまいました。いい話でした……。<br><br><br><br><strong>・森博嗣『どちらかが魔女』</strong><br><br><em>――「犀川&amp;萌絵シリーズ」から著者自身のセレクトによる、珠玉の短編8作を収録。――</em><br><br><br>収録作品は、<br>「ぶるぶる人形にうってつけの夜」<br>「誰もいなくなった」<br>「石塔の屋根飾り」<br>「マン島の蒸気鉄道」<br>「どちらかが魔女」<br>「双頭の鷲の旗の下に」<br>「いつ入れ替わった？」<br>「刀之津診療所の怪」<br>です。<br><br>これね、完全にジャケ買いというかタイトル買いで、まさかシリーズの短編集だとは思わなかった……中ちゃんと確認しろよって話です、はい。<br>でもタイトル秀逸ですよね、「どちらかが魔女」ってキャッチー、素敵。<br><br>えーっと、このシリーズはたぶん3作品くらい読んだかなというレベルなので、正直「ぶるぶる人形にうってつけの夜」と「刀之津診療所の怪」の繋がりがさっぱりわかりませんでした。萌絵じゃないんだ？　という感想です。でも全部読むかな、このシリーズ。<br>まあでも、そんなに詳しくなくても普通に推理して楽しむ分には問題ないです。謎も解きがいがありますし。機微はちょっとわからないですけど気にしなければ。<br><br>ちなみに表題作の「どちらかが魔女」はそんなにでした。「石塔の屋根飾り」のオチが笑えて面白かったです。<br><br><br><br><strong>・皆川博子『皆川博子コレクション8あの紫は　わらべ唄幻想』</strong><br><br><em>――わらべ唄をモチーフに8つの幻想的世界を描いた表題作。艶やかで妖しい10篇を収めた「妖笛」ほか単行本初収録の「あやかし幻想奇譚」シリーズを併録。――</em><br><br><br>8作目です。<br>「妖笛」シリーズは時代小説、「あの紫は　わらべ唄幻想」は時代物と現代もの半々、「あやかし幻想奇譚」は現代ものですだいたい。<br><br>相変わらず妖しく幻想的で耽美、退廃的な匂いのする世界でした。夢と現実の境目が実に曖昧です。<br>わらべ唄をモチーフにしたらしいのですが、元の唄を一個も知らなかったのでそれはどうなんでしょう。十分楽しめましたが駄目ですかね。<br>結構設定としては医者の子どもが多かったのは何故だろうか。<br><br>どれも話が濃厚で読むのが大変でした。睡眠時間削って読む覚悟でどうぞ。悪夢見ますが。<br><br>○<br>○<br>○<br><br>一緒に行った人が桜を見ずにすれ違う人を見てはありゃあどうだこうだ言うのです。<br>桜を見ようぜ、人はどうでもいいから。<br>まあでも確かに人しか見えないし、神社の敷地内にごみを積むのはどうかと思いますけどね！<br><br>大判焼き美味しかったです。<br>たこ焼き美味しかったです。<br>広島焼き美味しかったです。<br><br>ごちそうさまでした。<br>桜も綺麗でした。<br><br><br>それではまた。<br>さようなら。<br><br><br><br>『この際、“神”の話はどうでもいい！<br>　それよりも“真実”を見て欲しい！』
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<link>https://ameblo.jp/summerside-up/entry-12146347427.html</link>
<pubDate>Sun, 03 Apr 2016 17:59:11 +0900</pubDate>
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<title>自分との戦い</title>
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<![CDATA[ インペリアルサガをやっています。<br>ゲームヲタクの割には今までゲームは据え置き機か携帯ゲーム機でしかやっていなかったのですが、サガ好きとしてはちょっとだまっちゃいられない。<br>ドット絵とはちょっと違うのですが悪くないですし、音楽がアレンジのない歴代シリーズまんまなのが嬉しいです。<br>ストーリーはたぶんスパロボみたいな感じですか？　飛ばしてるのでよくわからないんですが、そんなことよりやっぱり好きなキャラクターを自由に編成して遊べるのがいいですよね！<br>アイシャ、ジェラール、ハリード、T260-G、ゲン、シルマール、まだアンリミテッドサガは出ていないんですけど、出たらやっぱりミシェルかな～。ギュスターブとウィルの夢の編成とか、最終皇帝両方入れたりとかしてみたいですね～。<br>しかし全然出ないんですよね！　しかも11連ガチャが3600円て高くないですか？　ブラウザゲーム初めてなので相場がわからないのですが、やっぱりネットゲームってこわい……。何がってそれでも課金してしまいそうで。<br><br>○<br>○<br>○<br><br>・武者小路実篤『友情』新潮社; 改版 (1947/12/29)<br>・ロバート・A・ハインライン『夏への扉』早川書房 (2010/1/30)<br>・松尾佑一『鳩とクラウジウスの原理』角川書店(角川グループパブリッシング) (2010/4/29)<br>・西條奈加『ごんたくれ』光文社 (2015/4/17)<br>・小林泰三『密室・殺人』東京創元社 (2014/1/21)『完全・犯罪』東京創元社 (2012/7/27)『百舌鳥魔先生のアトリエ』KADOKAWA/角川書店 (2014/1/25)<br><br><br><br><strong>・武者小路実篤『友情』</strong><br><br><em>――脚本家野島と、新進作家の大宮は、厚い友情で結ばれている。野島は大宮のいとこの友人の杉子を熱愛し、大宮に助力を願うが、大宮に心惹かれる杉子は野島の愛を拒否し、パリに去った大宮に愛の手紙を送る。野島は失恋の苦しみに耐え、仕事の上で大宮と決闘しようと誓う――青春時代における友情と恋愛との相克をきめこまかく描き、時代を超えて読みつがれる武者小路文学の代表作。――</em><br><br><br>夏目漱石の『こころ』に、よく似ています。先にこちらを読んでいたら武者小路実篤びいきになっていたかもしれません。