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<title>プリズム。</title>
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<description>恋人を失った私の１０年間。ほんとうのはなし。</description>
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<title>翌日。１月２７日。</title>
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<![CDATA[ <p>病院からタクシーに乗って実家に帰ると、深夜１時近かった。</p><p>一人では眠れない。</p><p>そう言って、母と布団を並べて眠った。</p><p>泣き疲れているせいか、眠りはすぐにやって来た。</p><br><p>アラームの音がする。</p><p>昨日、遺品としてもらった彼の携帯から、アラームの音がしている。</p><p>起き上がると、アラームを止めた。</p><br><p>その瞬間、ものすごい悲しみが襲ってきて、大声を出して泣いた。</p><p>昨日まで、この時間にこのアラームで起きていた。</p><p>死ぬと決めたその日も、このアラームで彼は目を覚ました。</p><p>昨日まで、つい昨日まで彼の手の中にあって、彼が自分で止めていたアラーム。</p><p>でももう彼はいない。</p><p>その温もりもここにはない。</p><br><br><p>何年たっても思い出す。</p><br><p>母と並んで眠っていた頃、私は夜中に目覚めては、</p><p>母の心臓の音を聞いて生きていることを確認していた。</p><br><p>そのときの私が、あまりにもかわいそうで。</p><p>彼が死んだときのことを思い出すたびに、</p><p>母の寝息を確かめる自分を思い出して、涙が止まらなくなる。</p><br><p>せつなすぎる。</p><br><br><br><br><p><br><br><br><br><br><br><br><br><br><br><br><br><br><br><br><br><br><br><br><br><br></p>
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<link>https://ameblo.jp/travelmind/entry-10190067794.html</link>
<pubDate>Fri, 09 Jan 2009 18:35:35 +0900</pubDate>
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<title>長い１日。２２：００。</title>
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<![CDATA[ <p>平日のこんな時間、上りの電車はガラガラだ。</p><p>また総武線に揺られている。</p><p>今は泣いていない。</p><p>今は怖くてたまらないんだ。</p><p>病院に行くことは、彼の遺体を見るということ。</p><p>そして彼が本当に、間違いなく死んでいることを知ること。</p><br><p>新宿の西口からタクシーに乗る。</p><p>つい１週間前までは、彼と待ち合わせして一緒に帰っていた。</p><p>西口のスターバックスも好きだった。</p><p>つい最近、展望台に登って東京の夜景も見た。</p><p>そのとき彼が言ったんだ。「俺、この景色を見るとめちゃくちゃ悲しくなる。」</p><br><p>新宿西口なんて嫌いだ。もう二度とこない。</p><br><p>病院の裏口でタクシーを降りると、友達が待っていてくれた。</p><p>すぐに向かうのが怖くてトイレに行った。</p><p>「大丈夫かな。どうしよう。」</p><p>彼の遺体を見て、私の精神は平気でいられるだろうか。</p><br><p>遺体安置所のドアを開けると、左右にずらりと友達が並んで私を見た。</p><p>まるで、ドラマのようだ。</p><p>また現実的じゃない、客観的な私がいる。</p><br><p>奥に彼の両親が見えた。</p><p>私を見て泣いている。</p><br><p>思わず駆け寄って、私はこう言った。</p><p>「すいません。本当にすいません。」</p><p>なぜだか謝っていた。</p><p>「なんで死んだんやろ？けんかでもしてたんか？」</p><p>息子の死んだ理由を、知りたくて当然だ。</p><p>けんか、、、。</p><p>「けんかはしてません。近いうちに結婚しようって言ってたのに、、、。」</p><p>それを聞いて、彼の母親はまた泣き出した。</p><br><p>「きれいな顔してるから、最後に見てあげて。」</p><p>彼の両親越しに、横たわる彼の姿が見えていた。</p><p>近づくとそこには、青白い顔で目を閉じる彼がいた。</p><p>冷たい頬に、首にゆっくりと触れる。</p><p>ああ、本当に死んでしまったんだ。</p><br><p>飛び降りた時刻で止まってしまった、彼の時計。</p><p>時刻は９時１７分。</p><p>壊れた携帯。</p><p>携帯、、、、。</p><p>「私、朝電話もらったんです。それに出なくて、、、もし出ていたら、、」</p><p>「大丈夫、その時間にはもう死んでいたから。それは警察の人がかけた電話だから。」</p><br><p>そしてビニール袋に入った彼の遺品。</p><p>血のついたジャケット、スーツ、私がクリスマスにあげたかばん。</p><br><p>９時１７分。</p><p>会社に行くのは８時過ぎだ。</p><p>１時間近く、死ぬ場所を探して彼はさまよっていたんだろうか。</p><p>いつもの原チャリに乗って。</p><br><p>彼が飛び降りたのは、私たちの住んでいたアパートから歩いて１０分ほどのところにあるマンションだった。</p><p>前からそこを知っていたのだろうか。</p><p>そして、その場所でずっと悩んでいたんだろうか。</p><p>私が、怖い夢を見ているときに。</p><br><p>そんな彼の姿を想像したら、悲しくてつらくて。</p><br><p>最後の最後の瞬間、私のことを思い出した？</p><p>ねえ、思い出した？</p><p>残された私がどうなるか、考えた？</p><br><p>ひどいよ。</p><p>いなくなってしまえば、悲しみも痛みも消えるでしょ。</p><p>生きているほうは、こんなにつらい。</p><p>そして一生忘れられないんだ。</p><p>そんなのって不公平だよ。</p><br><br><br><br><br><br>
