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<title>Rain</title>
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<description>大好きな「嵐」の曲からイメージした創作小説を書いています。それぞれのイメージもあるとは思いますが(汗)広い心で読んで、楽しんでいただけると嬉しいです♪</description>
<language>ja</language>
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<title>今年も</title>
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<![CDATA[ 残すところ、あと数時間で新年を迎えますね。<div>中々、更新ができない拙宅ですが、覗いていただいてありがとうございます。</div><div><br></div><div>また、少しずつでも更新できればと思います。</div><div>気長にお待ちくださいね。</div><div><br></div><div>来年も、皆様にとって良い年でありますように<img src="https://stat100.ameba.jp/blog/ucs/img/char/char3/005.png" alt="おねがい" width="24" height="24"></div>
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<pubDate>Thu, 31 Dec 2015 22:28:40 +0900</pubDate>
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<title>Breathless　その１６</title>
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<![CDATA[ 暗いくらい闇の中・・<br>どれだけの時間、俺はここで過ごしているんだろう・・<br>何か大切なものを失くしたはずなのに・・<br>何を失くしたのか、それすらも思い出せないほどの虚無の中・・<br>ただ、俺は息をして、その場に居た。<br><br>大切な何か・・それが何なのか・・<br>とても大切なのに、それすらも思い出せない・・<br>自分の手さえ見えない闇の中・・ただ、その場に居る俺。<br><br>誰かが呼ぶ声が聞こえる・・誰かが・・<br><br>「・・ず・・な・・り・・か・・ず・・・り・・」<br>その声が少しずつ近づく。<br>俺はこのままでいいんだ・・誰も、俺を呼ぶな・・<br>もう～疲れたんだ・・<br>このまま・・捨て置いてくれ・・<br><br>そう思っても、その声は、俺を呼び続ける。<br>誰だ？煩い！俺はこのままでいいんだ・・<br>このままで・・本当にいいのか？<br>本当に？<br><br>そう思った瞬間、あたりが急に明るい日の光で満たされる。<br>その光のまぶしさに、思わず手で顔を覆った俺の視界に、黒い影が横切る。<br><br>「和也！迎えに来たぞ！｣と、ニッコリ人懐こい笑みを浮かべた青年が立っていた。<br>誰だ？と思ったのと、「誰？」と幼い声が同時に聞こえて、俺の意識はそのまま幼い子どもの意識へと変わり、今までの想いが消えていた。<br><br>「忘れているのも無理もないか。和也が生まれたとき以来だからな。逢うのは・・｣と、俺を抱き上げる見知らぬ青年に、うろたえる。<br>「あの・・僕・・｣と、言葉にならない俺に、ニコニコと笑いかけながら<br>「随分待たせて、悪かったな。もう、大丈夫だからな」<br>その言葉に、自分の置かれている状況が理解できず、うろたえている俺に<br>「俺は、麻見翔太（あさみ　しょうた）。お前の叔父だよ」<br>「叔父さん？」と問い掛ける俺に<br>「あぁ、お前の母親の弟だ・・」と、怒りを含んだ声で答えた。<br><br>この出逢いが、俺の運命を大きく動かす事になるなんて、このときは気づきもしなかった。<br><br>「翔太！何をしているの？」と、母の声が聞こえた。<br>「お母さん？」と、不思議そうに声のする方に顔を向ける俺を、無視するように・・というより、俺の存在自体その場に存在しないように、翔太と会話を交わす母に、何の感情もわかなくなっていた俺。<br>こんな事はいつもの事で、母にとって、大切なのは、２つ上の兄、直哉（なおや）と父、直人（なおと）だけが家族だったから・・<br>俺は、この家では存在してはいけない存在だった。<br>物心ついてから、今まで母や父に愛された覚えも無く、使用人たちも、仕方なく俺の世話をしていると言う感じだったから・・<br>昔は・・まだ、幼い頃の俺は、母に振り向いて欲しくて、泣き喚いたり、母の気を引こうと色々としていたが、そんな俺を冷めた目で見、まるで汚らわしいものを見るような表情を浮かべる母に、俺の心は感情を失っていた。<br>何をやっても無駄なんだと・・俺はこの家で、この家族の中では、疎ましい存在なのだと・・<br>この頃の俺は、そんな境遇を受け入れていた。<br><br>「何だって？和也を連れて行くんだよ。こいつを見ろよ！この歳でこんな死んだような目をして・・」と怒りで、声が震えている。<br>「知らないわよ。この子なんて、私は産みたくなかったんだから・・」と、答える母の答えに、”やっぱり”となぜか納得できる俺の様子に<br>「子どもの前で、そんな事言うなよ！｣と、俺を庇うように抱きしめる翔太の様子に、逆に俺はどうすればいいのか、うろたえた。<br>「本当の事よ。この子もわかっているはずよ。自分はいらない子だって」<br>「姉さん！」と、母の声に重なるように、怒鳴る翔太の声に、ビクッと俺の体が驚きで跳ねる。<br>「和也、ごめん！お前に怒鳴ったんじゃないんだ・・」と、俺を気遣う翔太を不思議そうに見つめる俺。<br>「ほら御覧なさい！可愛げのない・・」と、顔をしかめながら呟く母。<br>「姉さんのせいだろ？」<br>「どうして？この家の子として、恥ずかしくない教育は受けさせているわ。それで十分でしょ」<br>「十分じゃないだろ！子どもが・・こんな感情の見えない表情を浮かべるなんて・・」と、悔しげに呟いた。<br>そんな二人のやり取りを聞きながら、翔太の怒りの意味がよくわからない俺は、<br>「僕が悪いでしょ？お母さん・・いつも言っているよ。気味の悪い子だって・・だから、お母さんは悪くないんだよ」と、答える俺を<br>「和也、それを本気で言っているのか？」と、ジッと見つめて問い掛けられた。<br>「うん・・」と、素直に答えた俺を、ギュッと再び抱きしめて・・<br>「お前は何も悪くないんだよ。気味が悪いなんて・・ふざけるな・・」と、声が震えていた。<br>その声は、今までのように、怒りで震えているのではなく、聞いたことがない震えで、その意味を俺は理解できなかった・・<br><br>「兎に角、和也は俺が引き取る」と、言い切る翔太に<br>「何をバカな事を言っているの？」<br>「バカな事？このままここで育っても、和也のためにはならないだろ」<br>「翔太！」と、叫ぶものの本気で止めようとしていないことは、容易にわかる。<br>周りの目を気にしてのやり取り・・<br>「和也。今日から俺のうちで、一緒に暮らそう」と、ニコッと笑みを浮かべると、母の制止の声を無視して、そのまま、家を出て行く。<br>「でも・・」と、戸惑う俺に<br>「残念だけど・・この家では、お前の居場所はないから・・」と、止めていた車に俺を静かに乗せて悲しげな表情で告げた。<br>その言葉に、驚きも悲しみも、何の感情も沸かない俺に、苦笑いを浮かべながら<br>「でも、俺には、お前は必要だからな。それに、俺の家族も・・」<br>「家族？」という不思議な響きに、問い掛ける俺<br>「あぁ、これから、和也の”家族”になるからな」と、楽しそうに笑うと、エンジンをかけて、車を発進させた。<br>見慣れた家が、ドンドン後ろの景色へと変わっていき、俺は、生まれて初めて・・あの家のあの薄暗い部屋から、外へ飛び出していた。
