<?xml version="1.0" encoding="utf-8" ?>
<rss version="2.0" xmlns:atom="http://www.w3.org/2005/Atom">
<channel>
<title>小説</title>
<link>https://ameblo.jp/tkp0513/</link>
<atom:link href="https://rssblog.ameba.jp/tkp0513/rss20.xml" rel="self" type="application/rss+xml" />
<atom:link rel="hub" href="http://pubsubhubbub.appspot.com" />
<description>モンスターハンターＰ２Ｇの世界観を使った「物語」。オリジナルの小説、など。</description>
<language>ja</language>
<item>
<title>モンスターハンター　～愛の物語～３０　街編３</title>
<description>
<![CDATA[ ※注意！！※<br>・これは素人が書いた「創作物」です。この手の事に興味のない方、苦手な方は読まない事をお勧めしておきます。いや、本音としては読んでほしいですけど…。<br>・モンスターハンターＰ２Ｇの公式設定をかなり無視しております。<br>・多数の中二病設定が使われております。<br><br><br><br>～～～～～～～～～～～～～～～<br><br>登場人物紹介<br><br><br>ＮＡＭＥ：アズ・ルードリア<br>ＨＲ：６<br>主な使用武器：太刀・片手剣<br><br><a href="http://stat.ameba.jp/user_images/20100412/12/tkp0513/fa/c6/j/o0168024010493150336.jpg"><img border="0" src="https://stat.ameba.jp/user_images/20100412/12/tkp0513/fa/c6/j/t01680240_0168024010493150336.jpg" alt="小説モンスターハンター　～愛の物語～"></a><br><br><br><br>元大闘技場の門番兵。前回のタロの戦いに感動して「ハンター」に戻る決意をする。<br>これから古龍、「錆びているクシャルダオラ」のクエストに挑む。<br><br><br><br>ＮＡＭＥ：ナルガ・ロウ・セトラ<br>ＨＲ：９<br>主な使用武器：ハンマー・太刀・狩猟笛<br><br><a href="http://stat.ameba.jp/user_images/20100412/13/tkp0513/bd/13/j/o0189024010493155200.jpg"><img border="0" src="https://stat.ameba.jp/user_images/20100412/13/tkp0513/bd/13/j/t01890240_0189024010493155200.jpg" alt="小説モンスターハンター　～愛の物語～"></a><br><br><br><br>ややこしいけど名前は「ナルガ」。ロウはミドルネーム。<br>過去にちょっとあってファーストネームに「ナルガ」と付けている。…が、今回の本編には関係無し。…と思ったけど近々語る予定。<br>アズを追いかけてポッケ村にたどり着く。<br><br><br><br>ＮＡＭＥ：アリス・サトー<br>ＨＲ：９<br>主な使用武器：大剣<br><br><a href="http://stat.ameba.jp/user_images/20100412/13/tkp0513/f3/1d/j/o0179024010493154432.jpg"><img border="0" src="https://stat.ameba.jp/user_images/20100412/13/tkp0513/f3/1d/j/t01790240_0179024010493154432.jpg" alt="小説モンスターハンター　～愛の物語～"></a><br><br><br>宰相ミストが率いる「蒼穹飛翔隊」に所属しているハンター。<br>大剣「大王虎」を愛剣としている。<br><br><br><br>ＮＡＭＥ：カラハウ・トト<br>ＨＲ：９<br>主な使用武器：ガンランス<br><br><a href="http://stat.ameba.jp/user_images/20100412/13/tkp0513/a6/4a/j/o0171024010493155205.jpg"><img border="0" src="https://stat.ameba.jp/user_images/20100412/13/tkp0513/a6/4a/j/t01710240_0171024010493155205.jpg" alt="小説モンスターハンター　～愛の物語～"></a><br><br><br>宰相ミストが率いる「蒼穹飛翔隊」に所属しているハンター。<br>二年前までロウに猛烈なアタックをしていた。<br><br><br><br>７<br><br>「風」を操る古龍種、鋼龍「クシャルダオラ」を目の前に捉えながら、アズは昨日タロから聞いたアドバイスをゆっくりと思い出していた。<br><br>～「普通の鋼龍」の場合はまず、身体に纏っている「風」を取り払う事が第一だ。この「風」を取り払わない以上、コイツの身体付近に近寄る事は出来ない。「風」の壁からはみ出ている頭部にある程度ダメージを与える事でこの「風」の効力は失われる。だから最初の内は頭部を狙え。閃光玉に目を眩ませている最中もこの「風」は消えるから、閃光玉は積極的に使っていった方が良い。～<br><br>そんなアドバイスと共に、タロは俺に閃光玉を渡してくれた。<br><br>今回戦っている「鋼龍」は「普通」とは異なるかもしれない。<br>その辺りは未知数だが、しかし今はこの「タロ」のアドバイスに従うしか術は無い。<br><br>そうなると…やはり、狙うは「頭部」か。<br><br>まだ身体に纏っている「風」は、取り払えてはいない。<br>閃光玉が続く限りは、どんどん狙っていくが…「最良」だな。<br><br>アズは鋼龍から視線を逸らさず、そう考えると隙を見て太刀を背中にしまう。<br><br>さらにタロのアドバイスを思い出す。<br>～頭部に攻撃していれば、いずれ勝機はくるよ。頭部破壊さえしてしまえば、あの「風」を纏わなくなる。閃光が切れる前までには…必ず頭部破壊だけはするんだ。～<br><br>閃光を惜しむ理由は…無しと言う事だよな。<br>とにかく、俺の役目はロウに「頭部に攻撃できるシチュエーション」を作る事だ。<br>それに専念しよう…！<br><br>アズはタロのアドバイスを思い出しながら、こうして鋼龍を前にして自分の中での役割を決めた。<br><br>アズは鋼龍とロウを交互に見る。<br>今行われている戦闘がどういう展開で、自分が今何をすべきが「最良」なのかを考えた。<br><br><br>鋼龍は今まだアズに視点を定めている。<br>低空でホバリングしていた鋼龍が、アズに向かって一気に詰め寄った。<br>先ほどロウに仕掛けた攻撃だ。<br>後ろ脚でアズを切り裂こうと、その後ろ脚を振り下ろす。<br>アズはそれを前転回避で避けると、鋼龍に身体を向けた。<br>隙あらば閃光を当ててやろうと手には閃光玉を持つが、さらに鋼龍は執拗にその後ろ脚を振り下ろしてくる。<br><br>「く…っ！！」<br>二度連続できた後ろ脚の振り降ろしに、アズはまたしても前転回避で避けた。<br><br>早い…っ！！<br>避ける事で精一杯なアズは、どうにも中々閃光玉を投げる事ができない。<br><br>その二度目の振り降ろしで一度鋼龍は地面に降りる。<br>それでなんとか体制を立て直したアズの横を、ロウが駆け抜けた。<br><br>「待ってましたー！！」<br>そんな掛け声と共に、ロウは鋼龍の着地に合わせてハンマーを振り被ったまま鋼龍の頭部に走る。<br><br>そのまま鋼龍の頭まで駆け寄ると、振り被っていたハンマーを鋼龍に向かって叩きつけた。<br><br><br><a href="http://stat.ameba.jp/user_images/20100412/13/tkp0513/47/c1/j/o0180024010493151130.jpg"><img border="0" src="https://stat.ameba.jp/user_images/20100412/13/tkp0513/47/c1/j/t01800240_0180024010493151130.jpg" alt="小説モンスターハンター　～愛の物語～"></a><br><br><br>振り降ろして頭に一撃、さらにその振り降ろした腕を持ち上げるようにして振り上げる。<br>その振り上げが鋼龍の顎に当たった。<br>ハンマーの「溜め２」の攻撃が、鋼龍の頭にクリーンヒットしたのだ。<br><br>鋼龍が堪らずその場に倒れ込んだ。<br><br>「さすがロウ！！」<br>アズが体制を立て直し、頭付近に走りながらそう叫んだ。<br>「まだまだー！！」<br>ロウは不敵な笑みを浮かべると、地面に倒れ込んだ鋼龍の頭に向かってハンマーを構える。<br>ロウは地面に倒れ込み苦しそうにもがく鋼龍をじっと見ながら、タイミングを計るようにハンマーを振り下ろした。<br>ガツンッ！と、頭部に命中させるともう一度振り下ろす。<br>それも頭に当てると、<br>「行くよ！！」<br>そんな掛け声と共に一呼吸置いた後、今度は下からすくい上げるようにハンマーを振り上げた。<br>ハンマーの「縦３」攻撃だ。<br>タイミングを見計らったロウは、この最後の振り上げに力を込める。<br><br>しかし鋼龍が丁度その倒れ込みから起き上がり、ロウの「縦３」の最後が大きく空ぶった。<br>「あれっ！？」<br>倒れ込んだままなら当たっただろう最後の振り上げも、鋼龍の起き上がりにタイミングが合ってしまったロウの振り上げは見事空を切ってしまった。<br><br>やっちゃった…！！<br><br>振り上げきった身体が言う事を聞かないまま、ロウが内心でそう呟く。<br>鋼龍が起き上がった瞬間ロウは硬直で動けないという、「魔」の時間が訪れた。<br>ロウは次の鋼龍の攻撃を食らうのを覚悟すると、身体全体に力を入れて身構える。<br><br>すると、アズはすかさずロウの脚に優しく蹴りを入れて、振り上げによって身体の重心が後ろに持っていかれていた状態を元に戻した。<br>「え！？」<br>重心が戻ったロウはびっくりしたが、すぐに身体が動くようになると前転回避でその場を離れる。<br>そしてアズもロウの前転に合わせるように回避した。<br><br>起き上がった鋼龍は二人が目の前から回避したのを見ると、すぐにバックステップでその場を離れる。<br>そしてそのまま着地せずに上空に浮遊した。<br>間を取り、仕切り直すように鋼龍がその場でホバリングをする。<br><br>「逃がすかっ！！」<br>いきなりアズがそう叫ぶと。<br><br><br>カッ！！<br><br><br>そんな攻防に間を与える事無く、アズが今日二回目の閃光玉を投げつけた。<br>不意を突かれた鋼龍は堪らず、またしても地面に突っ伏す。<br><br>そしてアズは一気に鋼龍の元に走り寄ると、背中の太刀を引き抜きそのまま頭に振り下ろした。<br>ロウもまた前転で一気に鋼龍の頭付近に詰め寄ると、そのハンマーを振り下ろす。<br>今度は外さないように、タイミングを見計らって「縦３」攻撃を頭に入れて行く。<br>そしてロウは最後の振り上げに渾身の力を入れた。<br>「今度こそーーっ！！」<br>そんな叫びと共に振り上げられたハンマーは、鋼龍の左顎に見事当たった。<br><br>その最後の振り上げで、鋼龍は唸り声を上げると共にまたしても地面に倒れ込んだ。<br>鋼龍が脳震盪を起こしたのだ。<br>スタンした鋼龍はそのまま地面に突っ伏すと、苦しそうにもがく。<br><br><br>二人の息が、合い始めた。<br><br><br>８<br><br>「ナイス！！ロウ！！」<br>アズが嬉しそうに声をかけると、<br>「アズこそ！ありがとう！！」<br>と、ロウは笑顔で答えた。<br><br>スタンでもがく鋼龍に、アズとロウはお互い丁寧に攻撃を頭に入れて行く。<br><br>先ほどアズが言ってくれた「攻撃の主導権」を信じて、ロウはアズの行動には目もくれず、そのハンマーを鋼龍の頭に叩きこんで行った。<br><br>そんな中でロウは思う。<br>これが、アズの実力…！！<br>最初に鋼龍が倒れ込んだ時、アズは目の前で倒れた鋼龍に「敢えて」太刀を抜かなかったんだ。<br>私に「攻撃」を任せて、アズは「安全の確保」に回ったんだね。<br>私の「縦３」の振り上げを、当たる当たらないに関わらず…始めから体制を立て直すために身構えていたのか。<br>そうじゃなきゃ、あのタイミングで「蹴り」なんて入れられないよ…！！<br>さらに間髪入れずに、閃光で速攻に鋼龍を叩き落とした。<br>少しでも早くスタンを取れるように、この人はそんな「シチュエーション」作りに徹底した…。<br><br><br>ロウは改めて、目の前で太刀を振るうレウス装備の男をマジマジと見つめた。<br><br>この人…すごい…っ！！<br><br>ロウは今まで持っていた「アズ」に対するイメージを払拭する。<br>正直、ロウはアズの腕前を軽く見ていたのだ。<br>それもそうだろう。ＨＲも６、しかもそのＨＲもソロ経験なく来たのだ。<br>挙句、二年間のブランクもあり、装備は今まだ下位のレウス装備。<br>どこにこの「アズ」という男に、こんな「技術」があると思うだろうか。<br><br><br>実際の所、アズ自身も自分の「実力」がどれほどのものか理解していない所がある。<br>自分の実力を自覚するには、アズはミリアとＰＴを組んでからはミリア以外の者とＰＴを組んだ事がないからだ。<br>第三者の「評価」を受ける事も無く、アズはミリアという「一流」のハンターに長く寄り添った。<br>アズ自身では「ミリアのハンマーの技術」で、一気に集会所を駆け上ったと思いこんでいるが、実際では「サポート」に徹するにはそれ相応の「知識と技術」が必要なのだ。<br>先ほどのロウに対する「硬直解除」の技術も、心臓病を抱えたミリアを守る為のアズの常套手段の一つである。<br>特に集会所上位で戦っていたミリアには、一撃足りともモンスターの攻撃を食らわせない…そんなアズの執念が生みだした「技術」だった。<br><br>アズとしては「当たり前の事」としてやった事も、ロウにとっては驚くべき「技術」だ。<br><br>アズ自身も自覚が無いまま、この男はミリアと同様に「一流」のハンターの階段を駆け上っていたのだ。<br><br><br>鋼龍がスタンから復帰した辺りで、二人は一旦距離を取った。<br><br>すると鋼龍はそのいかにも重厚そうな身体を持ち上げる。<br><br><br>そして、耳を劈く位の音量で―――吠えた。<br><br><br><a href="http://stat.ameba.jp/user_images/20100412/12/tkp0513/4a/b5/j/o0180024010493150339.jpg"><img border="0" src="https://stat.ameba.jp/user_images/20100412/12/tkp0513/4a/b5/j/t01800240_0180024010493150339.jpg" alt="小説モンスターハンター　～愛の物語～"></a><br><br><br><br>今まで倒れ込みと閃光で消えていた身体を覆う「風」が、鋼龍が勢いよく前に身体を倒すと同時に噴き上がる。<br><br>今度は鋼龍が「怒り」によって、その身に「風」を纏わせた。<br>「錆びている身体」の表面が、高速で覆う「風」と共鳴して、不気味な音を立てる。<br><br>再び、両者がにらみ合う形となった。<br><br><br>先制を取った二人だったが、その纏う「風」が起こす唸るような不気味な音に、思わず気圧される様に後ずさった。<br><br><br>この戦いは、さらに続く。<br><br><br>９<br><br>「ロウ…。」<br>砦の塀から身を乗り出して下の平原で戦うハンターの顔を見たカラハウは、目を見開きながらナルガＸ装備の少女の名前を呟いた。<br><br>「やっと…見つけた…。」<br>さらにそう呟くと、カラハウはその場にしゃがみ込む。<br>今まで探していた者を見つける事が出来ず、二年と言う歳月に「諦め」始めていた時。<br><br>今こうして、「あの少女」は目の前にいる。<br>カラハウはそんな現実に「脱力感」を感じると、その場に座り込んで動かなくなった。<br><br>あの村から居なくなって二年、カラハウはロウの身をずっと案じていた。<br><br>モンスターという驚異から身を守るため、「武器」の携帯が常識と化しているこの世界。<br>その武器を人に向ける者も少なくない。<br>当然の様に山賊や追い剥ぎ、強盗などが蔓延っている。<br>いくらロウが優秀なハンターと言えど、この二年間、カラハウの心配の種は尽きなかった。<br><br>座り込んだまま、カラハウは心に思う。<br>本当に…良かった。<br><br>元気そうにハンマーを振り回すロウを見て、とにかくカラハウはこの二年間の心配事から解放された。<br>そんな脱力感が、立つ気力をも奪い去っていたのだ。<br><br><br>「おい！！カラハウ！！どうした！？」<br>そんなカラハウを砦出入り口で見守っていたアリスが、何事かと走り寄って来る。<br><br>そんなアリスの掛け声でカラハウはハッとすると、アリスの方に顔を向けた。<br>「アリス姉さん…。やっと見つけましたよ…。…はは。」<br>カラハウは疲れたような顔でそう言う。<br>「え…見つけたって…。じゃあ今回のナルガＸ装備のあの子が…。」<br>そう呟くと、アリスは思わず砦下部の平原で戦っているハンターに目を向けた。<br>「本当に…良かった…。」<br>カラハウは先ほど思った事を、今度は声に出して呟く。<br>そして改めて安堵の息をついた。<br><br>「そうか…それは良かった。だがいきなり座り込むな。何事かと思ったじゃないか。」<br>アリスが平原で戦うナルガＸ装備の少女から目を離さずに、そう言う。<br>「やっ！すいません！彼女の顔を確認したらどうにも全身の力が抜けてしまって…。」<br>カラハウがそう言って照れくさそうに笑った。<br><br>「フフッ可愛い子じゃないか。」<br>アリスはカラハウが照れくさそうに笑っているのを見て、思わず微笑む。<br>しかしそんなアリスの笑顔も次の瞬間サッと消えると、<br>「しかし…よりによって『国王』様の息がかかった子とは…。どうするつもりだ…？」<br>と、意味深げに問いかけた。<br>「！？…そうか…。」<br>アリスの言葉にカラハウはハッとした顔になると、何か考え込むように下に俯く。<br><br>「今はまだ具体的な命令は来ていないが…近く『始まる』という話だぞ…？『例の計画』が。」<br>アリスは意味深な事を言うと、視線をカラハウの方に向けた。<br>「その件ですが…本当に行われるんですか…？聞いてはいましたが…今一つその『計画』に具体性がありませんでしたぜ…？」<br>視線を向けられたカラハウはそう言うと、アリスを見る。<br>「さあな…。具体性があろうがなかろうが、そんな『計画』が持ち上がってるのは事実だ。下手をすれば…我々『蒼穹飛翔隊』はアルト隊長を敵に回す事になりかねん。…いや、それ以前に…我々は『全滅』するかもしれないがな…。」<br>アリスはそこまで言うと、カラハウから視線を逸らした。<br>「お上の連中は一体…何を考えているんですかねえ…。」<br>アリスの言葉に、カラハウはふぅっとため息をつく。<br>「せっかくガルダ様が改心されたというのに…次は長兄様がご乱心とはな…。まったくミスト様含めてあの御一家は何を考えているのか。」<br>アリスは心底嫌そうな顔をすると、吐き捨てる様に言い放った。<br>「しかし、変な話ですよね…。前の『儀式』で恥をかいたのはガルダ様なのに、そのご本人が『計画』に反対とは。」<br>アリスの話に首を傾げながらカラハウは呟く。<br>「…ガルダ様もまた、『ハンター』だった…と言う事なのだろうよ。」<br>カラハウのそんな呟きに、アリスはそっと呟き返した。<br><br>「どの道、あの子が『アルト隊長の下』にいる以上は…お前があの子に近づく事は今後の『計画』に支障をきたす。下手すればスパイ扱いされるぞ？」<br>アリスは改めて話を最初に戻すと、そうカラハウに問いかけた。<br><br>そんな問いかけにカラハウはしばらく考え込むように黙り込んでいたが。<br><br>フッと顔を上げてアリスの顔を見ると、<br>「これからの事は…解りません…。とにかく今は。…彼女をまた見る事が出来た事を素直に喜ぶだけにしておきます。」<br>と、言って笑った。<br>「フフ。まあ頭の良いお前なら上手くやるんだろうよ。その辺に関して、私はあまり心配はしていないがな。」<br>カラハウの笑顔に、アリスも笑顔になる。<br>そしてまたアリスは平原で戦うロウに視線を移すと、<br>「手出しは出来ないが…我々も協力するとしようか。せっかくお前の『未来の恋人』も現れた事だしね。」<br>と、カラハウを茶化すように言う。<br>「そうなれるように…がんばりますよ！」<br>しかしカラハウはそんな茶化しを笑顔で受け流すと、サッと立ち上がった。<br><br><br><a href="http://stat.ameba.jp/user_images/20100412/13/tkp0513/5c/a7/j/o0180024010493151127.jpg"><img border="0" src="https://stat.ameba.jp/user_images/20100412/13/tkp0513/5c/a7/j/t01800240_0180024010493151127.jpg" alt="小説モンスターハンター　～愛の物語～"></a><br><br><br>そしてカラハウは平原で戦う少女に目を向ける。<br>「今後の事はどうあれ、今はロウには勝ってもらわなければいけませんしね…。全力であの二人に協力しましょうか！！」<br><br><br>カラハウはそう叫ぶように言うと、平原で戦う少女を見て、微笑んだ。<br><br><a href="http://stat.ameba.jp/user_images/20100412/13/tkp0513/9a/a8/j/o0180024010493155833.jpg"><img border="0" src="https://stat.ameba.jp/user_images/20100412/13/tkp0513/9a/a8/j/t01800240_0180024010493155833.jpg" alt="小説モンスターハンター　～愛の物語～"></a><br><br><br><br><br>街編４に続く<br><br><br>
]]>
</description>
<link>https://ameblo.jp/tkp0513/entry-10516097812.html</link>
<pubDate>Fri, 23 Apr 2010 21:48:39 +0900</pubDate>
</item>
<item>
<title>モンスターハンター　～愛の物語～２９　街編２</title>
<description>
<![CDATA[ ※注意！！※<br>・これは素人が書いた「創作物」です。この手の事に興味のない方、苦手な方は読まない事をお勧めしておきます。いや、本音としては読んでほしいですけど…。<br>・モンスターハンターＰ２Ｇの公式設定をかなり無視しております。<br>・多数の中二病設定が使われております。<br><br><br><br>～～～～～～～～～～～～～～～<br><br>登場人物紹介<br><br><br>ＮＡＭＥ：アズ・ルードリア<br>ＨＲ：６<br>主な使用武器：太刀・片手剣<br><br><a href="http://stat.ameba.jp/user_images/20100412/12/tkp0513/fa/c6/j/o0168024010493150336.jpg"><img border="0" src="https://stat.ameba.jp/user_images/20100412/12/tkp0513/fa/c6/j/t01680240_0168024010493150336.jpg" alt="小説モンスターハンター　～愛の物語～"></a><br><br><br>元大闘技場の門番兵。前回のタロの戦いに感動して「ハンター」に戻る決意をする。<br>これから古龍、「錆びているクシャルダオラ」のクエストに挑む。<br><br><br><br>ＮＡＭＥ：ナルガ・ロウ・セトラ<br>ＨＲ：９<br>主な使用武器：ハンマー・太刀・狩猟笛<br><br><a href="http://stat.ameba.jp/user_images/20100412/13/tkp0513/bd/13/j/o0189024010493155200.jpg"><img border="0" src="https://stat.ameba.jp/user_images/20100412/13/tkp0513/bd/13/j/t01890240_0189024010493155200.jpg" alt="小説モンスターハンター　～愛の物語～"></a><br><br><br><br>ややこしいけど名前は「ナルガ」。ロウはミドルネーム。<br>過去にちょっとあってファーストネームに「ナルガ」と付けている。…が、今回の本編には関係無し。…と思ったけど近々語る予定。<br>アズを追いかけてポッケ村にたどり着く。<br><br><br><br>ＮＡＭＥ：アリス・サトー<br>ＨＲ：９<br>主な使用武器：大剣<br><br><a href="http://stat.ameba.jp/user_images/20100412/13/tkp0513/f3/1d/j/o0179024010493154432.jpg"><img border="0" src="https://stat.ameba.jp/user_images/20100412/13/tkp0513/f3/1d/j/t01790240_0179024010493154432.jpg" alt="小説モンスターハンター　～愛の物語～"></a><br><br><br>宰相ミストが率いる「蒼穹飛翔隊」に所属しているハンター。<br>大剣「大王虎」を愛剣としている。<br><br><br><br>ＮＡＭＥ：カラハウ・トト<br>ＨＲ：９<br>主な使用武器：ガンランス<br><br><a href="http://stat.ameba.jp/user_images/20100412/13/tkp0513/a6/4a/j/o0171024010493155205.jpg"><img border="0" src="https://stat.ameba.jp/user_images/20100412/13/tkp0513/a6/4a/j/t01710240_0171024010493155205.jpg" alt="小説モンスターハンター　～愛の物語～"></a><br><br><br><br>宰相ミストが率いる「蒼穹飛翔隊」に所属しているハンター。<br>二年前までロウに猛烈なアタックをしていた。<br><br><br><br><br><br>４<br><br>土気色の鋼龍、「錆びている」クシャルダオラ。<br>現存最強種、「古龍種」における三竦みの一角。<br>その身体は脱皮を繰り返す事により鋼の身体を纏い、さらには「風」を操ると言う不思議な力を持つモンスター。<br><br>「ここで戦うのは被害が大きくなる。下に行こう。」<br>アズは目の前でホバリングしている鋼龍と後ろにある砦の出入り口をチラチラと見ながら、そうロウに言うと砦下部に行くように促した。<br>武器を構えた二人は「鋼龍」から目を離さずに、ゆっくりと砦上部から距離を取るようにして下の広い平原のエリアに移動する。<br><br>そんなアズとロウの二人を視界に捉えつつ、目の前にいる鋼龍はそのホバリングを止めなかったが、しかし二人が下に降りてその鋼龍が下に来るのを待ち構える体制になると、やがて鋼龍もそのホバリングの勢いを弱めて、砦下部にゆっくりと降りてきた。<br><br><br>―――どうやらこの鋼龍は、標的をこの二人に変えたようだ。<br><br><br>アズは太刀を構えながら、そんな最強種「鋼龍」を目の当たりにして、握るその手に力を込めた。<br>鋼龍とは初めての戦闘だったアズは、頭の中で前日にタロから教わった事をゆっくりと思い出す。<br><br>そんなアズが見つめる先は、目の前の鋼龍の顔。<br>いや、さらにその視線の先は一点に集中する。<br><br>「眼」だ。<br><br>お互いがお互いを牽制するかのごとく、双方共に動かない。<br>そんな静かな沈黙が、しばらくの間張り詰めた空気としてその空間を支配した。