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<title>[ yukitom   no   blog ]</title>
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<description>　　　　　　　　　　　　　　　　　色。哲学。　　　　　　　　　　　文芸。　　　　　　　　　　　　　芸術。　　興味のある範囲全般に書き綴ろうと思います。　</description>
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<title>2人の 男（T)</title>
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<![CDATA[ <p>・T</p><br><p>再就職が決まりホッとした。そろそろ結婚しないとなぁ。そのあと、こどもかなぁ。と考えだす。そうしたら子供のために働く。家族を養うために働く。その責任が自分のためにもなる。人間とは、何かしら縛りが必要な性質なのかもしれない。縛りがあるから自由を求める精神が生まれる。自由を求めるから、縛りがある。縛りを受け入れてもいい頃なのかもしれない。</p><br><p>2つの指輪。</p><p>数字とイタリア語の刻印。</p><p>数字は何を意味しているのだろうか。机に転がる指輪の刻印を見て、途方に暮れる。行方が分からなくなった、このモニターの持ち主。指輪と何か関係性があるのか。考えても明確なその人のイメージもない。どんな人かもわからない。あきらめて机の引き出しにしまう。来週から始まる仕事の方に頭を切り替え、今日は寝る事にしよう。</p><br><p>土曜日夜7時。</p><p>ドトールにてモニターの持ち主の兄と待ち合わせ。兄は律儀に頭を下げ、挨拶をした。</p><p>早速、本題の指輪の話しになった。</p><p>「早速ですが、指輪を見せてもらってもいいですか？」</p><p>彼の手のひらに、2つの指輪を渡す。片方の手に通常の指輪。片方の手にひしゃげた指輪。人差し指と親指で吟味するように、覗き込むように見ている。</p><p>「付属品のネジとボルトが入った袋の中に入っていたんです。この指輪に関し、深く追及するつもりはなかったんですが少し気になったもので。指輪の内側に刻印されている文字が、イタリア語だという事はわかりました。」</p><p>彼は目を梁のように細めて指輪の内側を見る。</p><p>「イタリア語ですね。私もイタリアに入ったことがありますから少しはわかります。」</p><p>一つ息を吐き、続けた。</p><p>「弟もイタリアに行ってたんです。僕なんかの短期間の旅行ではなく、2年ほどですか。インターンで仕事もしてきている。弟は、イタリアから帰ってきたときは、とてもやつれていましてね。イタリアで何があったかは聞いてませんが、心を病む何かの出来事があったのかもしれません。ここ最近、結婚しましてね。とても幸せそうだった矢先の失踪だったので、家族も血眼で探しているんですがね。」</p><p>2つの指輪に刻まれた文字を何度も見ながら、何か考えているようだ。</p><p>「そのイタリア語の意味は、太陽と明かり。弟さんがイタリアに行ったときに、誰かにプレゼントした指輪ですかね？」</p><p>「その可能性が高いと思います。この数字、見覚えがあります。43.78と11.25。これはフィレンツェの場所じゃなかったかな。僕もイタリアに行ったとき、フィレンツェに行きましてね。地図を見て、日本と比べてたんです。なんか頭にインプットされていて。たぶんそうだと思います。」</p><p>「弟さんもフィレンツェに行かれてたんですか？」</p><p>「そう。弟もフィレンツェでした。アトリエがフィレンツェのようでした。</p><p>「何か、関連しているのかもしれませんね。」</p><p>どうしたものか、頭を抱えながらコーヒーをすすった。</p><p>「一度フィレンツェに行ってみますか。」</p><p>「そうですね。それがいいですよ。ひょっとしたら、弟さんいるかもしれませんし。」</p><p>「Tさん、旅行がてらどうですか？ご一緒に」</p><p>はい？驚きのような疑問符で返す。</p><br><p><br></p><br><p><a href="http://px.a8.net/svt/ejp?a8mat=2HHN08+G3W7ZM+33U4+609HT" target="_blank"><img border="0" alt="" src="https://img-proxy.blog-video.jp/images?url=http%3A%2F%2Fwww22.a8.net%2Fsvt%2Fbgt%3Faid%3D150308792974%26wid%3D001%26eno%3D01%26mid%3Ds00000014494001009000%26mc%3D1" width="468" height="60"></a> <img border="0" alt="" src="https://img-proxy.blog-video.jp/images?url=http%3A%2F%2Fwww15.a8.net%2F0.gif%3Fa8mat%3D2HHN08%2BG3W7ZM%2B33U4%2B609HT" width="1" height="1"> </p><p>↑ </p><p>instagramで投稿した写真で缶バッジを作ろう！</p><p>詳しくはこちらをクリック(#^.^#)</p>
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<link>https://ameblo.jp/tomoyukuri/entry-12000367366.html</link>
<pubDate>Wed, 11 Mar 2015 22:13:22 +0900</pubDate>
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<title>2人の 男（S)</title>
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<![CDATA[ <p>・S</p><br><p>今年の有給はずっと使わずにいたので、まとめて今週末にもらうことにした。土日も含め、8日間の長期休みを許してくれた。先輩ともめていた上司とは、僕がことなかれ的な態度を取るため、それほど険悪にはならず、社長もそんな僕を気に入ってくれての長期休暇の許可だった。結婚のあと、Kにも旅行に連れて行けなかったこともある。元恋人の「J」のこともあり、複雑な感情だがKにもこの旅行で僕たち2人の中が円満であることを実感してほしい。Jの事を内緒にしていても良かったのだが、女性という事もあり、いつかは勘の鋭いKにもわかるであろう。本当のことをすべて話をした。</p><p>初めて付き合った彼女であり、イタリアで同じ市の出身で、同学年だったこと。中学生の頃、柔道部だった僕はJの学校のとんでもなく強い選手について話したり、当時はやったドラマやそのドラマの主題歌の話し、毎年開催されたお祭りについての話しなど、思い出を語るようにすべてKに話をした。僕はもう、Kと人生を共にする決意はもちろん、その道を歩いているのだから、それ程迷うことはなかった。</p><p>Jは同じアトリエで僕と同じく、アシスタントをしていた。仕事をしている時のJは、細部に目が届き、機転の利く、仕事のできる人間だった。アトリエの協力もあり、長期のビザを取ることができた。当時は長期のビザを取るのにとても面倒だった。何度も何度も役所に呼び出されたり、証明書やらサインやら求められ、骨が折れるのが一般的な日本人だった。Jは父親の協力もあり、お金にはそれほど苦労しなかったし、父親は外務省勤務だった。</p><p>「Jは、はっきりした性格だったよ。よく怒り、よく笑い、よく泣いた。無表情な事がそんなになかった人だった。」</p><p>黙って聞いているKは、Jとは正反対のような気がした。</p><p>「好きだったけれど、別れたんだよね？」