（むしゃのこうじさねあつってすごく言いたくなる響きですよね）<br><br>あらすじは上記の通りで、というかまんまその通りです。全文です。<br>文体はまさに純文学といえる表現。特に野島の揺れやすく感じやすい心理描写が巧み。<br>簡単なことで高揚したり落ち込んだり、功名心と友情と恋慕とがないまぜになった青年の悩みが真に迫っています。けなされて気にしないふりをしても淋しく思ったり、大宮に褒められて嬉しくなったり、杉子に会いに行きたいけどあんまり会いに行って変に思われたらどうしようとか、相手のなんでもない仕草に魅入ったり病気の自分を心配してほしいとか、そういう等身大な部分が色濃く描かれています。<br>大宮超いいやつ。<br><br>後半が少し駆け足気味だったように感じられましたが、大宮からの手紙を受け取った後の野島が素敵。<br>少なくとも20代の内に読んでおいて損はない作品です。<br><br><br><br><strong>・ロバート・A・ハインライン『夏への扉』</strong><br><br><em>――ぼくの飼っている猫のピートは、冬になるときまって夏への扉を探しはじめる。家にあるいくつものドアのどれかひとつが、夏に通じていると固く信じているのだ。1970年12月3日、かくいうぼくも、夏への扉を探していた。最愛の恋人に裏切られ、生命から二番目に大切な発明までだましとられたぼくの心は、12月の空同様に凍てついていたのだ。そんな時、「冷凍睡眠保険」のネオンサインにひきよせられて…永遠の名作。――</em><br><br><br>近未来SFです。これは名作。『月は無慈悲な夜の女王』は月世界の完全なるSFでしたが、これはちょっと科学の発達した現代を（といっても1970年代）舞台にしています。<br><br>冷凍睡眠が定着した世界。発明家のダンは「文化女中器（ハイヤードガール）」というお掃除ロボットを開発して、戦友の弁護士と共に会社を作った。秘書に雇った女性とも婚約が決まり順風満帆の日々。新たな発明品の構想も決まっていた。<br>しかし、ダンは友人と秘書の女の罠にはまり会社を追い出された挙句発明も取られてしまう。<br>失意のダンは愛猫のピートと共にコールドスリープにつこうと考える。だがその前に奮起したダンは二人に一矢報いようと戦いを挑むのだが返り討ちにされ、薬を打たれて一人でコールドスリープにつかされてしまう。<br>目覚めたのは西暦2000年。<br>そこでは自分が作ったハイヤードガールや、取られてしまった万能ロボット、そして構想だけあり作らなかったはずの万能製図機が作成されていた。<br>一人取り残されたダンは騙した二人を探すがその甲斐はなく、唯一この世で信頼できる友人の姪のニッキイを探すがやはり見つからない。<br>発明した覚えのない自分の発明品の謎を探すうち、ダンはタイムトラベルの存在を知る。そしてその博士を訪ねたダンはもう一度1970年へと戻り――<br><br>ここからの加速度が素晴らしいっ！　素晴らしい収束感です。読んでいて心地よかった。胸がすく思いがしました。<br>『月は無慈悲な夜の女王』はハードSFでちょっと難しい部分もあったんですが、こちらは読みやすいし分かりやすいし読後感もいいし、いい話でした。<br>というかもうタイムトラベルものってだけでわくわく感半端ないんですよ。いやー面白かった。<br><br>あと思ったんですけど、ハイヤードガールっていうお掃除ロボット、これルンバですよ。自動で床掃除をして、自分で学習して障害物を避けて、充電しに自分で戻るんです。テンション上がりました。ルンバ買おうかな。<br>こういう、空想が実現できると素敵ですよね。コールドスリープもそのうち実現しますかね。<br><br><br><br><strong>・松尾佑一『鳩とクラウジウスの原理』</strong><br><br><em>――恋愛に縁のない貧乏青年・磯野のアパートに学生時代の仲間が転がりこんできた。磯野の新しい職場は「鳩航空事業団」。そこでは鳩が恋文を運ぶ伝書鳩サービスを提供している。ある日、伝書鳩が「クラウジウス団」なる連中に拉致されてしまう。彼らの目的は「この世のあらゆる恋愛を妨害すること」。磯野は無事に鳩を相手に届けられるのか?かくして鳩を巡るナンセンスな闘いが幕を上げた。第1回野性時代フロンティア文学賞受賞作。――</em><br><br><br>森見登美彦っぽいですかなり。<br>文体とかワードセンスとかナンセンスっぽさが似ている。腐れ大学生が社会人になったらこうなりましたみたいな。<br>だから最初は眉唾で読んでいたんですが、いや、結構面白いです。デビュー作？　なのでちょっと拙いように感じる部分や物足りない部分はあるのですが、情熱を感じました。<br>零細広告会社に勤める主人公と、大学時代の仲間で常に軍服を着た大男のロンメル、とらえどころのない女の子の犬さん、とその柴犬との同居生活。他愛ない日常と、鳩航空事業団の仕事、暗躍するクラウジウス団。<br>奇を衒った話ではないので読んでびっくり！　みたいなのはないのですが、終盤へ向けて緩やかに収束していく安心できる出来です。<br><br>ちなみにタイトルのクラウジウスの原理は「熱力学の第二法則の一つの表現法．熱化学サイクルを一巡したときに，他に効果をいっさい残さずに，熱を低温熱源から高温熱源へ移動させることはできない．」というのを「水は低きに流れる。つまり女性は顔のいい男に流れるのだ」と歪曲して理解し、世のカップルの邪魔をするクラウジウス団を結成したエピソードによります。<br><br>文学賞のことはわからないですけど楽しめました。<br><br><br><br><strong>・西條奈加『ごんたくれ』</strong><br><br><em>――当代一の誉れ高い絵師・円山応挙の弟子・吉村胡雪こと彦太郎。その応挙の絵を絵図とこき下ろし、我こそ京随一の絵師と豪語する深山箏白こと豊蔵。彦太郎が豊蔵を殴りつけるという最悪の出会いから、会えば喧嘩の二人だが、絵師としては認め合い、それぞれ名声を高めながら数奇な人生を歩んでいく―。京画壇華やかなりし頃を舞台に、天才絵師の矜持と苦悩、数奇な生き様を描いた、読みごたえたっぷりの傑作時代小説!――</em><br><br><br>びっくりしたのですが、ちょうど今NHKの「日曜美術館」で深山箏白のモデルになった曾我蕭白の特集をしていました。なにこのタイミング。でも小説だとどんな絵なのか分からなかったので実物が見られてよかったです。