<br><br><br>そんな沈黙を破ったのは「鋼龍」だった。<br>もっと正確に言うと、その「鋼龍の視線」だった。<br><br>フッと全体を見渡すようにその視線を絶えず動かしていた鋼龍の「眼」が、目の前にいるハンマーを持った少女、ロウに定まる。<br><br>そんな視線の「固定」が戦闘開始の合図とでも言うように、いきなり鋼龍が動き出した。<br><br>鋼龍クシャルダオラはその視線の先、ロウに向かってその翼を羽ばたかせたかと思うと一気に詰め寄る。<br><br><a href="http://stat.ameba.jp/user_images/20100412/13/tkp0513/41/2f/j/o0180024010493156165.jpg"><img border="0" src="https://stat.ameba.jp/user_images/20100412/13/tkp0513/41/2f/j/t01800240_0180024010493156165.jpg" alt="小説モンスターハンター　～愛の物語～"></a><br><br><br>そしてそのまま後ろの両足でロウを切り裂こうと爪を立てて振り下ろした。<br>ロウはその攻撃に慌てる事無く、前転回避で避けるとクシャルダオラの方に身体を向き直す。<br>鋼龍が振り下ろした後ろの脚の爪は、その地面をえぐり取っていた。<br><br>…さすがに早いな！！でも避けられない早さじゃないよ…っ！！<br><br>そう思いながら改めてハンマーを構え直した時、隣にいたアズがいきなり手に持っている物をクシャルダオラに向かって投げ込んだ。<br><br><a href="http://stat.ameba.jp/user_images/20100412/13/tkp0513/d7/4a/j/o0180024010493152710.jpg"><img border="0" src="https://stat.ameba.jp/user_images/20100412/13/tkp0513/d7/4a/j/t01800240_0180024010493152710.jpg" alt="小説モンスターハンター　～愛の物語～"></a><br><br><br><br>いつの間に太刀を背中に納めたのか解らなかったロウは、そんなアズの行動に驚いた。<br>「眼を閉じろ！！」<br>アズがロウに向かって叫ぶ。<br>「え…っ！？」<br>ロウがそんな呟きをすると同時に。<br><br>カッ！！<br><br>いきなりロウの視界に、眩い閃光が飛び込んできた。<br>視界を奪われないように、ロウは構えたハンマーで視界を遮る。<br><br>閃光玉の光が収まると同時にロウが鋼龍の方に視線を向けると、その場にクシャルダオラがうめき声と共に倒れ込んでいた。<br>その倒れ込んだクシャルダオラに、アズは背中に担いでいた太刀を抜くと同時に頭に向かって振り下ろす。<br><br><br>この一瞬の攻防、先制を制したのは―――アズだった。<br><br><br>「アズ！！すごい！！」<br>ロウはそう叫ぶと思わず笑顔になる。<br>「油断するな！！なりふり構わず来るぞっ！！」<br>アズは閃光玉で目を眩ます鋼龍から眼を離すことなく、隙あらば頭に太刀を叩きこむ。<br>そんなアズに続くように、ロウも鋼龍の頭に近寄るとそのハンマーを叩きこんだ。<br><br>アズの動作を見つつ、アズの攻撃に当たらないようにタイミングを取りながらハンマーを振り下ろすロウに、アズは叫ぶ。<br>「俺の事は気にするな！俺がロウに合わせるから！」<br>そんなアズの言葉に、またしてもロウは驚いた。<br>正直な所、ロウはアズに周りを見る余裕なんてないと思っていた。<br>ロウが思っている以上にアズが冷静で、さらに攻撃の主導権をロウに渡すというのだ。<br>攻撃の主導権を取れる事は、ハンマーでスタンを狙いに行くロウにとってはとてもありがたい事だが。<br>しかし同時にそのロウのペースに合わせるには、アズ自身に「技術」がいる。<br>それをこの戦闘中にアズは引き受けると言ってきた。<br>ロウが思っていた以上に、アズがＰＴ慣れしている事に驚いたのだ。<br><br>閃光で目を眩ましていた鋼龍がその眩暈から覚めるのが解ると、アズはロウとの距離を計りながら一旦切り下がりで距離を取る。<br>同じようなタイミングで、ロウも一旦その場から離れた。<br><br>閃光の眩みから立ち直った鋼龍は、今度はアズに視線を向けるとまたしてもその大きな翼を羽ばたかせて宙に浮く。<br>低空でその場に浮いて見せると、息を吸い込む動作を見せた。<br><br>「アズ！！来るよ！！」<br>その動作を見ていたロウが叫ぶ。<br>「大丈夫だ！！解ってる！」<br>アズはロウの叫びにそう答えると、太刀を構えながら時計回りに「軸」をずらした。<br><br>ゴォオォオオオォオオーーーッ！！！<br><br>その瞬間、先ほどまでアズが立っていた場所に、轟音となって渦巻く「竜巻」の様な物が通り過ぎた。<br><br>「軸」をずらした事でその攻撃から逃れたアズだったが、その攻撃を見て思わず肝を冷やす。<br><br>おいおい…っ！！なんだこの化け物は…っ！？<br>本当に…「風」を操るのか…っ！？<br><br><br>今まで見た事が無い攻撃、さらにその「攻撃」の特殊さに、アズは改めてこのモンスターは今まで戦ってきた相手とは「質」が違うと冷や汗をかく。<br><br>これが…「古龍種」…か…っ！！<br><br>そんな呟きを心の中ですると、アズは改めて太刀を握る手に力を込めた。<br><br><br>５<br><br>「始まったね…。」<br>砦の出入り口の覗き口から二人の様子を見ていたアリスは、そんな呟きをするとその覗き口から目を離した。<br>覗き口から見えた二人がアリスの視界から消えたのだ。<br>どうも戦う場所を砦上部から、下部の広い平原のエリアに移したようだ。<br>アリスの後ろでその二人の「優秀なハンター」の動向を気にしていた隊長、マキジはアリスの顔をじっと黙って見ている。<br>後ろにいたマキジの視線に気が付いたアリスは、マキジと目を合わせると、<br>「下のエリアに場所を移したらしい。」<br>と、肩を竦めてみせた。<br><br>すると扉の前、そんな神妙な面持ちの二人の所に一人の「ハンター」の出で立ちをした若い男が近寄ってきた。<br>「アリス姉さん、鋼龍はどうです？」<br>男はそうアリスに言いながら、近くにいたマキジに視線を向ける。<br>そんな視線に気が付いたマキジは、姿勢をビッと伸ばすと敬礼した。<br>その男はそんなマキジの敬礼に同じように敬礼してみせると、またアリスに視線を向ける。<br>その男の態度に、挨拶は後だと悟ったマキジは黙ってその男から一歩後ろに下がり、アリスとその男の間から離れた。<br>「こっちはとりあえず…大丈夫だ。カラハウの方はどうだ？負傷した兵士は無事か？」<br>アリスがカラハウと呼んだ男に視線を向けると、カラハウは笑顔になって<br>「兵士達は大丈夫ですよ。まあ、鋼龍の『矢返し』での負傷ですしね。」<br>と、答えた。<br>「そうか、それは良かった。」<br>そう言うアリスも、ホッと胸を撫で下ろすように笑顔になる。<br>隣にいたマキジも、同様に笑顔になった。<br><br>「で、大丈夫だとは言いますが…鋼龍はまだ『撃龍槍』の前に？」<br>カラハウは笑顔から真面目な顔に戻ると、先ほどのアリスの答えにさらに質問する。<br>「いや。どうにもこの鋼龍、アルト隊長より討伐依頼が出ていたらしくてな。つい先ほどその依頼受注者である二人のハンターが到着したんだよ。」<br>カラハウの質問にアリスはそう答えると、<br>「へえ！！アルト隊長の！！『国王の勅令』をこなすハンターかあ。どんな戦い方をするのか見てみたいですねぇー！」<br>と、カラハウはパッと顔を輝かせた。<br><br>「国王の勅令」は、この国のハンターにおける「名誉の証」だ。<br>とある事情でその「国王の勅令」が回ってこない「蒼穹飛翔隊」にとって、そんな名誉を担うハンターは格好の話題の種だった。<br><br>「一人はレウスの下位の装備に太刀だったな。もう一人の方がナルガＸ装備にハンマー。激鎚オンスロートの…Ｇか、アレは。ナルガＸの方は妥当な装備だったが…太刀使いの方は…どうにも装備からしてとてもアルト隊長の依頼をこなすような出で立ちでは無かったぞ。大丈夫なのか…あの二人。」<br>アリスは先ほど見た、「優秀な二人のハンター」の初見に、素直にそう感想を述べる。<br><br>アリスは特に「太刀使い」の方に思う事があったようだ。<br><br>「ナルガＸ装備に…オンスロートＧ…。」<br>しかしカラハウは目を見開きながら、ハンマー使いの方の装備を呟いた。<br>「どうした？」<br>カラハウが驚いたように「ハンマー使い」の方に関心を示した事に、アリスは首を傾げる。<br>「その『ハンマー使い』、女でした…？若い…。」<br>カラハウは何か考えるような姿勢を取ると、アリスにそう尋ねた。<br>「ああ…確かにその通りだが…。そう言えば、カラハウ…。」<br>カラハウから聞かれた質問に、アリスはその「ハンマー使い」の出で立ちを想い浮かべながら答えて、アリスも「あっ」と声を上げる。<br>「アリス姉さん！ちょっと…砦上部に出ちゃ駄目ですかね…！？」<br>カラハウがいてもたってもいられない、ソワソワした様子でそんな事を提案してきた。<br>「…ナルガＸ装備なんてザラに居るだろうに。あまり過度な期待は…止めておけ。そうやって何度もがっかりしてきただろう。」<br>アリスがため息交じりにそう呟く。<br>「確かめるだけですから！！ね？ね？」<br>カラハウが今にも扉の外に飛び出そうとばかりに、ジリジリと扉の方に近づく。<br>アリスはそんなカラハウに、<br>「確認するだけだぞ。間違っても手出しはするなよ？」<br>と、言うともう一度ため息をついた。<br>「姉さんありがとうーーー！！愛してる！！」<br>カラハウはそんな台詞を叫んだかと思うと、一気に扉の外に向かって駆け出して行った。<br><br>意気揚々と飛び出して行ったカラハウを、呆れた顔でアリスは見送る。<br>「やれやれ…。『恋は盲目』とはよく言ったものだ…。」<br>アリスがあきれ顔でそう呟いているのを、隣にいたマキジがキョトンとした顔で聞いていた。<br>「カラハウさんは…どうしたんですか？」<br>カラハウの急変に、マキジがアリスに質問する。<br>「いや何。昔、あいつには好きな人がいてね。その意中の人を…ずっと探してるんだよ。…二年も経てば、そんな恋心も冷めそうなものなのにな。全くアイツは…。」<br>やれやれと言った感じで、アリスは話した。<br>「そうなのですか。ははっ若いとは羨ましいものです。」<br>マキジはアリスの言葉に笑顔になる。<br>「ふふ。貴殿だってまだそんなに老けているようには見えないが。」<br>アリスがマキジに向かってそう言うと、<br>「いや私は。もう二児の父ですから。そう言うアリスさんこそお若いではないですか。」<br>と、少し照れくさそうに笑うと、そんな話題の矛先をアリスに向ける。<br>「私か！？いや、私はそんなモノには興味はないから…。」<br>急にその矛先を向けられたアリスはそう呟くと、マキジから視線を逸らす。<br>どうにもこの女性はこの手の事に奥手らしい。<br>そんなアリスを、マキジは意外な顔で見つめた。<br>「なんともったいない。アリスさんの容姿ならば言い寄る男性も多いでしょうに。」<br>マキジが素直にアリスの容姿に感想を述べると、アリスは徐に顔を赤くする。<br>「おいおい…この戦場下で、不謹慎だぞ。」<br>そして顔を赤くしたままアリスは少し真面目な顔をすると、マキジに向かってそう切り返した。<br>「はっ！大変失礼しました！」<br>そんな顔を見たマキジは急いで敬礼のポーズを取ると、そう叫ぶ。<br><br>そしてアリスとマキジは視線を合わせると、二人共に微笑んだ。<br><br><br>６<br><br>カラハウは外に出ると砦上部の塀まで駆け寄る。<br>そこまで行くと、身を乗り出すように砦下部に居る二人のハンターに目を向けた。<br><br>ナルガＸ装備…ハンマー…！<br>まるで呪文のようにこの二つの言葉を心の中で呟きながら、カラハウはナルガＸ装備のハンターの顔を確認する。<br><br><br><br>二年前まで、カラハウはとある村の「専属のハンター」をしていた。<br>そこで一緒にＰＴを組んでいた一人の少女。<br><br>その少女はその時、ナルガＸ装備を求めてずっと「ナルガ・クルガ」を狩っていた。<br>その少女の武器はハンマーと太刀。時に狩猟笛。<br><br><br>明るく、そして元気で。<br>いつも笑っていた。<br>楽しそうに「ハンター」という職業をこなしていた。<br><br>カラハウはそんな少女に恋をしたのだ。<br>いつかふり向いてもらうため、カラハウは一生懸命に「ハンター」の腕を磨いた。<br>いつかふり向いてもらうため、カラハウは一生懸命に「愛の告白」をした。<br><br>しかしカラハウのそんな努力も空しく、その少女はいつも「気が向いたらね。」と言うだけだった。<br><br><br>そして、その少女はとある、一匹の「小柄な迅竜」と出会う。<br><br>やがて、その少女は遂に「ナルガＸ装備」を揃えた。<br>カラハウが見守る中、最後に求めていた「迅竜の天鱗」を手に入れて。<br><br><br>その少女はその天鱗を胸に抱きかかえて、涙を流していた。<br>カラハウが初めて見た、その少女の涙。<br><br><br>とある、一匹の「小柄な迅竜」がいつしかその村周辺から目撃されなくなった時。<br><br>それと同時に―――。<br>少女は、その村から居なくなった。<br><br><br><br>俺はずっと…ずっと探していた。<br>お前に今度こそふり向いてもらうために、俺は「強く」なった。<br>その「強さ」に箔を付けるために、俺は「蒼穹飛翔隊」に入った。<br><br>ロウ…。<br>俺は、お前に会いたいんだ！<br>会って…今度こそ、お前にふり向いてもらうために…！<br><br><br>砦の下部を覗き、カラハウは二人のハンターに目を向ける。<br>そして、カラハウは目を見開く。<br><br><br>その少女の名前は「ロウ・セトラ」。<br>いや、最後…その天鱗を手に入れた時に名前を変えたんだよな。<br><br>いつまでもその「小柄な迅竜」を「忘れない」ために―――。<br><br>そんな少女の名前は、今。<br><br>「ナルガ・ロウ・セトラ」<br><br><br><br>今、カラハウの目の前に居る少女は。<br>カラハウが「恋」をしたその少女、そのままの姿で。<br><br>鋼龍の前でハンマーを構えていた―――。<br><br><a href="http://stat.ameba.jp/user_images/20100412/13/tkp0513/3d/62/j/o0180024010493151860.jpg"><img border="0" src="https://stat.ameba.jp/user_images/20100412/13/tkp0513/3d/62/j/t01800240_0180024010493151860.jpg" alt="小説モンスターハンター　～愛の物語～"></a><br><br><br><br><br><br>街編３に続く<br><br><br>
]]>
</description>
<link>https://ameblo.jp/tkp0513/entry-10516078897.html</link>
<pubDate>Fri, 23 Apr 2010 21:38:39 +0900</pubDate>
</item>
<item>
<title>モンスターハンター　～愛の物語～２８　街編１</title>
<description>
<![CDATA[ ※注意！！※<br>・これは素人が書いた「創作物」です。この手の事に興味のない方、苦手な方は読まない事をお勧めしておきます。いや、本音としては読んでほしいですけど…。<br>・モンスターハンターＰ２Ｇの公式設定をかなり無視しております。<br>・多数の中二病設定が使われております。<br><br><br><br>～～～～～～～～～～～～～～～<br><br>登場人物紹介<br><br><br>ＮＡＭＥ：アズ・ルードリア<br>ＨＲ：６<br>主な使用武器：太刀・片手剣<br><br><a href="http://stat.ameba.jp/user_images/20100412/12/tkp0513/fa/c6/j/o0168024010493150336.jpg"><img border="0" src="https://stat.ameba.jp/user_images/20100412/12/tkp0513/fa/c6/j/t01680240_0168024010493150336.jpg" alt="小説モンスターハンター　～愛の物語～"></a><br><br><br>元大闘技場の門番兵。前回のタロの戦いに感動して「ハンター」に戻る決意をする。<br>これから古龍、「錆びているクシャルダオラ」のクエストに挑む。<br><br><br>ＮＡＭＥ：ナルガ・ロウ・セトラ<br>ＨＲ：９<br>主な使用武器：ハンマー・太刀・狩猟笛<br><br><a href="http://stat.ameba.jp/user_images/20100412/13/tkp0513/bd/13/j/o0189024010493155200.jpg"><img border="0" src="https://stat.ameba.jp/user_images/20100412/13/tkp0513/bd/13/j/t01890240_0189024010493155200.jpg" alt="小説モンスターハンター　～愛の物語～"></a><br><br><br>ややこしいけど名前は「ナルガ」。ロウはミドルネーム。<br>過去にちょっとあってファーストネームに「ナルガ」と付けている。…が、今回の本編には関係無し。…と思ったけど近々語る予定。<br>アズを追いかけてポッケ村にたどり着く。<br><br><br>ＮＡＭＥ：アリス・サトー<br>ＨＲ：９<br>主な使用武器：大剣<br><br><a href="http://stat.ameba.jp/user_images/20100412/13/tkp0513/f3/1d/j/o0179024010493154432.jpg"><img border="0" src="https://stat.ameba.jp/user_images/20100412/13/tkp0513/f3/1d/j/t01790240_0179024010493154432.jpg" alt="小説モンスターハンター　～愛の物語～"></a><br><br><br>宰相ミストが率いる「蒼穹飛翔隊」に所属しているハンター。<br>大剣「大王虎」を愛剣としている。<br><br><br>ＮＡＭＥ：カラハウ・トト<br>ＨＲ：９<br>主な使用武器：ガンランス<br><br><a href="http://stat.ameba.jp/user_images/20100412/13/tkp0513/a6/4a/j/o0171024010493155205.jpg"><img border="0" src="https://stat.ameba.jp/user_images/20100412/13/tkp0513/a6/4a/j/t01710240_0171024010493155205.jpg" alt="小説モンスターハンター　～愛の物語～"></a><br><br><br>宰相ミストが率いる「蒼穹飛翔隊」に所属しているハンター。<br>二年前までロウに猛烈なアタックをしていた。<br><br><br>～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～<br><br><br><br><br>「生きて。」<br>そんな一言を残してこの世を去った、最愛の人は。<br>今なお俺の中では「生き続けている」のだろう。<br><br>それ自体は良い事なのかもしれない。<br>しかし俺は…「この世」に彼女がいない事をまだ「現実」として受け止めきれていないんだ。<br>自分でも解っている。<br>解っているんだ。<br><br>二年間、俺はそんな「現実」から目を背けた。<br>この二年間は彼女の事を全く考えないようにした。<br>思い出さないようにした。<br><br>辛いから。<br>寂しくて、悲しくて。<br><br>涙があふれ出て。<br><br><br>でも、あの時…タロの「モンスターハンター」から感じた「ハンター」としての「何か」を見極める事が、俺のこれからの「生きる」意味になろうとしている。<br>俺はそれを求めているんだ。<br><br>それを求める以上、俺は…。<br><br>ミリア、俺はお前の「死」を受け止めなくてはいけないね…。<br>俺が「ハンター」を続けるには…お前との「思い出」が多すぎる。<br><br><br><br>俺は…お前と二度と会えないという「現実」に立ち向かわないと…いけないんだね。<br><br><br><br>「ＭＨＰ２Ｇ～愛の物語～『街』編」<br><br><br>１<br><br>雪山の麓にあるポッケ村より半日、王都を抜けてさらに数刻歩いた所にアズ、ロウの目指す「街」がある。<br>その「街」は火山、雪山、砂漠、樹海という各モンスターの生息する地域の丁度中間点に位置する所にあり、「獲物」を求めたモンスターが山から降りてくると、よくこの街はモンスターの襲来を受けていた。<br>本来ならばそんな危ない場所に「街」などを作る事自体がおかしな事でもあるが、ここで下山してくるモンスターを抑えないと、「獲物」を求めたモンスターが各地域に行きわたってしまう。<br>なので、ここでモンスターを抑える「施設」を作っておくことで、ある程度の「組織的な狩猟」を可能にしたのだ。<br>その施設が人を呼び、それが「街」となった。<br>故にこの「街」には対モンスター用の迎撃用の設備が充実している。<br>「対モンスター用迎撃都市」と言われている「街」だ。<br><br>さらには「宮仕え」の兵士も、随時襲来するモンスターに備えて配備されていた。<br><br><br><br>「全体、構えよ！！！」<br>「撃龍槍」という巨大な二本の槍が装備されている「街」の砦部分。<br>そこに数名のヘビィボウガン、ライトボウガンを持った兵士が一斉に銃口を砦の外に向けていた。<br><br>向けられた銃口の先、そこにいるのは…ある古龍種。<br>大きな翼を羽ばたかせ、悠然とその砦の前でホバリングをしている。<br><br>銃を構える兵士達は、そんな悠然と目の前で飛んでいるその古龍種に狙いを定めた。<br><br>「撃てえええーーー！！！」<br>編隊を組み、綺麗に整列しているその中央にいた隊長らしき人物が、声を張り上げてそう叫ぶ。<br><br>一斉掃射にてその古龍種に一気に鉛の弾が襲いかかった。<br>攻撃力こそ大したことは無いが、反動軽減に特化した装備に身を包んだその一部隊から繰り出された弾の数は相当なものだろう。<br>現存最強種とされた「古龍種」と言えど、この一斉掃射は無事では済まないだろう。<br><br>その砦に響き渡る幾重にも折り重なった銃声が爆音となり、辺りに鳴り響く。<br><br>この集中砲火、あの鋼龍とて一溜まりもあるまい…命令を下した隊長の顔に「勝利の確信」という笑みが浮かぶ。<br><br><br>しかし、そんな集中砲火の中、特になんの変化もなく目の前の古龍種は飛び続ける。<br>弾を撃てども撃てども、その古龍種に期待した反応は訪れない。<br><br>さらに予想とは逆に、何故か仲間の兵士がうめき声と共にその場に倒れ込んだ。<br><br>な…！？どう言う事だ…！？<br><br>自分が予想していた事態とは真逆な事が起こったことに、隊長は気が動転する。<br>いつの間にか劣勢な状態にこの隊長は一瞬、出すべき命令を怠った。<br>「うわああーーー！！」<br>そしてまた、仲間である兵士が叫び声と共に倒れる。<br>その叫び声で、やっとこの隊長は命令を下した。<br>「こ、攻撃中止！！負傷した兵士を砦内に運べ！！一時撤退！！急げ！！」<br><br>負傷した兵士を庇うように隊長と数名の兵士がヘビィボウガンで目の前の古龍種に弾を撃ち込む。<br>しかし、目の前で悠然と飛び続ける鋼龍「クシャルダオラ」は、まるで怯む様子を見せなかった。<br><br><br><br>そこで、撤退のしんがりを務める兵士は見た。<br>「な、なんだ…『風』な…のか…？」<br>撃ちこんだ弾が、鋼龍の目の前で弾かれたのだ。<br>身体に当たっていない。<br>よく見ると、その鋼龍の身体の周りには透明の膜のようなものが貼りめぐらされている。<br>透明の膜のようなもの…それは高速で回る空気の壁。<br><br>鋼龍は「風」を纏っているのだ。<br><br>「なんだというのだ…。この化け物め…。」<br>しんがりを務めた兵士はその事に気が付くと、一気に戦意を失う。<br>それもそうだろう。<br>「風」を操るなどという得体のしれない事をやってのける化け物が目の前にいるのだ。<br><br>その兵士は足がすくんだ。<br>動けない。<br>その得体のしれない化け物への恐怖に、その兵士は我が身を硬直させることしかできなかった。<br><br>負傷した兵士を砦に運び終えたのを確認したその部隊の隊長は、その場に立ち尽くす兵士に声をかける。<br>「おい！！早く撤退しろ！！何やってんだ！！」<br>その隊長の叫び声に、ゆっくりとその兵士はふり向くが恐怖のあまり声も出せないようだ。<br><br>目の前にいる、その「錆びている」鋼龍はゆっくりと息を吸い込む。<br>目の前で立ちつくす兵士に向かって。<br><br>「おい！！早く逃げろーーー！！！！」<br>その鋼龍の動作を見た隊長は叫んだ。<br><br>回りで見ていた兵士達は覚悟した。<br>あの場に立ち尽くしたあの兵士が、「死ぬ」事を。<br><br><br>その時。<br>隊長の横を何かが横切って行く。<br>何事かと隊長がその横切ったものに目を向けた瞬間。<br><br><br>―――カッ！！！<br><br>いきなり目の前に眩い光が飛び込んできた。<br>この光は「閃光玉」だ。<br>誰かが、目の前にいる化け物、鋼龍クシャルダオラに向かって閃光玉を投げつけたのだ。<br>その場にいる者達のほとんどが、この突然の閃光玉に目を眩ます。<br><br>眩しくて目を開けられない中、誰かが叫んでいた。<br>「おい！カラハウ！！その兵士を担いで砦内に行け！！私がコイツを足止めする！！」<br>「はいよ！！」<br><br><br>そんな会話を、目を眩ませながら聞いた隊長は、<br>「誰だか知らんが…頼む…！！ウチの者を…助けてくれ！！」<br>と、懇願するように、その「声」に向かって叫んでいた。<br><br><br>２<br><br>朝日を背に「街」に向かって旅立った二人アズとロウは、今太陽を頭上に見上げる頃になってやっと「王都」を抜けた所まで来ていた。<br>ここを抜ければ、目指す「街」までは後数刻、自然と二人の歩く速度も速くなっていた。<br><br>「もう少しで着くね。アズ、着いた早々戦闘になるかもしれないけど、大丈夫？」<br>王都を抜けて、目的地まで後少しとなった所でロウがアズに話しかけた。<br>「ああ、もちろん大丈夫だ。体力的には問題無いさ。これでも二年、あの灼熱の地の門番兵をしてたんだからな。あれは結構体力がいるんだぜ？」<br>そう言ってアズは余裕の顔をしてみせる。<br>「確かにあの闘技場の門番ってキツそうだよねえ。」<br>アズからそう言われて、ロウはフッとあの闘技場の門の辺りを思い出す。<br>確かにあの場所に日中ずっと立っているのはキツそうだ。<br>あの闘技場に足を運ぶだけで、だらだらと汗が出てくるのだ。<br>並みの体力ではすぐにバテてしまうだろう。<br><br>「そういうロウは大丈夫か？ずっと歩きっぱなしだったし、少し休んでも良いんじゃないか？…相手はあの古龍種、鋼龍だからな。コンディションは万全にしておかないと。」<br>アズがそう言うと、ロウはぷいっと視線を逸らす。<br>「あ、うん、私は平気だよ。これでもリオのパートナーだからね。こんなの日常茶飯事だから。」<br>何気ないアズの一言に、ロウは顔を赤く染めた。<br><br>ちょっと前まで、自分が思い描いていた、まるで「リアリティ」の無いアズと二人きりの時間。<br>何をするべきなのか、何がしたいのかも解らないまま追いかけてきたロウにとっては、こんな「現実」が今一つ実感として湧かなかった。<br>しかし、こうしてアズと会話をするとそれを実感してしまう。<br>今のロウにとっては、アズにどういう顔をすれば良いのか、どんな言葉使いをすれば良いのか。<br>そんな些細な事まで、改めて考えさせられてしまう状況だった。<br><br><br>ちょっと前までの私じゃ…考えられないな…。<br>そんな事を頭に思うと、ロウは自分の人生でこんな感情にさせられた男って他にいたかな…と、思い出してみる。<br>しかし、パッと思い浮かぶ男の顔が出てこない所を見ると、ロウにとってはこれが「初恋」というものなのかもしれない。