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<link>https://ameblo.jp/tubasa-hime/entry-11886843005.html</link>
<pubDate>Mon, 30 Jun 2014 23:00:00 +0900</pubDate>
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<title>Breathless　その１７</title>
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<![CDATA[ 「ここが、和也の新しい家だ」と、車のドアを開いた翔太に促されるように、目の前の家をジッと見つめる俺。<br>今まで住んでいた家(洋館)と違い、日本家屋の家の迫力に、圧倒されている俺を<br>「さぁ、中に入ろう」と、ニコニコと笑みを浮かべながら、その家の中に入っていく。<br>「ただいまぁ！」と、声をかけると、奥から<br>「お帰りなさい」と、一人の女性が姿を見せた。母とは違う暖かい空気を纏ったその女性は、翔太と同様に、人懐こい笑みを浮かべて<br>「はじめまして。和也くん。私は綾香（あやか）。翔太の奥さんです」<br>「養父さんは？」と、家の中に入っていく翔太の後を、追いかけるように急いで部屋に上がる俺。<br>”あっ！靴・・”と、慌てて、靴をそろえて、翔太達の後を追いかける。<br>そんな俺の様子を見ていたのか、スッと頭を撫でながら<br>「エライね。カズくん」<br>そんな事をされた事が無い俺は、どう答えていいのかわからず、体が硬直してしまった。そんな俺の様子に<br>「カズくん」と、苦笑いを浮かべる綾香さん・・<br>「ごめんなさい・・」と、思わず謝罪の言葉が口をついた。<br>「カズくんは、何も悪くないのよ！」と、慌てる綾香さんの様子に、俺はますますどうしていいのか、わからず俯いてしまった。<br>「カズくん・・」と、どう対応していいのか、困っている様子が伝わってきて、やはり俺は、気味の悪い子なんだと改めて感じていると・・<br>「何をしているんだ？」と、玄関が開いて、大きな声が聞こえた。<br>その声に振り向くと、そこには、大柄なお爺さんが立っていた。<br>「お父さん！」「養父さん！！」と、その姿に翔太と綾香さん二人揃って声を上げていた。<br><br>「お前か？坊主？」と、グシャグシャと頭を撫でながら、問い掛ける声に、答えられない俺。<br>「養父さん！和也が驚いてます！」と、俺の頭からその手を離そうと近づくも<br>「お父さん！」と、同時に綾香さんも俺を救い出そうと近づくと、<br>「まるで腫れ物に触るようだな」と、スッと二人の手から攫う様に、俺を肩の上に抱え揚げた。<br>びっくりした表情を浮かべる俺に<br>「坊主！名前は？」と問い掛ける。その迫力に、言葉が出て来ない俺に<br>「坊主！名前は？」と、もう一度問い掛ける<br>「和也・・」と、小さな声で答える俺に<br>「うん？」と、聞き返しながら、ジッと見つめられる。その目を見つめ返しながら<br>「結城和也（ゆうき　かずなり）」と、今度は、自分でも驚くほどの大きな声で答えると、<br>「いい声だ！和也」と、豪快に笑うとそのまま、家の中へと進んでいく。<br>「お父さん！」「養父さん！」と、その後を翔太と綾香さんが追いかけてくる。<br>「今日から、この家の子になるんだろ？」と、問い掛けられて、思わず俺は二人の顔を見た。<br>そんな俺の視線に二人は、優しい笑みを浮かべて<br>「そうよ。今日から一緒に暮らすんだからね」と、俺の手をソッと包み込むように、ギュッと握り締める綾香さんの暖かさに、思わず目から涙がこぼれた。<br>
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<pubDate>Mon, 30 Jun 2014 22:58:55 +0900</pubDate>
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<title>長らく・・(^^;)</title>
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<![CDATA[ 長らくお待たせいたしました&lt;(_ _)&gt;<br>まだまだ、仕事に慣れず、バタバタな日々を過ごしておりますが・・<br>少しずつ、更新できればいいなぁと思っております。<br>少しでも、楽しんでいただければ嬉しいです♪<br><br>tubasa
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<pubDate>Mon, 30 Jun 2014 22:57:01 +0900</pubDate>
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<title>Breathless　その１５</title>
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<![CDATA[ 『晃さん？』と、彼の腕の中で、幸せな気持ちに浸っていた私。なのに、どこかいつもと様子の違う晃さんに、不安が広がる。<br>『晃さん・・』と、もう一度呟く私に、ギュッと抱きしめられる。<br>『良かった・・』<br>その言葉だけで、どれだけ、彼に心配をかけていたのかが伝わる。、<br>『ごめんなさい・・』と、呟く私に<br>『また、謝る』と、クスクスと楽しそうに笑う彼<br>『でも･･』と、ジッと晃さんを見つめる私に、優しく笑いながら<br>『また逢えたからいいよ』と、優しく抱きしめられた。<br>『晃さん』<br>『だけど・・もう、こんな思いは沢山だ・・』<br>『うん・・』と、晃さんの胸の中で、静かに頷いた。<br><br>見覚えのない場所を、真っ直ぐに進む晃さん<br>『晃さん・・どこへ・・』と、問い掛ける私に、ニコッと笑みを浮かべながら<br>『あいつにも、誰にも邪魔をされないところ』と、楽しそうに呟いた。<br>『あの・・』<br>『<span class="caret"></span>家の事は心配ないよ。耀もいるし、なによりここは、葛城が教えてくれた』<br>『兄様が？』<br>『彼は、君の幸せを願っているからね』<br>『兄様・・』と、嬉しさに涙が浮かぶ・・・そんな私の手をギュッと握り締めながら、<br>『それに、俺が家を継ぐより、耀が継いだ方がいい。俺は、遙香が居ればいいんだから・・』<br>『でも・・』<br>『今回は、耀が助け出しに行けと言ったんだよ』と、楽しそうに笑っている。そして、少し開けた場所に出ると・・<br>『姫様！』と、懐かしい声が聞こえた。<br>”えっ”と、驚きの表情を浮かべる私の目に、私達が一緒に暮らしていた屋敷の<span class="caret"></span>人たちがいた。<br>『どうして・・』と、言葉を失っている私に<br>『久遠様に命じられて・・ここに隠れておりました。私達は、みな、姫様の兄上様。永遠様の屋敷に使えていたものなのです』と、告げた言葉に驚きで何も答えられなくなっていた。<br>『驚くのも当たり前だよね。俺もここに来るまで半信半疑だったよ。<span class="caret"></span>あの屋敷は燃えて、跡形もなく、屋敷の住人も、うらら以外は、その生死すらわからなくなっていたからね』と、ニコニコと笑みを浮かべる晃さんに、釣られたように笑っている私。<span class="caret"></span><br>『私達は、久遠様に助けられ、ここに新たに里を作りました。