<?xml version="1.0" encoding="utf-8" ?>
<rss version="2.0" xmlns:atom="http://www.w3.org/2005/Atom">
<channel>
<title>タロブログ</title>
<link>https://ameblo.jp/tarolian17/</link>
<atom:link href="https://rssblog.ameba.jp/tarolian17/rss20.xml" rel="self" type="application/rss+xml" />
<atom:link rel="hub" href="http://pubsubhubbub.appspot.com" />
<description>いろはにほへと</description>
<language>ja</language>
<item>
<title>雀の夢</title>
<description>
<![CDATA[ 夏のよく晴れた日のお昼ごろ。枝の上で寝息を立てているのは1羽の小さな雀。その日はとても涼しい風が吹いていて、葉の影が雀の体を撫でるようにしながら行ったり来たりしていました。<div><br></div><div>雀の寝ている木の下を、チリンチリンと一台の自転車が通り過ぎて行きましたが、雀が起きる気配はありません。<br></div><div><br></div><div>遠くからパトカーのサイレンが聞こえたり、隣の木に止まっているセミがジィジィと鳴いていたりもしましたが、やはり起きませんでした。</div><div><br></div><div>それもそのはずです。何故なら雀はとても楽しい夢を見ていましたから。</div><div>&nbsp;</div><div>その夢の中で、雀は大空を飛んでいました。</div><div><br></div><div>大空と言っても、いつも飛んでいる見慣れた町の空ではありません。</div><div><br></div><div>渡り鳥の群集に混じって大海原を渡っていたのです。</div><div><br></div><div>眼下に広がる海はどこまでも続いていて、永遠に終わりの無いように思えました。</div><div><br></div><div>雀の瞳はビー玉のように光を反射していて、海から数滴の水を垂らしたみたいな色に染まっています。<br><div><br></div><div>普段の自分なら、こんなに遠くまで飛んで来るなんて、とても出来ることではありません。</div><div><br></div><div>ですがここは夢の世界です。夢の世界では雀は人間みたいに大きくなれるし、いつもいじわるしてくるカラスだってやっつけることが出来ます。だから同様にこうして海だって渡ることが出来るのです。</div><div><br></div><div>雀はそれがとても幸せでした。</div><div><br></div><div>塩の混じった心地の良い風を翼に受けて、まだ見ぬ遠い大地に思いを馳せていると、不意に渡り鳥の群集は息を合わせたみたいに一斉に上の方へと急上昇しました。</div><div><br></div><div>雀も慌てて、置いていかれないように渡り鳥たちと共に上空へ駆け上がります。</div><div><br></div><div>上へと行けば行くほど、遠くの水平線が丸みを帯びていくのが分かります。</div><div><br></div><div>すると渡り鳥たちの目の前を、行く手を阻むようにして大きな真っ白い雲が現れました。</div><div><br></div><div>それは雀が今まで見てきたどんなものよりも大きな雲です。</div><div><br></div><div>雀は驚いて思わず速度を落としましたが、周りの渡り鳥たちは、そんなもの気にしていないかのように真っ直ぐ雲へと突き進んで行きました。</div><div><br></div><div>1羽、また1羽と渡り鳥たちは雲の中へと飛び込んで行きます。</div><div><br></div><div>それでもなお、雀だけは飛び込めずにいました。</div><div><br></div><div>何せ雲の中がどうなってるかなんて、聞いたこともなければ、想像もつきません。怖くて当然です。</div><div><br></div><div>でも、と雀は目の前の雲を見据えます。</div><div><br></div><div>ずっと遠くに見えていた雲。</div><div><br></div><div>いつだって自分よりも、さらに上を飛んでいた雲。</div><div><br></div><div>それが今、すぐ目の前にあるのです。</div><div><br></div><div>何よりせっかくの渡り鳥たちとの飛行を、こんな所で諦めてしまうのは絶対に嫌でした。</div><div><br></div><div>雀は覚悟を決めると、その小さな体の中にある小さな勇気を振り絞り、勢いを付けて雲の中心へと飛び込んで行きました。</div><div><br></div><div>ボスンと体が雲の中へと入ると、あっという間に視界が真っ白になります。</div><div><br></div><div>それでも速度は落としませんでした。ここまで来てしまえば引き返すことは出来ないし、引き返す気だってさらさらありませんでしたから。</div><div><br></div><div>雲の中はまるで冬の世界みたいに冷たい空気で満たされていました。</div><div><br></div><div>冷たくて、静かで、しんとしていて、少し気持ちいい。</div><div><br></div><div>ですが冬の世界は拍子抜けするくらいにあっという間に終わってしまいました。</div><div><br></div><div>雲を抜けると、真っ白だった視界が開け、大きな黄金色をした太陽がその姿を現しました。</div><div><br></div><div>雀は眩しさに思わず目を細めます。</div><div><br></div><div>太陽は雲を抜けてきた雀や渡り鳥の皆を祝福するみたいに、温かな光をその体から降り注いでいます。</div><div><br></div><div>その光を受けて、雀の体もまた黄金色に染まりました。まるで太陽から美しい羽衣を貰ったようでした。</div><div>&nbsp;</div><div><br></div><div><div><a href="https://stat.ameba.jp/user_images/20181107/02/tarolian17/11/4a/j/o0809108014298577021.jpg"><img src="https://stat.ameba.jp/user_images/20181107/02/tarolian17/11/4a/j/o0809108014298577021.jpg" border="0" width="400" height="533" alt=""></a></div><br></div><div><br></div><div><br></div><div>雀は嬉しくなり、小さな体を何回転もしながら愉快に空を飛び回りました。</div><div><br></div><div>今すぐ他の雀たちにも見せてやりたい所でしたが、先を行く渡り鳥たちは止まることなく、さらに上へと進み続けています。 &nbsp;</div><div><br></div><div>ここから先は本当になにも分かりません。他の雀も、鷹やハヤブサだって、これより上を目指したことなんてないでしょう。</div><div><br></div><div>雀は今まで感じたことのないくらいの高揚感に包まれていました。あの大きな雲を通り抜け、黄金の羽衣を纏った自分に怖いものなんてありません。どこまでだって行ける気がします。</div><div><br></div><div>速度を上げ、渡り鳥たちに追いつくと、なんだか自分も彼らと同じ渡り鳥になった気分でした。</div><div><br></div><div>小さな体から溢れてしまいそうなくらいの幸せな気持ちが奥の方から込み上げてきます。