<br><br>過去に「好きだ」と言われた事は何度もあったが、それがどんな感情なのか今一つ理解できなかったロウにはそんな言葉に返事を返した事はない。<br>今こうして改めて自分が「恋」をしてみて、そんな過去の自分は返事も返さなかった事に結構残酷な事をしたのかな…と、少し反省した。<br><br>ああ、そういえば。<br>そんな昔の、自覚も無いまま振って行った男の中でも妙に「インパクトのある男」がいたなあ。<br>言い寄られた男達の顔を思い出して行って、ロウは一人の男を思い出す。<br>会う度に「付き合ってくれ」「好きだ」を連呼していたっけ。<br>「付き合う」とか「好きだ」と言われてもどうしたらいいのか解らなかったロウは、そんな男の告白もサラリと受け流していた。<br><br>リオと街で暮らすようになって、リオとしかＰＴを組まなくなってからは会う事も無くなっちゃったけど…。<br>名前、なんだったっけ…確か、カ、カラハウだったっけか。<br>ああ、そうだ。「カラハウ・トト」だ。<br><br>こうして自分で恋をしてみると解るけど…悪い事しちゃったな。<br>もう２年近く前の事だが、ロウはその男を思い出すと、今更心の中でその男に謝ってみる。<br>まあ…もう会う事もないだろうけどね。<br><br>「どうしたんだ？ロウ。そんな難しい顔して。」<br>急に黙りこくってしまったロウを横目に、アズが声をかけた。<br>「えぇっ！？ああー！！いやいやっ！！なんでもない…っ！！」<br>いきなり「好きな男」から声をかけられて「現実」に戻されると、ロウはまたしてもどんな顔をすればいいのか解らず、俯く。<br>ロウ自身でも自分の顔が「真っ赤」だろうと思うと、目も合わせられなかった。<br><br><br>先ほどから目を合わせないロウにアズは首を傾げると、また目線を目的地の方に向けた。<br><br><br>微かに、視線の先に目的地である「街」が見えている。<br>アズはその「街」を見ると、少し顔を顰めてまた歩き出した。<br><br>また…帰ってきたんだな…。<br>その「街」を見て、アズはフッと二年前の事を思い出す。<br>ミリアと過ごした街。<br>ミリアの思い出が詰まった街。<br><br>今、この「街」は鋼龍に襲われている。<br><br>だがこの街は「対モンスター用迎撃都市」と呼ばれた「街」だ。<br>そう簡単には墜ちない事は知っているが。<br>しかし今回の依頼は「国王の勅令」。<br>「国」単位で「被害」が予想された、古龍種の襲来。<br><br>アズはここまで来て、さらに目の前に自分にとって特別な「街」が見えているという状況になって、いてもたってもいられない…そんな焦燥感にかられ始めていた。<br>自然と歩く速度も速くなる。<br><br>そんな速度で数歩も歩くと―――。<br>その「街」から煙が立っているのが見えた。<br><br>「ロウ…。あの煙…。」<br>そんな煙を見ると、アズはロウの方に向く。<br>ロウもまた、そんなアズの言葉に、「街」から煙が立っているのを確認した。<br>「始まってる…！！行こう、アズ！」<br>ロウの言葉に頷くと、アズは「街」に向かって走りだした。<br>ロウもそれに続くように走りだす。<br><br><br>二人は間もなくして、その「街」にたどり着いた。<br><br><br>３<br><br>撃龍槍という二本の巨大な槍が装備された「砦」。<br>その砦の上で羽ばたいていた鋼龍が閃光玉に目を眩ますと、その巨体は砦の下に落ちる。<br>ゴシャーンッ！！！<br>という大きな音ともに、砦にいた者達はゆっくりと目を開けた。<br>突然の光に視界を奪われていたが、それも収まると辺りを見回す。<br>そこには今までいた土気色の「鋼龍」の姿は無く、代わりに二人の見慣れぬ男女がその場にいた。<br>「カラハウ」と呼ばれた男の方は、先ほど鋼龍に命を狙われて腰を抜かした兵士を肩に担ぐと、すぐさま砦内に向かって走りだす。<br>女の方は砦の外側を覗くようにして、砦から身体を乗り出していた。<br>「よし！今なら『撃竜槍』が使える！！お前達、衝撃に備えておけ！！！」<br>女はそう叫ぶと、その砦の中央部にある赤いスイッチのようなモノが設置されている所に走る。<br>「行くぞ！！化け物！！」<br>女はその叫びと共に、目の前にある赤いスイッチに向かって拳を振り上げた。<br><br>ゴッ！！！<br><br>女はそのスイッチに渾身の一撃を振り下ろす。<br>その瞬間。<br><br>ドガガガガッ！！！！<br><br>そんな轟音と共に、砦内が大きく揺れた。<br>「砦」に設置されていた「撃龍槍」という巨大な槍が砦から発射されたのだ。<br>丁度その槍の前に落とされた「鋼龍」は、その槍をまともに食らったようだ。<br><br>化け物の唸るような「叫び」が砦の下から聞こえてきた。<br><br>「よし！！これなら少しは時間が稼げるだろう！おい！！とりあえず一度砦内に全員避難しろ！！早く！！」<br>女は足元のさらに下の方から聞こえてくる「鋼龍」の咆哮を聞くと、撃龍槍が当たったと確信した。<br>急いで自身も砦内に走る。<br><br>その場にいた全員がその「砦」の上部から避難すると、一旦全ての扉を閉めた。<br><br>扉の前、女が覗き窓から「鋼龍」の様子を伺う。<br>上空にその姿が確認できない事を知ると、そこでやっと安堵のため息をついた。<br><br>女が扉に背をつけて息を整えていると、先ほどガンナー部隊を率いていた隊長がその女に声をかけてきた。<br>「先ほどは我が部隊の兵士を助けてくれて、なんと礼を言えば良いか…助かった、本当にありがとう。」<br>そう言って隊長は女に頭を下げる。<br>「いや、礼には及ばない。我々も一応これでも『国』に仕える身なのでね。同胞は見捨てられない。あなた達は王都からここに配属された『宮仕え』部隊だろう？」<br>女は隊長に手を挙げて応えると、そう質問した。<br>「ああ、その通りだ。先日交代で配属されたばかりでね…。どうにも化け物と戦うのに慣れていなくて…恥ずかしい所を見せてしまった。」<br>隊長はそう言いながら頭を下げる。<br>「何、気にするな。配属一発目が、古龍種とは…あなたも運が悪い。」<br>女はそう言うとフフッと笑う。<br>隊長もその女の笑いにどうにも言い様が無く、照れ笑いを浮かべた。<br>「所で貴殿も『国』に仕える身と言っていたが…どこの配属の者なのだ？その出で立ち、どうにも『宮仕え』の兵士には見えんが…。」<br>今度は隊長が先ほど気になる事を言ったこの女に質問した。<br><br>その女は「宮仕え」の兵士とは違う、いかにも「ハンター」という出で立ちだった。<br>背中には大剣「大王虎」という、厳ついデザインの剣を担いでいる。<br><br>「私と…先ほど貴殿の兵士を助けた男は、ミスト様の『お抱え部隊』に所属している。故に専門はあなた達のような『対人間用』ではない。だからこんな『ハンター』の格好なのさ。」<br>女がそう言って笑うと、目の前にいた隊長はぎょっとした顔をすると、急いで背筋を伸ばして敬礼のポーズを取る。<br>「大変失礼いたしました！！私はミルザ国王直属部隊隊長アルト様管轄の下、第２２３部隊の隊長を務めさせていただいておりますマキジ・ドーラであります！先ほどの無礼な振る舞い、どうぞお許し下さい！！」<br>マキジと名乗る隊長が敬礼のポーズを崩さないままそう叫ぶと、<br>「私は宰相ミスト様ご自身が管轄される対モンスター部隊、『蒼穹飛翔隊』に所属するアリス・サトーだ。よろしく。」<br>女もその隊長に合わせて敬礼しながら名乗る。<br>「いやまさか…あの有名なミスト様直属部隊『蒼穹飛翔隊』の方にお会いできるとは…光栄です。」<br>マキジは目を輝かせながらそう言った。<br>「何、私は『所属』しているだけであって、何もしていない。えばれる身分じゃないよ。」<br>アリスと名乗ったその女は少し照れ笑いをすると、大した事ではないとでも言うように手を横に振って見せた。<br><br><br>「蒼穹飛翔隊」。<br>この国の現国王であるミルザの弟である、宰相ミスト。<br>そのミストが率いる「対モンスター用迎撃部隊」がこの「蒼穹飛翔隊」だ。<br>国内の優秀なハンターを集めたこの部隊の活躍は、一般市民にも「英雄譚」としてよく語られている。<br>現在、この国でも色々なハンター集団がいるが、この集団ほど有名な「対モンスター部隊」はない。<br>今までにも色々な強大なモンスター達を狩ってきた事で有名だ。<br><br>だがしかし、この部隊はあくまでミスト直属部隊であるため、今回のような｢国王の勅令｣などのミルザの依頼は回ってこない。<br>「蒼穹飛翔隊」はあくまでもミストの「私営部隊」だった。<br><br>この件が何を意味しているのか。<br>その意味に気が付いている者はこの国でも今まだ、数少ない。<br>「血縁を以って国を動かす」と言うのは、「良識ある国王」を以ってしても…中々にして上手くいかないのかもしれない。<br><br><br>「まあこうして名乗らせてもらった上でこう言うのは酷かもしれないが…我々はミスト様直属でね。貴殿達を助けはしたが、私の立場上、この鋼龍とは戦えないんだ。」<br>アリスはそう言うと、改めて隊長を見る。<br>「ミスト様の命令が無いと、勝手に狩れない身でね…。で、どうする？今の貴殿達では…この『古龍種』は、手に負えないんじゃないか…？」<br>アリスが少し心配そうにマキジを見る。<br>「恥ずかしながら…仰る通りです。今の我々が出来る事は見ての通り『火力のゴリ押し』です。対人間ならこれも通用しますが…あの化け物には…それが効かない。」<br>そう言うとマキジは俯く。<br>「ただ先ほど、伝書鳩にてアルト隊長より、『優秀なハンター』を二人、この地に向かわせたという伝書が届きまして。今は…その『ハンター』を信じて、それまでは時間稼ぎをしようかと思っています。」<br>マキジはそう言うとアリスを見る。<br>「アルト隊長から…？『優秀なハンター』…か。その二人の名前は解るかい？」<br>アリスは少し考える姿勢を取ると、マキジにそう聞く。<br>「いや、そこまでは残念ながら…。しかし、アルト隊長が自ら『優秀』と付ける以上は、信用しています。」<br>マキジはそう答えると真っ直ぐにアリスを見た。<br>そんなマキジの目を見たアリスはフフッと笑うと、<br>「なるほど…。私は未だアルト隊長にはお会いした事はないが…噂通りの方なのだな…。」<br>と、呟く。<br>そして言葉に出さず、内心で『我々の主とは違って…な。』と、付け足した。<br>「アルト隊長を、私は信じます。」<br>アリスの言葉を聞いて、マキジはもう一度同じ台詞を繰り返した。<br>「貴殿の意思、今後の行動については解った。私と、もう一人の男『カラハウ・トト』は直接に鋼龍に攻撃は出来ないが、協力するよ。」<br>そんなマキジの台詞に、アリスはそう言葉を返した。<br>「ご協力、感謝します！」<br>そう叫ぶと、マキジはアリスに敬礼する。<br><br>そこまで会話した所でアリスが背にしていた扉の向こう側から、モンスターの咆哮が聞こえてきた。<br>「ちっ…さすが『古龍種』だね。もう復活したか！」<br>アリスがその咆哮を聞くと、さっと扉の覗き口を見る。<br><br>しかし、覗き口を見たアリスは、「あっ」と声を出すとクルッとマキジの方に向いた。<br>「どうされました！？」<br>覗き口から反転したアリスに、何を見たのかとマキジが首を傾げる。<br>「いや…。どうやら私達の『協力』は要らないのか…な。」<br>そう言って、マキジに微笑んだ。<br>「どういう…事ですか？」<br>マキジは状況が掴めずに、首を傾げながらそう聞く。<br><br><br><br>砦の上部、上空に羽ばたく土気色の鋼龍の前。<br>アルトが言っていた、ある二人の「優秀なハンター」が。<br><br><a href="http://stat.ameba.jp/user_images/20100412/13/tkp0513/28/c5/j/o0180024010493153535.jpg"><img border="0" src="https://stat.ameba.jp/user_images/20100412/13/tkp0513/28/c5/j/t01800240_0180024010493153535.jpg" alt="小説モンスターハンター　～愛の物語～"></a><br><br><br><br>いつの間にか、その鋼龍の前で武器を構えていた―――。<br><br><br><br>街編２へ続く<br><br><br>
]]>
</description>
<link>https://ameblo.jp/tkp0513/entry-10514275348.html</link>
<pubDate>Wed, 21 Apr 2010 18:54:13 +0900</pubDate>
</item>
<item>
<title>モンスターハンター　～愛の物語～２７　集会所編１２</title>
<description>
<![CDATA[ ※注意！！※<br>・これは素人が書いた「創作物」です。この手の事に興味のない方、苦手な方は読まない事をお勧めしておきます。いや、本音としては読んでほしいですけど…。<br>・モンスターハンターＰ２Ｇの公式設定をかなり無視しております。<br>・多数の中二病設定が使われております。<br><br><br><br>～～～～～～～～～～～～～～～<br><br>登場人物紹介<br><br>ＮＡＭＥ：タロ・ライド<br>ＨＲ：２<br>主な使用武器：ランス・ガンランス<br><br><a href="http://stat.ameba.jp/user_images/20100408/00/tkp0513/2c/f8/j/o0492064010486906674.jpg"><img border="0" src="https://stat.ameba.jp/user_images/20100408/00/tkp0513/2c/f8/j/t02200286_0492064010486906674.jpg" alt="小説モンスターハンター　～愛の物語～"></a><br><br><br><br>三年前以前の記憶が無かったが、前回の話で自分の過去を「知った」。<br>ただ今、リオと同居中。<br><br><br>ＮＡＭＥ：リオ・アズベル<br>ＨＲ：９<br>主な使用武器：大剣・ランス・ガンランス<br><br><a href="http://stat.ameba.jp/user_images/20100408/00/tkp0513/7d/d9/j/o0443064010486907352.jpg"><img border="0" src="https://stat.ameba.jp/user_images/20100408/00/tkp0513/7d/d9/j/t02200318_0443064010486907352.jpg" alt="小説モンスターハンター　～愛の物語～"></a><br><br><br><br>三年前まではタロと愛し合っていた。三年前、ポッケ村の危機を救った英雄。<br>ただ今、タロと同居中。<br><br><br>ＮＡＭＥ：アズ・ルードリア<br>ＨＲ：６<br>主な使用武器：太刀・片手剣<br><br><a href="http://stat.ameba.jp/user_images/20100412/12/tkp0513/fa/c6/j/o0168024010493150336.jpg"><img border="0" src="https://stat.ameba.jp/user_images/20100412/12/tkp0513/fa/c6/j/t01680240_0168024010493150336.jpg" alt="小説モンスターハンター　～愛の物語～"></a><br><br><br><br>元大闘技場の門番兵。前回のタロの戦いに感動して「ハンター」に戻る決意をする。<br>これから古龍、「錆びているクシャルダオラ」のクエストに挑む。<br><br><br>ＮＡＭＥ：ナルガ・ロウ・セトラ<br>ＨＲ：９<br>主な使用武器：ハンマー・太刀・狩猟笛<br><br><a href="http://stat.ameba.jp/user_images/20100412/13/tkp0513/bd/13/j/o0189024010493155200.jpg"><img border="0" src="https://stat.ameba.jp/user_images/20100412/13/tkp0513/bd/13/j/t01890240_0189024010493155200.jpg" alt="小説モンスターハンター　～愛の物語～"></a><br><br><br>ややこしいけど名前は「ナルガ」。ロウはミドルネーム。<br>過去にちょっとあってファーストネームに「ナルガ」と付けている。…が、今回の本編には関係無し。…と思ったけど近々語る予定。<br>アズを追いかけてポッケ村にたどり着く。<br><br><br><br><br><br>３７<br><br>その日、集会所でアルトから「国王の勅令」として「依頼」を受けた日の夜。<br>アルトがその日の内に王都に戻らないといけないと言う事から、あの後すぐにあの席は解散となった。<br><br>リオ、ロウ、アズの三人は明日の早朝ここの集会所でその依頼を受ける事にして、とりあえずは一旦家に戻る事にした。<br>４人はタロの家に帰ると、アイルーキッチンにて少し遅い夕食を取る。<br>食事も終わると、あとは寝るだけというゆっくりとした時間の中、タロとアズの二人はキッチンで向かい合って酒を飲んでいた。<br><br>リオ、ロウの女性陣二人は、揃って風呂に入ると言ってつい先ほど出て行った。<br><br>テーブルには「黄金芋酒」というラベルが貼られた一本の酒。<br>その隣に置いてあるつまみは「幻獣チーズ」。<br>料理長一押しの珍味だ。<br><br>アズはタロと向かい合うと、改めて挨拶と共に自分がここに来た訳を話した。<br>集会所でリオ、ロウに話した事を端的に、なるべく短く話す。<br>タロは黙ってアズの話に耳を傾けていた。<br>ミリアの事、タロの「モンスターハンター」の時の事。<br>タロはアズの話を聞いて時にアズに同情し、時に自分を称賛するアズに照れ笑いを浮かべる。<br><br>そして先日ロウよりアズが「人探し」をしていると聞いていたが、タロはそれがまさか自分の事だとは思わず、アズの話に驚いた。<br><br>「どうしても…あなたの狩猟が見たくなったんだ。あの大闘技場の外から…俺は…『忘れていた何か』を見た気がするんだ…。」<br>アズがそう呟くと、ここまでの経緯ももう終わりとでも言うように、キッチンにちょっとした沈黙が訪れた。<br><br>二人、静かに酒に口を付ける。<br><br>若干の沈黙も、特に気まずいという雰囲気もなく穏やかな時間が流れた。<br><br><br>「俺の狩猟…か。アズが想像してるようなすごいモノではないと思うけど、でもＨＲ上げを手伝ってくれるのは嬉しいな。よろしく頼むよ。」<br>アズの昔話の余韻に浸りながら、タロが笑顔でアズに言う。<br>「そう言ってもらえると俺も嬉しいよ。クシャル戦が終わったら、是非同行させてほしい。」<br>タロの笑顔と答えに釣られて、アズも笑顔になった。<br><br><br>アズが言っていた「忘れていた何か」。<br>タロはそんなアズの漠然とした想いが「何なのか」が理解できた。<br>恐らく当の本人のアズはまだ漠然としたままではっきりとは理解していないだろう。<br>ミリアと二人で駆け抜けた集会所。<br>そこで見た、聞いた、感じた「何か」。<br><br>それはハンターだけが持てる、特別な感情の一つだ。<br>その「何か」とは自分がハンターである事に誇りを持てる「何か」。<br>自分がハンターであり続けたいと思う「何か」。<br><br>その「何か」と言うのは言葉に出して説明するには難しい。<br>しかしハンターとして、モンスターとの「命」のやりとりを経験して培ったその「何か」はそう簡単に忘れられるものではない。捨てられるものでもない。<br><br>「アズもまた、根っからのハンターなんだな…。」<br>タロは酒に口を付けながらそう呟く。<br>そんな呟きにアズは少し照れたように笑った。<br><br>そんなやりとりを経て、アズは改めてタロのＨＲ上げに付き合う事を約束した。<br><br><br>「まあとりあえずは明日だな。アルト隊長の依頼、がんばれよ。」<br>タロはアズにそう言うと、アズはハッとした顔になった。<br>「そうだ、タロ。あなたに『クシャルダオラ』の事について聞きたいんだ。今回狩猟の地となる場所が自分の思い出の場所だと聞いて、思わず名乗り出てしまったが…おれは先ほど話した通り、集会所を一気に駆け抜けた。古龍との戦いは経験がないんだ…。」<br>アズがそう言うと、タロは思わずアズの顔を見た。<br>「アズはクシャルダオラは初めてなのか！？よくそれで名乗り…そうか、大事な物を守る…か。」<br>タロは一瞬驚いた顔をしたが、先ほどのアズの過去の話を思い出して、アズの志願の意味に気が付いた。<br><br><br>そしてまた、この発言とアズの行動の真意でタロはもう一つアズについて気が付く。<br><br><br>―――アズは…今一つ、乗り越えなければいけない「現実」があるんだな…。<br><br><br>そう思うタロだったが、今ここで自分がその事を指摘してもなんの解決にもならない事が解ったので敢えて口には出さなかった。<br><br><br>二年も帰らなかった「思い出」の場所。<br>しかし失うと聞いては、その身を投げ捨てられる程の「想い」。<br><br><br>この「現実」…これだけは自分で自覚し、そして自分で乗り越えなければならない。<br><br>今回のクシャルダオラ戦…いくらロウがいたとしても…もしかしたら危険かもしれない…。<br><br>「想い」の為に自分の度量を越えることに挑むことは一つの美学でもあるが、それを狩猟に持ち込む事、それは必然的に「死」を招く。<br><br>タロの胸中に漠然とした不安が出てきた。<br>だが、やはりそれはアズ自身の問題だ。<br>今はただ、タロにとってはアズが無事に帰って来ることだけを祈るしかない。<br><br>タロはアズに自分の知りうる全ての「クシャルダオラ」の情報を、事細かに伝えた。<br>この情報でアズの生還の率が上がるのならば、こそ。<br><br>しかし、今回の相手は「錆びている」クシャルダオラだ。<br>タロ自身、そんな鋼龍とは戦った経験は無い。<br>タロの胸中の不安は、広がるばかりだった。<br><br><br><br>アズ自身は恐らく気がついてはいない、アズの持つ一つの「現実」。<br>受け止めなければならない「現実」から二年間背を向けた、ある一つの「想い」。<br><br>そしてこれから戦うであろう、未知なる古龍、「錆びている」クシャルダオラ。<br>アズの道にどのような未来があるのか―――。<br><br>こうして、いつしか夜も更けて行く。<br><br>アズの初の古龍戦が―――いよいよ幕を開けようとしていた。<br><br><br>３８<br><br>時は少し遡り、ここはタロの家に備え付けられている浴場。<br>浴場といってもそんな大きな物ではない。<br>人一人では手足も伸ばせるが、二人となると少々窮屈さを感じるような、そんな大きさだ。<br><br>しかしそんな窮屈さを特に感じさせるようにも思えない顔で、入浴する二人の女性。<br>リオとロウがゆっくりと湯船に浸かっていた。<br><br>「久しぶりだね～こうして二人でお風呂に入るのも。」<br>気持ち良さそうな顔で、ロウが浴槽から足を出しつつそう呟いた。<br>「本当。私はこうしてゆっくりとお風呂に入る事自体、久しぶりかも。」<br>リオがそう言いつつ、改めて肩まで湯を浸ける。<br>「やっぱり同じ屋根の下、気になる人がいるとお風呂にもゆっくり浸かれないよねえ。」<br>ニヤ付いた顔でロウが答えた。<br>「な…っ！！…あら、現状においてはあなたも人の事言えないんじゃなくて？」<br>顔を赤らめながらも、話題の主導権を取られまいとリオも切り返す。<br>「なな…っ！！…う～ん。」<br>そんな切り返しなど考えてなかったロウはリオ同様顔を赤らせたまま、思わず言葉を詰まらせた。<br><br>こういう茶化しあいに慣れていないロウを見て、<br>「こういう言い方はいけないかもしれないけど、明日。良かったね、ロウ。」<br>と、フフッと笑いながらリオが口を開く。<br>そんな言葉にますますロウは顔を赤らめると、<br>「ちょっと！！別にそんな事は思ってないよ！」<br>と、少し声のボリュームを上げた。<br><br>明日、アズとロウは「街」に向けて旅立つ。<br>町までの道中は二人きりだ。<br>ロウにとってはこれ以上ない、最高のシチュエーション。<br><br>しかし、ロウはふうっとため息をつくと、浮かない顔をしながら浴場の天井を見上げた。<br>そんなロウの浮かない顔に、<br>「どうしたの？」<br>と、リオが首を傾げると、ロウがぽつりと呟いた。<br>「なんか、さ。今日のアズの過去の話。私なんかじゃアズのパートナーにはなれないなあなんて思っちゃったんだよね…。」<br>「パートナーって…、それはちょっと気が早いわよ。」<br>ロウの呟きにリオは苦笑すると、ロウは慌てて、<br>「ち、違う！！狩猟の方だよっ！！何勘違いしてんのよ！！」<br>と、思わずリオを見る。<br>「ああ、なんだ。」<br>リオはロウの顔の慌て方を見て、そう呟きながら微笑んだ。もちろんわざとだ。<br><br>「アズの…ミリアさんの話。アズ、自分では『引きずってるつもりはない』なんて言ってたけどさ…。そんな訳無いじゃない。」<br>ロウはそう言うと、また天井を見る。<br>「そうね…。そもそも『引きずってるつもりはない』なんて…思想自体が間違ってるものね…。」<br>浮かない顔して天井を見ているロウを見ながら、リオが相槌を打つ。<br><br>「故人をさ…忘れようとするなんてしちゃ駄目なんだ。大事な人なら尚の事…それがどんなに辛い事でも。いや、辛い事だからこそ…忘れちゃ駄目なんだ。」<br>天井の一点から視線を外そうとせず、ロウは淡々と呟いた。<br>「そうね…。『ナルガ』さん。」<br>そんなロウの呟きに、リオは微笑みながらロウをファーストネームで呼ぶ。<br>リオが呼んだ「ナルガ」という言葉に、ロウは昔出会った一頭の小柄な迅竜を思い出すと、少し寂しそうにフッと笑った。<br><br>「ねえ、ロウ。今回の戦い…アズをちゃんと守ってあげるのよ？」<br>リオは少し心配そうにそう言う。<br>「ちょっと！守ってもらうのは私の方なんじゃないの？」<br>ロウはそう言ってリオを見る。<br>リオとロウは少し見つめ合うと、二人とも同時にハハッと笑った。<br><br>「…大丈夫だよ…アズは。まだ出会って間もないけど、私には解るんだ。あいつは強い！色々とさ。」<br>ロウはそう言ってリオから目線を離した。<br><br>そんな呟きをするロウの顔は自信に満ちているような、しっかりとした意思が表れている。<br><br><br>先ほど、アズとのやりとりでタロが気がついた、アズの越えなければならない一つの「現実」。<br>それは集会所で話を聞いたリオ、ロウの二人も気が付いていた事だった。<br>アズが越えなければならない「現実」。<br><br><br>―――それは失った者の「実感」。<br>―――「失った」事を受け入れる勇気と覚悟。<br><br><br>「そうね。あなたが惚れた男だもんね。」<br>そんなリオの言葉にロウは顔を真っ赤にすると、ぶくぶくと顔を湯水に埋ずめて行った。<br><br><br>―――大丈夫…！アズは…あなたは「強い」人だって、私には解ってるから…！<br><br><br>こうして、いつしか夜は更けて行く。<br>アズとロウ、二人の初のＰＴ戦が―――いよいよ幕を開けようとしていた。<br><br><br>３９<br><br>その日の夜。<br>アズは夢を見た。<br><br>火山の、あの決戦場。<br><br>隣にいるのはミリアだ。<br>レウス装備に身を包み、アズと視線が合うとミリアは優しく微笑む。<br><br>ああ…ミリアが横にいるのか。<br><br>アズはミリアの笑顔を見るとフッと安心感に包まれた。<br>そしてみるみると自分の中に自信がみなぎってくる。<br><br>ああ…！これなら勝てそうだ！<br>「これなら…これなら勝てる！なあミリア！共に、行こう！」<br><br>そう言って隣を見ると、しかしそこにはすでに誰もいない。<br>アズの隣には真っ暗な「虚無」が渦巻いていた。<br><br><br>ミリア…がいない…。<br><br><br>急に押し寄せてくる、「不安」。<br>いつしか自分が流された、隣にある「虚無」。<br><br>無意味な生。<br>生きる意味を無くした、明日という未来。<br><br><br>アズはそんな「景色」に、思考が停止した。<br>アズの横にあった「虚無」が、アズを飲み込もうとしている。<br><br>自分の体が真っ暗な「虚無」に飲み込まれていく。<br><br>停止した思考の中で、ただ一つ理解できる感情。<br><br>それは「失望感」。<br>このまま「虚無」に飲み込まれることに、抵抗しない自分。<br><br><br>「ああ…良いか、別に。」<br>そんな呟き。<br><br>そして、闇がアズの全体を飲み込もうとした時。<br><br>アズの耳に、ある音が聞こえてきた。<br><br>…ワアアアアアアアアァァーーーーーー！！！！！<br><br>この音…この歓声…どこかで…。<br><br>どこで聞いた…。<br>何だ…なんで俺はこの歓声に惹かれる…。<br>アズはその音に集中しようと目を閉じた。<br><br><br>閉じたはずの目の中に飛び込んできたのは一つの光。<br><br>この光は…。<br><br><br><br>そこで、アズは目が覚めた。<br><br>朝日の光が、タロの家の窓越しからアズの顔に当たる。<br>キッチンで横になったいたアズは身体をゆっくりと起こすと、窓を見る。<br>地平線に広がる山脈の間から顔を出す朝日が眩しかった。<br><br><br><br>夜が明けた。<br><br><br><br><br>色々の想いにふけた、次の日の朝。<br>タロ、リオ、ロウ、アズの４人は集会所にいた。<br>リオは黄色い制服を着たジーコから。<br>ロウとアズは緑の制服を着たジョーイから。<br>タロはピンクの制服を着たカイから。<br>昨日のアルトの依頼通り、リオは火山でＧ級のテオの狩猟。タロはいつも通りＨＲ上げ。ロウとアズは「街」で「錆びたクシャルダオラ」。<br>各々が各受付嬢より依頼書の半紙を受け取ると、集会所の裏口に当たる、クエスト用出入り口に集まる。<br><br>「私とタロは場所が近いから、早ければ今日中には戻ってこれるかな。でもロウとアズは「街」だもんね。帰って来るのは早くても明日になるね。」<br>リオがそう言うとアズとロウを見る。<br>「気をつけて。ちゃんと無事に帰ってきてね。」<br>リオが少し心配そうにそう声をかけると、<br>「いや、それを言うのは俺達の方だよ。リオの相手はＧ級のテオだろ。本当に…気をつけてな。」<br>と、アズがリオの方に心配そうに言った。<br>「大丈夫だよ、リオは。」<br>そんなアズの言葉に、ロウが笑う。<br>そんなロウの笑いに釣られるようにタロも笑いながら口を開いた。<br>「いや全くだ。リオほど『死にそうにない女』はいなフゴッ！！！！」<br>リオから綺麗に肘鉄を脇腹に食らったタロが悶える。<br>「アズ、ありがとう！でも、本当に私は大丈夫だから。あなたも気をつけて。」<br>リオはそう言うとアズに向かってニコッとほほ笑んだ。<br><br>そんなやり取りをしていると、隣にいた売店の女の子が声をかけてきた。<br>「今日は皆さん、全員クエストに行かれるんですか？」<br>ニコニコと爽やかな笑顔で、その少女は４人に問いかける。<br>「ええ。クエストはバラバラだけどね。」<br>リオがそう言うと、その少女は足元にあった笛らしきものを「よっこらしょ」と担ぎあげた。<br>「そうですかー！今日はやっと『良い笛』が入ったんですよ！今までは貝で出来た笛で代用してましたが…っ！！ゲン担ぎも兼ねて、このガウシカの角から出来た良質の『角笛』で、皆さんをお見送りしますね！！」<br>そう言うと、その売店の少女は笛に口をつける。<br>笛に口をつけたまま、にっこり笑うと、<br>「ご武運を！」<br>と言って笛を鳴らした。<br><br><br>プァア～プォ～！！<br><br><br>少し間抜けな、でも不思議と力の入る、そんな音。<br><br><br>４人はその音を合図とでも言うように、一斉にそのクエスト用の出入り口から足を一歩、踏み出した。<br><br><br><br>ＭＨＰ２Ｇ～愛の物語～『街』編１に続く<br><br><br>