いつか、姫様や久遠様が、幸せに暮らせる場所になるように・・と』と告げる言葉と、晃さんを交互に見つめると<br>『だから・・安全なんだよ』と呟く言葉に<span class="caret"></span>、私達は、里へと迎え入れられた。<br><br>あれから2年・・<br>皇帝になった蒼惟は、俺達の・・遙香の行方を捜していた。<br>将軍家を継いだ耀や、遙香についていた葛城（彼が彼女の兄であることは、まだばれていなかったから・・）も、屋敷の中に居て、彼ら自身も俺達の行方を捜している振りを続けていたため、蒼惟自身も手をこまねいていた。<br>何より、俺が”悪路王”としての力を持っているため、蒼惟に見つからないように、結界を張って、見つからないように、細心の注意を払っていた。<br>二度と遙香を・・彼女を失わないために・・<br>彼女に助けられた命は、彼女との穏やかな時間を過ごす事で、荒ぶる力が、俺の中で同化したように、穏やかになっていく。<br>このままいつまでも、彼女とともに、この幸福が続いていくんだと、そう信じていたのに・・<br>気の緩み・・少しの油断が、俺から永遠に彼女を奪っていく事になった・・<br><br>『晃さん』と、定期的に送られてくる耀からの手紙を手に、俺の名前を呼ぶ遙香<br>『耀から？』と、手紙を受け取りながら問い掛ける俺に、コクッと頷きながら、俺が手紙を読んでいる横で、静かに待っていてくれる。この心地よさに、心が満たされる。永遠に続くと思っていた時間・・<br>いつものように、皇帝の事、家の事、近況・・だけのはずが・・気になる記載が載っていた・・<br>『晃さん？』と、いつもと様子の違う俺を目聡く気づいた遙香が、不安げに名前を呼んだ。<br>『<span class="caret"></span>家の様子を見てくるよ。大丈夫・・<span class="caret"></span>すぐに戻ってくるから・・』と、彼女の頬にキスをすると、俺の姿はその場から消えた。<br>『晃さん・・』と、不安げな遙香を一人残して・・<br>このとき、彼女に伝えておくべきだったんだ・・”悪路王”について、皇帝が調べ始めた事を、慎<span class="caret"></span>が伝えてきた事を・・<br>ただ、不安を与えたくなくて、黙って彼女の元を離れた事を、俺は生涯悔やむ事になる・・<br><span class="caret"></span><br>目の前に広がる景色・・今では、遙香と過ごしているあの里の風景が俺達の日常だけに、懐かしさを感じる俺が生まれ育った屋敷に出向いた俺。<br>2年振りとはいえ、生まれ育った屋敷だと言うのに、どこか屋敷の雰囲気が異常に感じる。何かが、おかしいと、屋敷の中に一歩ずつ、足を踏み込みながら、警戒心が強くなる・・<br><br>『兄上！！』と、緊迫した声が響く。<br>『耀？』と、その声がする方を振り向くと、皇帝の兵であり、親衛隊の中でもえりすぐりのエリートである私兵たちに、取り囲まれていた。<br>その中心に、手足の自由を奪われている耀<span class="caret"></span>と葛城。<br>『！？』<br>兵の銃口は、俺に向けられていて、ただ、皇帝の・・蒼惟の命を待っていた。<br>『待っていたぞ・・よくも今まで・・』と、笑みを浮かべながら、その瞳は、怒りで燃えるように鋭いものになっていた。<br>『何のことだ？』と、判っていても知らぬ顔で答える俺<br>『お前の一族は、口が堅いのか、結束力が強いのか・・騙された・・』<br>『兄上！！』と、兵から逃れようとする耀に、間髪いれず兵が無表情に鉄槌を下す。<br>『耀！』<br>『遙香は、どこだ！』<br>『さぁ』と、平静を装ったまま答える俺を、苦々しげに見つめる蒼惟。<br>『弟の命がどうなってもいいのか？』と、問い掛ける言葉に<br>『兄上、私達の事は気にしないでください』と、口元から血を流しながら叫ぶ耀に、苦笑いが浮かぶ。<br>『麗しの兄弟愛だな・・どんな手を使っても、遙香は手に入れてみせる。彼女は、俺のものだ・・』と、ギラギラした瞳を向ける蒼惟に、ククッと笑いが込み上げる。<br>『遙香は、俺の妻だ。彼女は、お前の気持ちを受け入れる事は出来ないと、あの時も断ったはずだろ？』と、勝ち誇ったように呟いた言葉に、苦々しげに睨み付ける蒼惟。<br>『彼女は、どこだ』<br>『お前が知らないところだ』<br>『彼女は優しいからな。お前の弟や友人、葛城が、命の危険にさらされていれば・・黙っては居ないだろ？』と、ニヤッと笑みを浮かべる蒼惟に<br>『そうだな。俺のために、自分の命を犠牲にするぐらいだからな・・もう、二度と彼女にそんな事はさせない』と、力強く呟く俺に、ギリッと唇を噛む蒼惟。<br>『やはり、お前が目障りだな』と、本性を現したように、呟く蒼惟に、ククッと喉を鳴らして、笑う俺。<br>『お互い様だな』<br>『お前の力は、おまえ自身では、操りきれない強いものだろ？持て余しているものを・・』<br>『遙香のおかげで、コントロールできるようになっているんだよ。ご希望なら、試してみるか？』と、呟く俺に、今度は、蒼惟がククッと笑う。<br>『その力は、諸刃の剣だよ。私や遙香の一族のように、その力で守られていたものとは違う』<br>『遙香の力は、確かに、守られているものだ。だけど、お前こそ、その力は使いきれて居ないんじゃないのか？だからこそ、遙香の力が欲しいんだろ？』と、問い掛ける俺に、蒼惟の表情が変わる。<br>『彼女の力は、お前のようなやつが使っていいものじゃない』<br>『だからといって、お前が使っていいものでもないだろ？遙香は、あの力を使いたいとは思っていないんだからな』<br>と、呟いた時点で、蒼惟の顔が怒りで、血の気を失っていた。<br>『遙香は、渡さない』と、言い切る俺に、スッと手を上げる蒼惟。その瞬間<br>『兄上！！！！』と、耀の悲鳴に近い声が響くと、同時に、一斉に銃が発射された。<br>『晃さん！！』と、遙香の声が聞こえたのと<br>『遙香？』と、目の前にスッと黒い影が横切ったのが同時だった。<br><br>銃声が収まった瞬間・・・黒い影・・遙香の姿が目に飛び込んできた。<br>『遙香！！』と言う俺の声に反応するように、遙香が笑みを浮かべながら、俺の腕に倒れこむ。<br>『どうして・・・』と、自分でも驚くほど声が震える。彼女の体から、夥しい血が<span class="caret"></span>流れ出る。<br>『晃さん・・大丈夫？』と、自分よりも俺の心配をする遙香に<br>『俺の事より、自分の事を心配しろよ！どうして・・』<br>『遙香！』と、蒼惟も声を上げる。予想外の遙香の登場に、蒼惟もまた動揺していた。<br>『だって・・様子が・・変・・だったから・・』と、笑みを浮かべる遙香<br>『だからって・・』と、自分の不甲斐なさに言葉を失う俺・・<br>『あ・・きらさん・・』と、そっと俺の頬に触れる遙香の手に、自分の手を重ねる・・<br>『無事で・・良かった・・』と呟いた。<br>『遙香・・待ってろって言ったのに・・』と、自然と涙が浮かぶ。<br>『晃さんが・・危険なのが見えたから・・』<br>『だからって・・』<br>『ごめんなさい・・でも、良かった』<br>『良くない！俺を一人にするな！遙香！！！』<br>『一人じゃ・・ないよ・・』と、ニコッと笑みを浮かべる遙香<br>『ダメだ・・逝くな・・遙香・・』<br>『晃さん・・』と、少しずつ生暖かい血が流れるように、遙香の命も流れ出す。<br>『あ・・りが・・・とう・・・』と、笑みを浮かべながら、眠るように俺の腕の中で、少しずつ体温が下がっていく遙香を、ギュッと抱きしめながら<br>『あ・・にうえ・・』と、言葉を無くしている耀。<br>『あき・・らさん・・』と、心配そうに呟く葛城の声が遠くに聞こえる。<br>『俺の・・俺のせいだ・・』と、まるで呪文のように、遙香の体を抱きしめながら呟く俺。<br>『お前が・・』と、怒りに燃えた蒼惟の声に<br>生気を失った瞳を向ける俺に、何かを感じたのか、耀と葛城さんが、声をかけようとした瞬間、<br>『お前に言われなくても、自分が一番わかっているさ』と、呟くと俺は、遙香の体を、彼女と共に暮らしていた里へと送る。葛城と耀と共に・・<br><br>『晃・・』と、その場には、俺と蒼惟と慎・・そして、皇帝の私兵のみ・・<br>『もう、遠慮はしない・・』と、呟いて、俺は”悪路王”の力を解放していた。<br><br>この国がどうなるのか、俺自身がどうなるのか・・もう、何も考えられず、ただ、彼女を犠牲にしてしまった事を、ただ、後悔していた。<br>遙香を今度こそ幸せにする・・その為なら・・目の前が暗くなり、俺自身、どこにいるのか、どこに向かっているのか・・<br>何も判らない・・・暗い、暗い闇へと落ちていった・・・<span class="caret"></span><br><br><br><br>
