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<title>天の夢 草の語り</title>
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<title>文明開化①</title>
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アメンバー限定公開記事です。
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<link>https://ameblo.jp/ten-kusa/amemberentry-10368417147.html</link>
<pubDate>Mon, 19 Oct 2009 16:05:14 +0900</pubDate>
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<title>歌うよ！（？）</title>
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アメンバー限定公開記事です。
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<link>https://ameblo.jp/ten-kusa/amemberentry-10365201314.html</link>
<pubDate>Thu, 15 Oct 2009 10:18:21 +0900</pubDate>
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<title>【霧の町】１４</title>
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<![CDATA[ <p><font size="2">「霧の町」</font></p><br><p><a href="http://ameblo.jp/ten-kusa/entry-10303609788.html"><font size="2">最初から読む</font></a> <font size="2"><br></font></p><p><a href="http://ameblo.jp/ten-kusa/entry-10314484839.html"><font size="2">直前から読む</font></a> <font size="2"><br></font></p><br><br><p><font size="2">◆◆◆◆◆</font></p><p><br><font size="2">　残された女性陣はクローゼットの扉が閉まると同時に、吹き出した…が。笑いが収まり、リエルは、ふ、と溜息をつく。<br>『心配スンナ』<br>　溜息を吹き飛ばすようにファウストが目の前を飛び、アサカゼがその横に並んだ。<br>「自分たちに任せて欲しい。きっとこのために自分たちはこの町へ来たんだ。運命に呼ばれたのかも知れない」<br>「ええ…」<br>「…貴女の仕事は、ちゃんとあるよ。この町の人たちが、もし城へ反逆を企てたりしたら…止められるのは貴女しかいないんだ」<br>「…そうね…ありがとう」<br>『ソレヲ言ウノハマダ早イゾ。トリアエズ、変装ガ上手クイッテ、城ニ入レルカドウカ、ソコガ問題ダ』<br>　ニヤリとするファウストに、また笑いが戻ってくる。</font></p><p><br><font size="2">◆◆◆◆◆</font></p><p><br><font size="2">　しばらくしてクローゼットから出てきたのは、キリタチに後押しされそろそろと歩いてくる、黒い長袖、丈の長いスカートのワンピースドレスを着たバイスだった。髪と同じ色のウイッグを付け、長髪になっている。<br>　おぉ、という感嘆の声が小さく上がった。キリタチが曖昧に笑って肩をすくめる。<br>バイスは誰とも目を合わせようとせず、そっぽを向いて息を吐いた。<br>「…これでいいですね」<br>「ちょっと…それ喪服じゃない！」<br>　信じられない、という表情でリエルがバイスを見る。<br>『サスガ悪魔、チョイスガ違ウナ』<br>　ファウストがボソリと呟いて満足そうに頷く。</font></p><p><font size="2">「…ていうか…あのクローゼットの中がおかしいんですよ！あんな派手な服ばっかり！！一体どんな行事で使うんですか！？毎日がダンスパーティーですか？！」<br>　バイスの興奮した様子から、クローゼットの中の壮絶な情景が浮かんでくる。アサカゼはげんなりとしたように見えるキリタチに駆け寄った。<br>　アサカゼを見上げて、キリタチがぽつりと呟く。<br>「…この服、まだ控えめな方だったみたいだよ」<br>「…そうだったのですか」<br>　随所に重ねられたフリルに、リボンが踊っているこの服ですら…？</font></p><p><font size="2"><br></font></p><p><font size="2">「あの服は全部、大ばあ様が私のために買ってくれた服よ」<br>「えええ！！？」<br>「それより、もっと腕とか足とか出しなさいよ、あなた細いんだから」<br>　不満げなリエルに、バイスはつんと顔を背ける。<br>「嫌です絶対見せません」<br>「…っ、そう言われると逆に…」<br>「ま…まあ落ち着いて、リエルさん」<br>　キリタチがフォローに入り、リエルはしぶしぶ引き下がる。<br>「やればできるじゃないか、バイス」<br>　アサカゼが「見直した」と言わんばかりの表情でバイスを見ていた。<br>「それは、どうも…」<br>　やっぱり、この少女はどこかずれている。<br>　そんなところを見直されても…とバイスは乾いた笑いで答えた。</font></p><br><p><br><font size="2">◆◆◆◆◆<br></font></p><p><br></p><p><font size="2">「迎えが来るのは、朝日が差し込むときよ」<br>　テーブルに全員がついたところで、リエルが話し始めた。<br>「まだ時間はあるけど、眠っておいた方がいいわ。簡単に説明するわね。<br>…まず、迎えに来る城からの遣い…奴らは見た目はともかく、普通じゃないような馬鹿力を持ってるの」<br>　バイスがちらりとアサカゼを見て、睨み返され小さくなる。リエルはそれには気付かずに続けた。<br>「だから、逆らわないでついていって。わたしは前…感謝祭のときだったかしら、伯爵さまが今みたいになる前に城に行ったことがあったんだけど、城は相当広いから…二人とも、ばらばらにならないようにね。バルコニーの有る広間が伯爵のお気に入りの場所…だったらしいんだけど、今はどうなのかしらね…」<br>「退路はどうです？」<br>　キリタチが口を開いた。<br>「僕たちの目的は、伯爵を罰することじゃない。問わなければならないことが有る…逃げられては元も子もないんです」<br>「城の入り口は一つよ」<br>　リエルが人差し指を立てる。<br>「城の前は堀、後ろは山…というか、崖になっているの。崖はかなり険しくて…普通の人じゃ絶対に降りれないし、登るなんて考えられないわ。堀も深いし、丸見えだし渡れない。城へ行くには、跳ね橋を渡るしかないはずよ」<br>「成る程。…それなら、」<br>　キリタチはアサカゼを見て薄く笑う。アサカゼは深く頷き、<br>「自分の務めだ」<br>　と一同に力強く告げた。<br>「マスターとバイスが渡った後、自分が橋を落とします」<br>「ええっ！？」<br>「アサカゼさん？！」<br>「問題ありません。護国の体技をもってすれば、普通の橋など。…そして、傍観に甘んじるつもりは無い、直ぐに背後の山に周り、そちらから城へ向かいます。城の裏手からの侵攻など、伯爵とやらは想定していないに違いない。必ずや隙を衝ける筈です」<br>「…出来るのかい？」<br>　大ばばがじろりとアサカゼを見る。臆せず、アサカゼは頷いた。<br>「僕は、アサカゼを信じてます。気配を消しながらチカラを発揮できる、彼女じゃなきゃ出来ない策ですよ」<br>キリタチが穏やかに言う。そうかい、と大ばばは頷き椅子に深く沈んだ。が、リエルは納得がいかなかったようだ。