]]>
</description>
<link>https://ameblo.jp/tkp0513/entry-10513186801.html</link>
<pubDate>Tue, 20 Apr 2010 12:51:26 +0900</pubDate>
</item>
<item>
<title>モンスターハンター　～愛の物語～２６　集会所編１１</title>
<description>
<![CDATA[ ※注意！！※<br>・これは素人が書いた「創作物」です。この手の事に興味のない方、苦手な方は読まない事をお勧めしておきます。いや、本音としては読んでほしいですけど…。<br>・モンスターハンターＰ２Ｇの公式設定をかなり無視しております。<br>・多数の中二病設定が使われております。<br><br><br><br>～～～～～～～～～～～～～～～<br><br>登場人物紹介<br><br>ＮＡＭＥ：タロ・ライド<br>ＨＲ：２<br>主な使用武器：ランス・ガンランス<br><br><a href="http://stat.ameba.jp/user_images/20100408/00/tkp0513/2c/f8/j/o0492064010486906674.jpg"><img border="0" src="https://stat.ameba.jp/user_images/20100408/00/tkp0513/2c/f8/j/t02200286_0492064010486906674.jpg" alt="小説モンスターハンター　～愛の物語～"></a><br><br><br>三年前以前の記憶が無かったが、前回の話で自分の過去を「知った」。<br>ただ今、リオと同居中。<br><br><br>ＮＡＭＥ：リオ・アズベル<br>ＨＲ：９<br>主な使用武器：大剣・ランス・ガンランス<br><br><a href="http://stat.ameba.jp/user_images/20100408/00/tkp0513/7d/d9/j/o0443064010486907352.jpg"><img border="0" src="https://stat.ameba.jp/user_images/20100408/00/tkp0513/7d/d9/j/t02200318_0443064010486907352.jpg" alt="小説モンスターハンター　～愛の物語～"></a><br><br><br>三年前まではタロと愛し合っていた。三年前、ポッケ村の危機を救った英雄。<br>ただ今、タロと同居中。<br><br><br>ＮＡＭＥ：アズ・ルードリア<br>ＨＲ：６<br>主な使用武器：太刀・片手剣<br><br><a href="http://stat.ameba.jp/user_images/20100412/12/tkp0513/fa/c6/j/o0168024010493150336.jpg"><img border="0" src="https://stat.ameba.jp/user_images/20100412/12/tkp0513/fa/c6/j/t01680240_0168024010493150336.jpg" alt="小説モンスターハンター　～愛の物語～"></a><br><br><br>元大闘技場の門番兵。前回のタロの戦いに感動して「ハンター」に戻る決意をする。<br><br><br>ＮＡＭＥ：ナルガ・ロウ・セトラ<br>ＨＲ：９<br>主な使用武器：ハンマー・太刀・狩猟笛<br><br><a href="http://stat.ameba.jp/user_images/20100412/13/tkp0513/bd/13/j/o0189024010493155200.jpg"><img border="0" src="https://stat.ameba.jp/user_images/20100412/13/tkp0513/bd/13/j/t01890240_0189024010493155200.jpg" alt="小説モンスターハンター　～愛の物語～"></a><br><br><br>ややこしいけど名前は「ナルガ」。ロウはミドルネーム。<br>過去にちょっとあってファーストネームに「ナルガ」と付けている。…が、今回の本編には関係無し。<br>アズを追いかけてポッケ村にたどり着く。 <br><br><br>３４<br><br>アズは自分の、ミリアとの過去を話し終えると、ふぅっと一呼吸置く。<br>そして自分の目に貯まっていた涙を拭くと、目の前の二人に話しかけた。<br>「とまあ、そんな訳さ。…あいつが、ミリアが死んでからは…俺自身『ハンター』としてやっていく意味が無くなってしまった。その後、集会所で酒にやさぐれている所を、グスタが『門番兵』にならないかと…声をかけてくれたんだ。」<br>アズの話を黙って聞いていた二人は、アズの話を終えるのを確認すると同時にため息をつく。<br>二人ともに、アズの話に目にうっすらと涙を貯めていた。<br>「そんな事があったの…。」<br>リオがアズに相槌を打つも、しかしどう声をかけていいか解らずその後も言葉を続ける事が出来ない。<br><br>アズの経験した『過去』の重さが、過去の話をしている時のアズの表情から窺えた。<br><br>リオ自身も一度、「タロを失う」という経験をしているだけに、アズの心中が良く解る。<br>そしてロウも、アズの心中が痛いほどに伝わっていた。<br>「共感」というにはロウは「愛する者を失う」という経験はしていないが、アズを見てきたロウにとって、今のアズの心中の苦しさが理解できる。<br>「興味のある者」とは、それだけその者との感情の共有ができるからこその「興味」だ。<br>ロウもまた、話を聞いただけでもミリアを想うアズの心の傷の深さが解った。<br><br>「まあ…もう二年も前の話さ。ミリアの事は…俺自身、もう引きずっているつもりはないんだ。」<br>そう言って笑うアズだが、その笑顔は哀愁に満ちていた。<br>「今までは…ミリアの事を語る事なんてとてもできなかった。思い出すだけで…寂しくて、悲しくて…気が狂いそうになった。でも…時間が解決してくれたんだろうか、今は…こうしてミリアの事を語る事もできる。」<br>そこまで言うとアズは一呼吸置き、さらに話を続ける。<br>「だからなのかな。タロの戦いを外で聞いていた時、目に浮かんだんだ。自分が狩猟をしていた時の風景が。今まであの大闘技場の門番をしていても、まったくそんな事なかったのに。でもタロの時は思い出したんだ…ミリアと一緒に狩猟をしていた時の事を。」<br>アズはあの時の、タロの「モンスターハンター」の時の情景を思い出しながら語る。<br><br>「俺がミリアから教えてもらった『絶景』を…もう一度見たいと思わせる感動が、タロに送る観客達の『歓声』に籠っていた。だから…俺はタロに会いたいと思ってここまで来たんだ。」<br>ここまで語るとアズは手に持っていたフラヒヤビールをぐっと口の中に流し込む。<br>長く語って喉も枯れていたので、ビールが喉を通る感触が気持ち良かった。<br><br>「そうだったの…。タロならきっとあなたを歓迎すると思うわ。今ちょっと『訳あり』でね、タロは早急にHRを上げなきゃいけないの。だからあなたがタロの狩猟が見たいというなら手伝って上げて！」<br>リオがアズにそう言って微笑む。<br>そんなリオの笑顔に、<br>「そうか、そう言ってもらえると嬉しいよ。」<br>と、アズも微笑んだ。<br><br>アズのタロに「会いたい」という感情が伝わる。<br>これは「ハンター」ならではの特有の感情かもしれない。<br>しかしだからこそ、その想いはより正確に共感し合えるのだろう。<br><br><br><br>「…でもさ、『上手い人』の狩猟を見たいならリオでも良いじゃない。私はあなたの『狩猟センス』以上の人は知らないよ？」<br>ロウがそう言ってリオを指差す。<br>タロの「狩猟技術」を知らないロウは、リオの狩猟風景を思い出しながらそう言った。<br>「ロウ、そう言ってくれるのは嬉しいけど。私じゃタロには勝てないわ。あの人は…本当にすごいから。あなたも一度タロの狩猟を見てみると良いわよ。」<br>自分を褒めてくれるロウに、リオは照れ笑いしながらもそう答えた。<br><br>そんなリオの言葉に、ロウは驚いた。<br>リオは「国王の勅令」が来るほどのハンターだ。<br>今現在、この国ではリオ以上のハンターはいないだろう。<br>リオも「国王の勅令」を順守する以上、そのプライドと誇りを持っている。<br>なので今まで一度も自分を卑下した事はない。<br>そんなリオが「私じゃ勝てない」と言うのだ。<br>タロという男、一体どれほどのハンターだと言うのだろうか。<br><br>アズもまたタロの戦いに惹かれ、そしてリオもタロに勝てないと言う。<br>昨晩一緒に飲んだあの「男」を思い出すと、ロウはどうしても「リオの尻に敷かれるタロ」のイメージがある。<br><br>ロウもまたハンターだ。<br>そこまでこの二人に言わしめるその「男」。<br><br>俄然、ロウも「タロの狩猟」に興味が湧いた。<br><br><br><br>そこまで三人が話していると、集会所にギルドマネージャーが入ってきた。<br>リオ、ロウ、アズの三人が集会所の中央のテーブルで酒を飲んでいるのを確認すると、ギルドマネージャーはその三人に声をかける。<br><br>「リオちゃん！良かった、まだ居たのね～。」<br>そうリオに声をかけると、ギルドマネージャーは残りの二人にも視線を向けて軽く頭を下げた。<br>「マネージャー。どうしたんですか？」<br>リオがギルドマネージャーの方に向くと、マネージャーの後ろに一人の兵士が立っているのに気が付いた。<br>その兵士の存在に、リオは眉をひそめる。<br><br>リオが後ろの兵士に「そんな顔」をする事に気が付いたギルドマネージャーは苦笑した。<br>この子、本当に察しが良いわね…。<br>そんな風に思いながら、口を開いた。<br>「ちょっとリオちゃんと、そこのナルガさんにお話があるの～。あなた…横、座っても良いかしら？」<br>言葉尻でアズの方に向いてそう聞くと、視線のあったアズは、<br>「ええ、もちろん。どうぞ。」<br>と、横に座るように促した。<br>「ありがとう～。」<br>マネージャーはそう言って、ニコニコしながらアズの横に座る。<br>マネージャーが座るのを確認すると、リオがマネージャーに話しかけた。<br>「後ろにいる兵士さん…『宮仕え』ですよね。何か…あったんですか？」<br>そんなリオの言葉に、マネージャーが笑顔を消す。<br>「リオちゃん、さすがね。そう、ちょっと問題が起こったのよ。それでリオちゃんとナルガさんにお願いがあってね～。」<br>そう言うとマネージャーはロウの方を向いた。<br>ロウとマネージャーは視線が合うと、ロウに向かってマネージャーが口を開いた。<br>「あなたが『ナルガ・ロウ・セトラ』さんね。噂は聞いてるわ。リオちゃんの最高のパートナーとして、国王の勅令も何度もこなした『漆黒のハンマー使い』。私はここの集会所のギルドマネージャーをしているアネーシャというの。以後よろしくね。」<br>アネーシャが挨拶すると、ロウも口を開く。<br>「あなたがアネーシャさんなんだ。アルトのおっさん、よくその名前を出してたから知ってるよ！よろしく！」<br>そう言ってニコニコと笑うロウ。<br>そんなロウの言葉にアネーシャはピクッと体を反応させた。<br>「あら…アルト隊長、私の事なんて言ってたのかしら…？ロウちゃん、ちょっと詳しく聞かせてくれる？」<br>うっすらと笑顔を浮かべると、アネーシャはロウに聞く。<br>そのアネーシャの笑顔と、急に呼び名が「ロウちゃん」という馴れ馴れしい口調に変化したことに、ロウは一瞬ゾッとした。<br>なんか…久しぶりに人間から『圧力』を感じたな…。<br>そんな風に思いながらも、ちょっと面白そうと思ってアルトの過去話でも…と思っていると、隣で話を聞いていたリオが慌ててアネーシャに声をかけた。<br>「と、所でマネージャー！そのお願いってなんですか？」<br>隣で見ていたリオも、アネーシャの只ならぬ圧力に気付いたのか、アルトの身に危険を感じたリオが話しかける。<br><br>そんなリオの言葉にロウとアネーシャは一瞬顔をしかめたが、アネーシャはリオの方に向いて口を開いた。<br><br>「うん。実はね…私の口から言うのも変な話なんだけど、また『国王の勅令』を受けてほしくてね～。」<br><br><br>意外な人物からの「国王の勅令」に、リオとロウは目を合わせた。<br><br><br>３５<br><br>リオ、ロウ、アネーシャのやりとりを聞いていたアズは、ただただ驚愕しながらその話を聞いていた。<br>とにかくこの三人の話に気後れする…そんな内容だった。<br><br>この三人は…一体なんだと言うのだ？<br>リオは解る。<br>あの「ポッケの英雄」だ、国王の勅令を受けるのも納得なのだが…。<br>ロウも…またそんなにすごいハンターだったのか。<br>リオと共に国王直々の依頼をこなすハンター。<br>さらには国王直属部隊の隊長、アルトを知っている。<br>いや、知っている所か「アルトのおっさん」と慣れ慣れしく呼んでいる。<br><br>アルト隊長と言えば我が国における最高にして最強の兵士だ。<br>伝説も数多く残している。<br>ハンターという一面においても片手剣と双剣、大剣を自在に使いこなし、「この者を以って切れぬ化物は無し」と言われた人物だ。<br>こんな辺境の地の集会所のギルドマネージャーも、アルト隊長の事を知っている。<br>いやアルト隊長の口からその名前が良く出ると言っていた。<br>「知り合い」…というには余所余所しいのか。<br><br>老兵というにはまだ若い、そんな「生きる伝説」の人物の名前をホイホイと挙げるこの三人は…一体何者だと言うのか…。<br><br>唖然とした顔でこの三人の話を聞いていたアズにアネーシャが気が付いた。<br>「挨拶が遅れてごめんなさい～。私はここのギルドマネージャーのアネーシャと言うの。あなたはこの二人のお知り合いかしら？よろしくね～。」<br>アネーシャがアズに声をかける。<br>「二人というか…ロウの方とだけどね。リオとは今日初めて会ったんだ。俺はアズ・ルードリア。この二人のようなすご腕ハンターではないが…よろしく。」<br>話の内容に押されたまま、自分が場違いな気がするこの雰囲気の中でアズが言う。<br>元々しっかりと「自我」に意識の持てるアズだったが、さすがにこの三人の前ではそんな「自我」も霞む。<br>少し浮足立った感に、アズは自分の居場所の居辛さを感じていた。<br><br>「それで、アネーシャさん。国王の勅令って何？」<br>ロウがアネーシャに向かって聞いた。<br>ロウの語りかけにアネーシャは二人を交互に見ると、<br>「二人は『塔の噂』の事は知ってるかしら？」<br>と、唐突に聞く。<br>そんなアネーシャの言葉に、リオが眉を寄せた。<br>「塔…？」<br>ロウは聞いたことが無いと言うように首を傾げている。<br>「塔って…もしかして…『古塔』の事…ですか？」<br>リオがそうアネーシャに訪ねた。<br>「リオちゃんは…もう解ったみたいね…。でもさすがにここまではまだ『噂』は来てない…か。」<br>リオの言葉に、アネーシャはそう呟いた。そしてそのまま話を続ける。<br>「実は先日から、『奇妙な噂』が流れ出したの。リオちゃんが言ったその『古塔』。そこの麓にある村に住む一人が…その『古塔』で『神』を見た…というの。」<br>そんなアネーシャの言葉に、リオは目を見開いた。<br>「まさか…もう。」<br>リオの顔が驚愕の顔に変わるのを見たロウも、その『噂』が只事ではないと感じる。<br>普段はどんな依頼でも動じないリオが慌ててる…。<br>ロウはアネーシャの言葉に耳を傾けた。<br>「いや…まだ解らないわ。まだ…『災い』が『起きた』という報告は聞いてないの。ただ今回、それに関係するような事態が起こってね。」<br>そこまで話すと、アネーシャは目の前にいる二人の顔を見た。<br><br>「実は…。」<br>そこまで話すと、急に後ろから声がした。<br><br>「そこから先は、俺が話そう。」<br>急に聞こえてきた声の方向に顔を向けると、アズは驚きのあまり立ちあがった。<br>「ア…アルト隊長…！！」<br>アズは驚きのあまりその人物に向かって思わず声を出してしまった。<br><br>そこに立っていたのは、先ほどまでアネーシャと洞窟で話していたアルトだった。<br><br>「何よ～。帰ったんじゃなかったの～。」<br>アネーシャはアルトに顔を向けると、いつもの口調でそう声をかける。<br>「いや、やはり国王の勅令は俺自身が頼まないといかんと思ってな…。ここに寄らせてもらったよ。」<br>アルトはそう言うとアネーシャに微笑む。<br>「なんでアルトのおっさんまでここにいるのさ！？」<br>ロウもまたアルトの登場に驚いていた。<br>「それはこっちの台詞だ、ロウ。なんでお前までこんな辺境の地にいるのだ。それと『おっさん』は止めてくれ。」<br>そう言うとアルトはロウに苦笑する。<br>この娘は本当に「遠慮」がないな…。<br>そう思うアルトだったが、自分の今の立場に「遠慮」をしないロウに、アルトは少し嬉しそうな顔をした。<br>「アルト隊長、お久しぶりです。」<br>リオはアルトににこやかに挨拶する。<br>「リオ、久しぶりだな。今回も…すまんが貴殿に頼りに来てしまったよ。」<br>リオの笑顔に、アルトも笑顔で返す。<br><br><br>アズが驚いた顔で呆然と突っ立っていると、今度は別の方からまた声がした。<br><br>「ただいまー。」<br>アルトのさらに後ろから、一人の「男」の声がする。<br>「タロだ！お帰りー。」<br>ロウがアルトのさらに後ろの「男」に声をかけた。<br>「…？どうしたんだい？こんなに人が集まって…。うわっアルト隊長！」<br>アルトの後ろにいた男、タロがこの面子にアルト隊長が居る事に驚いた。<br><br><br>タロ…！？<br>アズはアルトの向こう側にいる、一人の男に目を向けた。<br>そこには、いつか大闘技場の門の前で見た、一見華奢な男。<br>しかしずっと「会ってみたい」と思っていた男。<br><br><br>アルトがこの場にいる事に驚いているタロの顔を見たアズは、さらに驚く。<br><br><br>アズは突っ立ったまま、この光景をゆっくりと、そして呆然と眺めた。<br><br><br>目の前に「ポッケの英雄」とそのパートナー。<br><br>その奥に「国王直属部隊隊長」。<br><br>そしてさらにその奥に…あの、「タロ」。<br><br><br><br>アズはもはや、どれに驚けば良いのか解らなかった。<br><br><br>３６<br><br>集会所に集まっている、とある一団。<br>男女６人が一つのテーブルに座っているこの光景。<br>知らぬ者が見れば、狩猟を終えてその成功に酒を浴びる団体とでも映るだろう。<br>しかし知る者が見れば、こんな辺境の集会所に一体何があったのかと驚いたかもしれない。<br><br>そんな６人が一堂にそのテーブルに座っている。<br>いや、そんな中一人場違いと浮足立つ男、アズがいた。<br>この面子の中に自分が居る事に、改めて違和感を感じざるを得なかった。<br><br>アズとしては先ほど帰ってきたタロと話したかったが、とにかくアルト隊長もいると言う事で挨拶もそのままに、今はアルト隊長の話を聞くことにした。<br><br>アルト、タロがそのテーブルに着くと、一同が誰の声に耳を傾けるべきか窺うように静まり返る。<br><br>そんな静寂を破ったのはもちろんと言うべきか、アルトだった。<br>「今日私がここにきたのは、先ほどアネーシャが君たち二人に説明しようとしていた件で、君達に依頼を頼みたかったからだ。」<br>アルトはそう言うと、リオとロウを見る。<br>「率直に言おう。先日、古龍観測局より二頭の『古龍』が動き出したという報告が入った。一頭は上位クラスのクシャル・ダオラ。もう一頭はG級のテオ・テスカトル。クシャルは雪山にて、テオは火山にて目撃されている。」<br>アルトがそう言うと、それを聞いていたリオが反応した。<br>「二頭同時…ですか。」<br>リオもまた、「同調の説」を知る者だ。二頭が同時に動き出すという異常性に気が付いた。<br>「ああ、そうだ。リオなら解るだろう、この事態の意味を。」<br>アルトがそう言うと、リオは黙って頷く。<br>「まあでも、まだその『関連性』は確認取れてないからね、リオちゃん。まだ…慌てる事は無いから。」<br>アルトとリオのやり取りを見ていたアネーシャがリオに言う。<br>タロが居る手前、この事態が「祖龍」に関係している事だとはあまり言いたくはない。<br>とにかくまだ「慌てる」かどうか判断できないのだ。<br>まだ、タロにはいつものペースでHR上げをしてほしい。<br><br>アルトもここにタロが居ると改めて自覚すると、少し話題の主旨を変える。<br>先ほどのアネーシャとの会話を思い出したからだ。<br><br>「まあそこでだ。リオには今回、この火山のテオ・テスカトルの討伐を依頼したい…。<br>というには、俺は国王よりこの手の命令指揮の任を全て一任されているからな。俺の依頼は全て『国王の勅令』という扱いになってしまうが…。」<br>王政という専制君主制の政治形態において、「国王」の命令は絶対だ。<br>国王が「死ね」と言えば、死ぬしかない。<br>国王の勅令とはこの国に住む者にとっては最高の栄誉でもあるが、絶対に順守しなければならない、そんな「圧力」もかかる。<br>しかも「モンスター」絡みで来る「国王の勅令」は、大概「国」という枠で「害」のあるクラスのものばかりだ。<br>一筋縄では行かない。<br>このプレッシャーに打ち勝ち、さらに「結果」を出せるハンターはこの国でも今まだ数えるほどしかいなかった。<br><br>「解りました。テオの件、謹んでお受けいたしますわ、アルト隊長。」<br>リオはそう言うとアルトに笑顔で返答する。<br><br>そんなリオを見ていたアズは、改めてリオの「凄さ」を思い知った。<br>おいおい…相手はG級のテオだぞ…？<br>笑顔で…なんの躊躇いもなく笑顔で返事するとか…。<br><br>顔には出さないが、その勅令の内容とリオの態度に「身震い」するアズがいる。<br><br>「リオが行くなら、私もついて行くよ！！テオか～久しぶりだね。」<br>アルトの依頼に、ロウもそう発言した。<br><br>アズはもう、この話の流れに自分の経験が付いていけてないと気が付いた。<br>もはや別次元の、英雄を語る絵本の話の世界だ。<br>いつしか、グスタの「勇者」の話で、絵本の世界と自分で評した事があったが、それが正に今目の前で行われている。<br><br>ただ呆然と、その会話をする者達を見ているしかなかった。<br><br>「いや、ロウ。今回はお前にも別で依頼を頼みたいのだ。」<br>ロウの今の言葉に、アルトが反応する。<br>「え？もしかして上位のクシャルの方？でも上位クラスなら相手できるハンターなんてごろごろいるじゃん。」<br>ロウが顔をしかめながらアルトにそう言った。<br>アルトはそんなロウに苦笑する。<br>普通なら「楽」な方を喜ぶものだが…。<br>「まあ聞け。今回のクシャル・ダオラなんだがな。確認された報告を見る限り、少し『変』なんだ。」<br>アルトがロウにそう言うと、ロウは首を傾げた。<br>「変…ってどういうことさ？」<br>そんな二人の会話に、アネーシャが会話に割り込んできた。<br>「そのクシャルね、体全体が『錆びてる』のよ。」<br>「錆びてる…？クシャルが？」<br>ロウがアネーシャの言葉に、さらに首を傾げる。<br>「私も初めて聞いた事例なんだけどね～。ロウちゃん、クシャル・ダオラって『脱皮』するって知ってる？」<br>アネーシャの言葉にロウが驚く。<br>「脱皮！？そんな事するの？…ああ！！そうか、雪山の頂上にあるアレか！」<br>ロウがあっと何かに気が付いた。<br>「そう言えば今日もピッケルで叩いてきたよ。クシャルの脱皮した抜けがら。」<br>ついさっきまで雪山でクエストをこなしていたタロが、笑いながらそう呟いた。<br>そんなタロの発言にリオが反応する。<br>「どおりで遅いと思ったら…。」<br>タロを見ながら、先ほどのアネーシャと同じような「圧力」のある笑顔で呟いた。<br>そんなリオの「圧力」にタロはビクッとすると、すぐさま口を噤む。<br>「そう、その『脱皮』なんだけどね。今回現れたクシャル・ダオラは、おそらくその脱皮寸前のものだと思うの。」<br>アネーシャがリオとタロのやりとりを横目に、笑いながら話を続ける。<br>「『脱皮』をするという事。それは表皮を新しく取り換え、さらにその硬度が上がる事を意味する。その言葉の通り、『一皮むける』と言うことね。おそらく…私達人間の目線で言えば、『上位』から『G級』に上がる寸前のもの、と言えば解りやすいかしら。」<br>アネーシャがそこまで言うと、ロウが少し嬉しそうな顔をする。<br>「つまり…『強い』と言う事？」<br>ロウの呟く言葉に「期待」がこもるように、少し語尾のトーンが上がる。<br>「G級…と言う程ではないでしょうけどね。でも、この時期のクシャルはとてもナイーブでその気性もいつも以上に荒いわ。『いつもの』クシャルだと思っていると…案外痛い目に会うかもね。」<br>ロウのそんな「期待」の眼差しに、アネーシャはフフッと笑いながらそう答えた。<br>「良いよ！解った。じゃあ私はクシャルの討伐を引き受けるよ！場所は雪山で良いのかな？」<br>そう言うとロウはアルトを見る。<br>そんなロウの視線にアルトは、<br>「いや、どうにもそのクシャルなんだが、『街』の方に動いているんだ。ロウには『街』の方に行ってもらいたい。」<br>と、答えた。<br>「『街』って、どこの『街』さ？」<br>ロウがアルトにさらに聞くと、アルトはその街の名前を告げる。<br><br>そんな「街」の名前に、アズははっとした。<br><br>その「街」は…俺と、ミリアが住んでた「街」じゃないか…。<br>アズは思わずその「街」の情景を思い出す。<br><br>二年前…ミリアを葬った後、「門番兵」としてその「街」を出てからは一度も帰っていない。<br>ミリアの思い出が詰まったその家に、アズはずっと帰れなかった。<br>思い出すのが辛すぎて。<br><br>まだ、おそらくそのままの形で残っているだろう、あの「家」。<br><br><br><br>そして、何よりその「街」にはミリアの「墓」がある。<br><br><br><br>アズはその「街」の名前を聞いて、いたたまれない気持ちに襲われた。<br>ミリアとの思い出の場所。<br><br><br>アズは無意識だった。<br>後になって「身の程をわきまえ」て、恥ずかしくなる事も普段のアズなら想像ついただろう。<br>でも、その時アズはミリアとの「思い出」で、頭が一杯だった。<br><br>無意識で言っていた。<br><br><br>「アルト隊長。ロウ。俺も…そのクエストに連れてってくれないか！？」<br><br><br>突然のPT志願者に、その場にいる一同が目を合わせた。<br><br><br><br>集会所編１２に続く<br><br>