<br>確かに作中で言われているとおり、賢人や仙人の表情は人間臭く醜くて綺麗とは言い難い絵です。飾りたいかと言われれば嫌です。だって目に金泥が塗られていて光っているんですよ。怖いですよ。<br>でも写実という技術を確立させた応挙に反発し、そんなのは絵ではなく図だ、本当の絵が見たいなら自分のところに来いと言った蕭白らしい絵でした。アカデミックなものに対する前衛というか。<br><br>小説の中の箏白は偏屈で不愛想で口が悪く、変人か狂人と言われる人物です。媚びぬ引かぬ省みぬ、みたいな。<br>もう一人の主人公、応挙の弟子の吉村胡雪（長沢芦雪）とは好敵手といった形で、馴れ合わないものの互いに影響しあうというような変わった友情を築いていきます。<br>調べてみたのですが長沢芦雪の絵、確かに愛嬌があってかわいいです。犬の絵かわゆい。<br>互いに名を上げた晩年辺りから、胡雪の死の原因を糾弾するくだりはよかったなあ。<br><br>円山応挙、伊藤若冲、池大雅など有名な絵師がたくさん出てくるので楽しいです。<br>あと胡雪の兄弟子いい人すぎ。惚れた。<br><br><br><br><strong>・小林泰三『密室・殺人』『完全・犯罪』『百舌鳥魔先生のアトリエ』<br></strong><br>『密室・殺人』――傍若無人な探偵・四里川陣に命じられて、助手の四ッ谷礼子は雪山に建つホテルへ殺人事件の調査に赴く。彼女を待ち受けていたのは、密室から消えた死体の謎だった。カードキーでロックされ、しかも衆人環視下に置かれた密室状況は、なぜつくられたのか?遊び心あふれる論理の背後に、周到に張り巡らされた伏線の数々。『大きな森の小さな密室』の著者が贈る、会心の本格ミステリ。<br><br><br>『完全・犯罪』――「本来、これはわたしが貰うべき賞だったのだ!」ライバル、水海月博士に研究発表で先を越された時空博士。憤慨した博士は、自ら開発したタイムマシーンを活用して過去の水海月博士を殺害しようと目論む。念のため、自分に鉄壁のアリバイがある日時を犯行時刻に設定したのだが―。表題作の「完全・犯罪」をはじめ、驚きと恐怖、黒い笑いが詰め込まれた全五篇のミステリ短篇集。<br><br><br>『百舌鳥魔先生のアトリエ』――「あなた、百舌鳥魔先生は本当に凄いのよ!」妻が始めた習い事は、前例のない芸術らしい。言葉では説明できないので、とにかく見てほしいという。翌日、家に帰ると、妻がペットの熱帯魚を刺身にしてしまっていた。だが、魚は身を削がれたまま水槽の中を泳ぎ続けていたのだ!妻が崇める異様な“芸術”は、さらに過激になり…(表題作)。他に初期の名作と名高い「兆」も収録。生と死の境界をグロテスクに描き出す極彩色の7編!<br><br><br><br>買い集めています、あまり人には言えないけど。小林泰三いいですよねえ。<br>周りの友人はグロ苦手な人多くて、そうじゃなくても「グロ好き」とは大きい声で言えないので。<br><br>『密室・殺人』はこの中だと一番面白かったです。というか小林泰三の中でもかなり好き。（どうでもいいんですけどこばやしやすみだと一発変換出来ないのに、こばやしたいぞうだと一発で出てくるので釈然としない）<br>長編のミステリーです。『アリス殺し』くらいしか長編のミステリー読んでないので新鮮。<br>コミカルな文体で出てくる人物も超個性的。元婦人警官の関西弁（京都？）の主人公、「背の低い、黒ぶちの丸い眼鏡をかけた、前頭部の禿げた、鼻と顎に毛の生えた大きなほくろのある、色の黒い」谷丸警部、何かと鋭い管理人の徳さん、間抜けな弁護士の西条、これもまた何かと鋭い新藤礼都など。『大きな森の小さな密室』でそれぞれ主人公の短編が書かれています。<br><br>でも文体もキャラクターもいいんですが、なによりそのストーリーが好きです。時折挿入される礼子のトラウマ、冒頭の『鏡の国のアリス』の抜粋、その意味が分かったとき感動しました。いや感動というか、もう単純に好きです。<br>続き凄く読みたい。こういう小林泰三好き。<br><br><br>『完全・犯罪』はタイトル的には続編に見えますが別物です。短編……ミステリー？<br>表題作の『完全・犯罪』はコミカルでバカでロジカルで好きです。笑えます。時空博士って。<br>『ロイス殺し』はダークなホラーでしょうか。邪神とか言っているので、クトゥルフかなあ。<br>『双生児』もダーク。理屈っぽい感じでこれもやっぱり『ベンハムの独楽』と似ています。向こうが似てるのかな、分からないですけど。<br>『隠れ鬼』はサスペンスっぽいホラーかなあ。無茶な理屈と、ラストはよくわからない感じ。<br>『ドッキリチューブ』は世にも奇妙な物語にこんなのなかったですかね。頭おかしい人たちの話。嫌いじゃないけど後味悪い。<br><br><br>『百舌鳥魔先生のアトリエ』は角川ホラー文庫なのでお察しの通りです。これも短編集です。<br>表題作はグロ全開です。本領発揮。いや、嫌いじゃないんです。皆川博子の短編でこういうのあった気がする。なんだっけかな。ちょい耽美、といっていいのか。<br>『ショグゴス』なんてまんまクトゥルフですが、皮肉が効いてて面白いです。<br>この中では『密やかな趣味』が一番好きでした。人間そっくりのアンドロイドの話。いやいやいや、とある予感を抱きながら読み進めていくと、最後の一文でやられます。やられました。<br><br><br>最近出た『安楽探偵』を買ったついでに色々買ってしまったんですよ。そしてまだ『安楽探偵』読んでいないんです。早く読みます。<br><br>○<br>○<br>○<br><br>インペリアルサガだけじゃなくて、今ブレスオブファイアのネットゲームも気になっているんですよ。ブレス大好きなんですよ。でもオープンワールドなんですよね。女神転生もオープンワールドなんであきらめたんですよ。知らない人と冒険できないです……。<br>ネットはこわいです。はあ。<br><br><br><br>それではまた。<br>さようなら。<br><br><br><br>『そう、私が教授よ。<br>　そう、私は天才。私は万才、私は<br>　３・・いえ、私は２０才』<br>『帰ろう。』
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<link>https://ameblo.jp/summerside-up/entry-12138874950.html</link>