<br>「でも…アサカゼちゃん…」<br>『面白クナッテキタナ』<br>　と、そこで、ファウストがリエルの言葉を遮った。<br>『ソレナラ、オレガ一緒ニ行ッテヤロウカ？』<br>「ファウスト？」<br>　予想だにしていなかったファウストの言葉に、皆は一斉に天井付近を見上げた。ニヤリと笑って、ファウストはアサカゼの横に現れる。<br>『面白イモノガ見レソウダ。オレハ姿ヲ隠セルシナ、悪イ話ジャナイダロ』<br>　アサカゼは初めは驚いたような顔をしていたが、キリタチの笑顔に押され安心したようだった。<br>「頼む…ファウスト」<br>　ふ、と笑うアサカゼに、場の雰囲気が僅かに明るくなる。</font></p><p><font size="2">　満足そうに大ばばが頷いた。<br>「決まりだね」<br>「そっちの役が良かったなぁ…」<br>「何か言ったかバイス」<br>「いえっ！！賛成です！！まかせて！！騙しまくるよ！！」<br>　冷や汗をかいてにっこりと笑うバイスを見て、アサカゼは頷いた。</font></p><p><br><font size="2">◆◆◆◆◆<br></font></p><br><p><font size="2"><a href="http://ameblo.jp/ten-kusa/entry-10352793495.html">続きを読む</a></font></p><br><br><p><font size="2">（夏草）バイスには喪服がお似合いです（笑）ちゃんとキリタチを守るよう、頑張りますよ！！</font></p><p><font size="2">そしてアサカゼとファウストのペアがどのようなものになるのかがすごく楽しみですｗｗ</font></p><p><font size="2"><br></font></p><p><font size="2">（てんまん）アサカゼ強いな…っていうか怖いなｗｗ（今更←）</font></p><p><font size="2">バイスちゃんとキリタチちゃんはちょうど黒と白で対照的でいいなーって思いますｗｗ色的にも映えるよね！　うふふこのコンビ×２、好きですｗｗ</font></p>
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<link>https://ameblo.jp/ten-kusa/entry-10314488892.html</link>
<pubDate>Mon, 28 Sep 2009 21:30:00 +0900</pubDate>
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<title>【霧の町】１３</title>
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<![CDATA[ <p><font size="2">「霧の町」</font></p><br><p><a href="http://ameblo.jp/ten-kusa/entry-10303609788.html"><font size="2">最初から読む</font></a> <font size="2"><br></font></p><p><a href="http://ameblo.jp/ten-kusa/entry-10314481678.html"><font size="2">直前から読む</font></a> <font size="2"><br></font></p><p><br><br></p><p><font size="2">◆◆◆◆◆</font></p><br><p><br><font size="2">　月の光が陰る中、リエルの姿はいつの間にか見えなくなっていた。代わりに、ランプがリンゴの樹にかけてある。それを取って、四人はリエルを追った。</font></p><p><font size="2">　リンゴ畑を抜け広い庭に出ると、リエルの家の窓から温かな明かりが漏れている。先に帰ったリエルがいろいろと準備しているのだろう、４人は足早に家の中に入った。</font></p><font size="2"><p><br>「おかえり」<br>　ドアを開けて早々、無愛想な声の大ばばがじろりと４人に目を向けた。<br>「大ばば様、起こしてしまいましたか…すいません」<br>　キリタチが申し訳なさそうに言うのを横目に、バイスは前に出てリエルの姿を探す。<br>「お婆さん、リエルさんは…？」<br>「礼儀の無い子だね、キリタチを見習いな。…リエルならお前たちの服を探してるよ」<br>　後半にニヤリと怪しい笑みを残し、大ばばは揺り椅子にもたれる。<br>「「服？」」<br>「ああ。リエルから大体聞いた。伯爵の持つ奇妙な力と、得体の知れないお前たちの力…無関係とは言わせない、いや、関係があるんだろ」<br>「…かも知れない、恐らく…」<br>　頷きながら言うキリタチに、大ばばはニヤリと笑う。<br>「行ってもらうよ、城にね。」<br>「でも、それと服に何の関係があるんですか？」<br>　問うバイスを大ばばはじろりと見て、そして…鼻で笑った。</p><p><br>　キリタチとバイスはお互い顔を見合わせ、首を傾げる。と、アサカゼが部屋の戸を閉めるのと同時に、リエルが部屋の隅の扉から現れた。何かを隠すように両手を後ろに回し、にっこりと笑っている。</p><p><font size="2">「お帰りなさい、待ってたのよ。いいものを見つけてきたの…大ばば様が考えた明日の作戦、きっとうまくいくわ！」<br>　嬉しそうな笑顔のリエルを見て安心し、キリタチもつられるようにほほ笑む。どんな名案が浮かんだというのだろうか。<br>「それは良かっ…」<br>　笑顔のキリタチの前にリエルがさっと近づく。キリタチが言葉をはたと止めたその時、リエルは後ろ手に隠していたものを唐突にキリタチの胸にあてた。<br>「え？」<br>　確かにそれは服、だったが。<br>「うん、似合うと思ってたわ！キリタチ君は白ね！」</font></p><font size="2"><p><br>　その光景にバイスとアサカゼは唖然として硬直した。<br>　紅茶の好みを当てた時のように楽しそうに笑うリエルの顔。<br>　綺麗な生地で作られた純白の、…レースやフリルが多くあしらわれたドレスがそこにはあった。</p><br><p><font size="2">「じゃあ、ちょっと着替えてもらってもいい？サイズはこれで良いと思うんだけど…」<br>　そう言って周囲を取り残したまま、リエルはキリタチの上着に手をかける。<br>「えっ…リ、リエルさん？」<br>　当然のような顔のリエルに押され、キリタチはテーブルに追い詰められ退路を絶たれていた。はっと我に返る。<br>「リエルさん！」<br>　上着の留め具が外され焦り見上げるが、…駄目だ、楽しそうな笑顔だ。<br>　抗おうと手を伸ばすが、体格差で押し切られてしまった。いつの間にか脱がされテーブルの上に置かれていた自分の上着を見て、ぎくりとする。背中を冷たいものが伝わっていった。</font></p><p><font size="2"><br></font></p><p><font size="2"><br></font></p><p><font size="2">「バイス！」<br>「は、はいっ？！」<br>　突然呼ばれ、嫌な汗をかきながらバイスはアサカゼを振り返った。<br>「…どうしよう…！」<br>　情けなく困りきった表情でリエルを指差しおろおろとするアサカゼに新鮮な気分を感じながらも、どうしたら良いのか解らないのはこちらも同じだった。<br>「どうしよう…って…、………ファウスト…！」<br>　バイスは頭上を見上げたが、ファウストは…言うまでもなく面白そうにニヤニヤと笑っているだけだった。</font></p><p><font size="2"><br></font></p><p><font size="2">　そうこうしているうちに、しゅ、と衣擦れの音も爽やかにリボンが結ばれる。<br>「はい、出来上がり！」<br>　理解が取り残されて。<br>「…あの…リエルさん？これはどういう…！」<br>　リエルに着せ替えられたキリタチは、ふわふわしたスカートを着せられている自身の格好を見て耐え切れなくなったように顔を赤くする。