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<link>https://ameblo.jp/travelmind/entry-10190065103.html</link>
<pubDate>Fri, 09 Jan 2009 18:08:44 +0900</pubDate>
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<title>長い１日。１２：００ー２２：００</title>
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<![CDATA[ 母親がやってきた。<br>抱きついて、泣きながら私は言った。<br>「ごめんね、一緒に住んでいたの。言わなくてごめんね。」<br><br>謝らなくていいよ、と母は言った。<br><br>そこからどうやって実家まで帰ったのか、ほとんど覚えていない。<br><br>総武線に揺られながら、ずっと泣いていた。<br>周りの人の視線なんて、気にならない。<br>見たいなら見ればいい。私の恋人が自殺したんだ。<br>どう思われようと、どうでもいい。<br>すべてがどうでもいい。<br><br>数時間後、友人からの電話。<br>「今、新宿の○○病院にいるよ。ねぇ、本当に死んじゃったよ。」<br>彼の遺体を見た彼女は泣きながらそう言った。<br>「今からおいでよ。彼のご両親が、どうしても会いたいって待ってるよ。友達もみんな待ってるから。」<br><br>そして新宿の病院に向かった。<br>もう夜の10時近かった。
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<link>https://ameblo.jp/travelmind/entry-10189600134.html</link>
<pubDate>Wed, 07 Jan 2009 13:31:29 +0900</pubDate>
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<title>長い１日。１１：４５。</title>
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<![CDATA[ 現実感が全くわかない。夢かドラマのように、他人ごとのように、冷静にな自分がいる。<br>そう思うと絶望と不安と恐怖が押し寄せて、体が震え出す。<br><br>どうしよう？<br>私は明日からどうやって生きていくのだろう？<br>生きていけるの？<br><br>もう、この暗闇から出られることはない。<br>彼のいない世界に、私の居場所はない。<br><br>彼の友達に連絡を取ろうとして、誰一人として電話番号を知らないことに気付いた。<br><br>私たちは、２人だけの小さな輪の中にいて、それで満足していた。<br>だから、彼の友達の連絡先なんて必要ないと思っていたんだ。<br><br>なんとか彼の親友と私の母親、友達に連絡を取れた。<br>死んだよ、自殺だよ。<br>そう人に話すたびに、これが現実なんだと感じる。<br>死んだんだ、もう会えないんだ。<br><br>私の母親は、遺体の確認には行くな、と言った。「最後の姿を見たら、一生忘れられない。<br>そんなつらいことをする必要はないよ。<br>今から迎えに行くから、一緒に帰ろう。」<br><br>今でも、その選択は正しかったと思っている。<br>私の代わりに確認に行った友人が、彼の手首に残るためらい傷の写真を見た、と後から聞いた。<br><br>そんな写真を見ていたら、私は立ち直れない。
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<link>https://ameblo.jp/travelmind/entry-10189593597.html</link>
<pubDate>Wed, 07 Jan 2009 13:31:29 +0900</pubDate>
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<title>長い１日。１１：３０。</title>
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<![CDATA[ 電話しないと。<br>ストックを取りに来たことも、早く戻らなければいけないことも忘れて、留守電の言葉を確かめながら、番号を押す。<br><br>つながった電話に、担当の人の名前を告げる。<br>数分間の呼び出し音が流れて、声が聞こえた。<br>「○○さんのお知り合いですか？」<br>「はい、彼女です。一緒に住んでいます。何があったんですか？」<br>「今日の朝、○○さんが高い所から落ちて亡くなりました。」<br><br>高い所から落ちて？<br>亡くなった？<br><br>息が止まりそうだった。周りが静止してるみたいに、音も消えた。<br><br>「それは自殺っていうことですか？？本当に彼なんですか？」<br><br>ほとんど怒鳴っているように、私は言った。<br>「自殺とは断定できませんが、、。7階建てのビルから落ちて亡くなりました。○○さんの携帯で最後にかけた番号があなただったので連絡しました。」<br><br>座っていた椅子から、床に崩れ落ちながら、泣きながら叫んでいた。<br>「私、どうやって生きていけばいいの？これからどうやって生きていくの？」<br><br>警察の人は冷静に言った。<br>「ご両親と連絡は取れますか？ご両親のお住まいはご存知ですか？」<br>彼は大阪の出身だ。<br>そう告げると、大阪からだと時間がかかると言って、今からタクシーに乗って身元の確認に来て欲しいと言う。<br><br>行けない。見れない。<br>まだ受け入れてもいないのに、死んでいる彼の姿を見るなんて出来ない。<br>「分かりました。」<br>そういって、場所を説明する刑事の声をただ流れていく音のように聞いていた。
