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<title>私と小説</title>
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<description>私こと、愛宕 照茉莉が書いた小説を紹介するために、始めました。主に、投稿の失敗や没となった小説を紹介していきます。よろしくお願いします。</description>
<language>ja</language>
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<title>10回目の春［13］</title>
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<![CDATA[ <div>［13］<br></div><div>最近は、家にひとりにされることも無くなったから、留守番も前よりも苦痛ではなくなったの。</div><div>お母さんがおばあちゃんと病院に行くと、私とモモだけが残されるの。</div><div>そうなると、私は、ユウキのベッドの上でモモを舐めて、一緒に眠って過ごすの。</div><div><br></div><div>モモがうざったくなったら、モモが登れない高い所の段ボールに入って昼寝。</div><div>モモは私を探して、「ミィミィ…」言っている。</div><div>それを無視して、私は昼寝を決め込んでいる。</div><div>それに、高い所から部屋を眺めるって、嫌いじゃない。</div><div>モモはおばあちゃんのベッドで、お母さんとおばあちゃんの帰りを待っている。</div><div><br></div><div>それから、私とモモのマイブームは、テレビを見ること。</div><div>鳥の番組が好き。それから、画面の中でも動きの激しいものが好きなの。</div><div>決して、動物番組限定では無いよ。</div><div>ドラマだって見るし、ドキュメンタリーも見ている。</div><div>それも、特等席で見るの。テレビの前のテーブルの上。</div><div>ここなら、誰にも邪魔されないし、にゃんこに甘い家族だから、テーブルから降ろされることも無いの。</div><div><br></div><div>この時間、とっても楽しいの。</div><div>特に、YouTubeの猫用の番組をテレビで流してくれると、とっても興奮する。</div><div>楽しくて、仕方がないの。</div><div>だって、好きな映像だから、何時間でも見ていられる。</div><div><br></div><div>留守番の日に、このYouTubeの映像を流してくれれば良いのに、ユウキはダメだって、譲らない。</div><div>テレビをつけっぱなしで出掛けると、火事になるかもしれないから。</div><div>そうなると、私とモモは逃げられないから、死んじゃうって。</div><div>死ぬってどういうことか、曖昧にしか分からない。</div><div>私がこの家に来てから、死んだにゃんこなんて見ていないから、死ぬって、どういうことしか分からない。</div><div><br></div><div>それにね、おめでたいことも有ったんだよ。</div><div>ハツキさんのお腹に、赤ちゃんが来たの。</div><div>私がおばあちゃんにお願いした「赤ちゃん！」</div><div>おばあちゃんが叶えてくれたのかな？</div><div>今の私には、人間の赤ちゃんであっても、猫の赤ちゃんであっても、どっちでも良いの。</div><div>ハツキさんと一緒に、赤ちゃんを育てようって、</div><div>本気で考えているよ。</div><div>おっぱいとか、オムツとか、出来ないことが有るって、覚悟はしているの。</div><div>だけど、赤ちゃんだったモモを育てられたから、</div><div>私にも育児が出来るって、思うようになったの。</div><div>だから、人間の赤ちゃんの育児にも、役に立ちたいって、真剣に考えているよ。</div><div><br></div><div>可愛い赤ちゃん、待ち遠しい。</div><div>ユウキがね、ハツキさんのお腹に耳をくっつけて、赤ちゃんの心臓の音を聞いているの。</div><div>私も真似をして、ハツキさんのお腹に耳をペタリ。</div><div>「ドクドクドクドク…」</div><div>って、忙しい心臓の音。しっかり聴こえたよ。</div><div><br></div><div>産まれるのは、今年の夏の終わり。</div><div>ハツキさん、ずっと</div><div>「赤ちゃんが欲しい。ペットがいるから産まれ難いのなら…」</div><div>なんて声を、何度も聴いた。</div><div>だけど、おばあちゃんの病気の時に、家族皆んなで考えたの。</div><div>「ハツキさんのお腹に赤ちゃんが欲しいのは、家族皆んなの考えだよね！」</div><div>って。</div><div><br></div><div>おばあちゃんの病気の時には、モモがまだ家に来る前だったけど、</div><div>今は、モモも楽しみにしているよ。</div><div>ユウキや私みたいに、耳をお腹に貼り付けているよ。</div><div>場所がズレていても、それがモモのご愛嬌。</div><div>秋には８人家族になるの。</div><div><br></div><div>それにね、ハツキさんのお腹に赤ちゃんが居るって分かってから、</div><div>ユウキのお母さんがにゃんこを預からないの。</div><div>グループの中での決まりだそうだけど、何となく「違う！」って、考えているのは、おばあちゃんと私だけかな？</div><div><br></div><div>だけど、新しい家族を迎える準備をしながら、ユウキと過ごす10回目の春が、</div><div>とても新鮮です。</div><div><br></div>
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<link>https://ameblo.jp/temari10106/entry-12461880720.html</link>
<pubDate>Fri, 17 May 2019 09:52:39 +0900</pubDate>
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<title>10回目の春［12］</title>
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<![CDATA[ <div>［12］</div><div>10年目の春になって、日向ぼっことお昼寝が日課の私。</div><div>脱走はしたいけど、最近は知り合いもいなくなって、散歩していてもつまらない。</div><div>だけど、春の風に吹かれたくなって、ふっと出かけたくなるの。</div><div>時々、換気とかいって、ちょっとだけ窓を開けてあるでしょ。</div><div>その時に顔を入れようとしていたら、ユウキのお母さんに見つかっちゃった。</div><div>それが家の中で話し合いされて、私がお外に出れないように念押しさちゃった。</div><div>おまけにユウキのお母さん、</div><div>「ティアに妹をもらいましょうか？」</div><div>って、言っているの。</div><div>もう、ビックリ過ぎて、固まっちゃうってこと、初めて経験したの。</div><div><br></div><div>妹が来たのは、去年の夏。ちょうどお盆の頃。</div><div>真っ白なにゃんこで、ペルシャねこの雑種。</div><div>私よりずっとずっと細くて、舌に絡みつく毛が特徴のにゃんこ。</div><div>子にゃんこの時には、頭に灰色のブチの模様があったのに、</div><div>いつの間にか無くなって、今は本当に真っ白。</div><div>もう、私に懐いちゃって、時々ウザくなるの。</div><div><br></div><div>妹は、公園で倒れていたのを、ユウキのお母さんが保護したんだって。</div><div>それで、病院に入院していたの。</div><div>首に噛み傷が有って、瀕死の状態だったって聞いた。</div><div>体力が付いてきたら、私の家にやってきたの。</div><div>最初は変な物体って、感じだった。</div><div>名前は『モモ』に決まった。</div><div>他にもルナって候補が有ったけど、魔除け木が桃だから、モモだって。</div><div><br></div><div>家に来たのは、生まれてから２週間から３週間くらいだって聞いた。</div><div>何らかの理由が有って、首を噛まれたのだろうって言われている。</div><div>私は、モモの全身を舐めて、もちろんお尻も舐めたわよ。