<br>「私の勘は正しかったようね」<br>　てきぱきと、キリタチの少しはねている後ろ髪を手で梳いて下ろし、満足そうに頷いて、リエルは皆に見せるようにキリタチの身体をくるりと回した。<br>「わ…ちょっと…！」<br>　抵抗出来ず、キリタチは皆の前に送り出される。<br>「うん、ウイッグも必要ないわね」<br>　場が凍る。アサカゼは目を見開き、バイスは驚いて口を覆う。<br>　天使…否、純白のドレスに身を包んだ可憐な少女がそこにいた。可愛さに清楚な印象すら併せ持っていて、男でも女でも、すれ違ったら振り返ってしまいそうな…</font></p><p><font size="2"><br></font></p><p><font size="2">「……」<br>　言葉を探せないでいるアサカゼの横で、バイスが真面目な顔で呟いた。<br>「まさか女の子だったなんｔ…？！」<br>　すかさずそこに蹴りかかるアサカゼ。転倒するバイスを横目に、可憐な少女…いや、キリタチが居心地が悪そうに腕を抱きながら言う。</font></p><p><font size="2">「あの…これに何の意味が…？」<br>「あら、まだわからない？生贄に化けて城に入れてもらうのが、一番頭のいいやり方よ」<br>「え…ええっ！？」<br>　自信に満ちた様子のリエルには、間違ったことをしたという考えは微塵もないようだ。<br>　大ばばは揺り椅子の上で頷いていた。<br>「でも、こんな見え透いた…と言うか、すぐにばれちゃうんじゃないですか？」<br>　恥ずかしさからか俯きながらも見上げ、つまり上目遣いになるキリタチに、リエルならずアサカゼまでもが、思わず頬を染める。<br>　本人は無意識かつ、そんなつもりはないのだろうけれど、何でこんなに。<br>「ばれないわ、絶対大丈夫！！」<br>「大丈夫です、マスターならきっと、…うまく騙せます！！」<br>　いつの間にか、アサカゼがリエルサイドに取り込まれてしまっている。<br>　なぜか力いっぱい応援する女性陣に、キリタチは苦笑するしかなかった。</font></p><p><font size="2"><br></font></p><p><font size="2">「それ、…どういう意味…かな…」<br>『ドウモコウモ、オ似合イダッテコトダロ』<br>　ファウストが楽しそうに浮遊する。<br>「そんなに…？」<br>『違和感ゼロダナ』<br>　曖昧に苦笑する。ひらひらするスカートを手で摘んで、キリタチは諦めたように深く溜息をついた。</font></p><p><font size="2"><br></font></p><p><font size="2"><br></font></p><p><font size="2">「本当はキリタチ君みたいな可愛い子にこんなことはさせたくないけど…、ごめんね。だからバイス君にも同じようにドレスを着てもらって…」<br>「ちょっ…女の子ならここに…！！」<br>　危険を察知したように、バイスがアサカゼを指さす。アサカゼは虚を突かれたようだったが、はっとしたように、頷いた。<br>「そ、そうだ…自分はマスターに…」<br>　従う、と言おうとした…らしかったのだが、キリタチの姿を直視してしまい、言葉に詰まる。何だか、マスターと呼ぶのが躊躇われて。</font></p><font size="2"><p><br>　固まっているアサカゼの後ろで、リエルは逃げようとするバイスの腕をがっしりと捕まえていた。<br>「女の子を危険な目に合わせるのは私が許さないわ。アサカゼちゃんは行っちゃ駄目よ。そういう危ないことは男がやりなさい男が！！」<br>「いやアサカゼさんはああ見えて筋…、すいませんごめんなさい！でも僕、絶対無理って言うか…ほら、男前だから」<br>『ドコガダ、モヤシ男』<br>　素早くファウストが突っ込みを入れる。<br>「何だ、マスターなら大丈夫で、自分は無理だと言うのか！？」<br>　リエルサイドに付いてしまったアサカゼが、怒ったようにバイスを睨みつける。<br>「バイスも堂々としていれば大丈夫だきっと！！」<br>　ああ、根拠の無い自信までリエルにそっくり…</p><br><p><font size="2">「無理だって！！！」<br>　泣きそうな顔のバイスをじっと見て、リエルは口元に笑みを浮かべる。<br>「バイス君は、ピン…」<br>「黒！！黒がいいです！！」<br>　服の色を決められそうになって、バイスはとっさに叫ぶ。<br>「あら、着てくれるのね？」</font></p><p><font size="2">「………」</font></p><font size="2"><p><br>　しまった。<br>　…乗せられた…！？</p><br><p><font size="2">　気付けば、背後は壁だった。<br>「…もう、…いいです」<br>　諦めの表情でうなだれて、バイスは壁に寄り添う。リエルには勝てないと悟った。キリタチをちらりと見て、そしてお互い、頷く。女性陣の強さを認めて。</font></p><p><font size="2"><br></font></p><p><br><font size="2">「一応ピンクは用意してあったんだけど…黒がいいならクローゼットから好きな服を選んできてね♪」<br>　リエルが指さした扉の近くには、いつの間にかピンク色のドレスが用意されていた。ふわふわと夜風に遊ばれ、短めのスカート部分が涼しげに揺れる。</font></p><p><font size="2">　…いや、短かめなんてものじゃなかった。あの短さはかなり……<br>「選んできます」<br>　きっぱりとそう言いきって、バイスは迷い無くウォークインクローゼットの奥に入って行った。<br>　堪えきれなくなったのか、大ばばが満面のニヤリ笑いで、ふふん、と笑う。<br>「…あ、…あの、手伝ってきます」<br>　キリタチがその笑いから逃れるようにバイスを追った。</font></p><br><p><br><font size="2">◆◆◆◆◆</font></p><br><br><p><font size="2"><a href="http://ameblo.jp/ten-kusa/entry-10314488892.html">続きを読む</a> </font></p><br><p><font size="2"><br></font></p><p><font size="2">（てんまん）初めに一言☆　プロットは二人で考えましたが、大筋（ネタ）はなっちゃんの提供ですｗｗｗ←責任のなすりつけ合いｗｗ</font></p><p><font size="2">…うん、私も便乗しまくったのは認めるけｄ←</font></p><p>文章は完全に二人で書いたのが混ざり合ってるのですが、キャラが一人歩きはじめてますね！キャッホーイ　</p><p>うん、リエルさんがこんなにアグレッシヴだとはｗｗ　嬉しいけど！←<br><br></p><p><font size="2">（夏草）やっちまいましたね（笑）。キリタチのファンの皆様、誠に申し訳ございません(・∀・)←反省の色ナシ！でも加筆してさらにキリィを追い詰めたのはてーさんですよっさすが親ですっﾍ(ﾟ∀ﾟ*)ﾉ！！</font></p><p><font size="2">なんでしょう、リエルさんはライエルと違って強引レベル高いんでしょうね、まさかこんなことする子だとは・・・（笑）</font></p><p><font size="2">てーさんの添削でキラキラしておりますｗありがとうございました☆←なすりつけ合い(笑)</font></p></font></font></font></font>
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<pubDate>Wed, 16 Sep 2009 13:30:30 +0900</pubDate>
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<title>【霧の町】１２</title>