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<link>https://ameblo.jp/tubasa-hime/entry-11802926265.html</link>
<pubDate>Tue, 08 Apr 2014 23:15:45 +0900</pubDate>
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<title>Breathless　その１４</title>
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<![CDATA[ 『遙香・・久しぶりだな』と、屋敷から無理やり連れてこられた先には、蒼惟殿下が居た。<br>『殿下？』<br>『逢いたかった・・』と、私を抱きしめる腕から<br>『いや！！』と、逃れる私の腕を捕まえて、自分に引き寄せる。<br>『なぜ逃げる？昔から、私の気持ちは知っていたはずだ』<br>『私には、夫がおります』<br>『それは、父上（あいつ）が、勝手に決めた相手だろ？遙香の意思じゃない！可哀想に・・』と、私を抱きしめる腕に力を入れる。<br>『可哀想？どういう意味ですか？』と、殿下の腕から逃れようと<span class="caret"></span>動く私に<br>『言葉どおりだ。好きでもないやつの下に嫁したのだからな』と、まるで私を逃がさないように、より腕に力を入れる。<br>『殿下と一緒に居るよりも、晃さんと一緒に居る方が、私は幸せです』と、きっぱり言い切る。<br>『遙香？』<br>『私は、晃さんを・・夫を愛しています』<br>『遙香・・』と、驚きで目を見張る殿下<br>『殿下の気持ちには、お答えできないと申し上げたはずです。義姉様が生きていらっしゃる頃から・・』<br>『それは、姉上に遠慮をしての事だろ？遙香が姉上の下から離れる事が出来ないから・・』<br>『違います！私には、ずっと思う男性(かた)がいると申し上げていたはずです』<br>『あのロザリオの・・』<span class="caret"></span><br>『はい』と胸のロザリオに触れる。<br>『しかし、どこの誰とも知らない相手だろ？』<br>『その方が・・晃さんだったんです』と、緩んだ腕から逃れて呟く私を、驚きの表情で見つめる殿下。<br>『そう思っているだけだろ！あいつは、あの男が戯れに決めた相手だったじゃないか！』<br>『始まりはそうかもしれません。でも、私と晃さんの絆は、初めて逢ったあの日からずっと結ばれていたんです』<br>『そんな事は認めない！！遙香、お前は騙されているんだ！お前は、私のものだ・・』ともう一度、強い力で引き寄せられる。<br>『離してください！！』と、抵抗する私に<span class="caret"></span><br>『こんなに思っているのに・・どうして、俺じゃないんだ！！』と叫ぶと、無理やり私をベットへと連れて行く。<br>『離してください！！イヤ！！！』<br>『遙香・・お前を誰にも渡さない』と、呟くと私の首筋に顔を埋める<br>『イヤ！！』と、抵抗しても力で抑えられる。<br>『大人しくする事だ・・お前の大事な”夫”がどうなるか・・』と、冷酷な声音に、ビクッと体が跳ねる。<br>『ど・・ういう・・』と、ジッと殿下を見つめる私に<br>『言葉どおりだ。今の俺は、遙香、君の大切な”夫”も簡単に始末できる立場に居るんだからね』と勝ち誇った笑みを浮かべる殿下に、背筋に寒いものが走った。<br>この人なら、躊躇なく晃さんを殺してしまう・・陛下が、永遠兄様を処刑したように・・<br>そう感じたとき、体から抵抗する力が失われていく・・<br>『判ってくれたんだね・・遙香・・』と、嬉しそうに私の体に触れる殿下の様子に、自分が人形になったような気持ちになる。<br>あの時のように・・義姉様とともに、この宮殿に閉じ込められていたときのように・・<br>自分の心を殺して・・何も感じない・・晃さんと、ずっと一緒に居られると思っていたのに・・<br>そう思うと、自然と涙が頬を伝う・・<br>『遙香・・愛しているよ』<br>『晃さん・・』と、殿下に聞こえないほどの小さな声で、ボソッと呟いた瞬間、<br>”遙香！どこだ！！！！”という、晃さんの声が聞こえた。<span class="caret"></span><br>『あ・・き・・らさん？』と、今度ははっきりした声で呟く私の様子に<br>『遙香？』と、動きを止めて、私の顔を見る殿下。そんな殿下の様子を気にする事無く、私は周りを見回す。<br>『晃さん・・晃さん！私はここです！！晃さん！！！！』と叫ぶと<br>”今行く！！”と、声が聞こえたのと同時に、部屋の空気が変わると、私達以外に人が居なかった部屋に、晃さんの姿が現れた。<br>『晃さん！』と叫ぶ私。<br>『遙香！』と近づきながら、私の様子に（殿下に組み敷かれている様子に）、彼の纏う空気が変わる。<br>『遙香は渡さない』と、静かに呟く殿下に、抱きしめられたまま、私は身動きする事が出来ずに居た。<br>『遙香から離れろ』と、今まで聴いたことがないほど感情のない晃さんの声に、<br>『あき・・らさん』<br>『遙香は、私のものだ』と、晃さんを挑発するように呟く殿下<br>『離してください！』と、抵抗する私を、ギュッと力強く抱きしめると<br>『言ったはずだ。お前が大人しくすれば、あいつの命は助かるんだと・・』と、耳元で囁く声に、再び涙が頬を伝った。そんな私の様子に、何かを感じたのか<br>『遙香・・俺をまた一人にするのか？』と、静かなトーンの声に、涙で濡れた瞳でジッと晃さんを見つめる。<br>『晃さん・・』と、彼を見つめた瞬間、<br>『離してください』と殿下の腕の中で暴れ始める私。彼を一人に出来ない・・そう、約束したもの。私も・・彼がいなくなると生きていけないから・・<br>『遙香！？』と、大人しくなると思っていただけに、慌てる殿下<br>『晃さん！』と、彼に向けて手を差し出す私の手を取るように、手を差し伸べる晃さん。<br>『させない』と、低い声で呟く殿下に<br>『イヤ！！』と、声と共に、体に力が漲ると、次の瞬間、殿下の重さを感じていたはずなのに、急に体が軽くなると<br>『っうっ・・』と、離れた場所でうめいていた。その様子に、言葉を無くす私。<br>ベットに起き上がりながら、体の震えが止まらない・・こんなこと・・<br>『忘れていたよ・・』と、頭を振りながら<span class="caret"></span>呟く殿下を、ジッと見つめる。<br>『遙香、君の一族には、こういう不思議な力を持つものが生まれるんだったね。永遠・・君の兄さん達もそうだったし・・今では、君だけなんだよね』と、立ち上がる殿下の様子に、背筋がゾッとして、身動きが出来なくなる。<br>『自分の身を守るための力だよ。気にする事はないよ』と、いつの間にか私の側に寄り添いながら、そっと呟いた言葉に<br>『晃さん・・』と、不安な気持ちが、ホッとした気持ちに変わる。<br>『遙香、行こう・・ここは、俺達が居るところじゃない』と、呟くとソッと私を抱き上げる。<br>『遙香！』と、足早に私達に近づく殿下に<br>『お前には、絶対に渡さない』と、呟くとソッと私の唇に自分の唇を重ねて<br>『行こう』と、静かに呟くと、殿下の様子を気にする事無く、スッと、その場から消えていく。<br>『遙香！！』と、叫ぶ殿下の声を背に受けながら、再び、晃さんと一緒にいる喜びに浸っていた。<br><span class="caret"></span>