</div><div>そうしないと、産まれたばかりの子にゃんこは、ウンチもちっちも出せないの。</div><div>だから、私がモモのお尻を舐めて、当然ウンチやちっちを出してあげたの。</div><div>そして、当然、キレイにすることを教えてあげたのに、未だにモモは私に、私に甘えてくるの。</div><div><br></div><div>グルーミングも手抜き。</div><div>きちんとしていないと気が済まない私は、妹の姉では無くて、もうお母さんの立ち位置に立っているの。</div><div>赤ちゃんが欲しいとは、おばあちゃんに話したけど、こんな赤ちゃんだとは…だけど、お母さんとしてがんばってみせますよ。</div><div><br></div><div>その頃のモモの体重、80gだったって、聞いたの。</div><div>本当に産まれたてで、あの頃は今のような長毛になるなんて、思っていなかった。</div><div>でもね、本当の長毛よりは、短いってユウキのお母さんが話してる。</div><div>モモもね、私と同じように予防接種や避妊手術も受けたけど、産まれたのが未熟児みたいな状態だったそうだから、それを考えて、発情を２回やり過ごしてから、手術を受けたの。</div><div>だけど、まだ発育不良だったそうで、キチンと取れたかどうか？分からないって話だった。</div><div>だけど、しっぽの付け根をポンポン叩くのが気に入って、未だにユウキにねだっている。</div><div><br></div><div>それにね、私達姉妹は２人ともユウキが好きなの。</div><div>ハツキさんも好きだけど、やっぱり天秤にかけるとユウキ。</div><div>ハツキさんも働いているから、お昼はユウキの部屋か、おばあちゃんの部屋で、のんびりと過ごしている。</div><div>それに、モモがいると、何となくほっておけない気持ちが有るから、最近は散歩にも出掛けていないの。</div><div>だけど、私の後を追いかけて来るから、私は、リビングやユウキの部屋の中にモモが登れない所を見つけて、それに、都合の良いことに、空の段ボールも有って、</div><div>お昼寝はそこでしているの。</div><div>夜は、ユウキとハツキさんのベッドに４人。</div><div>ダブルのベッドに４人は狭くは無いけれど、モモは時々ハツキさんの上で寝ていることも。</div><div>目が覚めてビックリ！って言うことも多いよ。</div><div><br></div><div>ハツキさんも、私達のことを可愛がってくれるけど、ハツキさんを出迎えるのはモモだけ。</div><div>私は、ユウキの足音で出迎えるの。</div><div>そうしたら、おやつが貰える。</div><div><br></div><div>カリカリだったり、ウエットご飯だったりするけれど、私、最近は、以前のように食べられないの。</div><div>おやつとご飯が続くと、両方とも食べると吐いちゃうの。</div><div>だから、おやつ優先。</div><div>ユウキも考えてくれて、ユウキが寝る前にカリカリを軽く食べさせてくれる。</div><div><br></div><div>食べすぎ？とも考えるけど、体重は増えていないの。</div><div>えっ？どうやって体重を測るのかって？</div><div>ユウキに抱っこされて、家庭用の体重計に乗るの。</div><div>それからユウキの体重を減らすの。</div><div>そうしたら、私の体重。</div><div>今の家庭用の体重計って、スゴイよね。</div><div>10g単位まで測れるのね。</div><div>だから、何度か測り直してみても、私の体重は2.85kgから2.98kgで安定。</div><div>ハツキさんからは、ご飯を選り好みしているのではないの？なんて、言われてる。</div><div><br></div><div>夕方のおやつの時には、ユウキはモモも呼ぶけど、モモのご飯は家族のみんなと一緒。</div><div>私が同じ時間に食べると、寝る前に吐いちゃうの。</div><div>だから、私は、皆んなより２時間から３時間遅れて食べているの。</div><div><br></div><div>それでね、私よりもたくさん食べているはずのモモだけど、どれだけ食べても太らないの。</div><div>避妊手術の後から、私と同じ大人にゃんこ用のご飯を食べているのに、</div><div>体重は、1.74kgから1.79kg。</div><div>どうして、太らないの？って、疑問に感じているの。</div><div>ユウキは、モモが家に来た時に小さ過ぎたから、発育が遅れているんじゃ無いか？って。</div><div>本当に、それだけなのかな？</div><div>歩くときも、トタトタと音がするし、左半身が軽く麻痺しているように、私には思えるの。</div><div>誰も、モモについては言わないけれど。</div><div>皆んなが気付いているってことかな？</div><div><br></div>
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<link>https://ameblo.jp/temari10106/entry-12461879730.html</link>
<pubDate>Fri, 17 May 2019 09:44:36 +0900</pubDate>
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<title>10回目の春［11］</title>
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<![CDATA[ <div>［11］</div><div>去年、ビックリして、すごく心配だった事があったの。</div><div>大切なおばあちゃんの病気が悪化して、倒れたの。</div><div>もともと寝たきりだったけど、部屋に入ったときの、空気が冷たく感じたの。</div><div>声を掛けても、いつもの柔らかな感じが無かったの。</div><div>ギュッと目を閉じていて、声も掛けてくれなくて、何だか辛そうな感じに思えたの。</div><div>後から尋いたら、「けいれん」って状態に、何度も何度も繰り返しなっていたんだって。</div><div>「苦しかったと思うよ。」</div><div>って、ユウキが話していた。</div><div>あの時は、冷たくて、凍てついた感じがしたらから、思わずおばあちゃんに乗って、<br></div><div>「にゃーう、にゃーう、にゃーう…」</div><div>って、声を上げ続けたの。</div><div><br></div><div>直ぐに、ユウキのお母さんにユウキやハツキさんも駆け付けて、私を床にそっと降ろしてから、病院に電話を掛けていたの。</div><div>その時に、初めておばあちゃんの病名を知ったの。</div><div>「脳梗塞」なんだって。手足が痛くなる人もいるんだね。</div><div><br></div><div>それから、お部屋の中が赤く光る自動車が家に来て、</div><div>私はハツキさんに抱かれて、部屋を出たの。</div><div>ハツキさんは、親戚へ連絡をするために、必要なんだよ。って、言うけど、</div><div>おばあちゃんから私が降りなかったから、理由を適当に付けて、ハツキさんと私を遠ざけたのだって、思ったの。</div><div><br></div><div>おばあちゃんの部屋の窓が大きく開けられて、</div><div>オレンジ色の服を着た人が、たくさん入って来たの。</div><div>私は驚いて、腰が抜けてしまったようになって、動けなくなっちゃった。</div><div>ハツキさんも、おばあちゃんに近づきたいと思うのに、</div><div>じっと私を抱っこして、身じろぎひとつしなかった。</div><div>動くと、私が脱走するって、考えたのかなぁ？</div><div><br></div><div>だけど、あの時は私も驚いてしまったのと、</div><div>おばあちゃんが心配で、動く気持ちにはなれなかった。</div><div>おばあちゃんが元気になって、優しいおばあちゃんが、いつもの笑顔で笑ってくれるのを信じて、</div><div>私は、声を掛け続けていたんだ。</div><div><br></div><div>赤く、クルクル光る自動車がおばあちゃんを乗せて行ってから、ハツキさんとふたりで、なかなか進まない時計を見ていたの。</div><div>テレビもついていたけれど、内容なんて、少しも覚えていないし、</div><div>私は、時計の見方を教えて貰ったことも無いから、ハツキさんが、</div><div>「時計がちっとも進まないね。」</div><div>と、言うのに対して、</div><div>「ふにゃーん…」</div><div>としか、言えなくて。