</p><p>「僕の方はね。」</p><p>「でも、引きずってなさそうだったね。ずっと。そんな話しする機会が無かったからかな。」</p><p>「そうだね。まぁ、これを機に少し過去のことについて話そうか。」</p><p>「そうだね。ね。久しぶりに飲みに行かない？どこかで飲みながら話したいな。」</p><p>「お、いいね。行こう行こう。」</p><p>駅前の居酒屋に飲みに行った。軽く夕食とお酒をつまみにして珍しく僕がよくしゃべった。そのあと遅くまで開いているバーへ梯子し、今度はKがよくしゃべった。家につく頃には、2人でお互いを支え合うようにしてもたれながら歩いた。</p><p>「たまには飲みに行こうね。」</p><p>それはKの本音だった。仕事に明け暮れ、毎日忙しかった。</p><p>「そうだね。ごめんね。これから、月に1度か2度は飲みに行こうか。」</p><p>「それがいいね。」</p><br><p>次の日、ウィーン経由イタリア、フィレンツェ行きの航空券を割とスムーズに取ることができた。</p><p>1週間分の荷造りを始めた。</p><p><br></p><p><br></p><br><p><br><a href="http://px.a8.net/svt/ejp?a8mat=2HHN08+G3W7ZM+33U4+601S1" target="_blank"><img border="0" alt="" src="https://img-proxy.blog-video.jp/images?url=http%3A%2F%2Fwww23.a8.net%2Fsvt%2Fbgt%3Faid%3D150308792974%26wid%3D001%26eno%3D01%26mid%3Ds00000014494001008000%26mc%3D1" width="120" height="60"></a> </p><p>↑</p><p>【CANGRAM】</p><p>instagramの写真をハイクオリティなスクエア缶バッジに！<br>instagramアカウントでログインして6枚の写真を選ぶだけ、<br>世界にひとつだけのとってもお洒落なオリジナル缶バッジ・缶マグネットセットが誕生します。<br>5月のリリース以来、小さなお子様をお持ちでありスタイリッシュなファミリー層を中心として話題を呼んでいます。<br>また、モデルさんやアーティストさん、雑貨屋さんなどでの利用も多く生活に彩りをくれるアイテムとして幅広く支持をいただいております。 ぜひ一度お試しあれ★</p><br><br><p><br><br><br><a href="http://px.a8.net/svt/ejp?a8mat=2HHN06+EGCVHU+327I+5ZU29" target="_blank"><img border="0" alt="" src="https://img-proxy.blog-video.jp/images?url=http%3A%2F%2Fwww25.a8.net%2Fsvt%2Fbgt%3Faid%3D150308790874%26wid%3D001%26eno%3D01%26mid%3Ds00000014283001007000%26mc%3D1" width="120" height="60"></a> </p><p>↑</p><p> 【Booking.com】</p><p>世界のホテル割引予約プログラムです。</p><p> Booking.com (ブッキングドットコム） はオランダで生まれたインターネット専門の世界のホテル割引予約システムです。 ネットで即時予約、安心の現地払いで、利用者からも『メリットの高いホテル予約サイト』として、今では世界中の旅行者に愛用されています。 クチコミも交え、お得なプランで世界中のホテル448,906軒掲載中。世界のどのエリアでも感単に激安ホテル予約が可能です</p>
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<link>https://ameblo.jp/tomoyukuri/entry-11999487823.html</link>
<pubDate>Mon, 09 Mar 2015 20:17:15 +0900</pubDate>
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<title>2人の 男（T)</title>
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<![CDATA[ <p>・T</p><br><p>日付が変わり40分位経った頃、電話が鳴った。もう電話は掛かって来ないだろうと高を括っていた。いつも目覚まし代わりに使う携帯電話は、ベットの横のキャビネットに置いておいた。</p><p>「ごめん！遅くなって、寝てた？」</p><p>寝てたよ。何時だと思ってんだ。</p><p>「うん。うつらうつらしていた。」</p><p>「ごめんごめん。要件て何だった？」</p><p>上半身をお越し、ベットの際に座る。</p><p>「そうそう。前くれたモニターさ。元々、誰のだったの？」</p><p>「ん？どこか調子悪い？」</p><p>「いや、調子いいよ。すごく見やすいし、有難く使わせてもらってます。」</p><p>「そうか。よかった。それくれたのは、同級生の友人なんだけどね。そいつも誰からかもらったって言ってたなぁ。なんで？」</p><p>「うん。いや、付属のネジやボルトと一緒に、指輪は言ってたんよ。ちょっと気になってね。いや、捨てりゃいいんだけどね。」</p><p>ふーん。受話器の向こうに車の騒音が聞こえる。</p><p>「まだ、外にいる？仕事終わり？」</p><p>「今、出張の帰り。あと1時間はかかるな。」</p><p>「なんだ。そりゃ、悪いなぁ。また時間ある時でいいよ。電話ちょうだい。」</p><p>「一応、その同級生の連絡先教えるよ。気になるなら、連絡とってみて。」</p><p>ちょっと急いでるみたいだ。当たり前だ。平日のこの時間にまだ高速道路とは。</p><p>「後でメールするからさ。マナーモードとかにしといてよ。朝気付けばいいでしょ？」</p><p>「そうだね。ありがとう。今度のイベント行く？」</p><p>「来週のだよね？ちょっとわからないなぁ。今、仕事が立て込んでるから。」</p><p>「そうかぁ。わかった。また連絡してね。」</p><p>「わかったよ。悪いね。夜遅くに。」</p><p>悪いのはこっちのほうだ。こんな暇人で。羨ましさよりも、自分への怒りが湧いてきた。</p><br><p>翌日、以前働いていた職場に電話をかけ、もう一度働かせてくれないかと頼んだ。会社の方は、快く受け入れてくれた。仕事は定時上がりだし、全て社長の指図で動く会社だし、それ程やりがいは持てなかったが、もう一度雇っていただけるありがたさと、自分の責任を果たすことで自分を奮い立たせた。やる事やってりゃ、いい。文句言われても、一定額いただけることと引き換えに我慢してりゃいい。1週間後から入社の段取りで、社長との面談は済んだ。</p><p>そういえば、電話を切った翌日、男からメールが入っていた。男の言う同級生の連絡先を記したメール。律儀にも何かの記念撮影らしい写真に○印が書かれた写真も送ってくれた。これが同級生。その同級生は弟からもらったものだと言っていた。とメールに書いてあった。ありがとうと返信し、夜、仕事終わりであろう時間を見計らい、電話してみた。</p><p>「こんばんわ。私、Rさんの友人のTと申します。」</p><p>「はい。Rさん？どちらのRさん？」</p><p>「たぶん同級生だったRさんです。すみません。突然お電話して。」</p><p>「はい。了解しました。Rのご友人なのですね。わかりました、ご用件は？」</p><p>「先日、パソコンに使うモニターを頂きました。いろんな人を伝って私に与えられたと思います。元々、あなたの弟さんの持ち物だったと聞きます。」</p><p>「はい。」</p><p>「それで、お電話差し上げたのは付属でついていたネジやボルトと一緒に指輪が2つ入っていましてね。」