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<title>僕はひとつしか嘘をつかなかった</title>
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<description>思いのままに心に浮かんだことを書き残しておきたい。誰にも言えない、言ってはいけないことだけれども。言葉にして残さなければすべてが夢だったのではないかといつか思ってしまうだろうから。</description>
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<title>一年の終わりに</title>
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<![CDATA[ 今年いったいあなたに何度会っただろうか。<br><br>僕はいったい何番目なのだろうか。<br><br>年の瀬にしては日があたたかくて、光をいっぱいに取り込んだ部屋は、なんだか今年の終わりじゃないみたいなゆるい空気が流れていた。<br><br>あなたの部屋はいつもカーテンを締め切っていた。<br><br>今日くらいは日差しを浴びて、誰にも会わずに過ごせているかな。<br><br>明日を乗り越えて、どうかまた約束の日に会えますように。<br><br>僕はひとつしか嘘をつかなかった。
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<pubDate>Tue, 31 Dec 2019 14:42:06 +0900</pubDate>
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<title>春がやってくる</title>
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<![CDATA[ 東の方では雪だという。<br>こちらでは春を祝う祭りが行われている。<br><br>春のはじめに出会ったあの人のことを思い出す。<br><br>あの時一度は目の前を通りすぎたのだけど、どうしても話してみたくてもう一度同じ場所に戻ってきてあなたに声をかけた。<br><br>今日は仕事はお休みのはずだけど何をしているだろうか。<br><br>知らないことばかりだ。<br><br>アップルティーをいれてみた。<br>甘ったるい香りと、少しだけの酸っぱさ。<br>もったいぶらずにもっと茶葉をいれるんだった。<br>二杯目は薄くてあまりおいしくなかった。<br><br>僕はひとつしか嘘をつかなかった。
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<pubDate>Sun, 10 Feb 2019 21:17:29 +0900</pubDate>
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<title>手土産</title>
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<![CDATA[ チョコレートを買いに行こうと思った。<br>自分で食べるぶんにはそれほど好きでもないけど、小さな塊が綺麗に並んでいる姿を見るのが好きだ。<br><br>一粒で３００円も４００円もするものもある。<br><br>材料はそれほど変わらないはずなのに、こんなにも差が出るのはなぜだろうか。<br><br>彼女の座る姿はそんなチョコレートみたいだった。<br><br>なぜ僕と彼女との間にはこんなにも差があるのだろうか。<br><br>僕はひとつしか嘘をつかなかった。
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<pubDate>Fri, 01 Feb 2019 22:53:37 +0900</pubDate>
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<title>八方美人</title>
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<![CDATA[ どうしても嫌われないように嫌われないようにとしてしまう。<br><br>好かれたいというよりも、嫌われたくない気持ちの方が強くて、いつも大事なことは言えずに、口当たりのいい言葉をならべてしまう。<br><br>八方美人は八方向から好かれる努力をしなければならない。<br>四面楚歌は四方向から嫌われるだけだ。<br><br>二倍の労力を割いて僕はいったい何をしてるのか。<br><br><br>ただ、好きだと言えばいいだけだったのに。<br><br><br>僕はひとつしか嘘をつかなかった。<br>
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<link>https://ameblo.jp/tamayoshi1973/entry-12436678717.html</link>
<pubDate>Wed, 30 Jan 2019 23:21:54 +0900</pubDate>
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<title>雪</title>
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<![CDATA[ 雪が降った。<br>フロントガラスが真っ白だった。<br>視界が確保できるまで暖房をつけてじっと待つ。<br>車が暖まるまで少し時間がかかる。<br><br>少しずつ雪がとけていく。<br>日が射していたらもう少し早くとけただろう。<br><br>ワイパーを動かすと、すっと視界がひらけた。<br><br>大通りの雪はとっくになくなっていた。<br>人通りが多ければ雪もすぐにとける。<br><br>彼女のことを思い出す。<br>めったに人とは会わない彼女。<br>いつも本当の名前を名乗らない彼女。<br>さみしそうな彼女の笑顔。<br><br>僕はひとつしか嘘をつかなかった。
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<link>https://ameblo.jp/tamayoshi1973/entry-12436427913.html</link>
<pubDate>Tue, 29 Jan 2019 21:45:55 +0900</pubDate>
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<title>人生にかかわる</title>