]]>
</description>
<link>https://ameblo.jp/tkp0513/entry-10511758214.html</link>
<pubDate>Sun, 18 Apr 2010 18:26:37 +0900</pubDate>
</item>
<item>
<title>モンスターハンター　～愛の物語～２５　集会所編１０</title>
<description>
<![CDATA[ ※注意！！※<br>・これは素人が書いた「創作物」です。この手の事に興味のない方、苦手な方は読まない事をお勧めしておきます。いや、本音としては読んでほしいですけど…。<br>・モンスターハンターＰ２Ｇの公式設定をかなり無視しております。<br>・多数の中二病設定が使われております。<br><br><br><br>～～～～～～～～～～～～～～～<br><br>登場人物紹介<br><br>ＮＡＭＥ：アズ・ルードリア<br>ＨＲ：６<br>主な使用武器：太刀・片手剣<br><br><a href="http://stat.ameba.jp/user_images/20100412/12/tkp0513/fa/c6/j/o0168024010493150336.jpg"><img border="0" src="https://stat.ameba.jp/user_images/20100412/12/tkp0513/fa/c6/j/t01680240_0168024010493150336.jpg" alt="小説モンスターハンター　～愛の物語～"></a><br><br><br>元大闘技場の門番兵。前回のタロの戦いに感動して「ハンター」に戻る決意をする。<br><br><br><br>ＮＡＭＥ：ミリア<br>ＨＲ：６<br>主な使用武器：ハンマー<br><br><a href="http://stat.ameba.jp/user_images/20100415/11/tkp0513/b0/a0/j/o0420037710497194064.jpg"><img border="0" src="https://stat.ameba.jp/user_images/20100415/11/tkp0513/b0/a0/j/t02200197_0420037710497194064.jpg" alt="小説モンスターハンター　～愛の物語～"></a><br><br><br><br>アズに「拾われた」少女。二年前にアズと共に集会所を駆け抜けるが…。<br><br><br><br><br><br><br>３０<br><br>「起源にして、頂点」<br>覇竜、アカムトルム。<br>火山に近い一部地方では「黒き神」、「火山の暴君」といった数々の異名で呼ばれた黒き飛竜。<br>ギルド内ではその凶暴性や巨大な体躯から「覇竜」と呼称している。<br><br><br>ミリア、アズの二人は火山を登り、その地方の人々から「決戦の地」と呼ばれた、火山の頂上付近にある少し開けた場所までたどり着いていた。<br><br>この戦いが終われば、そこに待つのは二人の夢見た「未来」が待つ。<br>「Ｇ級」が、もう目の前にあった。<br><br>アズは特に強く願っていた。<br>この戦いが終わったら、ミリアの心臓を治す「旅」に出る、と。<br>その旅の終わりにあるのは、ミリアと描いた「二人のＧ級」。<br>「二人の狩猟」。<br>「二人の人生」。<br><br>手の届く所まで来ていたのだ。<br>ミリアの憔悴していく姿に、その精神をすり減らしてきたアズにとって、これほど嬉しい事は無かった。<br><br>「この一戦、意地でも勝ちに行くぞ！！これが終わったら…お前の心臓を治す『旅』に出るぞ！！…やってやる。俺達の『未来』のために…！」<br>決戦の地、アカムトルムを肉眼で確認したアズは、ミリアにそう言った。<br>心なしか、アズのそんな言葉は本当に「力」がこもっている。<br>それほどまでに…今日のこの日を待ちわびていたのだ。<br><br>それもそうだろう、この一戦が終われば、とにかくミリアの「華」を散らせる狩猟からミリアを遠ざける事ができるのだ。<br>それどころか、今まで急いで駆け上がった集会所から離れて、ゆっくりとミリアと「旅」が出来る。<br>そして…ミリアの「生」を手に入れる事が出来る。<br>ここまで、ずっと願っていたアズの想い。<br>ミリアの散らす花びらを見る事はもう無いと言う安心感。<br>ミリアを失う事はもう無いと言う、幸福感。<br>弥が上にも、アズのこの一戦にかける意気込みは今までで一番のものだった。<br><br><br>そんなアズを、ミリアは嬉しそうに見つめる。<br>アズのそんなミリアを想う気持ちが、ミリアにとっては本当に心地良い。<br>フッと感じる、そんな「幸福感」にミリアの瞳は微かに潤んでいた。<br><br>本当にあなたは…私を「幸せ」にしてくれる。<br><br>そう心に呟くと、ミリアは瞳に貯まる涙をそっと拭った。<br><br>「さあ…行こう、アズ！！私達の『未来』のために！！」<br>アズの言葉に呼応するようにミリアもまたその言葉に「力」をこめた。<br><br><br>二人の「未来」をかけた戦いが始まった。<br><br><br>アズ達が肉眼で認識したように、アカムトルムもまたアズ達を認識した。<br>アカムトルムはこの地に「侵入」した者には「敵意」しか持たない。<br>それは幾度となくこの地に侵入した「ハンター」達を相手にしてきた「防衛本能」というものだ。<br><br>アカムトルムにとって、この二人に突進をする理由はそれだけで良かった。<br><br>アズとミリアを認識した途端、アカムトルムにとってはごく自然に芽生える「殺意」。<br>アカムトルムは特に何を感じる事も無く、この二人を「殺そう」とその身を前進させた。<br><br>二人はまず、この地特有の「暑さ」から逃れるためにクーラードリンクを飲むと、双方二手に分かれた。<br>その突進をかわすと、ミリアはまずアカムの頭に向かう。<br>アズはミリアにターゲットが移るのを確認すると、アイテムポーチから閃光玉を取り出し投げるタイミングをうかがう。<br>隙あらばその閃光玉を投げてミリアと一緒に頭を狙おうと思っていたのだ。<br><br>今回の戦い、アズにとっては「部位破壊」などどうでも良かった。<br>とにかくこの戦いを早く終わらせたい。そんな気持ちでいっぱいだった。<br><br>二人にとってアカムトルムは「初見」だったが、事前に集会所にいる「Ｇ級ハンター」よりその狩猟法は聞いていた。<br>いや、それはアカムトルムのこの狩猟だけに限った事ではない。<br>二人は常に事前に「初見」モンスターには、狩猟経験がある者からそのモンスターの情報を聞いていたのだ。<br>これは「ハンター」にとって重要な事だ。<br>集会所の酒場は、そんな「情報提供」の場でもある。<br>そんなアズの「ハンター」においての勤勉な姿勢も、ここまでの「集会所を駆け上がる」事に役立っていた。<br><br>ミリアがある程度アカムの頭前で「観察」しているのを確認しながら、頃合いを見計らってアズは閃光玉を投げる。<br>そこで怯んだアカムを確認すると、ミリアとアズはこぞって頭に攻撃を仕掛けた。<br><br>ハンマーの打撃と太刀の斬撃が合い重なる。<br>その体躯もあり綺麗に左右分かれた二人は、なんの躊躇も無く攻撃を繰り出した。<br>その攻撃に手応えを感じたアズは、<br>「よし！！これは行ける！！」<br>と心の中で叫ぶ。<br>ミリアもまた、そんな手応えに同じ事を思った。<br><br>閃光の怯みから回復したアカムは、目の前にいる「敵」に向かって立ちあがると、これでもかとその巨大な体を地面に叩きつけた。<br>しかし双方ともに顔付近にいたことからそんな攻撃は二人にとって簡単に避ける事ができる。<br><br>アカムはその巨体が故にその攻撃の速度が遅い事を二人は見抜くと、今度は隙あらば直に攻撃を入れるようになっていった。<br><br>今までの「狩猟経験が生きている」。<br>そんな風に思わせるほど、二人はいとも簡単にアカムの動きに慣れていった。<br><br><br>二人はあっという間にそのペースを掴んだ。<br>攻撃のタイミング、避けるタイミング、各攻撃に対する対処法を特に危なげも無く見抜くと、その攻撃を与えるスピードが上がって行った。<br><br><br>ここまで戦い、二人は思う。<br>この戦いはもらったと―――。<br><br><br>だがしかし、二人はこの時点では気が付く事ができなかった。<br>この巨体の「覇竜」の恐ろしさを。<br>叩けど、切れど、中々沈まないこの「覇竜」の生命力を。<br><br>「功を焦る者」にとって、一番恐ろしいものは目の前のモンスターの「攻撃」ではない。<br>そう、「時間」なのだ。<br><br><br>今まで連携による「速攻」で仕留めてきた二人にとって、この覇竜の体力は未知なるものだった。<br><br>「焦り」が、いつしか二人を襲い始める。<br><br><br>３１<br><br>どれ位の時間が過ぎたのだろうか。<br>この灼熱の地に、この「黒き神」を前にして二人はかなりの時間を費やしていた。<br><br>全身汗が噴き出る。<br>少しでも気を緩めれば意識が朦朧とする。<br>集中力が切れれば、アカムの尻尾が横から迫りくる。<br><br>アズはかなり焦っていた。<br>中々死なないこの化け物を前にして、握る太刀に力を込める。<br>じっとりと、手の平に汗が滲んだ。<br><br>まずい…。コイツの攻撃は…本当にまずい。終わらせなければ…早く！！<br><br>アズは心の中でそう呟く。<br>先ほど、アズはアカムトルムの尻尾を食らってしまった。<br>右から来る恐ろしい衝撃に、アズは吹っ飛ばされる。<br>全身を襲う激痛が今までにない程の強烈な物で、たったの一撃でアズは意識を立ち切られそうになった。<br>ミリアのフォローのおかげで、なんとか立ちあがり回復薬Ｇを飲んで助かったが、しかし受けた衝撃は回復薬Ｇ１つでは到底フォローできないような、そんな破壊力を秘めていた。<br><br>そこで実感したのだが、アカムの攻撃はどうにもこの鎧を貫通するような不思議な衝撃を持っているようだ。<br>言葉に例えるならば「小刻みな振動」が、受けた痛みにさらに響くような。<br>全身の根底に響く「痛み」と言うのだろうか。<br>そんな得体のしれない衝撃を持っていたのだ。<br><br>アズは焦った。<br>もしこれが今の「ミリアの身」に受けたら…。<br>考えただけでおぞましく、ゾッとする。<br>「儚き」華の舞い散る姿が頭をよぎると、アズはもういてもたってもいられなかった。<br><br>早く終わらせなければ…。<br>早く…！！<br><br>アズの頭の中は、いつしかそんな思いで満たされていった。<br><br><br>己自身では気が付かない。<br>そんな狭い視界が「些細なミス」を誘発する布石になると言う事を。<br>「失敗の原因」はいきなり起こるものではない。<br>何かしらの布石がある。それが当の本人にとって気が付かないだけの事で。<br>その「布石」に気が付かないから、当人にとっては「不意」に起こるように思えるだけで。<br><br><br>アズは焦りから、そんな「布石」をばら撒いてしまったのだ。<br><br><br>そしてまたミリアも焦っていた。<br>この灼熱の大地での長期戦、自分の心臓の異変が大きくなり始めていたのが解ったのだ。<br><br><br>胸が苦しい。<br><br><br>ここ最近では戦いの最中でも、胸に違和感を感じるようになっていた。<br>しかし今までの戦いは「速攻」で決まっていたためになんとかなっていたのだ。<br><br>ここまでの長期戦に、ミリアの握るハンマーの力もその威力を失いつつあった。<br>そして映るアズの「焦る姿」。<br>そんなアズの焦燥感はミリアにも自然と移る。<br>いつもならばそんな焦るアズを叱咤するのだが、今のミリアにはそんな余裕がなかった。<br><br>心臓が持たない。<br><br>そんな焦りも合わせて、声を出す余裕のないミリアはただアズの「焦る姿」を気にするしかない。<br>ミリアの目はアズを追う。<br><br><br><br>それはアズのばら撒いた「布石」に呼応する瞬間だった。<br><br><br><br>ここで「些細なミス」から「大事」に至る、さらなる「布石」が生まれた。<br>生まれてしまったのだ―――<br><br><br>小さな「布石」は坂を転がる雪玉のように、さらなる「布石」を我が身に張り付ける。<br>その「布石」はやがて大きくなり、取り返しの付かない「惨事」を生む。<br><br><br>一番回って欲しくない、そんな歯車が歯を噛みあわせて―――回った。<br><br><br>それは本当に「些細なミス」だった。<br>「ハンター」だったら誰もが一度はやることだろう。<br>特にアズが責められる事は無い、そんな凡ミス。<br><br>アズは、砥石の使うタイミングを間違えてしまったのだ。<br>なんの皮肉か、以前ミリアに言われた砥石の重要性に、「早く研がなくては」という焦りがあったのだ。<br>焦燥感に駆られるアズにとって、どんな事も「焦り」に繋がってしまう。<br><br>時計周りでアカムを横目に、アズはアカムが立ちあがるのを見ると、ボディプレスだと思った。<br><br>ここなら振動も来ないだろうと砥石を使用した時。<br>アズの耳にものすごい咆哮の音が飛び込んできた。<br>堪らずに耳を塞ぐアズ。<br><br>「しまった…！！」<br><br>そう、アズは直撃こそ受けなかったがアカムの「咆哮」を食らってしまったのだ。<br><br>本当に「些細なミス」だった。<br><br>アズはその場で耳を塞ぎ、動けなくなる。<br>アカムはゆっくりと―――アズに振り向いた。<br>そして何の躊躇も無く、アズに向かって突進する。<br>アズはゾッとした。<br>コレをまともに受けたらどうなるのだろうか。<br>多少のダメージで体力を減らしていたアズは、もしかしたら「死ぬ」かもしれないという恐怖に我が身を硬直させる。<br><br>身動きの取れないアズは、アカムの突進を食らうのを覚悟した。<br>体にくるであろう衝撃に備えて全身にグッと力を入れる。<br><br><br><br><br>しかし、次の瞬間―――アズの身にきたモノは柔らかい衝撃、そして次に体がフワッと軽くなるような浮遊感だった―――。<br><br><br>アズが反転した世界で見た光景。<br>それはハンマーを担いだまま、笑顔で自分を見つめるミリアの姿。<br><br><br>なぜ―――。<br><br>アズは何が起こったのか解らないまま。<br><br><br>視界に映るミリアはアカムトルムの突進に吹き飛ばされた。<br><br><br>３２<br><br>儚き華の散る姿―――。<br>アズにとって一番恐れていた姿。<br><br>ミリアの体が吹き飛ばされて地面に叩きつけられると、そのままアカムトルムの巨体の中に埋もれるようにその姿が見えなくなる。<br><br>「ミリアアアアーーー！！！！」<br>アズは思わず叫んだ。<br>全身が震える。<br>一番恐れていた姿を目の当たりにしてしまったアズは、錯乱していた。<br>担いでいた太刀を背中の鞘に納めると、アズはアカムの状態も気にせずにミリアの元に走り出した。<br><br><br>何も考える事が出来ない。<br>何も考えたくない。<br><br>ただただ、アズはミリアの元に走った。<br><br>アカムの前脚付近でぐったりとしたままのミリアを見つけると、アズは一気に駈寄る。<br>ピクリとも動かないミリアを見て、アズの戦意はもう無かった。<br>アズにとっては戦い所では無かったのだ。<br><br>アカムの脚元でアズはミリアを抱きかかえるとミリアの顔を見る。<br>まだ微かに息をしているのを確認すると、急いでアイテムポーチに手を突っ込む。<br>アズは二人分の「戻り玉」を用意すると、一気にその決戦の地から離れるため、緑の煙を上げた。<br><br><br>アズは―――それこそなんの「躊躇」もなく、このクエストを「リタイア」した。<br>それは二人がＰＴを組んで、初めての｢リタイア｣だった。<br><br><br>ミリアを背中に担いで火山を下山するアズ。<br><br>まだ…まだ息はある…！！！<br>急いで医者に診せなければ…！！<br>ミリアが…ミリアが死んでしまう…っ！！！<br><br>頭の中で、アズはずっとそんな事しか考えられなかった。<br><br>錯乱している。<br><br>ミリアが死んでしまう！！<br>ミリアが…！！<br><br>アズの瞳には今にも泣きそうに、その涙が貯まる。<br><br>山を降りるその脚が早くなる。<br>つまずきながら、涙で視界を奪われながら。<br>それでもアズはミリアを抱えたまま走った。<br><br><br>アズが目に涙を貯めたまま走っていると、不意に耳元から声がした。<br>「ここは…？」<br>ミリアが意識を取り戻したのだ。<br>「ミリア！？ミリア！！良かった！意識を取り戻したのか！！今医者の所に向かってるからな！！！もう少しがんばれよ！！」<br>意識を取り戻したミリアにアズは多少の希望を見出すと、駆け下りるその脚をさらに速めた。<br>「…ああ、そっか。私、アカムの突進を食らっちゃったんだね…。」<br>耳元で囁くミリアにアズは聞く。<br>「なんで…なんで俺なんて庇ったんだよ！！自分の身が危ないのに…！！なぜ！！」<br>アズは駆け下りるスピードを落とすことなく、そう叫んだ。<br>「だって…あなたは一度攻撃をもらってるじゃない…。死んじゃうかと思って…。」<br>声色も弱々しく、ミリアはそう呟く。<br>「それで…それでミリアが死んじゃったら…元も子も無いじゃないか…！！」<br>そう叫ぶアズは、泣いていた。<br>我慢していたのに。<br>涙が出る。<br>「ミリアが死ぬ」という自分の言葉に、遂に耐えきれなかった。<br>「ミリア！！ミリア！！大丈夫か！？まだ…大丈夫か！？」<br>泣きながらアズはミリアの容体を聞く。<br>そんなアズの言葉で、ミリアは自分の容体がどうなのか意識した。<br><br>頭がうっすらと霞がかったような、ぼうっとした感じ。<br>全ての時がゆっくりと動いているような緩やかな感じ。<br>視界も朧気で、全てがぼやけた感じ。<br><br><br>自分の心臓がゆっくりとその機能を停止しようとしているのを、ミリアは悟った。<br><br>これはいよいよかと、ミリアは「覚悟」したのだ。<br><br><br>「走馬灯」が流れると良く聞くが、ミリアもまたそんな自身の身を振りかえる機会があるのかと、思わず考えてしまった。<br><br><br>３３<br><br>私の人生は、とにかく「悲惨」という二文字から語られる。<br>家も貧乏で、生まれた時から病気持ちだった私は父親に「売られ」、その売られた先は「地獄」だった。<br>私の出会った全ての者は私を「見下し」、「卑しい」目で私を見てきた。<br>生きた心地もしないまま私はその売られた先で、ろくに食事も与えられないまま過酷な労働にその身を費やさなければならなかった。<br><br>自分の「生」にたった一度だけ、一縷の望みを託して私は自分の運命に逆らおうとした。<br>それは「脱走」。<br>見つかれば間違いなく殺された。<br>でもそんな人生を続けるくらいなら死んだ方がマシだ。<br>そんな「覚悟」を抱えたまま、私は逃げ出した。<br><br>しかし飛び出した世界には、やはり私の居所は無かった。<br>その身なりと肩の「奴隷」の刺青に、誰も私に係ろうと言う者は居なかった。<br>ゴミを漁り、廃屋を探してはそこで雨風を凌いだ。<br><br>意を決して望みを託した外の世界にも、私は「見下され」「卑しい」目を向けられた。<br>一縷の望みにも裏切られ、全てに絶望した時。<br><br>私の前に、あなたは現れた。<br><br>私はその時、死のうと思っていたんだよ、アズ。<br>どうせ死ぬなら、自分の「これ！」って思った人に殺されようと思ったの。<br>私も…その時はすでに「恋」を知る年齢だったんだね。<br><br>あなたを集会所で見た時、「この人」が良いって思ったの。<br>今更何故かと聞かれると困るけど…でも、覚えてる事が一つ。<br><br>あなたの「目」がとても印象的だった。<br>私には、あなたの「目」がとても綺麗に映った。<br><br>なんとなく…この人は私を「見下さない」気がしたの。<br>だから、あなたに殺されようと思った。<br>でも子供だったから…解らなかった。<br>あなたに殺される方法が。<br><br>だから、思いつく事をしてみたの。<br><br>フフ、ごめんね、あの時は本当に。<br>でも…本当に良かった。<br><br><br>本当に良かった。<br><br><br>私を地獄から救い出してくれたあなたは。<br>「生きる」喜びを教えてくれた。<br>「恋」を教えてくれた。<br>「愛する事」を教えてくれた。<br>そして――「幸せ」を教えてくれた。<br><br><br>私の人生はあなたのおかげで彩り鮮やかに、美しいモノに変わった。<br><br><br>「ミリア！？おい！？ミリア！！」<br>手前からの声で、ミリアは意識をアズに向ける。<br>まだ生きている。<br>アズの声が、心地よかった。<br><br>ミリアは弱々しくも、自分の装備していたレウスアームを外すと、レウスヘルムの下からそっとアズの顔を触る。<br><br><br><br>アズは、そんなミリアの手の冷たさに―――脚を止めた。<br>そのミリアの手の冷たさに、アズはまた涙があふれ出た。<br><br><br>ミリアが、その「生」を終えようとしている。<br><br><br>ゆっくりとアズはミリアを背中からおろすと、今度は手前に抱きかかえた。<br>ミリアのレウスヘルムを外すと、アズもまたレウスヘルムを外す。<br>外した途端にミリアの顔に、アズの涙が落ちた。<br><br>ミリアはもう声を出すのも辛いようだ。<br>ただ、ミリアはアズの「目」を見つめた。<br>アズは冷たくなったミリアの手を握るとずっとミリアの顔を見つめる。<br>その手には生気はなく、今にも無機質な「冷たさ」に変わろうとしていた。<br><br>「…ミリア…ミリア…っうう…ああ…ああぁ。」<br>アズは涙を堪える事が出来ない。<br><br>いつか二人で約束した「覚悟」。<br>泣くものかと心に決めたはずなのに。<br>涙が止まらない。<br><br>ミリアはそんなアズに声をかけた。これが最後とでも言うように。<br>「アズ…一つ、私からのお願い、聞いてくれる…？」<br>ミリアもまた、アズのそんな泣き顔に釣られるように、涙を流しながらそう呟く。<br>「なんだ！！いくらでも聞いてやる！！！だから…死なないでくれ…！！ミリア…！！」<br>涙が止まらない。<br>「今なら言えるんだ…。私はずっと言いたかった…。あなたと『対等』だからね…。」<br>ミリアは涙を流しながらアズの瞳を見つめる。<br><br>一呼吸の後、ミリアは呟いた。<br><br>「私と…結婚してくれる…？。」<br>そう言ってミリアは微笑んだ。<br><br>いつしか、アズがミリアに言った言葉。<br>しかし、断られた言葉。<br>今、こうしてお互い対等となった今。<br><br>ミリアの想いがアズに痛いほど伝わる。<br><br>「ああ…！！ああ！！もちろんだ！！結婚しよう！！ミリア！！当たり前じゃないか…！！そうだ！お前の心臓を治す旅、新婚旅行も兼ねる事ができるじゃないか！なあミリア！！」<br>涙が止まらない。あふれ出る。<br>アズは泣きながら、ボロボロと涙をこぼしながら精一杯ミリアに向かって微笑む。<br><br><br><br>そんなアズの顔見ていたミリアはもう一度微笑んだ。<br>そして、薄らいでいく意識の中で思う。<br><br>私のために泣いてくれるあなたに。<br>その涙のおかげで私の人生は美しく彩られた。<br><br>なんて私は「幸せ」なのだろう。<br>あなたと居られた時間は、そんなに長くなかったのかもしれないけど。<br><br><br><br>私は精一杯、「生きる事」ができました。<br><br><br><br>―――あなたに恋をして良かった。<br>―――あなたを愛せて良かった。<br>―――私は、「幸せ」でした。<br><br><br>―――アズ、本当にありがとう。<br><br><br><br>―――本当に、「ありがとう。」<br><br><br><br>最後に、薄れゆく意識の中で。<br><br><br><br>「生きて…。」<br><br><br><br><br>ミリアはそうアズに言うと、静かに、そしてゆっくりとアズの手の中で―――息絶えた。<br><br><br><br>一人の少女の、短く、しかしとても美しい光を放つ「命の炎」は―――遂にその灯を消した。<br><br>言葉にならない、一人の男の絶叫が、火山に響く。<br><br><br><br>儚き華の散る瞬間―――。<br><br>溶岩の中から舞い出るその火の子は、ミリアの散らした花びらのように。<br>一瞬の内にその炎の光を消す火の子は、まるで今のミリアのように。<br><br><br>夕日の中、繋いだ手の中で二人が夢見た「未来」と「約束」。<br>遂に見る事ができなかった二人の「未来」。<br>遂に果たせなかった二人の「約束」。<br><br><br><br><br>アズは、ミリアの遺体を抱えたまま火山を降りると、ミリアを丁重に葬る。<br>その墓前の前で何度涙を流したのか。<br><br><br>その涙も枯れ果てると。<br>いつしか―――アズは太刀を置いた。<br><br><br><br><br>集会所編１１に続く<br><br><br>
]]>
</description>
<link>https://ameblo.jp/tkp0513/entry-10510737326.html</link>
<pubDate>Sat, 17 Apr 2010 14:42:56 +0900</pubDate>
</item>
<item>
<title>モンスターハンター　～愛の物語～２４　集会所編９</title>
<description>