</p><p>「弟の指輪ですかね。ネジやボルトが入っていた袋の中に？」</p><p>「弟さんの物かどうかはわかりませんが、袋の中に入っていまして。高価なものかどうかはわかりませんが、気になったもので。もし、あれでしたらお届けに参ろうかと思いまして電話しました。」</p><p>「そうですか。ありがとうございます。ですが。今残念なことに。」</p><p>言いよどんだ。次の言葉を探しているようにも見える。</p><p>「弟と連絡が取れない状況でありまして。家族でも必死に情報を集めているところなんです。</p><p>「はぁ。何かあったんですかね。」</p><p>「その指輪に何かあるのかもしれませんね。後日見せてもらえますか？」</p><p>「はい。了解しました。指輪は2つ。一つは正常なものと一つは何かに踏まれ、ねじれているものでした。イタリア語らしい刻印がされてましたよ。</p><p>「イタリア語、、」</p><p>「何か思い当たる節がございますか？」</p><p>「わかりません。来週土曜にお会いできますか？」</p><p>「はい。夕方でしたらお会いできます。」</p><p>「それじゃ、どこかの喫茶店で。詳しくはメールしますね。この番号でいいですね？ショートメールをします。」</p><p>「はい。了解しました。では。」</p><p>その弟の行方も気になる所だが、少し面倒臭くもあった。</p><p>「その指輪の写真を送ってもらえますか？」</p><p>とメールが入ってきた。</p><p target="_blank"><br></p><a href="http://px.a8.net/svt/ejp?a8mat=2HHN06+EGCVHU+327I+5YRHD" target="_blank"><img border="0" alt="" src="https://img-proxy.blog-video.jp/images?url=http%3A%2F%2Fwww28.a8.net%2Fsvt%2Fbgt%3Faid%3D150308790874%26wid%3D001%26eno%3D01%26mid%3Ds00000014283001002000%26mc%3D1" width="100" height="60"></a> <img border="0" alt="" src="https://img-proxy.blog-video.jp/images?url=http%3A%2F%2Fwww15.a8.net%2F0.gif%3Fa8mat%3D2HHN06%2BEGCVHU%2B327I%2B5YRHD" width="1" height="1"> <p target="_blank"><a href="http://px.a8.net/svt/ejp?a8mat=2HHN08+G3W7ZM+33U4+60OXD" target="_blank"><img border="0" alt="" src="https://img-proxy.blog-video.jp/images?url=http%3A%2F%2Fwww28.a8.net%2Fsvt%2Fbgt%3Faid%3D150308792974%26wid%3D001%26eno%3D01%26mid%3Ds00000014494001011000%26mc%3D1" width="300" height="250"></a> <img border="0" alt="" src="https://img-proxy.blog-video.jp/images?url=http%3A%2F%2Fwww12.a8.net%2F0.gif%3Fa8mat%3D2HHN08%2BG3W7ZM%2B33U4%2B60OXD" width="1" height="1"></p>
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<pubDate>Sun, 08 Mar 2015 10:46:56 +0900</pubDate>
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<title>2人の 男（S)</title>
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<![CDATA[ <p>・S</p><br><p>1年、2年前だろうか、まだ浅い記憶の中から鮮明に思い出せる。</p><p>幾何学に組み込んだ石畳を買ったばかりの革靴で爪音を立てて走る音。重い扉なのに、真鍮のドアノブは取れそうなくらい古い。扉を開け、エントランスを通り過ぎ、靴のままベットに身体を放り投げる。ゴロゴロしながら、面倒臭いから足だけを使って靴を脱ぐ。そこに当時付き合っていた彼女が顔を出す。アーチ状の建具から、顔だけをおちゃめに出し、笑いかける。</p><br><p>「あなたは何を考えているのかわからない。」</p><p>別れ際の言葉が脳裏をよぎる。</p><br><br><p>「ありがとう。2年前に行ってた働いてたアトリエからの手紙みたいだね。」</p><p>「イタリアに？」</p><p>そう。と一言僕を怪訝な目で見ていた。別に秘密にしていたわけじゃない。僕も今の幸せに浸り、イタリアに行っていたことはすっかり忘れていた。</p><p>「フィレンツェに行ってたんだ。芸術の都でしょ。留学とインターンでね。」</p><p>「ふーん、そんな話聞いたことない。」ぶーッと口を尖らせた。</p><p>僕は、甘ったれた声を無視して鋏を取り出した。鋏で封を切ろうとしたが、イタリアに行ってた時のことがフラッシュバックし、動作が止まった。懐かしい封筒。ローマ字の刻印。フィレンゼの青空、空気、街並み。目を閉じ、映像が流れる。</p><p>封筒をもう一度見ると、所属していたアトリエの印字はあるものの、誰からのメッセージなのかがわからなかった。鋏で封を開ける。</p><p>2枚の便箋と、写真が数枚入っていた。久しぶりのイタリア語だなと思った。楽しみで便箋に目をやる。</p><p>内容は、以前付き合っていた「J」の死についてだった。</p><p>以前付き合っていた彼女。忘れかけていたJのこと。僕が初めて付き合った女性。Jが文句を言う時に使う口を尖らせるしぐさ。ゆっくりと時間が流れる独特の空気感を持ったフィレンツェ。それを2人で手を繋ぎ歩いた。人目も惜しまず、母国を離れた開放感にしたり、抱き合い、キスを交わした。懐かしさと、困惑で頭の中を整理できない状態。</p><p>「どんな手紙だったの？」</p><p>Kが聞いてくる。何も話せる状態にない。Kも僕の混乱を察していた。</p><p>「お茶入れるね。」</p><p>Kはその場から離れ、キッチンへ向かった。</p><p>まだ2年前の話しだ。Jと付き合っていた。自分に真っ正直で、うそを言わず、口を大きく広げ笑ったり、大粒の涙をぼろぼろと流したり、目じりを吊り上げ、人前でもはっきりと怒る。自分の感情をさらけ出しているJを今、はっきりと思い出せる。頭の中にあの時の風景と、僕とJが映る写真が今はっきりと引き出しから出された。</p><p>Kがお茶を入れて、持ってきた。湯呑を持ち、その熱さに驚いた。我に返り、封筒を折り曲げ乱暴にバッグの中にしまい込んだ。後々、Kが疑ってくるだろうけど、気にしなかった。</p><p>「知り合いが無くなったようだ。今週末、イタリアに行くよ。フィレンツェ。」</p><p>「そう。同級生？」</p><p>「ああ。」Kの問いにはほとんど上の空だった。</p><p>「イタリア？私もいっていい？」</p><p>「ああ。」</p><p>Kの声は右から左にすり抜け、機械のような感情のない返事を返した。