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<pubDate>Sun, 23 Mar 2014 01:10:15 +0900</pubDate>
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<title>Breathless　その１３</title>
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<![CDATA[ お互いの気持ちが通じ合ってから、俺達は、幸せな時間を過ごしていた。<br>俺の屋敷で、一緒に暮らし・・はじめは、遙香に対して、素っ気無かった耀をはじめとする屋敷の人々も、彼女の人となりに触れることで、少しずつ彼女に惹かれていった。<br>俺としては・・彼女のよさを知ってもらえる事は、うれしいことだけど・・俺以外に遙香が誰かに優しくする事が許せない・・そんな気持ちに、<span class="caret"></span>こんなに独占欲が強かったのかと、苦笑いが浮かんだ・・<br>『どうかしたの？晃さん』と、遙香が問い掛ける。<br>俺の思いも知らず、いつもと同じように心が温かくなる笑みを浮かべる彼女にわからないように、もう一度、苦笑いが<span class="caret"></span>浮かんだ。<br>『なんでもないよ。遙香・・』と、グッと彼女を抱きしめる。彼女の温もりに、ホッと息をつく。<br>『晃さん？』と、俺にされるがままの遙香の耳元で<br>『俺以外に優しくするなよ』<br>『えっ？』<br>『遙香は、俺だけのものだろ』と、彼女の首筋に顔を埋める俺。<br>『でも・・』と困ったような口調で言葉を捜している遙香。俺の言葉に戸惑っている事が伝わる<span class="caret"></span>。自分でもわかっているんだ・・これは単なる我侭で・・<span class="caret"></span><br>『ヤキモチ・・だよ』と、拗ねたような口調で呟くと、クスクスと笑い声が聞こえる。<br>『遙香？』と、その声に胸の中にいる彼女を見つめると、ギュッと俺に抱きつきながら<br>『私が好きな人は、晃さんだけだよ』と、はっきり告げる彼女の声に、思わず顔がほころぶ。<br>『判ってる・・だけど・・嫌なんだよ』と、嬉しさを我慢しながら拗ねた口調で答える俺に<br>『晃さん・・』と、再び、<span class="caret"></span>困ったように俺の名前を呼ぶ遙香に、心が満たされる。そんな俺達の時間を邪魔するように、<span class="caret"></span><span class="caret"></span><br><span class="caret"><span class="caret"></span>『イチャイチャと・・』と、呆れたような声が聞こえた。<br>『慎さん？』と、声の主を探すように、振り向いた遙香の瞳の先に、慎がニヤニヤと笑いながら見ていた。<br>そんな慎の姿に、露骨に嫌そうな表情を浮かべる俺と、慎の顔を見比べる遙香<br>『晃さん？』と、不安げな声を出す遙香に、なにか告げようとする俺の言葉を遮るように<br>『言っとくが、何度も、ノックしたんだぞ。気づかなかったのは、お前の方だよ。晃』と、ニヤッと笑みを浮かべる慎。どうせ俺のからかいのネタを探していたんだろう事は、容易に想像が付くのに、<br>『ごめんなさい。気がつかなくて・・』と、遙香が素直に謝ると、<br>『あぁ、気にしなくても大丈夫だよ<span class="caret"></span>』と、俺にだけわかるように嫌味な笑みを浮かべる慎を睨む俺。<br>『あの・・』と困ったような遙香を、慎から隠すように抱きしめる。<br>『晃さん？』と、驚きの声を出す遙香。そんな遙香の様子を気にする事無く<br>『何か用か？』と問い掛ける俺に、ニヤニヤと楽しそうに笑いながら<br>『<span class="caret"></span>今は、忙しそうだから・・後でいいよ。客間で待っている』と、言い置いて部屋を出て行った。<br>そんな慎の様子に<br>『何か大切なご用件があったのではありませんか？早く行かないと・・』<br>『遙香』と、ムッとしたように呼びかける俺に<br>『晃さん？』と、不思議そうに答える遙香。<br>『あいつは、からかいに来ているだけだよ。たいした用事なんてないさ』と答える俺に<br>『でも・・』と、呟きながら瞳が大きく物語っている・・<span class="caret"></span><br>長年、隔離された生活を送っていたからなのか、本来の性格なのか・・<br>遙香は素直すぎて・・それが、屋敷の人間達の心を掴んでいるんだけど・・心配になる。<br>『本当に、たいした用事じゃないよ。皇帝が代替わりして・・俺もあいつも暇なんだよ』<br>『本当に？』<br>『本当だよ。もし、至急の用件なら、あんなラフな格好はしていないよ』と、答える俺に、やっと納得したのか、ホッとした表情を浮かべた。<br>そんなまったりした、甘い時間が、永遠に続くと思っていた。2人で幸せになるんだと・・・<br>俺の中の悪路王も、あれ以来力を発揮する事もなくなり、俺達を隔てるものは、何もないんだと油断していた。<br><span class="caret"></span><br>油断していたからこそ、あいつに遙香を奪われ・・永遠に彼女を失う事になった。<br><br>『遙香が居ない・・だと』と、怒りに体が震える俺を<br>『兄上！』と必死に止める耀。<br>新皇帝の命で、耀と2人屋敷を空け戻ると、屋敷の惨劇に目を見張った。<br>簡単には、進入できないように手を加え、何より葛城（久遠さん）が屋敷に残って居たはずなのに・・<br>『申し訳ありません・・』と、動くのもままならないだろう様子の久遠さんが頭を下げる。<br>『どうして・・誰が遙香を・・』と、呟く俺に<br>『新皇帝だよ』と、静かに伝える慎<span class="caret"></span>の声に、<br>『なぜだ！』と、胸倉を掴む俺を<br>『兄上』と、耀が必死に俺と慎の間に割って入る。<br>『彼女を所望したんだ・・』と、うなだれるように呟く慎の言葉が、信じられない。<br>『どういう・・彼女の力か？』と、独り言のように呟く俺に<br>『それは・・ちがい・・ます・・』と、うららに抱えられながら、静かに呟く久遠さん<br>『久遠さん？』<br>『彼は、蒼惟は、遙香を妻にと・・望んで・・おりましたから・・』<br>『妻？』<br>『それを聞いた前皇帝は・・晃さんに遙香を嫁したのです。彼ら父子の仲は、とても悪かったので・・』<br>『そんな事・・俺は知らない・・』<br>『申し訳ありません・・もう、諦めたものと・・』と、うなだれる久遠さんの姿に、あいつがもう一度遙香を手に入れたいと思ったのは・・就任の宴で再び遙香に逢ったからだと、想像が付いた。<br>『兎に角・・遙香を取り戻す』と、踵を返す俺に、<br>『晃！』『兄上！』「晃さん！！｣と、俺を止めようとする彼らの声を背後に聞きながら、俺は屋敷を後にした。<br><span class="caret"></span><br><br></span>
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<link>https://ameblo.jp/tubasa-hime/entry-11797568148.html</link>
<pubDate>Tue, 18 Mar 2014 23:20:15 +0900</pubDate>
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<title>Breathless　その１２</title>