</div><div><br></div><div>やがて、ハツキさんのお母さんが来て、</div><div>ご飯を炊いて、おにぎりと味噌汁を作ってた。</div><div>それが後から、とっても役立ったの。</div><div>お腹がぺこぺこで帰って来た、ユウキやユウキのお父さんとお母さんのご飯になって、</div><div>流石だって、思ったの。</div><div>それにね、この時は運良くお泊りしているにゃんこも居なくて、</div><div>ハツキさんも、パニックにならなくて済んだし、</div><div>ユウキのお母さんの餌やりボランティアも、</div><div>一番負担が軽い役割りだったって、</div><div>ユウキのお母さんも、不思議がっていたよ。</div><div><br></div><div>そんな時に、親戚と言う人から電話がたくさん掛かって来て、</div><div>ハツキさんが、対応にてんてこ舞いになっていた。ハツキさんは、</div><div>「お昼を食べてから、意識が無くなったんです。」</div><div>とか、</div><div>「これからの見通しは、まだ立ったとは聞いておりません。」</div><div>とか、泣きそうな声で、話してた。</div><div>それに、ほとんどの人が、おばあちゃんが死ぬ前提で、話しているみたいなの。</div><div>まだ、手を尽くして、どうしようも無いというわけでは無いのに、</div><div>ハツキさんの携帯に、ユウキから処置とか経過の電話が入っているって、私だって気付いているくらいなんだから、</div><div>ハツキさんのお母さんが気付いていない訳が無いよね。</div><div><br></div><div>だんだんと、こたつの在る部屋には、おばあちゃんの兄弟の家の人が集まって来て、</div><div>私にとって、過ごしにくい部屋になっていったの。</div><div>動物が好きな子供を連れて来た人もいてね、私を追い掛けるから、ハツキさんが、自分の部屋に入れてね、鍵を掛けたの。</div><div><br></div><div>そこまでは良かったのだけど、トイレに行けないし、お腹は空くし。</div><div>何度か目の電話で、ユウキが気付いてくれた。</div><div>それで、こたつの中に潜ったら、足がいっぱい。居心地が良くない。</div><div>それに、好奇心いっぱいの、子供たちにも見つかった。</div><div><br></div><div>またまた、ハツキさんのお母さんの機転で、</div><div>ハツキさんと一緒にトイレを済ませて、</div><div>ユウキの部屋でご飯を食べて、水を飲んで、エアコンを入れて貰ったら、</div><div>ユウキから電話が掛かってきたの。</div><div>それでね、私がおもちゃ代わりになっていることを、伝えてくれたの。</div><div>それから、ハツキさんの息抜きも有ったのかな？</div><div>ハツキさんが泣きそうな声で、ユウキに話していたから。</div><div><br></div><div>私に関してはね、最初は親戚の子どもだけだったのに、私という猫に気付いた親戚の子供が、その子供の友達を呼んだのだって。それで、こたつの部屋は、</div><div>『この子誰？』っていう、大人が知らない子供ばかりになっていたらしいの。</div><div>親戚の子供の友達の子供に、</div><div>「自分の家に帰りなさい。」</div><div>って、ハツキさんのお母さんが言ったら、</div><div>「猫と遊んでからじゃないと、帰らない！」</div><div>とか、</div><div>「家が遠いから、一人では帰れない…」</div><div>なんて、駄々をこねているんだって。</div><div><br></div><div>だから、ハツキさんのお母さんが、</div><div>「お巡りさんに来て貰うけど、いいかな？」</div><div>って、言ったら、親戚の子供以外は、ほとんど帰ったって、聞いたよ。</div><div>それでもね、どうしても帰らない子供がいたから、ハツキさんが警察を呼んだの。</div><div>私を抱っこして、</div><div>「家族が来ていない人は誰かな？」</div><div>なんて言ったら、あっという間に３人。</div><div>「今、おばあちゃんの病気で、病院に家族のほとんどが付き添っていて、親戚だって名乗る人が来ているけど、私の記憶には無い人ばかりで。」</div><div>なんて、ハツキさんが話していた。</div><div>自称親戚の中にも、空き巣とかが、いたようなの。</div><div>ハツキさんとハツキさんのお母さん、お手柄です。</div><div><br></div><div>私の家に、親戚が集まって来たのも、おばあちゃんが死んだら、</div><div>「お通夜の前に遺産の内容を発表をする！」</div><div>って、親戚に対して、話していたんだって。</div><div>病院に親戚が集まらないようにって、おばあちゃんが考えていたんだそう。</div><div>おばあちゃんのお父さんから貰った遺産を、</div><div>おばあちゃんの甥とか姪と言われる人が、狙っていただけだったって、話だった。</div><div>それに、おばあちゃんの遺産だったら、ユウキのお父さんが法定相続人になるのにって、</div><div>おばあちゃんが家に帰って来てから、</div><div>皆んなで笑った。</div><div><br></div><div>おばあちゃんは、病院に到着した時には、本当に危険な状態で、</div><div>強い薬を沢山使ったら、今度は呼吸が危なくなって…</div><div>意識が戻るまでに時間が掛かったって、ユウキから聞いたよ。</div><div>だから、赤い光の自動車に乗ったのがお昼過ぎだったのに、意識が戻ったのが、次の日の明け方。空が明るくなっていた。</div><div><br></div><div>こんな時間に出前なんて無いし、親戚の人が</div><div>「寿司を取れ！」</div><div>なんて叫んでいたから、</div><div>ハツキさんとハツキさんのお母さんが</div><div>巻き寿司と稲荷寿司を作って出したら、</div><div>「こんなんじゃねえ！」</div><div>なんて、叫んでいたよ。</div><div><br></div><div>「おばあちゃん、若くして脳梗塞になったまでは、良くあることらしいけど、</div><div>リハビリ中に転んで、麻痺の無い足を折ってから、寝たきりになったの。」</div><div>って、おばあちゃんが教えてくれた。ふたりだけの秘密なんだって。</div><div>私は、人間には、</div><div>「ニャン！」</div><div>としか、聞こえないから、約束は必ず守るからね。</div><div><br></div>
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<link>https://ameblo.jp/temari10106/entry-12461878232.html</link>
<pubDate>Fri, 17 May 2019 09:34:32 +0900</pubDate>
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<title>10回目の春［10］</title>
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<![CDATA[ <div>［10］</div><div>３年前、私にとって、とても辛い体験があったの。</div><div>ユウキが結婚することが決まったの。</div><div>お相手の名前はハツキさん。漢字、分からない。</div><div>ハツキさん、にゃんこと生活するのは初めてなんだって。</div><div>私にとっても、初めての人。とても緊張した。</div><div>今では、良い関係だけど、初めて会った日のこと、忘れられないよ。</div><div><br></div><div>ユウキから、</div><div>「僕のお嫁さん。ハツキって言うんだよ。」</div><div>って、紹介された時、電気が走ったような気持ちだった。</div><div>だって、ユウキが結婚するなんて、考えていなかった。</div><div>ユウキはずっと、お父さんとお母さんの子供だから、ひとりだって、信じていた。</div><div><br></div><div>私が怯えていたら、ユウキが私を抱っこして、ハツキさんに手渡したのだけど、</div><div>私もビックリしたし、嫌だったし、</div><div>ハツキさんもにゃんこの抱え方を知らなかったから、</div><div>お互いに緊張して、私がハツキさんを蹴り飛ばして、飛び降りちゃった。</div><div>何よりも、ビクビクしているから、安定感なんて何にも無い。