<![CDATA[ ※注意！！※<br>・これは素人が書いた「創作物」です。この手の事に興味のない方、苦手な方は読まない事をお勧めしておきます。いや、本音としては読んでほしいですけど…。<br>・モンスターハンターＰ２Ｇの公式設定をかなり無視しております。<br>・多数の中二病設定が使われております。<br><br><br><br>～～～～～～～～～～～～～～～<br><br>登場人物紹介<br><br>ＮＡＭＥ：アズ・ルードリア<br>ＨＲ：６<br>主な使用武器：太刀・片手剣<br><br><a href="http://stat.ameba.jp/user_images/20100412/12/tkp0513/fa/c6/j/o0168024010493150336.jpg"><img border="0" src="https://stat.ameba.jp/user_images/20100412/12/tkp0513/fa/c6/j/t01680240_0168024010493150336.jpg" alt="小説モンスターハンター　～愛の物語～"></a><br><br><br>元大闘技場の門番兵。前回のタロの戦いに感動して「ハンター」に戻る決意をする。<br><br><br><br>ＮＡＭＥ：ミリア<br>ＨＲ：６<br>主な使用武器：ハンマー<br><br><a href="http://stat.ameba.jp/user_images/20100415/11/tkp0513/b0/a0/j/o0420037710497194064.jpg"><img border="0" src="https://stat.ameba.jp/user_images/20100415/11/tkp0513/b0/a0/j/t02200197_0420037710497194064.jpg" alt="小説モンスターハンター　～愛の物語～"></a><br><br><br>アズに「拾われた」少女。二年前にアズと共に集会所を駆け抜けるが…。<br><br><br>※アズの紹介イラスト：新八様<br><br><br><br>２７<br><br>レウス装備に身を包んだ二人。<br>集会所の上位に上がっても、この二人の勢いは止まらなかった。<br><br>ミリアのハンマーがその才能を開花させると共にまた、アズの「サポーター」の才能も開花していく。<br>アズはとにかく一つ一つのクエストに必死だった。<br>それはミリアを「守る」事。<br>心臓病という病を抱えながらハンマーを振るミリアは、その事情を知るアズにとってはどうしても「儚く」映る。<br>力強くハンマーを振るミリアのその姿だったが、アズにとってはいつフッと消えてしまうか不安で仕方がなかった。<br><br>そんな気持ちを抱えながらサポートするアズには余裕もなく、一つ一つのクエストにとにかく神経をすり減らす。<br>しかしそんな真剣さが、いつしかアズにとって「サポーター」としてのその能力を引き出させた。<br><br>ミリアにモンスターの頭付近を任せるとまずアズは部位破壊が出来る所はドンドンと壊して行く。<br>部位破壊が終了すると、今度はアイテムを使ったサポートに回る。<br>閃光玉が有効なモンスターには率先して投げて、罠が必要ならすばやく仕掛け、回復においては常に粉塵を用意していた。<br><br>その内サポートとしての役割も慣れてくると、今度はミリアと一緒に頭部を狙い始める。<br>一見太刀とハンマーはその攻撃判定の広さから相性が悪いように思われているが、太刀独自の攻撃中の強靭さをわきまえていると案外と邪魔にならないものだ。<br>ミリアにはドンドンと攻撃をさせて、アズはその攻撃の合間に頭に向かってその太刀を振って行く。<br><br>その連携が息を合わせ始めると、この二人の勢いはもう止まらなかった。<br><br><br>上位に上がっても特に苦戦することなく、そしてそんな時をかけることなく二人はＨＲを５に上げた。<br>今まだこの二人は下位の装備であるレウス装備で上位を駆け抜けている。<br>いつも行く集会所でもいよいよこの二人は有名になっていった。<br>そのクエストをこなす速さと、二人揃ってのレウス装備という出で立ちに、その集会所ではアズとミリアの名前を知らぬ者はすでにいなかった。<br><br><br><br>一見順調に集会所の上位を駆け抜ける二人だったが――――<br>しかしここまできて遂にミリアの方に異変が起こり始める。<br><br><br><br>時折、胸辺りを押さえて苦しそうにするミリアがいるのだ。<br><br>まだ戦闘中は特に何もなかったが、クエストが終わると苦しそうに胸を押さえるミリアの姿が目立ち始めた。<br>そんなミリアを見たアズは堪らず、ミリアをまた医者に連れて行く事にした。<br><br><br>診察を終えてミリアを一旦診療室から出すと、アズと医者の二人きりになる。<br>アズはミリアの病状を聞いた。<br>「一体どうしたというのだ…。以前私が診た時は心臓も正常だったというのに。」<br>医者はそう呟くと、アズの方を見た。<br>「彼女の心臓に若干の不規則な鼓動を感じる。この不整脈…心臓に何か負担をかける事をさせているのかい？」<br>医者がそう聞くと、アズはうっと言葉を詰まらせた。<br>ミリアが「ハンター」となった事は、アズ自身心臓病だった事を承知で認めたために、あまり言いたくなかったが。<br>やはりミリアの事が心配で仕方がないアズは、目の前の医者に事細かに事情を説明した。<br><br>「君達が集会所で有名なのは私も知っていたが…しかしよりにもよってハンマーとは…。私はこの前二年は大丈夫だと言ったが、この調子では一年も持たんぞ…。」<br>医者はアズの説明に愕然としたまま、そう説明した。<br>そんな医者の言葉にアズもまた愕然とする。<br>「そんなに…まずい状況なのか…？」<br>ぐっと拳を握りしめたままアズが聞いた。<br>「まだ…大丈夫だとは思うが…。しかし、もういつ心不全がきてもおかしくはないな…。」<br>医者は顔を俯けると、そう呟いた。<br>「やはり…ミリアにはもう『ハンター』はやめさせた方が良いのか…。」<br>アズはそう呟くと、ぐっと自分の唇を噛みしめた。<br>「まあ医者の立場で言わせてもらえば当然だ。…だが、君達のしようとしている事も解っている。今じゃ君達は有名人だからね。彼女の病を治すために…金が必要なんだろう？」<br>医者はそう言うと、目の前の机の上に置いてあった紙を手に取る。<br>「実は先日、旅行中の旅人がここに運び込まれてね。診療ついでに旅費がいくらかかるか聞いたんだ。後西洋での治療費の相場も調べておいた。これを。」<br>医者はそこまで話すとアズに手に持っていた紙を渡した。<br>そこにはなるべく細かく、旅費や治療費などの金額の内訳が書いてあった。<br><br>一番下の段に書かれていた数字を見て、アズは目を見開く。<br>「１６０万ｚ…なのか？」<br>その数字を読み上げて、医者にアズは改めてその金額で合っているのか聞いた。<br>「そうだ。とりあえず旅費と治療費もその金額があれば…なんとかなるようだ。他にも色々雑費なども考えれば…それでも２００万もあれば行けるだろう。」<br>そんな医者の言葉にアズは目を輝かせた。<br>「それなら…後少しで行けそうだ。」<br><br>現状、今の所アズは手持ちでも１００万ｚも持っていないが下位装備で頑張ってきた甲斐というべきか、売れる素材が結構ある。<br>全部売れば１４０万ｚくらいにはなる計算だった。<br>「しかし２００万…か。まだ…ミリアの力が必要だ…。」<br>あと少しなのだが、ここでアズが一人で戦うとなるとまた以前のように現状維持の生活になる。<br>上位に上がってその依頼料も上がっているが、しかしアズ一人では貯められたとして微々たるものだ。<br>そうなるとやはり「時間」との戦いになるのは目に見えている。<br>そんな葛藤にアズが苦しんでいると、<br>「そこでだ…。彼女の本人の意思もあるだろうが…彼女の病気を治すためならば、私は彼女の『ハンター』を止めはしない。ここで養生させた所で若干死を遅らせる事ができるだけだ。結局、金が無ければ死を待つだけだからな。…ただやはり『時間』との戦いになるだろう。どちらの選択の方が可能性があるか…それは君の判断に任せるよ。私もなるべく協力する。」<br>と、医者がアズに話す。<br>「可能性…か。」<br>そんな医者の言葉に「選択」とあるが、アズは「道は一つしかない」と悟った。<br><br><br><br>ミリアの「命の炎」が燃え尽きるのが先か。<br>金が貯まるのが先か。<br><br><br><br>ミリアもアズも。<br>二人ともにこれからは、より苦しい戦いを余儀なくされる。<br><br><br>ミリアの生存に具体性が出てきた事。<br>―――ミリアが助かるかもしれない。<br>―――しかしミリアの体が持たないかもしれない。<br><br>そんな二つの明暗に、アズはいよいよ「結果」が迫ってきているのだと悟った。<br><br><br>２８<br><br>しかし実際の所、その心臓を弱らせる「ハンター」という仕事を、アズはもうミリアにはしてほしくなかった。<br>当たり前の事だ。<br><br><br>儚き華の散る姿―――。<br>今のアズはこれを一番恐れている。<br><br>ミリアが一つそのハンマーを振る姿は、一枚の花びらが舞う姿。<br>華の美しさも、その花びらが舞うごとにその姿を寂しくさせる。<br><br>いつか…そんな花びらも尽きてしまうのではないか…。<br>アズの心中はもう心配と不安で一杯だった。<br>精神的な疲労感がアズを襲う。<br><br><br><br>「ねえアズ。」<br>診療所からの帰り道、ミリアはアズに話しかけた。<br>夕暮時、歩調を合わせて歩く二人。<br>夕日を背に受けて歩く二人の影が伸びる。<br><br>「私ね…、今とても幸せなの。」<br>唐突にそう言うミリアの顔は本当に幸せそうに笑っていた。<br>アズはそんなミリアの顔を見て言葉を詰まらせる。<br>先ほどの医者との会話が頭を過ぎり、そんなミリアの笑顔でさえアズにとっては「散りゆく花びら」に映ったからだ。<br><br>「幸せ…か…。」<br>アズはミリアの笑顔を見ながらそう呟く。<br>そんなアズの呟きを聞いたミリアは足を止めた。<br>急に立ち止まるミリアにアズも足を止めると、何事かとミリアの方に振り向く。<br><br>「アズ。聞いて。」<br>そう言葉をかけるミリアの顔から先ほどの笑顔が消えた。<br>視線を真っ直ぐにアズに向ける。<br>そんな真剣なミリアの表情に、アズは何かいたたまれない寂しさを感じた。<br>「私は『ハンター』となって、モンスターとの『殺生』にこの身を置いたわ。生死をかけた職業。そして相手に『死』を強要する職業。そしてまた相手も私に『死』を強要する。そんな中で生きてく身として…私は『死ぬ』事に対して『覚悟』を決めているの。」<br>視線の先を全く動かすことなくミリアはアズを見ている。<br>そんなミリアの視線に、アズもまたその視線を動かさない。<br>アズはミリアの「言いたい事」がその視線から解ったからだ。<br>「アズ、だからあなたも『覚悟』して。私が死ぬ事を。あなたが今何を考えているか解ったから、敢えて言わせてもらうけど。」<br>そこまで言うと、ミリアは一つ息を吐く。<br>アズはミリアの次の言葉を黙って待っていた。<br><br>「私は…死ぬのなら『ハンター』として死にたい。いくらあなたが止めようとも…私は、私の思うように生きたい。でなければ…また、私はあなたと『対等』ではなくなるから…お願い、死ぬまで…あなたの横を歩かせて。」<br><br>「ミリア…。」<br>アズはミリアの顔と今の言葉で、自分の命が残り少ない事を知っているのだと悟った。<br>そんなミリアの覚悟に、アズはまた泣きそうになる。<br>しかしグッと涙を堪えると、唇を噛んで涙腺の綻びを締め直した。<br><br>「解った。俺も『覚悟』する。お前と…最後まで横を歩き続ける。だから…共に歩こう。」<br>そう言ってアズはミリアに手を差し出した。<br>アズはまだ涙をこらえながら唇を噛みしめている。<br>油断すればすぐに涙が出そうになる。<br>しかし、アズはグッと堪えた。<br><br><br>それが『覚悟』なのだと心に刻みながら―――。<br><br><br>ミリアはそんなアズの差し出す手を嬉しそうに掴むと、手を繋いで横を歩きだす。<br>夕日に映る、二人の影がそっと繋がる。<br><br>「私ね！！『Ｇ級』に早く行きたいの！」<br>手を繋ぎ、嬉しそうに歩くミリアは、急にそんな事を言う。<br>「Ｇ級に？そんな恐ろしい所に早く行きたいなんて…。」<br>アズはミリアの言葉に首を傾げた。<br>ミリアはたまあに突拍子もない事を言う。<br>しかしそれが全てハンターとして「一流」を裏付ける発言だと言う事も、アズは解っていた。<br>「今より全然強いモンスターがいるＧ級…。そこにいるモンスター達の『目』はどんなのなのか早く見てみたいんだ。」<br>嬉しそうに話すミリアの顔に、「恐怖」の色は無い。<br>心からＧ級を願う、好奇心に満ちた顔がそこにあった。<br><br>「アズと一緒に…Ｇ級に行って、色々なモンスターと戦う…想像しただけでワクワクしてこない？Ｇ級にしかいないモンスターもいっぱいいるんだよ！楽しみだな。」<br>空を見ながら幸せそうに語るミリア。<br>アズもまた、これからもずっと二人で狩りをしていく―――そんな夢を見る。<br><br>なるほど、それは実に楽しそうだ。<br>アズもまた、そんな狩猟生活に胸躍る。<br><br>握り合う手に、ちょっとだけ力を入れるアズ。<br>その手に反応するようにミリアも少し、力を入れる。<br><br>そんな夢を叶えたい。<br>二人は夕日に照らされながら、言葉を交わすことなく約束を交わす。<br>「二人でＧ級へ。」<br>二人の握り合う手が先ほどよりも固く、お互いの意思の表れとでもいうようにきつく握り合った。<br><br>夕日に照らされ伸びる二人の影。<br>繋がる手はもう一生離れる事はないとでも言うように、しっかりとその影が繋がる。<br><br><br><br>しかし―――そんな二人の約束は。<br><br>守られる事は無かった。<br><br><br>２９<br><br>いよいよ遂に二人はＨＲも６に上がった。<br>ここのクエストを越える事ができれば、夢のＧ級だ。<br>ミリアはＧ級を目指し、そのハンマーを振るう。<br>アズは目標金額を目指し、その太刀を振るう。<br><br>ＨＲも６になれば、出てくるモンスター達も強敵ばかりだ。<br>ティガレックスを筆頭にディアブロス、リオレウス希少種、リオレイア希少種、そしてラージャンなど。<br>モンスターとして強豪揃いの面子が揃っていた。<br>しかしそれでも、二人のクエストをこなすスピードは落ちない。<br><br>息の合ったＰＴ戦は、ただ戦力が倍になるというような単純な物ではない。<br>それは時に最大限の効率を生み、そして最大限の力を発揮する。<br>息が合い、ハンマーの攻撃が最大に生かされ、太刀が追い打ちをかける。<br>時に片手剣が相手を拘束すれば、またそのハンマーが威力を発揮する。<br><br>息の合ったＰＴ戦は「加算」ではない。それこそ三倍、四倍と威力を高める「乗算」なのだ。<br>さすがに武器は上位のものだが、そんな二人の装備は相変わらずの下位のレウス装備だった。<br>しかしこの二人には上位の装備など必要ない位に、あっさりとそして鮮やかに、上位のモンスター達を仕留めて行く。<br><br>「二人が足を止めるには上位のモンスターでは物足りぬ」、そんな言葉が集会所内でも飛び交うようになっていた。<br><br><br><br><br>そして運命の「時」が来る。<br><br><br><br><br>遂に二人は―――Ｇ級ライセンス昇格を掛けた、「緊急クエスト」を受ける資格を得る。<br><br>「起源にして、頂点」<br><br>アカムトルム討伐の依頼だ。<br><br><br>これを越えれば…Ｇ級だ。<br>ミリアはその「Ｇ級」に胸躍らせ、そしてアズはこのアカムトルムの討伐の報酬金と次に行くＧ級の報酬金に期待を膨らませた。<br><br>ここまで、目標額まで残り少しまでは貯まっていた。<br>アカムトルム討伐だけではまだ届かないが、それでも後はＧ級を少しこなせば届く金額だった。<br>いや、Ｇ級をこなさなくてもそこまで行ってしまえば、後は友人や知人に頭を下げてでも金を借りれば良い。<br>その金額だったら、返済しながらでもなんとかやっていける。<br><br>アズ、ミリアの想いは共に一つ。<br>このアカムトルムの討伐の先に、二人が夢見た「未来」がある。<br><br><br>二人は嬉々としながら、そのアカムトルム戦に向かった。<br><br>しかし、そんな二人は功を焦ったと言うべきか。<br>特にアズの方が浮足立っていた感がある。<br>このアカムトルム戦に挑む上で見落としていた物がいくつかあった。<br><br>一つは下位のレウス装備だ。<br>この装備は下位装備という、ただでさえ上位のモンスターに対しては厳しい装備なのに、アカムトルムとの相性が最悪だったと言う事。<br>ここまで特に問題もなく来てしまった慢心が、この装備を選んでしまったのだろう。<br>「愛着」というものもあったのかもしれない。<br>しかし、それにしてはアカムトルムという相手は厳しすぎた。<br><br>もう一つはミリアの容体だ。<br>ここまできて、ミリアの心臓は悲鳴を上げていた。<br>ミリア自身、そんな容体をアズに見抜かれたくなかったため気丈に振舞っていたが、しかし普段のアズなら気付いていただろう。<br>ミリアの容体の変化に。<br>時折、息ができないような苦しさに胸を押さえるミリアがいた事に、アズは気がつかなかった。<br>そう、そんな容体の変化を隠したミリアの「覚悟」に、アズは気が付かなかったのだ。<br><br><br>ミリア自身、この一戦に「思う事」があったのかもしれない。<br>ミリアはこのアカムトルムの決戦前に、アズに一通の手紙を書いた。<br>それを自分のアイテムボックスの下にそっと置くと、その手紙を動かさないように石を置く。<br><br>その石はライトクリスタルという綺麗な石だった。<br><br><br>―――今、まだこの手紙の存在をアズは知らない。<br><br><br><br>そして時は来る。<br>二人の「未来」をかけた戦い、アカムトルムとの決戦。<br><br>夕日の中、繋がれた手の中で交わされた「約束」。<br><br>その戦いは二人が夢見て交わした「約束」の地への切符。<br><br><br><br><br><br>しかし遂に果されることの無かった、「約束」―――。<br><br><br><br><br>集会所編１０に続く<br><br><br>
]]>
</description>
<link>https://ameblo.jp/tkp0513/entry-10509792834.html</link>
<pubDate>Fri, 16 Apr 2010 12:09:18 +0900</pubDate>
</item>
<item>
<title>モンスターハンター　～愛の物語～２３　集会所編８</title>
<description>
<![CDATA[ ※注意！！※<br>・これは素人が書いた「創作物」です。この手の事に興味のない方、苦手な方は読まない事をお勧めしておきます。いや、本音としては読んでほしいですけど…。<br>・モンスターハンターＰ２Ｇの公式設定をかなり無視しております。<br>・多数の中二病設定が使われております。<br><br><br><br>～～～～～～～～～～～～～～～<br><br>登場人物紹介<br><br>ＮＡＭＥ：アズ・ルードリア<br>ＨＲ：６<br>主な使用武器：太刀・片手剣<br><br><a href="http://stat.ameba.jp/user_images/20100412/12/tkp0513/fa/c6/j/o0168024010493150336.jpg"><img border="0" src="https://stat.ameba.jp/user_images/20100412/12/tkp0513/fa/c6/j/t01680240_0168024010493150336.jpg" alt="小説モンスターハンター　～愛の物語～"></a><br><br><br>元大闘技場の門番兵。前回のタロの戦いに感動して「ハンター」に戻る決意をする。<br><br><br><br>ＮＡＭＥ：ミリア<br>ＨＲ：―<br>主な使用武器：―<br><br><a href="http://stat.ameba.jp/user_images/20100415/11/tkp0513/b0/a0/j/o0420037710497194064.jpg"><img border="0" src="https://stat.ameba.jp/user_images/20100415/11/tkp0513/b0/a0/j/t02200197_0420037710497194064.jpg" alt="小説モンスターハンター　～愛の物語～"></a><br><br><br>アズに「拾われた」少女。二年前にアズと共に集会所を駆け抜けるが…。<br><br><br>※アズの紹介イラスト：新八様<br><br><br><br>２４<br><br>「ハンター」としてやっていく。<br>しかし口で言うは易しだ。<br><br>ミリアの想いを汲んでアズもミリアの「ハンター」志願を受け入れたが、だからと言ってすぐにできるものではない。<br>まず最初に、アズはミリアに自分がなんの武器が向いているのかを確認させるためにも、全武器種を触らせる事にした。<br>一通りの武器の使い方を教える。<br>だが案の定と言うべきか、大剣やハンマー、ランス、ガンランス、ヘビィボウガンなんかはまず振り上げる事も、構える事もできない。<br>唯一振れた片手剣も、その振り方はおぼつかなかった。<br><br>武器そのものは竜人族の技術の発展により見た目ほどの重量は無いが、それでもまずミリアには全部の武器が振れる位の筋力を付ける事から始めなければならなかった。<br><br>とにかく毎日素振りをする事。<br><br>「従者」としての仕事もこなしながら、ミリアは狩猟に出る事が出来るようになるために毎日色々な武器を触り、そして素振りをした。<br><br>どれ位の時間を費やすのか。<br>アズはまずこの段階でかなりの時間を要するのではないかと思っていた。<br><br>だが、ミリアの「従者」としての勤勉さが功を奏したようで、思っていたより筋力はあったようだ。<br>毎日、アズの武器や防具の手入れをしていたのだ。<br>構える事こそできなかったが、持ち上げる事位は最初から出来ていた。<br><br>そんな理由も相まってアズが思っていたほどには掛からず、程なくしてミリアは「新米ハンター」としてデビューできる位にまでは武器を振れるようになった。<br><br>アズはそんなミリアにレザーライトシリーズを買ってあげた。<br>それと回復薬、こんがり肉、砥石も合わせてプレゼントする。<br>アズは狩猟の基本である、体力、スタミナ、武器の切れ味、この三つを基礎とし忘れるなという教訓と共に、この「新米ハンター」セットをミリアに渡した。<br><br>ミリアは嬉しそうにそのレザーライトシリーズに身を包むと、<br>「どう？ちょっとは『ハンター』らしくなった？」<br>と、笑顔ではしゃいでいる。<br><br>そんなミリアを見てアズは嬉しい半面、病気を抱えている少女のこの姿を心配そうに見つめていた。<br>油断すれば「死」が待つ職業だ。<br>そんな世界に俺は…病気とも戦わなければならないミリアを招き入れようとしている。<br><br>アズがミリアを見つめる顔に不安の色を隠せずにいると、ミリアはアズに話しかけた。<br>「アズ！あなたが心配してくれるのは嬉しいけど！…これは私が望んだ事。だから…ちゃんと私を『ハンター』として扱ってくれなきゃ嫌だよ！」<br>ミリアはそう言ってアズの頬に両手を添える。<br><br>そんな事を言うミリアの瞳には揺るぎの無い「決意」の色が輝いていた。<br><br>「…そうだな。とにかく、二人で頑張ろう。お前は今日から『ハンター』だ。明日にでも狩猟に出かけるぞ。厳しく行くからな！」<br>アズはミリアの被っているレザーライトヘルムをポンッと叩くと、フッと微笑む。<br>「…うんっ！頑張ろう！！」<br>アズの笑顔にミリアも嬉しそうに微笑んだ。<br><br><br>ミリアがレザーライトシリーズに身を包んでから、その日の内にアズとミリアの二人は近くの集会所に足を運ぶ。<br>集会所でミリアの「ギルドカード」の発行をしてもらうためだ。<br>集会所の受付まで行くと、アズは登録用紙を前にペンを握っていた手を止めた。<br>そこで気がついたのだが、アズはミリアのファミリーネームの方を知らない。<br>名前記入欄の所まできて、アズはミリアに過去にフルネームを一度も聞いてない事に気がついた。<br>アズ自身ミリアの生い立ちを聞いているので、あまり過去の事を聞くのは彼女の気が重いだろうと思っていたので、一度も聞かなかったのだ。<br><br>ミリアの名前を書き込む所でアズがペンを止めているのを横から見ていたミリアは、<br>「ちょっと貸して！」<br>と、ペンをアズから奪うと、自分でスラスラと名前を書いた。<br><br>「ミリア・ルードリア」<br><br>そう書き終ると、ミリアは「へへっ」と呟きながら照れている。<br>ミリアは嬉しそうな笑顔で顔を赤く染めていた。<br><br>アズはそんなミリアの態度に驚いた。<br>今まで「従者」として仕えてきたミリアを見てきて、アズを「求める」態度を初めて見たからだ。<br><br><br>「『対等』だからこそ…私は『あなたを求める』事ができるから。」<br><br><br>いつしかミリアが言った言葉を、アズは思い出した。<br>そんな登録用紙とミリアの照れくさそうな笑顔で、自然とアズも笑顔になる。<br>「こいつ…。」<br>アズは嬉しそうにミリアの頭を撫でると、ミリアの顔を見た。<br>ミリアはとても幸せそうな顔で、登録用紙の自分の名前を見ている。<br><br><br>ミリアが自分を求めてくれる事。<br>今のアズにとって、これほど嬉しい事は無かった。<br><br><br><br>絶対に…ミリアを助ける。<br>そんな確固たる思いを、アズは改めて胸中に刻み込んだ。<br><br><br>２５<br><br>遂に始まったアズとミリアの集会所での狩猟。<br>まずはミリアに狩猟の基本を覚えてもらうために、アズは下位でもかなり簡単な部類である☆一つの、Ｌｖ１のクエストから回る事にした。<br>そして何より自分が使う武器を決めてもらわなければならない。<br>一つクエストをこなす度に、ミリアには武器を変えてもらいながらＬｖ１のクエストを回った。<br><br>Ｌｖ１のクエストを全てこなし、アズは改めてミリアになんの武器が良いのか聞くと、<br>「私は断然ハンマーが良いかな！」<br>と、目を輝かせながらミリアが言う。<br>アズはミリアが選んだ武器種の意外さに驚いた。<br>「お前…よりにもよってハンマーかよ…。もう少し体に優しい武器とか…。」<br>思わずそう言うアズに、<br>「体に優しい武器って何よ。」<br>と、ケラケラ笑っている。<br>「また…なんだってハンマーなんだよ？」<br>ミリアの武器選択の意図がまるで掴めないアズがミリアに聞いた。<br>「そうねぇ、モンスターの顔を…一番近くで見れるから…かな？」<br>少し首を傾げながら、ミリアが答える。<br>「顔？」<br>アズはますます解らない。<br>顔付近なんて一番モンスターの手の届く所だ。<br>打撃武器と言う事でスタンを取れるハンマーだが、ガードもできず常にそんな危ない所に陣取らなければいけないハンマーはモンスターから一番狙われやすく、危ない。<br>事実ハンマーを担いで戦ったミリアは、アズの方が心臓が止まるかという程危なかった。<br><br>「今はまだ上手く言えないけど…ハンマーが良いっ！！私はこれで行くわ！」<br>生き生きと、本当に嬉しそうに答えるミリア。<br>ハンマーを担ぐミリアの戦い方を思い出して止めようと思っていたアズだったが、ミリアのそんな嬉しそうな顔を見て、それ以上言えなかった。<br><br><br>ならば…せめてミリアが戦いやすい環境を作ってやるのが俺の役割か…。<br>アズはミリアのハンマーという武器種の選択に、自分はサポート役に回る算段をする。<br>元々アズは太刀と片手剣を使っていたので、この二武器種での「サポート役」の立ち回りを考え始めた。<br><br><br>この流れがどのように転ぶのか。<br>それはそんなに時を待たずして「結果」を出し始める。<br><br><br>ミリアは最初の内こそ危なっかしい立ち回りをしていたが、しかしそれも最初の内だけでハンマーという武器種に慣れてくると、ほとんどモンスターからの攻撃を受けなくなった。<br>そして、次々とモンスター達をスタンさせていく。<br><br>アズは太刀と片手剣を交互に、モンスターと相性の良い方の武器に変えながらミリアのサポートに徹する。<br>片手剣は言うまでもなく「サポート」に特化した武器だ。<br>アズは「サポート」に徹する事でミリアのハンマーを生かせる場合は片手剣を担いだ。<br>この「サポート」があまり生きない場合や、「火力押し」で早くに討伐できそうなモンスターの場合は太刀を担ぐ。<br><br>そんなアズの「サポーター」としての能力も合わせて、二人の息が合い始めるとクエストをこなす速さに加速がかかる。<br>本当にあっという間に、ミリアはＨＲを３まで上げた。<br><br>ここまでの流れで、特筆すべきはやはりミリアのハンマーだろう。<br>「ほとんどモンスターからの攻撃を受けなくなる。」<br>これを間近で見ていたアズは本当に驚いた。<br>ミリアはとにかく「モンスター」を観察するのが好きなようで、モンスターの「次」の行動を読むのが上手かった。<br>そのハンマーを振る事で硬直してしまう自分の態勢を把握すると、ミリアはモンスターの「次」の行動直前で無茶をする事をしなくなった。<br>誰に教えられることもなく、ミリアは回避ポイントを自力で見つけてしまったのだ。<br>後はいかに回避ポイントまで自分のハンマーが振れるのか、そこを見極めるだけだった。<br><br><br>そんなミリアの意外な才能に、アズは唖然とするばかりだった。<br><br><br>「そうねぇ、モンスターの顔を…一番近くで見れるから…かな？」<br><br><br>以前ミリアが言っていたこの言葉を今更思い出すアズ。<br>「やはり…お前のそのハンマーの技術はモンスターの顔を見てたから…できるようになったのか？」<br>雪山から集会所への帰り道。<br>今日のティガレックス戦でのミリアのハンマーの立ち回りを思い出しながら、アズが聞く。