</div><div><br></div><div>鳥たちはそれからもずっと飛び続け、辺りが沈んだように暗くなり遠くに星の輝きが微かに見えてきた頃になると……</div><div><br></div><div><br></div><div><br></div><div><br></div><div><br></div><div><br></div><div><br></div><div><br></div><div><br></div><div><br></div><div><br></div><div><br></div><div>そこで目が覚めました。</div><div><br></div><div>どうやら木から落ちた一枚の葉が雀の頭に当たり、起こされたようです。</div><div><br></div><div>周りを見ると、そこには海や雲ではなく、青々と繁った木々がありました。</div><div><br></div><div>下には犬を連れた老人が眠たそうに、杖をついて歩いています。</div><div><br></div><div>遠くではパトカーのサイレンが響き、隣の木ではセミがいつもみたいにジィジィ鳴いていました。</div><div><br></div><div>小さな雀は小さくあくびをすると、翼を動かすストレッチをしてから今いる木の天辺まで飛んで行き、そこから空を見上げました。</div><div><br></div><div>真っ白な雲が緩やかに流れて行きます。</div><div><br></div><div>夢でみた雲が本当なら、あの中はきっと冬の世界のはずです。</div><div><br></div><div>いつか必ず確かめに行こう。</div><div><br></div><div>そう心に決めると、小さな雀はとても楽しそうにしながら、どこかへと羽ばたいて行きました。</div><div><br></div><div><br></div><div><br></div><div><br></div><div><br></div><div><br></div><div><br></div></div>
]]>
</description>
<link>https://ameblo.jp/tarolian17/entry-12411063448.html</link>
<pubDate>Wed, 07 Nov 2018 23:00:26 +0900</pubDate>
</item>
<item>
<title>おやすみ太陽</title>
<description>
<![CDATA[ <p>それは良く晴れた日のこと。<br></p><p>&nbsp;</p><p>メープルみたいな黄色をした癖っ毛と、赤いカーディガンが特徴の少年ランドカナンと、<span style="-webkit-text-size-adjust: auto; background-color: rgba(255, 255, 255, 0);">大きな冠から黒い耳がはみ出しているゼンマイおもちゃのパウル。2人は緑が一面に広がる丘の上に、並んで寝転がって、空から降りてくる暖かな日差しを気持ち良さそうに浴びていました。</span></p><p><span style="-webkit-text-size-adjust: auto; background-color: rgba(255, 255, 255, 0);"><br></span></p><p></p><div><a href="https://stat.ameba.jp/user_images/20180430/17/tarolian17/f6/e5/j/o1019108014180893485.jpg"><img src="https://stat.ameba.jp/user_images/20180430/17/tarolian17/f6/e5/j/o1019108014180893485.jpg" border="0" width="400" height="423" alt="{72CCF05B-A32A-4B17-BF39-F5E714C2AF41}"></a></div><br><span style="-webkit-text-size-adjust: auto; background-color: rgba(255, 255, 255, 0);"><br></span><p></p><p>&nbsp;</p><p><span style="-webkit-text-size-adjust: auto;">春の匂いのする風が、二人のいる丘を滑るように駆け抜けて、その先にある海の方へと去って行きます。</span></p><p>&nbsp;</p><p>「ねぇパウル、太陽というのは実に真面目だよね。毎日、決まった時間に山の向こうからやって来て、決まった時間に海の方へ去っていく。その間に、植物たちには元気を与えてやって、ボクたちの洗濯物は乾かしてくれる。他にも色々と沢山のものを与えてくれてる。でも毎日それを繰り返して大変じゃないのかな。やめたくならないのかなあ」</p><p>&nbsp;</p><p>カナンは両手を頭の下に、空を見上げたままそう言いました。</p><p><br></p><p>パウルもそれと同じ格好で空を見上げています。</p><p><br></p><p>「そうだな…。例えば俺たちの家の花壇には、オレンジやピンクやブルーと色々な花が咲いているだろ。俺はさ、あの花たちが好きなんだ。見ているだけで嬉しくなるし、良い香りもして得した気分になる。お前はどうだ？」</p><p><br></p><p>パウルは可愛らしい外見からは想像もつかないような低いハスキーな声でそう言いました。</p><p><br></p><p>カナンはお家にある赤レンガの大きな花壇を頭に思い浮かべました。パウルの言ったように、色々なカラフルな花たちが頭の中にポンポンと浮かんできます。ネモフィラ、ポピーに沈丁花。姿を思い浮かべると、決まって香りもまた鮮明に感じ取ることが出来ました。</p><p><br></p><p>「勿論、ボクも好きに決まっているよ。君は眠っていたから気が付かなかっただろうけど、今日の朝だってね、起きてすぐに窓を開けたら、外から花の甘い香りが飛び込んできたんだ。きっと、おはようと言ってくれたんだろうね。それでボクは花たちがとても恋しくなって、自分の朝ごはんよりも先に外へ出て水やりをしてやったんだ」</p><p><br></p><p>朝、寝癖をつけたままのカナンが外へ飛び出すと、花たちはそれを待っていたかのように体を軽やかに揺らしていました。銀色のジョウロから流れ落ちた水は雨のように花壇に降り注ぎ、花たちは楽しげに葉や花弁に付いた水滴をピチョンピチョンと弾いていました。</p><p><br></p><p>カナンはそのときのことを思い出し、幸せな気持ちに浸ります。</p><p><br></p><p>「俺のゼンマイを巻くよりも先にな」と、パウルは冗談めかして付け加えました。それから立ち上がって、背筋を伸ばすと、体からブリキ特有のカキンカキンと鉄の擦れ合う音がしました。</p><p><br></p><p><br></p><p>「カナン、それだぜ。世の中にある全ての素晴らしいことってのは共通してwin-winなんだ。お前は水やりをしているとき、大変だとか、やめたいだとか、思ったか？ それよりもずっと楽しい気持ちがあったはずだぜ。なぜなら水を浴びて花たちが喜んでいるのを見ると、自分もまたとても幸せな気持ちになるからな。それはカナンだけではなく、あの太陽も同じさ。太陽の恩恵を受けて喜ぶ植物や虫や俺たちを見て、太陽もまた楽しんでくれているんだ」</p><p><br></p><p>そのとき、パウルの頭の王冠が太陽の光を反射し、キラリと輝きました。それはまるで太陽がパウルの言葉に、うむ、と頷いたようでした。</p><p><br></p><p>「でも、水やりの時間は10分もあれば十分だけど、太陽は一日の半分も働いているんだよ。僕が一日の半分ずっと水やりをしてろって言われたら、さすがに断るだろうね」</p><p><br></p><p>「太陽と俺たちを同じ時間のスケールで考えてはいけない」</p><p><br></p><p>パウルは「失礼」と地面に茂っている細長い雑草を一本引き抜いてから、それを横にしてカナンに見せました。