<pubDate>Sun, 13 Mar 2016 18:06:50 +0900</pubDate>
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<title>さっくさく</title>
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<![CDATA[ パソコン買いました。ブルーレイも観られるやつです。赤いやつです。名前はキャサリンです。よろしくお願いします。<br><br>○<br>○<br>○<br><br>・ピエール・ルメートル『その女アレックス』文藝春秋 (2014/9/2)<br>・七河迦南『空耳の森』東京創元社 (2012/10/30)<br>・小島水青『鳥のうた、魚のうた』メディアファクトリー (2012/6/1)<br>・森博嗣『ゾラ・一撃・さようなら』集英社 (2007/08)<br>・田中慎弥『神様のいない日本シリーズ』 文藝春秋 (2008/11)<br><br><br><br><strong>・ピエール・ルメートル『その女アレックス』<br></strong><br><em>――おまえが死ぬのを見たい―男はそう言ってアレックスを監禁した。檻に幽閉され、衰弱した彼女は、死を目前に脱出を図るが…しかし、ここまでは序章にすぎない。孤独な女アレックスの壮絶なる秘密が明かされるや、物語は大逆転を繰り返し、最後に待ち受ける慟哭と驚愕へと突進するのだ。イギリス推理作家協会賞受賞</em>作。――<br><br><br>一時書店で大々的にフェアをやっていました。話題にもなりましたし、少し気になっていたので。<br><br>想像していたより面白かった。<br>事前に読んだ知人から、外国特有のジョークがよくわからんと聞いていたので過度に期待はしていなかったのですがなかなかどうして。<br><br>ストーリーはもちろん賞を獲るだけあって凄いんですよ。ただの誘拐と思われていた事件が二転三転、被害者は誰で加害者は誰か……あ、サンホラにそんな歌がありましたね……まあそれはどうでもいいですね。<br>一応カミーユ・ヴェルーヴェン警部シリーズの二作目ということなんですが、ここから読んでもそんなに問題はないと思います。確か一作目も翻訳されていますので気になる方はそちらを。<br><br>主人公はカミーユ・ヴェルーヴェン警部という、特徴的に身長の低い男性です。部下にお金持ちの美男子とドケチのおじさん。上司は肥満体型。こち亀、じゃないか。<br>そのカミーユと、アレックスの一人称が交互に続きます。<br>誘拐されたアレックス、捜査を進めるカミーユ、だんだん衰弱していくアレックス、少しずつ犯人に近づいていくカミーユ。果たして救助は間に合うのか？<br><br>と思っていたらここで展開ががらりと変わります。ここの転換が確かに凄い。<br>でもですね、展開の力だけで読ませるのではなく、描写が細かくて素晴らしいんですよ。心情描写、風景描写、どちらも好みです。<br>ちょっと翻訳が固いような気がするのが少し残念です。<br><br>個人的には好みなんですが、しかし内容的に描写的に、あまり人におすすめは出来ないですね。特にグロ嫌いな人はちょっと。<br>推理小説ではなくて、サスペンスとかスリラー色の濃い作品です。<br>そういうのが大丈夫な方、面白いですよ。<br><br><br><br><strong>・七河迦南『空耳の森』</strong><br><br><em>――まだ早い春の日、思い出の山を登るひと組の男女。だが女は途中で足を挫き、つかの間別行動をとった男を突然の吹雪が襲う。そして、山小屋でひとり動けない女に忍び寄る黒い影―山岳を舞台にした緊迫のサスペンス「冷たいホットライン」。孤島に置き去りにされた幼い姉弟の運命を描く「アイランド」。ある不良少女にかけられた強盗の冤罪をはらすため、幼なじみの少年探偵が奔走する「さよならシンデレラ」。居酒屋で男が安楽椅子探偵に遭遇する「晴れたらいいな、あるいは九時だと遅すぎる(かもしれない)」…『アルバトロスは羽ばたかない』で一躍注目を浴びた鮎川哲也賞受賞作家の本領発揮。一編一編に凝らされた職人的技巧に感嘆すること間違いなしの、バラエティに富んだ九編を収める。――</em><br><br><br>初めて読む作者でした。なんとなくフィーリング。強いて言えば軽いミステリーが読みたかったので。<br><br>＊ネタバレします＊<br><br><br>読み終わって驚いたんですが、連作になっていたんですね。<br>途中まではそれぞれ独立した関係のない短編だと思って読んでいたのですが、ところがどっこい最後まで読んで繋がるそれぞれの話。<br>ただそれがメインで最後に全員が集まって何かが起こるというものではありません。説明文に書いていないように、読んだ人だけわかるサブテーマという感じでしょうか。<br><br>ひとつひとつの話はどんでん返し系の話が多いですね。実はこうだと思わせておいてこうでしたー、みたいな。<br>結構最初から疑わせて掛からせるというか、そのまま表面通りの話じゃないのは分かるけどどう展開するか分かるか？　と考えさせるというか。いや、そう感じただけなので他の人は分からないですけど。<br><br>試みとして面白い本でした。自分でもやってみたいですね！<br><br><br><br><strong>・小島水青『鳥のうた、魚のうた』</strong><br><br><em>――『鳥のうた、魚のうた』―いまは無人の、かつて老婆が住んでいた廃屋に棲み付き、流行歌「木綿のハンカチーフ」を調子外れに歌う鶏。人の頭を付けたこの奇妙な生き物は私の姉だ。不吉な予言を奇声とともに口走る彼女に秘かに会いに行くのを重ねていたある日、私は同じクラスの尾崎から呼び出される。それには、溺死した下級生の少女の謎がからんでいるようなのだが…。第6回『幽』怪談文学賞大賞受賞作。受賞作に書き下ろしを加えた全6編を収録。――</em><br><br><br>引き続きホラーにはまっています。<br>あらすじからして引き込まれる不気味さ。いいですねえ。<br><br>表題作は結構短い短編なのですが、「姉」の存在が強烈です。小学生の主人公が、鶏の足をお供え物に神様に亡くなった姉に会いたいとお願いを掛ける。すると廃屋の中から自分の名前を呼ぶ声が聞こえる……。