<br>このクエストをクリアしたことによってミリアは、ＨＲを３に上げた。<br>「顔っていうか…『目』かな、見てるのは。私ね…モンスター達の『目』を見るのが好きなの。」<br>アズの問いに一瞬首を傾げたが、ミリアはすぐにそう答えた。<br>「目？目を見てると、なんであんな事ができるようになるんだ？」<br>アズはまたもミリアの答えが解らない。<br>そんなキョトンとした顔をしているアズを見て、ミリアはクスッと笑うと、ゆっくりと語り出した。<br><br>「私、アズと出会うまでは本当に『人の目』が嫌いだった。まず父ちゃんに売られて…そして売られた先もひどくて…。皆、例外なく私に『卑しい』目線を送ってきた。人を『見下さす』目。『汚い物』を見る目。思い出すだけでも吐き気がする…あの目。」<br>ミリアはそう言うと、苦しそうに顔を歪ませた。<br>思い出したくもない、そんな顔つきだ。<br>「でもね…。モンスターの目は違うんだ。あんなに強く、恐ろしい姿をしているのに。それこそ人間になんて…『見下した』目をしそうなのに。」<br>そこまで言うとミリアはアズを見る。<br>「モンスターの目は真剣なの、私を殺そうと。それこそ『殺意』しかない。でもね、その目には『優劣』が存在しない。あくまでも『対等』な目。モンスター達は…私を『対等』に見てくれる。父ちゃんや…あの売られた先の連中なんかよりよっぽど偉そうな姿なのにね。…それがとても嬉しいんだ。」<br>ミリアはそう言って笑う。<br>「対等…。」<br>そんなミリアの言葉を、アズはそっと呟いた。<br>ミリアはさらに言葉を続ける。<br>「だからさ、ついモンスターの目を見るの。そうするとね、モンスター達が何を考えているのか解るんだ。その目線でさ、『あ、今コイツはアズに殺意を持った！』とかね。それで次に私は何をするべきなのか…そんな事をあの目を見ながら考えてたら、できるようになったんだ。」<br>そこまで言うと、ミリアはアズから視線を外した。<br>「なるほどな…。」<br>ミリアの言葉に、アズは頷いた。<br>悲惨な過去を持つミリアだからこそ、そんな「目」に敏感に生きてきたのだろう。<br>ミリアがアズやモンスターに「対等」という姿勢に拘るのも、そんな過去の人間達の目からくる「優劣の不快感」を、好きな者からは味わいたくなかったからかもしれない。<br><br>「さあ、今日でＨＲも３だね！！次の４に行けば…遂に上位だ！がんばろ！アズ！」<br>そう言うとミリアはアズの腕に絡みつく。<br>「ああ！この調子で行けば…近くＧ級も夢じゃないな！」<br>アズはそんなミリアの行動に思わず笑顔になると、ミリアの絡めた腕の脇をぎゅっと締めた。<br><br><br>雪山の白化粧に夕日という朱色のアクセントが入る、ミリアのＨＲが３になった日の夕暮。<br>ミリアとアズの歩く道に映る二人の影が、夕日で伸びていた。<br><br><br>２６<br><br>二人はＨＲも３になると、防具を一新しようとさらにその狩猟の速度を速めることにした。<br>現状での二人の装備は共にバトルシリーズ一式だ。<br>ここまで来て、ミリアはどうしても欲しい装備があった。<br>それは「レウスシリーズ」。<br>攻撃力に特化した、下位の装備では「攻撃大」が付くと言う破壊力を持つ装備だ。<br><br>ここのＨＲ３という所まで来て、二人は「上位」を意識し始めていた。<br>上位の序盤を駆け抜けるにあたり、いい加減バトル一式では辛いと思った二人が話しあって選んだのがレウス装備だった。<br><br>アズはミリアの攻撃力特化を目論み、ミリアはそのデザイン性と「火竜」というモンスターの名前で、両者の意見が一致したからだ。<br><br>ここまで色々な種類のモンスターを狩ってきたが、ミリアは特にリオレウスがお気に入りだった。<br>リオレウスを「美しい」と言うのだ。<br>そんな美意識を持った事が無かったアズには、そんなミリアの持つ「感覚」に感心した。<br><br>「リオレウスの羽ばたく姿は本当に綺麗。私の為に、あの火竜は空を舞う。私の為に全力を尽くして殺しに来る姿に…いつも私は嬉しくて泣きそうになる。」<br><br>アズは思う。<br>ここまでミリアと共に「ハンター」としてやってきて、ミリアは本当に「ハンター」に向いている「人間」なんだと。<br><br>「天賦の才」と呼ばれるハンターがいるが、こう呼ばれるハンターは共通して根底に持つハンターの資質がズバ抜けている。<br>こういう人間は何をやらせてもすぐにモノにし技術向上に時間がかからない。<br>それはその者が持つ「アルゴリズム」がハンター向けで、特に理由もないまま「狩猟」の「本質」を見抜いてしまうからだ。<br><br>ミリアの言う事、感じる事、生い立ちまで含めた全てが「ハンター」に向いている、ミリアを見ているとアズはそう思わずにはいられなかった。<br><br><br>さらには下位も終盤、こなすクエストも百を越えミリアにも「ハンター」としての自覚と自意識に磨きがかかると、アズですらミリアに教わる事も出てくる。<br><br>レウスシリーズを揃えるためレウス討伐数を稼いでいる時、アズはうっかりと砥石を忘れた。<br>その時にミリアから教えられた一つ。<br>「剣士でいる以上、何を忘れようと砥石だけは忘れちゃ駄目だよ！自分の武器は何よりも『命の生命線』。生き残る上で一番大事な物。回復薬なんか『ダメージをもらわなければ良い』、こんがり肉なんか『お腹減る前に倒せばいい』。でも…その二つをこなすには武器は強くなきゃいけないの。一番大事なアイテムなんだから！」<br>アズは怒られてしまった。<br>だが確かにその通りだ。<br>「スマン。」<br>教えた人間に教えてもらう、複雑な心境の中アズがシュンとしていると、ミリアが砥石を分けてくれた。<br>「それと！これもあげる！」<br>アズに砥石を渡した後、ミリアは懐から何やら紙に包まれた物を取りだした。<br>アズはその中身が検討もつかず、不思議そうな顔でその紙を開けると、包まれていた物はまた砥石だった。<br>「？」<br>アズがキョトンとした顔でその紙に包まれていた砥石を眺めていると、<br>「へへ～それはね。アズが私に『ハンター』として初めてくれた砥石なんだ。レザーライトと一緒にね。他にも回復薬やこんがり肉ももらったけど…砥石は『近接ハンター』の生命線なんだから！それを肝に、その砥石もちゃんと持ってなさい！」<br>少し照れながら、ミリアはそう言った。<br>自分でもアズに「ハンター」として説教をするという状況が恥ずかしかったのだろう。<br>しかしそんなミリアを、アズは嬉しそうに見る。<br>「ああ。そうだな！これを大事に持って、お前の教えを肝に銘じるよ。」<br>アズがそう言ってミリアを見ると、二人は声を合わせて笑った。<br><br>ミリアは「一流のハンター」になろうとしている。<br>「本質」があり、そしてその「自覚」を持つ。<br>「一流」という条件がミリアに揃っていた。<br>アズはミリアの「ハンター」としての今後と、ミリアの「人生」の今後を思い、さらにその意思を強くする。<br><br><br>――――必ず…これからもお前と生きて行く。<br>アズはこれから待ち受ける運命に、その砥石を握りしめながらそっと戦う誓いを立てた。<br><br><br>二人分の「レウスシリーズ」を揃えると、いよいよ二人の姿は「ハンター」として際立ってくる。<br>さらには下位における「攻撃力大」がその威力を発揮し、二人のクエストをこなす速さにさらなる拍車がかかる。<br>いつも行く集会所では、「火竜夫婦」や「赤のカップル」と茶化されながらも、その名声は上がって行った。<br><br><a href="http://stat.ameba.jp/user_images/20100412/13/tkp0513/a4/f1/j/o0180024010493151862.jpg"><img border="0" src="https://stat.ameba.jp/user_images/20100412/13/tkp0513/a4/f1/j/t01800240_0180024010493151862.jpg" alt="小説モンスターハンター　～愛の物語～"></a><br><br><br>そして遂に二人はシェンガオレンを討伐し、ＨＲを４に上げる。<br>いよいよ二人は、集会所の上位に上がった。<br><br><a href="http://stat.ameba.jp/user_images/20100412/13/tkp0513/e0/27/j/o0180024010493151864.jpg"><img border="0" src="https://stat.ameba.jp/user_images/20100412/13/tkp0513/e0/27/j/t01800240_0180024010493151864.jpg" alt="小説モンスターハンター　～愛の物語～"></a><br><br><br><br>集会所編９に続く<br><br><br>
]]>
</description>
<link>https://ameblo.jp/tkp0513/entry-10509791484.html</link>
<pubDate>Fri, 16 Apr 2010 12:03:46 +0900</pubDate>
</item>
<item>
<title>モンスターハンター　～愛の物語～２２　集会所編７</title>
<description>
<![CDATA[ ※注意！！※<br>・これは素人が書いた「創作物」です。この手の事に興味のない方、苦手な方は読まない事をお勧めしておきます。いや、本音としては読んでほしいですけど…。<br>・モンスターハンターＰ２Ｇの公式設定をかなり無視しております。<br>・多数の中二病設定が使われております。<br><br><br><br>～～～～～～～～～～～～～～～<br><br>登場人物紹介 <br><br>ＮＡＭＥ：アズ・ルードリア<br>ＨＲ：６<br>主な使用武器：太刀・片手剣<br><br><a href="http://stat.ameba.jp/user_images/20100412/12/tkp0513/fa/c6/j/o0168024010493150336.jpg"><img border="0" src="https://stat.ameba.jp/user_images/20100412/12/tkp0513/fa/c6/j/t01680240_0168024010493150336.jpg" alt="小説モンスターハンター　～愛の物語～"></a><br><br><br>元大闘技場の門番兵。前回のタロの戦いに感動して「ハンター」に戻る決意をする。<br><br><br><br>ＮＡＭＥ：ミリア<br>ＨＲ：―<br>主な使用武器：―<br><br><a href="http://stat.ameba.jp/user_images/20100415/11/tkp0513/b0/a0/j/o0420037710497194064.jpg"><img border="0" src="https://stat.ameba.jp/user_images/20100415/11/tkp0513/b0/a0/j/t02200197_0420037710497194064.jpg" alt="小説モンスターハンター　～愛の物語～"></a><br><br><br>アズに「拾われた」少女。二年前にアズと共に集会所を駆け抜けるが…。<br><br><br><br><br><br>２０<br><br>時を同じくして、ここは集会所。<br>アネーシャとアルトがそんな会話をしている時、リオ、ロウ、アズの三人は今まだ酒を飲みながらタロの帰りを待っている。<br><br><br><br>「タロを知っているかって…アズはタロの事を知っているの？」<br>先ほどのアズの言葉に、驚いた顔を崩さないままリオが聞いた。<br>「ああ。俺はタロ…タロ・ライドに会いたくてここまで来たんだ。やはり、タロの事を知っているのかい？」<br>アズはリオの質問がタロの事を知っているニュアンスを含んでいる事に、期待の眼差しを向ける。<br>「知ってるも何も…リオとタロは同棲してるんだよ。なあリ…フォ。」<br>リオは笑いながら答えるロウの頬を引っ張りながら、<br>「『同棲』じゃなくて『同居』。ね？」<br>と、ロウの言葉を訂正した。<br>そんなやり取りを聞いていたアズは更に目を輝かせると、<br>「あのタロと？リオが！？そりゃすごい…！最強のカップルじゃないか！」<br>と、興奮したように言う。<br>「だから！あなたも人の話聞きなさいよ！！」<br>リオは顔を赤くしながらそう叫ぶと、テーブルをバンっと叩いた。<br><br>とにかくこの話題から逃れようと、リオがアズに思う事を聞く。<br>「まあとにかく！…アズはなんでタロに会いに来たの？アズはタロと会った事があるの？」<br>そんなリオの問いにアズは、<br>「俺は知ってるけど…向こうは知らないだろう。俺の一方的な『片思い』ってヤツさ。」<br>と、照れたように笑った。<br>「？」<br>そんなアズの言葉にリオとロウは目を合わせる。<br>「うーん、なんと言えば良いのかな。先日行われた、大闘技場のタロのクエストは知ってるかい？」<br>アズがそんな目を合わせてキョトンとしている二人に聞いた。<br>「ああ。そう言えば！グスタが言ってた『儀式』…。もしかして、一か月も闘技場を一般閉鎖してたヤツ？」<br>アズの問いかけにロウが思い出したように言う。<br>「そう、それ。その時…俺は門番兵として、タロの戦いを闘技場の外から聞いていたんだ。その闘技場から聞こえてくる音に…感動してね。どうしても会いたくなった…ってのじゃ会う理由にはならないかな…。」<br>そんな風に語るアズの顔は少し照れたように笑っている。<br>自分で改めて口にして、「くだらない理由」だと言うのを自覚したからだろう。<br><br>タロのあの戦いで「感じた」想いや感動を説明するのは難しいな、とアズは思ったがどうにも説明する術を持っていない。<br>どうしたら説得力を持たせられるかな…と考えていると、<br>「アズも…昔はハンターだったんだ？」<br>と、特にアズの照れに笑う事もなく、リオが聞いてきた。<br>アズがどういった想いでタロに会いたがっているのかまでは解らないが、リオ自身もそんなアズの持つ「感覚」が解った。<br>そんな「感覚」は、やはり「ハンター」であるロウにも解る。<br><br>同じ「ハンター」として、技術ある者の「狩猟」を見たいと思うのはとても自然な事だ。<br>アズが「タロに会いたい」と思う理由としては、リオもロウもそれで十分に伝わっていた。<br><br>「ああ。二年前までね。二年前までは…『ハンター』だったんだ。…Ｇ級直前で、辞めちまったが…。」<br>リオの問いにアズはそう答えた。<br>そんなアズの顔は、少し寂しそうな顔をしている。<br>「それ、グスタにも聞いたんだ。なんでＧ級直前まで行って…辞めちゃったのさ？」<br>ロウが思わず聞く。<br>アズの寂しそうな顔にロウは少しためらいもあったが、しかし聞かずにはいられなかった。<br>「辞めた訳か…。そうだな…Ｇ級に行く『理由』が無くなったから、かな…。」<br>アズは寂しそうな顔で俯くと、そう呟いた。<br>「理由…？」<br>ロウがそんなアズの俯く姿に少し動揺する。<br><br>アズのそんな寂しそうな顔にリオもロウも、二年前アズの身に何かあったんだと悟った。<br><br>ちょっとした沈黙を経て。<br>アズは俯いた顔をゆっくりと上げると、<br><br>「二年前…俺はＧ級直前で…大事な人を失ったんだ。」<br><br>と、言って寂しそうに笑う。<br>その寂しそうなアズの笑顔に、リオとロウは言葉を失った。<br>アズはそんな二人を見ると、<br>「ああ！いや…その事に関してはもう自分では引きずってるつもりはないんだ。」<br>と、手を振りながら慌てて答えた。<br><br>「ただ、あの時は…。俺にとっての『狩猟生活』は、彼女が居てこそだったんだ。Ｇ級…それは彼女が望んだ場所。」<br>そんな風に呟くと、アズはゆっくりとした口調で自分の「過去」を語り始めた。<br><br><br>２１<br><br>集会所で「拾ってきた」女の子、ミリア。<br>彼女はアズの家に入ると、その「ハンター」という職業が滲み出ている独特な雰囲気に目を輝かせた。<br>「へえー。すごい！！私『ハンター』の家、初めて見たっ！！」<br>彼女はアズの部屋にある武器や防具、テーブルに転がっていたアイテムの数々を物珍しそうに見ている。<br>「おい、勝手に触るなよ？危ないモノも沢山あるんだからっ！」<br>そんなミリアを「危なっかしい」と思ったアズは思わずそう注意した。<br>事実、アズのアイテムボックスには火薬草や爆薬などの「危険物」が沢山入っている。<br>「うん！大丈夫。アズは私の『ご主人様』だからね。『ご主人様』の言われた事は守るよ！」<br>そう言ってミリアは嬉しそうに笑った。<br>「おいおい…俺はまだ『駆け出しハンター』なんだぜ…？」<br>そんなミリアの「ご主人様」という名称に、アズは苦笑する。<br>自分が「人を抱える」ような「すご腕ハンター」ではない事を自覚しているだけに、そんな呼び名は歯痒かった。<br>「じゃあ『ご主人様』。なんなりとお申し付け下さい！！なんでもやるよ！」<br>そんな事を元気よく叫ぶミリアの嬉しそうな顔に、アズは少しドキッとした。<br>集会所で会った時のミリアからは想像できないような「良い笑顔」だったからだ。<br><br>明日が見えなかった少女が、明日に希望を持つ。<br>ひょんな事から「地獄」をうろついていた少女に投げ出された、一本の蜘蛛の糸。<br>そんな喜びがその少女の顔に反映されている、そんな笑顔だった。<br><br>「ああ。雇った以上は働いてもらうぜ？覚悟しろよ？」<br>アズは浮かれるミリアに釘を刺すようにそんな脅し文句を言うが、そんな脅し文句すら彼女には嬉しいようだ。<br><br><br>「がんばります！！」<br><br><br>アズのミリアを抱えた「狩猟生活」が始まった。<br><br><br>なんでもやると言っていた彼女だったが、実際ミリアはアズの元で良く働いた。<br>その働きは、アズも思わず「少し休め」と言ってしまう程だ。<br>一生懸命働くミリアは、時折ゴホゴホと苦しそうに咳をしている。<br><br>しかしアズから調合を頼まれればミリアは調合書を開いてせっせと調合し、飯と言われればキッチンにいたアイルーと共に飯を作り、防具に汚れがあればすぐに拭いて光沢を出した。<br><br>駆け出しハンターというアズの身にミリアという従者は事実厳しい生活事情だったが、そんな事情を知ってるからこその働きだったのかもしれない。<br><br>その身を削るか如くの本当にいじらしい姿勢に、アズはいつの間にかミリアに惹かれていった。<br><br>そしてこれもミリアがアズの所で働くようになってから解った事だが、ミリアは美しい少女だった。<br>出会った当初は本当に痩せていて、骨と皮だけというような凄惨な姿だった。<br>だがアズの元でキチンと生活をしていく内にその姿も健康的な姿になると、ミリアの顔は思っていた以上に整っていた事に気付かされる。<br>「飢え」に窪んでいた光の無い瞳も、張りが出て光が差すようになるとその瞳はキラキラと輝きだした。<br>ボロボロだった服を取り換え、ボサボサだった髪がサラリと肩で揺れる姿は、あの時出会った「悲惨な少女」の面影はもう無い。<br><br><br>いつの間にか、アズはミリアに恋心を持つようになっていた。<br><br><br>そしてまたミリアも、あの「地獄から救い出してくれた」この男に、恋心を持っていた。<br>実際アズもその顔立ちは少し中性的で整っていて、「美形」と言われる部類だ。<br>性格も温厚で優しく、仕事としている「狩猟」にも勤勉な態度で挑んでいる。<br>「従者」という身分で尽くすには、十分すぎる「主人」だった。<br><br>最初にアズの元で働き出した彼女はまだ「思春期」に差し掛かったような年ごろだったが、アズの元で一年、二年と暮らす内にミリアの中でアズの存在はかけがえのない者に変わっていった。<br><br>ミリアが「女性」としてその成長を遂げると共に、この二人は自然とその身を重ねる関係になっていく。<br><br>特に言葉で確認した訳ではなかったが、至極自然にこの二人は男女の関係を結んでいた。<br><br><br>そんな「男女の関係」を経て。<br>この時点でアズはミリアの事を「従者」という目で見ていなかった。<br>ミリアはかけがえのない、自分の生涯のパートナーとして「対等」な姿勢を取っている。<br>いや、アズにとっては最初からミリアの事を「従者」とは見ていなかっただろう、アズが「従者」を抱える事に自然になるにはアズの生い立ちはそんな華やかなモノではなかったからだ。<br>いつまでも「ご主人様」と呼ばれる事に、アズは慣れなかった。<br><br>しかしなぜかミリアは男女の関係を結んでもアズに「従者」の姿勢を崩さない。<br>いつまでもアズの事を「ご主人様」と呼び続けた。<br><br>そんなミリアにアズは歯痒さもあった事から、ある決断をする。<br><br><br>「ミリア、俺と…結婚してくれ。」<br>アズはミリアにプロポーズをしたのだ。<br><br><br>この一言をミリアが聞いた時、ミリアは驚き、そして次に本当に嬉しそうに笑った。<br>そんな嬉しそうな笑顔にある瞳には、うっすらと涙を浮かべている。<br><br>そして、ミリアは言った。<br><br><br><br><br>「ごめんね…。」<br><br><br><br>ミリアはそのまま笑顔を寂しそうに曇らせると、両手で顔を覆い泣きだした。<br><br><br>アズはここまでで二年という月日をミリアと共にしたが、気がつかなかった事が二つあった。<br>ひとつは、ミリアはよく何もない所で咳をしていた。大半は軽く咳払いをするようなものだったが、しかしたまに苦しそうにゴホゴホと喉を詰まらせるように咳をする。<br>そんな咳の意味が「一つ」。<br>もうひとつは、なぜ「父親に売られたのか。」と言う事だった。<br>アズはそれがただ「生活苦の果て」の行為だと思っていたので、特にミリアに父親の事は聞かなかった。<br>実際ミリアもそんな父親の事は喋りたくなかったというのもあるかもしれないが。<br>そんな売られた意味が「一つ」。<br><br><br>「幸せ」だと思われた二人に、急に暗雲がたちこめ始める。<br><br><br>２２<br><br>「ごめんなさい…私は…多分、あなたとはそんなに長くいられない…。」<br>そう言うと、ミリアはそのまま泣き崩れた。<br><br>アズは泣き崩れるミリアを呆然と見つめていた。<br>ミリアの言った言葉が信じられなかったのだ。<br>アズ自身、プロポーズを断られるとは思ってなかったのもあるが、それ以上にミリアが自分の知らない「何かを抱えている」とは思ってもみなかったからだ。<br>「どういう意味だ…？ミリア…。」<br>泣き崩れるミリアに、アズは呆然とした顔のまま聞いた。<br>「私は…おそらく、そんなに長くは生きられないから…。病気なの、心臓の。治すには莫大な資金がいるからって…医者に言われてさ。そんなお金もないし、未来の無い私は…父ちゃんに捨てられたんだ。」<br>涙を拭きながら、ミリアはそう答えた。<br>「なんで早く言わなかったんだ！！」<br>アズが思わず叫んだ。<br>「どうしてそんな事をあなたに言えるのよ！！私はあなたに『仕える』だけでも厚かましいのに…！！私を抱える事で…あなたは未だに新しい防具も買えずにいるのに！そんな中…どうしてそんな事…言えるのよ…。」<br>涙をこぼしながら、ミリアはアズに言う。<br>「そして…何よりもその事を言って…また捨てられたら…。」<br>そんな彼女のトラウマも手伝って、ミリアの流す涙は止まらなかった。<br><br><br>事実、アズの現状はミリアを抱え出してからまったくＨＲを上げられずにいた。<br>狩りをしても掛かる生活費用は２倍だ。どうしてもアズにとっては生活面で後手に回る。<br>新しい防具や武器は、そんな生活の中ではとても手を出せるものではなかった。<br>せいぜい出来たとして、今あるバトル一式を強化する位だった。<br><br>ミリアも出稼ぎに出たりと生活面で金銭の援助はしてきたが、しかしそれでは武器の一つも買えない。<br>二人にとって、「現状維持」が精一杯の生活だったのだ。<br><br><br>「あなたは…こんな明日の見えない私に『未来』をくれた。こんな私に『恋』をくれた。生きる『喜び』をくれた。そしてさらに『愛』をくれようとしてくれている…。私は…あなたに何をしてあげたというの…？どんなに尽くしても…あなたに返せる対等のモノなんて、私はあげられない…。」<br><br>ミリアはボロボロと涙をこぼした。<br><br>涙が止まらない。<br><br>「アズ」という男からもらったかけがえのないモノの「対価」を自分は払えない。<br>さらに…自分が病気だという事に、アズに心配をかける我が身が悔しくて仕方がなかった。<br><br>そんな悔しさと、アズからの『愛』を受け取る事が出来ない現状にミリアの涙は止まらなかった。<br><br>「そんな…ミリア…。」<br>そう呟くアズもまた泣いていた。ボロボロと涙をこぼしている。<br><br>永遠に続くと思われていたこんな愛のある「主従関係」も、そんなに時を待たずして…消える。<br><br>愛する者が消える。<br>そんな現実に、アズは涙を流すしかなかった。<br><br>目の前にいる…ミリアが死ぬ…？<br>そんな馬鹿な…馬鹿な事があってたまるか。<br>俺は…どうすればいい。<br>愛する者を守るために…俺は何をすれば良い。<br><br>アズの握りしめていた拳が、さらにぎゅっと強く握りしめられる。<br><br><br><br>アズは一つの「覚悟」を決める。<br><br><br><br>死ぬかもしれないが…それしかない。<br>この装備で…どこまでいけるか…だが、「金」を作るには「上」に登るしかない。<br><br>アズはグッと涙を拭くと、ミリアに向かって叫んだ。<br>「ミリア！！俺が！上に上がってやる！！今はまだ下位だが…上位に行けばもっと金が手に入る！！さらにはＧ級まで行けば…！！もっと金が手に入る！！そこまでがんばるから！！」<br><br>アズはミリアに向かって叫んだ。<br>ぐっと堪えていた涙が、またその頬を伝う。<br><br>「だからお前もがんばれっ！！まだ！諦めちゃ駄目だっ！！！最後まで…一緒にがんばるんだ！！お前の体を治す金くらい…っ！！いくらでも作ってやるから！！…頼むから…生きてくれ…っ！！！」<br>堪えようとしていたのに、涙が出る。<br>涙で震えて、上手く喋れない。それでもアズは叫んだ。<br><br><br><br>「主人の俺からの命令だっ！！俺が稼いできた『金』を使って生きろ！！ミリア！！」<br><br><br><br>「アズ…アズ！アズ…っ！！」<br>そんな涙でぐしゃぐしゃなアズの顔を見て、ミリアも涙を堪える事が出来ない。<br>名前を叫ぶのが精いっぱいだった。<br>久しぶりに呼ぶ、「主人」の名前。<br>ミリアはボロボロと涙をこぼした。<br><br><br><br>この時、今まで生きてきて―――ミリアは初めて感謝した。<br>今までの悲惨な人生に、「神」を罵りはしてきたが、感謝した事は一度もない。<br><br><br><br>しかし、初めて感謝した。<br>このアズの涙でぐしゃぐしゃな顔を見ながら。<br><br><br>ミリアは神に、<br><br>――――「この人と巡り合わせてくれてありがとう。」<br><br>と。<br><br><br>２３<br><br>ミリアの『病気』が発覚した後、アズはミリアを医者に診せる事にした。<br>ミリアは最初「お金がかかるから」と嫌がっていたが、「主人の命令」の一言で渋々と医者の所まで足を運ぶ。<br><br>診察を受けたミリアを一旦診療室から出すと、アズと医者だけの二人になる。<br>そこで改めてアズはミリアの病状を聞いた。<br>医者からの診断を聞かされて、改めてアズは唇を噛み締めた。<br><br><br>「確かに心臓病だね…。先天性の心疾患だな…。私のような村医者では詳しい病名までは言えないが…このまま放っておいたら…まあ間違いなく死ぬだろう。」<br>そんな残酷な一言に、アズはぐっと唇を噛みしめる。<br>そんな痛みで、泣きそうになる自分の涙腺を誤魔化す。<br>「治すには…どうすれば…。」<br>アズが医者に聞くと、<br>「先天性の心疾患にも色々あるが…彼女の場合は恐らく特殊なモノだ。現状の我々の医学では難しい。これは、『西洋』の方で伝えられる医術を頼らないと根本的な治療はできないだろうな…。」<br>と、医者がため息交じりでそう答えた。<br><br>今アズが住んでいる地方は世界で言うならば東洋、西洋で言う所の東洋側に位置する場所だ。<br>東洋、西洋ともに竜人族によりその医術はその人間独自の文化より大きく発展したが、発展する方向性が違っていて、その治療法もかなり異なる。<br>東洋は主に「処方」による内的療法が進んだが、西洋は「切開」などによる外的療法が進んでいた。<br>ミリアの患っていた病気はそんな西洋の外的療法が必要となる、そんな病気だった。