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<![CDATA[ 俺は、昔からどこか冷めた子どもだった。<br>将軍家の嫡男で、高い教養を与えられ、剣もそれほど苦労する事無く強くなって、なんでも手軽に手に入る環境は、俺にとっては、なんの魅力もなかった。<br>他人から見たら、羨ましい環境でも、俺にとっては、煩わしいだけだった。<br>次期将軍と言う肩書きは、俺の思いとは関係なく、周りの大人たちを色めき立たせ、女達は、その恩恵にあやかろうと近づいてくる。<br>それが判っているだけに、割り切って付き合えるし、誰にも心を開く事無く、うわべだけで付き合うことが、当たり前になっていた。<br>そんな俺の様子に、母は心を痛めていたのかもしれない。死ぬ間際・・ベットに俺を呼んで、あのロザリオを手渡した。<br>『これは、母様が大切な方からもらったものなの。これがあったから、母様は幸せだった。晃、これを身につけていなさい。きっとあなたを守ってくれる。そして、いつか、大切な女性（ひと）が出来たら、その人にあげなさい。きっとその人を守ってくれるわ』と、言う言葉を残して、この世を去った。<br>あとで、わかったことだけれど・・<br>俺の母は、父と結婚する前に将来を誓い合った相手がいた。それを、強引に別れさせて、父の元に嫁いできたんだと・・<br>母に惚れた父が自分より身分の低い相手を、権力でねじ伏せたと・・そんな関係がうまく行くはずもなく、母は最期まで、父に心を開かず、父もその淋しさを耀の母親である愛人を持つことで紛らわせていた。<br>だからこそ、俺に対する態度と、弟の耀に対する態度が明らかに違ったのは、<span class="caret"></span>自分の恥部をさらけ出しているような、耀の存在が父にとっては、目障りだったんだろう。<br><br>母が亡くなってからは、後添いをもらう事もなく、<span class="caret"></span>耀の母親だけじゃなく、何人もの愛人を囲い、好き勝手に生きている父親の態度は、俺の目には<span class="caret"></span>滑稽に見え、ますます、家にもこの生活も、色あせていた。虚しい日々の中・・・彼女に、遙香に出逢った。<br>あの処刑の日。<br>自分の感情のまま、素直に泣いている少女に目を奪われた。<br>なにか彼女の力になりたい・・そう思った瞬間、気がついたら、母上からもらったロザリオを彼女に渡していた。<br>名前も、どこの誰かも知らず、その後、その少女の事も忘れていたのに・・あの時のロザリオは、今、<span class="caret"></span>俺の手元にある。<br><br>陛下（あいつ）に言われて、気乗りしないまま、遙香に逢ったあの時・・体に電流が走ったようだった。<br>父上の供で後宮に入ったとき、悠華様の側で人形かと思うほど、可憐な姿を見て、もう一度逢いたいと願っていたその女性（ひと）だった。<br>遙香を妻に迎える事で、俺自身は舞い上がっていたけれど、彼女が俺との事を喜んでいたわけじゃなく、本当は<span class="caret"></span>葛城を愛しているのに、俺の元に嫁したんだと思っていたあの時。自分もまた父と同じだと、それでも、彼女を手放したくない、嫌われたくないという思いだけで、俺はこの3年間、彼女に接してきた。<br>自分の気持ちを伝えず、自分の思いを封じて・・しかし、それが、あんな結果になるなんて、想像もしていなかったから・・<br>遙香がどう思っているのか・・真実を知った今・・彼女の気持ちが知りたい・・<br><br>頬に触れた遙香のぬくもり・・この手を離したくない！<br>その想いが、彼女の手に触れることで、あふれ出す。<br>自分の命をかけて、俺を守ってくれた遙香。<br>触れた手のひらから、唇から、彼女への想いがあふれ出す。<br>どう伝えたらいいのか・・はやる気持ちが、抑えられなくなっていた。<br><br>何度も何度も唇を重ね、そのつど激しさを増していく。<br>『あ・・きら・・さん』と、吐息の中に、自分の名前が聞こえて、ゾクッと来る。<br>彼女をベットに押し倒して、その首筋に唇を這わす俺に<br>『晃さん、あの・・』と、初めて遙香が抵抗する。<span class="caret"></span><br><span class="caret"></span>『なに？』と、上目遣いで彼女を見つめる。頬をほんのり桜色に染めながら、その瞳が潤んでいる。<br>『どうして・・』と、問い掛ける遙香。そんな彼女の唇に自分の唇を重ねる。<br>『遙香を・・愛しているからだよ・・』と、答える俺に、驚きの表情を浮かべる。予想していた事とはいえ、苦笑いが浮かぶ。<br>『でも･･晃さんには・・』と、遙香が呟く声を遮るように、また唇を重ねる。<br>『俺には、遙香だけが居ればいい』と、答える俺の言葉に、言葉を無くしている遙香。そんな彼女の様子に、俺の気持ちがまったく彼女に伝わっていなかったんだと、苦笑いが浮かぶ。<br>『俺にとって、家も財産も魅力はないよ。遙香だけだ・・それとも、あのロザリオを渡した事を忘れていた事を<span class="caret"></span>怒っているのか？』と、ジッと彼女の瞳を見つめながら問い掛ける俺に<span class="caret"></span>、首を左右に振りながら<br>『でも･･晃さんは・・』と、その瞳から涙がこぼれた。<br>『葛城から・・いや、久遠さんと言った方がいいのかな』と、話し<span class="caret"></span>始めた俺に、驚きで目を見張る遙香。そんな彼女の首筋に、唇を寄せながら、彼女の耳元で<br>『すべて話を聞いた・・俺が知らなかった事実・・』と、呟くと<br>『それは・・』と、驚いた表情を浮かべる。<br>『話せなかった･･だろ？その事を責めているんじゃないよ。ただ・・遙香が、葛城を慕っていたのは、そういう理由だとわかっても、俺は君の信用に足る人間じゃなかったという事が、悲しかったんだ・・』と、彼女の首筋に顔を埋めながら呟く俺に<br>『違います！』と、俺をギュッと抱きしめる遙香。<br>『晃さんを・・巻き込みたくなかったし・・幸せで・・あの時間を壊したくなかったから・・』<br>『幸せ？』<br>『晃さんが、陛下に言われて仕方なく、私と一緒に居るんだと・・晃さんは、優しいから、私を哀れんで側に居るんだと・・そう思っていたの・・それでも・・晃さんが側に居てくれる事が嬉しくて・・無くしたくなくて・・』と、呟いた遙香をギュッと抱きしめる腕に力を入れる<br>『あ・・きら・・さん？』と、苦しそうに答える遙香に<br>『ふざけんなよ！俺は優しくないし、ずっと遙香を独占したかった・・遙香が死んで、俺は<span class="caret"></span>、俺は・・』と、言葉が出て来ない。<br>彼女を失って、どれだけ自分の行動を後悔したか・・悪路王を解放した事だって・・<br>『私が死ねば・・晃さんが幸せになるんだと・・本来、晃さんが手にするはずの栄華を手に出来るんだと・・私が一緒にいるから・・永遠兄様のようになってしまったら・・それが、怖かったの・・』<br>『遙香』<br>『ごめんなさい・・晃さんを傷つけるつもりはなかったの・・』と、俺にしがみつく遙香。彼女の温もりに、色々な想いが伝わる。<br><span class="caret"></span><span class="caret"></span>『愛してる・・もう、失いたくない・・』と、遙香の耳元で囁く俺に<br>『私も・・もう、晃さんと離れたくない・・愛してます・・』と呟いた言葉に、俺達のすれ違っていた気持ちが、やっと一つに繋がった。<br>一緒に暮らし始めて、初めて、お互いがお互いの気持ちに正直になり、幸せな時間を過ごしていた。<span class="caret"></span><br>
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<link>https://ameblo.jp/tubasa-hime/entry-11796602807.html</link>