</p><p><br></p><p>「この雑草の長さが、俺たちの一生だ。対して太陽の一生は…」そこでいったん言葉を止めると、丘の先に見える海を指差しました「ずっと遠くにあるあの水平線だ」</p><p><br></p><p>カナンがパウルの指差す方を見ると、その目にどこまでも広い海原が映りました。海はその上を飛ぶ鳥や潮風とハミングしているかのように、穏やかに波をうっています。こんな暖かい日には、海もまた機嫌が良くなるようでした。カナンは水平線をなぞるように視線をスライドさせていきましたが、水平線は終わりが来るよりも先に、遠くに見える別の島の裏側へと入り込み見えなくなってしまいました。一体、パウルの持つ小さな雑草が何枚あれば、あの水平線と同じ長さになるのでしょうか。10万枚？ &nbsp;100万枚？ &nbsp;いや1000万枚あっても足りないでしょう。それはまさしく太陽とカナンたちとの一生の差でした。</p><p><br></p><p>「太陽っていうのは凄く長生きなんだね。それとも僕たちが短すぎるのかな」</p><p><br></p><p>カナンも雑草を一本引き抜くと、ふっと息を吹いて飛ばしました。飛ばされた雑草は、意思を持ったブランコみたいに、たゆたいながら海の方へとその身を運んで行きます。2人はそれが見えなくなるまで見つめていました。</p><p><br></p><p>「両方だろうよ。つまりだ、太陽にとっての一日の半分なんて、俺たちの10分よりも、ずっと、あっという間なのさ。そりゃ大変だなんて思わないだろう。そもそも俺たちが半日ずっと水をやってたら、いくら花でも良い迷惑だろうな」</p><p><br></p><p>パウルの言葉にカナンはくすりと笑いました。</p><p><br></p><p>それから2人は持ってきたスケッチブックに海の絵を描き始めました。カナンはあまり絵が上手ではありませんでしたが、描くことは大好きです。パウルはお得意の手の器用さをみせ、驚くくらい上手な絵を描いてみせました。2人でそれを見せ合い、感想を言い合ったりしているうちに、高い所にあった太陽は水平線にその身を沈め始めていました。</p><p><br></p><p>海が深い橙色に染まっていきます。</p><p><br></p><p>「ああ、今日も楽しかった」</p><p><br></p><p>カナンは立ち上がるとズボンに付いた土や草をポンポンと手ではたきました。</p><p><br></p><p></p><div><a href="https://stat.ameba.jp/user_images/20180501/01/tarolian17/69/56/j/o0995108014181294552.jpg"><img src="https://stat.ameba.jp/user_images/20180501/01/tarolian17/69/56/j/o0995108014181294552.jpg" border="0" width="400" height="434" alt="{D4308FA8-C2EE-4D8A-B4E8-9797848876D0}"></a></div><br>「ねぇパウル、太陽はこれからどこへ行こうとしているのだろう。もしかしてこのまま海の底へと沈んでしまうのかな」<p></p><div><br></div><div>「いや、地球の裏側へ行くのさ。ここではないどこか。ずっと遠くにな。そこでまた誰かを幸せな気持ちにしてあげるんだ。俺たちがしてもらったみたいにね」</div><div><br></div><div>「それじゃあ、太陽は半日どころじゃなくて、ずっとずっと働き続けているのかい？」</div><div><br></div><div>休むことなく永遠に働き続ける。考えただけで頭がクラクラとしてしまうことでした。</div><div><br></div><div>「働いてはいないよ。さっきも言っただろう？ &nbsp;楽しんでいるのさ。いつまでも楽しみ続けられるって幸せなことじゃないか」</div><div><br></div><div>「そっか。楽しんでいるのならいいのかな。でも、たまには太陽にも休んで欲しいな。だって眠ることもまた、とても幸せなことだから」</div><div><br></div><div>ついに太陽はその身を完全に隠してしまいました。空はすっかり真っ暗になり、温かかった風は鍾乳洞から出てきたみたいにひんやりと冷たくなっていました。</div><div><br></div><div>「さてパウル、もう暗いしお家へ帰ろうか」</div><div><br></div><div>「おう、帰るぜ。帰ったら体のメンテナンスを頼むな。ここは大好きだが、いかんせん俺は潮風に弱いからな」</div><div><br></div><div>夜の丘に二人の笑い声が響き渡ります。</div><div><br></div><div>「案外、太陽ってやつは地球の裏では、はっちゃけてるのかもしれないぜ」</div><div><br></div><div>「どんなふうに？」</div><div><br></div><div>「例えば暖かい日差しの代わりにギターを弾いて歌をプレゼントしているかもしれない」</div><div><br></div><div>「まさか！ &nbsp;じゃあ今度確かめてみようよ、実際に地球の裏側へ行ってみるんだ。太陽も驚くだろうね。あれ、君たちさっきもいなかったっけって」</div><div><br></div><div>「それはいいな」「でしょう！それかさ……</div><div><br></div><div>…………</div><div><br></div><div>……</div><div><br></div><div>…</div><div><br></div><div><div><a href="https://stat.ameba.jp/user_images/20180501/11/tarolian17/88/71/j/o1080103514181508542.jpg"><img src="https://stat.ameba.jp/user_images/20180501/11/tarolian17/88/71/j/o1080103514181508542.jpg" border="0" width="400" height="383" alt="{71141688-D5EA-48DC-BC8E-97B68384CEBB}"></a></div><br><br></div><div><br></div><div><br></div><div><br></div>
]]>
</description>
<link>https://ameblo.jp/tarolian17/entry-12367190777.html</link>
<pubDate>Sun, 06 May 2018 18:55:08 +0900</pubDate>
</item>
<item>
<title>小さな喜び</title>
<description>