</div><div><br></div><div>ユウキは方法を変えて、</div><div>私の大好きなキラキラのおもちゃを出してくれて、</div><div>最初はハツキさんの前で、ユウキと遊んだの。</div><div>ちょっと緊張だったけど、楽しく遊べた。</div><div>だけど、おもちゃがハツキさんの手にわたると、</div><div>私は遊ぶのをやめちゃった。</div><div>ハツキさんのおもちゃの振り方、私の好みじゃ無いもの。</div><div>楽しくなんて、ちっとも思えない。</div><div>ユウキが手を取って、</div><div>こうするの！って、話したり、実演したりしているけど、</div><div>私には、楽しくなかった。</div><div>今から思うと、ハツキさんのことを信用していなかっただけだと思う。</div><div><br></div><div>それを見ていたおばあちゃんが、</div><div>「ティアは、自分がユウキのお嫁さんだと考えているところがあるから、</div><div>ハツキさん、１番を譲ってあげてね。</div><div>ねこの世界では、そんな風に考えるの。</div><div>それから、香りで家族を判断するから、</div><div>強い香水をつけるのを避けてね。</div><div>ティアはユウキの側に居たいのだから、</div><div>ユウキの側に強い香りの人が居ると、</div><div>拗ねちゃいますよ。」</div><div>そう言うのを聴いて、私は、バンザーイ！って、思っていたの。</div><div><br></div><div>そこへ、長い瞑想から目を開けたかのようにおばあちゃんが、</div><div>「ハツキさん、ユウキからティアのおやつを貰って、与えてみませんか？</div><div>手渡しはハードルが高いから、お皿だとどうかなぁ？」</div><div>抱っこから遊びにおやつまで、おばあちゃんの部屋での出来事。</div><div>理由は、私がハツキさんを避けていたから。</div><div>そこへ、ユウキと一緒におやつを取りに行っていたハツキさんが戻って来た。</div><div>そして、私が一番大好きな鰹風味のカリカリをお皿へと出してくれた。</div><div>私が喜んでおやつを食べている間に、ユウキが手をチェックしたので、</div><div>私も手の香りをチェックした。</div><div>薔薇の人工的な香りがした。私には苦手な香り。どうしよう？などと考えていたら、</div><div>「この香りは、ティアが苦手としているから、お母さんのハンドクリームを紹介するよ。」</div><div>などと、私から見れば、満額回答の言葉を紡いでいる。</div><div><br></div><div>お母さんの手の香りは、私も気に入っているから、</div><div>ユウキの機転に、しばらくは甘えようと考えて、ホッとした。</div><div>この時は知らなかったけど、</div><div>ずっと一緒に過ごすのだから、</div><div>ハツキさんとふたりという時間だと、その時こそ破滅する。気持ちが決壊する。</div><div>誰の考えか知らないけど、私が愛するユウキと、にゃんこを知らないハツキさん。</div><div>ユウキには、バランスを保つのは難しい。だから、どうするか？</div><div>多分、おばあちゃんの意見かな？</div><div>ハツキさんも、納得出来たようだし、</div><div>これからの生活にも役立って欲しいと思っているのは、私だけなのかしら？</div><div><br></div><div>ユウキが私との生活を選んだから、</div><div>自動的にハツキさんもこの家に住むことになって、</div><div>ユウキの部屋と元妹さんの部屋の仕切りを取って、広い部屋になっている。</div><div>何でも、お母さんが専業主婦だから、</div><div>ハツキさんには働いて欲しいって、</div><div>ユウキが考えたのだって。</div><div><br></div><div>ユウキもハツキさんも25歳で、貯蓄が少ないことが理由だと聞いたよ。</div><div>「貯蓄？」って、何のこと？</div><div>おばあちゃんに私が悩んでいる内容が、</div><div>上手く伝わって欲しいって、</div><div>今は、考えています。</div><div>何よりも私は、</div><div>「ニャン！」しか言えないことが、トラウマ。</div><div>他の家猫さんは、どうなのかな？「ニャン！」で、コミュニケーションが取れるのかな？</div><div><br></div><div>私と家族のコミュニケーションは、私の尻尾。</div><div>私の返事が『YES』だったら、パタパタと大きく元気に振るし、</div><div>『NO』だったら、パサっと１回だけ。</div><div>質問が分からなかったら、尻尾を振らないというのが、暗黙の了解。</div><div>いつから、こうだったのかな？</div><div>考えてみると、名前を決める時から、尻尾で返事をしていたの。</div><div>「ティア」って、呼ばれて、</div><div>盛大に尻尾を振っていた記憶があるよ。</div><div>私もお気に入りの名前だったしね。</div><div><br></div><div>ユウキの部屋はね、ベッドも新しいものに変わって、家具も大きく入れ替えがあって、</div><div>カーテンやベッドのカバーがピンクに変わった。</div><div>ユウキの机も新しくなって、学習机から立派な机に変わったし、</div><div>ハツキさんが持ち込んだ机は小さくて、大きな鏡が付いている。</div><div>ここに乗ってはいけないと、ことある毎にユウキやハツキさんに念押しされるけど、</div><div>色んな香りが気になって、乗ってはクンクンしている。</div><div><br></div><div>鏡には、茶色と黒や焦げ茶の混ざったしましま。真っ白の口もととお腹。</div><div>靴下を履いたような手足。</div><div>私のこと。</div><div>確かに、私の背中やお腹はツヤツヤして、体調の良さというか、栄養状態が良さそう。</div><div>ピーンと伸びたおヒゲ。ユウキが立派だっていうのが良く分かる。</div><div>口もとの白さも綺麗だし、マズルと言われるおヒゲの生えているところ、</div><div>大人にゃんこになってふっくらしてきたって言われていたけれど、それも、初めてゆっくり見た。</div><div>これらはユウキが小さな鏡で、私を写して見せてくれていたから、私がにゃんこだって、知っていたけれど、こんな模様で、こんな体だって、初めて自覚した。</div><div><br></div><div>私は、毎年の予防接種の時に体重のコントロールをしてもらっている。</div><div>お医者さんが言うには、今の体重がベストなんだって。</div><div>今の体重より増やしてもいけないし、減らしてもいけないって。</div><div>ユウキやハツキさんが、朝と夕方のご飯を用意してくれるけど、ちょうど腹八分っていうのかな？満腹よりもちょっと少なめ。</div><div>それでも、私は嬉しいの。</div><div>ユウキやハツキさんから貰えるのが嬉しいの。</div><div><br></div><div>それにね、ご飯に下部尿路疾患対策のご飯を食べているのは、先住ねこのあいちゃんが尿路結石を何回も起こしたからだって。</div><div>何度もトイレに入るのに、ちっちが出なくて苦しんでいたそうなの。</div><div>だから、私が同じ苦しみを味わうことが無いように、気をつけてくれている。</div><div><br></div><div>ハツキさんと私、段々とだけど、仲良くなれたよ。</div><div>何度も何度も抱っこして貰ったり、撫でて貰ったり、おもちゃで遊んで貰ったり、今は、緊張せずに付き合っているよ。</div><div>何よりも、ユウキの部屋にはハツキさんがいる。</div><div>仕方無いから２人の間で寝ていたの。</div><div>そうしたら、ハツキさんもゆっくりだけど、私が気持ちいい事をしてくれるようになったの。</div><div>楽しい生活に、ようやくなれたの。</div><div>今は、気持ち良く過ごせているの。</div><div><br></div>
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<link>https://ameblo.jp/temari10106/entry-12461876363.html</link>
<pubDate>Fri, 17 May 2019 09:24:53 +0900</pubDate>
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<title>10回目の春［９］</title>