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<![CDATA[ 僕の人生と彼女の人生はふれあうことはあったとしても、絡み合うことはなかった。<br><br>いつのころからか、自分は人の人生に影響を与えられると思い込んでいた。<br>そういう仕事だったから。<br><br>でも、仕事を離れて出会った彼女の人生には、触れることはできても、それを変えることはできなかった。<br><br>少しでいいから僕と出会ったことが彼女の人生を変えてくれたらと思ってしまったことが、恥ずかしくなった。<br><br>それでもまだ諦めきれない。<br>たしかに彼女の人生に触れることは出来ているのだから。<br><br>僕はひとつしか嘘をつかなかった。<br>
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<link>https://ameblo.jp/tamayoshi1973/entry-12436189614.html</link>
<pubDate>Mon, 28 Jan 2019 21:00:55 +0900</pubDate>
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<title>回り道</title>
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<![CDATA[ 少し回り道をして彼女の家の前を通って帰ることにした。<br>彼女は仕事だから当然そこにはいないのどけれど、ただその道を通るだけでも満たされるような気がした。<br><br>でも、結局は寂しさばかりが大きくなって、どうしてこんなことしてるのかと馬鹿馬鹿しくなった。<br><br>この間、別れるときに彼女は手を振ってくれていたのに、僕は手を振らずに帰ってしまったことを思い出した。<br><br>メールも電話もSNSもあるこの時代に、なぜこんなにもあなたは遠いのか。<br><br>次に会ったらせめて産まれた町の名前を聞こうと思った。<br><br>僕はひとつしか嘘をつかなかった。
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<link>https://ameblo.jp/tamayoshi1973/entry-12435959459.html</link>
<pubDate>Sun, 27 Jan 2019 21:20:19 +0900</pubDate>
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<title>夕日</title>
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<![CDATA[ 彼女の家からの帰り道。<br>必ず多きな川の上を通る。<br>左手には海があって、夕日がそこに沈んでいく。<br><br>さっきまで幸せでいっぱいだったのに、その夕日を見るととたんに寂しくなって、もう彼女に会いたくなっている。<br><br>彼女はこの夕日を見たことがあるのだろうか。<br>同じ夕日を彼女と一緒にいつか見ることができるのだろうか。<br><br>きっと僕だけが寂しくて、彼女はもう次のことを考えている。<br><br>僕はひとつしか嘘をつかなかった。
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<link>https://ameblo.jp/tamayoshi1973/entry-12435753644.html</link>
<pubDate>Sat, 26 Jan 2019 23:19:31 +0900</pubDate>
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<title>桜の名前</title>
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<![CDATA[ 桜川という駅がある。<br>かつて通学の時に通りすぎていた。<br>大人になってからはじめて降り立ってみた。<br><br>桜川がどこにあるのかわからなかった。<br><br>高速道路と大きな道が視界を埋めていた。<br><br><br>そこからいくつか駅を通りすぎると彼女の家があった。<br>川から程近く、いつも桜が咲いていた。<br><br>静かな昼の太陽が花びらをやわらかく包む時間帯が好きだった。<br><br><br>僕はひとつしか嘘をつかなかった。
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<link>https://ameblo.jp/tamayoshi1973/entry-12435507144.html</link>
<pubDate>Fri, 25 Jan 2019 21:54:53 +0900</pubDate>
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<title>ほんとうに出会うということ</title>
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<![CDATA[ 「ほんとうに出会った者に別れはこない」<br><br>詩の一行が心を揺さぶった。<br><br>春のはじまりに彼女と出会った。<br>歯並びの可愛い人だった。<br>人見知りをする方なのか、話すときは少しぎこちなかったけれど、笑顔が素敵だった。<br><br>何度も繰り返し会ううちにお互いのことを少しずつ知ることができた。<br><br>そして、数日前。<br>彼女がなぜ僕と出会うことになったのか、その経緯をはじめて知った。<br><br>自分が今まで拘っていたこがすべて馬鹿らしくなった。<br>清々しい気持ちと共に、いとおしさが込み上げてきた。<br><br>でも、ほんとうは彼女とは出会ってはいけなかったのだ。<br>会いたくても、会ってはいけないのだ。<br><br><br>ほんとうに出会うというのはどういうことなのだろうか。<br><br><br><br>僕はひとつしか嘘をつかなかった。
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<link>https://ameblo.jp/tamayoshi1973/entry-12435275102.html</link>
<pubDate>Thu, 24 Jan 2019 21:28:09 +0900</pubDate>
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