<![CDATA[ <div>植物なんてろくに育てたことないけれど</div><div><br></div><div>皆の真ん中で堂々と胸を張っている小さな葉に一目惚れして連れ帰った</div><div><br></div><div><a href="https://stat.ameba.jp/user_images/20180428/19/tarolian17/a4/3b/j/o0810108014179540483.jpg"><img src="https://stat.ameba.jp/user_images/20180428/19/tarolian17/a4/3b/j/o0810108014179540483.jpg" border="0" width="400" height="533" alt="{851CC236-092A-4C79-A6FA-D733EE76443F}"></a></div><div><br></div><div><br></div>一週間が経ち<div><br></div><div><br></div><div><div><a href="https://stat.ameba.jp/user_images/20180428/19/tarolian17/84/0d/j/o0910108014179540487.jpg"><img src="https://stat.ameba.jp/user_images/20180428/19/tarolian17/84/0d/j/o0910108014179540487.jpg" border="0" width="400" height="474" alt="{E6A9573D-A441-4E66-A507-7E9D6EA29458}"></a></div><br><br></div><div>君も成長するんやねぇ</div><div><br></div><div>こうやって成長をこの目で見るのは楽しい</div><div><br></div><div>ただ近々植え替えてあげた方がいいのかな</div><div><br></div><div>ちなみに花言葉は「実直」だそう</div><div><br></div><div><span style="-webkit-text-size-adjust: auto; background-color: rgba(255, 255, 255, 0);">実直とは、誠実でかげひなたのないこと。</span><br></div><div><br></div><div><br></div><div><br></div><div><br></div>
]]>
</description>
<link>https://ameblo.jp/tarolian17/entry-12371933792.html</link>
<pubDate>Sat, 28 Apr 2018 19:36:51 +0900</pubDate>
</item>
<item>
<title>夜想</title>
<description>
<![CDATA[ <p>空が深い藍色に染まり、鳥や虫たちが寝静まった頃になると、僕はひとり、夜空に小舟を浮かべる。</p><p>&nbsp;</p><p>それは公園の池に浮かんでいるような、小さな舟だけれど、その小ささが僕には妙に落ち着く。</p><div>&nbsp;</div><div>握った櫂を静かに動かすと、小舟は音を立てないまま、時間の流れからはみ出した流れ星みたいに、ゆっくりとまん丸い月の下を進んで行く。<br><br>眼下には皆の生きる世界がめいっぱいに広がっていて、もう夜更けだというのに、いまだに沢山の小さな光の粒が辺り一面に散らばっていた。</div><div><br>それを見るたび、今の地球は、宇宙の星々を写す大きな鏡のようだと思う。<br><br>星のように明滅し続ける建物の光に、流星群のように忙しく行きかう車列の光。<br><br>日進月歩で進化し続ける僕等人類の目指す先には宇宙があって<br><br>それは目の眩むほど古代より続けられてきた生命の回帰なのかもしれない。<br><br>宇宙の星と地球の光と、今はまだ遠く交わることのない二つの大きな輝きが、僕の持つ二つの小さな水晶体の中で確かに混ざり合った。<br><br>僕はそれを大切にしまい込むように、ゆったり瞼を閉じる。<br><br><br>&nbsp;</div><div>ずっとずっと遠くの方で、朧げに浮かんでいる小舟の影を見つけた。<br><br>その小舟は僕と同じように、ゆっくりとどこかへ向かっている。<br><br>僕は手に握っていた櫂をいったん離してから、そちらの方へ大きく手を振った。<br><br>あまりにも遠かったので、どんな人が乗っているのか、少しも分からなかったけれど<br><br>かろうじて、向こうも手を振り返してくれたことだけは分かった。<br><br>しばらくして、その小舟も見えなくなると<br><br>僕はじんわりと熱くなった胸に手を当て、名前も知らない誰かの旅路を静かに祈った。<br><br>僕もあの人も、きっと大丈夫。<br><br><br>櫂を動かすたびに、ひんやりとした空気の、繊細で微小な震えを肌で感じる。<br><br>毎晩小舟を浮かべてお前は一体どこへ向かっているのかと問われたら、きっと僕は、はっきりと答えることは出来ない。<br><br>それでも、このどこまでも深く見える夜の向こうに、微かにだけれど見えているものはある。<br><br>それは最近になってようやく見えるようになってきたのかもしれないし<br><br>あるいは生まれたときから見えていたものかもしれない。<br><br>何にしたって僕がこの小舟を漕ぎ続けることに変わりはない。<br><br><br><br>僕が生まれる前から、そして僕がこの世からいなくなった後も、遠くに浮かぶあの月は、自らの明かりで世界の輪郭をぼんやりと映し続ける。<br><br><span style="background-color: rgba(255, 255, 255, 0);">その明かりは</span><span style="-webkit-text-size-adjust: auto; background-color: rgba(255, 255, 255, 0);">雪のようになって皆のもとへと降り注ぎ、</span>全ての孤独な旅人が、密かに心に隠し持っているひび割れみたいな寂しさに、いつまでもどこまでも、優しく、寄り添ってくれる。</div><div><br></div><div><div><br>&nbsp;</div><div><a href="https://stat.ameba.jp/user_images/20180311/23/tarolian17/07/65/j/o1107079014147728544.jpg"><img alt="" height="300" src="https://stat.ameba.jp/user_images/20180311/23/tarolian17/07/65/j/o1107079014147728544.jpg" width="420"></a></div></div>
]]>
</description>
<link>https://ameblo.jp/tarolian17/entry-12355812775.html</link>
<pubDate>Mon, 12 Mar 2018 22:00:53 +0900</pubDate>
</item>
<item>
<title>暖かい日</title>
<description>
<![CDATA[ <p>描きたいものを描くなら　</p><p>赤レンガで出来た壁の前に、1匹のヒヨコを置いてみよう。</p><p>&nbsp;</p><p>&nbsp;</p><p>描きたいものを描くなら</p><p>夕焼けを映す水平線に、18世紀の帆船を浮かべよう。</p><p>&nbsp;</p><p>&nbsp;</p><p>描きたいものを描くなら</p><p>熟れた林檎を傾けて、そこに一滴の雫を滴らせよう。</p><p>&nbsp;</p><p>&nbsp;</p><p><span style="-webkit-text-size-adjust: auto; background-color: rgba(255, 255, 255, 0);">描きたいものを描くなら</span></p><p><span style="-webkit-text-size-adjust: auto; background-color: rgba(255, 255, 255, 0);">薄暗い舞台の踊り子に、大層、煌びやかなドレスを着せてあげよう。</span></p><p>&nbsp;</p><p>&nbsp;</p><p>描きたいものを描くなら</p><p>大好きだったブリキのおもちゃを、もう一度ピカピカにしてあげよう。</p><p>&nbsp;</p><p>&nbsp;</p><p>描きたいものを描くなら</p><p>暖かい日の昼下がり、まん丸い猫を膝にのせて微睡んでいた、あの日の君を描いてみたい。</p><p>&nbsp;</p><p><br>描きたいものを描くなら</p><p>その横に、そっと僕を描いてもいいかな。</p><p>&nbsp;</p><p>&nbsp;</p><p>&nbsp;</p><p><a href="https://stat.ameba.jp/user_images/20180223/01/tarolian17/0e/06/j/o0853070714136874288.jpg"><img alt="" height="348" src="https://stat.ameba.jp/user_images/20180223/01/tarolian17/0e/06/j/o0853070714136874288.jpg" width="420"></a></p><p>&nbsp;</p><p>&nbsp;</p><p>&nbsp;</p><p>&nbsp;</p><p>&nbsp;</p><p>&nbsp;</p><p>&nbsp;</p><p>&nbsp;</p><p>&nbsp;</p><p>&nbsp;</p><p>&nbsp;</p><p>&nbsp;</p>