<br><br>「恐らくだが…まあ隣の、さらに隣国辺りまで行かないと…治せないだろうな。しかしそこまで行くのには…金がかかる…。」<br>医者はそんな事を言いながら、何やらゴリゴリとすり鉢で薬草や木の実をすり潰している。<br>「どれ位の費用がかかるか…解るか？」<br>アズが医者に聞くが、医者はそんなアズの問いに、<br>「それは私の専門外だからな…旅人にでも聞かん限り解らんよ。」<br>と、困った顔をした。<br>「とりあえず、処方箋を出しておくよ。彼女の心臓は今でこそまだ普通に生活できるが、時が経つにつれその鼓動を弱くしていく。それは心不全を誘発する。そうなったら…色々覚悟した方が…いいな。」<br>医者はそう言うと、「ほれっ」とアズにその手元で擦っていた薬を袋に詰めて渡した。<br>「持つとして…どれ位…？」<br>アズは恐る恐る聞く。<br>ミリアの生きられる『時間』なんてものは、アズ自身聞きたくもないが。<br>しかし、その猶予を聞かなければ具体的にいつまでに、いくら金を作らなければならないか検討がつかない。<br>「私の診る限りでは、今の所大丈夫だ。心臓は正常に動いている。普通に生きていても二年は堅いだろう。」<br>そんな医者の言葉にアズは、<br>「二年…しか…。」<br>と、呟く。<br>「その時間を『長い』と取るか、『短い』と取るかは君次第だ。私も関わった以上は全力を尽くすつもりだ。また、彼女を連れてきなさい。」<br>医者がそう言うと、アズは頭を下げてその診療所を出て行った。<br><br><br>診療所から出ると、ミリアがアズの所に近づいてきた。<br>アズはミリアの顔を見て寂しそうに微笑むと、優しく頭を撫でる。<br>何を思うのか、何を感じているのか。<br>ミリアを撫でるアズの手は温かく、優しい。<br><br>そんなアズの態度で、ミリアも自分の残された時間はそんなに無いのだと悟った。<br><br>しかしミリアもアズも。<br>特に先ほどのアズと医者のやりとりを話そうとも、聞こうともしなかった。<br><br>家路につく二人は終始無言のまま、歩調を合わせて歩いている。<br><br>アズは隣に感じる、一人の女性を思いながらこれからの事を考えていた。<br><br>とにかく…俺が「上」に上がれれば、金が入る。<br>治療費や旅費を考えると…あまり良い防具や武器は買えないし…どこまで行けるか。<br>死んだら元も子もないが…やるしかない。<br><br><br>やるしか…ないんだ。<br><br><br>改めて決意するその「覚悟」に、アズは握りしめる拳に力を入れる。<br>彼女の「明日」を、手に入れるために。<br><br><br><br>終始無言の家路も、アズの家が見えた所でミリアは口を開いた。<br><br><br>「ねえ『ご主人様』。私…『ハンター』になりたい。」<br><br><br>そんなミリアの一言に、アズは驚いてミリアの方に向く。<br>「何…言ってるんだ…？そんなの駄目に決まってるだろう！？」<br>アズは最初、ミリアが何を言ってるのか解らなかった。<br>ついさっき、自分の「死の宣告」を受けたばかりだと言うのに。<br><br>ミリアはアズの方に向いた。<br>ミリアの瞳が、アズの瞳を捉える。<br>「私、ずっと思ってたの。もっと…あなたの役に立ちたいって。」<br><br>ミリアもまた、今日の診断で「覚悟」を決めた。<br>私は…この人の役に立ちたい。<br><br><br>そして、ハンターになれば…この人と『対等』になれる。<br><br><br>「どの道、私に『時間』が無いのなら…。私は、少しでもあなたと『対等』になりたい。」<br><br>「ミリア…。」<br>そんなミリアの言葉に、アズは目を見開いた。<br>この言葉で、アズはなぜミリアがずっと『従者』の態度を崩さなかったのか理解したのだ。<br><br>「お願い、ご主人様。…いえ、アズ。私は…あなたの後ろではなく、横を『歩きたい』。」<br>ミリアの、確固たる意思がその表情から伝わる。<br><br>「『対等』だからこそ…私は『あなたを求める』事ができるから。」<br><br>アズは悟った。<br>自分のプロポーズを断られた訳を。<br>病気の事もあったが、おそらく彼女はそれだけではなく、そんな自身の立場にも苦しんでいたのだ。<br><br><br>ミリアの今の立場ではアズを愛しても、「自らの力」で手に入れることはできない。<br><br>『従者』は『主人』に従うのが使命。<br><br>それを従順に貫いた、その『従者』が初めて…『主人』に言う我儘だった。<br><br><br>「ミリア…。」<br>アズは何も言えない。<br>ミリアが自分を求めてくれる事…しかしそれには自身の「命の炎」を強く燃やさなければいけない事。<br><br><br>ミリアに残された時間は後わずか。<br>二人で力を合わせれば、間に合うのだろうか。<br><br>それは一つの「賭け」だった。<br><br><br>だがしかし、アズ一人で戦うよりは「先」が見えるかもしれない。<br><br><br>アズとミリアの、「集会所」を駆け抜ける戦いが始まった――――。<br><br><br><br>集会所編８に続く<br><br><br>
]]>
</description>
<link>https://ameblo.jp/tkp0513/entry-10508975296.html</link>
<pubDate>Thu, 15 Apr 2010 11:49:10 +0900</pubDate>
</item>
<item>
<title>モンスターハンター　～愛の物語～２１　集会所編６</title>
<description>
<![CDATA[ ※注意！！※<br>・これは素人が書いた「創作物」です。この手の事に興味のない方、苦手な方は読まない事をお勧めしておきます。いや、本音としては読んでほしいですけど…。<br>・モンスターハンターＰ２Ｇの公式設定をかなり無視しております。<br>・多数の中二病設定が使われております。<br><br><br><br>～～～～～～～～～～～～～～～<br><br>登場人物紹介<br><br>ＮＡＭＥ：タロ・ライド<br>ＨＲ：２<br>主な使用武器：ランス・ガンランス<br><br><a href="http://stat.ameba.jp/user_images/20100408/00/tkp0513/2c/f8/j/o0492064010486906674.jpg"><img border="0" src="https://stat.ameba.jp/user_images/20100408/00/tkp0513/2c/f8/j/t02200286_0492064010486906674.jpg" alt="小説モンスターハンター　～愛の物語～"></a><br><br><br>三年前以前の記憶が無かったが、前回の話で自分の過去を「知った」。<br>ただ今、リオと同居中。<br><br><br><br>ＮＡＭＥ：リオ・アズベル<br>ＨＲ：９<br>主な使用武器：大剣・ランス・ガンランス<br><br><a href="http://stat.ameba.jp/user_images/20100408/00/tkp0513/7d/d9/j/o0443064010486907352.jpg"><img border="0" src="https://stat.ameba.jp/user_images/20100408/00/tkp0513/7d/d9/j/t02200318_0443064010486907352.jpg" alt="小説モンスターハンター　～愛の物語～"></a><br><br><br>三年前まではタロと愛し合っていた。三年前、ポッケ村の危機を救った英雄。<br>ただ今、タロと同居中。<br><br><br>ＮＡＭＥ：アズ・ルードリア<br>ＨＲ：６<br>主な使用武器：太刀・片手剣<br><br><a href="http://stat.ameba.jp/user_images/20100412/12/tkp0513/fa/c6/j/o0168024010493150336.jpg"><img border="0" src="https://stat.ameba.jp/user_images/20100412/12/tkp0513/fa/c6/j/t01680240_0168024010493150336.jpg" alt="小説モンスターハンター　～愛の物語～"></a><br><br><br>元大闘技場の門番兵。前回のタロの戦いに感動して「ハンター」に戻る決意をする。<br><br><br>ＮＡＭＥ：ナルガ・ロウ・セトラ<br>ＨＲ：９<br>主な使用武器：ハンマー・太刀・狩猟笛<br><br><a href="http://stat.ameba.jp/user_images/20100412/13/tkp0513/9e/3b/j/o0169024010493155204.jpg"><img border="0" src="https://stat.ameba.jp/user_images/20100412/13/tkp0513/9e/3b/j/t01690240_0169024010493155204.jpg" alt="小説モンスターハンター　～愛の物語～"></a><br><br><br>ややこしいけど名前は「ナルガ」。ロウはミドルネーム。<br>過去にちょっとあってファーストネームに「ナルガ」と付けている。…が、今回の本編には関係無し。<br>アズを追いかけてポッケ村にたどり着く。<br><br><br><br><br><br>１７<br><br>リオ、ロウ、アズの三人が中央のテーブルで酒を飲みながら話をしていた時。<br>集会所に一人の兵士が入ってきた。<br>装備している鎧はガーディアンスーツ。これは国に仕える兵士の証だ。<br>そんな兵士は集会所の中を見回すと、受付まで足を運ぶ。<br>そして入り口から一番近い下位担当のカイに話しかけた。<br>「ここの集会所のギルドマネージャーはおるか。」<br>そう兵士がカイに聞くと、<br>「少々お待ち下さい。」<br>と、言って休憩室の方に入っていく。<br>そしてしばらくすると、その休憩室からギルドマネージャーが「ふあぁ。」と欠伸をしながら出てきた。<br><br>ギルドマネージャーはその兵士の前まで来ると、その兵士に話しかけた。<br>「『宮仕え』とは珍しいわね。どうしたのかしら？」<br>そう言って兵士の顔を見ると、その兵士はギルドマネージャーに向かってバッと敬礼する。<br>その敬礼の手を降ろすと、<br>「少しお耳を。」<br>と、言ってギルドマネージャーに何やら耳打ちをした。<br>「…解ったわ。」<br>兵士に何かしら言われたギルドマネージャーはそう兵士に言葉を返すと、その兵士はまたギルドマネージャーに敬礼してその集会所を出て行った。<br><br>「国の兵士さんですね。珍しい。何かあったんですか？」<br>その様子を見ていたカイがギルドマネージャーに聞くと、ギルドマネージャーはフフっと笑って、<br>「昔の『友人』が遊びに来たのよ。」<br>と呟く。<br>そしてそのままギルドマネージャーは受付カウンターから外に出ると、<br>「ちょっと出てくるわね～。」<br>と言って、そのまま振り返りもせず外に出て行った。<br><br>そんなギルドマネージャーを見ていたカイは、<br>「マネージャーって本当に得体が知れないというか…ギルド関係の人なら解るけど、なんで国の兵士さんが訪ねてくるんでしょう？」<br>と、隣で同じようにマネージャーと兵士のやりとりを見ていたジョーイに聞いた。<br>「さあ。マネージャーって本当にミステリアスな所あるよね～。」<br>ジョーイもそんなマネージャーの尋ね人に首を傾げている。<br>先ほどのマネージャーとカイ、ジョーイの話を聞いていたジーコは、<br>「昔の『友人』ねえ…。」<br>と、ニヤニヤしながら呟いた。<br><br><br>集会所の外に出たギルドマネージャーはポッケ村の農場の方に足を進めた。<br>ポッケ農場の中に入ると、そのまま奥に進む。<br>するとそこには何かしら只ならぬ雰囲気を滲ませている、洞窟の入り口があった。<br>その洞窟の前には兵士が３人ほど立っている。<br>兵士達がギルドマネージャーの姿を確認すると、三人共に整列し敬礼のポーズを取った。<br>「御苦労さま～。」<br>そんな兵士達にギルドマネージャーはいつもの調子で挨拶すると、その洞窟に入って行った。<br><br><br>中は思ったよりも全然明るい。<br>洞窟の中なのに日の光が差し込んでいるのだ。<br>そしてそんな日の光の入るこの洞窟の構造も、洞窟を入ってまず最初に飛び込んでくる目の前の「モノ」を見ればすぐに解る。<br>目の前にあるのは、「巨大な剣」だった。<br>しかもその「巨大な剣」は人の丈など優に超える、「人外」の者の剣。<br>いつ、どこで。そして何を目的として造られたのか、その真相は明らかにはなっていない。<br>そんな「巨大な剣」が洞窟の天井をぶち抜くように、その洞窟の奥に刺さっていた。<br>そんな「ぶち抜かれた」天井から、日の光がこの洞窟内を明るく照らしている。<br><br>ギルドマネージャーがその洞窟に入ると、すぐに男の声がした。<br>「久しぶりだな。アネーシャ。」<br>「アネーシャ」と呼ばれたギルドマネージャーは、声をかけてきた男を見ると微笑んだ。<br>「こんなロマンチックな場所を選ぶなんて、あなたも解ってきたみたいね。」<br>そう言ってその男の方に歩いて行く。<br>「本当に久しぶりね。珍しいじゃない、私に会いに来るなんて。」<br>男の前まで来ると、アネーシャと呼ばれたギルドマネージャーはそう呟いた。<br>「なあに、近くまできたものだからな。ついでに君の顔を見ようと思ったのさ。」<br>その男はそう言って微笑む。<br>「ついでとは失礼ね。さらに言わせてもらえばあなたはそんな『ついで』があったっていつもは私の所になんて来ないじゃない。『訳あり』と正直に言いなさい。」<br>アネーシャはそう言うとフフッとからかうように笑った。<br>そんなアネーシャの言葉と笑いに、その男は片方の眉毛をつり上げると、<br>「アネーシャ、君はもう少し素直に生きるべきだ。」<br>と、言ってやれやれと首を振る。<br>そんな男の態度に、今度はアネーシャが、<br>「あなたはもう少し『駆け引き』を覚えなさい。素直すぎるのよ。」<br>と、言ってやれやれと首を振った。<br><br>そんなやりとりをした二人は、目を合わせると声を出して笑った。<br><br>そんな笑い声を引きずりながら、アネーシャが前の男に話しかける。<br>「で、今日はどう言ったご用件かしら？アルト隊長。」<br>目の前にいた男は国王の直属部隊の隊長、アルトだった。<br><br>「今日君に会いに来たのは、例の『噂』についてだ。」<br>アルトはそんなアネーシャの問いに真面目な顔をするとそう答えた。<br>「何よ！やっぱり『訳あり』じゃない！」<br>アネーシャはそんなアルトの素直な答えにムッとした顔をする。<br>「ははは、すまない。だが、ちょっと今回は急を要する事でな。例の『噂』の件での君の意見と…ポッケ村のあの二人の様子を見るためにここに来たんだ。」<br>アルトは笑ってアネーシャの言葉を受け流すと、またすぐに真面目な顔に戻ってそう言った。<br>「『噂』の件…。そう、急を要すると言う事は動きがあったのね。『災い』の方に。」<br>アネーシャもアルトの真面目な顔と言葉に笑顔が消える。<br>「やはり君は知っていたのか。『災い』の正体を。水臭いな、教えてくれても良かったものを。」<br>そう言ってアルトは笑う。<br>「最高位のシークレットをそうはいはいと教えられる訳ないでしょう？その辺は私は従順なのよ。でも…そんな話し方をする所を見ると、もはやそんな『隠し事』も…必要ないみたいね。」<br>アルトの笑いに釣られることなく、アネーシャが真面目な顔で呟いた。<br>「ああ。国王陛下より『災い』の件は聞いた。…そこでだ。」<br>そう言うとアルトはアネーシャの顔を改めて見る。<br>「まだ『災い』そのものの具体的な被害は出ていないがな。だが、君が三年前から主張していた…『同調の説』に、今回思い当たる事が起こったんだ。」<br>アルトがそう話すとアネーシャの顔が曇った。<br>「『同調の説』…古龍観測所の方では確認が取れたの？」<br>アネーシャのそんな問いに、<br>「ああ、観測所で確認が取れた。今回、二頭の古龍が騒ぎ出している。一頭は火山のテオ・テスカトル。もう一頭は雪山のクシャル・ダオラだ。」<br>と、アルトもアネーシャと同じように顔を曇らせながら答えた。<br>「その二頭…もしかしてＧクラス…？」<br>アネーシャが聞く。<br>「クシャル・ダオラは上位クラスだが…テオの方は、Ｇ級だ。」<br>アルトはアネーシャの顔を見ながらそう答えた。<br>「そう…。二頭が同時に…。でもまだ解らないわよ。一頭は上位でしょう？たまたま…かもしれないし。」<br>アネーシャはそう言うと、何か考えるような仕草を取る。<br>「その一頭のクシャルの方なんだがな、確かに上位クラスだと思われるんだが…変なんだ。」<br>「変？」<br>そんなアルトの含みのある言葉に、アネーシャはアルトの顔を見た。<br><br><br><br>「体全体が『錆びてる』んだ。長き眠りから覚めた…そんな『古さ』を感じさせるような。」<br><br><br>アネーシャはアルトの答えに、目を見開いた。<br><br><br>１８<br><br>ポッケ村にある集会所１番の現ギルドマネージャー、名前は「アネーシャ・リィ」と言う。<br>彼女は三年前まで、国が管理する王立の「古龍観測局」の研究員だった。<br>「古龍観測局」とは読んで字の如く、数ある種類の中でも群を抜く強さを誇る「古龍種」という種類のモンスターを観測、研究する場所だ。<br>他のモンスターにはない圧倒的な強さ故、昔からこの種に属するモンスター達には特に人類は警戒していた。<br>数百年もの昔、まだ各地域に点在する「観測所」がなかった頃。<br>その時はこの「古龍種」に対して、各地区で感覚鋭い人間とは違う種である「竜人族」が、各々その古龍種の出現を予測していた。<br>しかしその「古龍種」生態の謎、行動予測をより明確かつ正確にするためにこの「古龍観測局」が設立、各地域に「観測所」が設けられたのだ。<br><br>人間に近く、それでいて違う「竜人族」で構成される「古龍観測局」。<br>アネーシャもまた、そんな竜人族の一人だ。<br><br>竜人族―――。<br>人間と大きく異なる特徴の一つとして、その大きな耳がある。寿命も人間より全然長く、身体能力や感覚も人間より鋭い。<br>そんな竜人族の持つ特殊な力、知識、技術はこの世界に住む人間にも多大な影響を及ぼしている。<br><br>ギルドマネージャーの他に身近な者で言えば、このポッケ村の現村長、集会所隣にいつも陣取る行商婆、キッチンやオトモを斡旋するアイルー婆なども竜人族だ。<br><br><br>そんな「古龍観測局」の研究員であったアネーシャは四年前、ある発見をした。<br><br><br>今まで「おとぎ話」として語られてきた「白き龍」。<br><br><br>その『祖龍』が、今正に目覚めようとしている事を。<br>誰もが知らない、おとぎ話の龍。<br>その強さも、どれほどの「厄」が訪れるかも解らない、そんな一匹の「古の龍」。<br>「古龍観測局」は勢力を上げてこの「古の龍」を観察、研究した。<br>そしてその観察と研究で解ってくるその「白き龍」の被害予測に、「古龍観測局」は愕然とする。<br><br>―――この「白き龍」が目覚めた時、それは人類にとって『災い』となる。<br><br>この龍が『災い』として、その異名がつく所以がその被害予測にあった。<br>祖龍一頭の被害も然ることながら、しかし何よりも恐ろしいのは先ほどアルトが口にした「同調の説」だった。<br><br>古龍同士、その『力』は相拮抗する。<br>クシャルがテオとナナに、テオとナナがオオナヅチに、オオナヅチがクシャルに。<br>この三竦みの法則は有名である。<br>これは古龍同士の生態における神の業だろう。<br>その最強の三種が、その三竦みによって頂点に立てない事で、「生態系のバランスを保つ」からだ。<br><br>しかし―――祖なる龍、この「古の龍」はその「頂点」に君臨する。<br><br>それがどういう事か。<br>まずは現存する古龍種が「一斉に暴れ出す」だろう。<br>そんな「頂点」を「認めない」とでも言うように。<br>いや、その影響は古龍種だけでは留まらない。<br>古龍種含めた全ての種が、自身のその「生態」を守るため、本能が自身の身を守ろうとするからだ。<br>そんな「頂点」に対する「恐れ」という得体のしれないものが各生態系に振り注ぐ。<br>それは「感情」とも、「感覚」という言葉とも違う…「同調」という言葉が一番ニュアンスに近い事から「同調の説」と言われた。<br><br>四年前に発見されたこの祖龍は、今までのＧクラスの最強種とされる古龍種ですら脅かす圧倒的な「力」を持っている事が解った。<br><br>それは三年前の「崩竜の進行」。<br><br>祖龍が復活した三年前、まずはその復活の地に一番近い所に生息していたウカムルバスが反応した。<br>ウカムルバスは飛竜種だが、その力は圧倒的で並の上位クラスの古龍種では歯が立たないほどの強さを持つ。<br><br><br>そんなウカムルバスが「恐れた」のだ。<br>ウカムルバスは祖龍が本能に持つ、頂点としての圧力に「同調」したのだ。<br>その「白き龍」に。<br><br><br><br>この龍が完全に目覚めた時―――それはこの世界の、人類を含めた全ての「生態バランス」を崩す。<br>この世界に生態系として織りなす全ての種が、自身の身を守るため、得体のしれない「恐怖」に暴れ出す。<br>そんな力を―――この「祖龍」は持っているのだ。<br><br><br><br>今その龍は、ひっそりと「古塔」に身を潜めている。<br>まだ、完全に「目覚めて」はいない。<br>三年前のある「男」の手傷に、その身を休めているのだ。<br><br><br>いつその『災い』が、世界に向けて動き出すのか…「古龍観測局」も息を詰まらせている。<br><br>今まだ、この事は「古龍観測局」と、三年前に行われた「主要会議」という名目でのタロの「モンスターハンター」を見ていた各国の「王」達しか知らない事になっていた。<br><br>だが、『噂』は動き出している。<br>この地に…あの古塔に「神」が降臨したと。<br><br><br>１９<br><br>アルトの言葉に、アネーシャは目を見開いた。<br>「体全体が…『錆びている』…。」<br>アルトの言葉を繰り返すように呟くと、アネーシャはスッとまた考え込むような仕草を取る。<br>「このクシャル・ダオラも…やはりその『同調の説』の通り、長き眠りから目覚め…導かれたのではないか？」<br>アルトは思う事をそのまま口にしてみた。<br>「その可能性はあるわね。その観察報告と資料を見てないからなんともいえないけど。」<br>話を聞いていたアネーシャは、そんなアルトの答えに頷く。<br>「クシャル・ダオラは『脱皮』をする習性があるから、その『錆びている』事自体は脱皮直前の状態のモノで、そんな珍しい事ではないの。でも…『錆びている』状態で暴れ出す前例は聞いた事ないわ。本来なら脱皮直前はナイーブだから、それこそ誰にも邪魔されない場所で脱皮を待つのに…。」<br>アネーシャはそこまで言うと、一息つく。そしてさらに言葉を続けた。<br>「さらに言うとね。『三竦みの法則』上、『クシャル・ダオラ』が脱皮直前に『テオ・テスカトル』と同時に出現する事自体が異常なの。この意味、解る？」<br>そんなアネーシャの問いにアルトは頷く。<br>「ああ。本来ならクシャルにとってテオは優位に立つ存在だ。なのに『脱皮直前』でその身をさらけ出すのは、下手をすれば自身の隙をテオに付け込まれかねない…という事だろう？『理に適っていない』と、言う事か。」<br>「正解。」<br>アネーシャはそう言うと、また考え込む姿勢を取った。<br><br>アネーシャにとってこのアルトの報告は、「嫌な予感」しか感じさせない。<br>ちゃんとした結論は出せないが、自分の頭の中では間違いなく『災い』に向かって「祖龍」が動き出している。<br>アネーシャの「竜人族」としての優れた感覚も、この報告に警笛を鳴らしている。<br><br>「思ってた以上に…急がないとまずい…と言う事かしら。」<br>そんなアネーシャの呟きに、<br>「まあ急ぐに越したことはないが…。あまりタロには圧力をかけたくないというのもあるからな。君が今回の件でまだ『判断しかねる』のならば、まだタロには普段のペースで行ってもらいたいのだが。」<br>と、アルトは言う。<br>「そうね。今回のこの件においては、『判断しかねる』と言っておくわ。それにまだ、タロちゃんはＨＲ２だしね。焦らせるには『早すぎる』わ。」<br>アネーシャ自身今回の報告に嫌な予感しかしないが、それでも今のタロを思うとまだこの事はタロに話すべきではないとアネーシャは判断した。<br><br>「なんにしても…実力に伴う『自信』をつけてもらわないとね。あの子には。」<br><br>「俺も…そう思うよ。」<br><br>二人はそう言うと、目を合わせてタロの行く末に顔を曇らせた。<br><br><br>ちょっとした沈黙を経て、アルトが話題を変えるように口を開いた。<br><br>「そう…タロで思い出したが、もしかして君は三年前…祖龍と相討ちとなったタロがこのポッケ村で生きていた事を知っていたのか？」<br>なんの前置きもなしに自分の過去の事を聞かれて、アネーシャは一瞬キョトンとした顔をした。<br>「なんでそんな事を聞くの？」<br>アネーシャが聞き返す。<br>「いや…ずっとなぜ君が三年前にあの『古龍観測局』を辞めたのか解らなかったのだが、今回のタロの件と、君がここにギルドマネージャーに就いた事で一つ見えた事があってね。…偶然にしては、この状況は『できすぎている』。」<br>アルトがそう言うと、<br>「フフ。あなたは相変わらず察しが良いわね。後は『駆け引き』さえ覚えれば、完璧なのに。」<br>と、アネーシャがからかうように笑った。<br>「その通りよ。私はタロちゃんの事をずっと知っていた。三年前の祖龍との戦いも、その相手がタロちゃんだと言う事も。そして…その戦いで記憶を失い、ここに流れてきたことも。」<br>そう言うと、少し寂しそうにアネーシャは微笑む。<br>「なぜ、それを『古龍観測局』に報告しなかった？」<br>アルトが聞く。<br>「あなたが聞きたい答えを先に言わせてもらうけど。私はその『報告をしたくない』から辞めたの。古龍観測局を。」<br>「なぜ？」<br>またアルトが聞く。<br>「その時の…リオちゃんも一緒に見ていたからね。リオちゃんの気持ちを考えると…もうそっとしておいてあげたくて。でも、私はタロちゃんにも興味があった。失礼な言い方だけど『研究対象』としてね。あの『祖龍』と相討ちにまで持ち込んだ『男』。興味あるじゃない？…だから、この二つの想いを両方叶えるには私があそこを辞めるのが一番だと思ったの。」<br>そんなアネーシャの答えに、<br>「なるほど…な。」<br>と、アルトは頷いた。<br><br><br>優秀な人間には、優秀な人間が集まる。<br>こんな辺境の地に、伝説を造る力を持つ人物、タロとリオが二人。さらにはこのアネーシャ。<br>そして国王もアルトも。<br>こうして人は集まり、一つの「強大な力」を生み出す。<br>それが「共存」という生き方をする、「人間」の強さなのかもしれない。<br><br><br>「…で、今回のその件、どうするつもりなの？Ｇクラスのテオ。錆びたクシャルダオラ。中々骨の折れる面子じゃない。」<br>想いに耽っていたアルトに、アネーシャが聞く。<br>「ああ、そうだった。その件でな、リオに依頼を頼もうと思ったのもここに来た一つだ。リオにＧ級のテオを討伐してもらおうと思ってな。」<br>ハッと我に返ると、アルトはそう答えた。<br>「クシャルの方はどうするの？」<br>「幸い…というには語弊があるが…そのクシャルだが、「街」の方に動いていてな。「街」ならば対モンスター用の設備もある。我が軍の一部隊を以って討伐させるさ。」<br>アルトがそこまで言うと、アネーシャがフフッと笑う。<br>「今、ここの集会所に『ナルガ・ロウ・セトラ』がいるわよ。依頼してみたら心強いんじゃない？」<br>アネーシャの出した名前にアルトは驚いた顔をした。<br>リオが「街」に住んでいた時、アルトは「国王の勅令」としてよくリオに依頼をこなしてもらっていた。<br>その時のパートナーのロウ。<br>アルトもロウの事は良く知っているのだ。<br><br>その実力を。<br><br>「ロウもいるのか。こんな辺境の地に…変な所だな、『ポッケ村』という場所は。」<br>半ば呆れたように、アルトが呟いた。<br><br><br><br>集会所編７に続く
]]>
</description>
<link>https://ameblo.jp/tkp0513/entry-10508973975.html</link>
<pubDate>Thu, 15 Apr 2010 11:44:26 +0900</pubDate>
</item>
</channel>
</rss>