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<![CDATA[ <div>［９］</div><div>私の日課のひとつは、ユウキの西向きの窓の側の、机の上から庭を監視すること。</div><div>庭を見ていると、時々にゃんこが通り過ぎていく。</div><div>私は、机の上から</div><div>「ニャニャニャニャニャー！！！」</div><div>と、威嚇するけれど、相手には届かない。</div><div>それから、</div><div>「どこかの人間の家を紹介しようか？」</div><div>って、声を掛けるけれど、いつも無視される。</div><div><br></div><div>親切な人の家で生活することが一番だと、私は思うのだけど、</div><div>外猫さんは、そう考えていないみたい。</div><div>「ご飯も水も有るし、寒い冬で無ければ、星空の下で眠るのも良い」</div><div>なんて聞いたら、外へ出たい気持ちがウズウズしてきた。</div><div><br></div><div>お外、年に何回かは脱走しているの。</div><div>おばあちゃんの所へ来る、ヘルパーさんや訪問看護師さんが帰った後、</div><div>玄関のドアが開いていたり、押すだけで開くことがあるの。</div><div>そうしたら、もちろん！お外の探検と散歩に行くの。</div><div>車がひっきりなしに通る道路は越えないけど、</div><div>大きな道路の内側ばかりをのんびり、３時間くらい歩いてから家に帰るの。</div><div><br></div><div>家に帰ると、冬で無い限り、大抵はおばあちゃんの部屋の窓が開けられているから、</div><div>そこから帰るの。窓が開いて無くても、窓にはデッキが有って、</div><div>そこの下で待っているの。そうしたら、ユウキが窓を開けて私を抱っこしてくれる。</div><div>散歩の時間、最初は楽しいけれど、帰り道は寂しいの。</div><div>食べものは食べてはいけないと、ユウキやお母さんから強く言われているから、</div><div>お腹がぺこぺこになるし、喉も渇いてくる。</div><div>家に帰ると、ホッとする。</div><div><br></div><div>いつだったか、ユウキが寝込んだことがあった。</div><div>その時は、ユウキの肝臓にウィルスが入って熱を出していたから、</div><div>ユウキが暖かくて、ずっとくっついて寝ていた。</div><div>あの頃はユウキがずっと(１か月くらい)家に居て、私のご飯と水だけ出してくれた。</div><div>トイレのお世話まではユウキが出来なくて、お母さんがしてくれた。</div><div>ユウキのことが心配だったけど、それよりもユウキが居てくれたこと、</div><div>それが何よりも嬉しかった。</div><div><br></div><div>ユウキはベッドに横になりながら、私の頭や背中を撫でてくれて、</div><div>喉元をくすぐってくれた。</div><div>その時には必ず、</div><div>「ティア、綺麗だよ。」</div><div>「ティア、可愛いね。」</div><div>「ティア、良い子だね。」</div><div>「ティア、お利口さん」</div><div>って、言ってくれるから、私も嬉しくて、ゴロゴロしちゃうの。</div><div>嬉しいよね。</div><div>大好きな人から嬉しいことを言われて、嬉しくないにゃんこはいないよ。</div><div>私は、人間が大好きだから。喜ぶのは、家族限定だよ。当然でしょう。</div><div><br></div>
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<pubDate>Fri, 17 May 2019 09:22:12 +0900</pubDate>
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<title>10回目の春［８］</title>
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<![CDATA[ <div>［８］</div><div>私の体重、何kgだと思う？</div><div>避妊手術を受けたのは、だいたい６か月の時だけど、ご飯がその時から変わったの。</div><div>大人にゃんこのご飯に変わって、ユウキが私好みのご飯を選んでくれた。</div><div>カツオとチキンに野菜味。私はマグロが苦手なの。</div><div>だから、ユウキのチョイスに満足している。</div><div><br></div><div>でもね、現実問題として、私のご飯は、下部尿路疾患と肥満対策に毛玉ケアの対策ご飯なんだって。</div><div>私がユウキの家に来る前にも、ユウキの家ににゃんこが居たんだって。</div><div>名前は「あい」ちゃんという、女の子。</div><div>８kgの茶トラちゃんだったけど、ある日、窓から脱走して、それっきりなんだって。</div><div>だから、私の脱走には、注意が厳重なんだと思う。</div><div><br></div><div>そうそう、私の体重は、今は2.98kg。結構、スリムでしょ。</div><div>ご飯が肥満対策だからだと思うけど、それに、沢山動いているよ。</div><div>毎日、朝と夕方に、家の中の見回りをしているの。</div><div>当時の家にはね、ユウキとユウキの両親と、ユウキのおばあちゃんという家族だったの。</div><div>おじいちゃんは、私を保護する前に亡くなったそうだけど、</div><div>他にも、家を出て働いているユウキの妹がいるんだって。</div><div>見たことが有るらしいのだけど、私の記憶には無いの。</div><div>どんな人だろう？看護師さんだって。</div><div>それに、妹さんもにゃんこを飼っているから、</div><div>滅多に家に帰れないって聞いている。</div><div>でも、私は、妹さんのにゃんこにも会いたいって、考えているよ。</div><div>名前は「さち」ちゃんだって。幸せって意味なんだって。</div><div><br></div><div>おばあちゃんは、寝たきりって、いうのかな？</div><div>ベッドに寝ていて、身体が動かないって尋いている。</div><div>時々おばあちゃんの部屋に入って、おばあちゃんのベッドの上でもお昼寝。</div><div>南向きの部屋に居るから、気持ちが良いんだ。</div><div>おばあちゃんの上に乗っても、おばあちゃんは叱らずにニコニコしているし、</div><div>沢山、お話をしてくれるけど、お母さんには叱られちゃう。</div><div>おばあちゃんは身体が痛くなる病気だから、私の重さでも痛みが強くなるんだって。</div><div>それを聴いてから、おばあちゃんの上は避けるようにしているけど、たまに失敗するの。</div><div>おばあちゃんの「痛い！」って声が聞こえるように、家の中に無線があるの。</div><div>その声が聴こえると、お母さんが駆け込んでくる。</div><div>そして私が叱られて、部屋から出されてしまうの。</div><div><br></div><div>だけど、おばあちゃんの声を聞くのが楽しいの。色んな話をしてくれる。楽しい時間。</div><div>おばあちゃんがうとうとすると、</div><div>私も一緒に眠ったり、おばあちゃんを見つめたりしているの。</div><div>それに飽きたら、ユウキの部屋でお昼寝。</div><div>ユウキの部屋は西向きだから、午後が気持ちいい。</div>
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<pubDate>Fri, 17 May 2019 09:19:06 +0900</pubDate>
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<title>10回目の春［７］</title>