</p><a href="http://px.a8.net/svt/ejp?a8mat=2HHN06+EGCVHU+327I+5YRHD" target="_blank"><img border="0" alt="" src="https://img-proxy.blog-video.jp/images?url=http%3A%2F%2Fwww28.a8.net%2Fsvt%2Fbgt%3Faid%3D150308790874%26wid%3D001%26eno%3D01%26mid%3Ds00000014283001002000%26mc%3D1" width="100" height="60"></a> <img border="0" alt="" src="https://img-proxy.blog-video.jp/images?url=http%3A%2F%2Fwww15.a8.net%2F0.gif%3Fa8mat%3D2HHN06%2BEGCVHU%2B327I%2B5YRHD" width="1" height="1"> <a href="http://px.a8.net/svt/ejp?a8mat=2HHN08+G3W7ZM+33U4+60OXD" target="_blank"><img border="0" alt="" src="https://img-proxy.blog-video.jp/images?url=http%3A%2F%2Fwww28.a8.net%2Fsvt%2Fbgt%3Faid%3D150308792974%26wid%3D001%26eno%3D01%26mid%3Ds00000014494001011000%26mc%3D1" width="300" height="250"></a> <img border="0" alt="" src="https://img-proxy.blog-video.jp/images?url=http%3A%2F%2Fwww12.a8.net%2F0.gif%3Fa8mat%3D2HHN08%2BG3W7ZM%2B33U4%2B60OXD" width="1" height="1">
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<pubDate>Sat, 07 Mar 2015 10:14:18 +0900</pubDate>
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<title>2人の 男（T)</title>
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<![CDATA[ <p>・T</p><br><p>ブログをやりだして、2週間が過ぎた。ブログは、写真と心理学について綴ることにした。以前勤めていた工場が閉鎖される時、一緒に働いたメンバー一人一人、写真に収めていった事がきっかけでカメラを始めた。ここ最近は何億の負債を抱え、倒産していく製造業が多い。全盛期に一生懸命、会社のため切磋琢磨した職人がいるから、今の日本の経済がある。たとえ、製造からサービスが台頭の時代になっても職人の志は忘れずに受け継ぐべきだ。そう思い、シャッターを切っていった。精悍な顔つきから、会社への愛と倒産する会社への今までの苦悩と誇りが垣間見れた。一人一人にブログに載せる許可をもらい、2日に1ページずつ更新していった。更新されたら、一人一人にブログのリンクを貼っってメールを送り、紹介した。一人一人とのコミュニケーションから読み取れる心理と、日本経済と製造業の多様性、これからの道末について、市議会議員の選挙演説のように熱く語った。特に私の勤めていた「衣」のカテゴリーにあたる製造工場は、海外のチープマネーに負け、大手ですら多く倒産していった。今では、海外でも日本の技術に負けないほどの技術が付いてきている。技術者を海外に派遣している企業もある。日本の製造業も転換期なのかもしれない。</p><p>製造業の多様性を提案してきたブログは、製造業者の人に多く好まれた。中には、経営コンサルタントの方からメッセージをもらうことも数度あった。ブログに載せる記事を書くため、今日もパソコンに向かたった。</p><p>「コンッ、、、」</p><p>フロアーに落ちる金属音がした。机の隅に置いてある、2つの指輪が転がった。</p><p>「いったいだれの指輪なのかな、、。」</p><p>捨てるに捨てれないこの指輪。忘れてしまおう。机の引き出しに放り込む。1度はパソコンに向き合ったが、やっぱり気になって、机の引き出しに放り込んだ指輪を取り出す。</p><p>手のひらにリング2つ。ころころと転がしながら考えた。この持ち主だったら、この指輪はもうなくしたものだと思っているだろうか。もう、忘れ去られた記憶であろうか。私の中で、泡立つ好奇心がちらちらと見え始めた。別れてもまだ好きでずっととっておいた指輪なのだろうか。一つひしゃげた方は車にでも轢かれた指輪であろうか。この数字と、アルファベットの意味は何だろうか。好奇心に加え探求心もじわじわ出てきた。とりあえず、このモニターの持ち主と繋がってもいいか。でも指輪の事は言わないでおこうか。些細な事を考えてはいたが、結論全部話して指輪だけ返すという事で決着がついた。モニター大事に使わせてもらっていますくらい、言ってもいいかもしれない。とりあえず、cafeのイベントで知り合った男に電話をかけた。男は、すぐに出たが車に乗っているのか、「今、手が話せないから夜掛け直す」と言い残し、電話を切った。</p><p>気になって、アルファベットで書かれた文字を調べた。イタリア語だったことが分かった。イタリアにまつわる何かがこの指輪に隠されているのか。一つは「太陽」一つは「明かり」という意味だった。その人はいつも「太陽」のような笑顔だった人。その人は暗闇を照らしてくれた「明かり」のような存在だった人。そんな意味合いだろうか。推理が始まる。</p><p>自分でない人間の推理をするのが少しばかばかしく思い、指輪を引き出しにしまった。またパソコンを開き、ブログを書き始めた</p><br><a href="http://px.a8.net/svt/ejp?a8mat=2HHN08+G3W7ZM+33U4+60OXD" target="_blank"><img border="0" alt="" src="https://img-proxy.blog-video.jp/images?url=http%3A%2F%2Fwww28.a8.net%2Fsvt%2Fbgt%3Faid%3D150308792974%26wid%3D001%26eno%3D01%26mid%3Ds00000014494001011000%26mc%3D1" width="300" height="250"></a> <img border="0" alt="" src="https://img-proxy.blog-video.jp/images?url=http%3A%2F%2Fwww12.a8.net%2F0.gif%3Fa8mat%3D2HHN08%2BG3W7ZM%2B33U4%2B60OXD" width="1" height="1"> <a href="http://px.a8.net/svt/ejp?a8mat=2HHN06+EGCVHU+327I+5YRHD" target="_blank"><img border="0" alt="" src="https://img-proxy.blog-video.jp/images?url=http%3A%2F%2Fwww28.a8.net%2Fsvt%2Fbgt%3Faid%3D150308790874%26wid%3D001%26eno%3D01%26mid%3Ds00000014283001002000%26mc%3D1" width="100" height="60"></a> <img border="0" alt="" src="https://img-proxy.blog-video.jp/images?url=http%3A%2F%2Fwww15.a8.net%2F0.gif%3Fa8mat%3D2HHN06%2BEGCVHU%2B327I%2B5YRHD" width="1" height="1">
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<pubDate>Thu, 05 Mar 2015 18:22:32 +0900</pubDate>