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<link>https://ameblo.jp/travelmind/entry-10189009363.html</link>
<pubDate>Wed, 07 Jan 2009 13:31:29 +0900</pubDate>
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<title>長い１日。　１１：００</title>
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<![CDATA[ 長い、長い１日だった。7年前の1月26日。<br><br>何か嫌な感じ、のまま仕事に出かけて、いつもと同じ１日が始まるように思えた。<br><br>販売員だった私は、かばんをロッカーに置いて、お店でいつものように接客したり掃除をしたり。<br>11時頃、事務所にストックを取りに行った。<br>なんとなく携帯を見ると知らない番号からの着信が何件も。<br><br>そして留守電。<br>再生ボタンを押す。<br>「新宿警察署の刑事課の者です。○○さんについてお話ししたいことがありますので、至急ご連絡ください。」<br><br>心臓がバクバクしてる。刑事課？<br>警察に捕まった？<br>なんで？<br><br>疑問だけが頭の中をぐるぐる回っている。
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<link>https://ameblo.jp/travelmind/entry-10189002283.html</link>
<pubDate>Wed, 07 Jan 2009 13:31:29 +0900</pubDate>
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<title>その日の朝。</title>
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<![CDATA[ <p>その日、私は嫌な夢を見て目が覚めた。</p><p>私は恋人と同棲していて、いつも私が起きる前に彼は仕事に行く。</p><p>普段は、彼の支度をする音でぼんやり目覚めたりするのに、</p><p>その日に限っては彼が出かけたことにも気づかずに、嫌な夢に起こされた。</p><br><p>私と彼がバイクで２人乗りをしていると、後ろから怖い人たちに追いかけられる。</p><p>必死で逃げようとするけれど、どんどんそれは近づいてきて、</p><p>彼だけを黒いもやのようなものが巻き取って、引き離されてしまう、、、そんな夢。</p><br><p>目が覚めると、いつもより部屋がしん、と静まり返っている気がした。</p><p>なんか嫌な感じ。</p><p>出て行ったのにも気づかなかったし。</p><p>少し寝坊していた私は、少し急いで支度をした。</p><br><p>クローゼットからは、彼がよく着ていた茶色のスーツがなかった。</p><p>今日はそのスーツを着ていったんだな。</p><p>それにしても、なんか嫌な感じが抜けない。</p><p>きっと、別れようと言われるんだろうな。</p><p>そんな予感がしていた。</p><br><p>携帯を見ると、彼からの着信があった。</p><p>急いでいた私はお昼休みにかけなおそうと思って、そのまま家を出た。</p><p>でもそれは、永遠にかけなおすことのできない電話だった。</p><br><br>
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<link>https://ameblo.jp/travelmind/entry-10188796706.html</link>
<pubDate>Tue, 06 Jan 2009 23:43:04 +0900</pubDate>
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<title>プロローグ。</title>
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<![CDATA[ <p>最近よく聞いているＣＤがある。</p><p>長い間ずっと、遠ざけていたそのＣＤを、また聞いている。</p><br><p>昔の恋人が好きで一緒によく聞いてた。</p><p>今でもその曲を聴くと思い出す。</p><p>初めて誰かと、ひとつに溶けてしまいたいと願っていた二十歳の私を。</p><p>まるで初恋のようで、世界に他のなにもいらないなんて本気で思っていたことを。</p><br><p>こういう日々がずっと続いていくんだって信じて疑わなかった。</p><br><p>ある朝、私の恋人は自殺した。</p><p>いつものように会社に行くふりをして。</p><br><p>突然に。</p><br><br>
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<link>https://ameblo.jp/travelmind/entry-10188783167.html</link>
<pubDate>Tue, 06 Jan 2009 23:28:00 +0900</pubDate>
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<title>恋人を失った私の、ほんとうの話。</title>
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<![CDATA[ <p>書くことで、きっと何かが消化される気がする。</p><p>こうやって文字にするのに、長い時間がかかったけど、</p><p>書き終わったら、前に進める気がする。</p>
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<link>https://ameblo.jp/travelmind/entry-10188778348.html</link>
<pubDate>Tue, 06 Jan 2009 23:24:17 +0900</pubDate>
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