<pubDate>Sun, 16 Mar 2014 17:35:45 +0900</pubDate>
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<title>Breathiess　その１１</title>
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<![CDATA[ 永遠兄様が処刑されたあの日から、私のすべてが大きく変わってしまった。<br>幼い頃に両親を失った私にとって、長兄の永遠兄様、悠華義姉様夫婦は、朧な思い出の両親よりもずっと身近な存在だった。<br>永遠兄様が居て、悠華義姉様が居て、久遠兄様、うららと葛城が居て、幸せに包まれていたのに・・<br>永遠兄様が処刑され、悠華義姉様が陛下の下に連れ戻され、久遠兄様も屋敷の人たちも、殺されて・・私はひとりぼっちになってしまった。<br>そんな時に、出逢ったのが、晃さんだった。<br>兄様の処刑に、ただただ泣く事しか出来なかった私に、自分の大切なロザリオを渡して、勇気をくれた。<br>私が、閉じ込められた生活の中、生きていられたのは、あのロザリオのおかげだから・・<br><br>私と一緒にいたうららは、あの屋敷の惨劇には巻き込まれなかったけれど・・、あの時、久遠兄様の代わりに、葛城が亡くなった・・<br>兄様の顔は、永遠兄様のように、みんなが知っていたわけではないからこそ、うららの兄、葛城として、私の側で、私を守ってくれていた。<br>今でも・・永遠兄様が処刑された理由はわからない。でも・・私のこの力の事は、永遠兄様も、悠華義姉様も話していないからこそ・・陛下は、私をまるで義姉様の人形のように、扱っていた。<br>子どもの居なかった永遠兄様夫婦にとって、私は二人の子どものように育っていたから、永遠兄様を失って、心が壊れた義姉様が私が側にいる事で、<span class="caret"></span>生きながらえていたから<span class="caret"></span>・・<br><br>義姉様が亡くなって、残された私は、ただ感情がなくなったように・・人形のように暮らしていた。陛下から、『嫁げ』と、言われたとき・・何の感情も沸かなかったのに、相手が晃さんだと知って、本当に驚いた。あの時の彼が・・でも、晃さんはその事を覚えていなかったけれど・・<br>彼と共に、一緒に暮らして、兄様たちが生きている頃のように幸せで・・でも、彼の家族に逢って、自分の存在が、彼にとって迷惑な状態であることを改めて感じたとき・・命を絶つことに何のためらいもなく、陛下から渡された薬を飲んだのに・・目が覚めたら、目の前に晃さんが居て、何のためらいもなく、陛下をその手にかけていた。<br>そんな彼の様子に、どうすればいいのか、私は戸惑った。だって・・彼はとても優しい人だから、私を哀れんで側に居てくれたんだと・・ずっとそう思っていたのに・・どうして、私を助けるために、自らの命を絶とうとしたのか・・<br>久遠兄様が止めるのも聞かず、私は自分の力を使っていた。晃さんを失いたくない！その思いだけで・・・<br><br>”ここは・・？”目の前には、自分の手さえも見えない闇が広がっていた。<br>そんな闇の中なのに、はっきりと晃さんの姿だけは<span class="caret"></span>見えた。<br>”晃さん”と呼びかけても、振り向かない彼に不安が広がる。いつも、少し困ったような笑みを浮かべながら、私の呼びかけに答えてくれた人が、今は、まったく反応を示さない。<br>”晃さん！”と、何度も呼びかけても、振り向かず、追いかけても追いかけても、どんどん彼との距離が広がっていく。<span class="caret"></span>まるで、追いかけるほど、彼が私から遠くへ行ってしまうように・・<br>このまま距離が広がれば、二度と彼に逢えない恐怖に、私は必死に彼を追いかけた。<br>”晃さん！！！”と、やっとの思いで<span class="caret"></span>捕まえた晃さんの腕に、縋るように抱きつきながら、ホッと息を吐いた瞬間、一気に光が注いできて、周りが明るくなる。そのまぶしさに、晃さんを掴んでいた腕が、離れていくような感覚に戸惑う。<br>”ダメ！！晃さん！！”ともう一度捕まえようと、手を伸ばした瞬間<br><br>『姫様？』と、聞きなれた声が聞こえた。その声に返事をしない私を、心配そうに覗き込みながらもう一度、『姫様、大丈夫ですか？』と、うららが問い掛ける。<br>夢なのか、現実なのか、周りを見回しながら、見覚えのない場所に戸惑っていると<span class="caret"></span>、そんな私を安心させようと、うららが、いつもの笑みを浮かべて、何か言葉を発しようとした瞬間、<br>『うらら、遙香の様子はどう？』と、晃さんの声が聞こえてきた。<br>『晃様、今・・』と、晃さんに伝えようとしているうららの言葉よりも先に、<br>『晃さん！！』と、叫んで私は、さっきまで見ていた景色のように、彼を放さないように、その腕にしがみついていた。<br>『遙香？』と、驚きの声を上げながら、私をソッと支えてくれる晃さんの温もりに、さっきまでの不安が一気に押し寄せるように、ドッと感情があふれ出す。<br>ポロポロ、ポロポロと、涙が流れて、自分でもどうしていいのかわからない感情が、あふれ出る。<br>なにか言葉を伝えたくても、言葉が出て来ない。<br>そんな私の様子に、驚いているはずなのに、スッと抱きしめてくれる。腕だけじゃなく、体全体に晃さんのぬくもりを感じるほどに、涙と嗚咽が洩れる。<br>そんな私の様子に、静かに寄り添って、『遙香』と、優しく名前を呼んでくれる晃さんに、少しずつ心が満たされていった。<br><span class="caret"></span><br>どれだけの時間、私達はそうしていたんだろう・・・<br>”ここにいる。私の側にいる”その安心感は、あの不気味な夢から私を満たされた気持ちへと変えてくれたけれど、同時に、晃さんとの関係性を、現実を思い出すきっかけにもなった。<br>すっぽりと、晃さんの腕に抱きしめられている自分の状況に、<br>『ごめんなさい！』と慌てて、彼から体を離そうとした私を<br>『遙香』と、どこか怒ったような表情を浮かべながら、私の腰を自分の元へと引き戻す。<br>この3年・・一緒に暮らしていても、一度も見たことがない晃さんの様子に、戸惑いの色が隠せない私。いつも、優しく微笑んでいたから・・私・・なにか・・<br><br>いつものように、眠る遙香の様子を見に部屋を訪れた俺を、目覚めたばかりなのにも関わらず、ベットから駆け出して、あの闇の中のように、俺を抱きしめる遙香の様子に戸惑いながらも、そのぬくもりに心が満たされていた。<br>自分の指先も見えない闇の中、あの闇の心地よさと孤独感は、俺の心を蝕み始めていたのに、遙香の声と、彼女のぬくもりを感じた事で、俺はこの世界に戻る事が出来たんだから・・<br>それが、遙香の力だとしても、恐れよりも、災いの種となるその力を、俺のために使ってくれた事に喜びを感じていた。<br>彼女は、俺の事をどう思っていたんだろう・・知りたいと感じる想いが俺を包んでいた。<br>それなのに！<br>『ごめんなさい！』と、慌てて俺から体を離そうとする遙香を、<br>『遙香！』と、<span class="caret"></span>思わず自分の下へ引き戻す。<br>”なぜ、俺から離れようとするんだ”という<span class="caret"></span>怒りが、表情に出ていたのか、おびえた表情を浮かべている遙香に、言葉が出て来ない・・<br>彼女をおびえさせたいわけじゃないのに・・<span class="caret"></span><br><br>私の態度に怒っているのか、キュッと唇を引き結んで、何かを耐えている晃さんの様子に、ますます言葉が出てこなくなってしまった私。<br>”どうしよう・・どうすればいいんだろう”と、考えていた私の目に、スッと晃さんの目元から一筋の涙がこぼれた。