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<title>2人の 男（S)</title>
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<![CDATA[ <p>・S</p><br><p>引っ越し、同棲、婚約。ばたばたと忙しい日々から1年が過ぎた。</p><p>キッチンには調味料が並び、冷蔵庫には僕が飲むビールとヨーグルト、牛乳、野菜やお肉が並び、引っ越してきたときよりも生活感が出てきた。</p><p>下着のまま、ベランダに出てタバコを吸う。タバコは半年ほど前から吸うようになってしまった。先輩の送別会の時だ。本当によくお世話になった先輩。先輩の後ろを毎日ついて回り、先輩がいたからこそ仕事ができた時だった。その先輩が、急に転職すると言い退職願を上司に突き付けたのだった。そう、まさに突き付けたのだ。上司と先輩は日頃、互いを尊敬し合ういいパートナーだった。上司より1年遅く入社し、1年目の上司と10年間共に仕事をしてきた。なぜ、そのような互いを尊敬し合える人間同士、仲が割れてしまったのか、今少しわかる気がする。先輩は送別会ほとんど投げやりで煙草ばかりふかしていた。いつも絶対的に見ない悪ぶれた姿勢だった。僕は先輩を慕っていたので、先輩がどうしたのが不思議で仕方なかった。その時も1年先輩である上司の事は決して悪く言わなかった。薄々上司とは何かあったんだろうと、気が付いていた僕に対する優しさと教えでもあったのかもしれない。その時、初めてタバコを吸った。1口吸ったら、立ちくらみするように頭がクラクラしたことを覚えてる。先輩はケラケラと笑っていたけれど、僕は昇天してしまうのではないかと思うくらい、初めてのタバコの衝撃はきつかった。頭がクラクラする中で、でも何か感覚が研ぎ澄まされていくのを感じた。いつも大事なことを聞き流す聴覚は、耳を澄ましている猫のようにピンッと立ち上がり、周りの声がよく聞こえた。先輩の声を分別するのに苦労するくらいだった。先輩の話してくれたことはよく覚えている。</p><p>「あいつは、おれをハメた。ハメて全て自分の手柄にしやがった。」</p><p>憎悪が渦巻く先輩の底のない目を初めて見た。忘れることなく、僕の目に焼き付いている。</p><br><p>今、僕は部署が変わり、その上司の直属ではなくなったが、その上司の事は注意深く観察するようになった。結婚して数か月で、初めて人に対して猜疑心を抱く事を覚えてしまった。あの日からタバコを吸うようになったのも猜疑心を薄紫色の煙で覆うためだ。</p><p>Kが起きてきた。</p><p>「おはよう。今日もいい天気だね。んん、気持ちいい。」</p><p>背中をグググッと伸ばしながら、深く息を吸った。そして、はいた。背中を伸ばすのと朝一番の深呼吸は仏壇に手を合わすのと同じくらい、大事な儀式らしい。</p><p>同棲してから1年。Kは変わった。付き合い始めに感じていたKの影。作っていただろう笑顔がなくなり、心からの笑顔を振りまくようになった。オーラが変わったとでも言えようか。僕にオーラは見えないが、確かにそう感じる運のいい出来事も度々あった。ショッピングセンターの抽選でペアーチケットが当たったり、近所の農家の人と仲が良くなり野菜を1週間に一度はもらうようになったり、足にできる蕁麻疹も何の病院も行かず自然治癒していたり。</p><p>僕はタバコも吸うようになった。人に疑いを持つようになってしまった。人は、良くも悪くも変わってしまうものなのかもしれない。</p><p>「S、手紙来てるよ。海外からかな、、」</p><p>昨日出し忘れたポストの中から、A4サイズの封筒を手渡された。</p><p>住所変更の届けを出していたので、前住所の上にワープロ書きで現住所と名前が刻まれたタックシールが貼ってあった。</p><p>「海外から、、って」</p><p>思い当たるのは、あの時行ったイタリアくらいだった。</p><a href="http://px.a8.net/svt/ejp?a8mat=2HHN08+G3W7ZM+33U4+60OXD" target="_blank"><img border="0" alt="" src="https://img-proxy.blog-video.jp/images?url=http%3A%2F%2Fwww28.a8.net%2Fsvt%2Fbgt%3Faid%3D150308792974%26wid%3D001%26eno%3D01%26mid%3Ds00000014494001011000%26mc%3D1" width="300" height="250"></a> <img border="0" alt="" src="https://img-proxy.blog-video.jp/images?url=http%3A%2F%2Fwww12.a8.net%2F0.gif%3Fa8mat%3D2HHN08%2BG3W7ZM%2B33U4%2B60OXD" width="1" height="1"> <a href="http://px.a8.net/svt/ejp?a8mat=2HHN06+EGCVHU+327I+5ZU29" target="_blank"><img border="0" alt="" src="https://img-proxy.blog-video.jp/images?url=http%3A%2F%2Fwww24.a8.net%2Fsvt%2Fbgt%3Faid%3D150308790874%26wid%3D001%26eno%3D01%26mid%3Ds00000014283001007000%26mc%3D1" width="120" height="60"></a> <img border="0" alt="" src="https://img-proxy.blog-video.jp/images?url=http%3A%2F%2Fwww14.a8.net%2F0.gif%3Fa8mat%3D2HHN06%2BEGCVHU%2B327I%2B5ZU29" width="1" height="1">
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<pubDate>Thu, 05 Mar 2015 12:53:28 +0900</pubDate>
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<title>日常　佇み　力の在るもの</title>
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<![CDATA[ <p><br><a href="http://stat.ameba.jp/user_images/20150305/10/tomoyukuri/64/82/j/o0500037513235745749.jpg"><img border="0" alt="" src="https://stat.ameba.jp/user_images/20150305/10/tomoyukuri/64/82/j/t02200165_0500037513235745749.jpg" width="220" height="165"></a> <br></p><p>数か月前から、カメラを始めた。</p><br><p>弟から借りた、OLYMPUSのカメラ。</p><p>対象物を撮るカメラ。</p><p>その対象物の力強さや</p><p>可憐に、儚く、cool に佇むその姿勢は</p><p>日常的な風景の一コマに</p><p>生きる意図を</p><p>垣間見ることができる。</p><br><p><br><a href="http://stat.ameba.jp/user_images/20150305/10/tomoyukuri/a6/34/j/o0500037513235745750.jpg"><img border="0" alt="" src="https://stat.ameba.jp/user_images/20150305/10/tomoyukuri/a6/34/j/t02200165_0500037513235745750.jpg" width="220" height="165"></a> <br></p><p>空には太陽があり、</p><p>太陽の光があるから、空をスカイブルーに染める。