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<![CDATA[ <div>［７］</div><div>そんな時に、またトラブル発生！</div><div><br></div><div>１日に何回も吐いてしまうの。私にはどうすることも出来ないの。</div><div>家のフローリングで吐くように言い含められているけれど、そんなの間に合わない。</div><div>吐き気も抑えられないから、気持ち悪くなったら、その場で吐いちゃう。</div><div>それも、次から次へと。あの頃は苦しかった。</div><div>お布団や炬燵にカーペットで吐いたら叱られたし、我慢は出来なかったし。</div><div><br></div><div>病気だって気付いて貰えるまで、何日かかったかな？</div><div>たまたまユウキが付きっ切りで、数えていたら、１日に12回。それでやっと、</div><div>「ティア、苦しかったな。」</div><div>って、言って貰えた。</div><div><br></div><div>それで、また、お医者さんに行って、診察と検査を受けたら、</div><div>胃腸の病気のウィルスに掛かっているって、話を聞いた。</div><div>ユウキのお母さんが預かっていたにゃんこにも、同じ病気のにゃんこが居たって、先生が話していた。</div><div>「ティアちゃんが治るまでは、病気のにゃんこを預かることは辞めてね。」</div><div>とか、</div><div>「ティアちゃんを触った後は、必ず手洗いをしてね。」</div><div>なんて説明を聞いているうちに、腹が立って来た。</div><div>「私が悪いの？病気を家に持ち込んだ人って、ユウキのお母さんだよね！</div><div>お母さんが預かったにゃんこから、私に移ったんだよね！」</div><div>私はこの日は点滴で、この日から２週間、大嫌いで大の苦手なお薬を飲むことになって、</div><div>私に病気を移したロシアンブルーの雑種のにゃんこ！、許せないにゃんこのひとり！って、考えていた。</div><div><br></div><div>私だけ貧乏くじを引いたみたいで、気持ちの持って行き場が無かっただけだって、おばあちゃんに言われて気付いたの。</div><div>だけど、苦しい思いをしただけに、逆恨みの気持ちはスッキリしないし、お母さんが病気や怪我の外猫さんを預かることは無かったけど、やっぱり外猫さんのお世話に行くことは、気持ちが納得出来なかったの。</div><div>あの頃は、私だけを見ていて！私が一番だって認めて！</div><div>そんな気持ちだったと思うんだ。にゃんこって、基本的にそんな気持ち。</div><div><br></div><div>おばあちゃんとユウキに助けて貰えたけど、まだまだ赤ちゃんだったの。</div><div>生まれてから、だいたい半年から８か月。甘えん坊だったって、当時の自分を振り返って、思います。</div><div><br></div><div>私が病院から家に帰ると、リビングや廊下に置いてある、保護ねこ用の大きなゲージから、</div><div>家のあちこちまで、大掃除をしてくれた。</div><div>特にユウキの部屋や、私が愛用しているキャットウォークやキャットタワーからは、</div><div>消毒薬の臭いが漂って来て、とても近寄れない。</div><div>「忌々しいロシアンブルー、もう泊めてあげない！」</div><div>って、私は決めたけど、あの一件から、ロシアンブルーの雑種は泊まりに来ない。</div><div><br></div><div>ユウキのお母さんは、</div><div>「里親さんが見つかったのよ。」</div><div>と、嬉しそうに話している。</div><div>「お腹のウィルスも、ティアが一番酷かったみたい。だから、外猫の一時保護も、ティアのことを考えてくれることになったの。ユウキは考えていなかったと思うけど、お母さんの団体は、外猫の保護は、家猫を含めて３匹までなのよ。それでティアが居るから、うちは多くても２匹まで。ティアはお利口さんだから、他の保護ねこさんと話し合って、大切なことを教えてくれるの。ティア、いつもありがとうね。</div><div>それで、今回のことはごめんね。これからは、保護ねこが居る時は、普段より掃除に気をつけて、お母さんも手洗いを念入りにするし、エプロンも必ずするからね。</div><div>お母さんが、一番不注意だったって、会長さんやこの地区の担当さんに叱られたの。</div><div>ティアを守るのは、ユウキひとりの責任では無いのに、お母さんもユウキの責任だって、決めていたの。ティアにもユウキにもごめんね。」</div><div><br></div><div>お母さんは、そう言って、泣いていた。</div><div>外猫の保護という、ボランティアをしているから、朝と夕方に餌やりに出掛けるお母さん。</div><div>外猫や野良猫の生活を守る活動をしていて、病気やケガに注意してくれる。病気の予防注射もしているって話していた。</div><div><br></div><div>他にも外猫の数のコントロールと話してくれたけど、要は避妊手術のことらしい。</div><div>そうすると、手術を受けたにゃんこは、うちや他のボランティアさんの家に保護されて、ゲージで過ごす事になる。</div><div>そうする、「ゲージから出して！」って、保護猫さんが騒いでる。</div><div>家の中が一気に賑やかになるの。</div><div><br></div><div>保護猫さんをゲージから出さないのは、私に病気や害虫を移さない為だって。</div><div>外猫さんは、色んな病気を持っている事が多いからって、ユウキのお母さんが話していた。</div><div>なるべく、家でシャンプーをするのだけど、手術の後には出来ないから、</div><div>手術の前にシャンプーを済ませていくの。</div><div>どのにゃんこも大暴れだけど、</div><div>シャンプーの後は、ふんわりしてツヤツヤになっている。</div><div><br></div><div>私は、綺麗だねぇ！って、褒めているけれど、たいていはむすっとしている。</div><div>それは私がシャンプーをした後もそうだから、気持ちは良く分かるけど、</div><div>嫌な事の後には、スッキリした気持ちになるよ。</div><div>みんなも、そうなると良いね。</div>
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<link>https://ameblo.jp/temari10106/entry-12461873651.html</link>
<pubDate>Fri, 17 May 2019 09:17:13 +0900</pubDate>
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<title>10回目の春［６］</title>
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<![CDATA[ <div>［６］</div><div>それから、穏やかな季節を過ごしていたら、急に、本当に急になの。</div><div>外へ出たくなって、男の子に会いたくなって、</div><div>外への要求が耐え難くなって、窓際で、大声をあげていたんだ。</div><div>「にゃーう、にゃーう、なやーう…」</div><div>「ぎゃーお、ぎゃーお、ぎゃーお…」</div><div>ユウキにも『うるさい！』って、何度も言われたし、家の人の戸締まりも更に厳重になって。</div><div>何でなの？って、叫んでた。</div><div>ユウキの家族が、私の身体に起こっていることを理解していたって考えると、しっくりくる。</div><div>それも、今だから言えるのだけど、あの時は、必死だったの。</div><div><br></div><div>それが、発情なんだって、何度も説明を聞いた。</div><div>それよりも、身体の中が熱い。</div><div>じっとなんて、していられない。</div><div>家の中を駆け巡っていた。</div><div>時々、しっぽの付け根をトントンってしてもらうと落ち着いたけど、私は、ユウキにも弱みを見せたく無いから、何とも無いように振る舞っていた。</div><div><br></div><div>そして、運命の日。私がお医者さんを嫌いになった日！</div><div>その日は、ユウキがお医者さんに予約してあるからと言って、</div><div>私を洗濯ネットに入れて、更にゲージに入れて、病院に連れて行かれたの。</div><div>そして、ゲージから出されて体重を測ったら、720g。</div><div>首の付け根に注射。それで私は眠くなって・・・</div><div>お腹が痛くて目が覚めたら、知らない匂いのゲージの中だった。</div><div>「ギャーー！ギャーー！・・・」</div><div>泣きましたよ。痛かったし、こんなことにしたお医者さんを許せるなんて、そんな訳無いでしょ。</div><div><br></div><div>夕方、ユウキが迎えに来てくれたけど、</div><div>それまで暴れていたの。</div><div>ユウキの顔を見て、ホッとした。</div><div>「ニャーーー」</div><div>力が抜ける思いだった。</div><div>余りにも暴れたせいか、お医者さんが抱っこしようとしても、私は拒否していた。</div><div>それで、お医者さんがユウキを呼んで、ユウキがゲージから出してくれた。