<br>”あっ”と、思った瞬間、私は、無意識に彼の頬に流れる涙を、拭うためにソッと、彼に触れていた。<br>『遙香？』<br>『ごめ・・んな・・さい』その言葉しか、出てこなかった。<br>きっと、沢山彼を傷つけたんだ・・それだけは、はっきりと判ったから・・<br>そんな私の手をソッと掴んで、その手のひらに唇を近づけて、そっとキスをする晃さん。<br>驚きで、体が硬直する私に、苦笑いを浮かべながら<br>『どうして、謝るの？』と、優しく問い掛ける。聞きなれたはずの晃さんの声が、いつもと違って聞こえるのは・・気のせい？<br>ドキドキと早鐘を打つように、心臓の音を耳に聞きながら、私の手を大切そうに触れながら、ジッと見つめる晃さん<br>『あの・・晃さんを・・沢山・・傷つけたから・・』と、答える私に、フワッと傷ついたような笑みを浮かべる晃さんの様子に、今度は私の瞳から涙が流れて、俯いてしまった<span class="caret"></span>。<br>『ご・・めんな・・さい・・』もうこの言葉しか出て来ない。そんな私に<br>『遙香・・君を責めているんじゃないんだ。親父達に何を聞かされたのか、陛下（あいつ）に何を言われたのか、そんな事は容易に想像が付くよ。でも、それは、俺の気持ちじゃない』とはっきりした口調に驚きで顔を上げた。<br>『でも、晃さんは私と一緒にいる事で、すべての栄華を放棄させられているって・・』<br>『そんなもの、俺には必要ないからね』<br>『必要・・ない？』と、問い返す私に、ニコッと見惚れる笑みを浮かべると<br>『遙香以外、俺が欲しいものはないよ。君が側に居てくれる。それだけで、俺は十分なんだから・・』と、呟くとソッと私の唇に、自分の唇を重ねた。<span class="caret"></span><br><br><br><br><br><br><br><br>
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<link>https://ameblo.jp/tubasa-hime/entry-11795293565.html</link>
<pubDate>Sat, 15 Mar 2014 10:25:10 +0900</pubDate>
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<title>Breathless　その１０</title>
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<![CDATA[ 俺達が空間に飛び込んだ瞬間、部屋の中に人々が押し寄せた。<br>『殿下！』と、一人の兵士が声を上げる。<br>『なんだ』と、答えながら部屋に入ってきたのは、皇帝の後継者である蒼惟（あおい）<span class="caret"></span>。<br>皇帝の息子でありながら、その才覚ゆえ皇帝から疎まれ、不遇な生活を送っていた。<br>『どうしたんだ？』と問い掛ける蒼惟の目の前には、首と胴体が切り落とされた無残な状態の皇帝の姿があった。<br>『無残だな』と、まるで笑うのを堪えるような口調に、彼らの関係の悪さを浮き彫りにして<span class="caret"></span>いた。<br>『沢山の恨みを買っていて、この程度だという事に、相手に感謝しなければな。犯人に関する事は何かわかったか？』と、続けて問い掛ける蒼惟に<br>『それが・・』と、言葉を濁らせる。その兵士の先には、先ほど遙香を呼びに行った兵士が控えていて、それだけで、彼にはすべての合点がいったようだ。<br>この頭の切れぐわいも、皇帝に嫌われる要因だったけれど・・<br>『巷で噂の”悪路王”か』と、楽しそうな口調で問い掛ける。<br>周りの兵士達は”違う”とも”そうだ”とも判断する事が出来ずにいた。しかし、蒼惟だけは、何かを感じていたのか、その場にそぐわない楽しげな様子をかもし出していた。<br>『だから言ったんだ。彼女を俺の妻にしたいと・・俺の言うとおりにしていれば、こうはならなかったのに・・忠告したつもりだったんだがな。俺が遙香を手に入れることを拒んで、あいつにくれてやるからだ・・』と、忌々しげに呟いた。<br>この時の俺は、遙香が俺の元に来る事になった原因が、この親子の確執によるものだなんて、知らなかった。<span class="caret"></span><br>皇帝にとっての誤算は、俺が遙香に対して本気になったことだろう。彼女が命を絶つまでは、俺自身、自分の気持ちを表に出していなかったから・・自分を脅かす存在である息子により力をつけさせる事を拒み、戯れに家臣へ忠誠を誓わせるために嫁した。しかし、その優秀な家臣が、家を継がず、その女と共に暮らし始めた事で<span class="caret"></span>、その家臣の父親から泣きつかれ<span class="caret"></span>、また戯れに彼女を奪って・・息子である俺の怒りが爆発した。<br>そして、皇太子である蒼惟が、遙香に対してこんな気持ちを持っていたことも知らずにいたから・・それが、俺達の間に、あんな悲劇を呼び込むことになるなんて、この時の俺に<span class="caret"></span>は考えも及ばなかった。<br><br>宮殿がそんな騒がしさの中、無事に屋敷に戻って来た俺達。その瞬間<br>『遙香！？』と、俺の腕の中で身動きをしない遙香に、嫌な予感がよぎって、言葉が出て来ない俺。<span class="caret"></span>そんな俺の様子に、クスッと笑みを浮かべながら<br>『大丈夫です。晃さん』と、葛城さんが呟いた。<br>『えっ・・でも・・』と、戸惑う俺に<br>『力を使いすぎただけです。暫く休めば、元気になります』と、クスッと笑みを浮かべた。<br>『遙香が、これほど無理をするなんて、思っていなかったも<span class="caret"></span>ので、私も驚きました』と、今まで聴いたことがないほど、優しく呟いた言葉に、俺は戸惑い<span class="caret"></span>が隠せなかった。<br>そんな俺の様子に、クスクスと楽しそうに笑みを浮かべながら、<br>『晃さんには、すべてをお話いたします。が、その前に遙香を休ませましょう』と、俺の腕の中で眠る遙香を愛しげに<span class="caret"></span>見つめながら呟いた言葉に、俺の心は、穏やかではなかったけれど・・<br>『晃さん？』と、俺が返事をしないことに、不審に思ったのか、俺の顔をジッと見つめる葛城さん。そんな彼の視線に耐えられなくなった俺は、ソッとわからないように視線をはずして、<span class="caret"></span><br>『そうですね。部屋に連れて行きます』と、呟いて俺は、葛城さんと目を合わせないように部屋を出て行った。<br><br>『やっと自分の気持ちに、正直になろうとしたのに・・俺は・・』と、ベットに遙香を寝かしながら、そっと呟いた。深い眠りの中に居る遙香の寝顔を見つめながら、言葉にならない想いが、溢れる。<br>遙香の気持ちを考えれば、俺は身を引いたほうがいい事は、わかっているのに、気持ちが追いつかない。<br>遙香を諦めるなんて・・そう思いながらも、自分の気持ちを決めかねていた。<br>まさか、この後、あんな大きな秘密を彼から聞くことになるなんて、思いもしないで、悶々とした思いを持て余していた。<span class="caret"></span><br>
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<link>https://ameblo.jp/tubasa-hime/entry-11786573853.html</link>
<pubDate>Wed, 05 Mar 2014 00:05:45 +0900</pubDate>
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