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<![CDATA[ <p><font size="2">「霧の町」</font></p><br><p><a href="http://ameblo.jp/ten-kusa/entry-10303609788.html"><font size="2">最初から読む</font></a> <font size="2"><br></font></p><p><a href="http://ameblo.jp/ten-kusa/entry-10314478768.html"><font size="2">直前から読む</font></a> <font size="2"><br></font></p><br><br><p><font size="2">◆◆◆◆◆</font></p><p><br><font size="2">　家へと戻る暗い夜道の中、先を急ぐリエルのランプが遠くで揺れる。<br>　その光をぼんやりと眺めながら歩いていたバイスは、独り言のように呟く。<br>「…リエルさんには言えなかったけど…、いや‥本当は誰にも知られたくはないんだけどさ」<br>　ちらり、とキリタチに目を向ける。ポケットにしまったままのバイスの片腕を優しげな目で見つめ、キリタチはバイスを見上げてきた。<br>「教えていただけませんか。貴男のこと、を」<br>　と、差し支えなければ、と肩をすくめる。その様子に裏など無いようだった。</font></p><p><font size="2"><br></font></p><p><font size="2">　少しのためらいの後、バイスはゆっくり口を開いた。<br>「僕は…、悪魔なんだ」<br>　そういってポケットから片手を出す。人間には不自然な黒い爪と、手の甲から腕の奥までの禍々しい模様が月明かりに晒された。</font></p><p><font size="2">キリタチは驚きもせず、ただじっとそれを見つめていた。<br>「キリタチ君の居たところではこういう存在は無いかも知れない。けど、「悪魔」は抹消されるべき邪悪な存在なんだ…。アサカゼさんは見たと思うけど、悪魔は人以外の姿になって強力な力を使える。だから普通の人間は悪魔に敵わない。それに悪魔は、人を騙して命を奪うから…」<br>　最後の言葉に、アサカゼは鋭く目を細める。<br>　諦めたような遠くを見る目で、バイスはポケットに手をしまった。</font></p><p><font size="2">「認めたくないけど…僕はそういう種族なんだ」<br>「種族…」<br>　キリタチが哀しげな瞳で呟く。<br>「いつだって、何処でだって、そうだ…人は、共通の敵を持つ時、一番安堵する」<br>　曖昧だが意味深なキリタチの言葉の、真意は解らなかったが、なんとなく通じた気がして、バイスは頷いた。人は種族を敵という括りに入れて、恐れ憎むのだ。</font></p><p><font size="2"><br>「…僕は人の命を奪ったりしないよ。絶対に。<br>だけど、なかなか信じてもらえないんだ、だから普通なら絶対人には言えないんだけど…今回は特別だね」<br>　困ったように笑って、バイスはキリタチに顔を向けた。<br>「じゃあ、次は君のことを教えてよ。さっきの羽は何？」<br>　興味津々な目で、今度はバイスがキリタチに質問した。ファウストもふわりと隣に現れる。<br>「僕のチカラそのものは…あってはならないもの、なんだけど」<br>　一瞬哀しげな表情をしつつ、すぐにそれを笑顔で隠し、キリタチは羽を一枚作り出して見せた。<br>「これはチカラが形を成したもので、術の道標みたいなものなんですよ。…チカラのことは魔力などとも言うようですが、大気中に満ちるチカラを精神で支配して現象を引き起こすのが術…えっと、わかります、か？」<br>『錬金術ミタイナモノカ？』<br>「まぁ…簡単に言うと、主に自然現象をちょっと起こしたりするような…そんな感じです。落雷、放電、竜巻とか…土砂崩れとか」<br>『…ツマリ自然災害カ』<br>「…言われて見れば…僕が使うのは、そうかも知れないですね」<br>　ファウストに突っ込まれ、キリタチは苦笑しつつフォローする。<br>「元々、術は大自然の脅威に対抗するために鍛えられたものなので、そうなっちゃうのは、まぁ仕方がないと言うか…」<br>　そのやりとりに、バイスが加わる。<br>「へえ…なんかすごいなぁ、…アサカゼさんも術を？」<br>　ちら、と視線を向けるが、アサカゼは口を閉じたままむすっとしている。代わりにキリタチが口を開いた。<br>「アサカゼもチカラを使ってますが、アサカゼの場合は、身体能力を高める体技と呼ばれるものですね」<br>「あぁ…それであんなに…」<br>　アサカゼの鋭い視線を感じ、バイスは次の言葉を飲み込んだ。筋肉少女なんていえない…。<br>「何だ、言いたいことがあるなら…」<br>「いえっ…何でもないです」<br>　滝汗のバイスの隣で、ファウストとキリタチが小さく笑った。</font></p><br><p><br><font size="2">◆◆◆◆◆</font></p><br><br><p><font size="2"><a href="http://ameblo.jp/ten-kusa/entry-10314484839.html">続きを読む</a> <br></font></p><br><p><font size="2">（夏草）今回は短めですが、お互いのチカラについて語る重要なシーンです！珍しく我が子がまじめにしゃべっております。（最後以外）</font></p><p><font size="2"><br></font></p><p><font size="2">（てんまん）真面目なバイス君もかっこいくってステキ☆</font></p><p><font size="2">ウチの子は可愛い顔して自然災害だし筋肉だしロクなものではｗｗｗ←笑</font></p><p>ウチの世界観では、術そのものは他の人も使うものなんですが、キリタチの場合チカラの「使い方」ていうか規模ですね…それが他の人とは違ってるんです（ちょっと補足ｗｗ）</p>
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<pubDate>Fri, 11 Sep 2009 21:00:00 +0900</pubDate>
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<title>【霧の町】１１</title>
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<![CDATA[ <p><font size="2">「霧の町」</font></p><br><p><a href="http://ameblo.jp/ten-kusa/entry-10303609788.html"><font size="2">最初から読む</font></a> <font size="2"><br></font></p><p><a href="http://ameblo.jp/ten-kusa/entry-10313315075.html"><font size="2">直前から読む</font></a> <font size="2"><br></font></p><br><br><p><font size="2">◆◆◆◆◆</font></p><p><br><font size="2">　互いに、不調和から和解へと、穏やむ兆しが見え始めた。<br>　が、その時。<br>「何してるの！！」<br>　突然聞こえた声に、一同は一斉に振り向いた。<br>　硝子が砕けたような気持ちになって、一瞬で気温が低下したような、そんな空気を感じる。</font></p><font size="2"><p><br>　揺れる灯火が近づいてくる。息を切らせて走ってきたのは、ランプを持ったリエルだった。リエルは怒ったように眉を吊り上げて、４人をキッと見る。<br>「勝手に出てはダメって言ったでしょ？！あなたたちは、この町が危険だってことが全然わかってないわ！！」<br>　気迫たっぷりのリエルに、４人は気まずそうにお互いを見る。リエルは一息つくと肩をおろして俯いた。<br>「…家に戻って。明日は朝早くにここを出てもらうわ。<br>…わたしはきっと見送れないから。あなたたちだけで…」<br>「何か、用事でもあるんですか…？」<br>　恐る恐る聞いたバイスの質問に答えは無く、代わりにリエルは顔を逸らす。不安気に見守る4人の前で、リエルは両手で顔を覆った。顔を見せまいとしているようだ。