]]>
</description>
<link>https://ameblo.jp/tarolian17/entry-12286124624.html</link>
<pubDate>Fri, 23 Feb 2018 20:52:18 +0900</pubDate>
</item>
<item>
<title>雨の日には</title>
<description>
<![CDATA[ <p>天気予報が外れたらしい</p><p>&nbsp;</p><p>雨が降っていたから　僕はバケツを外に並べた</p><p>&nbsp;</p><p>大きいのとか　小さいのとか　色々と</p><p>&nbsp;</p><p>台所からお鍋やフライパンを持ち出して　それも一緒に並べたけど　まだ足りない</p><p>&nbsp;</p><p>次に　傘を開いて地面に置いた　</p><p>&nbsp;</p><p>僕のダサめな黄色い傘と　それから母のお気に入りの白い傘</p><p>&nbsp;</p><p>途中　物置に空の花瓶が沢山あったことを思い出したので　それも全部外へ出した</p><p>&nbsp;</p><p>均等になるよう １つ１つ綺麗に並べて行く</p><p>&nbsp;</p><p>そうだ &nbsp;ワンコロの水飲み皿も頂戴ね</p><p><br></p><p>怒るなよ　後でジャーキーあげるから</p><p>&nbsp;</p><p>最後の仕上げに　父がしょっちゅう自慢してくる高級箸の片割れを一本　手に取って　準備完了</p><p>&nbsp;</p><p>&nbsp;</p><p>&nbsp;</p><p>僕は着ていた雨具を脱ぎ捨てると リビングの窓を全開にして　外で勢ぞろいしている演奏者たちと向かい合った</p><p>&nbsp;</p><p>コホンと咳払いをした後で　ネクタイをキュッと締めるような動作をしてみる</p><p>&nbsp;</p><p>それから既に演奏を始めている彼らに向けて　あらためて威厳を示すみたいに　黒いタクトを大きく振った</p><p>&nbsp;</p><p>&nbsp;</p><p>&nbsp;</p><p>ポツポツ　ポツン　ポツン　ボォアンボォアン</p><p>&nbsp;</p><p>&nbsp;</p><p>&nbsp;</p><p>軽い音に　弾むような音　底から響いてくるような音</p><p>&nbsp;</p><p>演奏者たちは各々が好き勝手に音を出しているけれど</p><p>&nbsp;</p><p>それでいて　その音の集合体の中には　どこか調和のとれているような心地よさがあった</p><p>&nbsp;</p><p>僕のタクトの振り方が　上手いからかな　</p><p>&nbsp;</p><p>雨の日って とても楽しい</p><p>&nbsp;</p><p>&nbsp;</p><p>&nbsp;</p><p>ポツポツ &nbsp;ボッボッ &nbsp;ポォンポォン</p><p>&nbsp;</p><p>&nbsp;</p><p>&nbsp;</p><p>きっと僕はこの後　お父さんとお母さんに怒られてしまうだろうけど</p><p>&nbsp;</p><p>今が楽しけりゃそれでもいいんだ　</p><p>&nbsp;</p><p>&nbsp;</p><p><a href="https://stat.ameba.jp/user_images/20180219/12/tarolian17/6c/1c/j/o2219147914134567991.jpg"><img alt="" height="280" src="https://stat.ameba.jp/user_images/20180219/12/tarolian17/6c/1c/j/o2219147914134567991.jpg" width="420"></a></p><p>&nbsp;</p>
]]>
</description>
<link>https://ameblo.jp/tarolian17/entry-12354004044.html</link>
<pubDate>Mon, 19 Feb 2018 12:00:36 +0900</pubDate>
</item>
<item>
<title>堂々と</title>
<description>
<![CDATA[ <div>もしも自信を無くしてしまいそうなときは</div><div>&nbsp;</div><div>&nbsp;</div><div>その身体を、樹木のようにすると良い。</div><div>&nbsp;</div><div>&nbsp;</div><div>空を裂くほどの嵐がやって来て</div><div>&nbsp;</div><div>&nbsp;</div><div>目を赤く焼き付けるような稲光を落とし</div><div>&nbsp;</div><div>&nbsp;</div><div>打ち付ける灰色の雨風に当てられ</div><div>&nbsp;</div><div>&nbsp;</div><div>それまで蓄えてきた数えきれぬほどの葉や実が、瞬く間に飛ばされようとも&nbsp;</div><div>&nbsp;</div><div>&nbsp;</div><div>そびえたつ幹は数センチとして、その場を離れることはなく</div><div>&nbsp;</div><div>&nbsp;</div><div>嵐が去った後で、まるで何事も無かったかのように<br><br><br>太陽の光を浴びて悠然と大地に直立しているような</div><div>&nbsp;</div><div>&nbsp;</div><div>そんな樹木のような図太さを持つと良い。&nbsp;</div><div>&nbsp;</div><div>&nbsp;</div><div>&nbsp;</div><div>大地に散った葉や実は、時の流れに運ばれて、土へと還り、やがて養分となる。</div><div>&nbsp;</div><div>&nbsp;</div><div>その養分が再び己の一部となり、また新たな葉や実を身体に芽吹かせるのだから<br><br><br>考えるまでもなく、恐れることなど、何もないと分かる。<br>&nbsp;</div><div>&nbsp;</div><div><span style="-webkit-text-size-adjust: auto; background-color: rgba(255, 255, 255, 0);">体は細く、軽くとも</span></div><div>&nbsp;</div><div>&nbsp;</div><div><span style="-webkit-text-size-adjust: auto; background-color: rgba(255, 255, 255, 0);">精神性においては、太く、ずっしりと重く</span></div><div>&nbsp;</div><div>&nbsp;</div><div><span style="-webkit-text-size-adjust: auto;">堂々と、あれ。</span></div><div><span style="-webkit-text-size-adjust: auto; background-color: rgba(255, 255, 255, 0);">&nbsp;</span></div><p>&nbsp;</p><div><a href="https://stat.ameba.jp/user_images/20180215/02/tarolian17/a0/56/j/o2404238514131882170.jpg"><img alt="" height="417" src="https://stat.ameba.jp/user_images/20180215/02/tarolian17/a0/56/j/o2404238514131882170.jpg" width="420"></a></div><p>&nbsp;</p><div>&nbsp;</div><div>&nbsp;</div><div>&nbsp;</div><div>&nbsp;</div><div>&nbsp;</div><div>&nbsp;</div>