</div><div>嬉しくて、嬉しくて、仕方なかったよ。</div><div><br></div><div>ユウキに抱きついて、抱っこして貰いながら、気持ちは家に向かっていた。</div><div>お医者さんも、</div><div>「手術して、こんなに暴れた娘は、初めてですよ。</div><div>まだ、薬の影響で暴れるかも知れませんから、危険ですよ。」</div><div>お医者さんはそう言うけれど、私がユウキに爪を立てる時は不機嫌な時。</div><div>だけど、今は、離れていた時間の不安のほうが大きくて、ユウキの匂いに包まれていたかった。</div><div>お医者さんには、いつか爪を立てるって誓ったけど、未だに決行出来ない。相手のほうもさるもので、私の相手にはなってくれない。</div><div>手術してから９年と少し。</div><div><br></div><div>ユウキに抱かれて、お医者さんの話を聞いていたから、大体のことは分かった。</div><div>私が受けたのは、『避妊手術』というもので、子宮や卵巣を切除したらしい。</div><div>だから、もう、お母さんになることは出来ないの。</div><div>元気になってから思い出して、寂しくなった。</div><div><br></div><div>家に帰って来たら、ユウキが中学生の頃のTシャツを裁断して、首や背中で結び付けて、着せられちゃった。</div><div>その頃の写真、当時のユウキの携帯というものにあるらしいけど、探すのは難しいらしい。残念だな。</div><div><br></div><div>毎日、ユウキのお母さんが傷口の消毒をしてくれて、ガーゼやTシャツを替えてくれて、傷口が塞がったら、ホッチキスみたいなものも外してくれた。</div><div>そして、かさぶたが外れるまでという約束で、Tシャツを着てたけど、やっぱり、慣れないものが肌に触れると、変な感じが拭えない。</div><div>何より、グルーミングが出来なくて、不満がいっぱい。</div><div><br></div><div>手術したら、普通は傷を舐めないように、</div><div>エリザベスカラーというパラボラアンテナみたいなものを着けるらしいけど、</div><div>私は着けなかったの。だから、Tシャツ。</div><div>パラボラアンテナよりは、はるかに良かったよ。</div><div><br></div><div>ガーゼもTシャツも無くなったら、</div><div>そうなると、元気いっぱいの私に戻った感じ。</div><div>家の中を走り回るのを再開。楽しい毎日に戻った感じ？</div><div>楽しくて楽しくて仕方がなかった。</div><div><br></div>
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<pubDate>Fri, 17 May 2019 09:14:48 +0900</pubDate>
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<title>10回目の春［５］</title>
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<![CDATA[ <div>［５］</div><div>普段の私は、ユウキの部屋で過ごすことが多い。</div><div>それから、ユウキのおばあちゃんのベッドの上。</div><div>おばあちゃん、病気で寝たきりで、身体が痛くなる病気なんだって。</div><div>優しくて、私に沢山お話をしてくれるから、身体が痛くなる病気なんて、可愛そうで、涙が溢れてくる。</div><div>優しい人だから、辛い病気になったのかな？なんて、考えていたの。</div><div><br></div><div>それに、ユウキのお母さんの膝の上で眠ることも多いけど、やっぱりユウキの部屋の部屋の窓際のベッドの上が一番。</div><div>夜はユウキと一緒に眠るし、ユウキが仕事の時間もユウキのベッドの上。</div><div>ご飯は台所で食べて、トイレもユウキの家のトイレに置いてある。</div><div>今でこそ、遊ぶ事も少なくなったけど、子猫の頃は、ユウキがバテるまで、ユウキに遊びをねだっていた。</div><div>私が好きなおもちゃは、キラキラの紙が付いた、釣竿型の猫じゃらし。</div><div>これがあったら、何時間でも遊べる。</div><div><br></div><div>だけど、誰もが不思議がることは、私が粉末のマタタビを嫌っていること。</div><div>たまに、</div><div>「ストレスも多いでしょ。お酒の代わりに如何かな？」</div><div>と、マタタビをくれる人がいるけど、ちっとも酔えないの。</div><div>同じマタタビ科？なら、マタタビの枝かキウィの枝のほうが、何倍も嬉しい。</div><div>こっちのほうが長く香りを楽しめるし、コロコロ転がるのを追いかける楽しさもある。</div><div>キウィの枝からも、マタタビみたいな香りがするって、知ってる？</div><div>キウィ農家さんから、猫ちゃん用にって、ユウキのお父さんが貰ってきたの。</div><div>これは私専用だから、ぼろぼろになるまで齧って転がして引っかいていたら、いつの間にか無くなることが多いけど、沢山有るから大丈夫。</div><div>外猫さんへはあげないって聞いた。約束もしたから、全部私のもの。</div><div><br></div><div>理由は、喧嘩になったり、嫌なことをする時に使ったら、外猫さんと人間の信頼関係が壊れるからだって聞いた。</div><div>そんなに嫌なことって、何のことなのか？子猫の頃は知らなかったけど、病院が嫌なのだと、家に泊まる猫さんから聞いた。</div><div>１週間くらい家にいると、うちでずっと生活したいって、話も聞く。</div><div>その時はユウキのお母さんに</div><div>「ニャァー！ニャァー！」</div><div>って、教えると、外に出されることも無くて、新しい家族を紹介してくれる。</div><div>そして、引っ越した所の家族から、リラックスしている写真が送られてくるの。</div><div>それを見ると、私も嬉しい。</div><div>ひとりっきりよりは、雨や風が防げるお家で、</div><div>家族と一緒が一番だって、私は信じているから。</div><div><br></div><div>だけど、最近は、この枝のマタタビが、近くのペットショップ屋スーパーに売っていないって尋いた。</div><div>他のにゃんこはどうしているの？</div><div>枝が好きなにゃんこって、他にもいると思うのだけど、皆んな黙っているの？声に出しているのは、私だけなのかな？</div><div>それとも、あの、私の好みには程遠い、粉末のマタタビで満足しているの？</div><div>私には、到底我慢は出来ないの。だから、キウィの剪定の季節を待っています。</div><div><br></div><div>「何故？」って、疑問に思うけど、ペットショップやスーパーにホームセンターには、私みたいなにゃんこは入れない。</div><div>間違えて入ったら、箒で追いかけられたって、近所のミー姉さん。</div><div><br></div><div>そういえば、ミー姉さんの声を聞かなくなってから、随分日が経っているな！って、私の子にゃんこの頃を思い出しながら、考えていたの。</div><div>私の散歩には、ミー姉さんが居てくれなかったったら、出来なかったって、今でも思い出すの。大きな犬の前を通る瞬間。車の多い道路。</div><div>本当に怖かった。</div><div>今では、ほんの少しだけ、平気になったよ。</div><div>だけど、本音を口にすると、未だに怖いのが現実。</div><div>ミー姉さん、どうしているかしら？</div><div>元気にしていると、信じています。</div><div><br></div><div>そして、最近、ユウキのおばあちゃんから聞いたのだけど、外猫さんの寿命って、本当に短いって、知りました。</div><div>そして、死因って言うのかな？命の終わりの原因の多くが、交通事故と感染症と空腹。</div><div>お腹が空いているのだから、毒入りのご飯を食べると思うし、お腹が空いて死にそうだから、毒入りのご飯を食べなくても長生きは出来ないように、私は感じるのだけど、人間の考え方って、不思議だね。死につつある動物に毒をたべさせ、早く死ぬようにって、考えているのかな？</div><div>何だか？私には、違うように感じます。</div><div><br></div><div>ここにもおばあちゃんの話だけど、おばあちゃんも動物が好きなのだそう。</div><div>だけど、当然なんだけど、動物が嫌いな人もいるから、動物を嫌いな人が、</div><div>「見たくも無い！」</div><div>って、考えて、殺すのだって。