ざわ、と嫌な風が、りんごの葉を揺らす。</p><p>キリタチはリエルの様子に、何かを感じたようだった。<br>「リエルさん、」<br>　愁いの表情で静かに呟く。<br>「貴女はまさか…」<br>「……」<br>　リエルはそっと両手を下ろし、潤んだ目を隠すように体を反らした。<br>「…そうよ。明日、城から迎えが来るわ。昨日、知らせが来たのよ…生贄もとうとう長の家の番…」<br>　涙を拭うような仕草をした後、リエルは笑顔で４人の方に振り返る。<br>「大丈夫よ、あなた達を、絶対に危険な目には合わせない。ちゃんと帰れるように…」<br>「そんなの、だめですよ！！」<br>　突然バイスが声を上げ、リエルは驚いて目を丸くする。溜まっていた涙がぽろぽろと頬を流れ落ちた。<br>「リエルさんが生贄になる必要はありません。その伯爵って奴は、僕が何とかしてきますから…」<br>　言いづらそうに言葉を切って、バイスは涙目のリエルを困ったように見る。<br>「泣かないで下さい…」</p><br><p><font size="2">　りんご畑が一瞬、しん、とした。リエルの持つランプの灯が、不安定に、小刻みに揺れていた。<br>「リエルさん」<br>　穏やかなキリタチの声に、リエルは僅かに振り向く。<br>「伯爵の城へ行く必要はありません。僕たちに任せて下さい。<br>…ね？」<br>　最後の問いかけは、バイスへと向けられていた。当然、ファウストもセットで。<br>「…うん。何とかします、絶対！」<br>　バイスは大きく頷く。ファウストも小さくニッと笑った。<br>『マカセトケ』</font></p><p><br><font size="2">　かわるがわる4人を見ながら、それでもリエルは決心がつかないようで、涙が滲んだ声で呟く。<br>「…でも」<br>「大丈夫だ」<br>　アサカゼが力強く微笑んで、それを制した。<br>「これ以上、犠牲を増やすわけにはいかない。行かせて欲しい。それがきっと、自分たちの役目だ」<br>　リエルに見せるように、アサカゼは剣を手の中で持ち替える。英雄詩に出てくる正義の騎士のように。<br>　微笑んで、キリタチが片手を胸の前で開いた。その上に光る羽が数枚現れ浮かぶ。リエルは言おうとしていた言葉を、驚き飲み込んでしまったようで、口元に手を添えそれを見ていた。<br>「あなたたち…、」<br>「…ね？　ちょっとした、特技があるんです…僕たちは。だから、心配はいりません」<br>「…バイス君も、…なの？」<br>　少し震える声でリエルが問う。<br>「ま、まぁ…。あはは…」<br>　片腕を後ろに隠しながら、バイスは視線を反らして苦笑した。<br>『アンマリ自慢出来ル特技ジャナイケドナ』<br>「言わないでよファウスト！」<br>　むすっとした顔でバイスは口をとがらせる。自分のことは…知られたくない。<br>『イイダロ、ココノ奴ラハ「インフェルノ」モ知ラナイミタイダシ、一緒ニ城ニ向カウナラ隠シ通スナンテデキナイゾ』<br>「わかってるけどさ……って、やっぱりキリタチ君たちも一緒に行くんだ！？」<br>「もちろん」<br>　キリタチはにっこりとほほ笑む。<br>「で、…でも、……」<br>　君って、子供じゃ…と、そう言いたかったのだが。それを見事に先読んでいたらしい。キリタチはバイスが続きを言う前に、大丈夫、と返し、道を塞がれたバイスは、うっ、と言葉を飲み込む。<br>　その様子を横目で見て、ファウストはニヤリとして告げた。<br>『決定ダナ。明日、城攻メダ』</font></p><p><br><font size="2">　ファウストの弾んだ声に、リエルの不安げな表情がふっと緩んだ。<br>　この人たちなら、何とかしてくれるかもしれない…。そんな小さな希望が胸の中に生まれた気がして、リエルはすっと前に立つ。<br>「みんな、ありがとう」<br>　涙の跡をぬぐって。</font></p><p><font size="2"><br></font></p><p><font size="2">　４人は笑顔の戻ったリエルに安心して、ふっと笑みをこぼす。リエルは一息ついて、そして真っ直ぐに前を見つめる目を４人に向けた。<br>「それじゃあ今夜、明日のための準備をしなきゃね！家に戻るわよ！」<br>　突然意気に燃えたように、リエルは踵を返してリンゴ畑を戻っていく。不意を突かれたように４人もリエルの後を追って歩きだした。</font></p><p><font size="2">　４人の数歩先で、背筋を伸ばして、彼女は真っ直ぐに歩いている。<br>　その掌は、涙を封じ込めてでもいるかのように、固く結ばれている。<br>　もしかしたら、多少…無理をしているのかもしれない。</font></p><p><br><font size="2">◆◆◆◆◆</font></p><br><br><p><font size="2"><a href="http://ameblo.jp/ten-kusa/entry-10314481678.html">続きを読む</a> </font></p><br><br><p><font size="2">（夏草）女の子を泣かせてはいけませんよ、とティールに言われて育てられたので、バイスは女性の涙にめっぽう弱いのです（笑）←</font></p><p><font size="2">リエルさんの生贄フラグが消えて良かったですｗ</font></p><p><font size="2"><br></font></p><p><font size="2">（てんまん）バイス君なんて良い子なんだ…ｗｗｗ惚れ直すぜ☆</font></p></font>
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<link>https://ameblo.jp/ten-kusa/entry-10314478768.html</link>
<pubDate>Sat, 05 Sep 2009 12:00:08 +0900</pubDate>
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<title>きせかえしてみたｗ</title>
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アメンバー限定公開記事です。
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<link>https://ameblo.jp/ten-kusa/amemberentry-10332620230.html</link>
<pubDate>Mon, 31 Aug 2009 17:44:31 +0900</pubDate>
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<title>【霧の町】１０</title>
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<![CDATA[ <p><font size="2">「霧の町」</font></p><br><p><a href="http://ameblo.jp/ten-kusa/entry-10303609788.html"><font size="2">最初から読む</font></a> <font size="2"><br></font></p><p><a href="http://ameblo.jp/ten-kusa/entry-10313310927.html"><font size="2">直前から読む</font></a> <font size="2"><br></font></p><br><br><p><font size="2">◆◆◆◆◆</font></p><br><p><br><font size="2">　アサカゼに一瞬の隙が生まれたのを見て、バイスは逃げるように走り出した。<br>「見られた…？」<br>『カモナ』<br>　うかつだった、…オ前ノ秘密ガバレタラ、アノ女ニ殺サレソウダケドナ、だなんて、ファウストが楽しそうに言っていた言葉をちょっと思い出して、ぞっとする…。</font></p><p><font size="2">　焦りを隠せないままリンゴ畑を抜けようとする。もう少し、あと少しで畑を抜ける、と思った。