</p><p>透明な水面というフィルターは</p><p>眩いほどに</p><p>輝き、煌めき、光を映し出す。</p><br><p>ふとすると、見逃してしまう</p><p>一瞬一瞬を</p><p>写真として</p><p>フィルターにおさめたい。</p><br><br><p>　　　　　　　　　2015/03/05　　yukitom の日記</p><br><br><a href="http://px.a8.net/svt/ejp?a8mat=2HHN06+EGCVHU+327I+5YRHD" target="_blank"><img border="0" alt="" src="https://img-proxy.blog-video.jp/images?url=http%3A%2F%2Fwww28.a8.net%2Fsvt%2Fbgt%3Faid%3D150308790874%26wid%3D001%26eno%3D01%26mid%3Ds00000014283001002000%26mc%3D1" width="100" height="60"></a> <img border="0" alt="" src="https://img-proxy.blog-video.jp/images?url=http%3A%2F%2Fwww15.a8.net%2F0.gif%3Fa8mat%3D2HHN06%2BEGCVHU%2B327I%2B5YRHD" width="1" height="1"> <a href="http://px.a8.net/svt/ejp?a8mat=2HHN08+G3W7ZM+33U4+60OXD" target="_blank"><img border="0" alt="" src="https://img-proxy.blog-video.jp/images?url=http%3A%2F%2Fwww28.a8.net%2Fsvt%2Fbgt%3Faid%3D150308792974%26wid%3D001%26eno%3D01%26mid%3Ds00000014494001011000%26mc%3D1" width="300" height="250"></a> <img border="0" alt="" src="https://img-proxy.blog-video.jp/images?url=http%3A%2F%2Fwww12.a8.net%2F0.gif%3Fa8mat%3D2HHN08%2BG3W7ZM%2B33U4%2B60OXD" width="1" height="1">
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<pubDate>Thu, 05 Mar 2015 09:58:08 +0900</pubDate>
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<title>2人の 男（T)</title>
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<![CDATA[ <p>・T</p><br><p>その夜、深い眠りについた。だからなのか、わからないが5時ごろ目が覚めた。日はまだ登っていない。薄暗い空。東の少し北寄りの方向。少し明るみ始めた地平線が見える。</p><p>「一昨年の正月以来だな。日の出見るの。」</p><p>去年も今年も寒さに負けて、日の出を見に行かなかった。</p><p>煤払いしてもらった気がした。</p><p>「モニターつけてみよ」</p><p>まず、アームを机に取り付ける。机の四角のほうに万力をセットし、万力のネジを回す。まあまあうまく固定できた。モニターに手を伸ばす。モニターの後ろ側に、ネジやらボルトやらが入ったガムテープで十文字に留めてあった。それを剥がし、袋からネジとボルトを手のひらに放り出した。指先でネジとボルトを分別していく。その中に、同じ銀色の指輪らしきものが2つ混じっていた。その1つは指が入りそうにないほど形が崩れていた。</p><p>「なんだこの指輪。」</p><p>とりあえず、指輪を机に置き、モニターの取り付けを行った。説明書はなかったが、簡単に取り付けられた。線をノートパソコンに繋ぎ、教えてもらった通りの工程で作業していった。</p><p>24インチのモニターに、いつものノートパソコンでみるデスクトップが表示された。</p><p>「大きいな、、割と見やすいね。」</p><p>ノートパソコンもディスプレイが早くに壊れてくると聞いたことがある。大きい画面に映し出されたデスクトップは以前よりスムーズに動作するように見えた。</p><p>「ブログでもやってみようかな。」</p><p>何か新しい物を手に入れると好奇心と高揚感で新しいこともやってみたくなる。私の場合、無条件でそれは優先順位が高くなる。インターネットを開き、「ブログ　人気」で検索し、有名人のブログをのぞいてみる。はじけんばかりの笑顔の写真や雑誌のモデル時の写真、絵文字入りのメッセージが綴られているブログ。</p><p>「色んなブログがあるもんだなぁ」</p><p>日記みたいな形でやってみようか。今、それ程忙しくはないし。</p><br><p>一仕事終えたら、早起きしすぎたせいか少し眠くなった。朝飯までちょっと横になろうか。</p><p>キーボードから手をほどいた時、何か金属のものが床に落ちた。コン、、。指輪を机に置いたのを忘れていた。</p><p>「一緒に入っていた指輪。誰のだろう。」</p><p>何の飾りもないシンプルな指輪。それと、何かに踏まれ、ねじれひしゃげた指輪。</p><p>両方、誕生石らしい石とアルファベットで文字が刻まれている。</p><p>「43.78　11.25」</p><p>この数字は両方に刻まれてあった。</p><p>片方にはそのあと</p><p>「la luce」</p><p>ひしゃげた方には</p><p>「il sole」</p><p>と刻まれていた。</p><p>はてなマークが頭に浮かぶ。英語にも疎い私だから、この文字の意味が解らない。数字の意味はなおさら解らない。</p><p>少し考えて、あきらめて横になった。</p><br><p>朝の陽がしっかりと窓ガラスに差し込み、目が覚めた。</p><a href="http://px.a8.net/svt/ejp?a8mat=2HHN06+EGCVHU+327I+5YRHD" target="_blank"><img border="0" alt="" src="https://img-proxy.blog-video.jp/images?url=http%3A%2F%2Fwww28.a8.net%2Fsvt%2Fbgt%3Faid%3D150308790874%26wid%3D001%26eno%3D01%26mid%3Ds00000014283001002000%26mc%3D1" width="100" height="60"></a> <img border="0" alt="" src="https://img-proxy.blog-video.jp/images?url=http%3A%2F%2Fwww15.a8.net%2F0.gif%3Fa8mat%3D2HHN06%2BEGCVHU%2B327I%2B5YRHD" width="1" height="1"> <a href="http://px.a8.net/svt/ejp?a8mat=2HHN08+G3W7ZM+33U4+60OXD" target="_blank"><img border="0" alt="" src="https://img-proxy.blog-video.jp/images?url=http%3A%2F%2Fwww28.a8.net%2Fsvt%2Fbgt%3Faid%3D150308792974%26wid%3D001%26eno%3D01%26mid%3Ds00000014494001011000%26mc%3D1" width="300" height="250"></a> <img border="0" alt="" src="https://img-proxy.blog-video.jp/images?url=http%3A%2F%2Fwww12.a8.net%2F0.gif%3Fa8mat%3D2HHN08%2BG3W7ZM%2B33U4%2B60OXD" width="1" height="1">