<br>鶏の体に人間の顔、鳴き声ともつかぬ喋り方をする不気味な生物。しかもそれは姉であるという事実。呼び出したもののどうしていいかわからない存在。<br><br>ここまではよかったんですけど、というか全体的にそうだから作者の趣味なんでしょうが、落ちが弱いんですよねぇ。収集のつけ方が客観的というか俯瞰的というか引いてみているというか。<br>物足りなさを感じてしまいました。<br><br>ホラーとしてみれば怖さはあんまりないです。グロもないです。安心。<br><br><br><br><strong>・森博嗣『ゾラ・一撃・さようなら』</strong><br><br><em>――自由気儘に生きる探偵・頚城悦夫のもとを訪れた謎に満ちた美女――。<br>彼女の依頼は、引退した要人から秘宝“天使の演習”を取り戻して欲しい、というものだった。<br>だが、その男は伝説の殺し屋・ゾラに狙われている!<br>頚城は彼に接近していくが……。洒脱でスリリング、でもどこか切ない物語。<br>これが新感覚ハードボイルド!――<br></em><br><br>二作目から読んでしまったので一作目です。<br>次のシリーズとだいぶ間が空いたからでしょうか、キャラ変わってないですかね。<br>主人公はだいたい同じ感じなんですけど、都鹿とか優衣とかなんか違和感。<br><br>というか！　ゾラについての本は書かないって最後に言っているのに二作目はゾラの本書いていることになっているんですけど！　書いちゃったのかあ。えー。<br><br>内容的にはハードボイルド小説を森博嗣的に書いたらこうなるよの見本ですね。<br>オマージュなのか馬鹿にしてるのか……でもらしくていいですもう。<br>サガンもいいですね。サガンも好きですよ。でもそのせいで真面目なのかよくわからない本です。<br><br>毎回最後女性に振られる主人公が次回はどうなるのか気になってきました。<br><br><br><strong><br>・田中慎弥『神様のいない日本シリーズ』<br></strong><br><em>――野球賭博絡みのトラブルがもとで失踪した父親から少年のもとに葉書が届く。「野球をやっているか」。父親の願いを適えるべきか、野球を嫌悪する母親に従うべきか。少年の心は揺れる。そんななか、少年は憧れの同級生とある劇を上演することになった…。いまもっとも注目を集める作家が描く親と子の迫真のドラマ。――</em><br><br><br>ひそかに好きな作家。タイトルも好き。<br><br>上級生に名前のことや祖父のことを馬鹿にされて野球も辞めると言った小学生の息子に、父親が語り掛ける自分と父親の人生のこと。そして野球のこと。大好きな女の子のこと。息子の名前の元になった劇のこと。<br><br>いい話です。これはいい話ですね。書き方はいかにも純文学的ですが読みやすいです。<br>父から届く「野球をやれ」というはがきの意味が分かるところがいい。<br>あと豚を殺すところですね。綺麗でした。<br>生々しいところもありつつロマンチックな面もある書き方ですね。<br><br>○<br>○<br>○<br><br>なんとなく思い込みなんですが、女性ロボットの名前ってキャサリンって感じがしませんか？<br>しっくりくるなあ。<br><br><br>それではまた。<br>さようなら。<br><br><br><br>『キャサリンを使って暗号を入力すると、なんでも解読できる。それがキャサリンだ。<br>　何故キャサリンか？仮に『テツゴロウ』だとしたらオレは仕事をしなくなるだろう？<br>　さあ、誕生日を入力してみるか。ヒントは、解説書の12ページを見てくれ』
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<link>https://ameblo.jp/summerside-up/entry-12133571818.html</link>
<pubDate>Sun, 28 Feb 2016 02:54:44 +0900</pubDate>
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<title>ヴィ、Vistaーー！</title>
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<![CDATA[ とうとうサポートが切れてしまいます。<br>学生の時に自腹で13万で買ったこのパソコンともお別れです。<br>新しいパソコン……<br><br>〇<br>〇<br>〇<br><br>・小野不由美『営繕かるかや怪異譚』KADOKAWA/角川書店 (2014/12/1)<br>・坂木司『何が困るかって』東京創元社 (2014/12/12)<br>・森博嗣『暗闇・キッス・それだけで』集英社 (2015/1/26)<br>・高橋源一郎『動物記』河出書房新社 (2015/4/9)<br>・ジュリアン・グラック『シルトの岸辺』岩波書店 (2014/2/15)<br><br><br><br><strong>・小野不由美『営繕かるかや怪異譚』</strong><br><br><em>――◎亡くなった叔母から受け継いだ町屋。あるとき一人暮らしの私は気がつく。ふだんまったく使わない奥座敷に通じる障子が、何度閉めても――開いている。(「奥庭より」)<br><br>◎古色蒼然とした武家屋敷に住む母親は言った。「屋根裏に誰かいるのよ」。最初は息子も嫁も孫娘も見えなかった。しかし……。(「屋根裏に」)<br><br>◎袋小路の奥に建つ古屋を祖母から受け継いだ。ある雨の日、鈴の音とともに喪服姿の女性が隣家の玄関先に立っているのを見掛けた。一目で、見てはいけないものだと分かった。(「雨の鈴」)<br><br>◎亡くなった祖父の会計事務所を継ぐため、家族で郷里に帰った父。思春期真っ只中の真菜香は、何もかもが嫌だった。あるとき、見知らぬ老人が家の中のそこここにいるのを見掛けるようになった。(「異形のひと」)<br><br>ほか全6篇を収録。<br><br>※初出:「幽」(KADOKAWA)vol.015(2011年7月1日発売)、vol.016(2011年12月16日発売)vol.017(2012年7月2日発売)、vol.018(2012年12月17日発売)、 vol.019(2013年7月1日発売) vol.021(2014年7月4発売)に掲載。