アサカゼは振り切った。もう少しだ。</font></p><p><br><font size="2">　と、その時。突然に前方を柔らかい光が遮った。<br>「今度は何？！」<br>　バイスは立ち止まり、普通の腕に戻った手を前に構える。</font></p><p><font size="2">　光は、羽の形をしていた。羽が光っているというより、光が羽になっていると言ったほうが正しい気がする。<br>　数枚、風も無いのに流れてくる、その向こうから小さい人影が現れた。光る羽に淡く照らされて…<br>「アサカゼじゃ、止められなかったんですね。」<br>「キリタチ君…？」<br>　目を見開くバイスを、キリタチは真っ直ぐ見つめていた。</font></p><p><br><font size="2">　冷たくは無いが、温かくも無い瞳。子供とは思えぬ薄青の瞳は、僅かに細められている。<br>「すいません、先回りさせてもらいました」<br>「…僕たちが抜け出すって、解ってたの…？」<br>「なんとなく、ですけれど。<br>…貴男の気配が、魔物、伯爵の城の話を聞いたときに僅かに揺らいだんです。きっと、理由があるんだろうと思いました」<br>「……」<br>　そこまで解っているのか、とバイスは冷や汗のようなものを感じる。<br>「君は、一体…」<br>　僕と同じなんだろうか…と、思う反面、不安が膨らむ。<br>「…貴男を行かせたくないんです」<br>　言いながら、キリタチは一歩前へ出る。その姿を見て、<br>「！！！」<br>　バイスは、はっと息を呑む。<br>　さしたる動作もなく、静かに、白い片翼が開かれていた。</font></p><br><p><br><font size="2">　光を放つ純白の羽。<br>「…っ。天使……？」<br>　バイスは後ずさって、怯えるような憎むような表情でキリタチを睨んだ。その目は紅く染まっている。<br>『マサカ？…アイツカラ天使ノ気配ハ…』<br>　納得いかないような声でファウストが現れる。<br>　同時に、背後から今にも攻撃しそうな殺気を感じ、バイスは肩越しに振り返った。闇を抜けて現れたのは、アサカゼだった。</font></p><p><font size="2">　キリタチを前に困惑する二人を、さらに追い詰めるようにアサカゼはゆっくりと歩み寄ってきた。ナイフは持ったままだ。獣のような鋭い目でバイスを睨んでいる。<br>「マスター。貴方がチカラをお使いになるまでもありません。自分がこの者を捕らえます」<br>　アサカゼがナイフを投げ捨て、赤いスカートの下から小刀を取り出す。アサカゼが構えた瞬間、それは僅かな光と共に一振りの無骨な片刃の剣となった。黒い刀身、見たこともない形状。</font></p><p><font size="2">「な…っ！！！」<br>『来ルゾ、バイス！』<br>　バイスが腕を、太く鋭い黒い爪をもつ腕に変化させ、構える。<br>　交叉する、と思った。<br>　その時。アサカゼとバイスを隔てるように、光が走った。</font></p><br><p><font size="2">「…ッキリタチ君！？」<br>　白い羽を纏い、一瞬で、キリタチはアサカゼとバイスの間に入っていた。翼が広げられ、アサカゼの剣を止めている。<br>「マスター…！」<br>　アサカゼが剣を引いたのを見て、キリタチが、ふ、と表情を緩める。<br>「君は一体…」<br>　疑問を拭えないままのバイスは静かに腕の力を抜いた。</font></p><p><font size="2">　天使とは悪魔と対になる存在、もしキリタチが天使ならば、間違いなくバイスと対峙しているはず…それが、今はバイスを守る形で目の前にいる。</font></p><p><br><font size="2">『…ドウイウコトナンダ？俺達ノ邪魔ヲスルツモリジャナカッタノカ？』<br>　ふわりと目の前に現れたファウストに、キリタチは答える。<br>「…つまり、…一人では行って欲しくはなかったんです」<br>「一人で…って…」<br>　疑念を抱いた表情のバイスに、はにかんだように笑い返す。<br>「行くのを許してしまったら、僕が後で後悔する。<br>…バイスさんが人ならざる力を持っているのが解って、…だからこそ」<br>　その言葉にバイスは面食らって、え？と聞き返した。視線がぶつかる。<br>「僕のチカラは、…世界に存在してはならないものなんだ。だから、なんとなく…似ているかもしれないと思ったんです」<br>　言いながら、キリタチは手を肩の高さまで挙げる。ばさ、と翼が羽ばたいて、光の欠片となり、消えていく。</font></p><br><p><font size="2">　本来天使の翼ならば、背中から生えるはずである。キリタチが天使ではない、と認識したバイスはまだ少し混乱していたが、とりあえず、肩の力を抜いて、キリタチの言葉に耳を傾ける。<br>『変ワリ者仲間ダ、ッテ？』<br>「えぇ、まぁ…そんなような」<br>　変わり者、は、どうだろう…と呟き、苦笑しつつもキリタチは少し頷いて、ファウストを見上げていた。<br>「こんなことを言うのも、おかしいですけれど。でも、なんとなく気になってしまったんです」<br>「…マスター」<br>「それに、僕たちの目的は一緒だ、今はっきり解った。試してしまって…すいません」</font></p><p><font size="2">「目的…」</font></p><p><font size="2">「そう、…城が赦せないって、いうこと。だから、城へ乗り込むつもりだった」<br>　キリタチの言葉に、アサカゼは構えを解く。そして、幾分か穏やかになった眼でバイスをじっと見つめてきた。<br>「バイス…」<br>　貴様、ではなく、名前で呼ばれた、初めて。<br>　しかし続く言葉が見つけられなかったようで、困った顔をしてアサカゼはキリタチへと視線を移した。キリタチは、ただ笑顔で頷く。それを見て、アサカゼが脱力したように表情を和らげた。初めてバイスへ、睨むではない視線を送る。<br>「バイスさん、ファウストさん。城に行くなら、僕も行きます」<br>　と、微笑むキリタチの後を追いかけるように、アサカゼが頷いて言う。<br>「マスターが行かれるなら、当然自分も従う」<br>　今、その顔に、バイスへの敵意は無いようだった。</font></p><br><p><br><font size="2">◆◆◆◆◆</font></p><p><font size="2"><br></font></p><p><font size="2"><a href="http://ameblo.jp/ten-kusa/entry-10314478768.html">続きを読む</a> </font></p><br><p><br><font size="2">（てんまん）天使ネタにときめきました☆（笑）</font></p><br><p><font size="2">（夏草）ちょっとネタばれはいっちゃいましたがｗ天使様ｗｗキリタチには純白の翼が似合ってますｗｗあの優しい頬笑みを向けられたらバイスだっておとなしくなりますよｗｗ</font></p><br><p><font size="2">（てんまん）キリタチの笑顔は天然の爆弾（！？）ですからねｗ私も後ほどネタバレ入りますよー（笑）<br></font></p>
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<link>https://ameblo.jp/ten-kusa/entry-10313315075.html</link>
<pubDate>Fri, 28 Aug 2009 14:00:43 +0900</pubDate>
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<title>【霧の町】９</title>