]]>
</description>
<link>https://ameblo.jp/tarolian17/entry-12352375548.html</link>
<pubDate>Fri, 16 Feb 2018 20:50:23 +0900</pubDate>
</item>
<item>
<title>地球よりちょっぴり上を</title>
<description>
<![CDATA[ <p>&nbsp;</p><p>雲の間をあなたはゆるやかに飛ぶのでしょう</p><p>風に揺られるシャボン玉のように</p><p>優しい軌道を描いて誰にも妨げられることなく</p><p>後ろに数羽の小鳥も引き連れて</p><p>幾千もの山と谷を気まぐれに作ります</p><p>そのなだらかさには太陽も微笑むことと思います</p><p>&nbsp;</p><p>しんとした空気の中で目を閉じていると</p><p>自分が大きな空に抱擁されていると感じ</p><p>そのときあなた自身もまた、空をその小さな胸に抱いていているはずです</p><p>温かいものが胸の中で脈打つのが分かりますか</p><p>きっとそれはあなたにしかないもので、皆が必要としているものです</p><p>分け与えてあげたなら、空はよりあなたを好きなるでしょう</p><p>&nbsp;</p><p>持ち主から手放された風船は</p><p>地球よりちょっぴり上にある無限の海で</p><p>目的を持たずいつまでもたゆたいます</p><p>&nbsp;</p><p>幸せ</p><p>&nbsp;</p><p>空とあなたに境目なんてありません</p><p>地球よりずっとずっと上から見てみれば</p><p>それらは等しく同じようなものでしょうから</p><p>&nbsp;</p><p>&nbsp;</p><p>&nbsp;</p><p><a href="https://stat.ameba.jp/user_images/20171227/22/tarolian17/87/78/j/o1977143914099762530.jpg"><img alt="" height="306" src="https://stat.ameba.jp/user_images/20171227/22/tarolian17/87/78/j/o1977143914099762530.jpg" width="420"></a></p><p>&nbsp;</p><p>&nbsp;</p><p>&nbsp;</p><p>&nbsp;</p><p>&nbsp;</p><p>&nbsp;</p><p><a href="https://stat.ameba.jp/user_images/20171227/22/tarolian17/e0/18/j/o2339173314099762531.jpg"><img alt="" contenteditable="inherit" height="311" src="https://stat.ameba.jp/user_images/20171227/22/tarolian17/e0/18/j/o2339173314099762531.jpg" width="420"></a></p><p>&nbsp;</p><p>&nbsp;</p><p>&nbsp;</p><p>&nbsp;</p><p>&nbsp;</p>
]]>
</description>
<link>https://ameblo.jp/tarolian17/entry-12339577665.html</link>
<pubDate>Fri, 29 Dec 2017 22:45:07 +0900</pubDate>
</item>
<item>
<title>クリスマスの願い事</title>
<description>
<![CDATA[ <p><br></p><br><p>夜更かしをしていると　どこかからシャンシャンとベルを鳴らす音が聞こえた</p><br><p>&nbsp;</p><br><p>ベットから身体を起こし　窓から外を覗いてみると　</p><br><p>&nbsp;</p><br><p>夜の空を　サンタがそりに乗って走っていた　</p><br><p>&nbsp;</p><br><p>僕が窓から身を乗り出すと　サンタは危ないよと　手のひらをこちらに向けた</p><br><p>&nbsp;</p><br><p>それから　僕がまた家の中へ引っ込んだのを見ると　笑顔で手を振った</p><br><p>&nbsp;</p><br><p>そりの通った後には　キラキラとした星屑の線が出来ていて　とても綺麗だったことを覚えてる</p><br><p>&nbsp;</p><br><p>&nbsp;</p><br><p>&nbsp;</p><br><p>子供のころの世界はどこまでも混じりけがなくて　澄んだ川のように透明だった</p><br><p>&nbsp;</p><br><p>余計なフィルターを一枚も通さずに見ていた世界　それこそが本当の世界の姿だったのだと思う。</p><br><p>&nbsp;</p><br><p>&nbsp;</p><br><p>&nbsp;</p><br><p>そして今　大人になってからのクリスマスの日　僕はこうして山の中にいる</p><br><p>&nbsp;</p><br><p>皆にとっての素晴らしい一日から　はじき出されるようにして　ここへやって来た　</p><br><p>&nbsp;</p><br><p>山へ登っているときは　あまりの寒さに　ここへ来たことを何度も後悔しそうになった</p><br><p>&nbsp;</p><br><p>そして　目的地へたどり着いた今でさえも　やはりここへ来るべきではなかったのではと思っている　</p><br><p>&nbsp;</p><br><p>この場所からは僕の生きる街が眼下に一望できる</p><br><p>&nbsp;</p><br><p>大小さまざまな形をした建物が　結露した冬の窓の水滴のようにびっしりと密集している</p><br><p>&nbsp;</p><br><p>どの家も　どのアパートも　その中には暖かな明かりが灯っていた</p><br><p>&nbsp;</p><br><p>きっと　あれは愛の灯火なのだろう　</p><br><p>&nbsp;</p><br><p>子供たちへの愛　兄弟でケーキのイチゴの取り合いしているのかもしれない</p><br><p>&nbsp;</p><br><p>恋人同士の愛　先の分からない未来を誤魔化すみたいに　お互いを抱き合っているのかもしれない</p><br><p>&nbsp;</p><br><p>他にも　僕には想像も及ばないような　愛が　あそこには沢山あるのだろう</p><br><p>&nbsp;</p><br><p>その愛たちは　今の僕にはあまりにも眩しかった</p><br><p>&nbsp;</p><br><p>あの街は　こんなに近くに見えるのに　とても遠い場所だ　</p><br><p>&nbsp;</p><br><p>&nbsp;</p><br><p>&nbsp;</p><br><p>&nbsp;</p><br><p>僕は土が比較的固くなってる場所を選び　地べたに座り込んだ　　