<br><br><br>【営繕】の意味<br>建造物の新築と修繕のこと。(三省堂『新明解国語辞典』第四版より)<br>一般的には模様替(リフォーム)なども含む。<br><br>【かるかや】の意味<br>山野に自生する多年草。葉はイネに似て、秋、ムギの穂に似た小さい花を葉のわきにつける。高さは1.5メートルくらいに達する。(三省堂『新明解国語辞典』第四版より)――</em><br><br><br><br>普通に幽霊の出てくる話です。<br>でも怖がらせようというホラーではなく、幽霊も何かを抱えていて障りが出ているのだから、それを解決してあげようというほっこりホラー。<br><br>どれも家にまつわる幽霊で、それを営繕かるかやさんが最後どうにかしてくれるという流れ。だから主人公が切った張ったの大立ち回りをするのではなく、ほんの少し出てきて助けてくれるような話ばかり。連作だけどキャラクターものの話ではないです。<br><br>表紙の絵を『蟲師』の作者が描いているのですが、流れは確かに蟲師っぽい。人がいて、怪異があって、そこにちょっと関わって解決していく。あくまでメインは市井の人々。<br><br>ほっこりホラーとか書きましたが、そこは小野不由美です。描写は怖いです。お気を付けて。<br>個人的には『異形のひと』が怖かった。さまようじじい。<br><br><br><br><strong>・坂木司『何が困るかって』</strong><br><br><em>――子供じみた嫉妬から仕掛けられた「いじわるゲーム」の行方。夜更けの酒場で披露される「怖い話」の意外な結末。バスの車内で、静かに熾烈に繰り広げられる「勝負」。あなたの日常を見守る、けなげな「洗面台」の独白。「鍵のかからない部屋」から出たくてたまらない“私”の物語―などなど。日常/非日常の情景を鮮やかに切り取る18篇を収録。――</em><br><br><br>初めて読んだ作者ですが上手です。どれも一捻りある短篇集で、意外なオチ系がうまく決まっていました。先入観を逆手に取ったような話が多いです。<br>18編あるので中にはよくわからないものも間々ありますが、全体的に悪意のある、もしくは暗い話が目立っていた気がします。もちろん明るいのもあります。<br><br>ショートショートとはいえ星新一的ではなく、最近読んだもので近いのは『ベンハムの独楽』ですかね。あそこまでダークではないですが。<br><br>どうも普段はほんわか系を書いているようで、ファンからは評判の悪い本のようですが、面白いと思いましたよ。<br>最後にタイトルの『何が困るかって』の意味もわかります。まあそうかもしれないですねぇ。<br><br><br><br><strong>・森博嗣『暗闇・キッス・それだけで』</strong><br><br><em>――大学在籍中にコンピュータのインタプリタを作製、休学してソフトウェア会社を創業、1980年代にコンピュータ業界で不動の地位を築いた、IT史上の伝説的存在ウィリアム・ベック。会長職を譲り、第一線から退いたウィリアムは現在、財団による慈善事業に専念している。探偵兼ライターの頸城悦夫は、葉山書房の編集者兼女優の水谷優衣から、ウィリアムの自伝を書く仕事を依頼され、日本の避暑地にある彼の豪華な別荘に一週間、滞在することになった。そこにはウィリアムだけでなく、その家族や知人、従業員などが滞在していた。<br>ところが、頸城が別荘に着いた後、思いもかけない事件が発生する。警察による捜査が始まるが、なかなか手がかりをつかむことができない。そんな中、さらなる 悲劇が……。取材のために訪れた頸城は、ウィリアムの自伝執筆の傍ら、この不可思議な殺人事件にも関わることになる。果たして、事件は解決できるのか。<br>忘れ得ぬ苦しい記憶を背負った探偵が、事件の謎・愛の影を探求・逍遥する、至高の長編小説。<br>待望の書き下ろし長編ミステリー。<br>――</em><br><br><br>どこにもね、続編だって書いていないんです。でもこれはシリーズ物だったんです。『ゾラ・一撃・さようなら』の続きです。してやられた。読んでいないよ。どこかに書いておいて。<br>なので過去のほのめかしが前作で出てきたのか、ただのほのめかしなのかはわからないので、ストーリーだけの感想を。<br><br>なかなか進まない感が少しと、何故かもてる主人公に釈然としない。村上春樹かな？　と錯覚しました。自分語りが少し鼻についたのであまりこの本は向いていません。<br>まあそこは森博嗣なのであくまで「この本は」です。苦手なほうの森博嗣。『スカル・ブレーカ』シリーズに似ているかも。<br><br>トリックはええ、なるほど、といった感じ。犯人はああ、そうなのか、と思い。動機はうーん、そこかぁ、と唸る感じ。ただやっぱりなんかのついでみたいに謎解きをするドライなところは好き。<br><br>本題は主人公頸城悦夫（くびき・えつお）が、元恋人の水谷優衣とどうなるのかに重点が置かれているような構成。<br>そしてあのラスト！　スカッとしました。やっぱり森博嗣はいいね。<br><br><br><br><strong>・高橋源一郎『動物記』</strong><br><br><em>――「ことば」を奪われたものたちが、いま、立ち上がる。本日未明、政府は「開戦」を宣言しました。著者が「動物」たちへ贈る最後の書、刊行!――</em><br><br><br><br>高橋源一郎らしい突飛さ。読んでると、これを書くのは高橋源一郎意外ありえないなあと実感できます。<br>でもあんまり面白くなかった。アリクイの愚痴とかビクーニャの自慢とか面白いところもあるんだけど、あの突き刺さってくる感じがない。<br>と思ったら最後の短編『動物記』。もはやこの為の前振りかと思った。<br>幼少期のザリガニを溶鉱炉に放りこみ続けた記憶から、うさぎをただ飼い殺し、自分は何かを育てることに向いていないと自覚し、自覚しながらもどうしようもない無為感を抱えた「わたし」の独白。刺さります。<br><br><br><br><strong>・ジュリアン・グラック『シルトの岸辺』</strong><br><br><em>――著者最大の長篇かつ最も劇的な迫力に富む代表作。1951年度のゴンクール賞に選ばれたが、グラックは受賞を拒否、大きな話題を呼んだ。「この小説は、その最後の章まで、決して火ぶたの切られない一つの海戦に向かってカノンを進行する」――宿命を主題に、言葉の喚起機能を極限まで追求し、予感と期待とを暗示的に表現して見せた。