</div><div>その人達から見たら、ユウキのお母さんのようなボランティアの人たちを、どんな風に見ているのかな？</div><div>きっと、良い風には、見えていないよね。私でもそう思うから。</div><div>いつか、ユウキのお母さんが嫌がらせの事故に遭わないようにって、私も願っています。神さま、助けてあげてね。お願い。</div><div>悪い人間では、決して無いからね。</div><div><br></div><div>私って、何度も何度も、ユウキの家の窓や玄関から脱走しているの。</div><div>最初は散歩で、それから脱走のスリルが楽しくなって…</div><div>それで最近は、本当に最近はミー姉さん探し。</div><div>本当に何処にも見当たらないし、共通の知り合いも、どんどん減っている。</div><div>これが、外猫の寿命というものなのかな？</div><div><br></div><div>帰ってきたら、ユウキやユウキのお母さんから叱られてシャンプーされているの。</div><div>網戸を身体で外して脱走した翌日にはね、</div><div>網戸がガムテープで固定されてしまった。</div><div><br></div><div>最近は、トイレの窓から脱走するの。</div><div>5cmくらいの幅なら、私は潜り抜けられるの。</div><div>ひげの幅が無いと、通り抜けられないなんて、迷信だよ。</div><div>だって、私には可能なのだから。</div><div>顔のひげの幅は、15cmくらい有るけど、</div><div>それよりも狭いところを通り抜けるのが、私の楽しみ。</div><div>誰か？窓を開けて！私を外に出して！って。トイレで騒いで、外を眺めている振りをして、誰も居なくなったら決行！</div><div><br></div><div>それからしばらくは、外に出しては貰えなくて、</div><div>外が大好きになっていた私には、ストレスが盛りだくさん。</div><div>外を歩ける自信もついてきたし、怖さも減ったから、</div><div>「外に出して！」</div><div>って、毎日叫んでいたの。</div><div>今は、家族の隙を狙っているよ。</div><div>当たり前でしょ。</div><div><br></div><div>それからね、ユウキの家に来て２か月くらいの頃、</div><div>「外に飛び出しても大丈夫なように！」</div><div>って、またお医者さんに行ったの。体重は350g。</div><div>順調だって、言われた。</div><div>その時は、何をするの？私の身体には何もさせないわよ！って、睨んでいたら、</div><div>首の後ろの弱点に、注射を１本。</div><div>５種混合の予防接種だって。</div><div>この時は、まだ許せたの。何でだろう？</div><div><br></div><div>この注射の後から、お医者さんがプレゼントのカリカリをくれたけど、</div><div>私の好みの味では無かったし、お医者さんも、</div><div>「仔猫用の試供品だけど、栄養価が高いから、食べ過ぎに注意してね。」</div><div>とだけ、言っていた。</div><div>だけどね、お医者さんのカリカリを食べているとくせになってね、いつまでも食べ続けるの。</div><div>「後ろ髪を引かれる！」って言葉、ようやく理解出来た。</div><div>本当にお皿が空になると、物足りなさに襲われる。</div><div>我慢できなきなくなる。でも、本当のひもじさは先にあったの。</div><div><br></div><div><br></div>
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<pubDate>Fri, 17 May 2019 09:12:31 +0900</pubDate>
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<title>10回目の春［４］</title>
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<![CDATA[ <div>［４］</div><div>私は、予想している人もいると思うけど、現在９歳。</div><div>正確な誕生日は知らないの。</div><div>ユウキの家族になった日は、梅雨の真っ只中。</div><div>しとしとと雨が降る日だったことだけは、覚えている。</div><div>私の誕生日は、ユウキの家族になった日だって、ユウキが教えてくれた。</div><div><br></div><div>ユウキの家族になった次の日には、お医者さんに行ったの。</div><div>その日は、体重を測って、160gだった。</div><div>診察を受けたら、元気が良いね！って。体重も月齢相応だって。</div><div>この時は、お医者さんが怖いとは思っていなかった。</div><div>だけど、後から怖くて、怖くて仕方の無い状態になったの。</div><div>その理由は、後から書くね。</div><div><br></div><div>診察を受けたら、</div><div>「ティアちゃんの耳は大きいから、喧嘩っ早くて、脱走に注意だよ。」</div><div>だって。うん、当たっている。</div><div>それから、</div><div>「産まれてから、１か月から２か月の間。」</div><div>うん、こちらも合っている。</div><div>あと、２か月後に予防注射を受けるようにって、ユウキが言われて、</div><div>私はこの時までは平気だった。</div><div>予防注射なんて、知らなかったしね。</div><div><br></div><div>それから、避妊手術の説明があったけど、私にはチンプンカンプン。</div><div>それも、私は受けなくてはならないらしい。</div><div>この時、もっと話を聞いておくべきだったと、後から後悔したけど、後悔先に立たずって、このことだったのね。</div><div><br></div><div>それから、ユウキが私の風邪を心配していた。</div><div>私は、雨が降る中、三日三晩外で過ごしたから、当然風邪気味。</div><div>鼻水が垂れて、両眼から涙が溢れてるって、本当にそうだったのかな？</div><div>今となっては、確かめる方法は無いのだけど。</div><div><br></div><div>風邪は、きちんとご飯を食べて、暖かい布団で寝れば治るけど、</div><div>この子猫の時期の風邪は、後遺症が残るらしい。</div><div>今もそれで悩みが無くならない。</div><div>風邪をひくたびに左の鼻涙管が腫れて詰まるから、左眼が涙眼になって、眼から鼻への左側の毛が禿げてしまっている。</div><div><br></div><div>眼から鼻への禿げたところ、涙が溢れる度に赤く腫れて、痛くて痒くて辛くなる。</div><div>手や足で掻いていると、ユウキが手を取って、</div><div>「止めようね。」</div><div>と、言ってくれるけど、そんなに簡単な痒さでは無い。</div><div><br></div><div>そんなことを考えながら掻いていたら、ばっと身体を掴まれた。</div><div>そして、上向き抱っこをされた後で、眼が僅かに滲みる薬を、両眼に注された。</div><div>尋いたら、ユウキの眼科の目薬で、余ってるものだって。</div><div>動物のお医者さんの許可を受けたものだって聞いた。</div><div><br></div><div>花粉症の季節にも、鼻がムズムズ、涙がポロポロだけど、</div><div>飲み薬を拒否したら、目薬だけはした方が良いって、先生に言われて、</div><div>毎日２回の目薬をがんばっているの。</div><div>ユウキも花粉症だけど、私の分には保険が効かない。</div><div>それにね、ユウキは毎年使い切っているから、人間の保険なんて、</div><div>使える訳が無い。</div><div><br></div><div>眼薬は、猫の習性で、条件反射で逃げているけれど、</div><div>目薬を差した方が、眼の痒みが軽くなる。</div><div>眼から鼻への禿げもだんだんと小規模に。凄く助かります。</div><div><br></div>
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<link>https://ameblo.jp/temari10106/entry-12461872413.html</link>
<pubDate>Fri, 17 May 2019 09:09:52 +0900</pubDate>
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