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<![CDATA[ <p><font size="2">「霧の町」</font></p><br><p><a href="http://ameblo.jp/ten-kusa/entry-10303609788.html"><font size="2">最初から読む</font></a> <font size="2"> </font></p><p><a href="http://ameblo.jp/ten-kusa/entry-10313304827.html"><font size="2">直前から読む</font></a> <font size="2"> </font></p><br><br><p><font size="2">◆◆◆◆◆</font></p><br><p><br><font size="2">　窓を開けると湿った夜の風がバイスの髪を揺らした。しばらく外を眺めて、バイスはベッドに腰を下ろした。<br>「インフェルノかもね、伯爵って人は…」<br>『吸血鬼(ヴァンパイア)ノ可能性モアル』<br>　白い人玉が宙に現れ、フヨフヨと天井を舞う。<br>「どっちにしろ許せない、女の人をさらって血を吸うなんて…」<br>　バイスは苦いものを噛んだような顔でどこかを睨みつける。<br>『ソウダナ……』</font></p><p><font size="2">　何か引っかかるような様子のファウストは、バイスに向き直ってニヤリと笑った。<br>『ナァ、アイツラ…ドウ思ウ？』<br>「あいつら…って、キリタチ君たちのこと？」<br>　バイスの返答にファウストは頷く。バイスは少し考えるように顎に手をやってから、<br>「…不思議な人たちだよね、突然現れて…。いきなり攻撃されたけど…」<br>　最後の方は苦笑して、キリタチとアサカゼのいる隣の部屋の壁に目をやる。</font></p><p><font size="2">「でも、悪い人じゃないのは分かる。そうでしょ、ファウスト？」<br>『アァ、澄ンダ魂ヲシテル。ソレニ、強イ意志ノ力ヲ感ジタ。<br>何カ秘密ヲ持ッテルナ』<br>「秘密…か。お互い様だね」<br>　そう言って、バイスは企むような哀しむような目で手袋を眺める。<br>『オ前ノ秘密ガバレタラ、アノ女ニ殺サレソウダケドナ』<br>　楽しそうに言うファウストに、バイスはげっそりとした顔で苦笑いする。<br>「……確かに。<br>でも、キリタチ君は耳が尖ってたから人間じゃないかもね、もしかしたら…」<br>『オ前ト同ジ…カ？』<br>「だったらなあ…って」</font></p><p><font size="2">　えへへ、と笑うと、バイスはベッドから起き上がる。<br>「夜も更けてきたし、そろそろ行こうか」<br>『オウ』</font></p><br><p><br><font size="2">◆◆◆◆◆</font></p><br><p><br><font size="2">　深夜、二階の部屋のドアが静かに開いた。オレンジ色の髪の少年、バイスはするりと部屋を出ると、キリタチとアサカゼが眠る隣の部屋に耳を傾ける。熟睡しているのか、物音ひとつ聞こえない。<br>　階段を降り、ダイニングを向ける。家の中は静まり返っていて、時計が針を進める音がやけに大きく聞こえた。<br>　誰にも見つからずに外へ出ると、夜の冷たい空気がバイスの口の中に流れ込んだ。</font></p><p><font size="2">「ふー…さて、と。城ってどこだっけ、ファウスト？」<br>『ココカラ北ダ。チョット歩ケバ分カルダロ』<br>「飛んだほうが早いんじゃない？」<br>『目立ツカラヤメロ。今回ノ相手ハ一人ジャナイラシイカラナ』<br>「歩くと迷うんだよなぁ…」<br>　しぶしぶ足を動かし、バイスは目の前に広がるリンゴ畑の奥へと進んでいった。</font></p><p><br><font size="2">　刹那。風を切る音と共にバイスの足元にナイフが刺さった。<br>「！？」<br>　驚きながらもナイフが飛んできた方向に目をやると、リンゴの木の下に赤い服を着た少女、否アサカゼがくだものナイフとフォークとを構えてバイスを睨みつけていた。飛び道具のつもりらしい。<br>「どこへ行くつもりだ？」<br>　強い視線に射止められ、バイスはその場に硬直する。<br>「へっ…！？あの…散歩に…」<br>「大ばば様は夜に外へは出るなと言っていたが」<br>「……そっちはどうなのさ…」<br>「質問に答えろ」<br>　威圧的な問いに負けそうになりながらも、バイスは強気な表情を作った。<br>「とにかく、僕らは大丈夫だからほっといてよ！」<br>「そうはいかない！」<br>　そう言ってアサカゼはくだものナイフを構える。あれは部屋にりんごと一緒においてあったやつだ…とバイスは気付いた。リエルの家の、というか何処にでも在るタイプの普通のナイフだ。しかし、例え木製のくだものナイフでも、この少女が持つと銃にも負けない凶器に見えるのはなぜだろうか…。</font></p><p><font size="2">　アサカゼの脅しに怯まず、バイスは思い切ってアサカゼに背を向けて走り出した。一抱えもある木を廻り、方向を変える。<br>　いくらアサカゼでも本気で狙いはしないだろう。…と安易な想像をするのも束の間、ビュッと風を切り裂く音が聞こえた。<br>　りんごの木の合間を的確にぬって、間違いなくバイスをめがけて。</font></p><p><font size="2">「ちょっ…ええええ！！？？」<br>　避けきれない。</font></p><br><p><br><font size="2">◆◆◆◆◆<br></font></p><p><br><font size="2">　ガキン！！　と闇の中で金属がぶつかるような硬い音がした。<br>　アサカゼは木の幹に服を縫いとめてやろうと思っていたのだが、どう聞いても木の音ではない…<br>「危ないなぁもう…！！」<br>　闇ではっきりとは見えないが、バイスは何か硬いものでナイフを弾いたらしい。武器を隠し持っていたのか、とアサカゼは舌打つ。<br>　が、うっすらと月明かりが差し込んだその時、アサカゼの双眼に、信じられないものが映った。</font></p><p><font size="2">「貴様はっ！？」<br>　太く鋭い黒い爪、禍々しい模様が刻まれた灰色の肌。バイスの片袖から突き出た腕は、人の持つそれとは明らかに違っていた。火のような紅い眼とアサカゼの目が合う。<br>　ぎょっとし、アサカゼは足を止めた。</font></p><p><font size="2">　その隙に、僅かな月光はすぐに視界を暗闇で覆い、バイスの姿を隠す。</font></p><br><p><br><font size="2">◆◆◆◆◆</font></p><p><font size="2"><br></font></p><p><a href="http://ameblo.jp/ten-kusa/entry-10313315075.html"><font size="2">続きを読む</font></a> <font size="2"> </font></p><br><br><p><font size="2">（夏草）バレてしまいましたね・・・、そしてまたバイスは叫んでいる（笑）</font></p><p><font size="2">（てんまん）アサカゼが暴れててすいませんｗｗ</font></p>
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<link>https://ameblo.jp/ten-kusa/entry-10313310927.html</link>
<pubDate>Wed, 19 Aug 2009 12:00:44 +0900</pubDate>
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<title>【霧の町】８</title>