――</em><br><br><br><br>タイトルがまず好き。シルトの岸辺。<br>舞台は架空の国「オルセンナ」。建国から300余年を経て、年老いた国家。海を隔てた向こうには、敵国「ファルゲスタン」。敵国とはいっても、もう長い歴史の間交流が無い。ただ和平交渉をする機会もなくなんとなくずっと休戦状態が続いている。<br>シルトはその前線。とはいえもはや砦はほぼ朽ち、詰めている兵も半数以上は近くの農場の手伝いに出ている始末。ファルゲスタンは幻想とほぼ同意義になっている。<br>貴族の青年アルドーは、都の生活に飽きて自ら軍役を望む。割り当てられたのは辺境シルトの監察将校。最初は陽気に楽しんでいたアルドーだったが、ある時から不穏な空気が漂い始める。やけに整った海図室、軍籍のない舟、戦争の噂。いつしか噂は真実味を帯び、朽ちた砦は修繕され始める。<br>やがて何かに突き動かされるようにアルドーは警戒水域を越えて船を出す。そしてなんの警告もなしに船に向かって放たれたただ一発の砲撃。<br>にわかに色めき立つシルト、およびオルセンナ。しかしファルゲスタンの動きはない。<br>ファルゲスタンの動向はわからないにも関わらず、もはや国中が戦争へ向けて動き始めていた。<br><br>というような話です。何かが起こるぞ起こるぞという予感だけがあり、実際の戦争はこの話の範疇にはありません。<br>主題は、何故実体を伴わないのにオルセンナは戦争への道を辿ることになったのか、ということですかね。きっかけを作ったアルドーがいなくても、きっと別のアルドーが現れただろうと言うように、世界は戦争を待ち望んでいたのであろうかという。<br><br>ただ陰謀的にも見えるんですよね。アルドブランディ家という野心家の一族がいて、戦争の噂を流したのは令嬢のヴァネッサ。アルドーは利用されただけ？　ただヴァネッサ魅力的です！<br>そうすると穏健派で保守派のマリノ大佐は本当に事故死だったのか？　とも思えるし、うーん。<br><br>詩人らしい散文詩的な描写で世界観は素敵です。ただ長いので眠くなります。難しい本ですね。<br><br>〇<br>〇<br>〇<br><br>まだまだ文章打つくらいなら余裕で使えるのに、残念です。<br>でも確かにネットの接続は重いし、読み込み長いし、固まるし、バッテリーもたないし、やっぱり寿命なんでしょうか。<br>残念です。<br><br><br><br>それではまた。<br>さようなら。<br><br><br><br>『まだ　わからんか・・・心じゃよッ！』
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<link>https://ameblo.jp/summerside-up/entry-12126507258.html</link>
<pubDate>Mon, 08 Feb 2016 15:49:47 +0900</pubDate>
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<title>あれ、偏ってる？</title>
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<![CDATA[ 今日、図書館と本屋に行ってきて、今仕入れた本を確認したところ、8割ホラーとミステリーでした。<br>おかしいな、いつのまにこんな趣味に傾いていったのか。<br>女神転生で言えばダーク・カオスに寄っていっています。危ない。『よつばと！』や『ギリシャ神話劇場　神々と人々の日々』などでバランスを取らなくては。<br><br>〇<br>〇<br>〇<br><br>・中田永一『吉祥寺の朝比奈くん』祥伝社 (2009/12/11)<br>・吉田篤弘『それからはスープのことばかり考えて暮らした』暮しの手帖社 (2006/08)<br>・江戸川乱歩『黄金仮面』東京創元社 (1993/10)<br>・萩原朔太郎『萩原朔太郎詩集』岩波書店; 改版 (1981/12/16)<br>・小林泰三『世界城』日本経済新聞出版社 (2015/12/9)<br><br><br><br><strong>・中田永一『吉祥寺の朝比奈くん』</strong><br><br><em>――彼女の名前は、上から読んでも下から読んでも、山田真野。吉祥寺の喫茶店に勤める細身で美人の彼女に会いたくて、僕はその店に通い詰めていた。とあるきっかけで仲良くなることに成功したものの、彼女には何か背景がありそうだ…。愛の永続性を祈る心情の瑞々しさが胸を打つ表題作など、せつない五つの恋愛模様を収録。――</em><br><br><br>『ラクガキをめぐる冒険』『交換日記はじめました！』『うるさいおなか』『三角形はこわさないでおく』『吉祥寺の朝比奈くん』を所収。<br>どれもこれも一癖あって仕掛けがある短篇集です。乙一天才か。<br>何気ない日常の会話が面白いし、ところどころに顔を出す自虐的だったり辛辣な面もくすりとくる。<br>展開は上手いし、読んで誰かに薦めたくなる本です。実際薦めました。<br>個人的には『交換日記はじめました！』の転がるような展開と、『ラクガキをめぐる冒険』の冒頭に最終章を持ってくる構成がツボでした。<br><br>ただどれもライトなので、読みやすいけど軽いのが苦手な人はどうでしょうか。面白いですよ。<br><br><br><br><strong>・吉田篤弘『それからはスープのことばかり考えて暮らした』</strong><br><br><em>――どんなときでも同じようにおいしかった。だから、何よりレシピに忠実につくることが大切なんです…。ある町に越してきた映画好きのオーリィ君と、彼にかかわる人たちとの日々の暮らしを描く短編集。――</em><br><br><br>月舟町が舞台の連作短編です。古い日本の映画に、いつも少しだけ出てくる「彼女」を観ることが好きな大里（オーリィ）君と、越してきたアパートの大家の大谷さん。サンドイッチ屋「トロワ」の安藤さんとその息子。それからあおいさん。どこかゆったりした雰囲気の漂う小さな町の、大きな事件はないけれど悩みが無い訳じゃない人たちの日常を描きだしたお話です。<br><br>ノスタルジーというか、どこかメルヘンさすら感じさせる空気感がある不思議な本でした。<br>小説よりおはなしというほうが合っています。