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<pubDate>Tue, 03 Mar 2015 18:40:23 +0900</pubDate>
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<title>2人の 男</title>
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<![CDATA[ <p>・T</p><br><p>「後ろの。液晶テレビ？引っ越しとか？」</p><p>無性に気になった四角い物体。後部座席に、気持ちよさそうに横たわっている。</p><p>「パソコンのモニターだよ。物置片付けていたらさ、2,3年前の。出てきた。」</p><p>出てきたけれど、特にいらないんだよねぇ。</p><p>「へぇ、、、」</p><p>「そうだ。いらない？このモニター。タダでいいよ。」</p><p>パソコンにはそう頓着しておらず、ノートパソコンのモニターで満足していた。よく、トレーダーなんかがモニター何個も並べ、グラフとにらめっこしている画が頭に浮かんだ。</p><p>「僕のはノートだし、。ノートにも繋げられるの？」</p><p>「繋がるさ！僕もノートの画面をモニターで使ってるよ。今使ってるのがあるから、特にこれはいらないんだよね。これ使ってみる？型落ちだけどさ。使えると思うよ。まぁ、ノートの小さい画面よりは、見やすいよ。」</p><p>「そうかぁ。くれるもんであるなら、有難くいただいちゃおうかな。ほんとにお金いいの?」</p><p>「いいよ。処分したかったくらいだからさ。」</p><p>家まで送ってもらう道のりの中、ブログ、オンラインゲーム、SNSなどの話しで盛り上がった。私はブログもやってないし、ゲームをするわけではなかったので、話を聞くだけだった。軽く相槌を打ったり、それでもやっているSNSだけは話に入り込めた。</p><p>「取り付け方わかるかな？このアーム、万力みたくなってるから、それを机に取り付けて袋に入っているネジでモニターを固定してね。解らなかったら電話してね。」</p><p>うん、わかった。ありがたくいただき、車を降りる。</p><p>「じゃ、ありがとうね。また、イベントで会いましょう。」</p><p>「そうだね。またね。」</p><p>このモニター、結構重たい。モニターを持つ片手がだんだん痺れて感覚がなくなってきた。送ってくれた車が見えなくなるまで、一応見送り、痺れる手はなんとか我慢した。</p><p>ふぅ、玄関にモニターとアームを置き、ひとまず部屋に戻った。</p><p>軽くシャワーを浴び、冷蔵庫からビールを取り出し、栓を開けた。</p><p>風呂上がりのビールがうまい。</p><p>私はアルコールが入ると、何もしたくなくなる傾向がここ最近はある。飲みながらテレビを見るか、タバコを吸うか、どっちかだ。</p><p>「明日、取り付けてみようか。」</p><p>モニターとアームを部屋に持ってきて、ベットに潜り込んだ。</p><br><br><p>・S</p><br><p>Kにとって、僕ってなんだろう？婚約もしたし、これから同棲する。恋人、旦那、子供ができて生まれればパパになるのかな。まだ、実感がない。</p><p>1年前、初めて付き合った子と別れた時、今まで味わったことのないショックを受けた。立ち直れるのかわからないくらいのショックで、仕事以外の時間を布団の中でうずくまり過ごした。</p><p>「何を考えているのかわからない。」</p><p>それがその子の別れ際に残した言葉だった。僕は僕で、その子が何を考えているのか読み辛かった。何を考えているか怖くもあった。その怖さが、表面に出ていたのかもしれない。恐る恐る何かを質問する事が時々あった。その子はよく口を尖らせて、冗談めかしに文句を言っていた。それが可愛くて、この子を失いたくはない、そばにいたい。と、強く思った。</p><p>「何かおもしろいこと、言って。」</p><p>車でドライブしてるとき、毎回リクエストされた。バラエティーやお笑いのテレビを当時よく見ていたのでそのネタをその子に話した。楽しそうに笑うその口と、話し終えネタが尽きた時に見せる口をとがらす癖は、僕の心に今でも残っている。</p><p>それでも、半年くらいの時間が僕の活動という川の源である湧水を復活させ、豊かな水を体内に流してくれた。フットサルの仲間にも救われた。そして、Kと知り合った。</p><p>なぜ、今、昔の事を思い出したのだろう。</p><p>あの時も確かに、新しい始まりだった。人を愛することのできる始まりだった。</p><br><p>Kが帰ってきた。</p><p>ショッピングバックに目いっぱい詰め込んだ食材を手に持っていた。</p><p>「あのスーパー、今日特売だった。」</p><p>語尾にハートマークが付いている。そのハートは部屋を微かに飛び、段々透明になり、空気と同化した。僕は自然と口元が緩んだ。</p><p>「ご飯作るね、もうちょっと待ってね。」</p><p>言い終える前にKを抱きしめていた。</p><a href="http://px.a8.net/svt/ejp?a8mat=2HHN06+EGCVHU+327I+5YRHD" target="_blank"><img border="0" alt="" src="https://img-proxy.blog-video.jp/images?url=http%3A%2F%2Fwww28.a8.net%2Fsvt%2Fbgt%3Faid%3D150308790874%26wid%3D001%26eno%3D01%26mid%3Ds00000014283001002000%26mc%3D1" width="100" height="60"></a> <img border="0" alt="" src="https://img-proxy.blog-video.jp/images?url=http%3A%2F%2Fwww15.a8.net%2F0.gif%3Fa8mat%3D2HHN06%2BEGCVHU%2B327I%2B5YRHD" width="1" height="1"> <a href="http://px.a8.net/svt/ejp?a8mat=2HHN08+G3W7ZM+33U4+60OXD" target="_blank"><img border="0" width="300" height="250" alt="" src="https://img-proxy.blog-video.jp/images?url=http%3A%2F%2Fwww28.a8.net%2Fsvt%2Fbgt%3Faid%3D150308792974%26wid%3D001%26eno%3D01%26mid%3Ds00000014494001011000%26mc%3D1"></a><img border="0" width="1" height="1" src="https://img-proxy.blog-video.jp/images?url=http%3A%2F%2Fwww12.a8.net%2F0.gif%3Fa8mat%3D2HHN08%2BG3W7ZM%2B33U4%2B60OXD" alt="">
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<pubDate>Tue, 03 Mar 2015 11:22:00 +0900</pubDate>
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<title>2人の 男</title>