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<![CDATA[ <p><font size="2">「霧の町」</font></p><br><p><a href="http://ameblo.jp/ten-kusa/entry-10303609788.html"><font size="2">最初から読む</font></a> <font size="2"> </font></p><p><a href="http://ameblo.jp/ten-kusa/entry-10311949500.html"><font size="2">直前から読む</font></a> <font size="2"> </font></p><br><br><p><font size="2">◆◆◆◆◆</font></p><br><p><br><font size="2">「この部屋を使って」<br>　大ばばの話の後、三人と一匹は二階へと案内された。リエルは申し訳なさそうにドアを開ける。<br>「ちょっと狭い部屋だけど…ここが、キリタチくんとアサカゼちゃんの部屋で…隣はバイス君たちが使って」<br>「こちらこそすいません、部屋まで貸してもらって…」<br>　キリタチが丁寧に礼を言う隣で、バイスは自分の借りた部屋を覗いてぼそりと呟く。<br>「こっちの方が狭い…」<br>『当タリ前ダ。オ前一人ナンダカラ』<br>「借りていながら文句を言うな」<br>　ファウストとアサカゼに睨まれ、バイスはそろそろと部屋に逃げる。</font></p><p><font size="2">「じゃあ…みなさんおやすみなさいっ！！」<br>　バタン、とドアを閉める様子を見てリエルは小さく笑う。</font></p><br><p><br><font size="2">◆◆◆◆◆</font></p><br><p><br><font size="2">　こじんまりとした部屋は、どちらかといえば可愛らしい印象だった。家具は飾り気のないシンプルなものだったが、蜜色の木肌が美しい。<br>「朝になったら、起こしに来るわ」<br>　明るく笑うリエルに、キリタチが頭を下げた。<br>「すいません、突然お邪魔して…」<br>「いいのよ。それより、明日…あなたたちはなるべく急いで、この町を出たほうがいいわ…私は見送ってあげられないけど、来た道があるんでしょう？」<br>「リエルさんは、逃げないの…ですか？」<br>　アサカゼが悲しみを隠せていない瞳で尋ねた。リエルは年齢以上に大人びた憂いを滲ませて、僅かに眼を伏せる。<br>「この町からは、逃げられないの。見たでしょう？霧を。あの霧は普通の霧じゃないのよ。町の人が町から出ようとすると、濃くなるの…それに、城に連れて行かれた人たちを置いて逃げるなんて出来ないわ」<br>「……」<br>　少しの間、静かになった。ひやりとした空気が流れる。</font></p><br><p><font size="2">　僅かな沈黙の後、リエルが顔を上げた。<br>「…さ、疲れてるでしょう？」<br>と、重苦しさをを吹き払うように、笑顔を作る。<br>「ベッドも二つあるわよ。…お休みなさい」<br>「…お休みなさい…」<br>　呟くように言うキリタチの前で、扉がぱたんと閉まる。<br>　精一杯の笑顔は気遣いかと思われた…表面上は。しかしその裏には、よそ者を立ち入らせない重く冷たい障壁が立ちふさがっているのを、キリタチは感じていた。<br>　リエルは、いや、この町の人たちは、背負おうとしているのか…と。</font></p><br><p><br><font size="2">「どのように思われますか、マスター」<br>　アサカゼは不安げな顔で、ベッドの端に腰かけるキリタチを見た。キリタチは、アサカゼも座ったら、と誘いつつ、<br>「うーん…」<br>　と首を傾げる。<br>「少なくとも、この霧は意図的なものだってことだけは確かになったね。作り方はさておき、問題は、その裏にいる者だ…」<br>「城主、伯爵だと、言っていましたが」<br>「うん、…伯爵が突然乱心したっていうことらしい…けど、血を吸うなんて普通じゃない。この町は、霧さえなければそれなりにちゃんとしたいい町なんだ。道が割と新しくて、規格が揃ってたことから見て、乱心前の伯爵が整備したんだろうね。</font></p><p><font size="2">恐らく領内の町はみんなこんな感じなんじゃないかな…争いの跡…城塞とか、砦になりそうな建物もなくて、ずっと昔から平和な町だったんじゃないかな…。<br>だとすると、余計におかしいんだ。平和な領に居た伯爵が、何があったのか知らないけど、突然猟奇に走るなんてこと、あるんだろうか？<br>…ひょっとしたら、伯爵…領主は領主ではないのかも知れない…」</font></p><p><br><font size="2">　考えるときに眼を細めるのは、キリタチの癖だ。こういうとき、彼は何か見えぬ奥に在るものを、眼ではなくその鋭い感覚で見ているのだ…と、アサカゼは気付いていた。<br>「なりすまし、ですか」<br>「可能性の話、だけどね」<br>「…竜が生け贄を欲した例は、王国ヤマトの歴史録にも数多く見られます。高位の大竜であれば、血を糧にチカラを得ることも…」<br>「そうだね、でも、竜の気配とは何かが違う」<br>　眼を臥せ、首を横に振るキリタチ。<br>「竜では、ない…正直、僕には解らないんだ。この霧の中じゃ、僕の感覚はあまりあてにならない。異質なものに遮蔽されている感じなんだ…<br>でも、…」<br>　と、そこでキリタチは部屋の一方の壁へ視線を向けた。じっと見つめる。壁の向こうにはあの二人組、バイスとファウストがいるはずだった。<br>「あの人たちなら、何か気付いているのかもね」<br>「…あの者らは、信用に足るのでしょうか」<br>　薄青の奥に深い色を湛えた瞳で言うキリタチに、アサカゼは怪訝な顔で問い返した。<br>「あの者らは、とてつもなく何か面倒で、厄介で、巨大な…気配、得体の知れぬチカラのようなものを持っているように思います。それに…あのケムリの正体も、未だ聞いてはいない」<br>　ケムリと聞いて、キリタチは堪えるように控え目に笑う。<br>「ファウストさん、ね。…確かに、不思議な人たちだけど、でも…、」<br>　ふわ、と笑う。<br>「優しい人たちなんだと、思うよ」<br>「……」<br>「きっと、すぐ解るよ」<br>　言って、キリタチは上着をハンガーにかけ、寝る体勢に入り始めた。<br>「すぐって…明日には発たなければならないのに？」<br>「うん」<br>　意味深な言葉と穏やかな笑顔を残し、キリタチはベッドへ滑り込む。<br>「おやすみ、アサカゼ。<br>…心配ないよ」<br>　そう言って、あっさりと背を向けた。</font></p><br><p><font size="2">　アサカゼは取り残されていた。が、すぐに諦める。<br>　そう、子供のようで、それでいて悠久の彼方のような深い瞳をしていて。キリタチは、こういう人なのだ。<br>　何かを知っている。そして、それが真実に近いとき、そういうときこそ多くを語らない、そういう人だ。<br>　信じているからこその諦めだった。</font></p><p><font size="2">　そうだ、自分はマスターについて行くと決めたのだ。</font></p><p><font size="2">「おやすみ…なさい」<br>　小さく言って、アサカゼもまた背を向けた。</font></p><br><p><br><font size="2">◆◆◆◆◆</font></p><br><br><p><a href="http://ameblo.jp/ten-kusa/entry-10313310927.html"><font size="2">続きを読む</font></a> <font size="2"> </font></p><br><br><p><font size="2">(夏草)寝る前の二人が可愛いですｗここのシーンでカットされた部分があるのですが、そこでのアサカゼが焦りすぎでかわいいですｗてーさん、いつかNGシーン（？）として載せてくださいｗ</font></p><br><p><font size="2">（てんまん）ＮＧシーンって、あれか！（笑）うんごめんあれは暴走したｗｗ←</font></p><p><font size="2">アメンバー限定記事でどうでしょう？ｗｗ</font></p><p><font size="2"><br></font></p><p><font size="2">(夏草)いいですね、是非おねがいしますｗｗ</font></p>
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<link>https://ameblo.jp/ten-kusa/entry-10313304827.html</link>
<pubDate>Fri, 14 Aug 2009 20:25:06 +0900</pubDate>
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