読後感が優しい……。<br><br><br><br><strong>・江戸川乱歩『黄金仮面』</strong><br><br><em>――展覧会場から、はたまた侯爵邸から、まんまと目当ての品物を盗み出す怪人が出没した。しかもその顔は無気味な金色の仮面に隠されていて、正体が掴めない。事件解決に乗り出した名探偵明智小五郎も怪盗の狡知に振り回され、切歯扼腕するばかり。だが、頭脳の闘いなら明智も負けてはいない。恐るべき敵の正体を明らかにし、凱歌を奏する日も近い。手に汗握る推理と冒険の傑作長編。――</em><br><br><br>なるほどそうきたか。ちょっと反則的な気もしますが、当時だったら手に汗握りますねこれは。<br>顔を黄金の仮面で隠し、黄金のマントをはおった怪人が次々と狙った獲物を盗み出していく。<br>弱った警察は明智小五郎に助けを求め、明智と黄金仮面との対決が始まる。<br><br>明智小五郎のいいところは、事件が起きてから依頼されてやってくるところですよね。<br>前提に生きている人間のドラマがあり、登場人物たちはそれぞれに考え動き、いざ事件が起きてどうしようもなくなった時にやっと現れる主人公。<br>話ごとにそれぞれのメインの人物がいるのが好きです。<br>なぜか行く先々で殺人が起こるあの名探偵たちとは違いますね。無理がない。<br><br>今回はでもあんまり推理物ではないかも。大活劇。いつもですけど。さらにもっと。まあ犯人があの人じゃあ仕方ないか。<br>でもあの人も好きなんだけどなあ。<br><br><br><br><strong>・萩原朔太郎『萩原朔太郎詩集』</strong><br><br><em>――「詩はただ病める魂の所有者と孤独者との寂しい慰めである」といい、ひたすら感情の世界を彷徨しつづけた萩原朔太郎は、言葉そのもののいのちを把握した詩人として、日本の近代詩史上、無二の詩人である。代表作『月に吠える』『青猫』等より創作年次順に編まれた本詩集は、朔太郎(1886‐1942)の軌跡と特質をあますところなくつたえる。――</em><br><br><br><br>三好達治選。岩波創刊70年記念の赤いハードカバーのもので読みました。<br>学生の頃先生に教わった、<br><br>「こころをばなににたとへん　<br>こころはあぢさゐの花　<br>ももいろに咲く日はあれど　<br>うすむらさきの思い出ばかりはせんなくて。――」<br><br>の人と、ゲーム『ＢＡＲＯＱＵＥ』の<br><br>『萩原朔太郎は詩の中でこう言っていた。<br>「おわぁ、こんばんわ」<br>「おわぁ、こんばんわ」<br>「おぎゃあ、おぎゃあ、おぎゃあ」<br>「おわぁぁ、ここの家の主人は病気です」』<br><br>が一緒の人だとは知らなかった当時。<br>今は『死なない蛸』の世界に戦慄します。<br><br>読んでいて、猛烈に萩原朔太郎の書いた小説が読んでみたくなりました。絶対面白いのに。<br>言葉の選び方が好きです。物語を感じさせる一文なんですよね。<br>鬱々とした作品も多いですが、故郷を詠んだ爽やかな詩もあったり、夢想的な美しい詩もあったり。ちょっと誇り高さもうかがえます。好きですねえ。<br><br>ところで萩原朔太郎の詩だとずっと思っていたんですが載っていなかったのがありまして。「男が暗い暗いと言いながら、明るい光の漏れる家の前を通り過ぎて行った」という感じの短い詩なんですけど、なんでしょうこれ。<br><br><br><br><strong>・小林泰三『世界城』</strong><br><em><br>――ホラー(『玩具修理者』)、SF(『海を見る人』)、ミステリー(『アリス殺し』)、<br>作家生活20周年の奇才が放つ、はじめての冒険ファンタジー<br><br>わたし、城の外に行きたいの<br>一家団欒に突然飛び込んできた少女は、「城」の外に出て行くと言う。<br>「城」の外に「世界」などないのに……。<br>物々交換でささやかな日々を送る村で少女が産み落とした赤ん坊は、<br>ジュチと名づけられ、村人全員によって育てられた。<br>11歳となったジュチは、大きな使命を持って村の外へと踏み出すのだが……。<br>「世界」とは何か。巨大な「城」にはどんな秘密があるのか。<br>傷つきながらも成長していく少年の姿をドラマチックに描く、<br>著者初の本格冒険ファンタジー、ついに登場! ――</em><br><br><br><br>ファンタジーだけど小林泰三っぽい鬱屈とした世界観ですねえ。<br>登場人物たちの独特なリズムで進む会話と、描写の容赦なさ。<br>優しくない世界と人間臭い人々。<br>いいです。すごく。<br>この1ページ先には主要人物だろうとどんな目に遭うか分からないというドキドキ、というより不安感。あっさりぶっすりいかれそうで、でもあっさりとは死ねなさそうな予感。<br><br>設定もワクワクします。巨大で広大な城に住む人々。「外」などないのに「外」を目指しているという少女。何もかも乏しい世界で、商人だけが村と村を行き来している。その商人が所属する「商会」、皇帝の存在、戦乱の予感。<br><br>世界観は好きなんですけど、あらすじが盛り上げ過ぎな気もします。ストーリーの重要な部分のほとんどは長老が語るのみですし、まだこの巻だけじゃ全然城の謎に迫れていないですし。<br><br>乞う続編！　早めにお願いします！　でもいきなり文庫なので早そう。待ってます。<br><br>〇<br>〇<br>〇<br><br>そういえば今やっているゲームもホラーだな。読んでる漫画もホラー（軽くコメディ）だし。<br>これからはもっとキラキラしたものをみつめるようにします。<br>でももうサモンナイトとか直視できないけれど。<br><br><br>それではまた。<br>さようなら。<br><br><br>『わからんちんとっちめちんだッ！』
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<link>https://ameblo.jp/summerside-up/entry-12121493740.html</link>
<pubDate>Mon, 25 Jan 2016 19:34:54 +0900</pubDate>
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