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<![CDATA[ <p>・T</p><br><p>就職活動と日勤バイトをそこそこにやりながら、よく行くカフェのパーティイベントに顔を出す。毎月1回か２回はDJ呼んだり、アーティストを読んだりしてライブイベントを行っている。ここで知り合う人たちは、カフェという接点だけで他にそれほど繋がりがないだけに、友人を新規発見したみたいで楽しい。</p><p>今日はライブイベントで、ギター・ボーカルとピアノの２人組のアーティストを呼んでいた。</p><p>「今日のライブよかったですね。よくここに来るんですか？」</p><p>隣の男性に話しかける。</p><p>「来ますよ。コーヒーうまいし、色んな人と話せたりするのがいいですよね。」</p><p>「そうだよね。こうやって、知らない人と話せるのいいよね。」</p><p>知らない人だが、気軽に話しかける。ここでは無職をフリーターと偽って言っている。</p><p>今日の音楽について少し話しをした。</p><p>「歌っている人、ゆるい歌声でしたね。ボサノヴァっていうんですか？ああいう音楽。」</p><p>「そうそう。ボサノヴァ。僕も好きなんですよね、ボサノヴァ。」</p><p>ボサノヴァのゆるい感じが好きだ。うたた寝したくなる。</p><p>「CD買っていこうかな。」</p><p>今日演奏した曲が入ったCDがカウンターに置いてある。</p><p>「１０００円なら買っていこう」</p><p>「今日、何で来られました？」</p><p>今日は、電車と徒歩で来た。実のところ、終電も過ぎたし、帰宅手段に困っていた。あわよくば、車なら近くまで載せてもらうつもりで聞いてみた。</p><p>「車だよ。乗ってく？女の子じゃないのがイタイなぁ、ハハ」</p><p>「女の子ではないですけど、お願いします。」</p><p>ラッキーだった。そろそろ店内も閉めたがっている風だったので店を出ることにした。パーキングに向かい、歩いた。店から２分くらいのところのパーキングに車は停めてあった。</p><p>「いやー、悪いですね。お願いします」</p><p>「いえいえ、どうぞ」</p><p>男は車でタバコを吸わないらしく、車内は無臭だった。初めてこの車に乗る人も違和感なく乗れるような車。</p><p>「車、綺麗に使ってますね」</p><p>車内を見渡す。買ってまだ１,２年程度であろう社内の綺麗さだった。後部座席には何か四角い液晶テレビのようなものが置いてあった。</p><p>「丸５年くらいですかね。乗ったの。もう１０万キロ超えてますよ。」</p><p>「そんなに乗ってるように見えないですよ。綺麗好きなんですね。」</p><p>後部座席の四角い液晶テレビのようなものをミラー越しに見ながら話をした。</p><br><br><p>・S</p><br><p>「兄貴、２４インチのディスプレイモニターいる？俺の部屋にあるやつ。」</p><p>「ん、何で使わねえの？」</p><p>「置くスペースがないから、いいや。処分する。」</p><p>「ん、俺もう買っちゃったから俺はいらないよ。でも、友達が欲しがってたなぁ。その友達に売ろうか？」</p><p>処分するものにはそう頓着なく、金は要らなかった。</p><p>「別にタダでいいよ。」</p><p>兄は少し面喰っていたが、ああ、わかった、と言って僕の後ろについてきた。</p><p>「んじゃ、とりあえず俺預かっといて、そいつに渡すよ。」</p><p>「よろしく。」</p><p>２４インチのディスプレイと、机に取り付けるアーム。万力で止める型式のアーム。そのセットを取り外し、兄に渡した。</p><p>タダであげるのはもったいなかったかな、思い直したがまぁどうでもよかった。</p><p>「あの、モニターとアームどこで買ったんだったか、、」</p><p>小学校のあまり仲の良くなかった友人を思い出すように、過去の映像を遡る。別に思い出の品でもない。だが、何かをそのモニターに隠していたいたような気がした。思い出せない。</p><p>「まぁ、いいか。」</p><p>それを見つけても、どうせ何の意味かなんて分かる術もないし。</p><p>とりあえず、部屋の片付けはざっくり終わった。</p><p>新居での同棲生活のスタートで今度は頭がいっぱいだ。一通りの物は揃っている。ただ、彼女との共同生活。彼女と桜でも見に行くような清々しい嬉しさと、ドラマであるような残業してるのに浮気と間違われ、ヒステリックを起こしている彼女の姿が頭に浮かび、いろんな感情が入り交じり、飛び交っている。</p><p>そうこうしているうちに、１０時３０分だ。</p><p>親と一緒に、両家顔合わせの料亭に向かう。何を話したらいいんだろう。堅く、きっちりとした挨拶がいいのだろうか。いろいろ考えたが、もう近くまで来てしまったし、考えるのをあきらめた。なるようになるだろう。</p><p>料亭について着座した。彼女のご両親はすでに到着しており、着座していた。</p><p>「すみません。おそくなりまして。」</p><p>「いえ、私らも着いたのは今しがたで。あ、Kの父親です。こっちが母親です。」</p><p>「Sの父です。こちらが母です。どうぞよろしくお願いします。」</p><p>よかった、僕の方が紹介しなくても、両親同士が話し始めてくれた。少し気が緩んだ。</p><p>その後、両親同士仕事の話しや、私生活の話しなど和やかに進んでいった。最後に、婚姻届けの証人にサインしてもらい、無事に済んだ。</p><p>何事も順調に進んでいった。</p><a href="http://px.a8.net/svt/ejp?a8mat=2HHN06+EGCVHU+327I+5YRHD" target="_blank"><img border="0" alt="" src="https://img-proxy.blog-video.jp/images?url=http%3A%2F%2Fwww28.a8.net%2Fsvt%2Fbgt%3Faid%3D150308790874%26wid%3D001%26eno%3D01%26mid%3Ds00000014283001002000%26mc%3D1" width="100" height="60"></a> <img border="0" alt="" src="https://img-proxy.blog-video.jp/images?url=http%3A%2F%2Fwww15.a8.net%2F0.gif%3Fa8mat%3D2HHN06%2BEGCVHU%2B327I%2B5YRHD" width="1" height="1"> <a href="http://px.a8.net/svt/ejp?a8mat=2HHN08+G3W7ZM+33U4+60OXD" target="_blank"><img border="0" alt="" src="https://img-proxy.blog-video.jp/images?url=http%3A%2F%2Fwww28.a8.net%2Fsvt%2Fbgt%3Faid%3D150308792974%26wid%3D001%26eno%3D01%26mid%3Ds00000014494001011000%26mc%3D1" width="300" height="250"></a> <img border="0" alt="" src="https://img-proxy.blog-video.jp/images?url=http%3A%2F%2Fwww12.a8.net%2F0.gif%3Fa8mat%3D2HHN08%2BG3W7ZM%2B33U4%2B60OXD" width="1" height="1">
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<pubDate>Mon, 02 Mar 2015 09:50:18 +0900</pubDate>
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