</p><br><p>&nbsp;</p><br><p>バッグの中から　ここへ来る道中で買ったコンビニのおにぎりを取り出す</p><br><p>(言うまでもなくコンビニの店内ではクリスマスソングがかけられていた)</p><br><p>&nbsp;</p><br><p>おにぎりは外で長時間晒されていたかのように冷たくなっていた</p><br><p>&nbsp;</p><br><p>僕はそれを味を理解する工程を無視しながら作業的に胃の中へと流し込んでいく　</p><br><p>&nbsp;</p><br><p>そして全てを食べ終えた後　ぬるくなったペットボトルのお茶を二口ほど飲み</p><br><p>&nbsp;</p><br><p>正体の分からない何かへの当てつけで　キャップを必要以上の力を閉めた</p><br><p>&nbsp;</p><br><p>ここなら　僕は僕でいられる　僕たちは互いに世界を干渉されずに済む</p><br><p>&nbsp;</p><br><p>そう思って来たのが間違いだった　</p><br><p>&nbsp;</p><br><p>むしろ　クリスマスそのものを　その温かさを　まざまざと見せつけられてしまった</p><br><p>&nbsp;</p><br><p>愛からの逃避行の先にはあったのは　本物の愛だったんだ　</p><br><p>&nbsp;</p><br><p>僕は両ひざを抱え込み　その間へと顔をうずめた</p><br><p>&nbsp;</p><br><p>涙なんか出ない　そんな上等なものを生み出せる人間だったのなら　ここで一人でこうしているはずがない</p><br><p>&nbsp;</p><br><p>きっと僕は涙の設計図を　どこかに置いてきてしまったのだろう　それだけではない</p><br><p>&nbsp;</p><br><p>人の愛し方が書かれた教本も　前へ進むためのフラッグも　大切なものは全てどこかへ置いてきてしまったんだ</p><br><p>&nbsp;</p><br><p>今　僕がサンタに欲しいものをお願いするとしたら　今まで落としてきてしまったものを　もう一度この手に欲しいとお願いするだろう</p><br><p>&nbsp;</p><br><p>そういえば　そりに乗ったサンタを見たあの日の僕は　一体何が欲しいと　お願いしたんだっけな</p><br><p>&nbsp;</p><br><p>思い出そうと　しばらくの間　記憶の奥底を探ってみたけれど　どうしても思い出せない</p><br><p>&nbsp;</p><br><p>考えているうちに　頭が疲れてきてしまったので　僕は渋々顔を上げた　再び街が目に入る</p><br><p>&nbsp;</p><br><p>部屋に灯る明かりの数は　さっきよりも少なくなっていた　こうして眺めている今も　一つ　また一つと徐々に明かりが消されていく</p><br><p>&nbsp;</p><br><p>僕はその光景をみて　ひどく感傷的な気分になった　胸がチクチクと痛み　こめかみの辺りがジンとする　</p><br><p><br><br>声にならない叫びが　心の中で反響しては雪解けのように消えていった</p><br><p>&nbsp;</p><br><p>&nbsp;</p><br><p>&nbsp;</p><br><p>みんな今日は　ぐっすり眠れるね　おやすみなさい</p><br><p>&nbsp;</p><br><p>僕も眠ってしまおう　</p><br><p>&nbsp;</p><br><p>こんな寒い中　眠れるはずがないけれど</p><br><p>&nbsp;</p><br><p>それでも眠ってしまいたかった　</p><br><p>&nbsp;</p><br><p>そうすれば　また目が覚めたときには　今日とは別の日があって　僕は昨日までの世界へと帰れるはずだから</p><br><p>&nbsp;</p><br><p>だから　目を閉じる　</p><br><p>&nbsp;</p><br><p>冷たい風が小さな言葉をささやいた</p><br><p>&nbsp;</p><br><p>思い出した　</p><br><p>&nbsp;</p><br><p>あのときの僕は　欲しいものが特に無い代わりに　サンタさんに会わせてとお願いしたのだった</p><br><p>&nbsp;</p><br><p>幼き頃の記憶が湧き水のように溢れかえってくる</p><br><p>&nbsp;</p><br><p>小枝や落ち葉が地面を転がる騒めきに混じって</p><br><p>&nbsp;</p><br><p>どこでシャンシャンと音がした</p><br><p>&nbsp;</p><br><p>温かいものがゆっくりと頬を伝っていった</p><br><p>&nbsp;</p><br><p>&nbsp;</p><br><p>&nbsp;</p><br><p><a href="https://stat.ameba.jp/user_images/20171225/21/tarolian17/96/45/j/o0640042714098299829.jpg"><img alt="" height="280" src="https://stat.ameba.jp/user_images/20171225/21/tarolian17/96/45/j/o0640042714098299829.jpg" width="420"></a></p><br><p>&nbsp;</p><br><p>　</p><br><p>&nbsp;</p><br><p>&nbsp;</p><br><p><a href="https://stat.ameba.jp/user_images/20171225/01/tarolian17/24/13/j/o2086163514097720669.jpg"><img alt="" height="329" src="https://stat.ameba.jp/user_images/20171225/01/tarolian17/24/13/j/o2086163514097720669.jpg" width="420"></a></p>
]]>
</description>
<link>https://ameblo.jp/tarolian17/entry-12338926006.html</link>
<pubDate>Mon, 25 Dec 2017 21:00:52 +0900</pubDate>
</item>
<item>
<title>ブリキのワルツ</title>
<description>
<![CDATA[ <p>華やかなダンスホール。煌びやかに踊る人たち。</p><div>&nbsp;</div><div>&nbsp;</div><div>&nbsp;</div><div>私には関係のないものだと、ずっと思っていたけれど</div><div>&nbsp;</div><div>「お嬢さん、よければ僕と踊ってくれませんか」</div><div>&nbsp;</div><div>なんてタキシードの彼が言うものだから、私は何と答えればいいか分からなくて黙ってしまったの。</div><div>だってそうでしょう。私は踊りが下手っぴだもの。湖上を舞う白鳥のように踊れるなら良いけれど、私が踊れば、それはもう錆びたブリキのロボットのようになるに違いないのだから。</div><div>&nbsp;</div><div>それでも彼は私の手を引いたわ。</div><div>&nbsp;</div><div>「さぁ、どうぞ」</div><div>&nbsp;</div><div>そのまま彼に手を引かれて私はダンスホールの真ん中へと連れてこられてしまった。</div><div>あぁなんてこと、恥ずかしさで顔が真っ赤になっているのが自分でも分かるわ！　</div><div>周りでくるくると踊る彼女らは、とても綺麗な赤や青や黄色のドレスを身に纏って上手に踊ってる。それに比べて今の私ときたら、祖母のお下がりで貰った、紫色をした安物のワンピース。まるでベリーやプラムの中に混じった土臭い野菜のようね。誰がどう見ても私一人だけがこの場から浮いてしまっているわ。それにさっそく、ヒールのバランスを崩して無様にたたらを踏んでしまった。やっぱり私には無理なのよ。</div><div>&nbsp;</div><div>「そう緊張しないで。君は僕に身体を預けてくれていればいいよ」</div><div>&nbsp;</div><div>彼は可笑しそうにそう言うと、私の背中に沿えてあった右手の指をトントンと動かした。</div><div>するとそれを合図に、私の体の中を通っていた太くて頑丈な針金が、魔法のように頭の天辺から、ふっと抜けていったような気がした。</div><div>&nbsp;</div><div>&nbsp;</div><div>&nbsp;</div><div>耳からは心地の良い音色が優しく入り込んでくる。遠くにあるステージ上で、赤いドレスを身に纏い、気持ちよさそうに弓を動かしているバイオリン奏者の姿が見えた。その隣では立派な髭を生やした男性が荘厳な顔つきでピアノの鍵盤に指を走らせている。</div><div>突然、目の前の彼が足を大きく踏み込んできた。私は思わず後ろの方へと仰け反ってしまったけれど、彼の大きな手が、私が倒れないよう後ろからしっかりと支えてくれていた。ちょっと驚かせないでよ、と私がいうと彼は茶目っ気たっぷりに小さくウインクをした。</div><div>&nbsp;</div><div>それから二人で両手を繋いだまま、円を描くようにゆっくりとその場を回る。音楽に合わせて左へ右へ、体を上下に揺らしながら。</div><div><br></div><div>意外だった。私にも踊れている。もちろん、周りと比べると格段と質が落ちるけれど。</div><div>&nbsp;</div><div>&nbsp;「そんなことないよ。君のダンスは素敵だ」</div><div>&nbsp;</div><div>最初はからかわれているだけかと思ったけれど、私を見据える彼の瞳を見るに、その言葉に偽りは無いようだった。</div><div><br></div><div>あら可笑しいわね。あなたには周りが見えていないのかしら。</div><div>&nbsp;</div><div>「周りだって？ 僕が一緒に踊っているのは、他でもない目の前にいる君とだけだよ」</div><div>&nbsp;</div><div>そう言ってから、彼は足の動きをさらに大きくした。</div><div>ちょっと、そんなに大きく動いたらついていけないじゃない。</div><div>&nbsp;</div><div>「本当に？僕にはそう思えないけれど」</div><div><br></div><div>彼は肩をすくめた。</div><div>&nbsp;</div><div>すると突然、何の前触れもなく会場が真っ暗になった。</div><div>水面のように磨かれたリノリウムの床も、マリーゴールドを模した派手なシャンデリアも、赤いドレスのバイオリン奏者も、何もかもが闇の中へ溶け込んでしまって見えない。私は動かしていた体を止めようとしたけれど、彼はそんなのお構い無しに体を揺らし続けた。そして音楽もまた止まる気配を見せない。ねぇ、危ないわよ、と声をかけようとしたときだった。</div><div>暗闇の中に、一筋のスポットライトが射した。スポットライトは真上から落とされていて、その中にいるのは他ならぬ私と彼の二人だけだった。これはどういうこと？ なぜ私たちだけがライトに照らされているの？</div><div>&nbsp;</div><div>「今に限らずとも、僕たちはいつだって、こうして舞台の上で踊っているんだ。そしてその舞台の主役は自分以外には務まらないんだよ」</div><div>&nbsp;</div><div>彼はいたずらな笑みをその顔にたたえて言ったが、口調は真剣そのものだった。</div><div><br></div><div>「この舞台の主役は君なのさ」</div><div><br></div><div>周りにはこんなにも美しい人たちがいるのに、それでも私が主役だというの？</div><div>&nbsp;</div><div>「ああ勿論！　他は全員モブさ。主役の自分を華やかに見せてくれるためのね」</div><p>&nbsp;</p><p>こんな私でも主役が務まるのかしら。</p><div>&nbsp;</div><div>「君はここで踊る者たちを、まるで自分とは関係ないといった様子で眺めていたね」</div><div>&nbsp;</div><div>ええそうね。でも本当は</div><div>&nbsp;</div><div>「羨ましかったんだろう。それはそうだ。せっかく素晴らしいことが目の前にあるのに、ただ指をくわえて見ているだけなんて、そんなのは、あまりにも勿体ない！」</div><div>&nbsp;</div><div>&nbsp;</div><div>&nbsp;</div><div>そして再び、ダンスホールに光が戻った。周りの人たちは何事もなかったかのように各々でダンスを楽しんでいる。</div><div>こんなことがあったのに、なぜ誰も反応していないのかしら。</div><div>&nbsp;</div><div>「言っただろう？　主役はいつでも自分だからさ。それは君だけじゃなく皆も同じだ。さぁもっと楽しもう！」</div><div>&nbsp;</div><div>彼はそれまでよりも一層、軽やかなステップを踏んだ。それに合わせるように私もステップを踏む。バイオリンとピアノが奏でる音の波をなぞるようにして体を動かした。</div><div><br></div><div>愉快な音はその一つ一つが雨粒となってダンスホール中に降り注ぎ、あちらこちらに、ふわりふわりと様々な色の花を咲かせている。</div><div><br></div><div>まるで、うんと豪華なお庭のよう。</div><div><br></div><div>いつのまにか私は彼にリードされるのではなく、自分の意思でダンスをしていた。決して上手ではないけれど音楽に合わせて体を揺らすのはとても気持ちが良くて、今はただそれだけで心が満たされていた。&nbsp;</div><div><div>&nbsp;</div><div><br></div><div><br></div><div>あぁ、なんてこと。とても楽しいわ！ こんなにも楽しいことだったのなら、もっと早く知っておきたかった！</div><div><br></div><div>私はダンスに誘ってくれた彼に感謝を告げた。</div><div>&nbsp;</div><div>「さて、今夜はいつまで踊っていようか？」</div><div>&nbsp;</div><div>彼もまた、楽しげにそう尋ねてきた。</div><div><br></div><div>そうね──</div><div><br></div><div>そのときダンスホールの上部分にある大きな窓から、まん丸い月がこちらを覗いているのに気がついた。きっとこの場所があまりにも色鮮やかだったから、あの月も気になって、はるばる遠くからやって来たに違いない。ならばとことん見せてあげましょう。</div><div><br></div><div>──そうね。あの月が私たちのダンスに満足して帰ってくれるまでっていうのはどうかしら？</div><div><br></div><div>彼はそれを聞くと、いいねと一つ頷いた。</div><div>&nbsp;</div><div>&nbsp;</div><div><a href="https://stat.ameba.jp/user_images/20171223/00/tarolian17/1d/88/j/o2195226014096212153.jpg"><img alt="" height="432" src="https://stat.ameba.jp/user_images/20171223/00/tarolian17/1d/88/j/o2195226014096212153.jpg" width="420"></a></div></div>
]]>
</description>
<link>https://ameblo.jp/tarolian17/entry-12335833474.html</link>
<pubDate>Sat, 23 Dec 2017 20:18:23 +0900</pubDate>
</item>
</channel>
</rss>
